JP2017169864A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】着用者に与える違和感を抑制しつつ、着用者の身体の形状に沿った変形をすることができる吸収性物品を提供する。
【解決手段】着用者に着用されて液体を吸収する吸収性物品3であって、吸収性繊維を含む第1の吸収部31と、吸収性繊維を含み、着用時に第1の吸収部31を挟んで着用者とは逆の側となる側に配される第2の吸収部32と、を備える。第2の吸収部32が含む単位体積あたりの吸収性繊維は、第1の吸収部31よりも大きい。長手方向Xに垂直な断面において、第1の吸収部31は、短手方向Yの中心CL2を含む第1の範囲ACに配され、第1の範囲ACを挟んで短手方向Yの両側に位置する第2の範囲ASにおいては、第1の範囲ACよりも薄く構成されるか、または設けられていない。第2の吸収部32は、第1の吸収部31とともに短手方向Yについて略一定の厚みを構成する断面形状を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、着用者に着用された状態において、液体を吸収し保持する物品に関するものである。
従来、吸液構造体であって、体液吸収面の両側部に、一対の凸部が形成されており、それら一対の凸部の間に凹部が形成されている吸液構造体が存在する(特許文献1)。このような構成により、吸液構造体が着用された際に、着用者の仙骨に吸液構造体が直接接触して強く圧迫することを防止し、その結果、着用者の肌に与える刺激を緩和できる。
特開2011−167416号公報
しかし、上記の技術においては、吸液構造体の表面において、凸部と凹部の境界に段差が存在する。このため、着用者は吸液構造体を着用した際に違和感を覚えることがある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、着用者に着用されて液体を吸収する吸収性物品が提供される。この吸収性物品は:吸収性繊維を含む第1の吸収部と;吸収性繊維を含み、着用時に前記第1の吸収部を挟んで前記着用者とは逆の側となる側に少なくとも配される第2の吸収部と、を備える。前記第2の吸収部が含む吸収性繊維の単位体積あたりの重量は、前記第1の吸収部が含む吸収性繊維の単位体積あたりの重量より大きい。前記吸収性物品の長手方向の少なくとも一部の範囲における前記長手方向に垂直な断面において:前記第1の吸収部は;前記吸収性物品の短手方向の中心を含む第1の範囲に配され;前記第1の範囲を挟んで前記短手方向の両側に位置する第2の範囲においては、前記第1の範囲よりも薄く構成されるか、または設けられていない。前記第1の吸収部と前記第2の吸収部は、着用時に前記着用者の側となる前記吸収性物品の面が略平坦となるように構成されている。
このような態様においては、単位体積あたりの吸収性繊維の重量が小さい第1の吸収部は、第2の吸収部に比べて圧縮されやすい。このため、吸収性物品が着用者に着用された際に、吸収性物品は、短手方向中央の第1の範囲においては、厚み方向により大きく変形し、第2の範囲においてはより小さく変形する。また、第1の範囲においても、第1の吸収部が存在し、吸収性物品の着用者側の面が略平坦となるように構成されていることから、第1の範囲が空隙である態様に比べて、着用者が覚える違和感が少ない。このため、上記態様の吸収性物品は、着用者に与える違和感を抑制しつつ、着用者の身体の形状に沿った変形をすることができる。
(2)上記形態の吸収性物品において、前記第2の吸収部が、さらに、前記第1の吸収部よりも単位体積あたりで多くの吸収性樹脂を含む、態様とすることができる。このような態様においては、第1の吸収部は、吸収性樹脂が第2の吸収部よりも少ないか、または吸収性樹脂を含まない。このため、第1の吸収部は、第2の吸収部よりも、吸収した液体を吸収部全体に拡散させる機能が高い。一方、第1の吸収部よりも着用者から遠い側に配される第2の吸収部は、第1の吸収部よりも多く吸収性樹脂を含むため、第1の吸収部よりも、吸収した液体を保持する機能が高い。よって、上記の態様によれば、第1の吸収部によって、着用者から排出される液体を広い範囲に拡散して、第2の吸収部に渡すことができる。このため、第2の吸収部により多くの液体を吸収および保持させることができる。
(3)上記形態の吸収性物品において、前記第1の吸収部が、着用時に前記第2の吸収部に対して着用者側となる側において、前記第2の吸収部を覆っている、態様とすることができる。このような態様においては、単位体積あたりの吸収性繊維の重量が少なく変形しやすい第1の吸収部の幅が、第2の吸収部の幅と同等以上である。その結果、着用者に着用された際の違和感をより抑制することができる。
(4)上記形態の吸収性物品において、前記第2の吸収部が、さらに、前記第1の吸収部を挟んで前記短手方向の両側に配される部分を備える、態様とすることができる。このような態様においては、第2の吸収部が、第1の吸収部に対して着用者とは逆の側と、短手方向の第1の吸収部の両側と、に配されている。このため、着用者に着用された際に、吸収性物品の形状が維持されやすい。その結果、吸収性物品は、適切に着用されて機能を発揮することができる。
(5)上記形態の吸収性物品において、前記第1の吸収部と前記第2の吸収部との間に、前記吸収性繊維および吸収性樹脂を透過せず液体を透過するシートを備える、態様とすることができる。このような態様とすれば、第2の吸収部が含んでいる吸収性繊維および吸収性樹脂が第1の吸収部に移動して第1の吸収部と第2の吸収部のそれぞれの独自の機能が低下する事態を抑制でき、また当該シートの介在により前記第1の吸収部から前記第2の吸収部へ液体が広い範囲に拡散することができる。
(6)上記形態の吸収性物品において、前記第1の吸収部が着用者の両太腿の間から少なくとも腹の一部に位置するよう構成される、態様とすることができる。このような態様とすれば、吸収性物品は、着用者の股または腹において突出している中央部分を、第1の吸収部が変形することにより、受け入れることができる。その結果、吸収性物品は、違和感なく装着されることができる。
本発明は、吸収性物品以外の種々の形態で実現することも可能である。たとえば、テープ型またはパンツ型のおむつ、生理用品、尿取りライナー、軽失禁パッド等の様々な形態で実現することができる。
本実施形態の吸収体を備えるテープ型紙おむつ10を示す平面図である。 図1のA−A断面における第1実施形態の吸収体3の構造を示す断面図である。 図1のA−A断面における第2実施形態の吸収体3bの構造を示す断面図である。 図1のA−A断面における第3実施形態の吸収体3cの構造を示す断面図である。 図1のA−A断面における第4実施形態の吸収体3dの構造を示す断面図である。 図1のA−A断面における第5実施形態の吸収体3eの構造を示す断面図である。
A.第1実施形態:
図1は、本実施形態の吸収体を備えたテープ型紙おむつ10を示す平面図である。テープ型紙おむつ10は、表面シート1と、カバーシート2と、表面シート1とカバーシート2の間に配される吸収体3および防水シート4と、固定テープ52と、フロントパッチ54と、ウェスト伸縮材56と、を基本構成として備える。
表面シート1は、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者側となる側に配されるシートである。表面シート1は、着用者の尿や体液を透過させることができる素材で構成される。
表面シート1を構成する材料としては、たとえば、織布、不織布、多孔性フィルム、網目を有するネット状シート等を採用することができる。ただし、表面シート1は、不織布であることが好ましい。不織布としては、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアースルー不織布を用いることができる。
カバーシート2は、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、外側(着用者側とは逆の側)となる側に配されるシートである。カバーシート2は、テープ型紙おむつ10の強度を高め、テープ型紙おむつ10の手触りをよくする機能を奏する。カバーシート2は、平面視した際に表面シート1と略一致する形状を有している。図1においては、カバーシート2は、表面シート1で隠されているため、裏面側に位置するカバーシート2の符号「2」を、破線の引き出し線で示す。
カバーシート2を構成する材料としては、織布、および不織布を採用することができる。不織布としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
吸収体3は、着用者の尿や体液を吸収し、保持する部材である。吸収体3は、略長方形の平面形状を有する板状(シート状)の部材である。吸収体3は、表面シート1とカバーシート2の間に配される。吸収体3は、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者の両太腿の間から腹の一部(下部)にかけて吸収体3が位置するように、表面シート1とカバーシート2の間において配されている。図1において、吸収体3は、表面シート1に覆われているため、吸収体3の外形を破線の長方形で示す。なお、図1は、第2〜第5実施形態において、吸収体3b〜3eの構成を説明する際にも参照される。吸収体3の構成および材料については、後に説明する。
防水シート4は、着用者から排出された尿および体液や、吸収体3が吸収し保持している尿および体液が、テープ型紙おむつ10外に漏出する事態を防止するための部材である。防水シート4は、略長方形の平面形状を有する。防水シート4は、吸収体3とカバーシート2の間に配される。防水シート4は、平面視した際に、その外輪郭が吸収体3の外輪郭を囲む大きさおよび配置で、構成され、吸収体3とカバーシート2の間に配される。図1において、防水シート4は、表面シート1に覆われているため、防水シート4の外形を破線の長方形で示す。防水シート4は、着用者の尿や体液を透過させない材料によって構成される。
防水シート4の材料としては、ポリエチレン等の合成樹脂フィルム、不織布と合成樹脂フィルムとの複合シート(例えば、スパンボンド等の不織布に通気性の合成樹脂フィルムが挟まれたシート)からなる液不透過性フィルムを採用することができる。なお、防水シート4の材料としては、液体水を透過せず水蒸気を透過することができる、いわゆる透湿性を有する液不透過性フィルムを用いることが好ましい。透湿性のある液不透過性フィルムとしては、0.1〜0.5μmの微細な孔を有する微多孔性ポリエチレンフィルムを採用することができる。
図1を含む本願の各図において、空間において互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を示す。X軸は、略長方形の平面形状を有する吸収体3の長手方向と一致する軸である。Y軸は、吸収体3の短手方向と一致する軸である。Z軸は、板状の部材である吸収体3の厚み方向と一致する軸である。本願明細書において「平面視した際」の形状を記述する場合、「平面視」はZ軸方向に沿って行われるものとする。
テープ型紙おむつ10は、前部10F、中央部10Mおよび後部10Bを備える。前部10Fは、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者の腹側に位置する部位である。後部10Bは、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者の背側に位置する部位である。中央部10Mは、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者の股下(両太腿の間)に位置する部位である。
中央部10Mは、テープ型紙おむつ10が平面に沿って展開されている状態(図1参照)において、X軸方向について、前部10Fと後部10Bの間に位置する部位である。テープ型紙おむつ10が平面に沿って展開されている状態において、前部10Fは、中央部10Mに対して、X軸方向の+側に位置する。テープ型紙おむつ10が平面に沿って展開されている状態において、後部10Bは、中央部10Mに対して、X軸方向の−側に位置する。
前述のように、表面シート1とカバーシート2とは、Z軸方向に沿って平面視した際に、略一致する形状を有している。表面シート1とカバーシート2は、中央部10Mに比べて、前部10Fおよび後部10Bにおいて、Y軸方向に大きい形状で設けられている。表面シート1とカバーシート2を含むテープ型紙おむつ10は、X軸方向に平行な中心軸CL1を中心として、Y軸方向に略線対称な構成を有する。
表面シート1とカバーシート2の後部10BのY軸方向の両側には、固定テープ52が設けられている。固定テープ52は、フロントパッチ54とともに、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、テープ型紙おむつ10を着用者に留めるための構成である。一対の固定テープ52は、表面シート1とカバーシート2の後部10BのY軸方向の両側の端から、それぞれY軸方向+側および−側に突出している。各固定テープ52の基部は、表面シート1とカバーシート2の間に配されて、固定されている。
カバーシート2上の二つの固定テープ52の間の位置には、ウェスト伸縮材56が設けられている。ウェスト伸縮材56は、重ねられて配されている2枚のシート部材と、2枚のシート部材の間においてY軸方向(短手方向)に伸ばされた状態で保持されている複数の弾性部材であって、X軸方向(長手方向)に並んで配されている複数の弾性部材と、を含む。ウェスト伸縮材56は、複数の弾性部材が伸縮することによって実現されるY軸方向についての伸縮性を有する。ウェスト伸縮材56は、テープ型紙おむつ10のうちウェスト伸縮材56が設けられている位置の近傍の構成(たとえば、表面シート1とカバーシート2)を、Y軸方向に弾性的に伸縮させることができる。また、ウェスト伸縮材としては、伸縮性を有する面形状のウレタンフォームも採用することができる。
カバーシート2の前部10FのY軸方向の略中央部分には、フロントパッチ54が設けられている。フロントパッチ54は、固定テープ52とともに、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、テープ型紙おむつ10を着用者に留めるための構成である。固定テープ52とフロントパッチ54とは、たとえば、面ファスナーとして構成することができる。
テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際には、表面シート1が着用者側に向き、前部10Fが着用者の腹側に位置し、後部10Bが着用者の背側に位置するように、テープ型紙おむつ10が湾曲される。その状態で、背側に位置する二つの固定テープ52の先端部分が、それぞれ腹側に位置するフロントパッチ54に貼られることにより、テープ型紙おむつ10の上端部が着用者の胴囲を囲む形状となる。その際、二つの固定テープ52が図1のY軸方向の両側に引かれ、ウェスト伸縮材56が伸ばされている状態で、二つの固定テープ52が腹側に位置するフロントパッチ54に貼られる。その結果、ウェスト伸縮材56の収縮力によって、着用者の胴囲を囲むテープ型紙おむつ10が着用者の胴囲を緩やかに締め付けて、テープ型紙おむつ10の脱落を防止する。
表面シート1は、さらに、X軸方向に沿って形成されY軸方向に並んで配されている、立体ギャザーを形成するひれ部62および立体伸縮部64を備えている(図1参照)。また、表面シート1は、Y軸方向についてさらに立体ギャザーの外側にX軸方向に沿って配され、テープ型紙おむつ10の着用時に着用者の太腿の付け根を囲むレグギャザーを形成する、レグ伸縮部72を備えている。
なお、本実施形態は、広幅の表面シート1を用い、Y軸方向において吸収体3から延出した表面シート1で立体ギャザーおよびレグギャザーを形成する態様を想定したものである。立体ギャザーおよびレグギャザーは、本実施形態の態様に限らず、表面シート1以外のシート(たとえば、不織布)を用いて形成することもできる。立体ギャザーおよびレグギャザーの構成および形成方法については、本願発明の技術の理解を容易にするため、本明細書では詳細な説明は省略する。
図2は、図1のA−A断面における第1実施形態の吸収体3の構造を示す断面図である。吸収体3は、X軸方向の両端部を除くX軸方向の任意の断面において図2に示す断面構造と同様の断面構造を有する。なお、図2は、テープ型紙おむつ10の各構成の寸法を正確に反映するものではない。図2においては、技術の理解を容易にするため、吸収体3の各構成を互いに離間して示している。しかし、実際には、図2に示す各構成は、少なくともZ軸方向について、互いに接触して積層されている。また、図2においては、技術の理解を容易にするため、表面シート1に設けられた立体ギャザー等の構成については、図示を省略している。
吸収体3は、第1の吸収部31と、第2の吸収部32と、第1の吸収部31および第2の吸収部32を覆うコアラップシート33と、を備える。
第1の吸収部31は、第2の吸収部32に対して表面シート1側、すなわち、Z軸方向+側に配される。言い換えれば、第1の吸収部31は、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者側となる側に配される。第1の吸収部31は、液体を吸収することができる繊維(本明細書において「吸収性繊維」とも表記する)で構成される。吸収性繊維は、いわゆるフラッフパルプ(綿状パルプ)として構成することができる。
吸収性繊維としては、パルプ繊維、レーヨン繊維、またはコットン繊維のようなセルロース系繊維の短繊維(繊維長5mm以下のもの)や、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施した短繊維(繊維長5mm以下のもの)を採用することができる。第1の吸収部31を構成する際には、これらの繊維を単独で用いることもでき、複数種類の繊維を組み合わせて用いることもできる。
第1の吸収部31を構成する吸収性繊維の単位体積あたりの重量は、300g/m〜600g/mとすることができ、好ましくは350g/m〜550g/mであり、さらに好ましくは、380g/m〜500g/mである。
第1の吸収部31を構成する吸収性繊維の繊維粗度は、0.1mg/m〜0.5mg/mとすることができ、好ましくは0.1mg/m〜0.4mg/mであり、さらに好ましくは、0.1mg/m〜0.3mg/mである。
第1の吸収部31は、Y軸方向について、吸収体3の中心CL2に近いほど厚く構成される。より具体的には、X軸に垂直な断面(図2参照)において、第1の吸収部31のZ軸方向−側の外輪郭は、Z軸方向−側に突出する弧を描いている。一方、第1の吸収部31のZ軸方向+側の外輪郭は、Y軸方向に略平行な平坦な形状を有している。すなわち、第1の吸収部31は、着用時に着用者の側となる吸収体3の面(Z軸方向+側の面。本明細書において「着用者側の面」とも表記する)が略平坦となるように構成されている。
なお、第1の吸収部31の着用者側の面に種々の形状加工、例えば、エンボス加工によって凹凸部を施された態様であっても、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、「略平坦」であるとみなすものとする。他の実施形態および変形例における第1の吸収部についても同様である。すなわち、本明細書において、吸収部のある面が「略平坦である」とは、吸収部の短手方向(Y軸方向)の寸法の最大値に対する、厚さ方向(Z軸方向)の寸法の変化の割合が、1/10以下であることをいう。「厚さ方向の寸法の変化」は、厚さ方向(Z軸方向)の寸法の最大値から最小値を引いた値である。
第1の吸収部31を、吸収体3のY軸方向の中心CL2を含む第1の範囲ACに配されている第1の部分311と、第1の範囲ACを挟んでY軸方向の両側に位置する第2の範囲ASに配されている第2の部分312,312と、に分けたとき、第2の部分312,312は、第1の部分311よりも、Z軸方向について薄く構成されている。
なお、本明細書において、「AがBよりも薄く構成される」とは、AがBの最も薄い部分よりも薄い部分を備え、Aの最も厚い部分の厚さが、Bの最も薄い部分の厚さ以下であることを意味する。BとAの境界においては、BとAの厚さが同一であってもよい。
このような短辺方向について厚みが異なる第1の吸収部31は、以下のように生成することができる。一般に、吸収性繊維を主たる構成要素とする吸収部は、外周面に多数の微細孔を備え微細孔から空気を吸引しつつ回転する円柱状の吸引ドラムに向かって、吸収性繊維を吹き付けることによって生成される。短辺方向に厚みが異なる第1の吸収部31(図2参照)は、吸引ドラムにおいて、第1の吸収部31の短辺方向となる方向について、単位面積当たりの微細孔の数を変化させたり(すなわち、中央部分を高密度にする)、各微細孔の開孔面積を変化させたりする(すなわち、中央部分において微細孔を大きくする)ことによって、生成することができる。すなわち、第1の吸収部31の短辺方向となる方向について、吸引ドラムの両端支部分よりも中央部分の表面において、単位面積当たりの微細孔による開口面積が大きくなるように設定することにより、短辺方向に厚みが異なる第1の吸収部31wo、生成することができる。
また、吸引ドラムの外周面の形状を、第1の吸収部31の短辺方向となる方向について、範囲ASにおいては、深さ(吸引ドラムの厚さ方向)を範囲ACにおける深さと比較して、深さを小さくすることで、さらに適切に第1の吸収部31の形状を制御することができる。
また、深さ、単位面積当たりの微細孔の数または開孔面積が、範囲ACから範囲ASに向かって連続的に小さくなるように形成することで生成できる。
なお、このような特有の形状を有し微細孔の数や開孔面積を変化させた構成を、吸引ドラムの外周面において実現する際には、そのような構成を備え、かつ吸引ドラムに対して取りつけおよび取り外しが可能なユニットによって、実現することが好ましい。そのような構成とすることにより、ユニットを交換することで、一つの吸引ドラムで様々な断面形状の吸収部を生成することができる。
図2に示すように、第2の吸収部32は、第1の吸収部31に対してカバーシート2側、すなわち、Z軸方向−側に配される。言い換えれば、第2の吸収部32は、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、第1の吸収部31を挟んで着用者とは逆の側となる側に配される。第2の吸収部32は、吸収性繊維と、液体を吸収し保持することができる樹脂(本明細書において「吸収性樹脂」とも表記する)と、で構成される。
第2の吸収部32が含む吸収性繊維の素材としては、第1の吸収部31と同様の構成を採用することができる。ただし、第2の吸収部32が含む吸収性繊維は、第1の吸収部31が含む吸収性繊維よりも単位体積あたりの重量が大きい。このため、第2の吸収部32は、第1の吸収部31よりも剛性が高く、弾性変形しにくい。
第2の吸収部32を構成する吸収性繊維の単位体積あたりの重量は、600g/m〜1000g/mとすることができ、好ましくは650g/m〜800g/mであり、さらに好ましくは、700g/m〜750g/mである。
第2の吸収部32においては、粒状の吸収性樹脂が、吸収性繊維の隙間に埋没されて保持されている。吸収性樹脂としては、水を吸収することのできる架橋構造を持つ親水性ポリマー、いわゆる「高吸収性ポリマー」(SAP:Super Absorbent Polymer)を採用することができる。第2の吸収部32は、吸収性樹脂を保持しているという点からも、吸収性樹脂を保持していない第1の吸収部31よりも剛性が高く、弾性変形しにくい。
第2の吸収部32が保持する吸収性樹脂としては、デンプン系、セルロース系、または合成ポリマー系の樹脂を採用することができる。より具体的には、吸収性樹脂として、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−メタクリル酸メチルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−アクリルアミドグラフト共重合体のケン化物、ポリアクリル酸(塩)、アクリル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、ポリビニルアルコール−無水マレイン酸反応物の架橋物等を採用することができる。本実施形態においては、自重の20倍以上の水分を吸収し得る高い吸収性能を有する、ポリアクリル酸ナトリウムを採用する。
なお、第2の吸収部32における吸収性樹脂の量は、乾燥した吸収性繊維100質量部に対して10〜500質量部とすることが好ましく、15〜200質量部とすることがより好ましい。このような構成とすることにより、着用者の尿や体液が第2の吸収部32に到達した際に、第2の吸収部32内のSAPが透過障壁を形成する可能性を抑制できる。その結果、尿や体液を第2の吸収部32内全体に拡散させることができ、第2の吸収部32全体で尿や体液を吸収することが可能となる。よって、第2の吸収部32全体を活用して、多くの尿や体液を吸収し、保持することができる。
図2に示すように、第2の吸収部32は、Y軸方向について、第1の吸収部31と略同一の幅を有している。そして、第2の吸収部32は、Y軸方向について、吸収体3の中心CL2に近いほど薄く構成される。すなわち、第2の吸収部32を、第1の範囲ACに配されている部分と、第2の範囲ASに配されている部分と、に分けたとき、前者は、後者よりもZ軸方向について薄く構成されている。
より具体的には、X軸に垂直な断面(図2参照)において、第2の吸収部32のZ軸方向+側の外輪郭は、Z軸方向−側に突出する弧を描いている。すなわち、第2の吸収部32のZ軸方向+側の外輪郭は、第1の吸収部31のZ軸方向−側の外輪郭と略一致するように構成されている。一方、第2の吸収部32のZ軸方向−側の外輪郭は、Y軸方向に略平行な平坦な形状を有している。このため、第2の吸収部32は、第1の吸収部31とともにY軸方向について略一定の厚みを構成する。その結果、積層された第1の吸収部31と第2の吸収部32をコアラップシート33で覆って構成される吸収体3は、略直方体の形状を有する(図1および図2参照)。
第2の吸収部32も、第1の吸収部31の製造装置と同様の構成を使用して、生成することができる。すなわち、第2の吸収部32も、特有の形状を有し単位面積当たりの微細孔の数や、開孔面積を変化させた吸引ドラムに、吸収性繊維を吹き付けることによって、生成することができる。ただし、第2の吸収部32を生成する際には、吸収性繊維とともに、粒状の吸収性樹脂も、吸引ドラムに吹き付けられる。
また、吸収性繊維を吸引ドラムに吹き付ける際の単位時間および単位面積当たりの空気の吹きつけ量、ならびに吸引ドラムの外周面における単位時間および単位面積当たりの空気の吸引量は、第1の吸収部31を生成する際よりも多い。このような態様で第2の吸収部32を生成することにより、吸収性繊維の単位体積あたりの重量が第1の吸収部31よりも大きい第2の吸収部32を生成することができる。
以上で説明した第1の吸収部31および第2の吸収部32の構成を採用することにより、以下のような効果が得られる。すなわち、テープ型紙おむつ10が着用者に着用された際に、吸収体3は、Y軸方向中央の第1の範囲ACにおいてはより大きく変形し、薄くなることができ、両側の第2の範囲ASにおいてはより小さく変形する(図2参照)。そして、第1の範囲ACにおいても、弾性変形しやすい第1の吸収部31が存在することから、第1の範囲ACに部材が存在せず空隙(凹部)が設けられている態様に比べて、着用者が覚える違和感が少ない。すなわち、吸収体3を備えるテープ型紙おむつ10においては、着用者に与える違和感を抑制しつつ、着用者の身体の形状に沿った変形をすることができる。
本実施形態においては、第1の吸収部31のZ軸方向−側の外輪郭は、Z軸方向−側に突出する弧を描いており、第2の吸収部32のZ軸方向+側の外輪郭は、第1の吸収部31のZ軸方向−側の外輪郭と略一致するように構成されている。すなわち、より変形しやすい第1の吸収部31の厚みと、より変形しにくい第2の吸収部32の厚みと、の割合の変化が連続的である。このため、各吸収部の厚みが、断続的に変化する態様に比べて、着用者に着用された際の違和感をより抑制することができる。
本実施形態においては、吸収体3は、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者の股から下腹にかけて吸収体3が位置するように、配されている(図1の10M、10F、および3参照)。このため、吸収体3は、着用者の股または腹において突出している中央部分を、第1の吸収部31が変形することにより、受け入れることができる(図2参照)。その結果、吸収体3を備えるテープ型紙おむつ10は、違和感なく装着されることができる。
本実施形態においては、第1の吸収部31は、Y軸方向について、第2の吸収部32と略同一の幅を有している(図2参照)。すなわち、第1の吸収部31は、着用時に着用者側となる側において、第2の吸収部32を覆っている。このため、第1の吸収部31と第2の吸収部32の境界が着用者側の面上に存在しない。すなわち、素材の弾性係数が断続的に変化する境界が着用者側の面上に存在しない。よって、第1の吸収部31と第2の吸収部32の境界が着用者側の面上に存在する態様に比べて、着用者に着用された際の違和感をより抑制することができる。
本実施形態においては、第1の吸収部31は、テープ型紙おむつ10が着用者に着用された際に、着用者側に位置する。このため、第1の吸収部31は、着用者から排出される液体を第2の吸収部32よりも先に吸収する。第1の吸収部31は、吸収性樹脂を含まないため、吸収した液体を吸収部(ここでは第1の吸収部31)全体に拡散させる機能が第2の吸収部32よりも高い。一方、第1の吸収部31の後方(カバーシート2側)に配される第2の吸収部32は、吸収性樹脂を含むため、吸収した液体を保持する機能が第1の吸収部31よりも高い。よって、本実施形態の吸収体3を備えるテープ型紙おむつ10によれば、第1の吸収部31によって、着用者から排出される液体を広い範囲に拡散して、広い接触領域を介して第2の吸収部32に渡すことができる。このため、第2の吸収部32により多くの液体を吸収および保持させることができる。
図2に示すように、コアラップシート33は、第1の吸収部31および第2の吸収部32を覆っている。図2には表れていないが、吸収体3のX軸方向の両端部においては、コアラップシート33は閉じている。このため、吸収体3のX軸方向の両端部においては、吸収体3は、図2に示す断面構成とは異なる断面構成を有する。コアラップシート33により、第1の吸収部31および第2の吸収部32の相対位置が固定され、吸収体3の形状が維持される。
コアラップシート33は、液体の吸収の前後によらず吸収体3が保持する吸収性繊維および吸収性樹脂を透過させず、着用者の尿や体液を透過させることができる。このため、コアラップシート33により、吸収性繊維および吸収性樹脂が吸収体3から漏出する事態を防止して、着用者の尿や体液を吸収するという機能を、吸収体3に安定して発揮させることができる。
コアラップシート33の素材としては、たとえば、ティッシュペーパ等の紙を採用することができる。ティッシュペーパとしては、単位面積当たりの重量が10〜100g/m2のものを採用することができる。また、コアラップシート33は、不織布とすることもできる。不織布としては、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアースルー不織布を用いることができる。
上述した第2の吸収部32の上に第1の吸収部31を積層し、コアラップシート33で覆うことにより、吸収体3を生成することができる(図2参照)。その後、吸収体3の一方の面に、表面シート1を積層し、他方の面に防水シート4およびカバーシート2を取りつけることで、テープ型紙おむつ10を生成することができる(図1参照)。なお、固定テープ52と、フロントパッチ54と、ウェスト伸縮材56とは、あらかじめ、カバーシート2に取りつけられる。
以上のような構成を有する第1実施形態の吸収体3は、着用者に与える違和感を抑制しつつ、着用者の身体の形状に沿った変形をすることができる。
なお、本実施形態における吸収体3が、「課題を解決するための手段」における「吸収性物品」に相当する。X軸方向が「長手方向」に相当する。Y軸方向が「短手方向」に相当する。Y軸方向についての吸収体3の中心CL2が、「吸収性物品の短手方向の中心」に相当する。吸収体3のZ軸+側の面が「着用時に前記着用者の側となる前記吸収性物品の面」に相当する。
B.第2実施形態:
第2実施形態においては、吸収体3bの第2の吸収部32bは、第1の吸収部31bを挟んで吸収体3の短手方向(Y軸方向)の両側に配される部分322b,322bを備える。そして、第1の吸収部31bは、ラップシート34bに覆われている。第2実施形態の吸収体を備えるテープ型紙おむつの他の点は、第1実施形態のテープ型紙おむつ10と同じである。なお、第2〜5実施形態の吸収体3b〜3eを説明する際には、他の実施形態の構成や範囲と対応する構成や範囲については、共通する数字の符号に、それぞれ区別のために小文字のアルファベット「b」〜「e」を付したものを使用する。
図3は、図1のA−A断面における第2実施形態の吸収体3bの構造を示す断面図である。第2実施形態の吸収体3bは、X軸方向の両端部を除くX軸方向の任意の断面において図3に示す断面構造と同様の断面構造を有する。第3〜5実施形態の吸収体3c〜3eも同様である。
図3も、テープ型紙おむつの各構成の寸法を正確に反映するものではない。図3においても、技術の理解を容易にするため、吸収体3bの各構成を互いに離間して示している。しかし、実際には、図3に示す各構成は、少なくともZ軸方向について、互いに接触して積層されている。また、図3においては、技術の理解を容易にするため、テープ型紙おむつ10のうち吸収体3b以外の構成は省略している。なお、第3〜第5実施形態の吸収体3c〜3eをそれぞれ示す図4〜図6も、同様に記載される。
吸収体3bは、第1の吸収部31bと、第1の吸収部31bを覆うラップシート34bと、第2の吸収部32bと、第2の吸収部32bおよびラップシート34bに覆われた第1の吸収部31bを覆うコアラップシート33bと、を備える。
第1の吸収部31bは、吸収体3bのY軸方向の中心CL2を含む第1の範囲ACb内に設けられている。第1の吸収部31bは、Y軸方向中央に位置する第1の部分311bおよびその両側に位置する第2の部分312b,312bを備え、第1実施形態の第1の吸収部31と同様の形状を有する。ただし、第1の吸収部31bは、第1の吸収部31に比べて、Y軸方向およびZ軸方向の寸法が小さい。第1の吸収部31bの他の点は、第1実施形態の第1の吸収部31と同じである。
ラップシート34bは、第1の吸収部31bを覆っている。図3には表れていないが、吸収体3bのX軸方向の両端部においては、ラップシート34bは閉じている。ラップシート34bは、液体の吸収の前後によらず、第2の吸収部32bが保持する吸収性繊維および吸収性樹脂を透過させない。一方、ラップシート34bは、着用者の尿や体液を透過させる。ラップシート34bの素材としては、第1実施形態のコアラップシート33と同じものを採用することができる。
このような構成を採用することにより、第2の吸収部32bに含まれる吸収性繊維および吸収性樹脂が、時間の経過とともに第1の吸収部31bに移動する事態を防止することができる。その結果、液体を吸収し保持する第2の吸収部32bの機能が低下する事態を、防止することができる。また、液体を拡散し、第2の吸収部32bとの間の境界面を広く活用して、第2の吸収部32bに液体を渡す、という第1の吸収部31bの機能が低下する事態を、防止することができる。
また、上記の構成によれば、第1の吸収部31bと第2の吸収部32bとの境界において、ラップシート34bによって、若干、水分の移動が阻害される。その結果、水分は、ラップシート34bの第1の吸収部31b側に沿って移動する。このため、上記の構成によれば、吸収体3bの長手方向(X軸方向)について広い接触領域を介して、第2の吸収部32bに渡すことができる。このため、第2の吸収部32bにより多くの液体を吸収および保持させることができる。
図3に示すように、第2の吸収部32bは、第1の部分321bと、第2の部分322b,322bと、を有する。第1の部分321bは、第1の範囲ACbに設けられている。第1の部分321bは、ラップシート34bで覆われた第1の吸収部31bに対してカバーシート2側、すなわち、Z軸方向−側に配される部分である。言い換えれば、第2の吸収部32bの第1の部分321bは、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、ラップシート34bで覆われた第1の吸収部31bを挟んで着用者とは逆の側となる側に配される。
第2の吸収部32bの第1の部分321bは、Y軸方向について、吸収体3の中心CL2に近いほど薄く構成される。より具体的には、第2の吸収部32bの第1の部分321bのZ軸方向+側の外輪郭は、第1の吸収部31bのZ軸方向−側の外輪郭と略一致するように構成されている。一方、第2の吸収部32bの第1の部分321bのZ軸方向−側の外輪郭は、Y軸方向に略平行な平坦な形状を有している。
一方、第2の吸収部32bの第2の部分322b,322bは、第1の範囲ACbを挟んでY軸方向の両側に位置する第2の範囲ASbに設けられている(図3参照)。第2の吸収部32bの第2の部分322b,322bは、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に着用者側となる側において、第1の吸収部31bに対して、Y軸方向の両側に配される部分を含む。第2の吸収部32bの第2の部分322b,322bは、第1の吸収部31bとともに、着用時に着用者の側となる吸収体3bの面(Z軸方向+側の面)が略平坦となるように構成されている。
なお、第2の吸収部32bの第2の部分332b,332bの着用者側の面に種々の形状加工、例えば、エンボス加工によって凹凸部を施された態様であっても、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、「略平坦」であるとみなすものとする。他の実施形態および変形例における第2の吸収部についても同様である。
第2の吸収部32bは、第1の吸収部31bを、Y軸方向の+側および−側、ならびにZ軸方向−側から囲むように配されている。第2の吸収部32bは、第1の吸収部31bとともにY軸方向について略一定の厚みを構成する。その結果、第2実施形態の吸収体3bも、略直方体の形状を有する。第2の吸収部32bの他の点は、第1実施形態の第2の吸収部32と同じである。
このような構成においては、第1の吸収部31bを囲むように配さる第2の吸収部32bによって、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、吸収体3bが形状を維持される。このため、吸収体3bの各構成の位置、および吸収体3bの上に形成される立体ギャザー(図1の62,64参照)の位置が、想定位置からずれにくい。その結果、吸収体3bは、着用者から排出された尿や体液を、適切に吸収することができる。
本実施形態において、Y軸方向について、第1の吸収部31bが設けられていない第2の範囲ASbの幅L2bは、第1の吸収部31bが設けられている第1の範囲ACbの幅L1bよりも小さい(図3参照)。このような構成とすることにより、第2の吸収部32bによって、吸収体3b全体の形状を維持しつつ、第1の吸収部31bによって、着用者の身体の凸部を十分に受け入れることができる。
図3に示すように、コアラップシート33bは、第1の吸収部31b、第2の吸収部32bおよびラップシート34bを覆う。コアラップシート33bの他の点は、第1実施形態のコアラップシート33と同じである。
以上のような構成を有する第2実施形態の吸収体3bも、着用者に着用された際に、短手方向について、中央部分で第1の吸収部31bの第1の部分311bが大きく変形し、その両側で第1の吸収部31bの第2の部分312b,312bがより小さく変形し、さらにその両側で第2の吸収部32bがさらに小さく変形する。このため、着用者に与える違和感を抑制しつつ、着用者の身体の形状に沿った変形をすることができる。
なお、本実施形態におけるラップシート34bが、「課題を解決するための手段」における「シート」に相当する。
C.第3実施形態:
第3実施形態においては、吸収体3cの第2の吸収部32cは、第1の吸収部31cを挟んで吸収体3の短手方向(Y軸方向)の両側に配される部分322c,322cを備える。そして、第1の吸収部31cは、X軸に垂直な断面において、矩形の断面形状を有する。さらに、第1の吸収部31cは、吸収性樹脂を含む。第3実施形態の吸収体を備えるテープ型紙おむつの他の点は、第1実施形態のテープ型紙おむつ10と同じである。
図4は、図1のA−A断面における第3実施形態の吸収体3cの構造を示す断面図である。吸収体3cは、第1の吸収部31cと、第2の吸収部32cと、第1の吸収部31cおよび第2の吸収部32cを覆うコアラップシート33cと、を備える。
第1の吸収部31cは、吸収体3cのY軸方向の中心CL2を含む第1の範囲ACcに設けられている。第1の吸収部31cは、X軸に垂直な断面において、Y軸方向に略平行な2辺と、Z軸方向に略平行な2辺と、で構成される矩形の断面形状を有する。第1の吸収部31cは、吸収性繊維と吸収性樹脂とで構成される。第1の吸収部31cが含む吸収性繊維の素材としては、第1実施形態の第1の吸収部31と同様の構成を採用することができる。
第1の吸収部31cが含む吸収性樹脂の素材としては、第1実施形態の第2の吸収部32と同様の構成を採用することができる。ただし、第3実施形態の第1の吸収部31cが含む吸収性樹脂の単位体積あたり量(重量)は、第3実施形態の第2の吸収部32cが含む吸収性樹脂が含む吸収性樹脂の単位体積あたり量よりも少ない。このため、第1の吸収部31cは、第2の吸収部32cよりも単位体積あたりで吸収できる液体の量が少ない。一方、第1の吸収部31cは、含んでいる吸収性樹脂の単位体積あたり量が第2の吸収部32cよりも少ないことから、第2の吸収部32cよりも剛性が低く、弾性変形しやすい。
このような構成とすることにより、第1の吸収部31cにおいても、着用者の尿や体液を保持することができる。その結果、吸収体3cにおいては、第1の吸収部が吸収性樹脂を含まない態様に比べて、より多くの尿や体液を保持することができる。
また、第1の吸収部において、第2の吸収部と同等以上の吸収性樹脂を含む態様においては、以下のような問題が生じる可能性がある。すなわち、第2の吸収部32cよりも先に着用者の尿や体液に接する第1の吸収部31cの着用者側の部位において、大量の水分にさらされた吸収性樹脂同士が凝集し、透過障壁を形成する可能性がある。そのような場合には、水分は、透過障壁に遮られて、第1の吸収部31cの他の部位に移動することができない。しかし、本実施形態においては、第1の吸収部31cが含む吸収性樹脂の量は、第2の吸収部32cよりも少ない。このため、第1の吸収部31c内において透過障壁が形成される可能性が低く、第1の吸収部31cは、着用者の尿や体液を受け取って、第1の吸収部31c全体に拡散させる機能を十分に発揮することができる。
また、第1の吸収部31cは、第2の吸収部32cよりも剛性が低く、弾性変形しやすく設けられている。このため、第1の吸収部31cによって、着用者の身体の凸部を十分に受け入れることができる。
よって、第3実施形態の吸収体3cにおいては、第1の吸収部31cと第2の吸収部32cの両方において液体の吸収性を担保しつつ、少ない違和感で、着用者の身体の形状に沿った変形をすることができる。
図4に示すように、X軸に垂直な断面において、第2の吸収部32cは、Z軸方向−側にむかってへこんだ矩形状の凹部を備える。第2の吸収部32cは、第1の部分321cと、第2の部分322c,322cと、を有する。第1の部分321cは、第1の範囲ACcに設けられている。第1の部分321cは、第1の吸収部31cに対してカバーシート2側、すなわち、Z軸方向−側に配される部分である。
一方、第2の吸収部32cの第2の部分322c,322cは、第1の範囲ACcを挟んでY軸方向の両側に位置する第2の範囲AScに設けられている。第2の部分322c,322cは、第1の吸収部31cに対して、Y軸方向の両側に配される部分である。言い換えれば、第2の吸収部32cの第2の部分322c,322cは、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に着用者側となる側において、第1の吸収部31cに対して吸収体3cの短辺方向の両側に配される部分を含む。第2の吸収部32cの第2の部分322c,322cは、第1の吸収部31cとともに、着用時に着用者の側となる吸収体3cの面(Z軸方向+側の面)が略平坦となるように構成されている。
このような構成においても、第1の吸収部31cを囲むように配される第2の吸収部32cによって、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、吸収体3cが形状を維持される。その結果、吸収体3cは、着用者から排出された尿や体液を、適切に吸収することができる。
また、第3実施形態において、Y軸方向について、第1の吸収部31cが設けられていない第2の範囲AScの幅L2cは、第1の吸収部31cが設けられている第1の範囲ACcの幅L1cよりも小さい(図4参照)。このため、第2の吸収部32cによって、吸収体3c全体の形状を維持しつつ、第1の吸収部31cによって、着用者の身体の凸部を十分に受け入れることができる。
なお、第3実施形態の第2の吸収部32cは、以下のように生成することができる。すなわち、第1の部分321cと、第2の部分322c,322cのうち第1の部分321cと同じ厚さを有する部分と、をまず同時に形成する。その後、別途形成した、第2の部分322c,322cのうちの残りの部分を、第2の部分322c,322cのうちすでに形成した部分の上に積層する。このように生成することにより、略矩形の凹部を備えた第2の吸収部32c(図4参照)を生成することができる。
図4に示すように、コアラップシート33cは、第1の吸収部31cおよび第2の吸収部32cを覆う。コアラップシート33cの構成は、第1実施形態のコアラップシート33と同じである。
以上のような構成を有する第3実施形態の吸収体3cも、着用者に着用された際に、短手方向について、中央部分で第1の吸収部31cが大きく変形し、その両側で第2の吸収部32cがより小さく変形する。このため、着用者に与える違和感を抑制しつつ、着用者の身体の形状に沿った変形をすることができる。
D.第4実施形態:
第4実施形態においては、X軸に垂直な断面における第1の吸収部31dの断面形状が図4に示す第3実施形態の第1の吸収部31cとは異なっている。また、X軸に垂直な断面における第2の吸収部32dの形状が、第3実施形態の第2の吸収部32cとは異なっている。第4実施形態の吸収体を備えるテープ型紙おむつの他の点は、第3実施形態のテープ型紙おむつと同じである。
図5は、図1のA−A断面における第4実施形態の吸収体3dの構造を示す断面図である。吸収体3dは、第1の吸収部31dと、第2の吸収部32dと、第1の吸収部31dおよび第2の吸収部32dを覆うコアラップシート33dと、を備える。
第1の吸収部31dは、吸収体3dの中心CL2を含む範囲ACdに設けられている。第1の吸収部31dは、吸収体3dの中心CL2を含む範囲ACd1に配されている第1の部分311dと、範囲ACd1を挟んでY軸方向の両側に位置する範囲ACd2に配されている第2の部分312d,312dと、を備える。第1の部分311dと、第2の部分312d,312dとは、いずれも、Y軸方向に略平行な2辺と、Z軸方向に略平行な2辺と、で構成される矩形の断面形状を有する。第2の部分312d,312dのZ軸方向の厚みは、第1の部分311dのZ軸方向の厚みよりも、薄い。第2の部分312d,312dのY軸方向の幅は、第1の部分311dのY軸方向の幅よりも、小さい。第1の吸収部31dの他の点は、第3実施形態の第1の吸収部31cと同じである。
第2の吸収部32dは、第1の部分321dと、第2の部分322d,322dと、を有する。第1の部分321dは、第1の範囲ACdに設けられている。第1の部分321dは、第1の吸収部31dに対してカバーシート2側、すなわち、Z軸方向−側に配される部分である。第2の吸収部32dの第1の部分321dのZ軸方向+側の外輪郭は、第1の吸収部31dのZ軸方向−側の外輪郭と略一致するように構成されている。第2の吸収部32dの第1の部分321dのZ軸方向−側の外輪郭は、Y軸方向に略平行な平坦な形状を有している。
一方、第2の吸収部32dの第2の部分322d,322dは、第1の範囲ACdを挟んでY軸方向の両側に位置する第2の範囲ASdに設けられている。第2の吸収部32dの第2の部分322d,322dは、第1の吸収部31dに対して、Y軸方向の両側に配される部分を含む。第1の範囲ACdを挟んでY軸方向の両側に位置する第2の範囲ASdにおいては、第1の吸収部31dは設けられていない。なお、第2の範囲ASdの幅L2dは、第1の範囲ACdの幅L1dよりも小さい。第1の吸収部31dと第2の吸収部32dは、着用時に着用者の側となる吸収体3dの面(Z軸方向+側の面)が略平坦となるように構成されている。
第4実施形態の第1の吸収部31dも、第3実施形態の第2の吸収部32cと同様に、別々に形成された複数の部分を積層することによって形成することができる。また、第4実施形態の第2の吸収部32dも、別々に形成された複数の部分を積層することによって形成することができる。
以上のような構成を有する第4実施形態の吸収体3dも、着用者に着用された際に、短手方向について、中央部分で第1の吸収部31dの第1の部分311dが大きく変形し、その両側で第1の吸収部31dの第2の部分312d,312dがより小さく変形し、さらにその両側で第2の吸収部32dがさらに小さく変形する。このため、着用者に与える違和感を抑制しつつ、着用者の身体の形状に沿った変形をすることができる。
E.第5実施形態:
第5実施形態においては、X軸に垂直な断面における第1の吸収部31eの断面形状が、図4に示す第3実施形態の第1の吸収部31cとは異なっている。また、X軸に垂直な断面における第2の吸収部32eの形状が、第3実施形態の第2の吸収部32cとは異なっている。第5実施形態の吸収体を備えるテープ型紙おむつの他の点は、第3実施形態のテープ型紙おむつと同じである。
図6は、図1のA−A断面における第5実施形態の吸収体3eの構造を示す断面図である。吸収体3eは、第1の吸収部31eと、第2の吸収部32eと、第1の吸収部31eおよび第2の吸収部32eを覆うコアラップシート33eと、を備える。
第1の吸収部31eは、Y軸方向に略平行な2辺を上底および下底として有する台形の断面形状を有する。第1の吸収部31eは、吸収体3eの中心CL2を含む範囲ACeに設けられている。第1の吸収部31eは、吸収体3eの中心CL2を含む範囲ACe1に配されている第1の部分311eと、第1の範囲ACe1を挟んでY軸方向の両側に位置する範囲ACe2に配されている第2の部分312e,312eと、を備える。
第1の部分311eは、Y軸方向に略平行な2辺と、Z軸方向に略平行な2辺と、で構成される矩形の断面形状を有する。第2の部分312e,312eは、いずれも、Y軸方向に略平行な1辺と、Z軸方向に略平行な1辺と、斜辺と、で構成される直角三角形の断面形状を有する。第2の部分312e,312eのZ軸方向の厚みは、第1の部分311eのZ軸方向の厚み以下である。第1の吸収部31eの他の点は、第3実施形態の第1の吸収部31cと同じである。
第2の吸収部32eは、第1の部分321eと、第2の部分322e,322eと、を有する。第1の部分321eは、第1の範囲ACeに設けられている。第1の部分321eは、第1の吸収部31eに対して、Z軸方向−側に配される部分である。第2の吸収部32eの第1の部分321eのZ軸方向+側の外輪郭は、第1の吸収部31eのZ軸方向−側の外輪郭と略一致するように構成されている。第2の吸収部32eの第1の部分321eのZ軸方向−側の外輪郭は、Y軸方向に略平行な平坦な形状を有している。
一方、第2の吸収部32eの第2の部分322e,322eは、第1の範囲ACeを挟んでY軸方向の両側に位置する第2の範囲ASeに設けられている。第2の吸収部32eの第2の部分322e,322eは、第1の吸収部31eに対して、Y軸方向の両側に配される部分を含む。第1の範囲ACeを挟んでY軸方向の両側に位置する第2の範囲ASeにおいては、第1の吸収部31eは設けられていない。なお、第2の範囲ASeの幅L2eは、第1の範囲ACeの幅L1eよりも小さい。第1の吸収部31eと第2の吸収部32eは、着用時に着用者の側となる吸収体3eの面(Z軸方向+側の面)が略平坦となるように構成されている。
以上のような構成を有する第5実施形態の吸収体3eも、着用者に着用された際に、短手方向について、中央部分で第1の吸収部31eの第1の部分311eが大きく変形し、その両側で第1の吸収部31eの第2の部分312e,312eがより小さく変形し、さらにその両側で第2の吸収部32beさらに小さく変形する。このため、着用者に与える違和感を抑制しつつ、着用者の身体の形状に沿った変形をすることができる。
F.変形例:
この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
F1.変形例1:
上記実施形態においては、吸収体は、略長方形の平面形状を備え、端部を除くX軸方向の任意の断面において同一の構成を備えている(図1参照)。しかし、吸収性物品は、長円形や6角形、8角形など任意の平面形状を備えることができる。ただし、吸収性物品は、ある方向の寸法がその方向と垂直な方向の寸法とは異なる形状、すなわち長手方向と短手方向とを備える形状であり、長手方向が着用者の前後方向と一致する態様で使用される構成とすることが好ましい。
また、吸収性物品は、長手方向について、吸収性物品全体の断面の外形形状は同じでありつつ、第1の吸収部が設けられている領域が、長手方向の異なる断面において異なる態様とすることもできる。たとえば、長手方向の第2の吸収部が設けられている範囲の一部についてのみ、第1の吸収部が設けられている態様としてもよい。ただし、長手方向の所定範囲における断面において、各実施形態に例示的に示した構成を備えることが好ましい。
上記第1実施形態においては、第1の吸収部は、着用者側において、短手方向について第2の吸収部と同じ幅で設けられている(図2参照)。しかし、第1の吸収部は、着用者側において、吸収性物品の短手方向について、第2の吸収部より小さく設けられることもでき(図3〜図6参照)、第2の吸収部より大きく設けられることもできる。
F2.変形例2:
上記各実施形態においては、吸収体は、Z軸方向について略一定の厚みを有する。しかし、吸収性物品の厚みは、吸収性物品の短手方向と長手方向との少なくとも一方において、一定でないものとすることができる。たとえば、着用者の身体の形状に応じて吸収性物品の各部位の厚みを変えることにより、より着用時の違和感を少なくすることができる。
F3.変形例3:
上記実施形態においては、吸収性樹脂としてのSAPは、粒子状に形成されて、吸収性繊維の隙間に埋没されて保持されている。しかし、吸収性樹脂は、複数層の吸収性繊維の間に、層状に配されて保持されることもできる。
F4.変形例4:
上記実施形態においては、各吸収部は一様な密度の吸収性繊維から構成されるものとして説明した。しかし、吸収性繊維の密度が、吸収部内において異なる態様とすることもできる。たとえば、第1の吸収部と第2の吸収部の少なくとも一方において、吸収体の中心を含む第1の範囲における吸収性繊維の密度を、短手方向について第1の範囲の両側に位置する第2の範囲における吸収性繊維の密度よりも、小さくすることが好ましい。そのような態様とすれば、着用者が感じうる違和感をより少なくすることができる。
また、第1の吸収部と第2の吸収部の少なくとも一方において、吸収体内の着用者側の部分における吸収性繊維の密度を、着用者から遠い側の部分における吸収性繊維の密度よりも、小さくすることが好ましい。そのような態様としても、着用者が感じうる違和感をより少なくすることができる。
F5.変形例5:
上記実施形態においては、第2の吸収部32は、第1の吸収部31よりも、単位体積あたりでより多くの吸収性樹脂を含んでいる。しかし、第1の吸収部が含む樹脂の単位体積あたりの量と、第2の吸収部が含む第1の吸収部と同じ樹脂の単位体積あたりの量とが、等しい態様とすることもできる。
F6.変形例6:
上記第2実施形態においては、ラップシート34bは、第1の吸収部31b全体を覆っている(図3参照)。しかし、吸収性繊維および吸収性樹脂を透過させないシートは、第1の吸収部の一部を覆わない態様とすることができる。ただし、吸収性繊維および吸収性樹脂を透過させないシートは、第1の吸収部と、第1の吸収部よりも多くの吸収性繊維および吸収性樹脂を含む第2の吸収部との境界において、配されていることが好ましい。このような態様とすれば、第1の吸収部と第2の吸収部の吸収性繊維および吸収性樹脂の量の差を、安定して維持することができる。
F7.変形例7:
上記実施形態においては、製造時において、吸収性繊維を吹きつける空気の流量および吸収性繊維をドラム外周面上に吸引する空気の流量を制御することによって、第1と第2の吸収部の吸収性繊維の単位体積あたりの重量を制御している。しかし、第1と第2の吸収部における吸収性繊維の単位体積あたりの重量は、繊維の太さや長さを変えることによって制御してもよい。
F8.変形例8:
上記実施形態においては、吸収体は、テープ型紙おむつが着用者に着用される際に、着用者の股から下腹にかけて吸収体が位置するように、配されている(たとえば、図1の10M、10F、および3参照)。しかし、本発明の吸収性物品を、生理用品に適用する場合は、腹側に配されない態様で実現することもできる。
F9.変形例9:
上記実施形態においては、カバーシート2は、平面視した際に表面シート1と略一致する形状を有している。しかし、カバーシートと表面シートの形状および寸法が異なる態様とすることもできる。たとえば、カバーシートの外輪郭中に表面シート全体が配されるように、紙おむつを形成することが好ましい。このような態様とすることにより、紙おむつ全体のテープ型紙おむつ全体の強度を維持しつつ、表面シートをその機能を損なわない範囲で小さく生成することができる。
F10.変形例10:
上記実施形態においては、ウェスト伸縮材56は、2枚のシート部材と、2枚のシート部材の間に保持されている複数の弾性部材と、を含む。しかし、ウェスト伸縮材は、他の態様で構成することもできる。たとえば、ウェスト伸縮材としては、伸縮性を有する面形状のウレタンフォームも採用することもできる。すなわち、ウェスト伸縮材は、Y軸方向について伸縮性を有し、ウェスト伸縮材が設けられている位置の近傍の構成を、Y軸方向に弾性的に伸縮させることができるものであればよい。
F11.変形例11:
上記実施形態においては、テープ型紙おむつに採用される吸収体を例に本発明を説明している。しかし、本発明の吸収性物品は、パンツ型おむつや、尿取りライナー、軽失禁パッドなど、他の適用例に適用されることもできる。
上記実施形態および変形例で説明した各構成は、様々な組み合わせで実現することができ、また、その一部を省略して実現することもできる。
1…表面シート
2…カバーシート
3,3b,3c,3d,3e…吸収体
4…防水シート
10…テープ型紙おむつ
10B…テープ型紙おむつの後部
10F…テープ型紙おむつの前部
10M…テープ型紙おむつの中央部
31,31b,31c,31d,31e…第1の吸収部
32,32b,32c,32d,32e…第2の吸収部
33,33b,33c,33d,33e…コアラップシート
34b…ラップシート
52…固定テープ
54…フロントパッチ
56…ウェスト伸縮材
62…ひれ部
64…立体伸縮部
72…レグ伸縮部
311,311b,311d,311e…第1の吸収部の第1の部分
312,312b,312d,312e,…第1の吸収部の第2の部分
321b,321c,321d,321e…第2の吸収部の第1の部分
322b,322c,322d,322e…第2の吸収部の第2の部分
AC,ACb,ACc,ACd,ACe…吸収体のY軸方向の中心を含む第1の範囲
ACd1…吸収体のY軸方向の中心を含む範囲
ACd2…範囲ACd1のY軸方向両側にある範囲
ACe1…吸収体のY軸方向の中心を含む範囲
ACe2…範囲ACe1のY軸方向両側にある範囲
AS,ASb,ASc,ASd,ASe,…第1の範囲のY軸方向両側にある第2の範囲
CL1…テープ型紙おむつ10の中心軸
CL2…吸収体のY軸方向の中心
L1b,L1c,L1d,L1e…第1の範囲の幅
L2b,L2c,L2d,L2e…第2の範囲の幅

Claims (6)

  1. 着用者に着用されて液体を吸収する吸収性物品であって、
    吸収性繊維を含む第1の吸収部と、
    吸収性繊維を含み、着用時に前記第1の吸収部を挟んで前記着用者とは逆の側となる側に少なくとも配される第2の吸収部と、を備え、
    前記第2の吸収部が含む吸収性繊維の単位体積あたりの重量は、前記第1の吸収部が含む吸収性繊維の単位体積あたりの重量より大きく、
    前記吸収性物品の長手方向の少なくとも一部の範囲における前記長手方向に垂直な断面において、前記第1の吸収部は、
    前記吸収性物品の短手方向の中心を含む第1の範囲に配され、
    前記第1の範囲を挟んで前記短手方向の両側に位置する第2の範囲においては、前記第1の範囲よりも薄く構成されるか、または設けられておらず、
    前記第1の吸収部と前記第2の吸収部は、着用時に前記着用者の側となる前記吸収性物品の面が略平坦となるように構成されている、吸収性物品。
  2. 請求項1記載の吸収性物品であって、
    前記第2の吸収部は、さらに、前記第1の吸収部よりも単位体積あたりで多くの吸収性樹脂を含む、吸収性物品。
  3. 請求項1または2記載の吸収性物品であって、
    前記第1の吸収部は、着用時に前記第2の吸収部に対して着用者側となる側において、前記第2の吸収部を覆っている、吸収性物品。
  4. 請求項1または2記載の吸収性物品であって、
    前記第2の吸収部は、さらに、前記第1の吸収部を挟んで前記短手方向の両側に配される部分を備える、吸収性物品。
  5. 請求項2、または請求項2に従属する請求項3もしくは4のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記第1の吸収部と前記第2の吸収部との間に、前記吸収性繊維および前記吸収性樹脂を透過せず液体を透過するシートを備える、吸収性物品。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記第1の吸収部が着用者の両太腿の間から少なくとも腹の一部に位置するよう構成される、吸収性物品。
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