JP2017169497A - コーヒー風味を有する油脂組成物 - Google Patents

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雅子 大河内
篤史 由良
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篤史 由良
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Abstract

【課題】本発明は、風味付与された新規な油脂、特にコーヒー風味を付与できる新規な油脂を提供することを課題とする。【解決手段】未抽出のコーヒー豆を用いるよりも、抽出残渣、特に一定の水分を含んだコーヒー抽出残渣を、対象とする油脂へ浸漬し、真空度30〜100mmHgの減圧条件下で、60℃以上120℃未満、60〜180分間加熱処理した後、沈殿物を除去することで得られる油脂が、コーヒー風味を引き立たせ、より好ましいコーヒー飲食品を得ることが出来る。【選択図】なし

Description

本発明は、風味油およびその製造法に関するものである。
風味油の製造方法に関する出願としては、例えば特許文献1が存在する。油脂にロースト粉砕したコーヒー豆を浸漬し減圧条件下で加熱する風味油の製造法について記載されている。
また、風味油の製造方法ではないが、特許文献2には、コーヒー抽出残渣から、有機溶剤で呈味成分を抽出する方法について記載されている。
特開平2−131541号公報 国際公開第2012/121381号パンフレット
本発明は、風味付与された新規な油脂、特にコーヒー風味を付与できる新規な油脂を提供することを課題とする。
特許文献1では、ロースト粉砕したコーヒー豆を使用しており、得られた油脂組成物は高価なものとなる場合が多い。
特許文献2では、コーヒー抽出残渣を使用しているが、有機溶剤で抽出後、それを除去する必要があり煩雑である。
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、未抽出のコーヒー豆を用いるよりも、抽出残渣、特に一定の水分を含んだものを油脂に浸漬し、加熱することで、コーヒー風味を付与することが出来ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、
(1)油脂中にコーヒー抽出残渣を浸漬し、真空度30〜100mmHgの減圧条件下で60℃以上、120℃未満、60〜180分間加熱処理した後、固形分を除去することを特長とする、コーヒー風味を有する油脂組成物の製造法、
(2)(1)記載の油脂組成物を使用したコーヒー飲食品の製造法、
(3)コーヒー抽出残渣が3〜15重量%の水分を含む(1)記載のコーヒー風味を有する油脂組成物の製造法、
に関するものである。
本発明により、風味付与された新規な油脂、特にコーヒー風味を付与できる新規な油脂を提供することができる。
本発明で言うコーヒー抽出残渣とは、ローストしたコーヒー豆を粉砕後、水又はお湯でコーヒーを抽出した後の粕(以下、コーヒー抽出残渣と言う)のことを言う。本発明では、コーヒー抽出後の残渣を使用することに特長がある。水又はお湯で抽出された残渣を乾燥させたものを使用した際に、コーヒーの好ましい風味を付与できることを見出し、本発明は完成された。
本発明のコーヒー抽出残渣は、たとえば、グアテマラ産コーヒー豆を好適に使用することが出来るが、一般に飲料用として使用されるコーヒー豆を適宜選択することが出来る。具体的には、産地ではグアテマラ産、ブラジル産、コロンビア産、メキシコ産、コスタリカ産、ジャマイカ産、ペルー産、タンザニア産、エチオピア産、ケニア産、インドネシア産、ハワイ産などを例示できるが、各々の産地や種類のコーヒー抽出残渣を使用することで、各々のコーヒー豆が有する良好なコーヒー風味を油脂に付与することが出来る。
本発明においては、コーヒー豆をローストした後適宜粉砕処理する。粉砕の程度は概ねドリップコーヒーとして使用する程度の粉砕を行う。水又はお湯で抽出後のコーヒー抽出残渣を、紙の上に一様に広げ、4日間、室温にて静置乾燥したものを使用することにより、より好ましい風味を付与することが出来る。
本発明で使用する油脂は、適宜選択することが出来る。具体的には、ヤシ油、パーム油、大豆油、菜種油およびこれらの硬化油、分別油、エステル交換油を例示できる。たとえば、飲料に使用する場合として、その風味の点で望ましいことから、好適にヤシ油を選択することが出来る。
本発明においては、適当な水分が残った状態のコーヒー抽出残渣を使用することが望ましい。適当な量の水分が残った状態のコーヒー抽出残渣を用いることで、より好ましいコーヒー風味を油脂に付与することが出来る。
本発明においては、該コーヒー抽出残渣を油脂へ浸漬した後、加熱を行う。ここで、コーヒー抽出残渣の量は、油脂に対して0.1〜30重量%が望ましく、より望ましくは1〜20重量%であり、さらに望ましくは3〜15重量%である。適当な量のコーヒー抽出残渣を使用することで、油脂により好ましいコーヒー風味を付与することが出来る。
本発明においては、該コーヒー抽出残渣の水分は、3〜15重量%であることが望ましい。より望ましくは3〜10重量%であり、さらに望ましくは5〜10重量%である。適当な水分量を含むことにより、風味付与された新規な油脂、特にコーヒー風味を付与できる新規な油脂を提供することが出来る。
本発明におけるコーヒー飲食品とは、一般にコーヒーを使用し、調製してなる飲食品であって、たとえば、コーヒー飲料やコーヒー乳飲料に代表される飲料類、ゼリー類、ケーキ類、洋生菓子類、焼菓子類、チョコレート類、アイスクリーム類、クリーム類、ドーナツ類、パン類、和菓子類などが例示出来る。本発明による風味付与された油脂を使用することにより、良好な風味、特にコーヒー風味を付与出来るものである。
以下に、コーヒー風味を有する油脂組成物の製造方法を記載する。
本発明における加熱温度は60℃以上、120℃未満であり、より望ましくは70℃以上、98℃未満であり、さらに望ましくは75℃以上、96℃未満である。
従来技術においては120℃以上で加熱を行う場合が多いが、本発明においては120℃未満で加熱することにより、コーヒー抽出残渣からの油脂へのコーヒー風味付与が効率的に行われることを見出し完成されたものである。
加熱に際しては、減圧を行う。減圧条件としては、30〜100mmHgであり、より望ましくは45〜90mmHgであり、さらに望ましくは55〜80mmHgである。
また、加熱時間は、60〜180分間であり、より望ましくは70〜120分間であり、さらに望ましくは85〜95分間である。適当な加熱条件とすることにより、良好な風味を付与することが出来る。
本発明においては、上記加熱工程の後、沈殿物を除去する。その方法としてはろ過が望ましいが、特に限定されない。沈殿物を除去することにより、口当たりの良い油脂組成物を得ることが出来る。
本発明に係る風味づけされた油脂は、コーヒー飲食品であるコーヒー乳飲料中に、望ましくは0.1〜5.0重量%含有させることで、好ましい風味のコーヒー乳飲料を得ることが出来る。この量は、より望ましくは0.3〜2.0重量%、さらに望ましくは0.5〜1.5重量%である。
本発明に係る油脂をコーヒー乳飲料に添加後、攪拌機等により均一化することで、容易にコーヒー風味を付与することが出来る。
以下に実施例を記載する。
検討1 油脂への風味づけ
実施例1
以下の方法に従い検討を行った。
乾燥させたコーヒー抽出残渣100gと油脂1000gを三口フラスコへ投入し、60mmHgの減圧条件下で撹拌しながら90℃、90分間加熱を行った。
加熱後、品温を60℃まで下げ、No.5Cろ紙にてろ過し、検討油脂を得た。
なお、コーヒー抽出残渣は、グアテマラ産コーヒー豆をコーヒーミル(株式会社カリタ社製「CM−50」)にて中挽きに粉砕し、メリタジャパン株式会社製コーヒーメーカー「アロマサーモステンレスII MKM-531/B」を用い、コーヒー1杯あたり、粉砕されたコーヒー豆12gに対し95℃のお湯150gで抽出した後の残渣を、紙の上に一様に広げ、4日間、室温にて乾燥させたものを使用した。油脂には不二製油株式会社製「精製ヤシ油」を使用した。
油脂サンプルは、「○油脂の官能評価法」に従い採点した。
比較例1
実施例1と同様の方法で、コーヒー抽出残渣は使用せずに油脂のみを加熱して実施し処理油を得た。
油脂には不二製油株式会社製「精製ヤシ油」を使用した。
加熱後、品温を60℃まで下げ、No.5Cろ紙にてろ過し、検討油脂を得た。
油脂サンプルは、「○油脂の官能評価法」に従い採点した。
○油脂の官能評価法
熟練したパネラー5名にて、以下の手順にて油脂サンプルの評価を行った。
1.油脂サンプルをそれぞれ100ccビーカーへ30ccずつ入れ、40℃に1時間保管した。
2.パネラーにより、風味について盲検にて風味評価を行った。評価基準は以下の通りとし、パネラーによる合議で採点した。
3点 コーヒー独特の良い香り等、好ましいコーヒー風味が強く感じられるもの。
2点 一定の追加的風味は感じられるものの、有意とまでは言えないもの。
1点 コーヒー風味として明らかに好ましくない風味が感じられるもの。
表1 結果
Figure 2017169497
考察
表1に示す通り、実施例1では、油脂単品でコーヒー独特の良い香り等、好ましいコーヒー風味を呈していた。
検討2 コーヒー飲食品の調製
実施例1と比較例1で得られたそれぞれの油脂サンプルについて、コーヒー飲食品を調製し評価した。なお、コーヒー飲食品として、本検討ではコーヒー乳飲料を調製し、評価した。
配合は表2、調製は「○コーヒー乳飲料の調製法」に従った。また、評価法は「○コーヒー乳飲料の評価法」に従った。結果を表3に示した。
表2 コーヒー乳飲料の配合
Figure 2017169497
・コーヒーエキスには、高砂珈琲株式会社製「コーヒーエキスKIL−20」を使用した。
・乳化剤には、阪本薬品工業株式会社製「ポリグリセリン脂肪酸エステルSYグリスターMSW−7S」(HLB13.4)を使用した。
○コーヒー乳飲料の調製法
1.コーヒーエキスを10倍量の水で希釈し、液糖、牛乳を混合した。
2.80℃で溶解した10%の脱脂粉乳液を作製し、乳化剤、実施例又は比較例に係る油脂をTKホモミキサー(プライミクス株式会社)にて乳化した。
3.1の液と2の液と水を混合し、65℃に昇温した。
4.20MPa(一段目15MPa、二段目5MPa)で均質化した。
5.プレート殺菌機(パワーポイントインターナショナル株式会社)にて130℃で4秒間殺菌し、4℃で冷却した。
○コーヒー乳飲料の評価法
1.「○コーヒー乳飲料の調製法」で調製したサンプルを、4℃で一週間冷却した。
2.サンプルを食し、コーヒー乳飲料の食経験のあるパネラー5名により、実施例2に対しては比較例2、実施例3に対しては比較例3との比較において、合議にて以下の評価基準で点数づけを行った。
5点 コーヒー独特の良い香りやコク等、コーヒー乳飲料としてより好ましい風味がしっかりと感じられるもの。
3点 コーヒー独特の良い香りやコク等が加熱殺菌により抜けてしまい、コーヒー乳飲料として好ましい風味があまり感じられないもの。
1点 コーヒー独特の良い香りやコク等が加熱殺菌により抜けてしまい、異味が感じられるもの。
4点及び2点については、上位の点には至らないものの、下位の点より勝ると判断されるものとし、4点以上を合格とした。
表3 結果
Figure 2017169497
考察
表3に示す通り、コーヒー抽出残渣を用い、一定の水分を含んだものを油脂に浸漬し、加熱して得られた油脂をコーヒー飲食品に使用した場合、より好ましい風味を発現することが明らかとなった。よって、本発明により、風味付与された新規な油脂、特にコーヒー風味を付与できる新規な油脂が得られた。

Claims (3)

  1. 油脂中にコーヒー抽出残渣を浸漬し、真空度30〜100mmHgの減圧条件下で60℃以上、120℃未満、60〜180分間加熱処理した後、固形分を除去することを特長とする、コーヒー風味を有する油脂組成物の製造法。
  2. 請求項1記載の油脂組成物を使用したコーヒー飲食品の製造法。
  3. コーヒー抽出残渣が3〜15重量%の水分を含む請求項1記載のコーヒー風味を有する油脂組成物の製造法。
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