JP2017167349A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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高広 今田
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高広 今田
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Yuji Arai
裕司 荒井
皓一 宇都宮
Koichi Utsunomiya
皓一 宇都宮
卓弥 瀬下
Takuya Seshimo
卓弥 瀬下
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Abstract

【課題】ニップ形成部材の定着ベルトと接する面に設けた、摺動シートからの潤滑剤の漏れを防止することができる定着装置を提供する。
【解決手段】定着ベルト80を介してニップ形成部材83に対向して、定着ベルト80との間にニップ部Nを形成する回転可能な加圧ローラ81が設けられており、ニップ形成部材83のニップ部N側の表面には、潤滑剤が含有された第1摺動シート84部材が貼り付けられており、またニップ部Nの上流側に位置するようにしてシート固定部材91に潤滑剤が含有された第2摺動シート90が貼り付けられて、定着ベルト80の内面に当接されており、第1摺動シート84の織り目方向と第2摺動シート90の織り目方向とが逆方向となるようにしている。
【選択図】図2

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置では、像担持体である感光体ドラムの表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム上の静電潜像をトナーなどの現像剤によって現像して顕像化し、このトナー像を転写装置により記録紙に転写して、転写後の記録紙に対して定着装置にて加熱加圧を加えることによって、記録紙上のトナー像を定着し、定着された記録紙を装置外に排紙する構成になっている。
未定着トナー像を定着させるための定着装置として、近年、さらなる省エネ性及びファーストプリントタイム向上のために、無端状の定着ベルトを用い、この定着ベルトを金属熱伝導体を介さずに直接加熱する定着装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の定着装置では、無端状の定着ベルトの内側にニップ形成部材が配置され、回転駆動される加圧ローラの加圧で、定着ベルトをニップ形成部材に押し付けてニップ部を形成している。また、ニップ部での定着ベルトの内周面とニップ形成部材との間の摩擦抵抗を低減するために、両者の間に潤滑剤を含浸させた摺動シートが設けられている。
ところで、上記の摺動シートは繊維を織り込んでシート状に形成されているので、摺動シートの織り目によって、加圧された摺動シートに含浸されている潤滑剤の流れ方向が決定される。特に、摺動シートの織り目が綾目(織目が斜め)の場合は、綾目の目の方向に沿って潤滑剤が摺動シートの一方の端部側に移動し、摺動シートから潤滑剤が漏れるおそれがある。
摺動シートの一方の端部側から潤滑剤が漏れると、摺動シートの潤滑剤不足によってニップ部での定着ベルトとニップ形成部材との間の摩擦抵抗が大きくなり、これにともなって、圧接して定着ベルトを回転させるための駆動モータの必要回転トルクが大きくなり、駆動モータの負担が増してしまうなどの不具合が発生する。
そこで、本発明は、ニップ形成部材の定着ベルトと接する面に設けた、潤滑剤を含浸させた摺動シートからの潤滑剤の漏れを防止することができる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明に係る定着装置は、無端ベルト状の回転可能な定着部材と、前記定着部材を加熱する加熱源と、前記定着部材の内側に配置されたニップ形成部材と、前記定着部材を介して前記ニップ形成部材に対向し、前記定着部材との間にニップ部を形成する回転可能な加圧部材と、潤滑剤が含浸され、前記ニップ形成部材と前記定着部材との間に設置された、織り目を有してなる第1摺動部材と、を備えた定着装置であって、潤滑剤が含浸され、前記ニップ部以外の少なくとも一部の領域で前記定着部材の内面に接触される第2摺動部材を有し、前記第2摺動部材は、前記第1摺動部材の織り目方向とは異なる織り目を有していることを特徴としている。
本発明に係る定着装置によれば、ニップ部以外の少なくとも一部の領域で定着部材の内面に接触される、潤滑剤が含浸された第2摺動部材を設けて、第2摺動部材の織り目の方向が第1摺動部材の織り目の方向とは異なるようにしたことにより、第1摺動部材に含浸されている潤滑剤が外部に漏れることを防止することができる。
実施形態1に係る定着装置を備えたプリンタの概略構成を示す図。 実施形態1に係る定着装置の構造を示す図。 加圧ローラ側の表面が平坦面状に形成されたニップ形成部材を示した図。 第1摺動シートの織り目方向を示した図。 第1摺動シートを構成する繊維の綾織りを示した図。 第1摺動シートに含浸された潤滑剤の移動方向を示した図。 第2摺動シートの織り目方向を示した図。 第2摺動シートに含浸された潤滑剤の移動方向を示した図。 実施形態1の変形例に係る定着装置のニップ部付近を示す図。 実施形態1の他の変形例に係る定着装置のニップ部付近を示す図。 実施形態3に係る定着装置の構造を示す図。 実施形態3における接離機構の概略構成を示した図。 実施形態4に係る定着装置の構造を示す図。 実施形態5おける第2摺動シートの当接・離間制御の一例を示すフローチャート。
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る定着装置を備えた画像形成装置としての電子写真方式のプリンタを示す概略構成図である。
(プリンタの構成、画像形成動作)
図1に示した本実施形態のプリンタ(画像形成装置)1には、タンデム構造が採用されている。このタンデム構造は、像担持体としての感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkを並設したものである。像担持体は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成することが可能である。
プリンタ(画像形成装置)1は、周知のように、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに静電潜像を形成し、各静電潜像を各色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナーにより現像して可視像化しトナー像を形成する。続いて、これらのトナー像を中間転写体としての無端状の中間転写ベルト11に重畳して転写して(1次転写)、その後に記録媒体としての記録紙Sに一括して転写(2次転写)した後、定着装置10により記録紙Sに定着させる。定着装置10の詳細については後述する。
無端状の中間転写ベルト11は、駆動ローラ71と複数の従ローラ72,73間に張架されており、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに対峙しながら矢印A1方向に移動可能である。中間転写ベルト11の表面には、中間転写ベルト11上の残留トナー等の異物を除去してクリーニングするクリーニング装置74が設けられている。
各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの周囲には、感光体ドラムの回転に従って画像形成処理するための各部材が配置されている。これについて、ブラック画像形成を行う感光体ドラム20Bkを例に挙げて以下に説明する。
感光体ドラム20Bkの周囲には、感光体ドラム20Bkの回転方向に沿って画像形成処理を行う帯電装置30Bk,現像装置40Bk、1次転写ローラ12Bk及びクリーニング装置50Bkが配置されている。帯電後に行われる書き込みには、光書込装置8が用いられる。
中間転写ベルト11に対する重畳転写(1次転写)は、中間転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに形成された各トナー像が、中間転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるように行われる。
具体的には、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに形成されたトナー像が、1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkによる電圧印加によってA1方向の上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkは、中間転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに対向して配置されている。
2次転写ローラ5は、駆動ローラ71と中間転写ベルト11を間に挟むようにして対向して配置され、中間転写ベルト11に従動して回転する転写部材である。
光書込装置8は、装置本体内のシート給送装置61の上方に配置されている。この光書込装置8は、光源としての半導体レーザ、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラー及び偏向手段としての回転多面鏡などを備えている。
この光書込装置8は、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkに対して色毎に対応した書き込み光を出射して、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkに静電潜像を形成する。
シート給送装置61は、給紙ローラ3を備えている。この給紙ローラ3は、給紙動作時に給紙カセット62に積載された最上位の記録紙Sの上面に当接する。そして、シート給送装置61は、給紙ローラ3が反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の記録紙Sをレジストローラ4に向けて送る。
また、装置本体内の上部には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーがそれぞれ充填されているトナーボトル9Y、9C、9M、9Bkが着脱可能に配置されており、各色のトナーを現像装置40Y,40C,40M,40Bkにそれぞれ供給する。
次に、このプリンタ1による画像形成動作について説明する。
各帯電装置30Y、30C、30M、30Bkで所定のプロセススピードで矢印方向に回転している各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの表面を均一に帯電する。そして、光書込装置8からのレーザ光による露光により感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの表面に、例えば外部のパソコン等から入力した画像情報に対応した静電潜像を形成する。
そして、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの表面に形成された静電潜像に対して、各現像装置40Y、40C、40M、40Bkによりトナー(現像剤)を付着させて現像(可視化)する。これにより、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの表面に各色のトナー像が形成され、更に1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkによって、移動する中間転写ベルト11上に各色のトナー像が重畳転写される。
この時、給紙ローラ3によって給紙カセット62から最上部の記録紙Sを取り出し、搬送路を通して搬送された記録紙Sがレジストローラ4でいったん保持される。そして、感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの表面でのトナー像の形成タイミングに合わせて、レジストローラ対14で保持されていた記録紙Sが、中間転写ベルト11と転写バイアスが印加された2次転写ローラ5間の転写ニップに搬送され、記録紙S上にフルカラーのトナー像が転写される。
そして、トナー像が転写された記録紙Sは、定着装置10に搬送され、定着装置10の無端状の定着ベルト80と加圧ローラ81間のニップ部にて加熱、加圧されることにより、記録紙S上にトナー像が定着される。トナー像が表面に定着された記録紙Sは、排紙ローラ7によって搬送されて排紙トレイ17上に排出される。
(定着装置10の構成、動作)
図2は、定着装置10を示す概略構成図である。図2に示すように、この定着装置10は、定着部材としての無端ベルト状の可撓性を有する定着ベルト80、定着ベルト80の表面に当接してニップ部Nを形成する加圧部材としての加圧ローラ81、定着ベルト80を加熱する加熱源としてのハロゲンヒータ82、定着ベルト80の内側で加圧ローラ81と対向してニップ部Nを形成させるためのニップ形成部材83を有している。なお、加熱源としては、図示したハロゲンヒータ82以外にも、例えば、IHや抵抗発熱体、カーボンヒータ等であってもよい。
ニップ形成部材83の表面には、液状の潤滑剤を含浸した第1摺動部材としての第1摺動シート84が、例えば粘着テープによって貼り付けられている。第1摺動シート84は、定着ベルト80の内面に摺接して、定着ベルト80とニップ形成部材83との間の摩擦抵抗を緩和させるためのものである。なお、第1摺動シート84のニップ形成部材83への取り付けは、粘着テープによる貼り付けに限らず、例えば、第1摺動シート84をニップ形成部材83に覆設して、定着ベルト80との非対向側での複数のネジによる固定及び粘着テープによる貼り付けとの併用も可能である。第1摺動シート84の詳細については後述する。
本実施形態では、ニップ部Nを形成するためのニップ形成部材83の表面が少し凹状になっている。ニップ形成部材83の表面が少し凹状になっていると、ニップ部Nを通過後の記録紙Sの先端の排出方向が加圧ローラ81寄りになって分離性が向上し、ジャムの発生等が抑制される。
なお、ニップ形成部材83の表面は、凹状に限らず、例えば、図3に示すように、ニップ形成部材83の加圧ローラ81側の表面を平坦面状として、ニップ形成部材83の平坦面状の表面に加圧ローラ81の表面を弾性接触させ、所定幅のニップ部Nを形成するようにしてもよい。この場合、ニップ形成部材83の加圧ローラ81側の表面を平坦面状とすることで、ニップ部Nでの定着ベルト80の回転(移動)が安定してスムーズなものとなる。
定着ベルト80は、加圧ローラ81の長手方向に沿って設けられいる。定着ベルト80の基材には、ニッケルやSUSなどの金属やポリイミドなどの樹脂が用いられている。定着ベルト80の基材の表層(加圧ローラ81側の表面)は、PFA又はPTFE層などの離型層を有し、トナーが付着しないように離型性を持たせている。
なお、定着ベルト80の表層と離型層との間に、シリコーンゴム層などの弾性層があってもよい。このシリコーンゴム層がない場合は熱容量が小さくなり、定着性が向上するが、トナー像を押し潰して定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に、いわゆるユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が残るという不具合が生じる。この不具合を改善するには、シリコーンゴム層を100μm以上の厚みで設ける必要がある。これにより、シリコーンゴム層が変形して、微小な凹凸が吸収されユズ肌画像が改善する。
定着ベルト80の内側には、ニップ形成部材83を支持するための支持部材(ステー)85が設けられており、加圧ローラ81により圧力を受けるニップ形成部材83の撓みを防止し、加圧ローラ81の軸線方向で均一なニップ幅を得られるようにしている。この支持部材85は、保持部材(不図示)に保持固定され位置決めされている。
また、定着ベルト80の内側には、ハロゲンヒータ82と支持部材85間に位置するようにして反射部材86が設けられており、ハロゲンヒータ82からの輻射熱などにより支持部材85が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギー消費を抑制している。なお、反射部材86を備える代わりに支持部材85の表面に断熱もしくは鏡面処理を施しても同様の効果を得ることか可能となる。
更に、本実施形態では、定着ベルト80の内面に当接するようにして、ニップ部Nの上流側に液状の潤滑剤を含浸した第2摺動部材としての第2摺動シート90が、例えば粘着テープによってシート固定部材91の表面に貼り付けられている。なお、第2摺動シート90のシート固定部材91の表面への取り付けは、粘着テープによる貼り付けに限らず、例えば、第2摺動シート90をシート固定部材91に覆設して、定着ベルト80との非対向側での複数のネジによる固定及び粘着テープによる貼り付けとの併用も可能である。第2摺動シート90の詳細については後述する。
加圧ローラ81は、芯金81a上に弾性ゴム層81bを有しており、離型性を得るためにその表面に離型層(PFA又はPTFE層)が設けてある。加圧ローラ81は、画像形成装置1に設けられたモータなどの駆動源(不図示)からギア列を介して駆動力が伝達され回転する。
また、加圧ローラ81は、スプリングなどにより定着ベルト80側に押し付けられており、弾性ゴム層81bがニップ形成部材83に圧接して押し潰されて変形することにより、ニップ部Nにて所定のニップ幅を有している。
なお、加圧ローラ81は中空のローラであってもよく、加圧ローラ81内にハロゲンヒータなどの加熱源を有していてもよい。弾性ゴム層81bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ81内にヒータが無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルトの熱が奪われにくくなるので、より望ましい。
そして、定着動作時においては、加圧ローラ81が図示しない駆動源によりR1方向に回転駆動され、定着ベルト80は、ニップ部Nにて圧接する加圧ローラ81によりR2方向に連れ回り回転する。このように、定着ベルト80は、ニップ部Nでニップ形成部材83(第1摺動シート84)と加圧ローラ81との間に挟み込まれて回転し、ニップ部N以外では円弧状の保持部材(不図示)にガイドされ、回転(移動)する。この際、ハロゲンヒータ82の発熱によって定着ベルト80は素早く加熱され、所定温度に達している。
そして、ニップ部Nに搬送されてきた未定着トナー像が転写された記録紙Sは、ニップ部Nにおいて定着ベルト80と加圧ローラ81とで挟持搬送されながら加熱、加圧され、記録紙S上にトナー像が定着される。
(第1摺動シート84の構成)
ニップ部Nでは、定着ベルト80はニップ形成部材83の表面に対して摺動しながら回転(移動)する。このため、定着ベルト80のニップ形成部材83との摺接による摩擦抵抗を低減して定着ベルト80をスムーズに回転(移動)させるために、ニップ形成部材83の定着ベルト80と摺動接触する表面に、例えばシリコーンオイル等の潤滑剤が含浸された第1摺動シート84が貼り付けられている。第1摺動シート84として、例えばフッ素系繊維シートを用いることができる。
この第1摺動シート84は、図4に示すように、その長手方向(ニップ形成部材83の一端面側から他端面側に沿った方向)に沿って、綾織りによって一方向に傾斜(右方向に傾斜)した複数の織り目84aが等間隔で形成されている。織り目84aは、未定着のトナー像が転写された記録紙の通紙方向(矢印A方向)に対して右方向に傾斜している。なお、図3は、ニップ形成部材83の長手方向に沿ってその表面に貼り付けられた第1摺動シート84をニップ部N側から見た状態を示している。第1摺動シート84のような綾織りによるシートは、例えば図5に示すように、縦糸と横糸の交差位置を左右の糸と徐々にずらして構成する織り方によって構成されている。
そして、図6に示すように、定着動作時に、ニップ形成部材83(第1摺動シート84)側に加圧ローラ81が加圧されると、第1摺動シート84に含浸されている潤滑剤は、加圧ローラ81による加圧によって複数の織り目84aに沿って矢印B方向に流れる(移動する)。
即ち、図6では、定着ベルト80が第1摺動シート84に対して下から上へ圧力を加える向き(矢印A方向)に移動することで、第1摺動シート84に含浸された潤滑剤は、絞られるように下から上へ移動させられる力を受ける。よって、第1摺動シート84内の潤滑剤は、傾斜した織り目84aという流路に沿って、図6の左側から右側に沿って一方向(矢印B方向)に移動することになる。
なお、図6に示すように、1つの織り目84aにおいて移動する潤滑剤は、第1摺動シート84の上端に達すると重力により第1摺動シート84内を下方向に移動し、次の織り目84aにおいて同様に下から上へ移動させられる力を受ける。このように、第1摺動シート84にその長手方向に沿って、一方向に傾斜した複数の織り目84aを形成することで、これらの織り目84aが、第1摺動シート84の長手方向に沿って潤滑剤を一方向に流す流路となる。
このように、第1摺動シート84に含浸されている潤滑剤によって、ニップ部Nにてニップ形成部材83に摺接する定着ベルト80との間の摩擦抵抗を低減することができる。
ところで、第1摺動シート84内の潤滑剤は、傾斜した織り目84aという流路に沿って、図6の左側から右側に沿って一方向(矢印B方向)に移動するため、第1摺動シート84の左側は潤滑剤が略枯渇し、第1摺動シート84の右側は潤滑剤が過多となる。そして、潤滑剤の一部が、第1摺動シート84の右側端部から周囲の定着ベルト80、ニップ形成部材83などに漏れると、第1摺動シート84内の潤滑剤不足によってニップ部Nでの定着ベルト80とニップ形成部材83との間の摩擦抵抗が大きくなる。なお、第1摺動シート84内の右側に移動している潤滑剤も、連続する定着動作につれて外に漏れていき、最終的には第1摺動シート84内の潤滑剤が殆どなくなる。
第1摺動シート84の潤滑剤不足(もしくは潤滑剤枯渇)によって、ニップ部Nでの定着ベルト80とニップ形成部材83との間の摩擦抵抗が大きくなる。このため、加圧ローラ81にギア列等を介して連結されている駆動モータ(図示省略)の必要回転トルクが大きくなり、駆動モータの負担が大きくなる。
そこで、本実施形態では、第1摺動シート84から潤滑剤が漏れるのを防止するための第2摺動シート90を、定着ベルト80の内面側に設けている。
(第2摺動シート90の構成)
図2に示したように、第2摺動シート90(シート固定部材91)は、定着ベルト80の回転方向(矢印R2方向)に対して、ハロゲンヒータ82の位置よりも下流側で第1摺動シート84の位置よりも上流側に位置するようにして設置されている。シート固定部材91は、不図示の支持部材に支持されている。
なお、定着ベルト80の軸方向(長手方向)での長さにおいて、本実施形態では、定着ベルト80≧第2摺動シート90>第1摺動シート84となるように設定されている。
シート固定部材91の定着ベルト80側に面する表面は、回転する定着ベルト80の円弧形状に略対応した円弧形状に形成されており、この円弧形状の表面に沿って貼り付けられた第2摺動シート90が定着ベルト80の内面に接触するようにしている。第2摺動シート90(シート固定部材91)を、定着ベルト80の円弧形状に略対応した円弧形状に形成することにより、回転する定着ベルト80の形状が大きく変化することがなく、第2摺動シート90と定着ベルト80の内面に良好に接触させることができる。
第2摺動シート90の定着ベルト80と接触する表面には、例えばシリコーンオイル等の潤滑剤が含浸されている。また、第2摺動シート90には、ニップ部Nにて第1摺動シート84から定着ベルト80の内面に付着した潤滑剤も付着される。第2摺動シート90として、例えばフッ素系繊維シートを用いることができる。
この第2摺動シート90は、図7に示すように、その長手方向(シート固定部材91の一端面側から他端面側に沿った方向)に沿って、綾織りによって一方向に傾斜(左方向に傾斜(第1摺動シート84の織り目84aとは反対方向に傾斜))した複数の織り目90aが等間隔で形成されている。織り目90aは、定着ベルト80の回転方向(矢印C方向)に対して左方向に傾斜している。なお、図7は、シート固定部材91の長手方向に沿ってその表面に貼り付けられた第2摺動シート90を定着ベルト80側から見た状態を示している。
そして、定着動作時に、上記したように加圧ローラ81の回転駆動にともなって定着ベルト80が回転されると、図8に示すように、第2摺動シート90に含浸されている潤滑剤は、第2摺動シート90の定着ベルト80との摺動接触によって複数の織り目90aに沿って矢印D方向(第1摺動シート84の織り目84aに沿った潤滑剤の移動方向とは逆方向)に流れる(移動する)。
このように、定着動作時において、加圧ローラ81の回転駆動にともなって定着ベルト80が回転されると、第2摺動シート90に含浸されている潤滑剤は、第2摺動シート90のり目90aに沿って一方向(矢印D方向)に流れて(図8参照)、この流れパターン状態で接している定着ベルト80の内面に付着する。
そして、定着ベルト80の回転にともなってこの潤滑剤が付着した領域がニップ部Nに達すると、この付着している潤滑剤の向きが、第1摺動シート84の織り目84aの方向とは逆方向であるため、第1摺動シート84に含浸されている潤滑剤が織り目84aに沿って移動しようとするのを抑えようとする。
これにより、第1摺動シート84内の潤滑剤が傾斜した織り目84aに沿って、図6の左側から右側に沿って一方向(矢印B方向)に移動することが抑制されるので、上記したように第1摺動シート84の右側端部から潤滑剤が漏れることが防止され、第1摺動シート84内の潤滑剤不足が生じることがなくなる。よって、長期にわたって、第1摺動シート84に含浸されている潤滑剤で、ニップ部Nにてニップ形成部材83に摺接する定着ベルト80との間の摩擦抵抗を低減することができる。
また、本実施形態では、潤滑剤を含浸した第2摺動シート90は、定着ベルト80の回転方向に対して、ハロゲンヒータ82の位置よりも下流側で第1摺動シート84の位置よりも上流側に位置するようにして設置されているので、ハロゲンヒータ82で加熱されて粘度が低下し流動性が高まった定着ベルト80上の潤滑剤が第2摺動シート90に付着させることができる。これにより、第2摺動シート90の織り目90aに沿って潤滑剤が移動し易くなり、より効果的に第1摺動シート84に含浸されている潤滑剤が織り目84aに沿って移動しようとするのを抑えることができる。
なお、第2摺動シート90の設置は、上記したように定着ベルト80の回転方向に対して、ハロゲンヒータ82の位置よりも下流側で第1摺動シート84の位置よりも上流側に位置するようにして設置するのが望ましいが、定着ベルト80の内側のニップ部N以外の少なくとも一部の位置であれば特に限定されることはない。
実施形態1の変形例として、例えば、図9に示すように、定着ベルト80の内側に保持されたニップ形成部材83の、定着ベルト80を挟んで加圧ローラ81が当接されるニップ部Nを含む領域に第1摺動シート84を貼り付け、更に、ニップ形成部材83の、第1摺動シート84の上流側で定着ベルト80には接触するが加圧ローラ81には接していない部分に、第2摺動シート90を貼り付けてもよい。第1摺動シート84と第2摺動シート90は、定着ベルト80の回転方向に沿ったニップ形成部材83上で少し隙間を設けるようにして貼り付けられている。
また、実施形態1の他の変形例として、例えば、図10に示すように、定着ベルト80の内側に保持されたニップ形成部材83の、定着ベルト80を挟んで加圧ローラ81が当接されるニップ部Nを含む領域に第1摺動シート84を貼り付け、更に、第1摺動シート84の上流側(ニップ部Nの上流側)で、ニップ形成部材83の端部側曲面部83aと定着ベルト80の内面との間に、定着ベルト80の内面に接触するようにして第2摺動シート90を設置してもよい。この場合、第2摺動シート90は、板状のシート固定部材91に取り付けられている。シート固定部材91は不図示の支持部材に固定されている。
上記の変形例と他の変形例においても、第1摺動シート84と第2摺動シート90,90bの織り目の方向は、上記したようにそれぞれ逆方向であり、これらの場合においても実施形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、上記の変形例、他の変形例では、ニップ形成部材83の加圧ローラ81側の表面を平坦面状として、ニップ形成部材83の平坦面状の表面に加圧ローラ81の表面を弾性接触させ、所定幅のニップ部Nを形成するようにしている。
<実施形態2>
本実施形態では、実施形態1で説明したように、潤滑剤を含浸した第2摺動シート90(シート固定部材91)は、定着ベルト80の回転方向に対して、ハロゲンヒータ82の位置よりも下流側で第1摺動シート84の位置よりも上流側に位置するようにして設置する。そして、第2摺動シート90の定着ベルト80との間の軸方向の接触面積を、定着ベルト80を挟んで加圧ローラ81が当接されるニップ部Nの面積よりも広くし、かつ第2摺動シート90が定着ベルト80の内面に接触る圧力を、ニップ部Nで加圧ローラ81が定着ベルト80を挟んでニップ形成部材83(第1摺動シート84)に当接する圧力よりも小さくなるように構成する。
ニップ部Nでの圧力(加圧力)は、未定着トナー像を記録紙に定着させる必要があるので、構成によって異なるが、一般に1kgf/cm2程度であることが望ましい。ところで、第2摺動シート90が定着ベルト80の内面に接する圧力に、上記の1kgf/cm2程度の圧力を要求すると、定着動作時に回転する定着ベルト80の動的形状が大きく変化してしまうため、上記したように、第2摺動シート90の定着ベルト80との間の軸方向の接触面積を、ニップ部Nの面積よりも広くし、かつ第2摺動シート90が定着ベルト80の内面に接する圧力を、ニップ部Nでの圧力よりも小さくすることで、安定して良好な定着動作を行うことができる。
なお、第2摺動シート90が定着ベルト80の内面に接触するときの圧力値としては、例えば、0.2〜0.4kgf/cm2程度が好適である。
<実施形態3>
本実施形態では、図11に示すように、加圧ローラ81の回転軸(図示省略)の長手方向端部側には、この加圧ローラ81を、定着ベルト80を挟むようにしてニップ形成部材83(第1摺動シート84)に所定の加圧力で当接・離間(脱圧)させるための加圧力調整機構100が連結されている。なお、この加圧力調整機構100は、図1、図2に示した実施形態1(図9、図10の変形例、他の変形例、実施形態2も含む)の定着装置10にも設けられている。
加圧力調整機構100は、不図示の駆動モータ、ギア列、移動機構等を有し、装置制御部101から入力される制御信号に基づいて駆動される駆動モータの正回転、逆回転に応じて、加圧ローラ81を移動させることができる。これにより、加圧ローラ81を、定着ベルト80を挟むようにしてニップ形成部材83(第1摺動シート84)に所定の加圧力で当接・離間(脱圧)させることができる。
また、この加圧力調整機構100には、シート固定部材91の第2摺動シート90を貼り付けた表面側を定着ベルト80の内面に当接・離間させるための接離機構102が連結されており、加圧力調整機構100の動作に連動して接離機構102が同様の動作をするように構成されている。
接離機構102は、例えば、図12に示すように、ギア列103を介してシート固定部材91の上部91aに接する、回転可能に支持された偏心カム104等を有しており、シート固定部材91の長手方向両端側に設けられている。このギア列103は、加圧力調整機構100側の駆動モータ(図示省略)に接続された駆動ギアと連結されている。なお、シート固定部材91には、このシート固定部材91を偏心カム104側(定着ベルト80と反対側)に付勢しているバネ等の付勢部材(図示省略)が連結されている。
本実施形態では、装置制御部101から入力される制御信号に基づいて駆動される加圧力調整機構100の駆動動作と接離機構102の駆動は連動している。
例えば、画像形成動作の実行時には、加圧力調整機構100の駆動モータが駆動(正回転)されて加圧ローラ81が、定着ベルト80を挟むようにしてニップ形成部材83(第1摺動シート84)に所定の加圧力で当接される。更に、それに連動して接離機構102の、偏心カム104がギア列103からの駆動力によって偏心回転し、付勢部材(図示省略)の付勢力に抗して接しているシート固定部材91(第2摺動シート90)を定着ベルト80の内面に接触させることができる。
よって、実施形態1で述べたように定着動作時において、加圧ローラ81の回転駆動にともなって定着ベルト80が回転されると、第2摺動シート90に含浸されている潤滑剤は、第2摺動シート90の織り目90aに沿って一方向に流れて(図8参照)、この流れパターン状態で接している定着ベルト80の内面に付着する。そして、定着ベルト80の回転にともなってこの潤滑剤が付着した領域がニップ部Nに達すると、この付着している潤滑剤の向きが、第1摺動シート84の織り目84aの方向とは逆方向であるため、第1摺動シート84に含浸されている潤滑剤が織り目84aに沿って移動しようとするのを抑えることができる。
また、画像形成動作が実行されていない待機モード等のときは、加圧力調整機構100の駆動モータが逆回転されて加圧ローラ81が、定着ベルト80を挟むようにしてニップ形成部材83(第1摺動シート84)に所定の加圧力で当接されていた状態が解除され、離間(脱圧)される。更に、それに連動して接離機構101の、偏心カム104がギア列103からの駆動力によって逆方向に偏心回転し、これにともなって付勢部材(図示省略)の付勢力により、シート固定部材91(第2摺動シート90)を定着ベルト80の内面から離間させることができる。
このように、画像形成動作が実行されていない待機モード等のときは、加圧力調整機構100の動作に連動して、シート固定部材91(第2摺動シート90)を定着ベルト80の内面から離間させることができるので、待機モード等のときに所定温度に保持されている定着ベルト80から熱が第2摺動シート90側に奪われることを防止することができる。これにより、待機モード等のときに定着ベルト80を所定温度に安定して保持できるので、省エネ性の向上を図ることができる。
なお、画像形成動作が実行されていない待機モード等のときに、仮に定着ベルト80を回転させる動作が入ったとしても、その回転速度は画像形成動作(定着動作)時よりも遅く、かつ時間も短いので、第1摺動シート84に含浸されている潤滑剤が織り目84aに沿って移動する量は少なく、第1摺動シート84から外部に漏れることは殆どない。
また、図9に示したように、ニップ形成部材83に第1摺動シート84と第2摺動シート90が貼り付けられた構成の場合には、ニップ形成部材83の、第1摺動シート84と第2摺動シート90の間を分割して、この分割箇所を蝶番で回動可能に連結することで、ニップ形成部材83の第2摺動シート90側を、定着ベルト80の内面から離間させることができる。
<実施形態4>
実施形態3では、加圧力調整機構100の駆動動作と接離機構102の動作は連動している構成であったが、本実施形態では、図13に示すように、装置制御部101から入力される制御信号に基づいて、加圧力調整機構100と接離機構102をそれぞれ独立して駆動するようにした構成である。他の構成は実施形態3と同様である。
本実施形態の接離機構102には、図12に示したギア列103、偏心カム104を回転させる駆動源としての駆動モータ(図示省略)を有している。
このように、本実施形態では、加圧力調整機構100の動作状況にかかわらず、接離機構102を駆動して、シート固定部材91(第2摺動シート90)を定着ベルト80の内面に当接・離間させることができる。
定着ベルト80は、ニップ部Nにて圧接する加圧ローラ81によって連れ回り回転するので、画像形成準備動作における加圧ローラ81の回転開始時には定着ベルト80がスリップ回転し易い。このため、回転開始時に定着ベルト80がスリップして回転すると、定着ベルト80のハロゲンヒータ82側に面した一部が局所的により多く加熱され、塑性変形(よじれ)などが生じる可能性がある。
このときに、第2摺動シート90が定着ベルト80の内面に接していると、上記の塑性変形(よじれ)した箇所での摩擦抵抗が大きくなる。このため、定着ベルト80に圧接して回転させる加圧ローラ81にギア列等を介して連結されている駆動モータ(図示省略)の必要回転トルクが大きくなり、駆動モータの負担が大きくなる。
よって、定着ベルト80の塑性変形(よじれ)が生じ易い、画像形成準備動作時の定着ベルト80の回転開始から所定の時間が経過するまでは、第2摺動シート90を定着ベルト80の内面から離間させておくことが好ましい。例えば、画像形成準備動作時での定着ベルト80の回転開始から3秒間(この時間は任意に設定可能)は、接離機構102を駆動して第2摺動シート90を定着ベルト80の内面から離間させて、3秒経過後に第2摺動シート90を定着ベルト80の内面に接触させるようにする。これにより、画像形成準備動作時での回転開始時に定着ベルト80がスリップ回転しても、上記した加圧ローラ81の駆動モータ(図示省略)の必要回転トルクが大きくなるような不具合を防止できる。
<実施形態5>
実施形態4では、画像形成準備動作時での定着ベルト80の回転開始から所定の時間が経過するまでは、第2摺動シート90を定着ベルト80の内面から離間させその後に当接させる構成であったが、本実施形態では、以下のような定着動作時おける所定の定着動作状態データに基づいて、第2摺動シート90の当接・離間を決定するようにした構成である。
上記の定着動作状態データとして、記録紙がニップ部Nに通紙される枚数(通紙枚数)、加圧ローラ81の駆動モータの回転トルク、加圧ローラ81の走行距離などのデータが挙げられる。なお、加圧ローラ81の走行距離は、加圧ローラ81の積算回転数値に対応しており、例えば、直径30mmの加圧ローラ81が100回転している場合には9420mm(=30×π(3.14)×100)となる。
上記の通紙枚数は非接触の枚数検知センサ、駆動モータの回転トルクはトルク検知センサ、加圧ローラ81の走行距離はローラ回転数検知センサによってそれぞれの状態を検知することができ、これらの検知データ(通紙枚数データ、回転トルクデータ、走行距離データ)は、装置制御部101(図13参照)に接続されている記憶部(図示省略)に格納される。装置制御部101は、この記憶部に格納された検知データとしての定着動作状態データに基づいて、第2摺動シート90の当接・離間を決定し、その結果に基づいて接離機構101を駆動制御する。
本実施形態における第2摺動シート90の当接・離間制御の一例を、図14に示すフローチャートを参照して説明する。
例えば、上記した定着装置10の寿命通紙枚数が300000(300k)枚とした場合、装置制御部101は、記録紙がニップ部Nに通紙される積算枚数(通紙枚数)が、閾値とした150000(150k)枚以下であるか否かを判定し(ステップS1)、150k枚以上である場合(ステップS1:NO)、第2摺動シート90が定着ベルト80の内面から常時離間されるように接離機構101を制御する(離間モード:ステップS2)。
この場合のように、例えば、通紙枚数が閾値である150000(150k)枚を超えて、第2摺動シート90内の潤滑剤も、定着ベルト80の内面に付着している潤滑剤も殆ど枯渇してしまうような状態になると、第2摺動シート90を定着ベルト80の内面に当接させた状態では定着ベルト80の回転に対して大きな抵抗となり、加圧ローラ81の駆動モータの回転トルクの上昇につながってしまう。
そして、記録紙がニップ部Nに通紙される枚数(通紙枚数)が、閾値とした150k枚以下である場合(ステップS1:YES)、装置制御部101は、第2摺動シート90を定着ベルト80の内面に当接させた状態で、加圧ローラ81の駆動モータの回転トルクが、閾値とした0.6N・m以下であるか否かを判定し(ステップS3)、0.6N・m以上である場合(ステップS3:NO)、第2摺動シート90が定着ベルト80の内面から常時離間されるように接離機構101を制御する(離間モード:ステップS2)。
この場合のように、例えば、駆動モータの回転トルクが閾値とした0.6N・m以上の場合には、正常時よりも駆動モータの回転トルクが上がっており、これ以上回転トルクが上昇しないように、第2摺動シート90を定着ベルト80の内面から常時離間させておく。
そして、駆動モータの回転トルクが閾値とした0.6N・m以下である場合(ステップS3:YES)、装置制御部101は、第2摺動シート90を定着ベルト80の内面に当接させた状態で、加圧ローラ81の走行距離が、閾値とした120000(120k)以下であるか否かを判定し(ステップS4)、120k以上である場合には(ステップS4:NO)、第2摺動シート90が定着ベルト80の内面から常時離間されるように接離機構101を制御する(離間モード:ステップS2)。
この場合のように、例えば、加圧ローラ81の走行距離が閾値とした120k以上の場合には、加圧ローラ81の形状変形等によって駆動モータの回転トルクが上昇するため、これ以上回転トルクが上昇しないように、第2摺動シート90を定着ベルト80の内面から常時離間させておく。
そして、加圧ローラ81の走行距離が閾値とした120k以下である場合(ステップS4:YES)、装置制御部101は、第2摺動シート90を定着ベルト80の内面に当接させた状態で、ステップS1に戻る。
このように、定着動作時おける定着動作状態データに基づいて、第2摺動シート90の当接・離間を決定することにより、安定して良好な定着動作を実行することができる。
なお、第2摺動シート90の当接・離間制御を行う際の、当接か離間かを決定するときの定着動作状態データ(通紙枚数、加圧ローラ81の駆動モータの回転トルク、加圧ローラ81の走行距離などのデータ)の閾値は上記した値に限らず、任意に変更可能である。これにより、使用環境等に応じてユーザが適切な閾値を設定することができる。
1 プリンタ
10 定着装置
80 定着ベルト
81 加圧ローラ
82 ハロゲンヒータ
83 ニップ形成部材
84 第1摺動シート
84a 織り目
90 第2摺動シート
90a 織り目
100 加圧力調整機構
101 装置制御部
102 接離機構
特開2007−233011号公報

Claims (9)

  1. 無端ベルト状の回転可能な定着部材と、
    前記定着部材を加熱する加熱源と、
    前記定着部材の内側に配置されたニップ形成部材と、
    前記定着部材を介して前記ニップ形成部材に対向し、前記定着部材との間にニップ部を形成する回転可能な加圧部材と、
    潤滑剤が含浸され、前記ニップ形成部材と前記定着部材との間に設置された、織り目を有してなる第1摺動部材と、を備えた定着装置であって、
    潤滑剤が含浸され、前記ニップ部以外の少なくとも一部の領域で前記定着部材の内面に接触される第2摺動部材を有し、
    前記第2摺動部材は、前記第1摺動部材の織り目方向とは異なる織り目を有していることを特徴とする定着装置。
  2. 前記第2摺動部材は、前記定着部材の回転方向に沿って前記ニップ部の上流側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第2摺動部材と前記定着部材との軸方向の接触面積は前記ニップ部よりも広く、前記第2摺動部材の前記定着部材に対する接触圧力は前記ニップ部での接触圧力よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記加圧部材に対して、前記定着部材を介して前記ニップ形成部材側に所定の加圧力で当接・離間させるための加圧力調整機構と、前記第2摺動部材に対して、前記定着部材の内面に当接・離間させるための接離機構とを有し、
    前記加圧力調整機構の駆動動作と前記接離機構の動作は連動していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の定着装置。
  5. 前記加圧部材に対して、前記定着部材を介して前記ニップ形成部材側に所定の加圧力で当接・離間させるための加圧力調整機構と、前記第2摺動部材に対して、前記定着部材の内面に当接・離間させるための接離機構とを有し、
    前記加圧力調整機構と前記接離機構の各々の駆動動作は独立して行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の定着装置。
  6. 画像形成準備動作時での前記定着部材の回転開始から所定の時間が経過するまでは、前記第2摺動部材は定着部材の内面から離間されていることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 定着動作時における少なくとも通紙枚数データを含む定着動作状態データに基づいて、前記第2摺動部材を前記定着部材に当接させるか、離間させるかを決定し、この決定結果に基づいて前記接離機構が駆動されることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  8. 当接・離間を決定するための定着動作状態データの閾値は変更可能であることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020504316A (ja) * 2017-11-29 2020-02-06 深▲せん▼創怡興実業有限公司Shenzhen Fancy Creation Industrial Limited 摺動シート及びその製造方法

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