JP2017166656A - トルク伝達装置 - Google Patents

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信貴 村田
Nobutaka Murata
信貴 村田
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Abstract

【課題】シート材の摺動面に潤滑剤を容易に行き渡らせることが可能なトルク伝達装置を提供する。
【解決手段】第1回転体のトルクを第2回転体に伝達するトルク伝達装置は、トルク変動を吸収するばね3とばね3に隣接して配置されたシート材42とを備える。第1回転体は、シート材42の径方向外側への移動を規制する周面55と、シート材42の周方向の移動を規制する側端面とを有し、シート材42は、周面55に対向する摺動面を有するとともに、周方向一端面にばね3を保持する保持部421を有し、周方向他端面に接触面422を有する。摺動面は、第1摺動面451と第2摺動面452とを含み、シート材42は、第1摺動面451と第2摺動面452との間の境界部453を支点にして揺動可能に構成される。
【選択図】図8

Description

本発明は、トルク変動の吸収機能を有するトルク伝達装置に関する。
従来より、動力源に連結される第1回転体と、弾性体を介して第1回転体に連結される第2回転体とを備え、第1回転体のトルクを弾性体を介して第2回転体に伝達するとともに、第1回転体と第2回転体との間のトルク変動を弾性体で吸収するようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1記載の装置では、第1回転体の内部に設けられた収容部に、周方向複数のばねが配置されるとともに、各々のばねの両端にシート部材(ばね受け)が配置され、さらに周方向に隣り合うシート部材の間に第2回転体の一部が配置される。シート部材は、第1回転体または第2回転体に押圧される押圧部と、第1回転体の収容部の外周面に沿って摺動する摺動部とを有する。そして、シート部材は、第1回転体に対する第2回転体の伝達トルクが所定値未満のときに、第1回転体の収容部の外周面に摺動部が全体的に当接する一方、伝達トルクが所定値以上になると、押圧部の半径方向外側の部分を支点にして揺動し、第1回転体の収容部の外周面と摺動部との間に隙間を生じる。
特開2015−86965号公報
ところで、この種の装置には、シート部材の摺動性を高めるために潤滑剤が塗布されるが、潤滑剤は摺動面に満遍なく行き渡っていることが好ましい。しかしながら、上記特許文献1記載の装置では、伝達トルクが所定値未満のときに、第1回転体の収容部の外周面に摺動部が全体的に当接するため、潤滑剤を摺動面に満遍なく行き渡らせることが困難である。
本発明の一態様は、動力源で発生したトルクを被駆動体に伝達するトルク伝達装置であって、軸線を中心に回転可能に設けられ、動力源および被駆動体のいずれか一方に連結される第1回転体と、軸線を中心に回転可能に設けられ、動力源および被駆動体のいずれか他方に連結される第2回転体と、第1回転体と第2回転体との間のトルク伝達経路に配置され、第1回転体および第2回転体のいずれか一方からのトルクを第1回転体および第2回転体のいずれか他方に伝達するとともに、第1回転体と第2回転体との間のトルク変動を吸収する弾性体と、弾性体と第1回転体および第2回転体との間に第1回転体および第2回転体に対してそれぞれ接離可能に設けられたシート材と、を備え、第1回転体は、シート材を周方向に移動可能に収容する収容部であって、シート材の径方向外側への移動を規制する周面と、シート材の周方向の移動を規制する側端面とを有する収容部を有し、シート材は、収容部の周面に対向する摺動面を有するとともに、周方向一端面に、弾性体を保持する保持部を有する一方、周方向他端面に、側端面および第2回転体に面接触可能に設けられた接触面を有し、摺動面は、周方向一端面側に設けられた第1摺動面と、周方向他端面側に設けられた第2摺動面とを含み、シート材は、第1摺動面と第2摺動面との間の境界部を支点にして揺動可能に構成される。
本発明によれば、シート材の摺動面が第1摺動面と第2摺動面とを含み、シート材は第1摺動面と第2摺動面との間の境界部を支点にして揺動可能に構成されるので、摺動面の全体に潤滑剤を容易に行き渡らせることができる。
本発明の実施形態に係るトルク伝達装置の適用例を概念的に示す図。 本発明の実施形態に係るトルク伝達装置の要部構成を示す断面図。 図2のIII-III線に沿った断面図。 図2のトルク伝達装置を構成する第1回転体の後板の平面図。 第2回転体に作用するトルクの時間経過に伴う変化を示す図。 第1回転体に対する第2回転体の捩れ角と第2回転体に作用するトルクとの関係を示す図。 第1回転体に対する第2回転体の捩れ角の変化を説明する第1の図。 第1回転体に対する第2回転体の捩れ角の変化を説明する第2の図。 第1回転体に対する第2回転体の捩れ角の変化を説明する第3の図。 図6A〜図6Cの事象が生じたときの第2回転体に作用するトルクの時間経過に伴う変化を示す図。 図6A〜図6Cの事象が生じたときの第1回転体に対する第2回転体の捩れ角と第2回転体に作用するトルクとの関係を示す図。 本発明の実施形態に係るトルク伝達装置の要部構成を示す平面図。 本発明の実施形態に係るトルク伝達装置を構成するシート材に作用する遠心力を示す図。 図8の要部拡大図。 本発明の実施形態に係るトルク伝達装置の動作の一例を示す図。 本発明の実施形態に係るトルク伝達装置の動作の他の例を示す図。
以下、図1〜図12を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るトルク伝達装置100の適用例を概念的に示す図である。トルク伝達装置100は、エンジン101とトランスミッション102との間の動力伝達経路に、図示しないクラッチを介してあるいはクラッチを介さずに介装される。
トルク伝達装置100は、軸線CL0を中心にそれぞれ回転可能に設けられた第1回転体1および第2回転体2と、第1回転体1と第2回転体2との間のトルク伝達経路TPに配置されたばね3とを有する。第1回転体1はエンジン101の出力軸(クランクシャフト)101aに連結され、第2回転体2はトランスミッション102の入力軸102aに連結される。第1回転体1に入力されたエンジン101からのトルクは、ばね3を介して第2回転体2に伝達される。このとき、ばね3の伸縮により、第1回転体1と第2回転体2との間のトルク変動が吸収される。これにより、エンジン101の回転変動による振動がトランスミッション102に伝達されることを抑制できる。
図2は、本発明の実施形態に係るトルク伝達装置の要部構成を示す断面図(軸線CL0に沿った断面図)であり、図3は、図2のIII-III線に沿った断面図(軸線CL0に直交する断面図)である。図2は、図3のII-II線に沿った断面形状に対応する。なお、図3では、本実施形態に係るトルク伝達装置100の特徴的な構成の図示を一部省略しているが、この点については後述する(図8〜図12)。以下では、便宜上、図2に示すように軸線CL0に沿って前後方向を定義するとともに、軸線CL0を中心として放射状に延びる方向を径方向、軸線CL0を中心とした円に沿った方向を周方向と定義し、これらの定義に従い各部の構成を説明する。
図2,3に示すように、第1回転体1は、軸線CL0を中心とした略リング形状の前板11および後板12と、軸線CL0を中心とした略円板形状の中央板13とを一体に有する。図2に示すように、後板12は、径方向に延在する側板部121と、側板部121の外径側端部から前方に屈曲して軸方向に延在する円環部122とを有する。中央板13の後面には、側板部121の内径側端部が周方向複数のリベット14により結合される。
前板11は、径方向に延在する側板部111と、側板部111の内径側端部から後方に屈曲して軸方向に延在する円環部112とを有する。側板部111の外径側端部の前面には、断面略L字形状の環状板113が溶接などで接合される。
後板12の円環部122の外周面には、全周にわたってギヤ(リングギヤ)が設けられ、ギヤを介して円環部122にエンジン101からのトルクが入力される。円環部122の前端部は、前板11の外径側端部に溶接で接合あるいはボルトを介して締結される。このとき、中央板13の外周面と前板11の円環部112の内周面との間に、リング状の空間SP1が形成されるとともに、前板11の側板部111と後板12の側板部121との間に、円環部122により外周側が覆われたリング状の空間SP2が形成される。空間SP1と空間SP2とは、前板11の円環部112の後端部と後板12の側板部121との間のリング状の空間SP3を介して連通する。
図4は、後板12の平面図(前方から見た図)である。なお、図4には、後述するばね3とシート材4の一部を併せて示す。さらに図4には、後述する第2回転体2の内部板21を点線で示す。図4に示すように、側板部121の前面には、周方向2箇所に等間隔に、互いに同一形状の凹部121aが形成される。凹部121aは、軸線CL0を中心として円弧状に延在し、径方向に所定距離隔てて互いに対向する一対の周面51,52(内周面51および外周面52)と、一対の周面51,52の周方向両端部を接続する一対の側端面53,54とを有する。凹部121aは、例えばプレス加工により側板部121を後方に膨出させることにより形成される。
凹部121aの外周面52は、円環部122の内周面56に軸方向に段差なく連なり(図2参照)、周面56と周面52とが、収容部50の外周面55を構成する。なお、収容部50は、後述するようにばね3とシート材4とが収容される空間であり、空間SP2の一部が収容部50を構成する。一対の凹部121a,121aの間には、凹部121aを有しない境界部121bが設けられる。境界部121bの断面形状は、凹部121aが加工される前の側板部111の断面形状に等しい(図2参照)。
前板11にも、後板12と同様、周方向2箇所に、互いに同一形状の凹部111aが形成されるとともに、一対の凹部111a,111aの間に境界部111bが形成される。すなわち、図2に示すように、前板11の後面には、後板12の凹部121aに対向して凹部111aが形成されるとともに、境界部121bに対向して境界部111bが形成される。凹部111aは、後板12の凹部121aと同様、内周面51と一対の側端面53,54とを有する。凹部111aの内周面51および側端面53,54は、凹部121aの内周面51および側端面53,54をそれぞれ軸方向に延長した面上に位置する。すなわち、凹部111aの内周面51および側端面53,54と凹部121aの内周面51および側端面53,54とは、周方向および径方向において互いに同一位置に設けられる。
なお、本実施形態では、後板12の円環部122の内周面56に連なる後板12の凹部121aの外周面52が、収容部50の外周面55の一部を構成するようにしたが、前板11の凹部111aに外周面52を設け、この外周面52が収容部50の外周面55の一部を構成するようにしてもよい。
図3に示すように、各収容部50には複数(図では4本)のばね3が直列に配置される。ばね3は例えばコイルばねであり、その長手方向の両端部はシート材(ばね受け)4により保持される。シート材4は、収容部50の周方向両端部に配置された第1シート材41および第2シート材42と、第1シート材41と第2シート材42との間に配置された複数(図では2個)の中間シート材43とを含む。エンジン101により回転駆動される第1回転体1の回転方向を図3に矢印R1で示すと、第1シート材41は、収容部50内の回転方向の最後部に位置し、第2シート材42は回転方向の最前部に位置する。
各シート材4の前後両端部は、それぞれ凹部111a,121a内に配置される。第1シート材41および第2シート材42の周方向一端面には、それぞればね3を保持する保持部411,421が形成され、周方向他端面には、凹部111a,121aの側端面53,54に接触可能な接触面412,422が形成される。接触面412,422は、前後方向中央部において、第2回転体2(後述する突出部212)にも接触可能である。中間シート材43の周方向両端面には、それぞればね3を保持する保持部431が形成される。保持部411,421,431は、例えばばね3の外形形状に対応した円形の溝により構成される。
各シート材4は、収容部50(凹部111a,121a)に周方向および径方向に移動可能に収容される。第1シート材41は、その接触面412が凹部111a,121aの側端面53または第2回転体2の突出部212の一端面213に当接することで、R1方向とは反対方向への移動が規制される。第2シート材42は、その接触面422が、凹部111a,121aの側端面54または第2回転体2の突出部212の他端面214に当接することで、R1方向への移動が規制される。
各シート材4は、外周面45と内周面46とを有する。図3,4では、外周面45がほぼ全域にわたり、収容部50の外周面55に対応した、すなわち外周面55と同一ないしほぼ同一形状の円弧状に形成されている。収容部50(凹部111a,121a)の内周面51にシート材4の内周面46が当接、または収容部50の外周面55にシート材4の外周面45が当接することで、シート材4の径方向の移動が規制される。シート材4の外周面45は、摺動面を構成し、以降、外周面45を摺動面と呼ぶこともある。収容部50の外周面55には、シート材4の摺動性を高めるために予めグリスなどの粘着性を有する潤滑剤が塗布される。なお、外周面55の代わりに、または外周面55とともに、シート材4の摺動面45に潤滑剤を塗布してもよい。収容部50には、少なくとも外周面55全体に行き渡る量の潤滑剤が充填される。収容部50の容積の半分程度の量の潤滑剤を、収容部50に充填してもよい。
収容部50内に直列に配置される複数のばね3のばね定数は、互いに等しくてもよく、あるいは互いに異なっていてもよい。例えば図3に示すように、周方向4本のばね3をR1方向の先端から順にばね31〜34と定義するとき、中央の2本のばね32,33のばね定数を残り2本のばね31,34のばね定数より大きくしてもよい。あるいは、R1方向先端側の2本のばね31,32のばね定数を残り2本のばね33,34のばね定数より大きくしてもよい。ばね定数は、例えばばね3の径を大きくすることにより増大できる。大径のばねの内側に小径のばねを配置し、ばね3を二重構造とすることにより、所定のばね3のばね定数を増大させてもよい。
図2に示すように、第2回転体2は、第1回転体1の前板11と後板12との間の空間SP2,SP3に配置された内部板21と、前板11の前方に配置された連結板22とを一体に有する。連結板22の内径側端部は、前板11と中央板13との間の空間SP1を通って後方に延在する軸部23を構成し、この軸部23は、周方向複数のリベット24により内部板21の内径側端部に固定される。軸部23は、ベアリング5を介して第1回転体1の中央板13の外周部に回転可能に支持され、これにより第2回転体2が第1回転体1に対し相対回転可能となる。
図3に示すように、内部板21は、軸部23の後端面に当接するリング部211と、リング部211の外周面から径方向外側に突出した周方向複数(図では2個)の突出部212とを有する。突出部212は、境界部111b,121bを介して周方向に互いに隣り合う第1シート材41と第2シート材42との間に介装される。このとき、図2に示すように、突出部212の前面は、前板11の境界部111bの後面に隙間を空けて対向し、突出部212の後面は、後板12の境界部121bの前面に隙間を空けて対向する。
図3に示すように、突出部212の周方向両端面213,214は、凹部111a,121aの側端面53,54とほぼ同一形状を呈する。端面213と第1シート材41の接触面412、および端面214と第2シート材42の接触面412とが、シート材41,42の前後方向中央部において互いに当接可能である。ここで、第1回転体1の境界部111b,121bの周方向中間を通り、軸線CL0と直交する線を第1中心線CL1と定義し、第2回転体2の突出部212の周方向中間を通り軸線CL0と直交する線を第2中心線CL2と定義する。
図3は、第1回転体1と第2回転体2とにトルクが作用していない初期状態(中立状態とも呼ぶ)を示しており、初期状態では、第1中心線CL1と第2中心線CL2とが一致する。このため、第1中心線CL1と第2中心線CL2とのなす角、すなわち第1回転体1に対する第2回転体2の捩れ角(相対角)θは0°である。
この状態から、エンジン101からのトルクが環状板113(図2)を介して第1回転体1に入力されると、図4に示すようにその入力トルクTは、収容部50の側端面53から第1シート材41の接触面412に作用する。第1シート材41に作用したトルクTは、さらにトルク伝達経路TPを構成するばね3と中間シート材43および第2シート材42とを介し、第2シート材42の接触面422から内部板21の突出部212の端面214に作用する。これにより第2回転体2にトルクTが作用し、第2回転体2がR1方向に回転する。第2回転体2に作用したトルクTは、例えば連結板22(図2)に対向して配置されたクラッチを介してトランスミッション102に出力される。
このとき、収容部50のばね3は、トルクTの大きさに応じて伸縮し、ばね3の伸縮により第1回転体1に対する第2回転体2の捩れ角θが変化する。すなわち、トルクTが大きいほど捩れ角θが大きくなる。このように捩れ角θが変化することで、エンジン101の回転振動(燃焼振動)等に起因した第1回転体1のトルク変動を吸収することができ、第2回転体2を安定して回転させることができる。
なお、図4に示すように、捩れ角θは、R1方向における第1回転体1の回転量が第2回転体2の回転量よりも大きいときにプラスとなる。一方、R1方向における第1回転体1の回転量が第2回転体2の回転量よりも小さいときにはマイナスとなる。例えば通常運転時には、第1回転体1から第2回転体2にトルクが作用するため、この場合には捩れ角θはプラスとなる。一方、急減速時等で、第2回転体2から第1回転体1にトルクが作用すると、捩れ角θはマイナスとなる。
図4に示すように、通常運転時には、第1シート材41の接触面412は、その前後方向両端部が凹部111a,121aの側端面53に接触し、前後方向中央部が第2回転体2の突出部212の端面213から離間する。一方、第2シート材42の接触面422は、その前後方向中央部が突出部212の端面214に接触し、前後方向両端部が凹部111a,121aの側端面54から離間する。
図5Aは、第2回転体2に作用するトルクTの時間経過に伴う変化を示す図であり、図5Bは、捩れ角θと第2回転体2に作用するトルクTとの関係を示す図である。図5Bの特性は、トルク伝達装置100のばね特性を示しており、捩れ角θの増加に伴いトルクTが増大する。ばね特性の傾き(ばね定数)は、捩れ角θが所定値θa以下の領域では小さく、捩れ角θが所定値θaを超えると増大する。図5Aに示すように、エンジン101の振動(燃焼振動等)に起因してトルクTが正の範囲(T>0)で変動すると、図5Bに示すように、捩れ角θは例えばθ1≦θ≦θ2の範囲で変化する。これにより第2回転体2のトルク変動を低減することができる。
ところで、例えばシフトダウンによりエンジンブレーキが作動すると、シート材4に作用する遠心力が大きくなり、シート材4が第1回転体1の収容部50の外周面55に貼り付くおそれがある。その結果、シート材4が第2回転体2の動きに追従できずに、第2回転体2の突出部212の端面214が第2シート材42の接触面422から離間し、その後、突出部212と第2シート材42とが再接触した際に、トルク伝達装置100に衝撃が生じる。そして、この衝撃がエンジン側の回転異常をもたらし、その結果、クランクシャフトの回転に基づく失火の検知を誤って行うおそれがある。
この点についてさらに説明する。図6A〜図6Cは、それぞれ第1回転体1(後板12)に対する第2回転体2(内部板21)の捩れ角θの変化を説明する図であり、図7A,7Bは、それぞれ第2回転体2に作用するトルクTの時間変化および捩れ角θとトルクTとの関係を示す図である。なお、図6A〜図6Cでは、便宜上、ばね3とシート材4の一部の図示を省略している。
図6Aは、シフトダウンによるエンジンブレーキの作動時に第1回転体1が急減速した状態を示す。このとき、シフトダウン直後は、第1回転体1が高回転してシート材4に作用する遠心力が大きくなり、シート材4は収容部50の外周面55に貼り付く。この場合、アクセルペダルの操作量が小さい、例えばアクセルペダルが非操作であるため、第1回転体1のR1方向への回転量よりも第2回転体2のR1方向への回転量の方が多くなる。その結果、第2回転体2の突出部212の端面213が第1シート材41の接触面412に接触し、突出部212から第1シート材41にR1方向へのトルクT1(押し付け力)が作用する。このとき、突出部212の端面213が第2回転体2のトルク伝達部として機能し、第1シート材41の接触面412が第1回転体1のトルク被伝達部として機能する。
第1シート材41にトルクT1が入力されると、シート材4は外周面55を摺動しながら収容部50(凹部111a,121a)の側端面54側に押し込まれる。その結果、図6Aに示すように、第2シート材42の接触面422が収容部50の側端面54に当接する。さらに、ばね3が収縮して周方向に隣り合うシート材4の端面同士が接近または当接し、第1シート材41の接触面412から第2シート材42の接触面422までの周方向の長さが最小となる。このとき、第2回転体2に作用するトルクT1は例えば図7Bの点Aで表され、捩れ角θは最小(θA)となる。
その後、アクセルペダルが操作されて、第1回転体1が加速されると、図6Bに示すように、第2回転体2の突出部212の端面213が第1シート材41から離間する。さらに、収容部50の側端面54に当接した状態の第2シート材42が、突出部212の端面214に接近し、捩れ角がθAよりも大きいθB(<0)となる。この状態では、シート材4は、収容部50の外周面55に貼り付いたままであり、ばね3は、貼り付きのない通常動作時よりも大きく収縮されている。例えば、ばね3は最大ないしほぼ最大に収縮されている。したがって、ばね3の見かけ上のばね定数は大きく、剛性が高い。
このとき、第2シート材42と突出部212との間に空隙GPがあるため、第2回転体2に作用するトルクTは、図7Aの点Bに示すように0となり、捩れ角θとトルクTとの関係は、例えば図7Bの点Bとなる。この状態から、第1回転体1側で正側のトルク変動が生じると、図7Bに示すようにトルクTが0のまま捩れ角θが増加する(0に近づく)。
第1回転体1がさらに加速されると、図6Cに示すように、第2シート材42の接触面422が第2回転体2の突出部212の端面214に接触し、第2回転体2にトルクT2が作用する。これにより、図7Aの点Cで示すように、トルクTが急激に増大する。このとき、捩れ角θは0となるが、シート材4は収容部50の外周面55に貼り付いたままであり、ばね3の剛性が高くなっているため、捩れ角θはそれ以上増加しない。したがって、第2シート材42と突出部212との接触時の衝撃をばね3が吸収できずに、トルク伝達装置100に衝撃が発生する。この場合の捩れ角θとトルクTとの関係は、図7Bの点Cで表される。
その後、エンジン101の回転振動により第1回転体1の回転が変動すると、第1回転体1と第2回転体2とは、図6Cの接触と図6Bの離間とを繰り返す。このため、捩れ角θとトルクTとの関係は、図7Bの点Bと原点と点Cとを結ぶ矢印に沿って変化する。したがって、トルク伝達装置100に繰り返し衝撃が発生し、失火の誤検知等の悪影響を与えるおそれがある。
このような事象は、上述したようにシフトダウンなどによるエンジンブレーキ作動後に、少しずつアクセルペダルを踏んでいった場合だけでなく、例えば、高速道路でのレーン進入時にアクセルペダルを踏み込んで加速し、本線合流後にアクセルペダルを緩めて、アクセル開度が小さくなった場合にも生じる。すなわち、シフトダウンや加速高回転時などにシート材4が貼り付いた状態で、かつ、低トルク領域(アクセル開度小)において発生する。このような事象を防ぐため、本実施形態では、以下のようにトルク伝達装置100を構成する。
図8は、本発明の実施形態に係るトルク伝達装置100の要部構成を示す平面図であり、主に第2シート材42と、第2シート材42の保持部421に配置されたばね3と、第2シート材42の接触面422に対向する第2回転体2の突出部212とを示す。なお、図8は、例えば図6Bの動作に対応する。したがって、図8では、第2シート材42の接触面422は、第2回転体2の突出部212の端面214から離間している。本実施形態に係るトルク伝達装置100は、特に第2シート材42が特徴的構成を有する。
図8に示すように、第2シート材42の外周面(摺動面)45は、周方向に段付き状に形成される。より具体的には、摺動面45は、周方向一端面側(接触面422側)の第1摺動面451と、周方向他端面側(保持部421側)の第2摺動面452とを有する。第1摺動面451と第2摺動面452との間には、軸方向に延在する境界部453が設けられる。さらに、境界部453と第2摺動面452との間に凹状の切り欠き454が設けられる。
第1摺動面451と第2摺動面452とは、それぞれ収容部50の外周面55と同一曲率の円弧状曲面により形成される。但し、第1摺動面451と第2摺動面452とは同一曲面上にはなく、第1摺動面451と第2摺動面452(第2摺動面452の延長面)とは、境界部453を頂点(交点)として交差する。したがって、図8に示すように、第2摺動面452が収容部50の外周面55に接触している状態(以下、これを第1姿勢と呼ぶ)では、第1摺動面451と外周面55との間に隙間gp1が生じる。一方、第1摺動面451が外周面55に接触している状態(以下、これを第2姿勢と呼ぶ)では、第2摺動面452と外周面55との間に隙間gp2が生じる(図12参照)。
第2シート材42が第1姿勢にあるとき、接触面422と突出部212の端面214とは平行ではない。すなわち、接触面422は、その外径側端部が内径側端部よりも端面214に接近するように、端面214と平行な線L1に対し所定角度θαだけ傾斜している。所定角度θαは、第1摺動面451が外周面55に接触したときに、接触面422が端面214と平行ないしほぼ平行となるような角度に設定される。したがって、第2シート材42の姿勢が第2姿勢に変化すると、接触面422は径方向ほぼ全面にわたって端面214に当接することができる。
図8では、第1回転体1がエンジン回転数に応じた回転数で回転しており、このとき第2シート材42には遠心力が作用する。図9は、第2シート材42に作用する遠心力を示す図である。図9に示すように、境界部453を通って軸線CL0から放射状に延びる半直線L2を介し、第2シート材42を第1摺動面451側の第1領域AR1と第2摺動面452側の第2領域AR2とに分割する。このとき、シート材42の第1領域AR1と第2領域AR2とには、それぞれ各領域AR1,AR2の質量に応じた遠心力F1,F2が作用する。なお、第2領域AR2の質量には、第2領域AR2における第2シート材42の質量だけでなく、ばね3の質量(ばね3の1/2の質量)も含まれる。
本実施形態では、第2領域AR2の遠心力F2が第1領域AR1の遠心力F1よりも大きくなるように、第2シート材42の形状(境界部453の位置等)を設定する。換言すれば、第1領域AR1の遠心力F1に対する第2領域AR2の遠心力F2の比率(=F2/F1)が所定値α(>1)となるように第2シート材42の形状を設定する。なお、第2シート材42の第2姿勢への姿勢変化を容易にするためには、所定値αは1に近い方が好ましく、例えば1.01〜1.1の範囲内で所定値αを設定することが好ましい。
このように所定値αを設定することで、図8に示すように、第2シート材42は境界部453を支点にして矢印R1方向(反時計方向)に揺動し、第2摺動面452が収容部50の外周面55に接触して、第2シート材42が第1姿勢となる。したがって、第1摺動面451と外周面55との間に隙間gp1が生じる。このとき、図10に拡大して示すように、ばね3の端部は、保持部421の底面423のうち、内径側(軸線CL0に近い側)の角部423aに当接し、保持部421の底面423とばね3の端面3aとの間にも隙間gp3が生じる。
図8の状態から第1回転体1が加速されると、第2シート材42が第2回転体2の突出部212に接近し、図11に示すように第2シート材42と突出部212とが接触する。より詳しくは、第1姿勢では接触面422が突出部212の端面214に対し傾斜しているため、突出部212の外径側端部212aが接触面422の外径側端部422aに接触する。これにより第2シート材42の端部422aには、保持部421の底面423の角部423aを支点にして、軸線CL0を中心とした接線方向の接触力F3が作用する。
この接触力F3は、角部423aを支点として、第2領域AR2の第2シート材42に径方向内側に向かう力F4を発生させる。これにより第2領域AR2に作用する径方向外側へ向かう力(合力)が、遠心力F2よりも、接触力F3に応じた内向きの力F4の分だけ小さくなる。このとき、接触力F3が所定値Fa未満であると、第1領域AR1に作用する遠心力F1が第2領域AR2に作用する合力(F2−F4)未満であり、第2摺動面452は外周面55に接触したままである。
一方、接触力F3が所定値Fa以上になると、第1領域AR1に作用する遠心力F1が第2領域AR2に作用する合力(F2−F4)よりも大きくなる。その結果、第2シート材42は、図12に示すように境界部453を支点にして矢印R2方向(時計方向)に揺動し、第1摺動面451が収容部50の外周面55に接触して、第2シート材42が第2姿勢となる。したがって、第2摺動面452と収容部50の外周面55との間に隙間gp2が生じる。このとき、接触面422は突出部212の端面214に当接し、これにより第2シート材42は突出部212からの反力F5を受ける。なお、第2姿勢では、角部423aを支点にしてばね3の端面3aが保持部421の底面423に接触し、隙間gp3(図10)が0となる。
本実施形態では、第1領域AR1と第2領域AR2の遠心力F1,F2の比率F2/F1を比較的小さい値αに設定しており、第1姿勢における遠心力F1とF2との差は小さい。このため、第2シート材42への比較的小さい接触力F3(例えば10〜100N)により、第1領域AR1に作用する径方向外側への力F1と第2領域AR2に作用する径方向外側への力(F2−F4)との大小関係を逆転させることができる。すなわち、第2シート材42を第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変更するための所定値Faが、比較的小さめの値であるため、第2シート材42の姿勢変更が容易となる。
図12の状態から第2シート材42と突出部212とが離れると、第2シート材42は遠心力により境界部453を支点にしてR1方向(図8)に揺動し、再び第1姿勢となる。このように本実施形態では、第2シート材42が境界部453を支点にして揺動し、第1摺動面451と第2摺動面452とが収容部50の外周面55に交互に接触する。これにより、第1摺動面451が外周面55に接触しているときには第2摺動面452と外周面55との間に隙間gp2が生じ、第2摺動面452が外周面55に接触しているときには第1摺動面451と外周面55との間に隙間gp1が生じる。
したがって、第2シート材42の摺動面45に潤滑剤を満遍なく行き渡らせることができる。その結果、第2シート材42の摺動性が向上し、第2シート材42の外周面55への貼り付きを防止することができる。これによりシフトダウンなどによるエンジンブレーキの作動時等に、第2シート材42と第2回転体2とが衝突したことによって生じる衝撃を抑えることができ、失火の誤検知等を防ぐことができる。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)トルク伝達装置100は、例えばエンジン101で発生したトルクをトランスミッション102に伝達する(図1)。このトルク伝達装置100は、軸線CL0を中心に回転可能に設けられ、エンジン101(出力軸101a)に連結される第1回転体1と、軸線CL0を中心に回転可能に設けられ、トランスミッション102(入力軸102a)に連結される第2回転体2と、第1回転体1と前記第2回転体2との間のトルク伝達経路TPに配置され、第1回転体1および第2回転体2のいずれか一方からのトルクをいずれか他方に伝達するとともに、第1回転体1と第2回転体2との間のトルク変動を吸収するばね3と、ばね3と第1回転体1および第2回転体2との間に、第1回転体1および第2回転体2に対して接離可能に設けられたシート材4とを備える(図2,図3)。第1回転体1は、シート材4を周方向に移動可能に収容する収容部50を有し、収容部50はシート材4の径方向外側への移動を規制する外周面55と、シート材4の周方向の移動を規制する側端面53,54とを有する(図4)。シート材4(第2シート材42)は、収容部50の外周面55に対向する摺動面45を有するとともに、周方向一端面に、ばね3を保持する保持部421を、周方向他端面に、側端面54および第2回転体2(突出部212)に面接触可能に設けられた接触面422をそれぞれ有する(図4)。そして、摺動面45は、周方向一端面側に設けられた第1摺動面451と、周方向他端面側に設けられた第2摺動面452とを含み、シート材42は、第1摺動面451と第2摺動面452との間の境界部453を支点にして揺動可能に構成される(図8,図12)。
このように第1摺動面451と第2摺動面452との間の境界部453を支点にしてシート材42を揺動可能に構成することで、第1摺動面451と収容部50の外周面55との間および第2摺動面452と外周面55との間に交互に隙間gp1,gp2を生じさせることができる。このため、摺動面45の全域にわたって潤滑剤を容易に行き渡らせることができ、シート材42の摺動性が向上する。その結果、シート材42の収容部50の外周面55への貼り付きを抑制することができ、シフトダウンなどによるエンジンブレーキの作動時等に、シート材42と第2回転体2との衝突による衝撃を緩和することができる。
(2)シート材42は、第2回転体2からシート材42に作用する接触力F3が所定値Fa未満のとき、第2摺動面452が収容部50の外周面55に接触し(第1姿勢)、シート材42に作用する接触力F3が所定値Fa以上のとき、第1摺動面451が収容部50の外周面55に接触する(第2姿勢)ように境界部453の位置が設定される。例えば、境界部453を境にした第2シート材42の第1領域AR1と第2領域AR2との質量配分(遠心力F1,F2の配分)が所定の比率αに設定される(図9)。これにより接触力F3の大きさに応じてシート材42を揺動させることができる。シート材42が揺動すると、第2回転体2の端面214に対する接触面422の傾斜角が変化する。このため、第1姿勢において接触面422の端部422aを端面214に接触させ(図11)、第2姿勢において接触面422の全体を端面214に接触させることができる(図12)。
(3)シート材42は、境界部453と第2摺動面452との間に凹状の切り欠き454を有する(図8)。このため、切り欠き454に潤滑剤が充填され、潤滑剤が途切れることなく、良好な摺動性を維持できる。
(4)第1摺動面451は、周方向にかけて円弧状に形成される(図8)。これによりシート材42は、第2姿勢において収容部50の外周面55に面接触した状態で摺動することができ、シート材42のスムーズな摺動性が得られる。
(変形例)
上記実施形態は種々の形態に変形することができる。以下、変形例について説明する。上記実施形態では、第2シート材42の摺動面45に、境界部453と第2摺動面452との間に凹状の切り欠き454を設けたが、境界部と第1摺動面との間に切り欠きを設けてもよい。あるいは、第1摺動面および第2摺動面のいずれか一方に凹状の切り欠きを設けてもよい。切り欠きを省略し、第1摺動面と第2摺動面とを境界部を介して連設するようにしてもよい。
上記実施形態では、第1摺動面451と第2摺動面452とを外周面55と同一の曲率の曲面で形成したが、第1摺動面と第2摺動面の少なくとも一方を外周面55と異なる曲率で、周方向にかけて円弧状に形成してもよい。第1摺動面と第2摺動面とを互いに異なる曲率の曲面で形成してもよい。すなわち、周方向一端面側に設けられた第1摺動面と周方向他端面側に設けられた第2摺動面とを含み、第1摺動面と第2摺動面との間の境界部を支点にしてシート材を揺動可能に構成するのであれば、収容部の周面(外周面55)に対向するシート材の摺動面の構成はいかなるものでもよい。上記実施形態では、第2シート材42の摺動面45に第1摺動面451と第2摺動面452とを設け、第2シート材42を揺動可能に構成したが、他のシート材(第1シート材41、中間シート材43)の一部または全部にも同様に第1摺動面と第2摺動面とを設けて他のシート材も揺動可能に構成してもよい。
上記実施形態では、第1回転体1をエンジン101に、第2回転体2をトランスミッション102にそれぞれ連結したが、これとは反対に、第1回転体1をトランスミッション102に、第2回転体2をエンジン101にそれぞれ連結してもよい。上記実施形態では、第1回転体1と第2回転体2との間にばね3(コイルばね)を配置し、ばね3を介してトルクを伝達するようにしたが、第1回転体と第2回転体との間のトルク伝達経路に配置され、第1回転体および第2回転体のいずれか一方からのトルクをいずれか他方に伝達するとともに、第1回転体と第2回転体との間のトルク変動を吸収するのであれば、弾性体の構成はいかなるものでもよい。
上記実施形態では、収容部50に複数のシート材4を配置したが、ばねと第1回転体および第2回転体との間に、第1回転体および第2回転体に対して接離可能に設けられるのであれば、シート材の個数は上述したものに限らない。例えば中間シート材43を省略することもできる。したがって、収容部50に単一のばね3を配置してもよい。上記実施形態では、シート材4とばね3とにより、第1回転体1と第2回転体2との間のトルク伝達経路TPを構成した。具体的には、第1回転体1から第2回転体2にトルクが作用するとき、第2シート材42の接触面(トルク伝達部)422から第2回転体2の突出部212の端面(トルク被伝達部)214にトルクが作用し、第2回転体2から第1回転体1にトルクが作用するとき、突出部212の端面213(トルク伝達部)から第1シート材41の接触面(トルク被伝達部)412にトルクが作用するようにした。しかしながら、トルク伝達経路の構成はこれに限らない。
上記実施形態では、第1回転体1の前板11と後板12とにそれぞれ凹部111a,121aを設け、凹部111a,121aにより収容部50を構成したが、シート材の径方向外側への移動を規制する周面と、シート材の周方向の移動を規制する一対の側端面とを有するのであれば、収容部の構成はいかなるものでもよい。例えば前板11のみで収容部を構成してもよい。上記実施形態では、シート材4に弾性体の一例であるばね3の保持部411,421,431を設けたが、弾性体の形状に応じてシート材の形状も種々の形状に変更することができる。したがって、シート材(特に第2シート材42)の構成は上述したものに限らない。すなわち、収容部の外周面に対向する摺動面を有するとともに、周方向一端面に、弾性体を保持する保持部を有し、周方向他端面に、収容部の側端面および第2回転体に面接触可能に設けられた接触面を有するのであれば、シート材の構成はいかなるものでもよい。
上記実施形態では、第1回転体1に周方向に2箇所に収容部50を設けたが、収容部の個数はこれに限らない。例えば周方向3箇所以上に収容部を設け、第2回転体の突出部もこれに対応した数だけ設けてもよい。上記実施形態では、内部板21と連結板22とにより第2回転体2を構成し、一対の収容部50に境界部111b,121bを介して隣り合ってそれぞれ配置された第1シート材41と第2シート材42との間に、第2回転体2のトルク伝達部としての突出部212を配置したが、第2回転体の構成は上述したものに限らない。例えば、リング状板の内周面から径方向内側に突出部を突設させるようにしてもよい。
以上の実施形態では、動力源としてエンジン101を用いたが、エンジン101以外を用いてもよい。また、動力源で発生したトルクにより駆動される被駆動体は、トランスミッション102以外であってもよい。すなわち、動力源で発生したトルクを被駆動体に伝達する種々のトルク伝達経路に対し、本発明のトルク伝達装置は適用することができる。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態および変形例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。すなわち、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。また、上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能である。変形例同士を組み合わせることもできる。
1 第1回転体、2 第2回転体、3 ばね、4 シート材、42 第2シート材、45 摺動面、50 収容部、53,54 側端面、55 外周面、100 トルク伝達装置、101 エンジン、102 トランスミッション、421 保持部、422 接触面、TP トルク伝達経路

Claims (4)

  1. 動力源で発生したトルクを被駆動体に伝達するトルク伝達装置であって、
    軸線を中心に回転可能に設けられ、前記動力源および前記被駆動体のいずれか一方に連結される第1回転体と、
    前記軸線を中心に回転可能に設けられ、前記動力源および前記被駆動体のいずれか他方に連結される第2回転体と、
    前記第1回転体と前記第2回転体との間のトルク伝達経路に配置され、前記第1回転体および前記第2回転体のいずれか一方からのトルクを前記第1回転体および前記第2回転体のいずれか他方に伝達するとともに、前記第1回転体と前記第2回転体との間のトルク変動を吸収する弾性体と、
    前記弾性体と前記第1回転体および前記第2回転体との間に前記第1回転体および前記第2回転体に対して接離可能に設けられたシート材と、を備え、
    前記第1回転体は、前記シート材を周方向に移動可能に収容する収容部であって、前記シート材の径方向外側への移動を規制する周面と、前記シート材の周方向の移動を規制する側端面とを有する収容部を有し、
    前記シート材は、前記収容部の周面に対向する摺動面を有するとともに、周方向一端面に、前記弾性体を保持する保持部を有する一方、周方向他端面に、前記側端面および前記第2回転体に面接触可能に設けられた接触面を有し、
    前記摺動面は、前記周方向一端面側に設けられた第1摺動面と、前記周方向他端面側に設けられた第2摺動面とを含み、
    前記シート材は、前記第1摺動面と前記第2摺動面との間の境界部を支点にして揺動可能に構成されることを特徴とするトルク伝達装置。
  2. 請求項1に記載のトルク伝達装置において、
    前記シート材は、前記第1回転体または前記第2回転体から前記シート材に作用する接触力が所定値未満のとき、前記第2摺動面が前記収容部の外周面に接触し、前記シート材に作用する接触力が前記所定値以上のとき、前記第1摺動面が前記収容部の外周面に接触するように前記境界部の位置が設定されることを特徴とするトルク伝達装置。
  3. 請求項1または2に記載のトルク伝達装置において、
    前記シート材は、前記境界部と前記第1摺動面または前記第2摺動面との間に、凹状の切り欠きを有することを特徴とするトルク伝達装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のトルク伝達装置において、
    前記第1摺動面は、周方向にかけて円弧状に形成されることを特徴とするトルク伝達装置。
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