JP2003050157A - 軸受診断装置 - Google Patents

軸受診断装置

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JP2003050157A
JP2003050157A JP2001238587A JP2001238587A JP2003050157A JP 2003050157 A JP2003050157 A JP 2003050157A JP 2001238587 A JP2001238587 A JP 2001238587A JP 2001238587 A JP2001238587 A JP 2001238587A JP 2003050157 A JP2003050157 A JP 2003050157A
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JP
Japan
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bearing
value
vibration
frequency band
diagnostic device
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Application number
JP2001238587A
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English (en)
Inventor
Shingo Masukata
伸吾 益形
Hiroyuki Nishida
博幸 西田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小な損傷状態の診断が可能であり、また、
外部ノイズ発生時においても診断可能であるように、軸
受診断装置の診断精度を向上させる。 【解決手段】 回転中の軸受1の振動を電気信号として
検出する振動検出手段2、検出された電気信号を増幅器
3で増幅し、A/D変換器4でA/D変換した後、周波
数帯域ごとの時系列信号に変換するウエブレット変換演
算器、変換された周波数帯域ごとの時系列信号の最大値
及び平均実効値を抽出する最大値演算器10及び平均実
効値演算器6、最大値及び平均実効値それぞれを、該最
大値及び平均実効値それぞれに対して予め設定された判
定値と比較する比較器7,11、周波数帯域ごとの時系
列信号に含まれる周波数成分の周期を求める高速フーリ
エ変換演算器16、周波数成分の周期を、周波数成分の
周期に対して予め設定された判定値と比較する比較器1
8を備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエレベータ
の巻上機等のように回転軸を有する各種機器や設備に使
用されている軸受の剥離、割れあるいは内部傷等の損傷
の状態を診断する軸受診断装置に関し、特に診断精度を
向上させることができる軸受診断装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図8は、本発明者等の先の出願である特
願2000−204168に記載された軸受診断装置を
示す構成図である。図において、1は軸受であり、内輪
1a、外輪1b及び転動体1cを有する。2は振動検出
器であり、軸受1を収納する軸受箱の表面に取付け、軸
受1から発生する振動(加速度)を電気信号に変換す
る。3は振動検出器2で変換された電気信号を増幅する
増幅器、4は増幅器3で増幅されたアナログ信号をデジ
タル信号に変換するA/D変換器である。5はウェーブ
レット変換(Wavelet Transform)演
算器であり、基底関数(ウェーブレット関数)を拡大あ
るいは縮小することにより、A/D変換器4から出力さ
れるデジタル信号を各周波数帯域ごとに分解された時系
列信号に変換する。
【0003】6はウェーブレット変換演算器5より出力
された時系列信号の振幅から平均実効値を抽出する平均
実効値演算器、15は診断対象の軸受の型式、使用年数
を外部から入力するパラメータ設定器である。8は判定
値格納器であり、平均実効値演算器6より出力された平
均実効値に対する判定基準値を格納しており、パラメー
タ設定器15から入力する軸受の型式に対応した判定基
準値を出力する。9は補正器であり、パラメータ設定器
15から入力する軸受の使用年数に応じて判定基準値を
補正し、この補正した値を判定値として出力する。7は
比較器であり、診断中の軸受の平均実効値と判定値とを
比較する。比較器7、判定値格納器8及び補正器9は、
周波数帯域ごとに設置している平均実効値演算器6それ
ぞれに対応して設けられている。
【0004】10はウェーブレット変換演算器5より出
力される時系列信号から最大値を抽出する最大値演算器
である。12は判定値格納器であり、パラメータ設定器
15から入力する軸受の型式に対応した判定基準値を出
力する。13は補正器であり、パラメータ設定器15よ
り入力された軸受の使用年数に応じて最大値に対する判
定基準値を補正し、この補正した値を判定値として出力
する。11は比較器であり、診断中の軸受の最大値と判
定値とを比較する。比較器11、判定値格納器12及び
補正器13は、周波数帯域ごとに設置している最大値演
算器10それぞれに対応して設けられている。14は警
報器であり、周波数帯域ごとに設けられた比較器7及び
比較器11から出力される比較結果に基づいて警報を出
力する。
【0005】次に、図8を参照して軸受診断時における
動作及び流れについて説明する。パラメータ設定器15
から診断する軸受の型式、使用年数を入力する。判定基
準値の設定時と同様、軸受1を収納した軸受箱の表面に
振動検出器2を取付ける。軸受箱表面に発生する振動は
振動検出器2で電気信号に変換され、この変換された電
気信号は増幅器3で増幅され適当な利得が得られる。A
/D変換器4で増幅器3から出力されたアナログ信号が
デジタル信号に変換され、デジタル信号はウェーブレッ
ト変換演算器5により、各周波数帯域ごとの時系列信号
に分離される。分離されて得られた時系列信号は、周波
数帯域ごとに設置している平均実効値演算器6及び最大
値演算器10へ出力される。
【0006】平均実効値演算器6では、時系列信号の平
均実効値が演算されて演算結果は比較器7へ出力され、
最大値演算器10では、時系列信号の最大値が演算され
て演算結果は比較器11へ出力される。
【0007】比較器7では、演算で得られた平均実効値
と判定値とが比較される。判定値は、診断する軸受の型
式に応じて判定値格納器8から選択された判定基準値
に、補正器9で使用年数から求められる所定の係数が乗
じられて補正された値である。異常の判定は、平均実効
値を予め設定された判定値と照合して、所定の関係に収
まっていれば正常であることが警報器14に出力され、
所定の関係に収まっていなければ異常として警報器14
に出力されて警報器14より警報が発せられる。
【0008】比較器11では、演算で得られた最大値と
判定値とが比較される。判定値は、診断する軸受の型式
に応じて判定値格納器12から選択された判定基準値
に、補正器13で使用年数から求められる所定の係数が
乗じられて補正された値である。異常の判定は、最大値
と予め設定された判定値とを照合して、所定の関係に収
まっていれば正常であることが警報器14に出力され、
所定の関係に収まっていなければ異常として警報器14
に出力されて警報器14より警報が発せられる。
【0009】以上の診断において、平均実効値と最大値
を求めるのは、軸受全周にわたる損傷であるか局部の損
傷であるかなどといった損傷の形態を判断する、あるい
は損傷発生の位置を特定する、あるいは外部振動やノイ
ズなどの影響を除くなどのためである。
【0010】軸受の損傷を大別すれば、内輪1a及び外
輪1bにおける転動体1cの軌道面、転動体1c面の全
周にわたる損傷と、各面の局部における損傷に分けるこ
とができる。図9は正常な軸受の振動波形の一例を示
し、図10は面の全周にわたる損傷が発生した場合の軸
受の振動波形の一例を示し、図11は面の局部に損傷が
発生した場合の軸受の振動波形の一例を示している。
【0011】まず、面の全周にわたる損傷における振動
波形について説明する。この損傷の代表例として摩耗や
電食がある。振動波形は、正常な軸受けの振動波形と同
じランダムな性質を持ち、全時間を通じて振幅だけが大
きくなる。従って、平均実効値による判定が有効であ
る。
【0012】面における円周局部の損傷の場合の振動波
形は、回転により局部の損傷が他の箇所と接触する瞬間
に大きな振動を生じるため、等間隔のパルスを持つ波形
になる。このような場合、ピークの振幅は大きいがピー
クの持続時間が短いため、時間に対して平均するとピー
クの有無による振幅の差がほとんどなくなり、平均実効
値では適切な判定ができない。従って、ピークの大きさ
を評価する最大値が有効である。
【0013】また、最大値が判定値を超えている場合に
は、パルス波形の周期を検出することによって軸受にお
ける損傷発生位置を特定することができる。軸受の型式
ごとに寸法諸元から軸受の特性周波数、パルス波形の周
期と損傷発生箇所との相関関係を求めておき、検出した
パルスの周期と照合することによって、損傷発生位置を
特定することができる。
【0014】また、軸受1の内輪1a及び外輪1bの軌
道面に垂直な方向(ラジアル方向)の荷重を加えること
によって、軸受の損傷により発生する振動が顕著にな
り、微小な損傷の場合にも判定精度を向上させることが
できる。すなわち、転動体1cが荷重方向の真下に来た
場合には1つの転動体1cで荷重を受け、転動体1cが
荷重方向の真下からはずれた場合には2つの転動体1c
で荷重を受けるため転動体1cに加わる力がこの2つの
場合で異なり、軸受1が支持する回転軸が回転すると転
動体1cが荷重方向を通過する周期の振動(転動体通過
振動という)が発生する。この転動体通過振動は荷重が
大きくなることによって増幅されるので、上記のように
微小な損傷の場合にも判定精度を向上させることができ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、図8に
示された軸受け診断装置は、周波数帯域ごとの時系列信
号から最大値を検出し、最大値が発生するパルスの周期
から、軸受けの損傷発生位置を特定しようとしている
が、発生するパルスと同じ周波数帯域に外部ノイズ等が
発生している場合、損傷発生位置を検出できないばかり
か、外部ノイズレベルが大きい場合は損傷そのものの検
出が困難になるという問題があった。
【0016】また、ラジアル方向の荷重を加えることに
より、微少な損傷を検出しょうとしているが、ラジアル
方向の荷重を加えられないような場合があるという問題
があった。軸受けに損傷が発生した場合、交換すべき大
きさの損傷になるまでの期間が短いため、微小な損傷に
より発生する微少な振動の変化を検出できない場合、交
換部品の準備が整わない短期間の内に軸受けが使用でき
ない状態となり、軸受け設備の運用に支障をきたすこと
になる。
【0017】この発明は、上記のような問題を解決する
ためになされたものであり、軸受け箱から発生する振動
により、軸受に生じた損傷を検出し、損傷が発生した場
合には、損傷発生箇所の特定まで行う診断装置に対し、
さらに微小な損傷状態や外部ノイズ発生時においても診
断可能なよう、診断装置の診断精度を向上させることを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る軸受診断装
置は、回転中の軸受の振動を電気信号として検出する振
動検出手段、該振動検出手段によって検出された電気信
号を周波数帯域ごとの時系列信号に変換する変換手段、
該変換手段によって変換された周波数帯域ごとの時系列
信号の最大値及び平均実効値を抽出する最大値抽出手段
及び平均実効値抽出手段、上記最大値及び平均実効値そ
れぞれを、該最大値及び平均実効値それぞれに対して予
め設定された判定値と比較する第1及び第2の比較手
段、上記周波数帯域ごとの時系列信号に含まれ外部ノイ
ズをフィルタリングし、該時系列信号中の軸受の振動に
よる信号の周期を求める周期検出手段、該周期検出手段
で求めた周期を、該周期に対して予め設定された判定値
と比較する第3の比較手段を備え、上記第1、第2及び
第3の比較器から出力される結果に基づき上記軸受の損
傷状態を診断するものである。
【0019】また、周期検出手段は、周波数帯域ごとの
時系列信号を高速フーリエ変換する高速フーリエ変換手
段であるものである。
【0020】また、周期検出手段は、周波数帯域ごとの
時系列信号をウェーブレット変換するウェーブレット変
換手段であるものである。
【0021】また、周期検出手段は、周波数帯域ごとの
時系列信号をウィグナー分布関数変換するウィグナー分
布関数変換手段であるものである。
【0022】また、変換手段は、振動検出器によって検
出された電気信号をウェーブレット変換するウェーブレ
ット変換手段であるものである。
【0023】また、変換手段は、振動検出器によって検
出された電気信号を短時間高速フーリエ変換する短時間
高速フーリエ変換手段であるものである。
【0024】また、変換手段は、振動検出器によって検
出された電気信号をウィグナー分布関数変換するウィグ
ナー分布関数変換手段であるものである。
【0025】また、変換手段は、振動検出器によって検
出された電気信号の所定の周波数帯域の周波数成分それ
ぞれを通過させる複数の帯域フィルタで構成されている
ものである。
【0026】また、軸受の型式及び使用年数を入力する
入力手段を備え、該入力手段によって入力された軸受の
型式及び使用年数により、第1の比較手段及び第2の比
較手段に入力される判定値が補正されるものである。
【0027】また、判定値は、正常な軸受を用いて該軸
受の振動を振動検出手段により電気信号として検出し、
該電気信号を変換手段により周波数帯域ごとの時系列信
号に変換し、該周波数帯域ごとの時系列信号から最大値
抽出手段及び平均実効値抽出手段により抽出された最大
値及び平均実効値に基づき設定されているものである。
【0028】また、判定値は、損傷を有する軸受を用い
て該軸受の振動を振動検出手段により電気信号として検
出し、該電気信号を変換手段により周波数帯域ごとの時
系列信号に変換し、該周波数帯域ごとの時系列信号から
最大値抽出手段及び平均実効値抽出手段により抽出され
た最大値及び平均実効値に基づき設定されているもので
ある。
【0029】また、時系列信号の周波数成分の周期に基
づき、軸受の損傷位置を特定する損傷位置特定手段を備
えたものである。
【0030】また、平均実効値に対して予め設定された
判定値は、軸受の寿命を判定する平均実効値レベルで設
定されているものである。
【0031】また、回転中の軸受に、該軸受のラジアル
方向の荷重を加え、上記軸受から発生する振動を増幅す
るものである。
【0032】また、回転中の軸受に、該軸受のアキシャ
ル方向の荷重を加え、上記軸受から発生する振動を増幅
するものである。
【0033】また、回転中の軸受の軸心を、該軸受のア
キシャル方向にずらすことによって、上記軸受から発生
する振動を増幅するものである。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図に基づいて説明する。 実施の形態1.図1は、軸受診断装置の構成を示す構成
図である。図において、1は軸受であり、1aは内輪、
1bは外輪、1cは転動体である。2は振動検出器(振
動検出手段)であり、軸受1を収納する軸受箱の表面に
取付け、軸受1から発生する振動(加速度)を電気信号
として検出する。3は振動検出器2で検出された電気信
号を増幅する増幅器、4は増幅器3で増幅されたアナロ
グ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器である。
5はウェーブレット変換(Wavelet Trans
form)演算器(変換手段)であり、基底関数(ウェ
ーブレット関数)を拡大あるいは縮小することにより、
A/D変換器4から出力されるデジタル信号を各周波数
帯域ごとに分解された時系列信号に変換する。
【0035】6はウェーブレット変換演算器5より出力
された時系列信号の振幅から平均実効値を抽出する平均
実効値演算器(平均実効値抽出手段)、15は診断対象
の軸受1の型式、使用年数を外部から入力するパラメー
タ設定器(パラメータ入力手段)である。8は判定値格
納器であり、平均実効値演算器6より出力された平均実
効値に対する判定基準値を格納しており、パラメータ設
定器15から入力した軸受の型式に対応する判定基準値
を出力する。9は補正器であり、パラメータ設定器15
から入力する軸受の使用年数に応じて判定基準値を補正
し、この補正した値を判定値として出力する。7は比較
器(第1の比較手段)であり、診断中の軸受から検出さ
れた平均実効値と判定値とを比較する。比較器7、判定
値格納器8及び補正器9は、周波数帯域ごとに設置して
いる平均実効値演算器6それぞれに対応して設けられて
いる。
【0036】10はウェーブレット変換演算器5より出
力される時系列信号から最大値を抽出する最大値演算器
(最大値抽出手段)である。12は判定値格納器であ
り、パラメータ設定器15から入力する軸受の型式に対
応した判定基準値を出力する。13は補正器であり、パ
ラメータ設定器15より入力された軸受の使用年数に応
じて最大値に対する判定基準値を補正し、この補正した
値を判定値として出力する。11は比較器(第2の比較
手段)であり、診断中の軸受の最大値と判定値とを比較
する。比較器11、判定値格納器12及び補正器13
は、周波数帯域ごとに設置している最大値演算器10そ
れぞれに対応して設けられている。
【0037】16は時系列信号に含まれる外部ノイズを
フィルタリングし、時系列信号中の軸受の振動による信
号の周期性を検出する周期検出手段として機能する高速
フーリエ変換演算器(高速フーリエ変換手段)であり、
ウェーブレット変換演算器5によって分解された周波数
帯域ごとの時系列信号を実効値処理した後、高速フーリ
エ変換して、時系列信号に含まれる軸受の振動による信
号の周期を検出する。17は判定値格納器であり、各型
式の軸受1における種々の箇所の損傷により発生する時
系列信号の周期性に対する判定値を格納しており、パラ
メータ設定器15から入力する軸受の型式に対応した判
定値を出力する。18は比較器であり、高速フーリエ変
換演算器16によって検出された各周波数帯ごとの時系
列信号の周期と判定値とを比較し、損傷位置を特定する
結果を図示していない損傷位置特定手段に出力する。
【0038】14は警報器であり、周波数帯域ごとに設
けられた比較器7、比較器11及び比較器18から出力
される比較結果に基づいて警報を出力する。
【0039】次に、図1を参照して軸受診断時における
動作及び流れについて説明する。まず、パラメータ設定
器15から診断する軸受の型式、使用年数を入力する。
次に、軸受1を収納した軸受箱の表面に振動検出器2を
取付ける。軸受箱表面に発生する振動は振動検出器2で
電気信号に変換され、この変換された電気信号は増幅器
3で増幅され適当な利得が得られる。増幅器3から出力
されたアナログ信号がA/D変換器4でデジタル信号に
変換され、デジタル信号はウェーブレット変換演算器
(変換器)5により、各周波数帯域ごとの時系列信号に
分離される。分離されて得られた時系列信号は、周波数
帯域ごとに設置している平均実効値演算器(実効値抽出
手段)6、最大値演算器(最大値抽出手段)10及び高
速フーリエ変換演算器(周期検出手段)16へ出力され
る。
【0040】平均実効値演算器6では、時系列信号の振
幅の平均実効値が演算されて演算結果は比較器7へ出力
される。最大値演算器10では、時系列信号の最大値が
演算されて演算結果は比較器11へ出力される。
【0041】比較器7では、演算で得られた平均実効値
と判定値とが比較される。判定値は、判定値格納器8か
ら診断する軸受の型式に応じて選択された判定基準値
に、使用年数から求められる所定の係数が補正器9で乗
じられて比較器に出力される。比較の結果、平均実効値
と判定値との関係が予め設定された所定の関係に収まっ
ていれば正常であることが警報器14に出力され、所定
の関係に収まっていなければ異常として警報器14に出
力されて警報器14より警報が発せられる。
【0042】比較器11では、最大値演算器10で得ら
れた最大値が判定値と比較される。判定値は、判定値格
納器12から診断する軸受の型式に応じて選択された判
定基準値に、使用年数から求められる所定の係数が補正
器13で乗じられて出力される。最大値と判定値との関
係が予め設定された所定の関係にに収まっていれば正常
であることが警報器14に出力され、所定の関係に収ま
っていなければ異常として警報器14に出力されて警報
器14より警報が発せられる。
【0043】高速フーリエ変換演算器16では、各周波
数帯に分離された時系列信号に対し図2に示すように、
原波形(a)を実効値(b)とする実効値処理を行い、
その信号を高速フーリエ変換することにより時系列信号
に含まれる外部ノイズを除去して軸受の振動による信号
の周期を検出し、比較器18へ出力する。
【0044】比較器18では、高速フーリエ変換演算器
16によって検出された周期の検出値と、判定値格納器
17に格納されている診断中の軸受1の型式に応じて出
力された判定値とを比較し、微小な損傷があれば異常と
して警報器14より警報が発られ、また、損傷位置特定
手段への出力結果を参照することによって損傷発生箇所
が特定される。
【0045】ここで、各周波数帯に分離された時系列信
号から、その時系列信号に含まれる軸受振動による信号
の周期を検出する理由を説明する。
【0046】軸受1の損傷発生位置を特定するために
は、各周波数帯に分離された時系列信号に含まれる軸受
振動による信号の周期を測定すれば、軸受の寸法諸元と
回転数の条件から軸受の損傷発生位置を求めることがで
きる。
【0047】このとき、時系列信号に外部ノイズ等が含
まれている場合、軸受振動による信号の周期が外部ノイ
ズに埋もれてしまい、このままでは周期を求めることが
できない。そこで、高速フーリエ変換を行うのである
が、この高速フーリエ変換に先立ち、時系列信号に対し
て実効値処理を行う。図3は実効値処理を行った結果の
一例を示す図である。
【0048】次に、実効値処理を行った振動波形に対
し、高速フーリエ変換を行う。図4は、図3に示した波
形について高速フーリエ変換を行った結果を示す図であ
り、同図から振動波形に含まれる周波数成分を知ること
ができる。なお、図において縦軸は振動レベルを示して
いる。
【0049】このように、時系列信号に対して実効値処
理を行い、さらに高速フーリエ変換を行うことによっ
て、外部ノイズがフィルタリングされ、外部ノイズが含
まれた信号の中から、時系列信号に含まれる軸受振動に
よる信号の周期を求めることができる。損傷の発生位置
が異なれば軸受振動による信号の周期が異なることか
ら、この求めた周期から損傷の発生位置を特定すること
ができる。
【0050】実施の形態2.実施の形態1では、外部ノ
イズが含まれた時系列信号の中から、軸受振動による信
号の周期を求めるための周期検出手段として、高速フー
リエ変換手段を用いたが、高速フーリエ変換に代えて、
外部ノイズのフィルタリング機能を有するウェーブレッ
ト変換手段を用いてもよい。
【0051】図5は、周期検出手段としてウェーブレッ
ト変換手段を用いた軸受診断装置の構成を示す構成図で
あり、図において実施の形態1と同一符号は同一部分ま
たは相当部分を示し、その詳細は省略する。
【0052】同図において、19はウェーブレット変換
演算器(ウェーブレット変換手段)であり、ウェーブレ
ット変換演算器5から出力された周波数帯域ごとの時系
列信号を再びウェーブレット変換演算器19でウェーブ
レット変換して比較器18へ出力する。その他の動作は
上記実施の形態1と同様である。
【0053】実施の形態3.実施の形態1では、外部ノ
イズが含まれた時系列信号の中から、軸受振動による信
号の周期を求めるための周期検出手段として、高速フー
リエ変換手段を用いたが、高速フーリエ変換手段に代え
て、外部ノイズのフィルタリング機能を有するウィグナ
ー分布関数変換手段を用いてもよい。
【0054】図6は、周期検出手段としてウィグナー分
布関数変換手段を用いた軸受診断装置の構成を示す構成
図であり、図において実施の形態1と同一符号は同一部
分または相当部分を示し、その詳細は省略する。
【0055】同図において、20はウィグナー分布関数
演算器(ウィグナー分布関数変換手段)であり、ウェー
ブレット変換演算器5から出力された周波数帯域ごとの
時系列信号を再びウィグナー分布関数演算器20でウィ
グナー分布関数変換処理して比較器18へ出力する。そ
の他の動作は上記実施の形態1と同様である。
【0056】なお、上記実施の形態1乃至3において、
変換手段としてウェーブレット変換演算器5、すなわち
ウェーブレット変換手段を用いることによって周波数帯
域ごとの時系列信号の分離特性を向上させることができ
る。
【0057】また、変換手段として振動検出手段によっ
て検出された検出信号を、短時間高速フーリエ変換する
短時間高速フーリエ変換手段をもちいることによって、
周波数の分解能を向上させることができる。
【0058】また、変換手段としてウィグナー分布関数
によって変換を行うウィグナー分布関数変換手段を用い
ることによって時間軸の分解能を向上させることができ
る。
【0059】また、変換手段として振動検出手段によっ
て検出された電気信号の所定の周波数帯域の周波数成分
をそれぞれ通過させる複数の帯域フィルタを用いること
によって、フィルタ特性の変更あるいは診断する周波数
帯域の追加などに柔軟に対応できる。
【0060】実施の形態4.診断のための判定基準値の
設定は、正常な軸受から発生する振動の、周波数帯域ご
との平均実効値、最大値の統計分布を取り、その統計分
布に基づいて判定値を設定することができる。
【0061】判定基準値及び補正値を設定するときの流
れを図1を用いて説明する。図7は、軸受の使用年数と
平均実効値との関係を示す図である。
【0062】軸受1を収納した軸受箱の表面に振動検出
器2を取付ける。軸受1は正常なものを使用する。正常
な軸受1とは、新品、または使用年数経過のものにおい
ては所定の検査によって損傷がないことが確認されたも
のである。軸受1にラジアル方向の負荷がかかり、軸受
箱表面に発生する振動は振動検出器2で電気信号に変換
され、この変換された電気信号は増幅器3で増幅されて
適当な利得が得られる。増幅器3から出力されたアナロ
グ信号がA/D変換器4でデジタル信号に変換され、デ
ジタル信号はウェーブレット変換演算器(変換器)5で
基底関数(ウェーブレット関数)を拡大あるいは縮小す
ることにより、各周波数帯域ごとの時系列信号に分離さ
れる。この際に、測定波形や観測したい現象に合わせ
て、適切な基底関数を選択することにより、周波数の分
離特性や判定の信頼性を向上させることができる。
【0063】ウェーブレット変換演算器5によって各周
波数帯域ごとに分離されて得られた時系列信号は、周波
数帯域ごとに設置している平均実効値演算器(実効値抽
出手段)6及び最大値演算器(最大値抽出手段)10へ
出力される。
【0064】実効値抽出手段6は時系列信号に含まれる
エネルギー成分の分布の平均実効値を演算し、この演算
した平均実効値を判定値格納器8へ出力する。最大値抽
出手段10は時系列信号に含まれるエネルギー成分の分
布の最大値を演算し、この演算値を判定値格納器12へ
出力する。
【0065】この際、パラメータ設定器15により、軸
受箱内に設置した軸受1の型式、使用年数を入力し、軸
受1の型式、使用年数を各判定値格納器8,12へ実効
値抽出手段6、最大値抽出手段10及び周期検出手段1
6で得られた各演算値と合わせて保存しておく。
【0066】以上の流れの処理を、診断対象とする軸受
1の各型式ごとに、複数個の軸受について行う。ここ
で、軸受の各型式ごとに収集するデータ数を増し、デー
タのばらつきと再現性を確認することによって、判定精
度を高めることができる。
【0067】収集データの統計的な処理によって、図4
に示した使用年数と平均実効値レベルの関係を求める。
新品状態の軸受1の平均実効値を判定基準値として、各
型式ごとに判定値格納器8に格納し、また、図4のよう
な使用年数による平均実効値レベルの上昇の度合を補正
値として補正器9に格納する。例えば、ある型式の軸受
の新品状態における平均実効値が1.2であり、同じ型
式の軸受で使用年数が3年の軸受の平均実効値が1.5
であった場合、使用年数が3年の軸受では補正値を1.
5/1.2=1.25として設定し、補正器9に格納す
る。
【0068】実測された平均実効値が異常状態を示すも
のであるかどうかは、判定基準値に補正値を乗じた値
(判定値)と実測された平均実効値とを比較し、実測さ
れた平均実効値が判定値を超えている場合は異常と診断
される。
【0069】最大値についても、平均実効値の場合と同
様に、各型式の軸受ごとに使用年数による数値レベルの
上昇の度合を求めて補正値とし、補正器13に格納す
る。この場合、判定基準値として新品状態の軸受におけ
る最大値に損傷によって増加すると思われるレベルを乗
じた値を用い、判定基準値(新品の軸受の最大値)に対
する使用年数経過後の最大値の比を補正値とする。
【0070】使用初期の軸受に発生した電食などによっ
て生じる面全周の損傷と、経年変化により生じた摩耗に
よる損傷では、振動現象としては同じように現れるため
に振動波形だけの条件から電食によるものか摩耗による
ものかを判別することができないが、使用年数をパラメ
ータとして入力することによって、使用初期における異
常か、経年変化による異常かを判別することができ、軸
受の交換時期を判定するのに役立つ。
【0071】本実施の形態によれば、正常な軸受を用い
て、平均実効値及び最大値に対する、対象物の損傷現象
に即した判定値の設定を容易に行うことができ、診断装
置の操作性を向上させることができる。
【0072】実施の形態5.実施の形態4では、平均実
効値及び最大値の判定基準及び補正値を設定するため
に、正常な軸受を使用してデータ収集を行ったのに対し
て、本実施の形態においては円周局部に損傷を起こした
軸受についてデータ収集を行うものである。
【0073】データ収集は、内輪1a、外輪1b、転動
体1cなどの各部について行う。使用する軸受の損傷の
程度は、異常と判定される程度の損傷である。
【0074】各型式の軸受ごとに、損傷を起こした軸受
と正常な軸受での平均実効値及び最大値の数値レベルの
差を調べ、軸受が軸受が損傷を起こしたときに発生する
平均実効値及び最大値の数値レベルを把握する。そし
て、正常な軸受の数値レベル(判定基準値)に対して、
損傷を起こした軸受の数値レベルが何倍の大きさになっ
ているかを見極め、その倍率を補正値として補正器9,
13に格納する。
【0075】本実施の形態によれば、実際に損傷を起こ
した軸受によるデータから判定値を設定することによっ
て、損傷に対する診断精度を向上することができるとと
もに、損傷の大きさに関するデータをあらかじめ収集
し、判定基準値の倍率として補正器13に格納しておく
ことによって、異常判定された軸受の損傷の大きさを把
握することができる。
【0076】実施の形態6.実施の形態1では、平均実
効値によって軸受の異常を判定している。本実施の形態
は、平均実効値のレベル変化を監視することによって、
使用中の軸受の寿命を予測するものである。
【0077】軸受振動は、経年にしたがって平均実効値
のレベルが上昇する。軸受の使用初期から寿命にいたる
までの平均実効値のレベルをあらかじめ調査しておき、
その調査結果から、寿命前の交換時期における平均実効
値のレベルを設定し、この設定した平均実効値のレベル
を軸受交換の判定値とする。
【0078】このように、軸受交換の判定値となる平均
実効値のレベルを設定することによって、無駄な交換を
なくすことができる。また、交換時期の判断を的確に行
い軸受装置の運用を円滑にすることができる。
【0079】実施の形態7.本実施の形態は、実施の形
態1乃至3の構成において、例えば軸受1が支持する回
転軸の回転周面に垂直方向の荷重を加え、軸受1回転時
に軸受1に対して軸受1のラジアル方向の荷重を加える
ものであり、このようにラジアル方向の荷重を加えるこ
とにより異常軸受の検出精度を向上させることができ
る。
【0080】軸受1に生じる振動成分は、転動体1cの
荷重を受けた箇所が外輪1b、内輪1aを通過すること
により発生する。転動体1cは、転動体1c全周が外輪
1b、内輪1aに常に接触しているわけではなく、転動
体1cのある特定の箇所のみが接触している場合が多
い。このため、転動体1cの一箇所に損傷が発生した場
合、損傷が発生した箇所が外輪1bや内輪1aに接触し
ない限り、損傷による振動成分として現れない。
【0081】このような軸受に対して、段階的にラジア
ル方向の荷重を加えることにより、転動体1cの外輪1
b、内輪1aへの接触箇所が移動し、転動体1cの一箇
所に損傷があるような場合にも、また、その損傷が微小
である場合でも、損傷箇所が外輪1b、内輪1aへ接触
し、損傷による振動を検出することができる。
【0082】実施の形態8.本実施の形態は、軸受にラ
ジアル方向の荷重を加えることができない場合に、実施
の形態4と同様の効果を得るための方法である。この方
法は、実施の形態1乃至3の構成において、軸受1の中
心軸と平行方向の荷重を軸受1または回転軸に荷重を加
えるものである。
【0083】前述のように、転動体1cの一箇所に損傷
が発生した場合、損傷が発生した箇所が外輪1bあるい
は内輪1aに接触しない限り、損傷による振動成分とし
て現れない。
【0084】このような軸受1に対して、軸受1または
回転軸に荷重を加えて回転させることにより、転動体1
cの外輪1b、内輪1aへの接触箇所が移動し、転動体
1cの一箇所に損傷があるような場合にも、また、その
損傷が微小である場合でも、損傷箇所が外輪1b、内輪
1aへ接触し、損傷による振動が増幅されて検出するこ
とができる。
【0085】また、軸受回転時に軸受1にアキシャル方
向の荷重を加えて軸受1の軸心をずらすようにしても、
損傷による振動が増幅されるので、異常軸受の検出精度
が向上される。
【0086】本実施の形態は、軸受1のラジアル方向の
荷重を加えることができない場合に適用して、微小な損
傷による振動を増幅し、異常軸受の検出精度を向上する
ことができる。
【0087】
【発明の効果】本発明に係る軸受診断装置によれば、回
転中の軸受の振動を電気信号として検出する振動検出手
段、該振動検出手段によって検出された電気信号を周波
数帯域ごとの時系列信号に変換する変換手段、該変換手
段によって変換された周波数帯域ごとの時系列信号の最
大値及び平均実効値を抽出する最大値抽出手段及び平均
実効値抽出手段、上記最大値及び平均実効値それぞれ
を、該最大値及び平均実効値それぞれに対して予め設定
された判定値と比較する第1及び第2の比較手段、上記
周波数帯域ごとの時系列信号に含まれ外部ノイズをフィ
ルタリングし、該時系列信号中の軸受の振動による信号
の周期を求める周期検出手段、該周期検出手段で求めた
周期を、該周期に対して予め設定された判定値と比較す
る第3の比較手段を備え、上記第1、第2及び第3の比
較器から出力される結果に基づき上記軸受の損傷状態を
診断するものであるので、微小な損傷状態の診断が可能
となり、また、外部ノイズ発生時においても診断が可能
となる。
【0088】また、周期検出手段は、周波数帯域ごとの
時系列信号を高速フーリエ変換する高速フーリエ変換手
段であるものであるので、周波数の分解能を向上させる
ことができる。
【0089】また、周期検出手段は、周波数帯域ごとの
時系列信号をウェーブレット変換するウェーブレット変
換手段であるものであるので、周波数の分解能を向上さ
せることができる。
【0090】また、周期検出手段は、周波数帯域ごとの
時系列信号をウィグナー分布関数変換するウィグナー分
布関数変換手段であるものであるので、時間軸の分解能
を向上させることができる。
【0091】また、変換手段は、振動検出器によって検
出された電気信号をウェーブレット変換するウェーブレ
ット変換手段であるものであるので、周波数帯域ごとの
時系列信号の分離特性を向上させることができる。
【0092】また、変換手段は、振動検出器によって検
出された電気信号を短時間高速フーリエ変換する短時間
高速フーリエ変換手段であるものであるので、周波数の
分解能を向上させることができる。
【0093】また、変換手段は、振動検出器によって検
出された電気信号をウィグナー分布関数変換するウィグ
ナー分布関数変換手段であるものであるので、時間軸の
分解能を向上させることができる。
【0094】また、変換手段は、振動検出器によって検
出された電気信号の所定の周波数帯域の周波数成分それ
ぞれを通過させる複数の帯域フィルタで構成されている
ものであるので、フィルタ特性の変更あるいは診断する
周波数帯域の追加などに柔軟に対応できる。
【0095】また、軸受の型式及び使用年数を入力する
入力手段を備え、該入力手段によって入力された軸受の
型式及び使用年数により、第1の比較手段及び第2の比
較手段に入力される判定値が補正されるものであるの
で、より精度の高い診断を行うことができる。
【0096】また、判定値は、正常な軸受を用いて該軸
受の振動を振動検出手段により電気信号として検出し、
該電気信号を変換手段により周波数帯域ごとの時系列信
号に変換し、該周波数帯域ごとの時系列信号から最大値
抽出手段及び平均実効値抽出手段により抽出された最大
値及び平均実効値に基づき設定されているものであるの
で、対象物に即した判定値の設定が容易にできる。
【0097】また、判定値は、損傷を有する軸受を用い
て該軸受の振動を振動検出手段により電気信号として検
出し、該電気信号を変換手段により周波数帯域ごとの時
系列信号に変換し、該周波数帯域ごとの時系列信号から
最大値抽出手段及び平均実効値抽出手段により抽出され
た最大値及び平均実効値に基づき設定されているもので
あるので、損傷の程度を反映した判定値を設定すること
ができる。
【0098】また、時系列信号のピーク波形の周期に基
づき、軸受の損傷位置を特定する損傷位置特定手段を備
えたものであるので、交換すべき部品の発注、部品交換
を効率よく行うことができる。
【0099】また、平均実効値に対して予め設定された
判定値は、軸受の寿命を判定する平均実効値レベルで設
定されているものであるので、軸受の無駄な交換をなく
すことができ、また、交換時期の判断を的確に行い軸受
装置の運用を円滑にすることができる。
【0100】また、回転中の軸受に、該軸受のラジアル
方向の荷重を加え、上記軸受から発生する振動を増幅す
るものであるので、診断精度を向上させることができ
る。
【0101】また、回転中の軸受に、該軸受のアキシャ
ル方向の荷重を加え、上記軸受から発生する振動を増幅
するものであるので、診断精度を向上させることができ
る。
【0102】また、回転中の軸受の軸心を、該軸受のア
キシャル方向にずらすことによって、上記軸受から発生
する振動を増幅するものであるので、診断精度を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る軸受診断装置の実施の形態1を
示す構成図である。
【図2】 時系列信号の実効値処理を説明する図であ
る。
【図3】 時系列信号の実効値処理結果の例を示す図で
ある。
【図4】 高速フーリエ変換の結果の例を示す図であ
る。
【図5】 本発明に係る軸受診断装置の実施の形態2を
示す構成図である。
【図6】 本発明に係る軸受診断装置の実施の形態3を
示す構成図である。
【図7】 使用年数による平均実効値レベルの変化を示
す図である。
【図8】 従来の軸受診断装置を示す構成図である。
【図9】 正常な軸受の振動波形の一例を示す図であ
る。
【図10】 面の全周にわたる損傷が発生した場合の軸
受の振動波形の一例を示す図である。
【図11】 面の局部に損傷が発生した場合の軸受の振
動波形の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 軸受、1a 内輪、1b 外輪、1c 転動体、2
振動検出器、3 増幅器、4 A/D変換器、5 ウ
エブレット変換演算器(変換手段)、6 平均実効値演
算器(平均実効値抽出手段)、7,11,18 比較器
(比較手段)、8,12,17 判定値格納器、9,1
3 補正器、10 最大値演算器(最大値抽出手段)、
14 警報器、15 パラメータ設定器、16 高速フ
ーリエ変換演算器(周期抽出手段)、19 ウェーブレ
ット変換演算器(周期抽出手段)、20 ウィグナー分
布関数演算器(周期抽出手段)。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転中の軸受の振動を電気信号として検
    出する振動検出手段、該振動検出手段によって検出され
    た電気信号を周波数帯域ごとの時系列信号に変換する変
    換手段、該変換手段によって変換された周波数帯域ごと
    の時系列信号の最大値及び平均実効値を抽出する最大値
    抽出手段及び平均実効値抽出手段、上記最大値及び平均
    実効値それぞれを、該最大値及び平均実効値それぞれに
    対して予め設定された判定値と比較する第1及び第2の
    比較手段、上記周波数帯域ごとの時系列信号に含まれ外
    部ノイズをフィルタリングし、該時系列信号中の軸受の
    振動による信号の周期を求める周期検出手段、該周期検
    出手段で求めた周期を、該周期に対して予め設定された
    判定値と比較する第3の比較手段を備え、上記第1、第
    2及び第3の比較器から出力される結果に基づき上記軸
    受の損傷状態を診断することを特徴とする軸受診断装
    置。
  2. 【請求項2】 周期検出手段は、周波数帯域ごとの時系
    列信号を高速フーリエ変換する高速フーリエ変換手段で
    あることを特徴とする請求項1記載の軸受診断装置。
  3. 【請求項3】 周期検出手段は、周波数帯域ごとの時系
    列信号をウェーブレット変換するウェーブレット変換手
    段であることを特徴とする請求項1記載の軸受診断装
    置。
  4. 【請求項4】 周期検出手段は、周波数帯域ごとの時系
    列信号をウィグナー分布関数変換するウィグナー分布関
    数変換手段であることを特徴とする請求項1記載の軸受
    診断装置。
  5. 【請求項5】 変換手段は、振動検出器によって検出さ
    れた電気信号をウェーブレット変換するウェーブレット
    変換手段であることを特徴とする請求項1記載の軸受診
    断装置。
  6. 【請求項6】 変換手段は、振動検出器によって検出さ
    れた電気信号を短時間高速フーリエ変換する短時間高速
    フーリエ変換手段であることを特徴とする請求項1記載
    の軸受診断装置。
  7. 【請求項7】 変換手段は、振動検出器によって検出さ
    れた電気信号をウィグナー分布関数変換するウィグナー
    分布関数変換手段であることを特徴とする請求項1記載
    の軸受診断装置。
  8. 【請求項8】 変換手段は、振動検出器によって検出さ
    れた電気信号の所定の周波数帯域の周波数成分それぞれ
    を通過させる複数の帯域フィルタで構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の軸受診断装置。
  9. 【請求項9】 軸受の型式及び使用年数を入力する入力
    手段を備え、該入力手段によって入力された軸受の型式
    及び使用年数により、第1の比較手段及び第2の比較手
    段に入力される判定値が補正されることを特徴とする請
    求項1記載の軸受診断装置。
  10. 【請求項10】 判定値は、正常な軸受を用いて該軸受
    の振動を振動検出手段により電気信号として検出し、該
    電気信号を変換手段により周波数帯域ごとの時系列信号
    に変換し、該周波数帯域ごとの時系列信号から最大値抽
    出手段及び平均実効値抽出手段により抽出された最大値
    及び平均実効値に基づき設定されていることを特徴とす
    る請求項1記載の軸受診断装置。
  11. 【請求項11】 判定値は、損傷を有する軸受を用いて
    該軸受の振動を振動検出手段により電気信号として検出
    し、該電気信号を変換手段により周波数帯域ごとの時系
    列信号に変換し、該周波数帯域ごとの時系列信号から最
    大値抽出手段及び平均実効値抽出手段により抽出された
    最大値及び平均実効値に基づき設定されていることを特
    徴とする請求項1記載の軸受診断装置。
  12. 【請求項12】 時系列信号の周波数成分の周期に基づ
    き、軸受の損傷位置を特定する損傷位置特定手段を備え
    たことを特徴とする請求項1記載の軸受診断装置。
  13. 【請求項13】 平均実効値に対して予め設定された判
    定値は、軸受の寿命を判定する平均実効値レベルで設定
    されていることを特徴とする請求項1記載の軸受診断装
    置。
  14. 【請求項14】 回転中の軸受に、該軸受のラジアル方
    向の荷重を加え、上記軸受から発生する振動を増幅する
    ことを特徴とする請求項1記載の軸受診断装置。
  15. 【請求項15】 回転中の軸受に、該軸受のアキシャル
    方向の荷重を加え、上記軸受から発生する振動を増幅す
    ることを特徴とする請求項1記載の軸受診断装置。
  16. 【請求項16】 回転中の軸受の軸心を、該軸受のアキ
    シャル方向にずらすことによって、上記軸受から発生す
    る振動を増幅することを特徴とする請求項1記載の軸受
    診断装置。
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