JP2017165324A - 電動パワーステアリング装置および電力供給状態切替方法 - Google Patents

電動パワーステアリング装置および電力供給状態切替方法 Download PDF

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Abstract

【課題】、無駄な電力の消費を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供する。【解決手段】電動モータによって発生させることができる最大モータトルクであって、現在の入力電圧およびモータ回転数に応じた最大モータトルクを演算する最大モータトルク演算手段(33)と、切替回路(43)が第1電力供給状態である場合において、最大モータトルクから実モータトルクを減算することにより得られる両者の差が第1所定値α(α>0)未満になれば、切替回路を第2電力供給状態に切り替え、切替回路が第2電力供給状態である場合において、差が第2所定値β(β>0)以上になれば、切替回路を第1電力供給状態に切り替える手段(33)とを含む。【選択図】図2

Description

この発明は、操舵補助力(アシスト力)を電動モータによって発生させる電動パワーステアリング装置および電力供給状態切替方法に関する。
下記特許文献1には、主電源と、補助電源とを備え、操舵速度の絶対値が所定値以下のときには、主電源のみからモータ駆動回路に電力を供給し、操舵速度の絶対値が所定値を超えたときには主電源および補助電源からモータ駆動回路に電力を供給する電動パワーステアリング装置(EPS:electric power steering)が開示されている。
特開2009−78737号公報
前記特許文献1記載の発明では、車庫入れや駐車時だけでなく、障害物を避けるために進路を急に変更したとき、山岳路において比較的急なカーブを曲がるとき等においても、主電源および補助電源からモータ駆動回路に電力を供給することができるようになる。しかしながら、雪道等の摩擦係数の小さい路面を走行しているときには、操舵速度が速くなりやすいので、大きな操舵補助力を必要としない状況においても、主電源および補助電源からモータ駆動回路に電力が供給されやすくなる。このため、前記特許文献1記載の発明では、無駄な電力が消費されやすいという問題がある。
この発明の目的は、無駄な電力の消費を抑制することができる電動パワーステアリング装置および電力供給状態切替方法を提供することである。
請求項1記載の発明は、電動モータ(18)に電力を供給するための駆動回路(52)と、前記駆動回路に電力を供給することが可能な主電源(31)および補助電源(44)と、前記主電源のみによって前記駆動回路に電力を供給する第1電力供給状態と、前記主電源および前記補助電源の両方を利用して前記駆動回路に電力を供給する第2電力供給状態とを切り替えるための切替回路(43)と、前記切替回路を制御する制御手段(33)とを含み、前記制御手段は、前記駆動回路の入力電圧と前記電動モータの回転数と前記電動モータに流れるモータ電流とを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得されたモータ電流に基づいて、前記電動モータによって発生しているモータトルクを実モータトルク(Tm)として演算する実モータトルク演算手段(33)と、前記駆動回路の入力電圧およびモータ回転数がそれぞれ前記取得手段によって取得された入力電圧およびモータ回転数である場合に、前記電動モータによって発生させることができる最大モータトルク(Tm―lim)を演算する最大モータトルク演算手段(33)と、前記切替回路が前記第1電力供給状態である場合において、前記最大モータトルクから前記実モータトルクを減算することにより得られる両者の差(ΔTm)が第1所定値α(α>0)未満になれば、前記切替回路を前記第2電力供給状態に切り替え、前記切替回路が前記第2電力供給状態である場合において、前記差(ΔTm)が第2所定値β(β>0)以上になれば、前記切替回路を前記第1電力供給状態に切り替える手段(33)とを含む、電動パワーステアリング装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
切替回路が第1電力供給状態である場合において、最大モータトルク(Tm―lim)と実モータトルク(Tm)との差(ΔTm=Tm―lim−Tm)が第1所定値α以上である状態とは、電動モータから発生させることが可能な最大モータトルク(Tm―lim)よりも実モータトルク(Tm)が小さい状態であるので、発生可能な操舵補助力に余裕がある状態であると考えられる。そこで、このような場合には、切替回路は第2電力供給状態に切り替えられない。
一方、切替回路が第1電力供給状態である場合において、差(ΔTm)が第1所定値α未満である状態とは、電動モータから発生させることが可能な最大モータトルクに対して実モータトルクが等しいかまたは近い状態であるので、発生可能な操舵補助力に余裕がない状態であると考えられる。そこで、このような場合には、切替回路が第2電力供給状態に切り替えられる。
この構成では、切替回路が第1電力供給状態である場合において、発生可能な操舵補助力に余裕がある状態では、切替回路が第2電力供給状態に切り替えられないので、無駄な電力の消費を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、前記第2所定値βが前記第1所定値αよりも大きい、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置である。
請求項3に記載の発明は、前記駆動回路の入力電圧毎に、その入力電圧に応じた前記電動モータの回転数・トルク特性が記憶されている記憶手段をさらに含み、前記最大モータトルク演算手段は、前記記憶手段に記憶されている入力電圧毎の回転数・トルク特性のうち、前記取得手段によって取得された入力電圧に応じた回転数・トルク特性において、前記取得手段によって取得されたモータ回転数に対応するトルクを前記最大モータトルクとして演算するように構成されている、請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置である。
請求項4に記載の発明は、前記補助電源はキャパシタからなる、請求項1、2および3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置である。
請求項5に記載の発明は、電動モータに電力を供給するための駆動回路と、前記駆動回路に電力を供給することが可能な主電源および補助電源と、前記主電源のみによって前記駆動回路に電力を供給する第1電力供給状態と、前記主電源および前記補助電源の両方を利用して前記駆動回路に電力を供給する第2電力供給状態とを切り替えるための切替回路とを含む電動パワーステアリング装置における電力供給状態切替方法であって、前記駆動回路の入力電圧と前記電動モータの回転数と前記電動モータに流れるモータ電流とを取得する第1ステップと、前記第1ステップによって取得されたモータ電流に基づいて、前記電動モータによって発生しているモータトルクを実モータトルクとして演算する第2ステップと、前記駆動回路の入力電圧およびモータ回転数がそれぞれ前記取得手段によって取得された入力電圧およびモータ回転数である場合に、前記電動モータによって発生させることができる最大モータトルクを演算する第3ステップと、前記切替回路が前記第1電力供給状態である場合において、前記最大モータトルクから前記実モータトルクを減算することにより得られる両者の差が第1所定値α(α>0)未満になれば、前記切替回路を前記第2電力供給状態に切り替え、前記切替回路が前記第2電力供給状態である場合において、前記差が第2所定値β(β>0)以上になれば、前記切替回路を前記第1電力供給状態に切り替える第4ステップとを含む、電力供給状態切替方法である。
この方法では、請求項1に記載の発明と同様に、切替回路が第1電力供給状態である場合において、発生可能な操舵補助力に余裕がある状態では、切替回路が第2電力供給状態に切り替えられないので、無駄な電力の消費を抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、前記第2所定値βは前記第1所定値αよりも大きい、請求項5に記載の電力供給状態切替方法である。
請求項7に記載の発明は、前記電動パワーステアリング装置は、前記駆動回路の入力電圧毎に、その入力電圧に応じた前記電動モータの回転数・トルク特性が記憶されている記憶手段をさらに含み、前記第3ステップは、前記記憶手段に記憶されている入力電圧毎の回転数・トルク特性のうち、前記第1ステップによって取得された入力電圧に応じた回転数・トルク特性において、前記第1ステップによって取得されたモータ回転数に対応するトルクを前記最大モータトルクとして演算する、請求項5または6に記載の電力供給状態切替方法である。
請求項8に記載の発明は、前記補助電源はキャパシタからなる、請求項5,6および7のいずれか一項に記載の電力供給状態切替方法である。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、図1の電動パワーステアリング装置の電気的構成を示す回路図である。 図3は、電源制御用ECU33によって実行される電力供給状態切替処理の手順を示すフローチャートである。 図4は、図3のステップS1で取得された入力電圧VDに対応したモータ回転数・トルク特性を示すグラフである。
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
電動パワーステアリング装置(EPS:electric power steering)1は、車両を操向するための操舵部材としてのステアリングホイール2と、このステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して相対回転可能に連結されている。
トーションバー10の近傍には、トルクセンサ11が配置されている。トルクセンサ11は、入力軸8および出力軸9の相対回転変位量に基づいて、ステアリングホイール2に与えられた操舵トルクTを検出する。この実施形態では、トルクセンサ11によって検出される操舵トルクTは、たとえば、右方向への操舵のためのトルクが正の値として検出され、左方向への操舵のためのトルクが負の値として検出され、その絶対値が大きいほど操舵トルクの大きさが大きくなるものとする。
転舵機構4は、ピニオン軸13と、転舵軸としてのラック軸14とを含むラックアンドピニオン機構からなる。ラック軸14の各端部には、タイロッド15およびナックルアーム(図示略)を介して転舵輪3が連結されている。ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端(図1では下端)には、ピニオン16が連結されている。
ラック軸14は、自動車の左右方向に沿って直線状に延びている。ラック軸14の軸方向の中間部には、ピニオン16に噛み合うラック17が形成されている。このピニオン16およびラック17によって、ピニオン軸13の回転がラック軸14の軸方向移動に変換される。ラック軸14を軸方向に移動させることによって、転舵輪3を転舵することができる。
ステアリングホイール2が操舵(回転)されると、この回転が、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して、ピニオン軸13に伝達される。そして、ピニオン軸13の回転は、ピニオン16およびラック17によって、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。
操舵補助機構5は、操舵補助用の電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを転舵機構4に伝達するための減速機構19とを含む。電動モータ18は、たとえば、3相ブラシレスモータからなる。電動モータ18には、電動モータ18の回転数Nを検出するための回転数センサ23が設けられている。
減速機構19は、ウォーム軸20と、このウォーム軸20と噛み合うウォームホイール21とを含むウォームギヤ機構からなる。ウォーム軸20は、電動モータ18によって回転駆動される。また、ウォームホイール21は、ステアリングシャフト6とは一体的に回転可能に連結されている。ウォームホイール21は、ウォーム軸20によって回転駆動される。
電動モータ18によってウォーム軸20が回転駆動されると、ウォームホイール21が回転駆動され、ステアリングシャフト6が回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォーム軸20を回転駆動することによって、転舵輪3が転舵されるようになっている。
車両には、車速Vを検出するための車速センサ24が設けられている。トルクセンサ11によって検出される操舵トルクT、回転数センサ23によって検出される電動モータ18の回転数N、車速センサ24によって検出される車速V等は、EPS用ECU(ECU:Electronic Control Unit)12に入力される。EPS用ECU12は、これらの入力等に基づいて、電動モータ18を制御することにより、いわゆるアシスト制御を行う。
EPS用ECU12内のモータ駆動回路52(図2参照)には、主電源31のみによって電力が供給される場合と、主電源31および補助電源装置32の両方を利用して電力が供給される場合とがある。補助電源装置32は、電源制御用ECU33によって制御される。EPS用ECU12と電源制御用ECU33とは通信線を介して接続されている。
図2は、電動パワーステアリング装置1の電気的構成を示す回路図である。
EPS用ECU12は、マイクロコンピュータからなるモータ制御回路51と、モータ制御回路51によって制御され、電動モータ18に電力を供給するモータ駆動回路(インバータ回路)52とを含んでいる。EPS用ECU12には、電動モータ18に流れるモータ電流Imを検出するための電流センサ53の出力信号が入力される。電流センサ53によって検出されるモータ電流Imは、EPS用ECU12を介して、電源制御用ECU33に与えられる。
モータ制御回路51は、トルクセンサ11によって検出される操舵トルクTと、車速センサ24によって検出される車速Vと、回転数センサ23よって検出される回転数Nと、電流センサ53によって検出されるモータ電流Imとに基づいて、モータ駆動回路52を駆動制御する。具体的には、モータ制御回路51は、操舵トルクTと車速Vとに基づいて目標電流値を設定し、電動モータ18に流れるモータ電流Imが目標電流値と等しくなるように、モータ駆動回路52を駆動する。なお、回転数センサ23によって検出される回転数Nは、EPS用ECU12を介して、電源制御用ECU33に与えられる。
補助電源装置32は、主電源31に直列に接続されている。補助電源装置32は、リレー41と、充電回路42と、放電回路(切替回路)43と、補助電源としてのキャパシタ44とを含む。
リレー41は、主電源31の正極側端子と充電回路42との間に配置されている。リレー41と充電回路42との接続点をP1で示す。充電回路42は、キャパシタ44を充電するための回路である。充電回路42は、直列接続された一対のスイッチング素子42A,42Bと、これらのスイッチング素子42A,42Bの接続点P3と接続点P1との間に接続された昇圧コイル42Cとを含む。スイッチング素子42A,42Bは、nチャネル型MOSFETからなる。
上段側のスイッチング素子42Aのソースが下段側のスイッチング素子42Bのドレインに接続されている。上段側のスイッチング素子42Aのドレインは、キャパシタ44の出力端子(接続点P2)に接続されている。下段側のスイッチング素子42Bのソースは接地されている。接続点P1は、キャパシタ44の入力端子(接続点P5)に接続されている。一対のスイッチング素子42A,42Bを交互にオンさせることにより、接続点P1における出力電圧(バッテリー電圧VB)を昇圧してキャパシタ44の出力端子に印加できるので、キャパシタ44を充電することができる。
放電回路43は、充電回路42に直列に接続されている。放電回路43は、直列接続された一対のスイッチング素子43A,43Bからなる。スイッチング素子43A,43Bは、nチャネル型MOSFETからなる。上段側のスイッチング素子43Aのソースが下段側のスイッチング素子43Bのドレインに接続されている。上段側のスイッチング素子43Aのドレインは、キャパシタ44の出力端子(接続点P2)に接続されている。下段側のスイッチング素子43Bのソースはキャパシタ44の入力端子(接続点P5)に接続されている。一対のスイッチング素子43A,43Bの接続点P4は、EPS用ECU12内のモータ駆動回路52に接続されている。
下段側のスイッチング素子43Bがオンで、上段側のスイッチング素子43Aがオフのときには、主電源31のみからモータ駆動回路52に電力が供給される。このように主電源31のみによってモータ駆動回路52に電力が供給される状態を「第1電力供給状態」という場合がある。
一方、下段側のスイッチング素子43Bがオフで、上段側のスイッチング素子43Aがオンのときには、キャパシタ44からモータ駆動回路52への放電が可能となる。これにより、主電源31およびキャパシタ44の両方からモータ駆動回路52に電力が供給される。また、下段側のスイッチング素子43Bと上段側のスイッチング素子43Aとを交互にオンさせると、両者のオン時間の比率によって、モータ駆動回路52に印加される電圧VDを変更することができる。このように下段側のスイッチング素子43Bをオフかつ上段側のスイッチング素子43Aをオンとさせたり、下段側のスイッチング素子43Bと上段側のスイッチング素子43Aとを交互にオンさせたりすることにより、主電源31およびキャパシタ44の両方を利用してモータ駆動回路52に電力が供給される状態を「第2電力供給状態」という場合がある。
モータ駆動回路52の入力電圧VDは、電圧センサ48によって検出される。電圧センサ48の検出値は、電源制御用ECU33に入力される。電源制御用ECU33には、イグニッションキーの状態を表すイグニッション状態検知信号(図示略)が入力する。
電源制御用ECU33は、マイクロコンピュータからなる。マイクロコンピュータは、CPUおよびそのプログラム等を記憶するメモリ(ROM,RAM,不揮発性メモリ等のメモリ)を備えている。不揮発性メモリ(図示略)には、モータ駆動回路52の入力電圧VD毎に、その入力電圧VDに応じた電動モータ18の回転数・トルク特性(N−T特性)が記憶されている。たとえば、不揮発性メモリ(図示略)には、モータ駆動回路52の入力電圧VDを電動モータ18への印可電圧として、電動モータ18への印可電圧を変化させた場合の、各印可電圧VDに対する電動モータ18の回転数・トルク特性(N−T特性)がその印可電圧VDに関連付けて記憶されている。
電源制御用ECU33は、イグニッション状態検知信号に基づいてリレー41をオンオフ制御する。電源制御用ECU33は、電圧センサ48によって検出されるモータ駆動回路52の入力電圧VDと、回転数センサ23によって検出される電動モータ18の回転数Nと、電流センサ53によって検出されるモータ電流Imとに基づいて、第1電力供給状態と第2電力供給状態との間で電力供給状態を切り替える。
電力供給状態が第1電力供給状態に設定されているときには、電源制御用ECU33は、例えば、放電回路(切替回路)43内の下段側のスイッチング素子43Bをオンに設定し、上段側のスイッチング素子43Aをオフに設定する。また、電源制御用ECU33は、必要に応じて、充電回路42内の一対のスイッチング素子42A,42Bを交互にオンさせる。これにより、主電源31のみによってモータ駆動回路52に電力が供給されるとともに、必要に応じてキャパシタ44が充電される。
電力供給状態が第2電力供給状態に設定されているときには、電源制御用ECU33は、充電回路42内の一対のスイッチング素子42A,42Bをオフ状態とする。また、電源制御用ECU33は、例えば、放電回路(切替回路)43内の上段側のスイッチング素子43Aをオンに設定し、下段側のスイッチング素子43Bをオフに設定する。これにより、主電源31およびキャパシタ44の両方によってモータ駆動回路52に電力が供給される。この場合、電源制御用ECU33は、放電回路43内の一対のスイッチング素子43A,43Bを交互にオンさせてもよい。
図3は、電源制御用ECU33によって実行される電力供給状態切替処理の手順を示すフローチャートである。図3の処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
電源制御用ECU33は、電流センサ53によって検出されるモータ電流Im、電圧センサ48によって検出されるモータ駆動回路52の入力電圧VDおよび回転数センサ23によって検出されるモータ回転数Nを取得する(ステップS1)。電源制御用ECU33は、ステップS1で取得されたモータ電流Imに、電動モータ18のモータトルク定数Ktを乗算することにより、実モータトルクTm(=Kt・Im)を演算する(ステップS2)。
次に、電源制御用ECU33は、入力電圧VDおよびモータ回転数NがそれぞれステップS1で取得された入力電圧VDおよびモータ回転数Nである場合に、電動モータ18から発生させることができる最大モータトルクTm―limを求める(ステップS3)。具体的には、図4に示すように、電源制御用ECU33は、不揮発性メモリ内の入力電圧VD毎のモータ回転数・トルク特性のうちのステップS1で取得された入力電圧VDに対応したモータ回転数・トルク特性(曲線S)において、ステップS1で取得されたモータ回転数Nに対応したトルクを最大モータトルクTm―limとして求める。
次に、電源制御用ECU33は、状態判別用フラグFがセット(F=1)されているか否かを判別する(ステップS4)。状態判別用フラグFは、電力供給状態が第1電力供給状態に設定されているときにはリセット(F=0)され、電力供給状態が第2電力供給状態に設定されているときにはセット(F=1)されるフラグである。状態判別用フラグFの初期値は0である。
状態判別用フラグFがリセット(F=0)されていると判別された場合には(ステップS4:NO)、つまり、電力供給状態が第1電力供給状態に設定されていると判別されたときには、電源制御用ECU33は、ステップS5に移行する。ステップS5では、電源制御用ECU33は、ステップS3で求めた最大モータトルクTm―limからステップS2で演算された実モータトルクTmを減算することによって得られる両者の差ΔTm(=Tm―lim−Tm)(図4参照)が第1所定値α(α>0)未満であるか否かを判別する。
前記差ΔTmが第1所定値α以上である場合には(ステップS5:NO)、電源制御用ECU33は、電力供給状態を切り替えることなく、今回の処理を終了する。したがって、この場合には、第1電力供給状態が維持されることになる。
前記ステップS5において、前記差ΔTm_が第1所定値α未満であると判別された場合には(ステップS5:YES)、電源制御用ECU33は、状態判別用フラグFをセット(F=1)した後(ステップS6)、電力供給状態を第2電力供給状態に切り替える(ステップS7)。これにより、主電源31およびキャパシタ44の両方によってモータ駆動回路52に電力が供給されるようになる。そして、電源制御用ECU33は、今回の処理を終了する。
前記ステップS4において、状態判別用フラグFがセット(F=1)されていると判別された場合には(ステップS4:YES)、つまり、電力供給状態が第2電力供給状態に設定されていると判別されたときには、電源制御用ECU33は、ステップS8に移行する。ステップS8では、電源制御用ECU33は、ステップS3で求めた最大モータトルクTm―limからステップS2で演算された実モータトルクTmを減算することによって得られる両者の差ΔTm(=Tm―lim−Tm)が第2所定値β(β>0)以上であるか否かを判別する。この実施形態では、第2所定値βは第1所定値αよりも大きな値(β>α)に設定されている。ただし、第2所定値βは第1所定値αと同じ値に設定されていてもよい。
前記差ΔTmが第2所定値β未満である場合には(ステップS8:NO)、電源制御用ECU33は、電力供給状態を切り替えることなく、今回の処理を終了する。したがって、この場合には、第2電力供給状態が維持されることになる。
前記ステップS8において、前記差ΔTm_が第2所定値β以上であると判別された場合には(ステップS8:YES)、電源制御用ECU33は、状態判別用フラグFをリセット(F=0)した後(ステップS9)、電力供給状態を第1電力供給状態に切り替える(ステップS10)。これにより、主電源31のみによってモータ駆動回路52に電力が供給されるようになる。そして、電源制御用ECU33は、今回の処理を終了する。
前記実施形態では、電力供給状態が第1電力供給状態である場合において、最大モータトルクTm―limから実モータトルクTmを減算することによって得られた両者の差ΔTm_が第1所定値α以上であるときには、電力供給状態は切り替えられない。電力供給状態が第1電力供給状態である場合に、差ΔTm_が第1所定値α未満になると、電力供給状態が第2電力供給状態に切り替えられる。
電力供給状態が第1電力供給状態である場合において、差ΔTm_が所定値α以上である状態とは、電動モータ18から発生させることが可能な最大モータトルクよりも実モータトルクが小さい状態であるので、発生可能な操舵補助力に余裕がある状態であると考えられる。そこで、このような場合には、電力供給状態は第1電力供給状態に切り替えられない。このように、放電回路43が第1電力供給状態である場合において、発生可能な操舵補助力に余裕がある状態では、放電回路43が第2電力供給状態に切り替えられないので、無駄な電力の消費を抑制することができる。
一方、電力供給状態が第1電力供給状態である場合に、差ΔTm_が所定値α未満である状態とは、電動モータ18から発生させることが可能な最大モータトルクに対して実モータトルクが等しいかまたは近い状態であるので、発生可能な操舵補助力に余裕がない状態であると考えられる。そこで、このような場合には、電力供給状態が第2電力供給状態に切り替えられる。つまり、放電回路(切替回路)43が第2電力供給状態に切り替えられる。これにより、電力供給状態が第1電力供給状態である場合において、発生可能な操舵補助力に余裕がないときに、電力供給状態を第2電力供給状態に切り替えることができる。
電力供給状態が第2電力供給状態である場合において、最大モータトルクTm―limから実モータトルクTmを減算することによって得られた両者の差ΔTm_が第2所定値β未満であるときには、電力供給状態は切り替えられない。電力供給状態が第2電力供給状態である場合に、差ΔTm_が第2所定値β以上になると、電力供給状態が第1電力供給状態に切り替えられる。つまり、電力供給状態が第2電力供給状態である場合において、発生可能な操舵補助力に余裕がある状態になると、電力供給状態が第1電力供給状態に切り替えられる。この実施形態では、第2所定値βは第1所定値αよりも大きな値に設定されているので、電力供給状態が第2電力供給状態である場合において、発生可能な操舵補助力に十分な余裕がある状態になったときに、電力供給状態を第1電力供給状態に切り替えることが可能となる。
前述した実施形態では、補助電源はキャパシタから構成されているが、補助電源はキャパシタ以外の補助電源であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…電動パワーステアリング装置、12…EPS用ECU、18…電動モータ、23…回転数センサ、31…主電源、32…補助電源装置、33…電源制御用ECU、44…キャパシタ(補助電源)、48…電圧センサ、51…モータ制御回路、52…モータ駆動回路、53…電流センサ

Claims (8)

  1. 電動モータに電力を供給するための駆動回路と、
    前記駆動回路に電力を供給することが可能な主電源および補助電源と、
    前記主電源のみによって前記駆動回路に電力を供給する第1電力供給状態と、前記主電源および前記補助電源の両方を利用して前記駆動回路に電力を供給する第2電力供給状態とを切り替えるための切替回路と、
    前記切替回路を制御する制御手段とを含み、
    前記制御手段は、
    前記駆動回路の入力電圧と前記電動モータの回転数と前記電動モータに流れるモータ電流とを取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得されたモータ電流に基づいて、前記電動モータによって発生しているモータトルクを実モータトルクとして演算する実モータトルク演算手段と、
    前記駆動回路の入力電圧およびモータ回転数がそれぞれ前記取得手段によって取得された入力電圧およびモータ回転数である場合に、前記電動モータによって発生させることができる最大モータトルクを演算する最大モータトルク演算手段と、
    前記切替回路が前記第1電力供給状態である場合において、前記最大モータトルクから前記実モータトルクを減算することにより得られる両者の差が第1所定値α(α>0)未満になれば、前記切替回路を前記第2電力供給状態に切り替え、前記切替回路が前記第2電力供給状態である場合において、前記差が第2所定値β(β>0)以上になれば、前記切替回路を前記第1電力供給状態に切り替える手段とを含む、電動パワーステアリング装置。
  2. 前記第2所定値βが前記第1所定値αよりも大きい、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記駆動回路の入力電圧毎に、その入力電圧に応じた前記電動モータの回転数・トルク特性が記憶されている記憶手段をさらに含み、
    前記最大モータトルク演算手段は、前記記憶手段に記憶されている入力電圧毎の回転数・トルク特性のうち、前記取得手段によって取得された入力電圧に応じた回転数・トルク特性において、前記取得手段によって取得されたモータ回転数に対応するトルクを前記最大モータトルクとして演算するように構成されている、請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記補助電源はキャパシタからなる、請求項1、2および3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 電動モータに電力を供給するための駆動回路と、前記駆動回路に電力を供給することが可能な主電源および補助電源と、前記主電源のみによって前記駆動回路に電力を供給する第1電力供給状態と、前記主電源および前記補助電源の両方を利用して前記駆動回路に電力を供給する第2電力供給状態とを切り替えるための切替回路とを含む電動パワーステアリング装置における電力供給状態切替方法であって、
    前記駆動回路の入力電圧と前記電動モータの回転数と前記電動モータに流れるモータ電流とを取得する第1ステップと、
    前記第1ステップによって取得されたモータ電流に基づいて、前記電動モータによって発生しているモータトルクを実モータトルクとして演算する第2ステップと、
    前記駆動回路の入力電圧およびモータ回転数がそれぞれ前記取得手段によって取得された入力電圧およびモータ回転数である場合に、前記電動モータによって発生させることができる最大モータトルクを演算する第3ステップと、
    前記切替回路が前記第1電力供給状態である場合において、前記最大モータトルクから前記実モータトルクを減算することにより得られる両者の差が第1所定値α(α>0)未満になれば、前記切替回路を前記第2電力供給状態に切り替え、前記切替回路が前記第2電力供給状態である場合において、前記差が第2所定値β(β>0)以上になれば、前記切替回路を前記第1電力供給状態に切り替える第4ステップとを含む、電力供給状態切替方法。
  6. 前記第2所定値βは前記第1所定値αよりも大きい、請求項5に記載の電力供給状態切替方法。
  7. 前記電動パワーステアリング装置は、前記駆動回路の入力電圧毎に、その入力電圧に応じた前記電動モータの回転数・トルク特性が記憶されている記憶手段をさらに含み、
    前記第3ステップは、前記記憶手段に記憶されている入力電圧毎の回転数・トルク特性のうち、前記第1ステップによって取得された入力電圧に応じた回転数・トルク特性において、前記第1ステップによって取得されたモータ回転数に対応するトルクを前記最大モータトルクとして演算する、請求項5または6に記載の電力供給状態切替方法。
  8. 前記補助電源はキャパシタからなる、請求項5,6および7のいずれか一項に記載の電力供給状態切替方法。
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