JP2017166352A - エンジン - Google Patents
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Abstract
Description
この場合、本発明によれば、メカニカル動弁機構による第2排気弁の開弁時期を、可変動弁機構による第1排気弁の最大遅角時期と同一に設定しているので、エンジンの低回転時において、第1排気弁の開弁時期を遅角側に変化させることによる膨張比の制御性と、第2排気弁による筒内からのスムーズな排気の排出との両方を適切に確保することができる。加えて、本発明によれば、エンジンの高回転時において、可変動弁機構によって第1排気弁の開弁時期を進角させることで、ポンピングロスを適切に低減することができる。
以上より、本発明によれば、エンジンの低回転領域から高回転領域に渡って、適切なカムプロフィールにて排気弁を動作させることができ、燃費を向上させることができる。
このように構成された本発明によれば、第2排気弁のリフト量積分値を第1排気弁の最小のリフト量積分値よりも大きくするので、第2排気弁のリフト量積分値を十分に確保して、筒内から排気をよりスムーズに排出することができ、また、第2排気弁のリフト量積分値を第1排気弁の最大リフト量積分値よりも小さくするので、第1排気弁の開弁時期を制御することによる膨張比の制御性を効果的に向上させることができる。
このように構成された本発明によれば、クランクシャフトの回転に同期して回転するカムを用いて圧力室内のエンジンオイルの油圧を変化させ、油圧バルブの制御によって圧力室内の油圧を第1排気弁に作用させて、第1排気弁を開弁させるよう構成された可変動弁機構を適用するので、簡易な構成にて第1排気弁の開閉時期を変化させることが可能となる。
まず、図1乃至図5を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの構成について説明する。図1は、本発明の実施形態によるエンジンの概略構成図であり、図2は、本発明の実施形態によるエンジンの1つの気筒を下方から見た概略平面図であり、図3は、本発明の実施形態によるエンジンにおける一方の排気弁に適用される排気側可変動弁機構の概略側面図(部分的に断面図を示している)であり、図4は、本発明の実施形態によるエンジンにおける他方の排気弁に適用されるメカニカル動弁機構の概略側面図であり、図5は、本発明の実施形態によるエンジンの制御ブロック図である。
なお、図4に示したようにメカニカル動弁機構73を構成することに限定はされず、これ以外にも種々の構成をメカニカル動弁機構73に適用可能である。
次に、図6を参照して、本発明の実施形態によるエンジン1の運転領域について説明する。図6は、エンジン1の運転制御マップの一例を示している。このエンジン1は、燃費の向上や排気エミッション性能の向上を目的として、エンジン負荷が相対的に低い低負荷域である第1の運転領域R11では、点火プラグ25による点火を行わずに、圧縮自己着火による圧縮着火燃焼を行う。しかしながら、エンジン1の負荷が高くなるに従って、この圧縮着火燃焼では、燃焼が急峻になりすぎてしまい、燃焼騒音が発生したり、着火時期の制御が困難になったりする(失火などが発生する傾向にある)。そのため、このエンジン1では、エンジン負荷が相対的に高い高負荷域である第2の運転領域R12では、圧縮着火燃焼の代わりに、点火プラグ25を利用した強制点火燃焼(ここでは火花点火燃焼)を行うようにする。このように、このエンジン1は、エンジン1の運転状態、特にエンジン1の負荷に応じて、圧縮着火燃焼による運転を実行するCI(Compression Ignition)運転と、火花点火燃焼による運転を実行するSI(Spark Ignition)運転とを切り替えるように構成されている。
次に、本発明の実施形態による排気弁22の動作について具体的に説明する。
なお、上述してきた通り、排気側可変動弁機構72は排気弁22aの開閉時期を変化させることができるが、図8に示したように、排気側可変動弁機構72によって排気弁22aの開閉時期を変化させると排気弁22aのリフト量も変化するので、このことから、排気側可変動弁機構72は排気弁22aの開閉時期に加えてリフト量も変化させることができると言える。
次に、本発明の実施形態によるエンジンの作用効果について述べる。
この場合、本実施形態によれば、メカニカル動弁機構73による排気弁22bの開弁時期を、排気側可変動弁機構72による排気弁22aの最大遅角時期RTと同一に設定しているので、エンジン1の低回転時において、排気弁22aの開弁時期を遅角側に変化させることによる膨張比の制御性と、排気弁22bによる筒内からのスムーズな排気の排出との両方を適切に確保することができる。加えて、本実施形態によれば、エンジン1の高回転時において、排気側可変動弁機構72によって排気弁22aの開弁時期を進角させることで、ポンピングロスを適切に低減することができる。
以上より、本実施形態によれば、エンジン1の低回転領域から高回転領域に渡って、適切なカムプロフィールにて排気弁22を動作させることができ、燃費を向上させることができる。
上記した実施形態では、本発明をCI運転とSI運転とを切り替えて運転するガソリンエンジンに対して適用した例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。本発明は、通常のガソリンエンジン(つまりSI運転のみを実行するエンジン)や、ディーゼルエンジンにも適用可能である。
10 PCM
18 気筒
21(21a、21b) 吸気弁
22(22a、22b) 排気弁
25 点火プラグ
67 インジェクタ
71 吸気側可変動弁機構
72 排気側可変動弁機構
72b ソレノイドバルブ
72c 圧力室
72d カム
73 メカニカル動弁機構
Claims (3)
- 吸気を筒内に導入するための吸気弁及び排気を筒内から排出するための排気弁が設けられた気筒を備えるエンジンであって、
第1排気弁及び第2排気弁を備える排気弁と、
上記第1排気弁の開閉時期を変化させて、上記第1排気弁を動作させる可変動弁機構と、
上記第2排気弁を一定の開閉時期及びクランク角に応じた一定のリフト量の変化形態にて動作させるメカニカル動弁機構と、
エンジン回転数が高くなるほど、上記第1排気弁の開弁時期を進角させるように、上記可変動弁機構を制御する制御手段と、
を有し、
上記第1排気弁の開弁時期を所定の基準時期から遅角させていくと、開弁期間においてクランク角度に応じて変化する上記第1排気弁のリフト量を積分した値であるリフト量積分値が小さくなるように、上記可変動弁機構が構成され、
上記制御手段が上記可変動弁機構によって上記第1排気弁の開弁時期を最大に遅角させる開弁時期と、上記メカニカル動弁機構による上記第2排気弁の開弁時期とが同一に設定されている、ことを特徴とするエンジン。 - 上記メカニカル動弁機構による上記第2排気弁のリフト量積分値は、上記制御手段が上記第可変動弁機構によって上記第1排気弁の開閉時期を制御したときの最大のリフト量積分値と最小のリフト量積分値との間の値に設定されている、請求項1に記載のエンジン。
- 上記可変動弁機構は、
クランクシャフトの回転に同期して回転するカムと、
内部にエンジンオイルが充填され、上記カムの動作によってエンジンオイルの油圧が変化する圧力室と、
上記圧力室に接続されており、開閉することにより上記第1排気弁に作用させる油圧を制御する油圧バルブと、
を有し、
上記制御手段は、上記カムが上記圧力室内の油圧を上昇させるよう動作しているときに、上記油圧バルブの開閉を切り替える制御を行って、上記圧力室内の油圧を上記第1排気弁に作用させて上記第1排気弁を開弁させる、請求項1又は2に記載のエンジン。
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2016
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