JP2017167027A - 状態監視システムおよび風力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】正確な異常診断を実現する状態監視システムおよび風力発電装置を提供する。【解決手段】状態監視システムは、風力発電装置の軸受の振動波形を計測するための振動センサ70と、軸受の異常を診断するためのデータ処理装置80とを備える。データ処理装置80において、評価値演算部140は、一定時間内に振動センサ70から出力される振動波形データの実効値を特徴付ける評価値を、時間的に連続して演算する。診断部150は、評価値の時間的変化の推移に基づいて軸受の異常を診断する。評価値演算部140は、評価値として、一定時間内における振動波形データの実効値の最低値を演算する。【選択図】図2

Description

この発明は、装置を構成する機械要素の状態を監視する状態監視システムに関し、特に、風力発電装置を構成する機械要素の状態を監視する状態監視システムに関する。
風力発電装置においては、風力を受けるブレードに接続される主軸を回転させ、増速機により主軸の回転を増速させた上で発電機のロータを回転させることによって発電が行なわれる。主軸ならびに増速機および発電機の回転軸の各々は、転がり軸受によって回転自在に支持されており、そのような軸受の異常を診断する状態監視システム(CMS:Condition Monitoring System)が知られている。このような状態監視システムにおいては、軸受に固設された振動センサにより測定される振動波形データを用いて、軸受に損傷が発生しているか否かが診断される。
一般的な診断システムとして、たとえば、特開2000−99484号公報(特許文献1)には、被診断対象の計算機の劣化診断を行なう診断システムが開示されている。特許文献1に記載される診断システムは、計算機に関する情報の収集を行なう情報収集ユニットから受信した情報を記憶回路に格納し、記憶回路に格納されている情報を読み出してトレンドグラフを作成するように構成される。特許文献1では、作成したトレンドグラフに基づいて移動平均を求め、移動平均値が予め設定された閾値以下であれば計算機が正常と診断し、移動平均値が閾値以上であれば計算機が異常と診断する。
特開2000−99484号公報
風力発電装置に適用される状態監視システムにおいては、主軸ならびに増速機および発電機の回転軸の回転速度が低い場合(たとえば、100rpm以下となる場合)には、回転速度が高い場合に比べて、各々の軸受の振動の大きさが小さくなる。そのため、回転速度が低くなるに従って、振動センサから出力される振動波形データに重畳するノイズの影響が大きくなる。その結果、主軸ならびに増速機および発電機の回転軸の回転速度が低い場合には、誤って軸受の異常と診断される可能性が高くなる。
また、上記の特許文献1に開示される技術に倣って、振動センサから出力される振動波形データの移動平均を求めて軸受の異常を診断しようとすると、ノイズの影響を適切に排除するためには、移動平均に用いられる振動波形データのデータ数を多くする必要があり、却って軸受の振動の大きさの変化を鈍らせてしまうことになる。その結果、特に、軸受の振動の大きさが小さくなる低回転速度において、異常が発生したときの軸受の振動の変化を捉えることが困難となり、正確な軸受の異常診断ができなくなる可能性がある。
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、正確な異常診断を実現する状態監視システムおよび風力発電装置を提供することである。
この発明に係る状態監視システムは、装置を構成する機械要素の状態を監視する状態監視システムであって、機械要素の振動波形を計測するための振動センサと、機械要素の異常を診断するための処理装置とを備える。処理装置は、評価値演算部と、診断部とを含む。評価値演算部は、一定時間内に振動センサから出力される振動波形データの実効値を特徴付ける評価値を、時間的に連続して演算する。診断部は、評価値の時間的変化の推移に基づいて機械要素の異常を診断する。評価値演算部は、評価値として、一定時間内における振動波形データの実効値の最低値を演算するように構成される。
この発明によれば、機械要素の振動が小さい場合であっても、ノイズの影響が適切に排除された評価値を用いて機械要素の異常を診断することができるため、正確な異常診断を実現することができる。
実施の形態1に係る状態監視システムが適用された風力発電装置の構成を概略的に示した図である。 図1に示したデータ処理装置の構成を機能的に示す機能ブロック図である。 記憶部に格納される軸受の振動波形データの実効値の時間的変化を示した図である。 一定期間内における振動波形データの実効値の移動平均値の時間的変化を示した図である。 評価値演算部によって演算された、一定時間内における振動波形データの実効値の最低値の時間的変化を示した図である。 実施の形態1に係る状態監視システムにおける軸受の異常を診断するための制御処理を説明するフローチャートである。 実施の形態2に係る状態監視システムにおける軸受の異常を診断するための制御処理を説明するフローチャートである。 実施の形態3に係る状態監視システムにおける軸受の異常を診断するための制御処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に係る状態監視システムが適用された風力発電装置の構成を概略的に示した図である。図1を参照して、風力発電装置10は、主軸20と、ブレード30と、増速機40と、発電機50と、主軸用軸受(以下、単に「軸受」と称する。)60と、振動センサ70と、データ処理装置80を備える。増速機40、発電機50、軸受60、振動センサ70およびデータ処理装置80は、ナセル90に格納され、ナセル90は、タワー100によって支持される。
主軸20は、ナセル90内に進入して増速機40の入力軸に接続され、軸受60によって回転自在に支持される。そして、主軸20は、風力を受けたブレード30により発生する回転トルクを増速機40の入力軸へ伝達する。ブレード30は、主軸20の先端に設けられ、風力を回転トルクに変換して主軸20に伝達する。
軸受60は、ナセル90内において固設され、主軸20を回転自在に支持する。軸受60は、転がり軸受によって構成され、たとえば、自動調芯ころ軸受や円すいころ軸受、円筒ころ軸受、玉軸受等によって構成される。なお、これらの軸受は、単列のものでも複列のものでもよい。
振動センサ70は、軸受60に固設される。振動センサ70は、軸受60の振動波形を計測し、計測した振動波形データをデータ処理装置80へ出力する。振動センサ70は、たとえば、圧電素子を用いた加速度センサによって構成される。
増速機40は、主軸20と発電機50との間に設けられ、主軸20の回転速度を増速して発電機50へ出力する。一例として、増速機40は、遊星ギヤ、中間軸および高速軸等を含む歯車増速機構によって構成される。なお、特に図示はしないが、増速機40内にも、複数の軸を回転自在に支持する複数の軸受が設けられている。
発電機50は、増速機40の出力軸に接続され、増速機40から受ける回転トルクによって発電する。発電機50は、たとえば、誘導発電機によって構成される。なお、発電機50内にも、ロータを回転自在に支持する軸受が設けられている。
データ処理装置80は、ナセル90内に設けられ、軸受60の振動波形データを振動センサ70から受ける。データ処理装置80は、予め設定されたプログラムに従って、軸受60の振動波形データを用いて軸受60の異常を診断する。
図2は、図1に示したデータ処理装置80の構成を機能的に示す機能ブロック図である。図2を参照して、データ処理装置80は、ローパスフィルタ(以下、「LPF(Low Pass Filter)」と称する。)110と、実効値演算部120と、記憶部130と、評価値演算部140と、診断部150と、閾値設定部160とを含む。
LPF110は、軸受60の振動波形データを振動センサ70から受ける。LPF110は、その受けた振動波形データにつき、予め定められた周波数(たとえば、400Hz)よりも低い信号成分を通過させ、高周波成分を遮断する。
実効値演算部120は、軸受60の振動波形データをLPF110から受ける。実効値演算部120は、軸受60の振動波形データの実効値(「RMS(Root Mean Square)値」とも称される。)を算出し、その算出された振動波形データの実効値を記憶部130へ出力する。
記憶部130は、実効値演算部120により演算された軸受60の振動波形データの実効値を時々刻々と格納する。記憶部130は、たとえば、読み書き可能な不揮発性のメモリ等によって構成される。
記憶部130は、少なくとも一定時間内における軸受60の振動波形データの実効値を格納するように構成される。記憶部130は、たとえば、所定の時間間隔で、軸受60の振動波形データを実効値演算部120から受けると、一定時間内における振動波形データの実効値のうちの最も古い振動波形データの実効値を消去するとともに、新たに入力された振動波形データの実効値を追加するように構成される。
すなわち、記憶部130は、所定の時間間隔で、一定時間内における軸受60の振動波形データの実効値を更新する。後述するように、記憶部130に格納された一定時間内における軸受60の振動波形データの実効値が読み出され、その読み出された実効値を用いて軸受60の異常が診断される。
評価値演算部140は、一定時間内における軸受60の振動波形データの実効値を記憶部130から読み出すと、読み出した一定時間内における振動波形データの実効値を特徴付ける評価値を演算する。評価値演算部140は、評価値を時間的に連続して演算するように構成される。すなわち、評価値演算部140は、所定の時間間隔で、評価値を更新する。評価値演算部140における評価値の演算の詳細については後述する。
閾値設定部160は、診断部150において軸受60の異常の有無を診断するために用いられる閾値を設定する。閾値設定部160は、設定された閾値を診断部150へ出力する。閾値設定部160における閾値の設定の詳細については後述する。
診断部150は、評価値を評価値演算部140から受け、閾値を閾値設定部160から受ける。診断部150は、評価値と閾値とを比較することにより、軸受60の異常を診断する。具体的には、評価値が閾値より大きい場合、診断部150は軸受60が異常であると診断する。一方、評価値が閾値以下である場合、診断部150は軸受60が正常であると診断する。
以下、図3から図5を参照して、評価値演算部140における評価値の演算について説明する。
図3は、記憶部130に格納される軸受60の振動波形データの実効値の時間的変化を示した図である。図3は、主軸20の回転速度が低い場合(たとえば、100rpm以下)における軸受60の振動波形データの実効値の時間的変化の一例を示している。
図3では、ある時刻tにて、軸受60を異常品から新品に交換する場合を想定している。すなわち、時刻tよりも前の期間は、軸受60に異常が発生している異常発生期間を示し、時刻tよりも後の期間は、軸受60が正常な状態である正常期間を示している。
図3に示されるように、異常発生期間における振動波形データの実効値、および正常期間における振動波形データの実効値はいずれも大きく変化している。主軸20の回転速度が低い場合には、軸受60の振動が小さくなる。そのため、振動センサ70から出力される振動波形データは、ノイズの影響が顕著となり、大きく変化する。
ここで、図3に示される振動波形データの実効値の時間的変化に基づいて、軸受60の異常の有無を診断するための閾値を設定することを試みる。
図3に示されるように、異常発生期間における振動波形データの実効値の全てを下回るように閾値を設定すると、正常期間における振動波形データの実効値の大部分が閾値を超えてしまう。その結果、軸受60が正常な状態であるにも拘わらす、軸受60が異常であると誤って診断されることになる。
そこで、本実施の形態では、一定時間内における振動波形データの実効値を特徴付ける評価値を演算し、その演算された評価値を用いて軸受60の異常を診断するものとする。評価値は、一定時間内における振動波形データの実効値を統計処理することによって演算することができる。上記統計処理としては、たとえば移動平均化処理を用いることができる。
図4は、一定期間内における振動波形データの実効値の移動平均値の時間的変化を示した図である。図4は、図3に示した振動波形データの実効値の時間的変化に対して移動平均化処理を施したものである。なお、移動平均化処理では、一定時間を実効値24個分に相当する時間とし、24個分の実効値の単純移動平均値を演算している。
図4に示される移動平均値の時間的変化と、図3に示される振動波形データの実効値の時間的変化とを比較すると、移動平均値は実効値に比べて変化の大きさが小さくなっていることから、ノイズの影響が低減されていることが分かる。
ここで、図3と同様に、図4に示される移動平均値の時間的変化に基づいて、軸受60の異常の有無を診断するための閾値を設定することを試みる。
図4に示されるように、異常発生期間における移動平均値の全てを下回るように閾値を設定すると、正常期間における移動平均値の一部に閾値を超えるものが現れる。その結果、図3と同様に、軸受60が正常な状態であるにも拘わらす、軸受60が異常であると誤って診断されることになる。
ここで、移動平均値の変化の大きさを更に小さくするためには、移動平均化処理において、一定期間の長さを実効値24個分の長さよりもさらに長くすることが考えられる。しかしながら、一定時間の長さを長くすると、ノイズの影響を低減することができる一方で、軸受60の振動の大きさの変化も鈍らせてしまうことになる。その結果、異常が発生したときの軸受60の振動の変化を捉えることが困難となり、正確な軸受60の異常診断ができなくなる可能性がある。
そこで、評価値演算部140では、一定時間内における振動波形データの実効値を特徴付ける評価値として、当該一定時間内における振動波形データの最低値を演算する。
図5は、評価値演算部140によって演算された、一定時間内における振動波形データの実効値の最低値の時間的変化を示した図である。図5では、図3に示した振動波形データの実効値の時間的変化に対して、一定時間内における実効値の最低値を時間的に連続して演算している。なお、図5では、一定時間を、図4の移動平均値を算出したときの一定時間と同じ長さ(すなわち、実効値24個分の長さ)に設定している。
図5に示される最低値の時間的変化と、図4に示される移動平均値の時間的変化とを比較すると、最低値は、移動平均値に比べて変化の大きさが小さくなっている。特に、正常期間においてその傾向が顕著であることから、ノイズの影響がより一層低減されていることが分かる。
軸受60の振動波形データの実効値は、本来の軸受60の振動の大きさに対してノイズの大きさが上乗せされた状態となっている。これによれば、一定時間内における振動波形データの実効値の最低値は、当該一定時間内における振動波形データの実効値の中でも最もノイズの影響が小さいものであると解することができる。したがって、この最低値を評価値とすることで、軸受60の振動が小さい場合であっても、軸受60の振動波形データの実効値へのノイズの影響を効果的に低減することができる。その結果、より正確な異常診断を実現することが可能となる。
図2に戻って、閾値設定部160は、評価値演算部140によって演算された一定時間内における振動波形データの実効値の最低値の時間的変化に基づいて、閾値を設定する。図5の例では、異常発生期間における最低値の時間的変化の推移よりも小さく、かつ、正常期間における最低値の時間的変化の推移よりも大きい値に閾値を設定することができる。これは、一定時間内における振動波形データの実効値の最低値と閾値とを比較することによって、軸受60の異常の有無を診断できることを表わしている。
具体的には、閾値設定部160は、図5に示されるような、異常発生期間および正常期間の各々における最低値の時間的変化が取得されると、異常発生期間における最低値の時間的変化から所定数の最低値を抽出し、その抽出された所定数の最低値の平均値を演算する。閾値設定部160は、また、正常期間における最低値の時間的変化から所定数の最低値を抽出し、その抽出された所定数の最低値の平均値を演算する。閾値設定部160は、正常期間における平均値と異常発生期間における平均値との比を算出し、この算出された比よりも小さい値に係数を設定する。そして、設定した係数と正常期間における平均値とを掛け算することにより、閾値を演算する。
図6は、実施の形態1に係る状態監視システムにおける軸受60の異常を診断するための制御処理を説明するフローチャートである。図6に示される制御処理は、データ処理装置80により、所定の時間間隔で繰り返し実行される。
図6を参照して、データ処理装置80は、ステップS01により、軸受60の振動波形データを振動センサ70から受ける。データ処理装置80は、ステップS02により、風力発電装置10において所定の運転状態が成立しているか否かを判定する。所定の運転状態とは、風力発電装置10が定格運転しているときの運転状態であり、定格運転時における主軸20ならびに増速機40および発電機50の回転軸の回転速度、発電量、発電機50の回転軸のトルク、風向および風速などを含んでいる。
風力発電装置10において所定の運転状態が成立していない場合(S02のNO判定時)、以降の処理S03〜S09がスキップされる。一方、風力発電装置10において所定の運転状態が成立している場合(S02のYES判定時)、LPF110は、軸受60の振動波形データに対してフィルタ処理を実行する。
次に、ステップS04により、フィルタ処理が施された軸受60の振動波形データをLPF110から受けると、実効値演算部120は、軸受60の振動波形データの実効値を算出する。記憶部130は、ステップS05により、実効値演算部120によって算出された振動波形データの実効値を格納する。
評価値演算部140は、ステップS06により、記憶部130に格納されている振動波形データの実効値のデータ数が規定個数を満たしているか否かを判定する。ステップS06において、規定個数は、一定時間内において時間的に連続する振動波形データの実効値の個数に値する。記憶部130に格納されている振動波形データの実効値のデータ数が規定個数に満たない場合(S06のNO判定時)、以降の処理S06〜S09はスキップされる。
一方、格納されている振動波形データの実効値のデータ数が規定個数を満たしている場合(S05のYES判定時)、評価値演算部140は、ステップS07に進み、記憶部130に格納される規定個数の振動波形データの実効値を読み出し、読み出された規定個数の振動波形データの実効値の最低値を演算する。評価値演算部140は、演算された最低値を診断部150へ出力する。
診断部150は、ステップS08により、ステップS07で演算された最低値と閾値とを比較する。最低値が閾値以下である場合(S08のNO判定時)、診断部150は、軸受60が正常であると診断して、以降の処理S09をスキップする。一方、ステップS07で演算した最低値が閾値よりも大きい場合(S08のYES判定時)、診断部150は、ステップS09により、軸受60が異常であると診断する。
以上のように、実施の形態1によれば、一定時間内における軸受60の振動波形データの実効値を特徴付ける評価値として、当該一定時間内における振動波形データの実効値の最低値を用いることにより、主軸20の回転速度が低く、振動波形データの実効値が小さい場合であっても、ノイズの影響が低減された評価値を得ることができる。これにより、評価値を用いて正常な軸受60の異常診断を実現することができる。
なお、上述の実施の形態1では、評価値と閾値とを比較することにより軸受60の異常を診断する構成について説明したが、評価値を用いた軸受60の異常診断は上記構成に限定されない。実施の形態2および3では、評価値を用いた異常診断の他の構成例について説明する。
[実施の形態2]
図7は、実施の形態2に係る状態監視システムにおける軸受60の異常を診断するための制御処理を説明するフローチャートである。図7に示される制御処理は、データ処理装置80により、所定の時間間隔で繰り返し実行される。
図7を図6と比較して、実施の形態2に係る状態監視システムでは、図6と同様のステップS01〜S07の処理後に、ステップS08に代えて、ステップS08Aを実行する。
すなわち、ステップS07により、評価値演算部140が、記憶部130から読み出された規定個数の振動波形データの実効値の最低値を演算すると、診断部150は、ステップS08Aにより、最低値の時間的変化率、すなわち単位時間内の変化量に基づいて、軸受60の異常の有無を診断する。
具体的には、評価値演算部140は、ステップS07で算出された最低値と、この最低値の1つ前に算出された最低値との差に基づいて、最低値の時間的変化率を演算する。そして、評価値演算部140は、演算された最低値の時間的変化率と閾値とを比較する。最低値の時間的変化率が閾値以下である場合(S08AのNO判定時)、診断部150は、軸受60が正常であると診断して、以降の処理S09をスキップする。一方、最低値の時間的変化率が閾値よりも大きい場合(S08AのYES判定時)、診断部150は、ステップS09により、軸受60が異常であると診断する。
以上のように、実施の形態2によれば、一定時間内における軸受60の振動波形データの実効値を特徴付ける評価値として、当該一定時間内における振動波形データの実効値の最低値を用いて軸受60の異常を診断する。したがって、実施の形態2においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、図7のステップS08Aにおいて用いられる閾値は、閾値設定部160において、正常期間における最低値の時間的変化率よりも大きく、かつ、異常発生期間における最低値の時間的変化率よりも小さい値に設定することができる。
具体的には、閾値設定部160は、異常発生期間における最低値の時間的変化率の大きさの平均値を演算するとともに、正常期間における最低値の時間的変化率の大きさの平均値を演算する。そして、閾値設定部160は、正常期間における最低値の時間的変化率の大きさの平均値と異常発生期間における最低値の時間的変化率の大きさの平均値との比を算出し、この算出された比よりも小さい値に係数を設定する。閾値設定部160は、設定した係数と正常期間における最低値の時間的変化率の大きさの平均値とを掛け算することにより、閾値を演算する。
[実施の形態3]
図8は、実施の形態3に係る状態監視システムにおける軸受60の異常を診断するための制御処理を説明するフローチャートである。図8に示される制御処理は、データ処理装置80により、所定の時間間隔で繰り返し実行される。
図8を図6と比較して、実施の形態3に係る状態監視システムでは、図6と同様のステップS01〜S07の処理後に、ステップS08に代えて、ステップS08Bを実行する。
すなわち、ステップS07により、評価値演算部140が、記憶部130から読み出された規定個数の振動波形データの実効値の最低値を演算すると、診断部150は、ステップS08Bにより、最低値の大きさおよび時間的変化率に基づいて、軸受60の異常の有無を診断する。
具体的には、診断部150は、ステップS07で演算された最低値と第1閾値とを比較する。最低値が第1閾値以下である場合(S08BのNO判定時)、診断部150は、軸受60が正常であると診断して、以降の処理S09をスキップする。一方、ステップS07で演算された最低値が第1閾値よりも大きい場合、診断部150は、さらに、最低値の時間的変化率と第2閾値とを比較する。最低値の時間的変化率が第2閾値以下である場合(S08AのNO判定時)、診断部150は、軸受60が正常であると診断して、以降の処理S09をスキップする。一方、最低値の時間的変化率が第2閾値よりも大きい場合(S08BのYES判定時)、診断部150は、ステップS09により、軸受60が異常であると診断する。
すなわち、実施の形態3に係る異常診断においては、一定時間内における振動波形データの実効値の最低値が第1閾値よりも大きく、かつ、当該最低値の時間的変化率が第2閾値よりも大きい場合に、軸受60が異常であると診断される。このようにすると、最低値の時間的変化率が第2閾値よりも大きくなった場合であっても、最低値の大きさが第1閾値以下であるときには、軸受60の振動の大きさが小さいためにノイズの影響度が大きくなっているものと判断することができる。このような場合には、軸受60が正常であると診断することにより、振動波形データに重畳するノイズの影響が適切に排除された評価値に基づいて軸受60の異常を診断することができる。したがって、実施の形態3においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、図8のステップS08Bにて用いられる第1閾値は、実施の形態1で説明したように、異常発生期間における最低値の時間的変化の推移よりも小さく、かつ、正常期間における最低値の時間的変化の推移よりも大きい値に設定することができる。また、第2閾値は、実施の形態2で説明したように、正常期間における最低値の時間的変化率よりも大きく、かつ、異常発生期間における最低値の時間的変化率よりも小さい値に設定することができる。
なお、上記の各実施の形態においては、風力発電装置10を構成する機械要素の1つである軸受60に振動センサ70を設置して、軸受60の異常を診断するものとしたが、診断対象となる機械要素は軸受60に限定されない点について確認的に記載する。たとえば、軸受60とともに、または軸受60に代えて、増幅器40内または発電機50内に設けられる軸受に振動センサを設置し、上記の各実施の形態と同様の手法によって、増幅器40内または発電機50内に設けられる軸受の異常を診断することができる。
また、上記の各実施の形態において、データ処理装置80は、この発明における「処理装置」の一実施例に対応し、記憶部130、評価値演算部140、診断部150および閾値設定部160は、この発明における「記憶部」、「評価値演算部」、「診断部」および「設定部」の一実施例に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 風力発電装置、20 主軸、30 ブレード、40 増速機、50 発電機、60 軸受、70 振動センサ、80 データ処理装置、90 ナセル、100 タワー、110 LPF、120 実効値演算部、130 記憶部、140 評価値演算部、150 診断部、160 閾値設定部。

Claims (5)

  1. 装置を構成する機械要素の状態を監視する状態監視システムであって、
    前記機械要素の振動波形を計測するための振動センサと、
    前記機械要素の異常を診断するための処理装置とを備え、
    前記処理装置は、
    一定時間内に前記振動センサから出力される振動波形データの実効値を特徴付ける評価値を、時間的に連続して演算する評価値演算部と、
    前記評価値の時間的変化の推移に基づいて前記機械要素の異常を診断する診断部とを含み、
    前記評価値演算部は、前記評価値として、前記一定時間内における前記振動波形データの実効値の最低値を演算する、状態監視システム。
  2. 前記診断部は、前記評価値が閾値を超えたときに、前記機械要素の異常と診断するように構成され、
    前記処理装置は、前記閾値を設定する設定部をさらに含み、
    前記設定部は、前記閾値を、前記機械要素が正常であるときの前記最低値の時間的変化の推移よりも小さく、かつ、前記機械要素が異常であるときの前記最低値の時間的変化の推移よりも大きい値に設定する、請求項1に記載の状態監視システム。
  3. 前記診断部は、前記評価値の時間的変化率が閾値を超えたときに、前記機械要素の異常と診断するように構成され、
    前記設定部は、前記閾値を、前記機械要素が正常であるときの前記最低値の時間的変化率よりも大きく、かつ、前記機械要素が異常であるときの前記最低値の時間的変化率よりも小さい値に設定する、請求項1に記載の状態監視システム。
  4. 前記診断部は、前記評価値が第1閾値を超え、かつ、前記評価値の時間的変化率が第2閾値を超えたときに、前記機械要素の異常と診断するように構成され、
    前記設定部は、前記第1閾値を、前記機械要素が正常であるときの前記最低値の時間的推移よりも小さく、かつ、前記機械要素が異常であるときの前記最低値の時間的推移よりも大きい値に設定し、
    前記設定部は、さらに、前記第2閾値を、前記機械要素が正常であるときの前記最低値の時間的変化率よりも大きく、かつ、前記機械要素が異常であるときの前記最低値の時間的変化率よりも小さい値に設定する、請求項1に記載の状態監視システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の状態監視システムを備える、風力発電装置。
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