JP6245454B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
このように構成された本発明においては、燃焼制御手段は、排気バルブが第1の作動モードで作動しているときにエンジンの運転状態が火花点火領域内になった場合において、排気側可変バルブ機構により排気バルブの作動モードの第2の作動モードへの切替が完了するまでの間の燃焼回数が所定回数以下であり、第2の作動モードへの切替完了までの間に排気バルブにより気筒内へ再導入される排気ガスが火花点火燃焼を行うのに十分な酸素を含む場合には、排気バルブの作動モードの切替が完了する前にエンジンの燃焼を予混合圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼へ切り替えるので、排気バルブの作動モードの切替完了を待つことなく、エンジンの運転状態がHCCI領域からSI領域に入った場合に速やかにSI燃焼に移行して発生トルクを増大させることができる。
このように構成された本発明においては、燃焼制御手段は、排気バルブが第1の作動モードで作動しているときにエンジンの運転状態が火花点火領域内になった場合において、燃焼回数推定手段により推定された応答遅れ時間内における燃焼回数が所定回数以下であり、第2の作動モードへの切替完了までの間に排気バルブにより気筒内へ再導入される排気ガスが火花点火燃焼を行うのに十分な酸素を含む場合には、排気バルブの作動モードの切替が完了する前にエンジンの燃焼を予混合圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼へ切り替えるので、排気バルブの作動モードの切替完了を待つことなく、エンジンの運転状態がHCCI領域からSI領域に入った場合に速やか且つ確実にSI燃焼に移行して発生トルクを増大させることができる。
このように構成された本発明においては、燃焼制御手段は、排気バルブが第1の作動モードで作動しているときにエンジンの運転状態が火花点火領域内になった場合において、排気側可変バルブ機構により排気バルブの作動モードの第2の作動モードへの切替が完了するまでの間の燃焼回数が1回以下であり、第2の作動モードへの切替完了までの間に排気バルブにより気筒内へ再導入される排気ガスが火花点火燃焼を行うのに十分な酸素を確実に含む場合には、排気バルブの作動モードの切替が完了する前にエンジンの燃焼を予混合圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼へ切り替えるので、排気バルブの作動モードの切替完了を待つことなく、エンジンの運転状態がHCCI領域からSI領域に入った場合に速やか且つより確実にSI燃焼に移行して発生トルクを増大させることができる。
このように構成された本発明においては、燃焼制御手段は、各気筒の排気バルブが第1の作動モードで作動しているときにエンジンの運転状態が火花点火領域内になった場合において、排気側可変バルブ機構により排気バルブの作動モードの第2の作動モードへの切替が完了するまでの間の燃焼回数が所定回数以下となり、第2の作動モードへの切替完了までの間に排気バルブにより気筒内へ再導入される排気ガスが火花点火燃焼を行うのに十分な酸素を含むことが確実な気筒から順に、排気バルブの作動モードの第2の作動モードへの切替が完了する前にその気筒における燃焼を予混合圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼へ切り替えるので、排気バルブの作動モードの切替完了を待つことなく、エンジンの運転状態がHCCI領域からSI領域に入った場合により速やかにSI燃焼に移行して発生トルクを増大させることができる。
このように構成された本発明においては、応答遅れ時間推定手段は、可変バルブ機構制御手段が排気バルブの作動モードの切替を排気側可変バルブ機構に指示してからピン部が作動位置に進出するまでのピン動作遅れ時間に基づき、排気バルブ毎に、ピン部を作動位置に進出させることが可能になるピン動作可能時期を推定すると共に、ピン部を作動位置に進出させてから排気バルブを作動させるカム部の切替が完了するまでの切替時間を推定し、ピン動作可能時期及び切替時間に基づき、応答遅れ時間を推定するので、応答遅れ時間を正確に推定することができ、これにより、排気バルブの作動モードの切替完了を待つことなく、エンジンの運転状態がHCCI領域からSI領域に入った場合により速やか且つ確実にSI燃焼に移行して発生トルクを増大させることができる。
図1は、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジン(エンジン本体)1の概略構成を示し、図2は、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置を示すブロック図である。
次に、図3を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの運転領域について説明する。図3は、エンジン1の運転制御マップの一例を示している。このエンジン1は、燃費の向上や排気エミッション性能の向上を目的として、エンジン負荷が相対的に低い低負荷域では、点火プラグ25による点火を行わずに、予混合圧縮自己着火(Homogeneous-Charge Compression Ignition:HCCI)による圧縮着火燃焼を行う。しかしながら、エンジン1の負荷が高くなるに従って、圧縮着火燃焼では、燃焼が急峻になりすぎてしまい、例えば燃焼騒音等の問題を引き起こすことになる。そこで、このエンジン1では、エンジン負荷が相対的に高い高負荷域では、圧縮着火燃焼を止めて、点火プラグ25を利用した強制点火燃焼(ここでは火花点火燃焼(Spark Ignition:SI))に切り替える。このように、このエンジン1は、エンジン1の運転状態、特にエンジン1の負荷に応じて、予混合圧縮自己着火燃焼を行うHCCIモードと、火花点火燃焼を行うSIモードとを切り替えるように構成されている。但し、モード切り替えの境界線は、図例に限定されるものではない。
次に、図4及び図5を参照して、本発明の実施形態による吸気バルブ及び排気バルブの動作を説明する。図4は、本発明の実施形態による排気側VVLの概略構成を示す正面図である。また、図5は、本発明の実施形態による吸気バルブ及び排気バルブのリフトカーブを示す線図であり、(a)はエンジンのHCCI領域の低負荷側、(b)はエンジンのHCCI領域の高負荷側、(c)はエンジンのSI領域における吸気バルブ及び排気バルブのリフトカーブの一例を示している。
VVL74が小リフトカムの作動状態を吸気バルブ21に伝達しているときには、図5(a)及び(b)に示すように、吸気バルブ21は、相対的に小さいリフト量で開弁すると共に、その開弁期間も短くなる。これに対し、VVL74が大リフトカムの作動状態を吸気バルブ21に伝達しているときには、図5(c)に示すように、吸気バルブ21は、相対的に大きいリフト量で開弁すると共に、その開弁期間も長くなる。図5の例では、大リフトカムと小リフトカムとは、開弁時期を同じにして切り替わるように設定されているので、VVL74が大リフトカムの作動状態を吸気バルブ21に伝達している場合、吸気バルブ21の閉弁時期は圧縮工程中まで遅れるように設定され、遅閉じミラーサイクルが実現される。
また、リフト棚部222の長さ(つまり、クランク角の進行方向の長さ)は、設定可能な最大リフト量に基づいて、要求される最大の内部EGRガス量を満足することができるように設定される。
次に、図6乃至8を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの燃焼制御処理を説明する。図6は、本発明の実施形態によるエンジンの燃焼制御処理のフローチャートであり、図7は、本発明の実施形態による排気側VVL71が排気バルブ22の作動モードの切替を完了するまでの応答遅れ時間を推定する応答遅れ時間推定処理のフローチャートであり、図8は、本発明の実施形態によるエンジンの運転領域がHCCI領域からSI領域へ切り替わったときの、排気バルブの作動モードの切替タイミングとエンジンの燃焼制御の切替タイミングとを示すタイミングチャートである。図6に示す処理は、PCM10によって、エンジン1の運転領域がHCCI領域内であり、排気バルブ22が特殊モードで作動しているときに所定の周期で繰り返し実行される。
例えば、PCM10は、VVL71の応答遅れ時間に影響を及ぼす油圧、油温、水温、バッテリ電圧等のエンジン状態とピン動作遅れ時間との関係を示すマップを予め記憶しておき、このマップを参照することにより、ステップS11で取得したエンジン1の運転状態に対応するピン動作遅れ時間を取得する。
具体的には、PCM10は、ピン部84を不作動位置から突出させると端面カム82の傾斜面ではなく外周面に衝突してしまうこと等により、作動位置へのピン部84の進出が制限されるクランク角範囲(以下、「ピン作動制限範囲」という)を排気バルブ22毎に予め記憶しておき、このピン作動制限範囲と、燃焼制御処理のステップS1で取得したクランク角と、ステップS12において推定したピン動作遅れ時間に基づき、排気バルブ22毎に、ピン部84を作動位置に進出させることができる最も早い時期をピン動作可能時期として推定する。
具体的には、PCM10は、ピン部84を作動位置に進出させた後、排気バルブ22を作動させるカム部が第1のカム部81aから第2のカム部81bへ切り替わる(即ち、作動位置に進出したピン部84の先端部が端面カム82に摺接し、カム要素部81をカム軸方向の一端側から他端側にスライドさせ、ロッカーアーム78のカムフォロア78aが第2のカム部81bに摺接するようにシフトする)までのクランクシャフト15の回転角と、燃焼制御処理のステップS1で取得したエンジン回転数に基づき、切替時間を推定する。
具体的には、PCM10は、排気バルブ22毎に、燃焼制御処理のステップS4において排気バルブ22の作動モードを特殊モードから通常モードに切り替える指示をVVL71に出力した後、ステップS12において推定したピン動作可能時期からステップS13において推定した切替時間が経過した時点までの時間を、応答遅れ時間として推定する。
ステップS14の後、PCM10は応答遅れ時間推定処理を終了し、図6のメインルーチンに戻る。
具体的には、PCM10は、ステップS1で取得したクランク角及びエンジン回転数と、ステップS5の応答遅れ時間推定処理で推定した応答遅れ時間に基づき、VVL71による排気バルブ22の作動モードの切替が完了するまでの間にクランクシャフト15が回転するクランク角範囲を特定し、そのクランク角範囲内において排気行程が開始される回数を燃焼回数として気筒18毎に推定する。
従って、応答遅れ時間内における最後の排気行程が開始(即ちVVL71による排気バルブ22の作動モードの切替が完了する直前の排気行程が開始)され、PCM10が燃焼制御パラメータをHCCI燃焼用の設定値からSI燃焼用の設定値へ切り替えるタイミングは、図8において実線で示すように、気筒#2、気筒#1、気筒#3、気筒#4の順に到来する。
このように、応答遅れ時間内における最後の排気行程が開始される気筒18から順次燃焼制御パラメータをHCCI燃焼用の設定値からSI燃焼用の設定値へ切り替えることにより、VVL71による排気バルブ22の作動モードの切替が完了した後に排気行程が開始されるタイミングで燃焼制御パラメータをHCCI燃焼用の設定値からSI燃焼用の設定値へ切り替える場合(図8において点線で示す)と比較して、エンジン1の燃焼をSI燃焼に移行するタイミングが各気筒18において1サイクルずつ早められる。
一方、SI燃焼では理論空燃比又は燃料過剰の混合気を燃焼させるので、その排気ガスに残存する酸素量は非常に少ない。従って、SI燃焼で発生した排気ガスを内部EGRガスとして気筒18内に導入した場合、酸素充填量が低下し、正常なSI燃焼を行うことができない可能性がある。従って、VVL71の応答遅れ時間内における燃焼回数が2回以上である場合、即ち排気バルブ22の作動モードが特殊モードの状態で排気行程が開始される回数が2回以上である場合には、燃焼制御パラメータをSI燃焼用に切り替えず、HCCI燃焼用の設定値に維持することが望ましい。
まず、上述した実施形態では、排気側のVVL71は、リフト棚部222を有する第1のカム部81aとリフト棚部222を有さずに一つのカム山を有する第2のカム部81bとの、カムプロフィールの異なる2種類のカム、及び、その第1及び第2のカム部81a、81bのいずれか一方のカム部の作動状態を選択的に排気バルブ22に伝達する電磁駆動のカムシフティング機構を含んで構成されていると説明したが、これとは異なる構成のVVLを用いてもよく、油圧駆動や空気圧駆動のVVLを用いてもよい。
また、応答遅れ時間内における燃焼回数が1回以下ではなくても、応答遅れ時間内に排気バルブ22により気筒18内へ再導入される排気ガスがSI燃焼を行うのに十分な酸素を含む所定回数以下である場合には、その気筒18における燃焼制御パラメータをHCCI燃焼用の設定値からSI燃焼用の設定値へ切り替えるようにしてもよい。
10 PCM
16 吸気ポート
17 排気ポート
18 気筒
22 排気バルブ
71 VVL(排気側)
74 VVL(吸気側)
75 VVT(排気側)
79 カム軸
81 カム要素部
81a 第1のカム部
81b 第2のカム部
82 端面カム
84 ピン部
Claims (5)
- 運転状態が所定の予混合圧縮自己着火領域内にある場合、予混合圧縮自己着火燃焼が行われ、運転状態が所定の火花点火領域内にある場合、火花点火燃焼が行われるエンジンの制御装置であって、
上記エンジンの運転状態に対応した燃焼制御パラメータを選択して上記エンジンの燃焼を制御する燃焼制御手段と、
上記エンジンの排気バルブの作動モードを変化させる排気側可変バルブ機構と、
上記エンジンの運転状態が上記予混合圧縮自己着火領域内にある場合、上記排気側可変バルブ機構により、吸気工程において上記排気バルブを開弁させて排気ガスを排気ポートから気筒内へ再導入させる第1の作動モードで上記排気バルブを作動させ、上記エンジンの運転状態が上記火花点火領域内にある場合、上記排気側可変バルブ機構により、上記第1の作動モードにおける上記排気バルブの閉弁時期よりも進角した時期に上記排気バルブを閉弁させる第2の作動モードで上記排気バルブを作動させる可変バルブ機構制御手段と、を有し、
上記燃焼制御手段は、上記排気バルブが上記第1の作動モードで作動しているときに上記エンジンの運転状態が上記火花点火領域内になった場合において、上記排気側可変バルブ機構により上記排気バルブの作動モードの上記第2の作動モードへの切替が完了するまでの間の燃焼回数が所定回数以下である場合、上記排気バルブの作動モードの上記第2の作動モードへの切替が完了する前に上記エンジンの燃焼を予混合圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼へ切り替え、上記排気側可変バルブ機構により上記排気バルブの作動モードの上記第2の作動モードへの切替が完了するまでの間の燃焼回数が上記所定回数より多い場合、上記エンジンの燃焼を予混合圧縮自己着火燃焼に維持することを特徴とするエンジンの制御装置。 - 運転状態が所定の予混合圧縮自己着火領域内にある場合、予混合圧縮自己着火燃焼が行われ、運転状態が所定の火花点火領域内にある場合、火花点火燃焼が行われるエンジンの制御装置であって、
上記エンジンの運転状態に対応した燃焼制御パラメータを選択して上記エンジンの燃焼を制御する燃焼制御手段と、
上記エンジンの排気バルブの作動モードを変化させる排気側可変バルブ機構と、
上記エンジンの運転状態が上記予混合圧縮自己着火領域内にある場合、上記排気側可変バルブ機構により、吸気工程において上記排気バルブを開弁させて排気ガスを排気ポートから気筒内へ再導入させる第1の作動モードで上記排気バルブを作動させ、上記エンジンの運転状態が上記火花点火領域内にある場合、上記排気側可変バルブ機構により、上記第1の作動モードにおける上記排気バルブの閉弁時期よりも進角した時期に上記排気バルブを閉弁させる第2の作動モードで上記排気バルブを作動させる可変バルブ機構制御手段と、を有し、
上記燃焼制御手段は、上記排気バルブが上記第1の作動モードで作動しているときに上記エンジンの運転状態が上記火花点火領域内になった場合において、上記排気側可変バルブ機構により上記排気バルブの作動モードの上記第2の作動モードへの切替が完了するまでの間の燃焼回数が所定回数以下である場合、上記排気バルブの作動モードの上記第2の作動モードへの切替が完了する前に上記エンジンの燃焼を予混合圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼へ切り替え、
更に、上記エンジンの運転状態に基づき、上記可変バルブ機構制御手段が上記排気バルブの作動モードの切替を上記排気側可変バルブ機構に指示してから上記排気側可変バルブ機構による上記排気バルブの作動モードの切替が完了するまでの応答遅れ時間を推定する応答遅れ時間推定手段と、
上記応答遅れ時間推定手段により推定された上記応答遅れ時間内における上記エンジンの燃焼回数を推定する燃焼回数推定手段とを有し、
上記燃焼制御手段は、上記排気バルブが上記第1の作動モードで作動しているときに上記エンジンの運転状態が上記火花点火領域内になった場合において、上記燃焼回数推定手段により推定された上記エンジンの燃焼回数が所定回数以下である場合、上記排気バルブの作動モードの上記第2の作動モードへの切替が完了する前に上記エンジンの燃焼を予混合圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼へ切り替える、エンジンの制御装置。 - 上記燃焼制御手段は、上記排気バルブが上記第1の作動モードで作動しているときに上記エンジンの運転状態が上記火花点火領域内になった場合において、上記排気側可変バルブ機構により上記排気バルブの作動モードの上記第2の作動モードへの切替が完了するまでの間の燃焼回数が1回以下である場合、上記排気バルブの作動モードの上記第2の作動モードへの切替が完了する前に上記エンジンの燃焼を予混合圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼へ切り替える、請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置。
- 運転状態が所定の予混合圧縮自己着火領域内にある場合、予混合圧縮自己着火燃焼が行われ、運転状態が所定の火花点火領域内にある場合、火花点火燃焼が行われるエンジンの制御装置であって、
上記エンジンの運転状態に対応した燃焼制御パラメータを選択して上記エンジンの燃焼を制御する燃焼制御手段と、
上記エンジンの排気バルブの作動モードを変化させる排気側可変バルブ機構と、
上記エンジンの運転状態が上記予混合圧縮自己着火領域内にある場合、上記排気側可変バルブ機構により、吸気工程において上記排気バルブを開弁させて排気ガスを排気ポートから気筒内へ再導入させる第1の作動モードで上記排気バルブを作動させ、上記エンジンの運転状態が上記火花点火領域内にある場合、上記排気側可変バルブ機構により、上記第1の作動モードにおける上記排気バルブの閉弁時期よりも進角した時期に上記排気バルブを閉弁させる第2の作動モードで上記排気バルブを作動させる可変バルブ機構制御手段と、を有し、
上記燃焼制御手段は、上記排気バルブが上記第1の作動モードで作動しているときに上記エンジンの運転状態が上記火花点火領域内になった場合において、上記排気側可変バルブ機構により上記排気バルブの作動モードの上記第2の作動モードへの切替が完了するまでの間の燃焼回数が所定回数以下である場合、上記排気バルブの作動モードの上記第2の作動モードへの切替が完了する前に上記エンジンの燃焼を予混合圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼へ切り替え、
上記エンジンは、複数の気筒を有し、
上記排気側可変バルブ機構は、上記複数の気筒のそれぞれに設けられ、
上記可変バルブ機構制御手段は、上記各排気側可変バルブ機構により、上記排気バルブの作動モードを上記気筒毎に変化させ、
上記燃焼制御手段は、上記各気筒の排気バルブが上記第1の作動モードで作動しているときに上記エンジンの運転状態が上記火花点火領域内になった場合において、上記排気側可変バルブ機構により上記排気バルブの作動モードの上記第2の作動モードへの切替が完了するまでの間の燃焼回数が所定回数以下となった気筒から順に、上記排気バルブの作動モードの上記第2の作動モードへの切替が完了する前にその気筒における燃焼を予混合圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼へ切り替える、エンジンの制御装置。 - 上記排気側可変バルブ機構は、上記エンジンの回転に応じて回転するカム軸と、このカム軸上に上記排気バルブ毎に複数設けられて上記排気バルブを作動させるカム部と、上記カム軸に対して回転方向に結合し且つ軸方向にスライド可能に嵌合されたカム要素部と、上記カム要素部に設けられた傾斜部に摺接してそのカム要素部をスライドさせることで上記排気バルブを作動させる上記カム部を切り替える作動位置と、上記カム要素部の傾斜部から退避する不作動位置との間で進退可能なピン部とを備え、
上記応答遅れ時間推定手段は、上記エンジンの運転状態に基づき、上記可変バルブ機構制御手段が上記排気バルブの作動モードの切替を上記排気側可変バルブ機構に指示してから上記ピン部が上記作動位置に進出するまでのピン動作遅れ時間を推定し、このピン動作遅れ時間に基づき、上記排気バルブ毎に、上記ピン部を上記作動位置に進出させることが可能になるピン動作可能時期を推定すると共に、上記ピン部を上記作動位置に進出させてから上記排気バルブを作動させるカム部の切替が完了するまでの切替時間を推定し、上記ピン動作可能時期及び上記切替時間に基づき、上記応答遅れ時間を推定する、請求項2に記載のエンジンの制御装置。
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