JP2017167709A - プラント監視制御移行システム - Google Patents
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Abstract
【課題】システム切替工事中において、既設と新設の両監視制御装置によりプラントの各負荷からの状態信号を個別に監視でき、かつ個々の負荷を間断なく継続して制御可能なプラント監視制御移行システムを提供する。【解決手段】既設監視制御装置13は既設フィールドネットワーク8を介して、新設監視制御装置15は新設フィールドネットワーク10を介して共に各負荷1a〜1nが接続されたIO装置4に接続され、IO装置4は各負荷1a〜1nからの状態信号を両監視制御装置13、15に出力する状態信号出力処理部と、両監視制御装置13、15からの制御信号のいずれを採用するかを決める制御権選択パラメータが負荷1a〜1nごとに予め登録されたパラメータ登録部と、制御権選択パラメータに基づき制御信号を各負荷1a〜1nに出力する制御信号出力処理部とを備える。【選択図】図1
Description
この発明は、プラントに設置される各種の設備機器を監視制御する既設の監視制御システムと新設の監視制御システムとを切り替える際に利用するプラント監視制御移行システムに関するものである。
プラントに設置される各種の制御機器を監視、制御する監視制御システムにおいては、監視制御装置によりプラントの各種の制御機器を統括して監視制御する。このような監視制御システムでは、既設の監視制御装置が接続された制御バスの保守点検や、既設の監視制御装置の老朽化に伴う装置の取り替えなどが必要となる場合があるが、その際、プラントを構成する各種の制御機器に対する監視制御を長期に渡って停止するのは好ましくない。
そのため、従来技術では、既設の監視制御装置(以下、既設監視制御装置と呼ぶ)に対して新設の監視制御装置(以下、新設監視制御装置と呼ぶ)を併設し、既設監視制御装置を稼働させたまま、新設監視制御装置に段階的に移行させるプラント監視制御システム移行装置が提案されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
しかし、特許文献1記載のものは、複数の設備から送信された状態信号は、状態信号受送信部において既設監視制御装置と新設監視制御装置用とに完全に切り分けて送信されるため、移行前システムの既設監視制御装置では新設監視制御装置用の状態信号を監視することがでず、また、移行後システムの新設監視制御装置では既設監視制御装置用の状態信号を監視することができず、片手落ちとなっている。
さらに、特許文献1記載のものでは、既設監視制御装置や新設監視制御装置から出力される制御信号は、プラントを構成する個々の制御機器(以下、負荷と呼ぶ)単位で選択出力されるのではなく、複数の制御機器が配備された設備単位で選択出力される構成となっている。したがって、設備内の個々の負荷に対して個別に制御信号を選択して出力することができない。このため、例えば既設監視制御装置あるいは新設監視制御装置から設備に至る途中の通信ネットワークの回線異常等が発生した場合には、設備内の負荷を健全な通信ネットワークを保持している側の監視制御装置から個別に継続制御することができないとう不具合がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、プラントの監視制御システムを既設のものから新設のものに移行する切り替え工事中においても、プラントを構成する個々の負荷から出力される状態信号を既設監視制御装置と新設監視制御装置の双方で個別に監視できるとともに、既設監視制御装置と新設監視制御装置のいずれか一方から個々の負荷を間断なく継続して制御することができるプラント監視制御移行システムを提供することを目的とする。
この発明のプラント監視制御移行システムは、プラントを構成する各種の設備機器である負荷を監視制御する既設監視制御装置に加えて新設監視制御装置が併設され、上記既設監視制御装置に対して既設フィールドネットワークが、上記新設監視制御装置に対して新設フィールドネットワークがそれぞれ個別に配置され、上記既設フィールドネットワークと上記新設フィールドネットワークとが共にIO装置に接続され、かつ、上記IO装置には各々の上記負荷が接続されており、上記IO装置は、各々の上記負荷から出力される状態信号を、上記既設フィールドネットワークを介して上記既設監視制御装置に出力するとともに、上記新設フィールドネットワークを介して上記新設監視制御装置に出力する状態信号出力処理部と、上記既設監視制御装置から出力される負荷制御用の制御信号を採用するか、上記新設監視制御装置から出力される負荷制御用の制御信号を採用するかの制御権を選択するための制御権選択パラメータが上記負荷ごとに予め登録されたパラメータ登録部と、上記パラメータ登録部に登録されている制御権選択パラメータに基づいて上記制御信号を各々の上記負荷に出力する制御信号出力処理部とを備え、上記既設監視制御装置と上記新設監視制御装置によって、上記IO装置に接続された各々の上記負荷を個別に監視制御することを特徴としている。
この発明によれば、プラントの監視制御システムを既設のものから新設のものに移行する切り替え工事中において、既設監視制御装置と新設監視制御装置の双方でプラントを構成する個々の負荷から出力される状態信号を個別に監視できるとともに、既設監視制御装置と新設監視制御装置のいずれか一方から個々の負荷を間断なく継続して制御することができる。このため、既設の監視制御システムから新設の監視制御システムに移行する際のシステム全体の信頼性を高めることが可能となる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるプラント監視制御移行システムの全体を示すブロック図、図2は上記プラント監視制御移行システムにおいて負荷の状態信号を同時監視する場合の機能を示すブロック図、図3は上記プラント監視制御移行システムにおいて個々の負荷を制御する場合の機能を示すブロック図である。
図1はこの発明の実施の形態1におけるプラント監視制御移行システムの全体を示すブロック図、図2は上記プラント監視制御移行システムにおいて負荷の状態信号を同時監視する場合の機能を示すブロック図、図3は上記プラント監視制御移行システムにおいて個々の負荷を制御する場合の機能を示すブロック図である。
この実施の形態1のプラント監視制御移行システムは、プラントを構成するセンサやアクチュエータといった各種の設備機器である負荷1〜nを監視制御する既設監視制御装置13に加えて新設監視制御装置15が併設されている。また、各々の負荷1a〜1nは既設のIO(Input Outputの略;以下、IOと記す)装置4に実装されたIOカード2a〜2nに接続されている。
IO装置4は、CPU(Central Processing Unitの略;以下、CPUと記す)5、既設フィールドネットワーク用通信カード6、および新設フィールドネットワーク用通信カード7を備える。
そして、既設フィールドネットワーク用通信カード6は、既設フィールドネットワーク8を介して既設プログラマブルコントローラ9に接続され、さらに既設プログラマブルコントローラ9は、既設制御バス12を介して既設監視制御装置13に接続されている。
一方、新設フィールドネットワーク用通信カード7は、新設フィールドネットワーク10を介して新設プログラマブルコントローラ11に接続され、さらに新設プログラマブルコントローラ11は、新設制御バス14を介して新設監視制御装置15に接続されている。
上記の既設プログラマブルコントローラ9は、各々の負荷1a〜1nから出力される状態信号を受信する受信データメモリ19(図2参照)を備えるとともに、既設監視制御装置13から出力される各負荷1a〜1nの制御用の制御信号を送信する送信データメモリ23(図3参照)を備えている。
同様に、上記の新設プログラマブルコントローラ11は、各々の負荷1a〜1nから出力される状態信号を受信する受信データメモリ20(図2参照)を備えるとともに、新設監視制御装置15から出力される各負荷1a〜1nの制御用の制御信号を送信する送信データメモリ25(図3参照)を備えている。
また、上記のIO装置4が備える既設フィールドネットワーク用通信カード6は、各々の負荷1a〜1nから出力される負荷状態を示す状態信号や、既設監視制御装置13から出力される負荷制御用の制御信号を一時的に記憶するメモリ(図示せず)を備えるとともに、既設フィールドネットワーク8の回線状態や既設プログラマブルコントローラ9の動作状態を示す状態信号を一時的に登録するレジスタ(図示せず)を備えている。
同様に、上記のIO装置4が備える新設フィールドネットワーク用通信カード7は、各々の負荷1a〜1nから出力される負荷状態を示す状態信号や、新設監視制御装置15から出力される負荷制御用の制御信号を一時的に記憶するメモリ(図示せず)を備えるとともに、新設フィールドネットワーク10の回線状態や新設プログラマブルコントローラ11の動作状態を示す状態信号を一時的に登録するレジスタ(図示せず)を備えている。
IO装置4内のCPU5は、図2に示すように、負荷1a〜1nの状態信号をIOカードを介して受信する負荷データ受信処理部16を有し、さらに、この負荷データ受信処理部16で受信した状態信号を、既設フィールドネットワーク用通信カード6と新設フィールドネットワーク用通信カード7に対してそれぞれリブレッシュするための既設側の入力データリフレッシュメモリ17と新設側の入力データリフレッシュメモリ18を備えている。
そして、上記の負荷データ受信処理部16、既設側の入力データリフレッシュメモリ17、および新設側の入力データリフレッシュメモリ18が、特許請求の範囲における状態信号出力処理部に対応している。
また、IO装置4内のCPU5には、既設プログラマブルコントローラ9の故障や既設フィールドネットワーク8の回線異常といった既設監視制御装置13から既設フィールドネットワーク8に至る既設側の通信システムの異常、および、新設プログラマブルコントローラ11の故障や新設フィールドネットワーク10の回線異常といった新設監視制御装置15から新設フィールドネットワーク10に至る新設側の通信システムの異常をそれぞれ監視するRAS(Reliability Availability Serviceabilityの略;以下、RASと記す)機能部28が設けられている。
また、CPU5には、図3に示すように、既設監視制御装置13から出力された負荷制御用の制御信号が既設フィールドネットワーク用通信カード6に受信された場合に、この制御信号を一旦記憶する既設側の出力データリフレッシュメモリ24と、新設監視制御装置15から出力された負荷制御用の制御信号が新設フィールドネットワーク用通信カード7に受信された場合に、この制御信号を一旦記憶する新設側の出力データリフレッシュメモリ26とを備える。
さらに、CPU5には、図3に示すように、負荷1a〜1nに対する制御信号の出力要求に対して、既設監視制御装置13からの制御信号の出力要求を採用するか、新設監視制御装置15からの制御信号の出力要求を採用するかの制御権を選択するためのパラメータ(以下、制御権選択パラメータと呼ぶ)が負荷1a〜1nごとに予め設定登録されたパラメータ設定ファイル21が設けられている。そして、このパラメータ設定ファイル21が、特許請求の範囲におけるパラメータ登録部に対応している。
ここで、上記のパラメータ設定ファイル21に制御権選択パラメータを設定登録する仕方について、図4を用いて説明する。
パラメータ設定ファイル21は、各々の負荷1a〜1nに対して個別に制御権選択パラメータを設定して登録できる構造になっており、作業者は個々の負荷1a〜1nに対して、制御権を既設監視制御装置13に持たせるのか新設監視制御装置15に持たせるかの設定を、例えばパソコン29をCPU5に接続してオンラインで行う。具体的には、例えば、既設監視制御装置13からの制御信号の出力要求の方を優先させて制御権とする場合には制御権選択パラメータとして「0」を、新設監視制御装置15からの制御信号の出力要求の方を優先させて制御権とする場合には制御権選択パラメータとして「1」をそれぞれ設定する。
なお、この制御権選択パラメータの設定は、パソコン29を用いてオンラインでの設定登録を可能としている。これにより、パラメータ変更時のIO装置4のシステム再起動が不要となり、プラント運用に支障をきたさない利点がある。
また、IO装置4内のCPU5は、負荷1a〜1nに対して個別に制御信号を出力する制御出力処理部22が設けられている。この制御出力処理部22は、同一の負荷に対して、既設監視制御装置13から出力されて既設側の出力データリフレッシュメモリ24に一旦記憶された制御信号と、新設監視制御装置15から出力されて新設側の出力データリフレッシュメモリ26に一旦記憶された制御信号とに対し、どちらの制御信号の出力要求を採用するかを、上述のパラメータ設定ファイル21に登録されている制御権選択パラメータに応じて、負荷単位で制御出力を切替える。さらに、制御出力処理部22は、RAS機能部28の支援機能を使用して、RAS機能部28が上記制御権を有する側の通信システムの異常を検出した場合には、これに応じて上記パラメータ設定ファイル21に予め登録されている上記制御権選択パラメータを、健全な通信システム側を採用する制御権選択パラメータに強制的に書き換えるとともに、書き換えられた制御権選択パラメータに基づいて制御信号を該当する負荷に出力する機能を備えている。
そして、上記の既設側と新設側の各出力データリフレッシュメモリ24、26、および制御出力処理部22が、特許請求の範囲における制御信号出力処理部に対応している。
次に、各々の負荷1a〜1nから出力される状態信号を、既設監視制御装置13と新設監視制御装置15とで同時監視する動作について、図2を参照して説明する。
IO装置4内のCPU5の負荷データ受信処理部16において、各々の負荷1a〜1nから出力される状態信号を読み込み、その状態信号を既設側の入力データリフレッシュメモリ17と新設側の入力データリフレッシュメモリ18にそれぞれ展開する。
既設側の入力データリフレッシュメモリ17に展開された負荷1a〜1nの状態信号は、既設フィールドネットワーク用通信カード6にリフレッシュされ、さらに既設フィールドネットワーク8を介して既設プログラマブルコントローラ9が備える受信データメモリ19にリフレッシュされる。そして、既設プログラマブルコントローラ9は、受信データメモリ19にリフレッシュされた各負荷1a〜1nの状態信号を既設制御バス12を経由して既設監視制御装置13に送信する。
同様に、新設側の入力データリフレッシュメモリ18に展開された負荷1a〜1nの状態信号は、新設フィールドネットワーク用通信カード7にリフレッシュされて、さらに新設フィールドネットワーク10を介して新設プログラマブルコントローラ11が備える受信データメモリ20にリフレッシュされる。そして、新設プログラマブルコントローラ11は、受信データメモリ20にリフレッシュされた各負荷1a〜1nの状態信号を新設制御バス14を経由して新設監視制御装置15に送信する。
これにより、各負荷1a〜1nからの状態信号を、既設監視制御装置13と新設監視制御装置15とで同時監視することが可能となる。
これにより、各負荷1a〜1nからの状態信号を、既設監視制御装置13と新設監視制御装置15とで同時監視することが可能となる。
次に、既設監視制御装置13と新設監視制御装置15からそれぞれ負荷1a〜1nに対して制御信号が出力された場合に、各負荷1a〜1nを個別に制御する場合の処理について、図3を参照して説明する。
既設監視制御装置13から出力された制御信号は、既設制御バス12から既設プログラマブルコントローラ9内に設けられた送信データメモリ23に一旦格納される。そして、この送信データメモリ23に格納された制御信号は、既設フィールドネットワーク8を経由してIO装置4の既設フィールドネットワーク用通信カード6に受信される。さらに、既設フィールドネットワーク用通信カード6からCPU5が備える既設側の出力データリフレッシュメモリ24にリフレッシュされる。
同様に、新設監視制御装置15から出力された制御信号は、新設制御バス14から新設プログラマブルコントローラ11内に設けられた送信データメモリ25に一旦格納される。そして、この送信データメモリ25に格納された制御信号は、新設フィールドネットワーク10を経由してIO装置4の新設フィールドネットワーク用通信カード7に受信される。さらに、新設フィールドネットワーク用通信カード7からCPU5が備える新設側の出力データリフレッシュメモリ26にリフレッシュされる。
CPU5内の制御出力処理部22は、既設側の出力データリフレッシュメモリ24と新設側の出力データリフレッシュメモリ26に登録されている制御信号について、どちらの制御信号を採用するかをパラメータ設定ファイル21に登録されている制御権選択パラメータの内容を参照して負荷単位でチェックする。
すなわち、この実施の形態1では、制御権選択パラメータが既設監視制御装置13を選択することを示す「0」である場合には、既設側の出力データリフレッシュメモリ24から該当する負荷の制御信号を読み込み、該当する負荷に対して出力する。
一方、制御権選択パラメータが新設監視制御装置15を選択することを示す「1」である場合には、新設側の出力データリフレッシュメモリ26から該当する負荷の制御信号を読み込み、該当する負荷に対して出力する。
これにより、既設監視制御装置13と新設監視制御装置15からそれぞれ負荷1a〜1nに対して制御信号が出力された場合に、各負荷1a〜1nに対して制御権を切替えて制御信号を送信することで、各負荷1a〜1nを個別に制御することが可能となる。
次に、既設監視制御装置13から既設フィールドネットワーク8に至る既設側の通信システムと、新設監視制御装置15から新設フィールドネットワーク10に至る新設側の通信システムのいずれか一方に異常が発生した場合に、その異常が発生した側の通信システムを選択するように制御権選択のパラメータ(「0」、「1」)が予め設定されているときには、強制的に制御権を健全な通信システム側に切替える手順について、図5および図6に示すフローチャートを参照して説明する。
図5に示すように、ステップS1では、RAS機能部28が、既設フィールドネットワーク用通信カード6のレジスタに登録された情報に基づいて既設プログラマブルコントローラ9の状態や既設フィールドネットワーク8の回線状態の情報を取得する。次に、ステップS2では、RAS機能部28が、新設フィールドネットワーク用通信カード7のレジスタに登録された情報に基づいて新設プログラマブルコントローラ11の状態や新設フィールドネットワーク10の回線状態の情報を取得する。
次いで、ステップS3では、RAS機能部28は、先のステップS1で取得した情報に基づいて、既設プログラマブルコントローラ9の異常や既設フィールドネットワーク8の回線異常などの既設側の通信システムにおける異常発生の有無を判断する。
ここで、RAS機能部28は、既設側の通信システムの異常を検出した場合には、ステップS4にて既設の通信システムが異常であることを示すフラグ(以下、既設システム異常フラグと呼ぶ)をON(異常)する。また、条件不成立の場合は、既設の通信システムは正常であるとみなし、ステップS5にて既設システム異常フラグをOFF(正常)にする。
次に、ステップS6では、RAS機能部28は、先のステップS2で取得した情報に基づいて、新設プログラマブルコントローラ11の異常や新設フィールドネットワーク10の回線異常などの新設側の通信システムにおける異常発生の有無を判断する。
ここで、RAS機能部28は、新設側の通信システムの異常を検出した場合には、ステップS7にて新設の通信システムが異常であることを示すフラグ(以下、新設システム異常フラグと呼ぶ)をON(異常)する。また、条件不成立の場合は、新設の通信システムは正常であるとみなし、ステップS8にて新設システム異常フラグをOFF(正常)にする。
次に、図6に示すように、制御出力処理部22は、各々の負荷1a〜1nについて個別に制御権の強制切替が必要か否かをチェックするため以下の処理を行う。すなわち、まず、ステップS9で負荷1a〜1nを指定するカウント値iを最初に「1」に設定する。次に、ステップ10で、パラメータ設定ファイル21を参照して、カウント値i=1に該当する負荷(最初は負荷1a)に対する制御権選択パラメータが既設監視制御装置13の制御信号の出力要求を採用するように設定されているか、あるいは新設監視制御装置15の制御信号の出力要求を採用するように設定されているか、いずれであるかをチェックする。
ここで、既設監視制御装置13の制御信号の出力要求を採用するように制御権選択パラメータが「0」に設定されている場合には、さらにステップS11で既設システム異常フラグの内容をチェックする。このとき、既設システム異常フラグがOFF(正常)の場合は、該当負荷1aの制御権の切り替えを実施せずに制御権選択パラメータを「0」のまま保持する。これにより、既設監視制御装置13から出力された制御信号を該当負荷1aに出力することができる。
これに対して、ステップ11で既設システム異常フラグがON(異常)の場合は、さらにステップ12で新設システム異常フラグの内容をチェックする。新設システム異常フラグがOFF(正常)の場合は、ステップS13において、パラメータ設定ファイル21の該当負荷1aの設定を、新設監視制御装置15の制御信号の出力要求を採用するように制御権選択パラメータを「1」に強制変更する。これにより、新設監視制御装置15から出力された制御信号を該当負荷1aに出力することができ、該当負荷1aへの継続的な制御が可能となる。
一方、ステップ10において、新設監視制御装置15の制御信号の出力要求を採用するように制御権選択パラメータが「1」に設定されている場合には、さらにステップS14で新設システム異常フラグの内容をチェックする。このとき、新設システム異常フラグがOFF(正常)の場合は、該当負荷1aの制御権の切り替を実施せずに制御権選択パラメータを「1」のまま保持する。これにより、新設監視制御装置15から出力された制御信号を該当負荷1aに出力することができる。
これに対して、ステップS14で新設システム異常フラグがON(異常)の場合は、さらにステップ15で既設システム異常フラグの内容をチェックする。既設システム異常フラグがOFF(正常)の場合は、ステップS16において、パラメータ設定ファイル21の該当負荷1aの設定を、既設監視制御装置13の制御信号の出力要求を採用するように制御権選択パラメータを「0」に強制変更する。これにより、既設監視制御装置13から出力された制御信号を該当負荷1aに出力することができ、該当負荷1aへの継続的な制御が可能となる。
上記の処理が終了すると、ステップS17で負荷1a〜1nを指定するカウント値iを一つ繰り上げ、カウント値i=2に該当する負荷(ここでは負荷1b)についてステップS10〜ステップS16までの処理を実行する。そして、ステップ18で、全ての負荷1a〜1nについて制御権の強制切替処理が終了したか否かをチェックし、処理が終了しておれば、制御権切替処理を終了する。
なお、ステップS11とステップS12の判断で既設システム異常フラグと新設システム異常フラグが共にON(異常)となった場合や、ステップ14とステップ15の判断で既設システム異常フラグと新設システム異常フラグが共にON(異常)となった場合には、システム全体が故障していると見なし、制御権強制切替処理を実行せずに終了する。
以上のように、この実施の形態1では、プラントの監視制御システムを既設のものから新設のものに移行する切り替え工事中において、既設監視制御装置13と新設監視制御装置15の双方でプラントを構成する個々の負荷1a〜1nについて個別にその状態信号を監視できるとともに、既設監視制御装置13と新設監視制御装置15のいずれか一方から個々の負荷1a〜1nを間断なく継続して制御することができる。このため、既設の監視制御システムから新設の監視制御システムに移行する際のシステム全体の信頼性を高めることが可能となる。
なお、この発明は、上記の実施の形態1の構成のみに限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態1の構成の一部に変形を加えたり、構成の一部を省略することが可能である。
1a〜1n 負荷、4 IO装置、5 CPU、
6 既設フィールドネットワーク用通信カード、
7 新設フィールドネットワーク用通信カード、8 既設フィールドネットワーク、
9 既設プログラマブルコントローラ、10 新設フィールドネットワーク、
11 新設プログラマブルコントローラ、12 既設制御バス、
13 既設監視制御装置、14 新設制御バス、15 新設監視制御装置、
16 負荷データ受信処理部、17,18 入力データリフレッシュメモリ、
21 パラメータ設定ファイル、22 制御出力処理部、
24,26 出力データリフレッシュメモリ、28 RAS機能部。
6 既設フィールドネットワーク用通信カード、
7 新設フィールドネットワーク用通信カード、8 既設フィールドネットワーク、
9 既設プログラマブルコントローラ、10 新設フィールドネットワーク、
11 新設プログラマブルコントローラ、12 既設制御バス、
13 既設監視制御装置、14 新設制御バス、15 新設監視制御装置、
16 負荷データ受信処理部、17,18 入力データリフレッシュメモリ、
21 パラメータ設定ファイル、22 制御出力処理部、
24,26 出力データリフレッシュメモリ、28 RAS機能部。
Claims (3)
- プラントを構成する各種の設備機器である負荷を監視制御する既設監視制御装置に加えて新設監視制御装置が併設され、上記既設監視制御装置に対して既設フィールドネットワークが、上記新設監視制御装置に対して新設フィールドネットワークがそれぞれ個別に配置され、上記既設フィールドネットワークと上記新設フィールドネットワークとが共にIO装置に接続され、かつ、上記IO装置には各々の上記負荷が接続されており、
上記IO装置は、各々の上記負荷から出力される状態信号を、上記既設フィールドネットワークを介して上記既設監視制御装置に出力するとともに、上記新設フィールドネットワークを介して上記新設監視制御装置に出力する状態信号出力処理部と、上記既設監視制御装置から出力される負荷制御用の制御信号を採用するか、上記新設監視制御装置から出力される負荷制御用の制御信号を採用するかの制御権を選択するための制御権選択パラメータが上記負荷ごとに予め登録されたパラメータ登録部と、
上記パラメータ登録部に登録されている制御権選択パラメータに基づいて上記制御信号を各々の上記負荷に出力する制御信号出力処理部とを備え、
上記既設監視制御装置と上記新設監視制御装置によって、上記IO装置に接続された各々の上記負荷を個別に監視制御することを特徴とするプラント監視制御移行システム。 - 上記パラメータ登録部に予め登録される制御権選択パラメータは、オンラインで設定登録可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラント監視制御移行システム。
- 上記IO装置は、上記既設監視制御装置から上記既設フィールドネットワークに至る既設側の通信システムの異常、および上記新設監視制御装置から上記新設フィールドネットワークに至る新設側の通信システムの異常をそれぞれ検出するRAS機能部を備え、上記制御信号出力処理部は、上記RAS機能部が上記制御権を有する通信システムの異常を検出した場合には、これに応じて上記パラメータ登録部に予め登録されている上記制御権選択パラメータを、健全な通信システムを採用する制御権選択パラメータに強制的に書き換えるとともに、書き換えられた制御権選択パラメータに基づいて制御信号を出力する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラント監視制御移行システム。
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