JP2017170315A - エアフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

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一郎 上坂
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一郎 上坂
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Abstract

【課題】ビルや店舗の空調に用いられるパッケージエアコンなどに組み込まれて使用される不織布シートを用いて製作されるエアフィルタにおいて、比較的安価にエアフィルタを製作することと合わせて、フィルタろ材に枠を取り付ける際の工程不良を減少させることを目的とする。
【解決手段】プリーツ折したフィルタろ材2の周囲に、枠状に不織布シート3を貼り付けたエアフィルタ1であって、不織布シート3は、厚み2〜3mmのポリエステル製で、片面にあらかじめホットメルト4を塗布し、ホットメルト4は、オレフィン系で、180℃時の溶融粘度4,200〜4,800(mPa・s)、オープンタイム180〜200(秒)であり、ホットメルト4を不織布シート3に厚み700〜1,000μmで塗布したので、フィルタろ材2と不織布シート3の接着が容易に強固かつ確実に得られるようになる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ビルや店舗の空調において、パッケージエアコンなどに組み込まれて使用される不織布シートを用いたエアフィルタに関するものである。
従来、この種のエアフィルタは、フィルタろ材の周囲の枠材料として剛軟度150mg以上の繊維間熱接着された不織布シートを用いている。そして、不織布シートとフィルタろ材との接着は、軟化点が100℃以上のホットメルト樹脂で行っている。このとき、不織布シートの内部にホットメルトを25%以上内部に浸透させることで、不織布シートの強度が増し、作業性を良くすることが提案されている(特許文献1)。
特開平8−266843号公報
このようなエアフィルタにおいては、不織布シートにあらかじめホットメルトが塗布され、ホットメルトが硬化状態となっている。そして、不織布シートに塗布したホットメルトをドライヤーなどで加熱し、ホットメルトが溶けた状態にしてから、その不織布シートをプリーツ折されたフィルタろ材の周囲に貼り付ける。その後、ホットメルトが硬化して不織布シートとフィルタろ材とが接着状態となることで、簡便にエアフィルタを得ることを特徴としている。
特許文献1によれば、不織布シートに塗布するホットメルトは軟化点が100度以上のホットメルト樹脂を、不織布シートの内部に浸透しているものも含めて0.2〜3mm程度にすることが記載されている。そして、特許文献1には、オープンタイム(ホットメルトが溶解してから硬化するまでの時間)が、21秒のホットメルトを使うことが記載されている。
オープンタイムが20秒程度のホットメルトが塗布された不織布シートを使った場合、ホットメルトを溶解させてからすぐに位置決めして貼り付け作業を終える必要がある。時間が経つと、ホットメルトの表面が硬化を始め、貼り合わせを行った際に十分にフィルタろ材とホットメルトが接着できず、接着不良を生じることがある。また、貼り付け作業時に所定の位置からずれて不織布シートを貼り付けした場合、20秒程度のオープンタイムではホットメルトは硬化が始まってしまっているため、位置調整ができず、接着不良による生産ロスを生じることがある。
そこで、本発明のフィルタは、上記課題を解決する為に、プリーツ折したフィルタろ材の周囲に、枠状に不織布シートを貼り付けたエアフィルタであって、前記不織布シートは、厚み2〜3mmのポリエステル製で、片面にあらかじめホットメルトを塗布し、前記ホットメルトは、オレフィン系で、180℃時の溶融粘度4,200〜4,800(mPa・s)、オープンタイム180〜200(秒)であり、前記ホットメルトを前記不織布シートに厚み700〜1,000μmで塗布したものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、プリーツ折したフィルタろ材の周囲に、枠状に不織布シートを貼り付けたエアフィルタであって、前記不織布シートは、厚み2〜3mmのポリエステル製で、片面にあらかじめホットメルトを塗布し、前記ホットメルトは、オレフィン系で、180℃時の溶融粘度4,200〜4,800(mPa・s)、オープンタイム180〜200(秒)であり、前記ホットメルトを前記不織布シートに厚み700〜1,000μmで塗布したという構成によって、オープンタイムが長いホットメルトはドライヤーなどでホットメルトを加熱後溶かしてからすぐには固まらないので、不織布シートとフィルタろ材と接着させる貼り付け工程において、不織布シートをフィルタろ材に十分に押さえつけることができるので接着が確実になる。また、ホットメルトの塗布厚みを比較的厚くすることで、押さえつけて接着させる際に、ろ材がしっかりホットメルトに食い込む。従って、剥がれが起きにくい為、フィルタろ材と不織布シートの接着が容易に強固かつ確実に得られるようになる。
本発明の実施の形態1のエアフィルタの構成を示す正面図 本発明の実施の形態1のエアフィルタの構成を示す斜視図 本発明の実施の形態1の不織布シートの構成を示す断面図 本発明の実施の形態1のフィルタろ材と不織布シートの接着状態を示す断面図
本発明のエアフィルタは、プリーツ折したフィルタろ材の周囲に、枠状に不織布シートを貼り付けたエアフィルタであって、前記不織布シートは、厚み2〜3mmのポリエステル製で、片面にあらかじめホットメルトを塗布し、前記ホットメルトは、オレフィン系で、180℃時の溶融粘度4,200〜4,800(mPa・s)、オープンタイム180〜200(秒)であり、前記ホットメルトを前記不織布シートに厚み700〜1,000μmで塗布したものであり、不織布シートとフィルタろ材との接着が確実になる。また、ホットメルトの塗布厚みを比較的厚くすることで、不織布シートが剥がれ難くなり、フィルタろ材と不織布シートとの接着が容易に強固かつ確実に得られるようになる。
また、厚み2〜3mmのポリエステル製の不織布シートの片面に、180℃時の溶融粘度4,200〜4,800(mPa・s)、オープンタイム180〜200(秒)のオレフィン系ホットメルトを厚さ700〜1,000μmで塗布し、前記ホットメルトを加熱し、溶融した状態でプリーツ折したフィルタろ材の側面に貼り付けてフィルタ枠を構成するエアフィルタの製造方法によって、不織布シートをフィルタろ材の接着が確実になる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態のエアフィルタ1は、プリーツ折して、板状に成形したフィルタろ材2と、その側面4面に貼り付けた不織布シート3とで構成される。
図2に示すように、フィルタろ材2は、ろ材シートをプリーツ折りして縦横の長さL1、L2で厚さDとなるように成形する。不織布シート3は、あらかじめフィルタろ材2の厚さDと同じ幅にスリット加工され、また、フィルタろ材2の縦横の長さL1、L2にあわせて不織布シートを切断し、不織布シート3を用意する。すなわち、縦横の長さがL1×D、L2×Dとなる不織布シート3がそれぞれ2枚ずつとなる。そして、それぞれの不織布シート3のどちらか片面にホットメルト4を塗布する。ホットメルト4は、180℃時の溶融粘度が4,200〜4,800(mPa・s)かつ、オープンタイムは180〜200(秒)のオレフィン系ホットメルトである。ホットメルト4は、それぞれの不織布シート3に700〜1,000μmという厚さで塗布する。塗布されたホットメルト4が硬化した状態の不織布シート3のうち、最初にサイズL1×Dの不織布シート3を1枚を取り出して、ホットメルト4が塗布された面をドライヤーなどで加熱し、ホットメルト4を溶解させておく。ホットメルト4が溶解した状態で、不織布シート3をフィルタろ材2のプリーツ方向の端面5(すなわち図1に示す上下方向の面)の一方に押し付けるようにして貼り付ける。このときには、不織布シート3の短辺側をフィルタろ材2の側面の短辺に位置決めした後に、フィルタろ材2に押し付ける。そして、溶解したホットメルト4がフィルタろ材2の端面5に少なくとも0.5mm以上埋めるように押し付ける。ホットメルト4は時間の経過とともに次第に硬化していくのでフィルタろ材2と不織布シート3は確実に接着される。貼り付け作業の途中で、貼り付け位置がずれたことに気づいた場合、オープンタイムが長いホットメルト4を使用しているので、容易に位置を修正することが可能である。
次に、不織布シート3を貼り付けた面の反対側の対向面にも同様の手順で不織布シート3の貼り付けを行い、図1に示す上下方向に不織布シート3が貼り付けられる。その後、その隣りの側面、すなわち、図1に示す左右方向の側面に、上記と同じように不織布シート3を貼り付ける。
ホットメルト4の厚みは、1,000μm以上とすると、塗布量が必要以上に増えるため、不織布シート3の生産時に重量が重くなる。ホットメルト4は、フィルタろ材2に0.5mm以上埋まった状態で接着できていれば十分接着強度は確保できる。
不織布シート3に塗布するホットメルト4は、硬化までの時間が180〜200秒程度と比較的長いオープンタイムのものを使用すると、貼り合わせ作業時に位置ずれが起こったとしても、一度剥がしてから再度貼り付ける作業が行えるので、接着工程における不良の発生が減少することになる。
(比較例1)
比較例1として、以下の条件でエアフィルタを作成した。
接着材 :オレフィン系のホットメルト
塗布厚み :600μm
オープンタイム :23秒
フィルタろ材 :ポリプロピレンとポリエステルの貼り合わせ材
フィルタろ材寸法:300mm×300mm×30mm(折高さ)
貼り付け作業時間:1枚当たり15秒
上記条件にてフィルタろ材2と不織布シート3を貼り合わせた結果、ポリプロピレンが難接着材料であることから、接着作業後20分経過後の剥がれ確認試験において20Nの力で剥がれるものが発生した。
(実施例1)
実施例1として、以下の条件でエアフィルタを作成した。
接着材 :オレフィン系のホットメルト
塗布厚み :800μm
オープンタイム :198秒
フィルタろ材 :ポリプロピレンとポリエステルの貼り合わせ材
フィルタろ材寸法:300mm×300mm×30mm(折高さ)
貼り付け作業時間:1枚当たり15秒
上記条件にてフィルタろ材2と不織布シート3を貼り合わせた結果、ポリプロピレンが難接着材料であっても、フィルタろ材2の端面5は少なくとも0.5mm以上ホットメルト内部に埋まっており、接着作業後20分経過後の剥がれ確認試験において20Nの力で剥がそうとしてもフィルタろ材2と不織布シート3は剥がれることはなく、接着が確実に得られていることが確認できた。
本発明にかかるエアフィルタは、フィルタろ材に不織布シートを取り付ける際の工程不良を減少させるものであり、パッケージエアコンなどに組み込まれて使用されるエアフィルタの1つとして好適である。
1 エアフィルタ
2 フィルタろ材
3 不織布シート
4 ホットメルト
5 (ろ材)端面

Claims (2)

  1. プリーツ折したフィルタろ材の周囲に、枠状に不織布シートを貼り付けたエアフィルタであって、
    前記不織布シートは、厚み2〜3mmのポリエステル製で、片面にあらかじめホットメルトを塗布し、
    前記ホットメルトは、オレフィン系で、180℃時の溶融粘度4,200〜4,800(mPa・s)、オープンタイム180〜200(秒)であり、
    前記ホットメルトを前記不織布シートに厚み700〜1,000μmで塗布したエアフィルタ。
  2. 厚み2〜3mmのポリエステル製の不織布シートの片面に、180℃時の溶融粘度4,200〜4,800(mPa・s)、オープンタイム180〜200(秒)のオレフィン系ホットメルトを厚さ700〜1,000μmで塗布し、
    前記ホットメルトを加熱し、溶融した状態でプリーツ折したフィルタろ材の側面に貼り付けてフィルタ枠を構成するエアフィルタの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108219711A (zh) * 2018-01-18 2018-06-29 广州景翊粘合剂有限公司 一种空气过滤器用聚丙烯热熔胶及其制备方法和应用

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