JP6310718B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、尿パッド(軽失禁パッドを含む)、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関するものである。
従来、尿等の横漏れを防止するために、様々な工夫が施された吸収性物品が知られている。例えば特許文献1には、トップシートとバックシートとこれらの間に設けられた吸収性コアを有し、吸収性コアには、バックシート側に前後方向に延びる溝が形成された拡散体が設けられ、トップシートと吸収性コアの間に、不織布シート間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないシート状吸収層が拡散体の幅方向の両側に設けられた吸収性物品が開示されている。特許文献2には、トップシートとバックシートとこれらの間に設けられた吸収体を有し、幅方向の両側に立体ギャザーが設けられた吸収性物品であって、吸収体の上面に、不織布間に吸水性樹脂と接着剤を含有する吸水層が設けられた吸水積層シートが立体ギャザーと重なるように設けられた吸収性物品が開示されている。
特開2012−050744号公報 特開2013−116212号公報
特許文献1に開示された吸収性物品では、吸収性コアの上面の幅方向の両側に設けられたシート状吸収層によって、尿等の横漏れが防止されている。特許文献2に開示された吸収性物品では、吸収体の上面の幅方向の両側に設けられた吸水積層シートによって、尿等の横漏れが防止されている。このように吸収性物品において横漏れを防止することは、吸収性物品が具備すべき基本的特性であり、より効果的に尿等の横漏れを防止できる吸収性物品が求められている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、尿等の横漏れが起こりにくい吸収性物品を提供することにある。
前記課題を解決することができた本発明の吸収性物品とは、幅方向と前後方向を有し、トップシートとバックシートとこれらの間に設けられた吸収性積層体を有する吸収性物品であって;トップシートの幅方向の両側に、前後方向に延びる立ち上がりフラップが設けられ;吸収性積層体は、トップシート側から第1吸収体と第2吸収体を有し;第1吸収体は左側第1吸収体と右側第1吸収体とから構成され、左側第1吸収体と右側第1吸収体が幅方向に離間して設けられ;左側第1吸収体と右側第1吸収体は、複数層のシート部材を含み、シート部材の間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように構成され、立ち上がりフラップの立ち上がる起点となる基部よりも幅方向の内方に設けられ;第2吸収体は、吸水性樹脂とパルプ繊維を含有し、立ち上がりフラップの基部よりも幅方向の外方に延在するように設けられているところに特徴を有する。
本発明の吸収性物品は、このように第1吸収体と第2吸収体が設けられているため、第1吸収体が尿等の拡散防止壁として機能し、尿等の横漏れが起こりにくくなる。すなわち、第1吸収体が尿等を吸収すると、第1吸収体に含まれる吸水性樹脂が膨潤して第1吸収体が上下方向に膨らんで、その結果、第1吸収体によって拡散防止壁が形成されて、尿等が横漏れを起こすことなく特に第2吸収体で吸収されやすくなる。また、尿等が第1吸収体を越えてさらに幅方向の外方に広がっても、尿等が第1吸収体と立ち上がりフラップの基部との間の隙間を通って第2吸収体に移行して吸収することができるため、いわば横漏れが2段階で阻止されることとなる。そのため、本発明の吸収性物品は、横漏れ防止機能に優れたものとなる。
第2吸収体は、吸水性樹脂とパルプ繊維を含有する成形体に、左側第1吸収体と右側第1吸収体とが離間した空間に面して、前後方向に延びる溝または開口が形成されていることが好ましい。このように第2吸収体に溝または開口が設けられることにより、着用者から排泄された尿等が第2吸収体を前後方向に拡散しやすくなり、尿等が第2吸収体によって速やかに吸収されるようになる。
左側第1吸収体と右側第1吸収体は、第2吸収体に設けられる溝または開口から幅方向に10mm以上35mm以下離間して設けられていることが好ましい。このように第1吸収体が形成されていれば、左側第1吸収体と右側第1吸収体の間に尿等が拡散するスペースが十分確保されやすくなり、尿等が第2吸収体によって好適に吸収されやすくなる。
左側第1吸収体と右側第1吸収体は、幅方向の両側にシート部材どうしが接合された封止部と、封止部の間に形成された非封止部を有し、非封止部に吸水性樹脂が配されていることが好ましい。このように左側第1吸収体と右側第1吸収体が形成されることにより、左側第1吸収体と右側第1吸収体が尿等を吸収して上下方向に膨らんで、より高さの高い拡散防止壁が形成されやすくなる。
第1吸収体に配される吸水性樹脂は、ボルテックス法による吸水速度が20秒以下であることが好ましい。第1吸収体にこのように吸水速度の速い吸水性樹脂が配されていれば、第1吸収体に尿等が接触することにより、第1吸収体の吸水性樹脂が膨潤して、拡散防止壁が速やかに形成されるようになる。その結果、吸収性物品は、初回の排泄時から高さの高い拡散防止壁が形成されやすくなり、尿等の横漏れが起こりにくくなる。
一方、第2吸収体に配される吸水性樹脂は、ボルテックス法による吸水速度が40秒以上であることが好ましい。第2吸収体に配される吸水性樹脂がこのような吸水速度を有していれば、第2吸収体内での尿等の拡散性が高まり、第2吸収体の吸収能が広範囲にわたって活用されるようになる。
左側第1吸収体と右側第1吸収体は、幅方向の外方の端縁が、立ち上がりフラップの基部から内方に15mm以上50mm以下離れていることが好ましい。第1吸収体がこのように設けられていれば、第1吸収体から溢れた尿等が速やかに第2吸収体に移行しやすくなり、また第1吸収体による吸収容量が高まる。
本発明の吸収性物品は、左側第1吸収体と右側第1吸収体が幅方向に互いに離間して設けられるととともに、立ち上がりフラップの基部よりも幅方向の内方に設けられ、その下側に設けられる第2吸収体が立ち上がりフラップの基部よりも幅方向の外方に延在するように設けられているため、第1吸収体が尿等を吸収すると拡散防止壁を形成し、尿等の横漏れが起こりにくくなる。また尿等が第1吸収体を越えてさらに幅方向の外方に広がっても、尿等が第1吸収体と立ち上がりフラップの基部との間の隙間を通って第2吸収体に移行して吸収することができるため、いわば横漏れが2段階で阻止されることとなる。そのため、本発明の吸収性物品は、横漏れ防止機能に優れたものとなる。
本発明の吸収性物品の一例を表し、吸収性物品の平面図を表す。 図1に示した吸収性物品のII−II断面図を表す。 図1に示した吸収性物品に設けられた吸収性積層体の平面図を表す。 図3に示した吸収性積層体のIV−IV断面図を表す。
本発明の吸収性物品は、トップシートとバックシートとこれらの間に設けられた吸収性積層体を有する。本発明の吸収性物品の態様としては、尿パッド(失禁パッドを含む)、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等が示される。
吸収性物品は、前後方向と幅方向とを有する。「前後方向」とは、吸収性物品を着用者が着用した際、着用者の股間の前後方向に延びる方向を意味する。「幅方向」とは、吸収性物品と同一面上にあり、前後方向と直交する方向を意味する。また本発明において、「上側」とは、吸収性物品を着用した際の着用者側を意味し、「下側」とは、吸収性物品を着用した際の着用者とは反対側、すなわち外側を意味する。上側から下側に延びる方向を、上下方向と規定する。
吸収性物品の形状は特に限定されない。吸収性物品が尿パッドである場合、吸収性物品の形状としては、略長方形、砂時計形、ひょうたん形、羽子板形等が示される。
吸収性物品が使い捨ておむつである場合、吸収性物品は、例えば、前腹部と後背部とこれらの間に位置し吸収性積層体が備えられた股部とから構成される。使い捨ておむつとしては、例えば、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とからなるパンツ部材の肌側面に、トップシートとバックシートの間に吸収性積層体が配された吸収性本体が設けられてもよい。このとき、吸収性本体の形状としては略長方形等が示される。使い捨ておむつとしてはまた、トップシートとバックシートの間に吸収性積層体が配された積層体が、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とを形成してもよい。なお、前腹部は、使い捨ておむつを着用の際に着用者の腹側に当てる部分に相当し、後背部は、使い捨ておむつを着用の際に着用者の背側に当てる部分に相当する。股部は、前腹部と後背部との間に位置し、着用者の股間に当てる部分に相当する。
吸収性物品が使い捨ておむつである場合、使い捨ておむつは、後背部の左右側端に一対の止着部材が設けられ、当該止着部材により着用時にパンツ形状に形成するオープンタイプ(テープタイプ)の使い捨ておむつであったり、ウェスト開口部と一対の脚開口部とが形成されたパンツタイプの使い捨ておむつであってもよい。
トップシートは、吸収性物品の着用の際に着用者側に位置するシートであり、液透過性であることが好ましい。トップシートとしては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシートとして、織布、編布、孔が形成されたプラスチックフィルム等を用いてもよい。
バックシートは、吸収性物品の着用の際に着用者とは反対側、すなわち外側に位置するシートであり、液不透過性であることが好ましい。バックシートとしては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。また、不織布とプラスチックフィルムとの積層体を用いてもよい。本発明において、液不透過性には撥水性の意味も含まれる。
パンツ部材は、液透過性であっても液不透過性であってもよく、トップシートやバックシートに使用可能なシート材料を用いることができる。パンツ部材は、内側シートに外側シートが積層されて形成されることが好ましく、親水性の内側シートに液不透過性の外側シートが積層されて形成されることがより好ましい。
上記説明した各シート材料として不織布を用いる場合、不織布としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、SMS不織布等を用いることが好ましい。
吸収性物品には、幅方向の両側に立ち上がりフラップが設けられている。立ち上がりフラップを設けることにより、尿等の横漏れが防止される。立ち上がりフラップは、トップシートの幅方向の両側に設けられることが好ましく、これにより着用者から排泄された尿等が、立ち上がりフラップの間で液溜まりなどを形成することなく、トップシートを透過して吸収性積層体に速やかに吸収されやすくなる。
立ち上がりフラップは、例えば、トップシートの幅方向の両側に、前後方向に延在するサイドシートを接合し、サイドシートの幅方向内方に弾性部材を設けることにより形成される。このようにサイドシートと弾性部材とを設けることにより、弾性部材の収縮力によりサイドシートの幅方向内方が着用者の肌に向かって立ち上がり、立ち上がりフラップが形成される。立ち上がりフラップまたはサイドシートは、液不透過性のプラスチックフィルムや液不透過性の不織布等により構成されることが好ましい。
立ち上がりフラップに設けられる弾性部材としては、ポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等の通常の使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられる弾性伸縮材料を用いることができる。弾性部材は、伸張状態で、ホットメルト接着剤で固定されることが好ましい。例えば、繊度40〜1,240dtexのポリウレタン糸を、倍率1.1〜5.0倍に伸張して配設し、固定する。接合手段としては、好ましくは、ゴム系のホットメルト接着剤が用いられる。なお、前記倍率は、非伸張状態を1.0倍とする。
吸収性積層体は、トップシートとバックシートの間に配され、着用者から排泄されてトップシートを透過した尿等を吸収し保持する。吸収性積層体は、トップシート側から第1吸収体と第2吸収体を有し、第1吸収体が左側第1吸収体と右側第1吸収体とから構成されている。左側第1吸収体と右側第1吸収体は、吸収性物品の着用者から見て左側と右側にそれぞれ配される。なお下記において、左側第1吸収体と右側第1吸収体を合わせて「第1吸収体」と称する場合がある。吸収性積層体において、第1吸収体は第2吸収体の上側に配される。第1吸収体は、好ましくは吸収性積層体の最上側に配され、また第1吸収体は第2吸収体と隣接して設けられる。なお、第2吸収体の下側には、さらに別の吸収体(すなわち第3吸収体)が設けられてもよい。
第1吸収体は、複数層のシート部材を含み、シート部材の間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように構成されている。一方、第2吸収体は、吸水性樹脂とパルプ繊維を含有する。
第1吸収体は、吸水性樹脂の上側と下側にそれぞれシート部材が設けられ、いわば上側のシート部材と下側のシート部材を有する。上側のシート部材と下側のシート部材は別々のシート部材から構成されてもよく、1つのシート部材を折り返し、折り返された一方側を上側のシート部材とし、他方側を下側のシート部材としてもよい。
第1吸収体に設けられるシート部材は液透過性であり、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたものを用いることができる。また、シート部材として、織布、編布、有孔プラスチックフィルム等を用いてもよい。好ましくは、シート部材として、不織布製シート部材(不織布シート)を用いる。
第1吸収体は、上側のシート部材と下側のシート部材の間に吸水性樹脂が配されるが、これらのシート部材の間にはパルプ繊維は配されない。なお第1吸収体において、製造上不可避的に混入するパルプ繊維の存在は許容される。第1吸収体は、シート部材の間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように構成されるため、高い吸収容量を有しつつ薄型に形成することができる。
吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸ナトリウム等のポリアクリル酸系の吸水性樹脂;デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体、デンプン−アクリル酸グラフト共重合体、デンプン−アクリルアミドグラフト共重合体等のデンプン系の吸水性樹脂;ポリビニルアルコール架橋体等のポリビニルアルコール系の吸水性樹脂等を用いることができる。吸水性樹脂としては、高い液吸収量を有する点で、ポリアクリル酸ナトリウム等のポリアクリル酸系の吸水性樹脂を用いることが好ましい。
第2吸収体は、吸水性樹脂とパルプ繊維を含有する。第2吸収体に含まれる吸水性樹脂としては、上記に説明した吸水性樹脂を用いることができる。第1吸収体に配される吸水性樹脂と第2吸収体に配される吸水性樹脂は同じであっても異なっていてもよいが、後述するように、第1吸収体に配される吸水性樹脂は第2吸収体に配される吸水性樹脂よりも吸水速度が速いものであることが好ましい。第2吸収体は、吸水性樹脂を含むことにより尿等の保持能力が高められる。第2吸収体に含まれるパルプ繊維としては、解繊パルプ繊維が好ましく用いられ、解繊パルプ繊維は繊維塊として用いられることが好ましい。第2吸収体は、パルプ繊維を含むことにより尿等の速やかな吸収を実現し、また第2吸収体での尿等の拡散性が高められる。
第2吸収体は、吸水性樹脂とパルプ繊維を含有する成形体を有することが好ましい。成形体は、吸水性樹脂とパルプ繊維を含み、所定形状を有するものであればよく、成形体は紙シート(例えば、ティッシュペーパー)や液透過性不織布シート等の被覆シートで覆われていてもよい。成形体は、吸水性樹脂とパルプ繊維が均一に混合されていてもよく、不均一に混合されていてもよく、またパルプ繊維に吸水性樹脂が散布されていてもよい。
第2吸収体の吸水性樹脂の含有量は特に限定されないが、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、また40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。吸水性樹脂の含有量が5質量%以上であれば、第2吸収体の尿等の保持能力が高まり、吸水性樹脂の含有量が40質量%以下であれば、尿等が第2吸収体によって速やかに吸収されやすくなる。
第2吸収体の目付は、90g/m2以上が好ましく、100g/m2以上がより好ましく、また150g/m2以下が好ましく、140g/m2以下がより好ましい。第2吸収体の目付が90g/m2〜150g/m2の範囲にあれば、第2吸収体の厚みが厚くなりすぎず、尿等の吸収性に優れた第2吸収体が得やすくなる。
本発明の吸収性物品では、左側第1吸収体と右側第1吸収体が幅方向に互いに離間して設けられるとともに、立ち上がりフラップよりも幅方向の内方に設けられ、第2吸収体が、立ち上がりフラップよりも幅方向の外方に延在するように設けられている。すなわち、トップシートの幅方向の両側に前後方向に延びる立ち上がりフラップが設けられ、左側第1吸収体と右側第1吸収体が幅方向に離間して設けられるとともに、左側第1吸収体と右側第1吸収体が立ち上がりフラップの立ち上がる起点となる基部よりも幅方向の内方に設けられ、第2吸収体は、立ち上がりフラップの基部よりも幅方向の外方に延在するように設けられている。好ましくは第2吸収体は、吸水性樹脂とパルプ繊維を含有する成形体が、立ち上がりフラップの基部よりも幅方向の外方に延在するように設けられる。すなわち本発明の吸収性物品では、左側第1吸収体と右側第1吸収体の幅方向の外方の端縁が、立ち上がりフラップの基部よりも幅方向の内方に位置することとなり、第2吸収体の幅方向の両端縁が、立ち上がりフラップの基部よりも幅方向の外方に位置することとなる。
本発明の吸収性物品は、このように第1吸収体と第2吸収体が設けられているため、第1吸収体が尿等の拡散防止壁として機能し、尿等の横漏れが起こりにくくなる。すなわち、第1吸収体が尿等を吸収すると、第1吸収体に含まれる吸水性樹脂が膨潤して第1吸収体が上下方向に膨らんで、その結果、第1吸収体によって拡散防止壁が形成されて、尿等が横漏れを起こすことなく特に第2吸収体で吸収されやすくなる。このことは、吸収性物品の未使用時には第1吸収体が尿等を吸収していないため、吸収性積層体の厚みを薄く形成できるにも関わらず、吸収性物品の使用時には第1吸収体が尿等を吸収することによって高さの高い拡散防止壁を形成できることを意味する。さらに本発明の吸収性物品では、尿等が第1吸収体を越えてさらに幅方向の外方に広がっても、尿等が第1吸収体と立ち上がりフラップの基部との間の隙間を通って第2吸収体に移行して吸収することができるため、いわば横漏れが2段階で阻止されることとなる。一方、第2吸収体は吸水性樹脂とパルプ繊維を含むものであるため、第1吸収体を越えて幅方向の外方に広がった尿等を速やかに吸収することができる。そのため、本発明の吸収性物品は、横漏れ防止機能に優れたものとなる。
本発明の吸収性物品はまた、吸水性樹脂とパルプ繊維を含む第2吸収体の上に、シート部材の間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように構成された第1吸収体が、立ち上がりフラップの基部よりも幅方向の内方に配されているため、尿等の逆戻り(ウェットバック)防止に優れたものとなる。第1吸収体は、シート部材の間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように構成されていないため、尿等を吸収しても、表面が比較的乾いた状態で維持される。一方、第2吸収体は、尿等を吸収すると湿潤状態となりやすく、押圧により吸収した尿等の一部が逆戻りするおそれがある。しかし、第2吸収体よりもトップシート側に配された第1吸収体の存在により、第2吸収体から尿等が逆戻りして着用者の肌に達するのが阻止されやすくなる。
本発明の吸収性物品において、第1吸収体は、前後方向の全体にわたって立ち上がりフラップの基部よりも幅方向の内方に設けられることが好ましい。第2吸収体は、前後方向の全体にわたって立ち上がりフラップの基部よりも幅方向の外方に延在するように設けられることが好ましい。また、第2吸収体は、前後方向の全体にわたって、第1吸収体の幅方向の外縁よりも外方に延在していることが好ましい。
左側第1吸収体と右側第1吸収体の離間距離は特に限定されないが、着用者から排泄された尿等が第2吸収体の左側第1吸収体と右側第1吸収体の間の部分で好適に吸収されるようにする点から、前記離間距離は30mm以上が好ましく、35mm以上がより好ましく、40mm以上がさらに好ましい。一方、第1吸収体と立ち上がりフラップの基部の間のスペースを十分に確保しやすくする点から、前記離間距離は100mm以下が好ましく、85mm以下がより好ましく、75mm以下がさらに好ましい。
左側第1吸収体と右側第1吸収体は、幅方向の外方の端縁が、立ち上がりフラップの基部から内方に15mm以上離れて設けられることが好ましく、25mm以上離れていることがより好ましく、30mm以上離れていることがさらに好ましい。第1吸収体がこのように設けられていれば、第1吸収体から溢れた尿等が速やかに第2吸収体に移行しやすくなる。また第1吸収体は、幅方向の端縁が、立ち上がりフラップの基部から内方に50mm以下離れて設けられることが好ましく、45mm以下離れていることがより好ましい。第1吸収体がこのように設けられていれば、左側第1吸収体と右側第1吸収体を十分離して配しやすくなり、着用者から排泄された尿等が第2吸収体に速やかに吸収されやすくなる。
左側第1吸収体と右側第1吸収体は、幅方向に離間して設けられることにより、左側第1吸収体と右側第1吸収体の間に空間が形成されるが、この空間は吸収性積層体の幅方向の中心線(すなわち前後方向に延びる中心線)を含むように形成されることが好ましく、幅方向の中央に形成されることが好ましい。
第1吸収体と第2吸収体の前後方向の長さは特に限定されない。第1吸収体と第2吸収体は前後方向の長さが同じであってもよく、第1吸収体の方が第2吸収体よりも前後方向に長く形成されてもよく、第2吸収体の方が第1吸収体よりも前後方向に長く形成されてもよい。
第2吸収体には、前後方向に延びる溝または開口が設けられることが好ましい。詳細には、第2吸収体の成形体に、前後方向に延びる溝または開口が形成されることが好ましい。この際、第2吸収体の溝または開口は、左側第1吸収体と右側第1吸収体とが離間した空間に面して設けられることが好ましい。このように第2吸収体に溝または開口が設けられることにより、着用者から排泄された尿等が第2吸収体を前後方向に拡散しやすくなり、尿等が第2吸収体によって速やかに吸収されるようになる。
本発明において、「開口」とは上下方向に貫通して設けられるものであり、一方「溝」とは表面に形成された窪みを意味し、底面を有するものとして規定される。また、第2吸収体の成形体に、溝または開口が、左側第1吸収体と右側第1吸収体の間の空間に面して設けられる場合、溝または開口は、成形体の上面(第1吸収体に面する側の表面)に、左側第1吸収体と右側第1吸収体の間の空間と重なって形成されればよく、例えば成形体の溝または開口が被覆シートで覆われていてもよい。
第2吸収体に設けられる溝または開口は、着用者の排尿部付近に面するように設けられることが好ましい。例えば第2吸収体の溝または開口は、第2吸収体の前後方向に対する相対的位置として前側端を0%とし後側端を100%としたとき、少なくとも30%〜60%の範囲(より好ましくは25%〜70%の範囲)に延在することが好ましい。第2吸収体の溝または開口は、第2吸収体の幅方向の中心線(すなわち前後方向に延びる中心線)を含むように設けられることが好ましく、幅方向の中央に設けられることがより好ましい。また、第2吸収体には溝または開口が1つのみ設けられることが好ましい。
第2吸収体の溝または開口は、第2吸収体の前後方向の全体に設けられてもよく、前後方向の一部に設けられてもよい。なお、第2吸収体の溝または開口は、第2吸収体の前後方向の一部のみに設けられることが好ましく、このように第2吸収体に溝または開口を設けることにより、尿等が吸収性積層体の前後方向に漏れにくくなる。この場合、溝または開口の前後方向の両端が、第2吸収体の前側端と後側端よりも前後方向の内方に位置するように設けられることが好ましい。例えば第2吸収体の溝または開口は、第2吸収体の前後方向に対する相対的位置として前側端を0%とし後側端を100%としたとき、溝または開口の前側端が10%〜30%の範囲(より好ましくは15%〜25%の範囲)に位置し、溝または開口の後側端が60%〜90%(より好ましくは70%〜85%の範囲)に位置することが好ましい。第2吸収体の溝または開口は、前後方向に延びる限りその形状は特に限定されないが、例えば、長方形、角の丸まった長方形、楕円形、多角形、砂時計形、亜鈴形等が挙げられる。
第2吸収体には、溝が形成されていることが好ましい。第2吸収体の成形体に開口ではなく溝を設けることにより、吸収性物品のバックシート側からの漏れが起こりにくくなる。また、第2吸収体に尿等が速やかに吸収されやすくなる。さらに、第2吸収体を介して第1吸収体にも尿等が吸収されやすくなり、第1吸収体による拡散防止壁が好適に形成されやすくなる。
第2吸収体の成形体に溝が形成される場合、成形体は、トップシート側に設けられた上側成形体とバックシート側に設けられた下側成形体を有し、上側成形体に前後方向に延びる開口が設けられ、下側成形体が上側成形体の開口と重なって設けられることにより、成形体に前後方向に延びる溝が形成されてもよい。この場合、下側成形体は上側成形体の開口を完全に覆うように上側成形体の下側に配されることとなる。このように成形体を構成することにより、第2吸収体に製造上簡便に溝を形成することができる。
第2吸収体の溝または開口の幅(幅方向の長さ)は、例えば、8mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、また30mm以下が好ましく、25mm以下がより好ましい。第2吸収体の溝または開口の幅が8mm以上であれば、尿等の前後方向への拡散性が高められ、第2吸収体の溝または開口の幅が30mm以下であれば、第2吸収体の吸収容量が増大する。
左側第1吸収体と右側第1吸収体は、第2吸収体の溝または開口よりも、前後方向の外方に延在していることが好ましい。左側第1吸収体と右側第1吸収体はまた、第2吸収体に設けられた溝または開口よりも、幅方向の外方に設けられることが好ましい。この場合、左側第1吸収体と右側第1吸収体の幅方向の内方の端縁が、第2吸収体の溝または開口よりも幅方向の外方に位置することとなる。このように第1吸収体と第2吸収体が形成されていれば、第2吸収体の溝または開口に着用者から排泄された尿等がスムーズに導かれやすくなり、尿等が吸収性積層体の前後方向に好適に拡散しやすくなる。
左側第1吸収体と右側第1吸収体は、第2吸収体に設けられる溝または開口から幅方向に10mm以上離れて設けられることが好ましく、12mm以上離れていることがより好ましく、また35mm以下離れていることが好ましく、25mm以下離れていることがより好ましい。このように第1吸収体が形成されていれば、両側の第1吸収体の間に尿等が拡散するスペースが十分確保されるとともに、第1吸収体と立ち上がりフラップの基部との間にも尿等が第2吸収体に移行するスペースが十分確保されやすくなり、尿等が第2吸収体によって好適に吸収されやすくなる。
第1吸収体と第2吸収体は、これらの間に形成された接着剤層によって、互いに接合されていることが好ましい。接着剤層は、例えば、後述するゴム系接着剤やスチレン系エラストマーで形成されることが好ましい。第1吸収体と第2吸収体が接着剤により互いに接合されていれば、第1吸収体が第2吸収体上の適切な位置で固定され、吸収性物品が所望する機能を発揮しやすくなる。
左側第1吸収体と右側第1吸収体は、幅方向の両側にシート部材どうしが接合された封止部と、封止部の間に形成された非封止部が形成されることが好ましく、非封止部に吸水性樹脂が配されて吸収領域が形成されていることが好ましい。このように左側第1吸収体と右側第1吸収体が形成されることにより、左側第1吸収体と右側第1吸収体が尿等を吸収することによって上下方向に膨らんで、より高さの高い拡散防止壁が形成されやすくなる。封止部は、シート部材どうしを接着剤で接合したり、ヒートシール(熱融着)や超音波接着することにより形成される。封止部は、シート部材どうしが接合される部分として規定され、封止部での吸水性樹脂の存在は許容される。
封止部は、第1吸収体の前後方向の全長にわたって延びるように設けられることが好ましい。また吸収領域は、第1吸収体の前後方向の全長にわたって延びるように設けられることが好ましい。このように封止部や吸収領域が設けられれば、第1吸収体の前後方向の全体にわたって拡散防止壁が好適に形成され、尿等の横漏れが防止されやすくなる。
封止部は、左側第1吸収体と右側第1吸収体にそれぞれ3つ以上幅方向に並んで設けられてもよい。この場合、第1吸収体には、いわば吸収領域を分割するように封止部が設けられることとなり、その結果、封止部を通って尿等が第1吸収体上を前後方向に拡散しやすくなり、尿等が第1吸収体によって速やかに吸収されやすくなる。また、第1吸収体に配された吸水性樹脂のより多くが尿等の吸収に寄与しやすくなり、第1吸収体の吸収能を高めることができる。
封止部は、第1吸収体が吸水しても、シート部材どうしの接合が維持されることが好ましい。このように封止部が形成されることにより、第1吸収体が尿等を吸収することによって吸収領域が上下方向に膨らんで拡散防止壁がより高く形成されやすくなる。封止部でシート部材どうしの接合が維持されやすくするためには、シート部材どうしを、ゴム系接着剤(例えば、天然ゴム系、ブチルゴム系、ポリイソプレン等)やスチレン系エラストマー(例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等)で接着したり、ヒートシール(熱融着)あるいは超音波接着することが好ましい。
第1吸収体では、吸水性樹脂が接着剤によってシート部材に固定されていることが好ましい。すなわち、シート部材には接着剤が塗布されて接着剤層が設けられ、吸水性樹脂が接着剤層でシート部材に固定されていることが好ましい。接着剤層は、上側のシート部材と下側のシート部材の少なくとも一方に設けられればよいが、好ましくは、接着剤層は上側のシート部材と下側のシート部材の両方に設けられる。吸水性樹脂は、少なくとも一部が接着剤層に固定されていればよく、例えば、接着剤層に接する吸水性樹脂が接着剤層に固定されていればよい。吸水性樹脂が接着剤層によりシート部材に固定されていれば、吸水性樹脂がシート部材の間で移動しにくくなり、第1吸収体によって拡散防止壁が好適に形成されやすくなる。
接着剤層は、吸水性樹脂を固定しつつ、吸水性樹脂による吸水や膨潤を阻害しないことが好ましい。この点から、接着剤層は断続的なパターンで設けられることが好ましく、例えば、接着剤層は、接着剤を網状やストライプ状や散点状に塗布することにより形成されることが好ましい。接着剤層を網状に形成する場合は、カーテンスプレー法、スパイラルコーティング法、オメガコーティング法等により接着剤を塗布すればよい。
接着剤層に用いる接着剤としては、上記に説明したような封止部を形成するのに使用可能な接着剤を使用することができる。また、接着剤層によって封止部が形成されてもよい。この場合、接着剤層によってシート部材どうしが接合され、これにより封止部が形成されることとなる。
第1吸収体に配される吸水性樹脂は、ボルテックス法による吸水速度が20秒以下であることが好ましく、15秒以下がより好ましく、10秒以下がさらに好ましい。第1吸収体にこのように吸水速度の速い吸水性樹脂が配されていれば、第1吸収体に尿等が接触することにより、第1吸収体の吸水性樹脂が膨潤して、拡散防止壁が速やかに形成されるようになる。その結果、吸収性物品は、初回の排泄時から高さの高い拡散防止壁が形成されやすくなり、尿等の横漏れが起こりにくくなる。第1吸収体に配される吸水性樹脂の吸水速度の下限は特に限定されないが、第1吸収体に配される吸水性樹脂のボルテックス法による吸水速度は、例えば、1秒以上であればよく、2秒以上がより好ましい。
一方、第2吸収体に配される吸水性樹脂(具体的には、第2吸収体の成形体に配される吸水性樹脂)は、第1吸収体に配される吸水性樹脂よりも吸水速度が遅いことが好ましい。例えば、第2吸収体に配される吸水性樹脂は、ボルテックス法による吸水速度が40秒以上が好ましく、60秒以上がより好ましく、90秒以上がさらに好ましく、また300秒以下が好ましく、240秒以下がより好ましい。第2吸収体に配される吸水性樹脂がこのような吸水速度を有していれば、第2吸収体内での尿等の拡散性が高まり、第2吸収体の吸収能が広範囲にわたって活用されるようになる。
吸水性樹脂のボルテックス法による吸水速度は、JIS K 7224(1996年版)に従って測定する。具体的には次のようにして吸水速度を求める。100mLのガラスビーカーに、生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水)50mLとマグネチックスターラーチップ(中央部直径8mm、両端部直径7mm、長さ30mmで、表面がフッ素樹脂コーティングされているもの)を入れ、ビーカーをマグネチックスターラー(アズワン製HPS−100)に載せる。マグネチックスターラーの回転数を600±60rpmに調整し、生理食塩水を撹拌する。吸水性樹脂2.0gを、撹拌中の食塩水の渦の中心部で液中に投入し、吸水性樹脂のビーカーへの投入が完了した時点で計時を開始し、スターラーチップが試験液に覆われた時点(渦が消え、液表面が平らになった時点)で計時を止め、その時間(秒)を吸水速度として記録する。測定は5回行い(n=5)、上下各1点の値を削除し、残る3点の平均値を測定値とする。なお、これらの測定は23±2℃、相対湿度50±5%で行い、測定の前に吸水性樹脂を同環境で24時間以上保存した後に測定する。
吸収性物品からの吸水性樹脂の取り出しは次のようにして行う。第1吸収体から吸水性樹脂を取り出す場合は、吸水性樹脂を間に配したシート部材を分離するなどして、シート部材の間に配された吸水性樹脂を取り出す。第2吸収体から吸水性樹脂を取り出す場合は、吸水性樹脂とパルプ繊維の混合物を篩を用いて吸水性樹脂とパルプ繊維とに分離することにより、吸水性樹脂を取り出す。
ボルテックス法による吸水速度が20秒以下の吸水性樹脂としては、例えば、住友精化株式会社製のアクアキープ(登録商標)10SH−PFを用いることができる。ボルテックス法による吸水速度が40秒以上の吸水性樹脂としては、一般に吸収性物品に使用される吸水性樹脂を用いることができる。
第1吸収体にボルテックス法による吸水速度が20秒以下の吸水性樹脂が配される場合、吸収領域(すなわち非封止部に吸水性樹脂が配される領域)に配される吸水性樹脂の量は、50g/m以上が好ましく、100g/m以上がより好ましく、また200g/m以下が好ましく、180g/m以下がより好ましい。吸収領域に、ボルテックス法による吸水速度が20秒以下の吸水性樹脂が50g/m以上の量で配されていれば、第1吸収体が尿等を吸収することにより高さの高い拡散防止壁が形成されやすくなる。一方、ボルテックス法による吸水速度が20秒以下の吸水性樹脂が200g/mより多くの量が配されていても、吸収領域に配された吸水性樹脂が尿等の吸収に十分に寄与しなくなるおそれがあり、拡散防止壁の高さを高める効果も飽和する。従って、吸収領域には、ボルテックス法による吸水速度が20秒以下の吸水性樹脂が200g/m以下の量で配されていることが好ましい。
第1吸収体が尿等を吸収することによって、より高く拡散防止壁が形成されるためには、第1吸収体が2つ以上重なって設けられることが好ましい。第1吸収体を2つ以上重ねて設けることにより、同じ量の吸水性樹脂を1つの第1吸収体に配する場合と比較して、吸水性樹脂のより多くの部分が尿等の吸収に寄与しやすくなり、その結果、吸収性積層体の上面により高さの高い拡散防止壁が形成されやすくなる。
吸収性積層体は、第1吸収体と第2吸収体以外の吸収体(第3吸収体)が設けられていてもよい。ただしこの場合、第3吸収体は第2吸収体の下側に設けられることが好ましい。第3吸収体は、例えば、シート部材の間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように構成された吸収体であってもよく、吸水性樹脂とパルプ繊維を含むものであってもよい。
次に本発明の吸収性物品の構成例について、図面を参照して説明する。図1〜図4には、本発明の吸収性物品の構成例を示した。図1は吸収性物品の一例として尿パッドを表し、吸収性物品をトップシート側から見た平面図を表す。図2は、図1に示した吸収性物品のII−II断面図を表す。図3は、図1の吸収性物品に設けられた吸収性積層体をトップシート側から見た平面図を表す。図4は、図3に示した吸収性積層体のIV−IV断面図を表す。図面において、矢印x、y、zはそれぞれ吸収性物品の幅方向、前後方向、上下(厚み)方向を表す。また図1および図3では、図の上側が吸収性物品の前側に相当し、図の下側が吸収性物品の後側に相当する。なお、本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
吸収性物品1は、トップシート2とバックシート3とこれらの間に設けられた吸収性積層体10とを有する。トップシート2は、着用者の肌に面するように配置され、尿等の排泄物を透過する。トップシート2を透過した排泄物は、吸収性積層体10により収容される。バックシート3は、排泄物が外部へ漏れるのを防いでいる。
吸収性物品1には、トップシート2の幅方向xの両側に、前後方向yに延びる立ち上がりフラップ5が設けられている。図1および図2では、トップシート2の幅方向xの両側に、前後方向yに延在するサイドシート4が接合され、サイドシート4の幅方向xの内方端に設けられた起立用弾性部材7の収縮力によりサイドシート4の内方端が着用者の肌に向かって立ち上がり、これにより立ち上がりフラップ5が形成されている。立ち上がりフラップ5は、立ち上がる起点となる基部6を有する。立ち上がりフラップ5により、尿等の幅方向xの横漏れが防止される。なお、立ち上がりフラップ5は前後方向yの端部の内面がトップシート2上に接合されてもよく、これにより立ち上がりフラップ5の立ち上がりが容易になる。
吸収性積層体10は、トップシート2側から第1吸収体11と第2吸収体21を有する(図3および図4を参照)。第1吸収体11は左側第1吸収体11Aと右側第1吸収体11Bとから構成され、左側第1吸収体11Aと右側第1吸収体11Bが幅方向xに離間して設けられている。第1吸収体11は、複数層のシート部材12を含み、シート部材12の間に吸水性樹脂13を有しパルプ繊維を有しないように構成され、立ち上がりフラップ5の基部6よりも幅方向xの内方に設けられている。なお図3および図4では、立ち上がりフラップ5の基部6が存在する位置関係を一点鎖線で示している。一方、第2吸収体21は、吸水性樹脂とパルプ繊維を含有する成形体22を有し、立ち上がりフラップ5の基部6よりも幅方向xの外方に延在するように設けられている。
吸収性物品1はこのように形成されることにより、第1吸収体11が尿等の拡散防止壁として機能し、尿等の横漏れが起こりにくくなる。つまり、第1吸収体11が尿等を吸収すると、第1吸収体11に含まれる吸水性樹脂13が膨潤して第1吸収体11が上下方向zに膨らんで、その結果、左側第1吸収体11Aと右側第1吸収体11Bによって拡散防止壁が形成され、尿等が横漏れを起こすことなく第2吸収体21で吸収されやすくなる。また、尿等が左側第1吸収体11Aと右側第1吸収体11Bを越えてさらに幅方向xの外方に広がっても、尿等が第1吸収体11と立ち上がりフラップ5の基部6との間の隙間を通って第2吸収体21に移行して吸収されるため、横漏れが2段階で阻止される。
図3および図4に示すように、左側第1吸収体11Aと右側第1吸収体11Bは、幅方向xの両側にシート部材12どうしが互いに接合された封止部15と、封止部15の間に形成された非封止部16を有し、非封止部16に吸水性樹脂13が配されている。詳細には、第1吸収体11は、シート部材12に接着剤が塗布されて接着剤層14が形成され、吸水性樹脂13が接着剤層14によりシート部材12に固定されている。封止部15はシート部材12どうしが接着剤層14によって互いに接合された部分に形成され、シート部材12どうしが接合されない部分に非封止部16が形成されている。非封止部16には吸水性樹脂13が配されて吸収領域17が形成されている。左側第1吸収体11Aと右側第1吸収体11Bに封止部15や吸収領域17が形成されることにより、左側第1吸収体11Aと右側第1吸収体11Bが尿等を吸収することによって上下方向に膨らんで、第1吸収体11による拡散防止壁がより高く形成されやすくなる。
第2吸収体21の成形体22には、左側第1吸収体11Aと右側第1吸収体11Bとが離間した空間18に面して、前後方向yに延びる溝25が形成されている。詳細には、成形体22が上側成形体23と下側成形体24から構成され、上側成形体23に前後方向yに延びる開口26が設けられ、下側成形体24が上側成形体23の開口26と重なって設けられることにより、成形体22に前後方向yに延びる溝25が形成されている。このように第2吸収体21に溝25が形成されることにより、着用者から排泄された尿等が第2吸収体21を前後方向yに拡散しやすくなり、尿等が第2吸収体21によって速やかに吸収されるようになる。なお、溝の代わりに成形体22を上下方向zに貫通する開口が設けられてもよい。
上側成形体23は、図3および図4に示すように、下側成形体24よりも、前後方向yおよび幅方向xに長く形成されていることが好ましい。このように成形体22を形成することにより、成形体22の溝25の近傍での尿等の保持能力が高まり、第2吸収体21の吸収能が効率良く発揮されるようになる。また、上側成形体23が下側成形体24よりも前後方向yおよび幅方向xに長く形成されることで、着用者が上側成形体23と下側成形体24との段差ができることによる違和感を覚えにくくなり、吸収性物品1の着用感が向上する。
第1吸収体11に配される吸水性樹脂13は、ボルテックス法による吸水速度が20秒以下であることが好ましい。第1吸収体11にこのように吸水速度の速い吸水性樹脂が配されていれば、第1吸収体11が尿等と接触することにより第1吸収体11の吸水性樹脂13が速やかに膨潤して、第1吸収体11によって拡散防止壁が速やかに形成されるようになる。一方、第2吸収体21に配される吸水性樹脂は、第2吸収体21での拡散性を高める点から、ボルテックス法による吸水速度が40秒以上であることが好ましい。
1: 吸収性物品
2: トップシート
3: バックシート
5: 立ち上がりフラップ
6: 基部
10: 吸収性積層体
11: 第1吸収体、11A:左側第1吸収体、11B:右側第1吸収体
12: シート部材
13: 吸水性樹脂
15: 封止部
16: 非封止部
18: 空間
21: 第2吸収体
22: 成形体
25: 溝

Claims (6)

  1. 幅方向と前後方向を有し、トップシートとバックシートとこれらの間に設けられた吸収性積層体を有する吸収性物品であって、
    前記トップシートの幅方向の両側に、前後方向に延びる立ち上がりフラップが設けられ、
    前記吸収性積層体は、トップシート側から第1吸収体と第2吸収体を有し、第1吸収体が第2吸収体の上側に配されており、
    前記第1吸収体は左側第1吸収体と右側第1吸収体とから構成され、前記左側第1吸収体と前記右側第1吸収体が幅方向に離間して設けられ、
    前記左側第1吸収体と前記右側第1吸収体は、複数層のシート部材を含み、シート部材の間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように構成され、前記立ち上がりフラップの立ち上がる起点となる基部から幅方向の内方に離れて設けられ、
    前記第2吸収体は、吸水性樹脂とパルプ繊維を含有し、前記立ち上がりフラップの基部よりも幅方向の外方に延在するように設けられ
    前記第2吸収体は、吸水性樹脂とパルプ繊維を含有する成形体の上面に、前記左側第1吸収体と前記右側第1吸収体とが離間した空間と重なって、前後方向に延びる溝が形成され、
    前記溝は、前記第2吸収体の前後方向に対する相対的位置として前側端を0%とし後側端を100%としたとき、少なくとも30%〜60%の範囲に延在していることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記左側第1吸収体と前記右側第1吸収体は、前記第2吸収体に設けられた溝から幅方向に10mm以上35mm以下離れて設けられている請求項に記載の吸収性物品。
  3. 前記左側第1吸収体と前記右側第1吸収体は、幅方向の両側に前記シート部材どうしが接合された封止部と、前記封止部の間に形成された非封止部を有し、前記非封止部に吸水性樹脂が配されている請求項1または2に記載の吸収性物品。
  4. 前記第1吸収体に配される吸水性樹脂は、ボルテックス法による吸水速度が20秒以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記第2吸収体に配される吸水性樹脂は、ボルテックス法による吸水速度が40秒以上である請求項に記載の吸収性物品。
  6. 前記左側第1吸収体と前記右側第1吸収体は、幅方向の外方の端縁が、前記立ち上がりフラップの基部から内方に15mm以上50mm以下離れて設けられている請求項1〜のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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