JP2017165445A - 飲料ディスペンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】コールドタンクを備えた飲料ディスペンサにおいて、冷却管内を流通する飲料水が過冷却状態になってシャーベット状の氷が発生し、冷却管内が詰まることを防止することができる、飲料ディスペンサを提供する。【解決手段】飲料ディスペンサは、冷却パイプの周囲に形成される氷層Fの厚さを検知する氷層センサ14と、冷却用水Wの温度を検知する水温センサ13と、氷層センサ14によって検知される氷層Fの厚さに基いて冷凍回路の動作を制御する制御ユニット70とを備えている。制御ユニット70は、水温センサ13によって検知される冷却用水Wの温度が所定温度(5℃)以上になると、水温センサ13によって検知される冷却用水Wの温度が3℃〜6℃の間(0℃以上)になるように冷凍回路の動作を制御する。【選択図】図2
Description
この発明は飲料ディスペンサに係り、特にコールドタンクを備えた飲料ディスペンサに関する。
従来から、冷飲料水を注出するためのコールドタンクを備えた飲料ディスペンサが知られている。このような飲料ディスペンサでは、コールドタンク内に冷却用水が貯留されると共に冷凍回路の一部を構成する冷却器と飲料水が流通する冷却管とが配置され、冷却器によって冷却用水が冷却されてその周囲に氷層が形成されると共に冷却管内を流通する飲料水が冷却され、冷飲料水となって注出される。特許文献1には、そのような飲料ディスペンサの一例が記載されている。
上記のような構成の飲料ディスペンサにおいて連続的に冷飲料水を注出する際には、冷却器の周囲に氷層が形成されるスピードよりも、氷層が溶けるスピードの方が速くなり、氷層がすべて溶けてしまう場合がある。そして、冷却器の周囲の氷層がすべて溶けた後に再度氷層が形成される過程においては、冷却管内に残っている飲料水が過冷却状態になってシャーベット状の氷が発生し、この際に冷飲料水の注出が行われると管内の氷が移動して冷却管内が詰まってしまうことがある。
この発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、コールドタンクを備えた飲料ディスペンサにおいて、冷却管内を流通する飲料水が過冷却状態になってシャーベット状の氷が発生し、冷却管内が詰まることを防止することができる、飲料ディスペンサを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明に係る飲料ディスペンサは、冷却用水が貯留されるコールドタンク内に冷凍回路の一部を構成する冷却器と飲料水が流通する冷却管とが配置され、冷却器によって冷却用水が冷却されて当該冷却器の周囲に氷層が形成されると共に冷却管内を流通する飲料水が冷却されて冷飲料水となって注出される、飲料ディスペンサであって、冷却器の周囲に形成される氷層の厚さを検知する氷層検知手段と、冷却用水の温度を検知する水温検知手段と、氷層検知手段によって検知される氷層の厚さに基いて冷凍回路の動作を制御する制御手段とを備え、制御手段は、水温検知手段によって検知される冷却用水の温度が所定温度以上になると、水温検知手段によって検知される冷却用水の温度が0℃以上になるように冷凍回路の動作を制御する。
最後に冷飲料水が注出されてからの経過時間を計測する時間計測手段をさらに備え、制御手段は、水温検知手段によって検知される冷却用水の温度が0℃以上になるように冷凍回路の動作を制御している際に、時間計測手段によって計測される経過時間が所定時間以上になると、再び氷層検知手段によって検知される氷層の厚さに基いて冷凍回路の動作を制御するようにしてもよい。
この発明に係る飲料ディスペンサによれば、冷却管内を流通する飲料水が過冷却状態になってシャーベット状の氷が発生し、冷却管内が詰まることを防止することができる。
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る飲料ディスペンサ1について、図1〜図4を参照して説明する。
図1に示されるように、飲料ディスペンサ1は、円筒形状のコールドタンク10と、同じく円筒形状のホットタンク20とを備えている。また、飲料ディスペンサ1は、外部の水道から水道水(飲料水)が供給される給水パイプ30を備えている。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る飲料ディスペンサ1について、図1〜図4を参照して説明する。
図1に示されるように、飲料ディスペンサ1は、円筒形状のコールドタンク10と、同じく円筒形状のホットタンク20とを備えている。また、飲料ディスペンサ1は、外部の水道から水道水(飲料水)が供給される給水パイプ30を備えている。
給水パイプ30は、その途中で第1給水パイプ31と第2給水パイプ32とに分岐している。第1給水パイプ31の下流側は、コールドタンク10の上部に接続されており、第2給水パイプ32の下流側は、ホットタンク20の側面上部に接続されている。また、第1給水パイプ31の途中には第1給水ウォータバルブ33が取り付けられており、第2給水パイプ32の途中には第2給水ウォータバルブ34が取り付けられている。
コールドタンク10の底部には、U字形状に延びる冷却水給排水パイプ11が接続されており、コールドタンク10の内部には、冷却水給排水パイプ11を通って供給された冷却用水Wが貯留されている。また、コールドタンク10の内部には、内壁に沿うようにして冷却器としての冷却パイプ12が螺旋状に巻かれており、冷却パイプ12は図示しない冷凍回路の一部を構成している。図示しない冷凍回路は、圧縮機、凝縮器、膨張器、冷却器(蒸発器)から構成されて内部を冷媒が流通する周知のものである。
冷却パイプ12の内部を流通する冷媒によって冷却パイプ12周辺の冷却用水Wが冷却されると、冷却パイプ12の周囲に氷層Fが形成される。この氷層Fの潜熱によって冷却用水Wは全体的に冷却される。冷却パイプ12の内側には、冷却用水Wの温度を検知する水温センサ13と、冷却パイプ12の周囲に形成される氷層Fの厚さを検知する氷層センサ14とが配置されている。
氷層センサ14は、上限センサ14aと下限センサ14bとから構成されている。上限センサ14aは氷層Fの厚みの上限値を検知するものであり、下限センサ14bよりも冷却パイプ12から遠い位置に配置されている。一方、下限センサ14bは氷層Fの厚みの下限値を検知するものであり、上限センサ14aよりも冷却パイプ12に近い位置に配置されている。
また、冷却パイプ12のさらに内側には、螺旋状に巻かれた冷却管としての冷却コイル15が配置されている。冷却コイル15の下端は第1給水パイプ31に連通しており、冷却コイル15の上端は冷水注出パイプ16に連通している。冷水注出パイプ16は、その下流側において後述する第2注出パイプ42と合流し、湯水注出パイプ46に連通している。また、冷水注出パイプ16の途中には第3ウォータバルブ17が設けられている。
また、コールドタンク10の側面上部には、冷水オーバーフローパイプ18が接続されている。冷水オーバーフローパイプ18は、コールドタンク10内の水量が過剰となった場合にこれを外部に排出するものであり、その下流側において後述する熱水オーバーフローパイプ22と合流し、オーバーフローパイプ50に連通している。オーバーフローパイプ50は、途中でカップステージ47の底部と連通し、オーバーフローパイプ50の下流側は排水用ホース51に接続されている。
次に、ホットタンク20の底面には、タンク20内の水を加熱するためのヒータ21が取り付けられている。また、ホットタンク20の側面上部には、熱水オーバーフローパイプ22が接続されている。熱水オーバーフローパイプ22は、タンク20内の水量が過剰になった場合にこれを外部に排出するものであり、その下流側において先述した冷水オーバーフローパイプ18と合流し、オーバーフローパイプ50に連通している。また、ホットタンク20の底部には、先述した排水用ホース51が接続されている。排水用ホース51の途中には、手動によって開閉可能な排水コック52が取り付けられている。
さらに、ホットタンク20の側面下部には、熱水注出パイプ23が接続されており、熱水注出パイプ23の下流側は、2連式ウォータバルブ40に接続されている。2連式ウォータバルブ40の第1の出口40aには、第1注出パイプ41が接続されており、2連式ウォータバルブ40の第2の出口40bには、第2注出パイプ42が接続されている。
第1注出パイプ41の下流側の端部は、茶こし44を取り付け可能な漏斗形状のドリンクガイド45の上方に位置している。茶こし44内には茶葉が置かれ、茶葉の上から熱水をかけて通過させることで茶の成分を抽出させて飲料が生成される。ドリンクガイド45の底部には飲料注出口45aが形成されている。なお、茶こし44の代わりにミキシングケースを設け、ケース内で粉末飲料を溶かすことで飲料を生成するようにしてもよい。
一方、第2注出パイプ42は、その下流側において先述した冷水注出パイプ16と合流し、湯水注出パイプ46に連通している。湯水注出パイプ46の下流側の端部46aは、飲料注出口45aに隣接する湯水注出口46aとなる。また、飲料注出口45aと湯水注出口46aの真下には、すのこ状のカップステージ47が設けられており、カップステージ47上に湯のみ60を置くことができる。
また、図2に示されるように、飲料ディスペンサ1は、マイクロコンピュータによって構成される制御ユニット70を備えている。制御ユニット70は、水温センサ13によって検知されるコールドタンク10内の冷却用水Wの温度と、氷層センサ14によって検知される冷却パイプ12の周囲に形成される氷層Fの厚みの情報とを取得し、これらに基いて冷凍回路の動作、より正確には冷凍回路を構成する圧縮機CMの動作を制御する。
また、制御ユニット70は、温かいお茶の注出スイッチ80、湯の注出スイッチ81、冷水の注出スイッチ82、ぬるいお茶スイッチ83のON/OFF状態を取得する。これらのスイッチは飲料ディスペンサ1の筐体表面に取り付けられており、ユーザによって操作される。また、制御ユニット70は、第1給水ウォータバルブ33、第2給水ウォータバルブ34、第3ウォータバルブ17および2連式ウォータバルブ40の開閉状態を制御する。
次に、この実施の形態1に係る飲料ディスペンサ1における飲料注出時の動作について、図1を再度参照して説明する。
まず、制御ユニット70は、温かいお茶の注出スイッチ80がONにされたことを検知すると、2連式ウォータバルブ40の第1の出口40aを開く。これにより、ホットタンク20内の熱水が熱水注出パイプ23、第1注出パイプ41を流通して茶こし44に供給される。そして、茶こし44内で茶の成分が抽出されて飲料が生成され、ドリンクガイド45の飲料注出口45aから湯のみ60に注ぎ出される。なお、ホットタンク20内の熱水を熱水注出パイプ23に送水する手段としては、ポンプを利用してもよいし、ホットタンク20の水頭圧を利用してもよい。
また、制御ユニット70は、湯の注出スイッチ81がONにされたことを検知すると、2連式ウォータバルブ40の第2の出口40bを開く。これにより、ホットタンク20内の熱水が熱水注出パイプ23、第2注出パイプ42、湯水注出パイプ46を流通し、湯水出口46aから湯のみ60に注ぎ出される。
また、制御ユニット70は、冷水の注出スイッチ82がONにされたことを検知すると、第1給水ウォータバルブ33と第3ウォータバルブ17を開く。これにより、外部の水道から給水パイプ30に供給された水道水(飲料水)が第1給水パイプ31に流入し、水道の水圧によってコールドタンク10の内部の冷却コイル15内に送水される。この冷却コイル15内に送水された水道水は、冷却用水Wによって冷却されて冷飲料水となり、冷水注出パイプ16、湯水注出パイプ46を流通し、湯水注出口46aから湯のみ60に注ぎ出される。
また、制御ユニット70は、ぬるいお茶スイッチ83がONにされたことを検知すると、2連式ウォータバルブ40の第1の出口40aを開くと共に、第1給水ウォータバルブ33および第3ウォータバルブ17を開く。これにより、ホットタンク20内の熱水が熱水注出パイプ23、第1注出パイプ41を流通して茶こし44に供給され、茶こし44内で茶の成分が抽出されて飲料が生成され、飲料注出口45aから湯のみ60に注ぎ出される。また、外部の水道から給水パイプ30に供給された水道水(飲料水)は、第1給水パイプ31に流入し、コールドタンク10の内部の冷却コイル15、冷水注出パイプ16、湯水注出パイプ46を流通し、湯水注出口46aから湯のみ60に注ぎ出される。この際、2連式ウォータバルブ40の第1の出口40aの開時間と、第1給水ウォータバルブ33および第3ウォータバルブ17の開時間とを調整することによって、お茶のぬるさ(温度)を調整する。
次に、この実施の形態1に係る飲料ディスペンサ1における冷凍回路の制御について、図3、図4を参照して説明する。
飲料ディスペンサ1は、氷層センサ14によって検知される冷凍パイプ12の周囲の氷層Fの厚さに基いて冷凍回路を制御する「氷層センサモード」と、水温センサ13によって検知される冷却用水Wの温度に基いて冷凍回路を制御する「水温センサモード」という2つの制御モードを有している。図3、図4の初期状態において、制御モードは「氷層センサモード」である。
まず、制御ユニット70は、現在の制御モードが「氷層センサモード」であるか、「水温センサモード」であるかを判定する(S101)。そして、上述したように初期状態では「氷層センサモード」であるため、氷層センサ14による制御を行うステップS102〜S107に進む。
氷層センサ14による制御において、制御ユニット70は、冷却パイプ12の周囲の氷層Fの厚さが下限センサ14bの位置を下回っているか否かを判定し(S102)、下回っている場合には圧縮機CMをONにして冷凍回路の運転を開始する(S103)。次に、制御ユニット70は、冷却パイプ12の周囲の氷層Fの厚さが上限センサ14aの位置を上回っているか否かを判定し(S104)、上回っている場合には圧縮機CMをOFFにして冷凍回路の運転を停止する(S105)。この間、冷却用水Wの温度は0℃近く(0.5〜1.0℃くらい)を推移する。また、飲料ディスペンサ1から単発的に冷飲料水を注出する場合には、冷却用水Wの温度はほとんど上昇しない。
これに対して、飲料ディスペンサ1から連続的に冷飲料水を注出すると、冷却パイプ12の周囲に氷層Fが形成されるスピードよりも、氷層Fが溶けるスピードの方が速くなる。そのため、やがて氷層Fがすべて溶けてしまい、冷却用水Wの温度が上昇していく(図4参照)。
制御ユニット70は、水温センサ13によって検知される冷却用水Wの温度が所定温度(5℃)以上であるか否かを判定し(S106)、5℃未満である場合には「氷層センサモード」のままステップS101に戻る。一方、5℃以上である場合には、冷却パイプ12の周囲の氷層Fがすべて溶けたと判断し、制御モードを「氷層センサモード」から「水温センサモード」に変更する(S107、図4のT1)。その後、制御ユニット70は、ステップS101に戻り、現在の動作モードが「水温センサモード」であるため、水温センサ13による制御を行うステップS108〜S111に進む。
水温センサ13による制御において、制御ユニット70は、冷却用水Wの温度が上限温度6℃以上であるか否かを判定し(S108)、6℃以上である場合には圧縮機CMをONにして冷凍回路の運転を開始する(S109)。次に、制御ユニット70は、冷却用水Wの温度が下限温度3℃以下であるか否かを判定し(S110)、3℃以下である場合には圧縮機CMをOFFにして冷凍回路の運転を停止する(S111)。その後、制御ユニットは、ステップS101に戻る。
上記ステップS108〜S111の水温センサ13による制御においては、冷却用水Wの温度は3℃〜6℃の間(0℃以上)になるように制御される。そのため、冷却パイプ12の周囲に氷層Fが形成されることはなく、冷却コイル15内を流通する飲料水が過冷却状態になってシャーベット状の氷が発生することもない。これにより、冷却コイル15内が詰まることが防止される。
以上説明したように、この実施の形態1に係る飲料ディスペンサ1では、冷却パイプ12の周囲に形成される氷層Fの厚さを検知する氷層センサ14と、冷却用水Wの温度を検知する水温センサ13と、氷層センサ14によって検知される氷層Fの厚さに基いて冷凍回路の動作を制御する制御ユニット70とを備えている。制御ユニット70は、水温センサ13によって検知される冷却用水Wの温度が所定温度(5℃)以上になると、水温センサ13によって検知される冷却用水Wの温度が3℃〜6℃の間(0℃以上)になるように冷凍回路の動作を制御する。これにより、冷却コイル15内を流通する飲料水が過冷却状態になってシャーベット状の氷が発生することがなくなり、冷却コイル15内が詰まることが防止される。
なお、「氷層センサモード」から「水温センサモード」に変更する際の判断基準となる所定温度は5℃に限定されるものではなく、飲料ディスペンサの置かれる環境等にあわせて適宜調整することができる。また、水温センサ13による制御においては、冷却用水Wの温度が3℃〜6℃の間になるように制御したが、温度範囲はこれに限定されるものではなく、0℃以上の範囲であればよい。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る飲料ディスペンサについて、図5〜図7を参照して説明する。なお、以降の説明において、実施の形態1の参照符号と同一の符号は同一又は同様の構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
次に、この発明の実施の形態2に係る飲料ディスペンサについて、図5〜図7を参照して説明する。なお、以降の説明において、実施の形態1の参照符号と同一の符号は同一又は同様の構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
実施の形態1では、「氷層センサモード」において連続的に冷飲料水を注出する場合には、冷却コイル12の周囲に氷層Fが存在する間は冷却用水Wの温度上昇はごく僅かであるため、冷却コイル15内を流通する飲料水を十分に冷やすことができる。これに対して、氷層Fがすべて溶けて「水温センサモード」に変更した後に連続的に冷飲料水を注出する場合には、冷却用水Wの温度を常に3℃〜6℃の間に保つことが難しく、冷却用水Wの温度が6℃よりも高くなってしまう場合がある。その結果、冷却コイル15内を流通する飲料水を常時十分に冷やすことができない場合がある。
上記の問題を解決するために、実施の形態2に係るディスペンサ201では、水温センサ13による制御に変更した後に、最後に冷飲料水を注出してから所定時間(2時間)経過した場合には、当分の間、冷飲料水の注出は行われないと判断し、再び氷層センサ14による制御に戻すようにしたものである。
図5に示されるように、実施の形態2に係る制御ユニット270は、最後に冷飲料水を注出してからの経過時間を計測する内蔵タイマ271を備えている。そして、図6に示されるように、制御ユニット270は、水温センサ13による制御において、ステップS108からS111を実行した後、内蔵タイマ271によって計測される時間に基いて最後に冷飲料水を注出してから所定時間(2時間)が経過しているか否かを判定し(S212)、経過している場合には制御モードを「水温センサモード」から「氷層センサモード」に戻す(S213、図7のT2)。
氷層センサ14による制御に戻してから1〜2時間経過すると、冷却コイル12の周囲に再び氷層Fが形成される。この際、氷層Fが形成される過程において、注出コイル15内に残っている飲料水が過冷却状態になって一時的にシャーベット状の氷が発生したとしても、冷飲料水の注出が行われない状態ではコイル15内の氷が移動することはないため、冷却コイル15内が詰まることはなく、氷層Fが形成されてから十分時間が経過した後には、冷却コイル15内のシャーベット状態の氷は消失する。そしてその後、氷層センサ14による制御において連続的に冷飲料水を注出する場合には、氷層Fが存在することによって冷却用水Wの温度上昇はごく僅かとなるため、冷却コイル15内を流通する飲料水を十分に冷やすことができる。
以上説明したように、この実施の形態2に係る飲料ディスペンサ1では、最後に冷飲料水が注出されてからの経過時間を計測する内蔵タイマ271をさらに備えている。制御ユニット270は、水温センサ13によって検知される冷却用水Wの温度が3℃〜6℃の間(0℃以上)になるように冷凍回路の動作を制御している際に、内蔵タイマ271によって計測される経過時間が所定時間(2時間)以上になると、再び氷層センサ14によって検知される氷層Fの厚さに基いて冷凍回路の動作を制御する。これにより、連続的に冷飲料水を注出する場合でも、冷却コイル15内を流通する飲料水を十分に冷やすことができる。なお、「水温センサモード」から「氷層センサモード」に戻す際の判断基準となる所定時間は2時間に限定されるものではなく、飲料ディスペンサの使用方法等にあわせて適宜調整することができる。また、ユーザによって操作可能な設定パネル上で任意の時間に設定できるようにしてもよい。
また、飲料ディスペンサの種類によっては、省エネを目的としたタイマ運転機能を搭載しており、タイマによるOFFの時間帯には温飲料、冷飲料ともに注出できない設定になっているものがある。そのような飲料ディスペンサの場合には、(タイマによるOFFの時間帯でも圧縮機CMの運転は行われるので、)飲料が確実に注出されないタイマOFFの時間帯に入ったタイミングで「水温センサモード」から「氷層センサモード」に戻すようにしてもよい。
1 飲料ディスペンサ、10 コールドタンク、12 冷却パイプ(冷却器)、13 温度センサ(温度検知手段)、14 氷層センサ(氷層検知手段)、15 冷却コイル(冷却管)、70,270 制御ユニット(制御手段)、271 内蔵タイマ(時間計測手段)、F 氷層、W 冷却用水。
Claims (2)
- 冷却用水が貯留されるコールドタンク内に冷凍回路の一部を構成する冷却器と飲料水が流通する冷却管とが配置され、前記冷却器によって冷却用水が冷却されて該冷却器の周囲に氷層が形成されると共に前記冷却管内を流通する飲料水が冷却されて冷飲料水となって注出される、飲料ディスペンサであって、
前記冷却器の周囲に形成される氷層の厚さを検知する氷層検知手段と、
前記冷却用水の温度を検知する水温検知手段と、
前記氷層検知手段によって検知される前記氷層の厚さに基いて前記冷凍回路の動作を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、前記水温検知手段によって検知される前記冷却用水の温度が所定温度以上になると、前記水温検知手段によって検知される前記冷却用水の温度が0℃以上になるように前記冷凍回路の動作を制御する、飲料ディスペンサ。 - 最後に冷飲料水が注出されてからの経過時間を計測する時間計測手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記水温検知手段によって検知される前記冷却用水の温度が0℃以上になるように前記冷凍回路の動作を制御している際に、前記時間計測手段によって計測される経過時間が所定時間以上になると、再び前記氷層検知手段によって検知される前記氷層の厚さに基いて前記冷凍回路の動作を制御する、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
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