JP2017167423A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像を形成したときに生じる色点の発生を抑制する電子写真感光体を提供する。【解決手段】導電性基体と、前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び特定の式で表される電子輸送材料を含み、感光層の外周面の側を測定したときの表面自由エネルギーが24mN/m以上30mN/m以下である感光層と、を有する電子写真感光体。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
従来の電子写真方式の画像形成装置においては、帯電、静電潜像形成、現像、転写のプロセスを通じて電子写真感光体の表面上に形成したトナー像を記録媒体に転写させる。
例えば、特許文献1には、「転写工程後に感光体表面に残留したトナーがファーブラシにより除去される電子写真感光体であって、前記電子写真感光体は支持基体上に感光層が形成されており、前記感光層は表面付近に電荷発生剤を含有し、前記電荷発生剤を含有する層の露光波長に対する膜厚1μm当たりの吸光度が0.3以上であることを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献2には、「導電性基体上に設けられた下引き層上に、少なくとも電荷発生物質を含む電荷発生層および電荷輸送物質を含む電荷輸送層がこの順で積層された積層型感光層、あるいは電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層型感光層が積層された電子写真感光体であって、前記下引き層が金属酸化物微粒子および結着樹脂を含み、該感光体の最表面層が、少なくとも電荷輸送物質、結着樹脂、および、特定の4フッ化エチレン樹脂微粒子を含み、前記最表面層における結着樹脂が、特定の4フッ化エチレン樹脂微粒子を除いた電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成した電荷輸送層において、25〜35mJ/mm2の範囲の表面自由エネルギー値を示すことを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特開2003−228183号公報 特開2015−114350号公報
本発明の課題は、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、一般式(1)で表される電子輸送材料と、を含む単層型の感光層を有する感光体において、感光層の外周面の側を測定したときの表面自由エネルギーが24mN/m未満又は30mN/m超えの感光層を有する場合に比べ、画像を形成したときに生じる色点の発生を抑制する電子写真感光体を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、下記一般式(1)で表される電子輸送材料と、を含み、感光層の外周面の側を測定したときの表面自由エネルギーが24mN/m以上30mN/m以下である感光層と、
を有する電子写真感光体。

(一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)
請求項2に係る発明は、
前記感光層の表面粗さSaが4.5nm以上6.0nm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
請求項3に係る発明は、
前記感光層の内周面の側を測定したときの表面自由エネルギーと、前記感光層の外周面の側を測定したときの表面自由エネルギーとの差が、0.3mN/m以上5.4mN/m以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
請求項4に係る発明は、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
請求項5に係る発明は、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
請求項1に係る発明によれば、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、一般式(1)で表される電子輸送材料と、を含む単層型の感光層を有する感光体において、感光層の外周面の側を測定したときの表面自由エネルギーが24mN/m未満又は30mN/m超えの感光層を有する場合に比べ、画像を形成したときに生じる色点の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項2に係る発明によれば、前記感光層の表面粗さSaが4.5nm未満又は6.0nm超えの場合に比べ、画像を形成したときに生じる色点の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記感光層の内周面の側を測定したときの表面自由エネルギーと、前記感光層の外周面の側を測定したときの表面自由エネルギーとの差が、0.3mN/m未満又は5.4mN/m超えの場合に比べ、画像を形成したときに生じる色点の発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項4又は5に係る発明によれば、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、一般式(1)で表される電子輸送材料と、を含む単層型の感光層を有する感光体において、感光層の外周面の側を測定したときの表面自由エネルギーが24mN/m未満又は30mN/m超えの感光層を有する電子写真感光体を適用した場合に比べ、画像を形成したときに生じる色点の発生を抑制するプロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体を示す概略部分断面図である。 本実施形態における浸漬塗布装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 他の実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
<電子写真感光体>
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び一般式(1)で表される電子輸送材料を含む感光層と、を有する。
そして、前記感光層は、感光層の外周面の側を測定したときの表面自由エネルギー(以下、「感光層の外周面側の表面自由エネルギー」とも称する)が24mN/m以上30mN/m以下である。
従来、電子写真感光体(以下、「感光体」とも称する)としては、製造コスト及び画質安定性の観点から、単層型の感光層を有する感光体(単層型感光体)が望ましい。単層型感光体は、電荷発生能と、電荷輸送能とを併せ持つ機能一体型の感光層を有するため、積層型感光体ほどの感度が得られにくい。しかし、近年の高画質化の要求に伴い、単層型感光体には更なる高感度化が求められている。
単層型感光体の感度を向上させるため、高い電荷輸送能を持つ、例えば一般式(1)で表される電子輸送材料を用いた感光体が知られている。しかし、上記電子輸送材料を用いた単層型感光体では、高い感度が得られるものの、感光体の帯電時に局所的な電荷の漏れ(以下、「電荷リーク」とも称する)が生じることがあり、この電荷リークに起因して、画像に色点が発生することがある。
電荷リークの発生は、例えば、吸湿性の高い填料(例えば、用紙の填料(炭酸カルシウム、カオリン、シリカ)が感光体表面に付着し、その箇所から電荷が注入されることで引き起こされると考えられている。
この感光体表面への填料の付着性は、感光体の表面自由エネルギーが低いほど抑制される傾向にあるため、填料の付着を抑制する観点から、上記表面自由エネルギーは低いほど望ましい。しかし、感光体の表面自由エネルギーを低くすると、感光体本来の機能である、感光体へのトナーの付着性、及び転写部材へのトナーの転写性(以下、「トナーの付着性及び転写性」とも称する)が低下しやすくなる。
これに対し、本実施形態に係る感光体では、感光層に、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、一般式(1)で表される電子輸送材料(以下、「特定の電子輸送材料」とも称する)と、を含ませた上で、感光層の外周面側の表面自由エネルギーを24mN/m以上30mN/m以下の範囲まで低減する。これにより、感光体表面(本実施形態では感光層)に填料が付着しにくくなる。また、感光体本来の機能も確保される。
従って、本実施形態に係る感光体によれば、感光層への填料の付着が抑制されるため、上記填料の付着に起因して生じる局所的な電荷リークの発生が抑制される。この結果、画像を形成したときに生じる色点の発生が抑制されることとなる。
また、感光層への填料の付着は、高湿環境下(例えば80%RH)で顕著に生じやすい。しかし、本実施形態に係る感光体によれば、高湿環境下においても、感光層に填料が付着しにくくなるため、上記填料の付着に起因して生じる局所的な電荷リークの発生が抑制され、画像を形成したときに生じる色点の発生が抑制される。
なお、感光層に一般式(1)で表される電子輸送材料(特定の電子輸送材料)を含ませた単層型感光体では、通常、感光層の外周面側の表面自由エネルギーを24mN/m以上30mN/m以下まで低減すると、感光体本来の機能であるトナーの付着性、及び転写性が確保されにくくなるが、本実施形態の感光体によれば、その感光体本来の機能も確保される。
この理由は、定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
本実施形態では、感光層の外周面側の表面自由エネルギーの低減化を実現するため、感光層の表面側(外周面側)において、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び特定の電子輸送材料を適度に偏在させ、又は凝集させるように感光層を作製している。つまり、この感光層の表面側に偏在又は凝集して存在する材料(電荷発生材料、正孔輸送材料、及び特定の電子輸送材料)が上記表面自由エネルギーの低減化に寄与すると共に、感光体本来の機能の確保にも寄与していると考えられる。
−感光層の表面自由エネルギー−
本実施形態に係る感光体において、感光層の外周面側の表面自由エネルギーは、上述の通り、24mN/m以上30mN/m以下であるが、画像を形成したときに生じる色点の発生を抑制する観点から、好ましくは24mN/m以上28mN/m以下、より好ましくは24mN/m以上25mN/m以下である。
また、本実施形態に係る感光体において、感光層の内周面の側を測定したときの表面自由エネルギーと、感光層の外周面の側を測定したときの表面自由エネルギーとの差(以下、「感光層の内周面側及び外周面側の表面自由エネルギー差」とも称する)は、画像を形成したときに生じる色点の発生をより抑制する観点から、好ましくは0.3mN/m以上5.4mN/m以下、より好ましくは1.0mN/m以上5.4mN/m以下、更に好ましくは4.0mN/m以上5.4mN/m以下である。
なお、本実施形態において、上記「感光層の内周面側及び外周面側の表面自由エネルギー差」とは、「感光層の外周面の側を測定したときの表面自由エネルギー」から、「感光層の内周面の側を測定したときの表面自由エネルギー」を引いた値を意味する。
感光層の内周面側及び外周面側の表面自由エネルギー差を上記範囲とすることにより、感光層の表面側(外周面側)では、理由は定かではないが、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び特定の電子輸送材料が適度に偏在又は凝集した状態で存在すると考えられる。
これにより、感光層に填料がより付着しにくくなり、上記填料の付着に起因して生じる局所的な電荷リークの発生がより抑制されやすくなる。この結果、画像を形成したときに生じる色点の発生がより抑制されやすくなる。
また、感光層の表面側における上記材料(電荷発生材料、正孔輸送材料、及び特定の電子輸送材料)の適度な偏在又は凝集状態により、感光体本来の機能も確保されやすくなると考えられる。
なお、感光層の内周面側及び外周面側の表面自由エネルギー差を上記範囲に制御する方法については後述する。
感光層の外周面の側の表面自由エネルギー、及び感光層の内周面の側の表面自由エネルギーは以下の方法により測定される。
まず、測定対象となる感光体から感光層を剥がし取り、小片を切り出して測定用試料を準備する。次に、温度25℃、湿度50%RH環境下にて、各成分の表面自由エネルギーが既知である試薬(純水、ヨウ化メチレン、α−ブロモナフタレン)を使用し、ポータブル接触角計PCA−1型(協和界面(株)製)を使用して、上記各試薬の「感光層の外周面の側での接触角」、及び「感光層の内周面の側での接触角」をそれぞれ測定し、同社製表面自由エネルギー解析ソフトFAMASにて、感光層の外周面の側の表面自由エネルギー、及び感光層の内周面の側の表面自由エネルギーをそれぞれ算出する。
−感光層の表面粗さSa−
本実施形態に係る感光体において、感光層の表面粗さSaは、画像を形成したときに生じる色点の発生を抑制する観点から、好ましくは4.5nm以上6.0nm以下、より好ましくは5.0nm以上6.0nm以下、更に好ましくは5.5nm以上6.0nm以下である。
ここで、本実施形態における感光層の表面粗さSaとは、三次元表面性状国際規格であるISO25178にて規格化された表面粗さの指標である。
表面粗さSaを上記範囲とすることにより、感光層の表面側において、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び特定の電子輸送材料が適度に偏在又は凝集して存在しやすくなるため、感光層の外周面側の表面自由エネルギーが上記範囲を満たしやすくなる。
これにより、感光層に填料がより付着しにくくなり、上記填料の付着に起因して生じる局所的な電荷リークの発生がより抑制されやすくなる。この結果、画像を形成したときに生じる色点の発生がより抑制されやすくなる。
また、表面粗さSaを上記範囲とすることにより、感光層の表面側における上記材料(電荷発生材料、正孔輸送材料、及び特定の電子輸送材料)の適度な偏在又は凝集状態により、感光体本来の機能も確保されやすくなると考えられる。
なお、感光層の表面粗さSaを上記範囲に制御する方法については後述する。
感光層の表面粗さSaは以下の方法により測定される。
まず、測定対象となる感光体から感光層を剥がし取り、小片を切り出して測定用試料を準備する。次に、走査型プローブ顕微鏡(SPM)としての走査型プローブ顕微鏡AFM−5200S((株)日立ハイテクサイエンス製)を用いて、片持ちバネ(カンチレバー)のたわみ量が一定になるように深針及び試料間距離(Z)を制御しながら、水平(50μm(X)、50μm(Y))に走査することで感光層の外周面側の表面粗さSaを測定する。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る電子写真感光体を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体10の一部の断面を概略的に示している。
図1に示した電子写真感光体10は、例えば、導電性基体3を備え、導電性基体3上に、下引層1及び単層型の感光層2がこの順で設けられている。
なお、下引層1は、必要に応じて設けられる層である。即ち、単層型の感光層2は、導電性基体3上に直接設けられていてもよく、下引層1を介して設けられてもよい。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体の各層について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(単層型の感光層)
本実施形態における単層型の感光層は、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、一般式(1)で表される電子輸送材料(特定の電子輸送材料)と、必要に応じてその他添加剤と、を含む。以下、単層型の感光層に含まれる各成分について詳細に説明する。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
これらの結着樹脂の中でも、特に、色点の発生を抑制の観点から、ポリカーボネート樹脂が好ましく、色点の発生を抑制と共に感光層の成膜性の観点から、例えば、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂がより好ましい。
感光層の全固形分に対する結着樹脂の含有量は、35質量%以上60質量%以下、望ましくは20質量%以上35質量%以下である。
ここで、結着樹脂の粘度平均分子量の測定は、以下の一点測定法が用いられる。
まず、測定対象となる感光体から感光層を剥がし取り、小片を切り出して測定用試料を準備する。次に、測定試料から結着樹脂を抽出する。抽出した結着樹脂1g分をメチレンクロライド100cmに溶解し、25℃の測定環境下でウベローデ粘度計にて、その比粘度ηspを測定する。そして、ηsp/c=〔η〕+0.45〔η〕cの関係式(ただしcは濃度(g/cm)より極限粘度〔η〕(cm/g)を求め、H.Schnellによって与えられている式、〔η〕=1.23×10−4Mv0.83の関係式より粘度平均分子量Mvを求める。
−電荷発生材料−
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
すなわち電荷発生材料としては、例えば380nm以上500nmの露光波長の光源を用いる場合には無機顔料が好ましく、700nm以下800nmの露光波長の光源を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。
ここで、電荷発生材料としては、単層型感光体の高感度化の点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種が好ましく、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、特に制限はないが、V型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から望ましい。電子写真感光体の材料として用いた場合に、優れた分散性と、十分な感度、帯電性及び暗減衰特性とが得られ易くなる。
また、上記の810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが望ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが望ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより望ましく、一方、BET比表面積が45m/g以上であることが望ましく、50m/g以上であることがより望ましく、55m/g以上120m/g以下であることが特に望ましい。平均粒径は、体積平均粒径(d50平均粒径)でレーザ回折散乱式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所社製)にて測定した値である。また、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
ここで、平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積値が45m/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成される傾向があり、分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい傾向にあり、それにより画質欠陥を生じ易くなることがある。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の最大粒径(一次粒子径の最大値)は、1.2μm以下であることが望ましく、1.0μm以下であることがより望ましく、より望ましくは0.3μm以下である。かかる最大粒径が上記範囲を超えると、黒点が発生しやすい傾向にある。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、感光体が蛍光灯などに暴露されたことに起因する濃度ムラを抑制する観点から、平均粒径が0.2μm以下、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、比表面積値が45m/g以上であることが望ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜に回折ピークを有するV型であることが望ましい。
一方、クロロガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、電子写真感光体材料として優れた感度が得られる、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に回折ピークを有するものであることが望ましい。
なお、クロロガリウムフタロシアニン顔料の好適な分光吸収スペクトルの最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及び比表面積値は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
感光層の全固形分に対する電荷発生材料の含有量は、1質量%以上5質量%以下がよく、好ましくは1.2質量%以上4.5質量%以下である。
−正孔輸送材料−
正孔輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物;N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体;4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体;2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体;6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体;p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの正孔輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、電荷移動度の観点から、芳香族第3級アミノ化合物がよく、中でも、下記一般式(HT1)で示されるトリアリールアミン系正孔輸送材料、及び下記一般式(HT2)で示されるブタジエン系正孔輸送材料が好ましい。また、トリアリールアミン系正孔輸送材料としては、下記一般式(HT1a)で示されるベンジジン系正孔輸送材料を用いてもよい。
トリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)について説明する。
トリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)は、下記一般式(HT1)で示される正孔輸送材料である。
一般式(HT1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に、アリール基、又は−C−C(RT4)=C(RT5)(RT6)を示す。RT4、RT5、及びRT6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。RT5及びRT6は、結合して炭化水素環構造を形成してもよい。
一般式(HT1)において、ArT1、ArT2、及びArT3が表すアリール基としては、炭素数6以上15以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フルオレン基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
一般式(HT1)において、RT4、RT5、及びRT6が表すアルキル基としては、後述する一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルキル基の例と同様であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(HT1)において、RT4、RT5、及びRT6が表すアリール基としては、ArT1、ArT2、及びArT3が表すアリール基の例と同様であり、好ましい範囲も同様である。
なお、一般式(HT1)において、ArT1、ArT2、及びArT3、並びに、RT4、RT5、及びRT6が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、例えばハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数6以上10以下アリール基などが挙げられる。また、上記各置換基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
トリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、電荷移動度の観点から、一般式(HT1)で示されるトリアリールアミン系正孔輸送材料のうち、特に、「−C−C(RT4)=C(RT5)(RT6)」を有するトリアリールアミン系正孔輸送材料が好ましい。中でも、後述するトリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)の具体例(HT1−4)で示されるトリアリールアミン系正孔輸送材料が好ましい。
ベンジジン系正孔輸送材料(HT1a)について説明する。
ベンジジン系正孔輸送材料(HT1a)は、下記一般式(HT1a)で示される正孔輸送材料である。
一般式(HT1a)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。
一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアリール基としては、炭素数6以上10以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
ベンジジン系正孔輸送材料(HT1a)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
以下に、トリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)、及びベンジジン系正孔輸送材料(HT1a)の具体例(HT1−1)〜(HT1−7)を示すが、これに限定されるわけではない。

ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)について説明する。
ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)は、下記一般式(HT2)で示される正孔輸送材料である。
一般式(HT2)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。
n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。
一般式(HT2)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(HT2)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルキル基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(HT2)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(HT2)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアリール基としては、炭素数6以上30以下(好ましくは6以上20以下、より好ましくは6以上16以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
なお、一般式(HT2)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(HT2)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16の隣接する二つの置換基同士(例えばRC11及びRC12同士、RC13及びRC14同士、RC15及びRC16同士)が連結した炭化水素環構造における、当該置換基同士を連結する基としては、単結合、2,2’−メチレン基、2,2’−エチレン基、2,2’−ビニレン基などが挙げられ、これらの中でも単結合、2,2’−メチレン基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
一般式(HT2)において、n及びmは、1であることが好ましい。
一般式(HT2)において、正孔輸送能の高い感光層(正孔輸送層)形成の点から、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は炭素数1以上20以下のアルコキシ基を表し、m及びnが1又は2を表することが好ましく、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子を表し、m及びnが1を表すことがより好ましい。
つまり、ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)は、下記構造式(HT2a)で示される正孔輸送材料(例示化合物(HT2−3))であることがより好ましい。
以下に、ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)の具体例(HT2−1)〜(HT2−24)を示すが、これに限定されるわけではない。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・CH:メチル基
・OCH:メトキシ基
ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
正孔輸送材料の含有量は、例えば、結着樹脂に対して10質量%以上98質量%以下がよく、望ましくは60質量%以上95質量%以下、より望ましくは70質量%以上90質量%以下である。
−電子輸送材料−
本実施形態では、電子輸送材料として、一般式(1)の電子輸送材料(特定の電子輸送材料)が適用される。
一般式(1)中、R11、R12.R13.R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。
一般式(1)中、R11〜R17が示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(1)中、R11〜R17が示すアルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上4以下(望ましくは1以上3以下)のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R11〜R17が示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上4以下(望ましくは1以上3以下)のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(1)中、R11〜R17が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基等が挙げられる。これらの中でも、R11〜R17が示すアリール基としては、フェニル基が望ましい。
一般式(1)中、R11〜R17が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R18が示すアルキル基としては、例えば、炭素数1以上15以下(好ましくは炭素数3以上12以下)の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上15以下(好ましくは炭素数3以上12以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上15以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
炭素数3以上15以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R18が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R18が示すアラルキル基としては、−R19−Arで示される基が挙げられる。但し、R19は、アルキレン基を示す、Arは、アリール基を示す。
19が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上8以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、等が挙げられる。
一般式(1)中、R18が示すアラルキル基として具体的には、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、メチルフェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
一般式(1)の電子輸送材料としては、単層型感光体の高感度化の点から、R18が炭素数3以上12以下のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す電子輸送材料が好ましい。特に、式(1)の電子輸送材料としては、R11〜R17が各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示し、かつ、R18が炭素数3以上12以下のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す電子輸送材料が好ましい。
以下、一般式(1)の電子輸送材料の例示化合物を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(1−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(1−15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。
・Ph:フェニル基又はフェニレン基
・p−C:パラ位に置換したエチル基
一般式(1)の電子輸送材料(特定の電子輸送材料)の含有量は、感光体の高感度化の観点、及び感光体の機能を確保する観点から、例えば、結着樹脂に対して4質量%以上70質量%以下がよく、好ましく8質量%以上50質量%以下、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
一般式(1)の電子輸送材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、本実施形態の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて一般式(1)の電子輸送材料以外の他の電子輸送材料を併用してもよい。
なお、一般式(1)の電子輸送材料以外の他の電子輸送材料を含有させる場合の含有量としては、電子輸送材料全体に対し、例えば10質量%以下の範囲が好ましい。
他の電子輸送材料としては、例えば、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。これら他の電子輸送材料は1種を単独で又は2種以上を混合して用いてもよいが、これらに限定されるものではない。
−正孔輸送材料と一般式(1)の電子輸送材料との比率−
正孔輸送材料と一般式(1)の電子輸送材料との比率は、質量比(正孔輸送材料/一般式(1)の電子輸送材料)で、50/50以上90/10以下が好ましく、より好ましくは55/45以上80/20以下である。
−その他添加剤−
単層型の感光層には、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
<感光体の製造方法(単層型感光体の製造方法)>
本実施形態では、感光体の製造方法の一例として、導電性基体上に、下引層と、感光層(単層型の感光層)と、をこの順に有する感光体の製造方法について説明する。
本実施形態の感光体は、具体的には、下引層形成工程と、感光層形成工程と、を実施することにより製造される。
なお、下引層形成工程を実施せずに感光体を製造してもよい。即ち、導電性基体上に直接感光層を形成して感光体を製造してもよい。
〔下引層形成工程〕
下引層形成工程では、下引層成分(前述の構成材料)と、溶剤と、を含む溶液を混合して得た下引層形成用塗布液を用いて下引層を形成する。具体的には、下引層形成用塗布液を導電性基体(以下、単に「基体」とも称する)上に塗布して、当該塗布液(塗膜)を乾燥させることにより下引層を形成する。
下引層形成用塗布液を基体上に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の公知の方法が用いられる。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
下引層形成用塗布液中に粒子(例えば無機粒子)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
〔感光層形成工程〕
感光層形成工程では、感光層成分(電荷発生材料、正孔輸送材料、特定の電子輸送材料、結着樹脂等)と、溶剤と、必要に応じてその他添加剤と、を含む溶液を混合して得た感光層形成用塗布液を用いて感光層を形成する。
本実施形態では、感光層形成用塗布液を下引層上に塗布し、当該塗布液(塗膜)を乾燥させることにより感光層を形成する。
溶剤としては、下引層形成用塗布液に用いる溶剤と同様のものが挙げられる。
感光層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法、及び感光層形成用塗布液を下引層上に塗布する方法としては、下引層形成用塗布液に粒子を分散させる方法、及び下引層形成用塗布液を基体上に塗布する方法と同様の方法が挙げられる。
本実施形態では、単層型の感光層形成工程の一例として、図2に示す浸漬塗布装置を用いた浸漬塗布法により下引層上に感光層を形成する方法について説明する。
先ず、浸漬塗布装置200について説明し、その後に、浸漬塗布装置200を用いて実施される単層型の感光層形成工程について説明する。
図2に示す浸漬塗布装置200は、感光層形成用塗布液L(以下、塗布液Lとも称する)を収容する塗布槽24と、塗布液Lを貯留する貯留槽30と、塗布槽24の上部外周面に設けられ、溢れ流れる塗布液Lを保持する液受け部(塗布液受け部)28と、液受け部28と貯留槽30とをつなぐ配管26Aと、貯留槽30の下部と塗布槽24とをポンプ32を介してつなぐ配管26Bと、塗布液Lを循環させるポンプ32と、を備えている。
なお、ポンプ32は、塗布液Lを予め定められた流量(循環流量)で、貯留槽30及び塗布槽24間を循環させ塗布槽24から常時塗布液を溢れさせる機能を担う。
また、浸漬塗布装置200は、基体22を塗布槽24の塗布液L中に浸漬及び引き上げる基体昇降機34と、塗布槽24中の塗布液Lから揮発する溶剤の蒸気を換気(外部に排出)する換気装置、即ち、溶剤蒸気を含む空気を換気する換気装置(不図示)と、塗布環境の露点温度を制御する蒸気圧制御装置(不図示)と、貯留槽30中の塗布液Lの濃度を保つための攪拌機(不図示)とを備えている。また、基体昇降機34は、基体22の上部を支持する支持部20と、支持部20を昇降するモータ36とを備えている。
次に、浸漬塗布装置200の作用を、当該浸漬塗布装置200を用いて実施される感光層形成工程によって説明する。感光層形成工程は、具体的には、浸漬工程と、停止工程と、引き上げ工程と、乾燥工程と、を有する。
(浸漬工程)
浸漬工程では、下引層(不図示)が形成された基体22を下降させて、当該基体22を塗布液Lに浸漬する。具体的には、基体22の上部を基体昇降機34の支持部20で支持し、その支持部20で支持された基体22を、基体昇降機34により、塗布液Lが収容された塗布槽24の中へ下降させ、予め定められた位置(停止位置)で基体22の下降を停止させる。
なお、塗布液Lの粘度(25℃)は、例えば250mPa・s以上350mPa・s以下に調整することが好ましい。
−基体22の浸漬速度−
浸漬工程では、基体22を予め定められた速度(浸漬速度)で塗布槽24の塗布液L中に浸漬させる。
基体22の浸漬速度としては、例えば100mm/分以上1500mm/分以下がよく、300mm/分以上1000mm/分以下が好ましく、500mm/分以上700mm/分以下がより好ましい。
基体22の浸漬速度が上記範囲であると、塗布液Lの乱れが適度に生じるため、感光層の表面側に、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び特定の電子輸送材料が適度に偏在又は凝集して存在しやすくなる。これにより、感光層の外周面の側の表面自由エネルギーを特定の範囲に制御しやすくなる。
(停止工程)
停止工程では、塗布液L中に浸漬された上記基体22を予め定められた停止位置で、
予め定められた時間停止させる。
塗布液L中での基体22の停止時間は、例えば10秒以上20秒以下がよく11秒以上17秒以下が好ましく、12秒以上15秒以下がより好ましい。
塗布液L中での基体22の停止時間が上記範囲であると、塗布液Lを基体22上(本実施形態では下引層上)に塗布する際に、塗布液Lの乱れが適度に抑制される。これにより、感光層の外周面の側の表面自由エネルギーが低減されやすくなる。
−塗布液Lの循環流量−
上述の浸漬工程、及び停止工程では、塗布液Lを予め定められた流量(循環流量)で、貯留槽30及び塗布槽24間を循環させながら基体22の浸漬を実施することが好ましい。なお、本実施形態において、循環流量はポンプ32により制御される。
塗布液Lの循環流量は、感光層形成用塗布液の分散性を向上させる観点、及び、塗布液中の感光層成分の沈降を抑制する観点から、通常、1L/分以上15L/分以下であることが好ましいとされている。しかし、本実施形態では、感光層の表面側に、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び特定の電子輸送材料を適度に偏在又は凝集させて、感光層の外周面の側の表面自由エネルギーを特定の範囲に制御しやすくするため、塗布液L中及び配管26中における上記材料(電荷発生材料、正孔輸送材料、及び特定の電子輸送材料)の分散性を、適度に低下させる傾向とする。
このため、本実施形態における塗布液Lの循環流量としては、例えば1L/分以上13L/分以下がよく、3L/分以上10L/分以下が好ましく、5L/分以上7L/分以下がより好ましい。
−溶剤蒸気の換気(溶剤蒸気を含む空気の換気)−
上述の浸漬工程、停止工程、及び後述の引き上げ工程では、通常、換気装置により塗布槽24中の塗布液Lから揮発する溶剤蒸気を換気(外部に排出)しながら上記工程を実施する。即ち、溶剤蒸気を含む空気を換気しながら上記工程を実施する。
溶剤蒸気を含む空気の換気量は、通常、4m/分以上18m/分以下であることが好ましいとされている。しかし、本実施形態では、上記換気量を、好ましくは10m/分以上18m/分以下、より好ましくは13m/分以上18m/分以下、更に好ましくは15m/分以上18m/分以下とする。
換気量が上記範囲であると、溶剤の蒸気濃度が低減するため(溶剤が揮発されやすくなるため)、引き上げ工程において、塗布液L(塗膜)の乾燥が促進される。これにより、感光層の表面側において、上記材料(電荷発生材料、正孔輸送材料、及び特定の電子輸送材料)の偏在又は凝集が生じやすくなるため、感光層の外周面の側の表面自由エネルギーを特定の範囲に制御しやすくなる。
なお、本実施形態において、溶剤蒸気の換気(溶剤蒸気を含む空気の換気)は換気装置(不図示)により行われる。
−塗布環境の露点温度−
上述の浸漬工程、停止工程、及び後述の引き上げ工程では、塗布環境の露点温度を制御しながら上記工程を実施することが好ましい。なお、本実施形態において、塗布環境の露点温度の制御は蒸気圧制御装置(不図示)により行われる。
塗布環境の露点温度としては、例えば6℃以上10℃以下がよく、7℃以上10℃以下が好ましく、8℃以上10℃以下がより好ましい。
塗布環境の露点温度が上記範囲であると、溶剤の揮発で熱が奪われる事による結露が抑えられるため、感光層表面に結露起因の欠陥が発生しにくくなる。これにより、感光層の外周面の側の表面自由エネルギーを特定の範囲に制御しやすくなる。
−塗布液Lの温度−
塗布液Lの温度は、塗布液L中の溶剤が著しく蒸発して、塗布液Lの粘度が変化することを抑制する観点から、26.5℃以上28.5℃以下であることがよい。
上述のように、基体22の浸漬速度、塗布液L中での基体22の停止時間、塗布液Lの循環流量、溶剤蒸気を含む空気の換気量、又は塗布環境の露点温度を制御することで、塗布液Lの状態(例えば乱れ状態)が調整されると考えられる。これにより、感光層の外周面側の表面自由エネルギーを特定の範囲に制御しやすくなると共に、感光層の内周面側及び外周面側の表面自由エネルギー差、及び感光層の表面粗さSaについても特定の範囲に制御しやすくなると考えられる。
(引き上げ工程)
停止工程の後に、引き上げ工程が実施される。引き上げ工程では、停止工程で塗布液Lに浸漬された基体22を塗布液Lから引き上げる。これにより、下引層(不図示)上に塗布液Lが塗布された塗膜が形成される。
なお、感光層の膜厚は、主に基体22を塗布液Lから引き上げる速度によって調整され、好ましくは5μm以上60μm以下、より好ましくは10μm以上50μm以下の範囲に設定される。
(乾燥工程)
乾燥工程では、塗布槽24から引き上げられた基体22の下端部分に付着した塗布液Lを拭き取り、塗膜を、例えば120℃以上140℃以下で乾燥(溶剤を蒸発により除去)させることで、単層型の感光層を形成する。
以上のように、下引層形成工程、及び感光層形成工程を経て、電子写真方式の画像形成装置に用いられる単層型の感光体が製造される。
以上、単層型感光体の製造方法について、一実施形態について説明したが、単層型感光体の製造方法は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、基体22を塗布槽24の塗布液L中に浸漬及び引き上げる基体昇降機34、塗布槽24中の塗布液Lから揮発する溶剤蒸気を換気(外部に排出)する換気装置、塗布環境の露点温度を制御する蒸気圧制御装置、及び貯留槽30中の塗布液Lの濃度を保つための攪拌機を用いて、感光体を製造する方法について説明したが、これらの装置は適宜用いることができる。また、その他必要な装置と組み合わせて用いてもよい。
[画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図3に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図3におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図3には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−帯電装置−
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図4に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<実施例1>
−感光体(1)の作製−
電荷発生材料としてCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(CG1)4質量部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量5万:Binder1)58質量部と、表1に示す電子輸送材料(ETM1)15質量部と、表1に示す正孔輸送材料(HTM1)20質量部と、テトラヒドロフラン(THF)250質量部と、からなる混合物を、ナノマイザーにて分散し、粘度300mPa・sに調整した感光層形成用塗布液を得た。
図2に示す浸漬塗布装置200を用い、以下の方法にて、直径300mm、長さ245mmのアルミニウム基体(以下、基体とも称する)上に単層型の感光層を形成した(感光層形成工程)。
まず、上記で得られた感光層形成用塗布液(以下、塗布液とも称する)を図2に示す浸漬塗布装置200の塗布槽及び貯留槽中に充填し、以下の条件で、膜厚22μmの単層型の感光層を形成した。
−感光層の形成条件−
・基体の浸漬速度 500mm/分
・塗布液中での基体の停止時間 10秒
・塗布液からの基体の引き上げ速度 160mm/分
・塗膜の乾燥温度、乾燥時間 100℃、15分
・塗布液の循環流量 7L/分
・塗布液の温度 27.5℃
・溶剤蒸気を含む空気の換気量 18m/分
・塗布環境の露点温度 7℃
以上の工程を経て、実施例1の単層型の感光体(1)を作製した。
<実施例2〜8、比較例1〜6>
表1、2に従って、感光層形成用塗布液の組成において、電荷発生材料の量、電子輸送材料の種類と量、正孔輸送材料の種類と量、塗布条件を変更した以外は、実施例1の感光体(1)と同様にして、感光体(2)〜(8)、(C1)〜(C6)を作製した。
なお、表1、2中、CGは電荷発生材料を表し、ETMは電子輸送材料を表し、HTMは正孔輸送材料を表す。
[評価]
(表面自由エネルギー)
各例で得られた感光体を用いて、既述の方法により、感光層の内周面側の表面自由エネルギー、及び感光層の外周面側の表面自由エネルギーを測定し、これらの表面自由エネルギーの差を算出した。結果を表1、2に示す。なお、表1、2中、「表面自由エネルギー差」とは、「感光層の外周面の側を測定したときの表面自由エネルギー」から、「感光層の内周面の側を測定したときの表面自由エネルギー」を引いた値を意味する。
(表面粗さSa)
各例で得られた感光体を用いて、既述の方法により、感光層の表面粗さSaを測定した。結果を表1、2に示す。
(感度評価)
各例で得られた感光体を用いて、感光体の感度評価を行った。
感度評価は、+800Vに帯電させたときの半減露光量として評価した。具体的には、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA−8100、川口電機製作所社製)を用いて、20℃、40%RHの環境下、+800に帯電させた後、タングステンランプの光を、モノクロメーターを用いて800nmの単色光にし、感光体表面上で1μW/cmになるように調整して、照射した。
そして、帯電直後における感光体表面の初期の表面電位V0(V)、感光体表面の光照射により表面電位が1/2×V0(V)となる半減露光量E1/2(μJ/cm)を測定した。
評価基準は、以下の通りである。半減露光量E1/2が0.2μJ/cm以下であるとき、高感度化されたと評価した。結果を表1、2に示す。
−評価基準−
A(○):半減露光量E1/2が0.2μJ/cm以下
B(×):半減露光量E1/2が0.2μJ/cmを超える
(色点評価)
各例の感光体を改造機(Brother社製HL5340D)に搭載し、温度33℃、80%RHの環境下において、色点評価を行った。
色点評価は、前記改造機を用いて、白ベタ画像をA4用紙に12,000枚出力し、12,000枚目に出力した画像について、画像上に発生した色点の数を数え、以下の基準で評価した。なお、画像上に発生した色点は、感光層への填料の付着に伴う局所的な電荷リークの発生に起因して発生した色点とみなす。
また、評価基準2以下であると実用上問題を生ずることがあると評価した。結果を表1、2に示す。
−評価基準−
5: 0≦色点の数≦3
4: 4≦色点の数≦7
3: 8≦色点の数≦10
2: 11≦色点の数≦14
1: 15≦色点の数≦20
上記結果から、本実施例は、比較例2〜6に比べ、画像を形成したときに生じる色点の発生が抑制されていることがわかる。
感光層の外周面側の表面自由エネルギーが24mN/m以上30mN/m以下で、かつ感光層の表面粗さSaが4.5nm以上6.0nm以下である実施例1〜5、7、8は、上記表面粗さSaが6.0nm超えの実施例6に比べ、画像を形成したときに生じる色点の発生が抑制されていることがわかる。
また、本実施例の感光体は、比較例1に比べ、感光層の外周面側の表面自由エネルギーを24mN/m以上30mN/m以下まで低減させても感度が良好であり、感光体としての機能することがわかる。
以下、表中の略称の詳細について示す。
−電荷発生材料−
・CG1:下記構造式で示される電荷発生材料(ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)
−電子輸送材料−
・ETM1:下記構造式で示される電子輸送材料(例示化合物1−1)
・ETM2:下記構造式で示される電子輸送材料

・ETM3:下記構造式で示される電子輸送材料(例示化合物1−15)
・HTM1:下記構造式で示される正孔輸送材料(4−(2,2−ジフェニルエテニル)−N,N−ビス(4−メチルフェニル)ベンゼンアミン、例示化合物HT1−4)
1 下引層、2 感光層、3 導電性基体、7 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、10 電子写真感光体、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑材、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材、133 繊維状部材、300 プロセスカートリッジ支持部、20 支持部、22 導電性基体、24 塗布槽、26A,26B 配管、28 液受け部、30 貯留槽、32 ポンプ、34 基体昇降機、200 浸漬塗布装置

Claims (5)

  1. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、下記一般式(1)で表される電子輸送材料と、を含み、感光層の外周面の側を測定したときの表面自由エネルギーが24mN/m以上30mN/m以下である感光層と、
    を有する電子写真感光体。

    (一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)
  2. 前記感光層の表面粗さSaが4.5nm以上6.0nm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光層の内周面の側を測定したときの表面自由エネルギーと、前記感光層の外周面の側を測定したときの表面自由エネルギーとの差が、0.3mN/m以上5.4mN/m以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
    画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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