JP2017165317A - 防振装置 - Google Patents

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庄吾 鴨下
Shogo Kamoshita
庄吾 鴨下
康宏 梅原
Yasuhiro Umehara
康宏 梅原
哲 三俣
Satoru Mitsumata
哲 三俣
和史 長島
Kazufumi Nagashima
和史 長島
巳佳 川合
Mika Kawai
巳佳 川合
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Abstract

【課題】広い周波数帯域にわたって良好な防振効果を得られる防振装置を提供する。【解決手段】防振装置を、鉄道車両1の車体10と輪軸22との間で荷重を伝達する経路の一部40,50に設けられ磁性エラストマを有する弾性部材43と、磁性エラストマに磁界を付与する磁性体45と、磁性体が磁性エラストマに付与する磁界強度を制御する磁界制御装置とを備える構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両の車体振動を抑制する防振装置に関し、特に広い周波数帯域にわたって良好な防振効果を得られるものに関する。
ボギー台車を有する一般的な鉄道車両においては、輪軸を有する台車と車体との間で、例えば牽引リンク(一本リンク)等のリンク類を有する牽引装置によって、駆動力、制動力等の前後力の伝達を行なっている。
また、高速鉄道用の車両や、優等列車用の車両においては、台車のヨーイング(鉛直軸回りの揺動)を抑制して走行安定性を高めるため、台車枠の側部と車体下部との間に、台車枠の車体に対する旋回速度に応じた減衰力を発生する油圧緩衝器であるヨーダンパが設けられる場合がある。
上述したようなリンク類やダンパ類は、車輪を有する輪軸と車体との間で、駆動力や制動力等の前後力の伝達経路の一部を構成するが、輪軸の重量アンバランスや軌道不整等に起因して、輪軸に振動が発生した場合には、車体に振動が伝搬する経路となり、車体の振動を誘発させる要因となる場合がある。
従来、このような振動の伝搬を抑制し、車体の振動を低減する技術として、例えば特許文献1には、両端部にゴムブッシュを有する牽引リンクと並列に、液室内の液の流動を利用して減衰作用を発揮する液封ダンピング装置を設けることが記載されている。
また、弾性体の材料に関する従来技術として、例えば特許文献2には、磁性粉が練り込まれたエラストマ材料であり、晒される磁界の強さに応じて剛性が変化する磁性エラストマを防振部材の材料として用いることが記載されている。
特開2001−260879号公報 特開2011−220452号公報
牽引リンク等の端部に設けられるゴムブッシュの剛性チューニングは、通常車体振動の共振周波数付近において良好な制振効果を得られるように行われる。
しかし、輪軸の重量アンバランスによる加振は、車両の走行速度に実質的に比例して周波数が変化するため、既存のゴムブッシュにおいては加振周波数が変化した場合に十分な制振効果が得られない場合があった。
例えば特許文献1のような液封ダンピング装置を設けた場合にも、減衰特性は可変とすることができるが、ばね定数を大きく変化させることは困難である。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、広い周波数帯域にわたって良好な防振効果を得られる防振装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明の防振装置は、鉄道車両の車体と輪軸との間で荷重を伝達する経路の一部に設けられ付与される磁界に応じて剛性が変化する磁性エラストマを有する弾性部材と、前記磁性エラストマに磁界を付与する磁性体と、前記磁性体が前記磁性エラストマに付与する磁界強度を制御する磁界制御装置とを備えることを特徴とする。
これによれば、磁界制御装置により磁性エラストマに付与する磁界の有無や強度を変化させることによって、弾性部材の剛性(ばね定数)を任意に変化させることが可能となり、車体と輪軸との間の荷重伝達経路における振動伝達特性を任意に変化させることが可能となる。
このため、制振対象となる振動の周波数帯域に応じて、当該周波数帯域の振動絶縁効果が高まるよう磁界強度を制御することによって、広い周波数帯域にわたって良好な防振効果を得ることができる。
本発明において、前記弾性部材は、軸箱支持装置を介して輪軸が取り付けられる台車枠と、車体との間で前後力を伝達する牽引装置のリンクにおける少なくとも一方の端部に設けられる弾性体ブッシュである構成とすることができる。
また、本発明において、前記弾性部材は、軸箱支持装置を介して輪軸が取り付けられる台車枠と、車体との間に設けられ、前記台車枠の前記車体に対する鉛直軸回りの旋回速度に応じた減衰力を発生するヨーダンパにおける少なくとも一方の端部に設けられる弾性体ブッシュである構成とすることができる。
これによれば、一般的な鉄道車両に設けられる部材の弾性体ブッシュを利用して、小規模な設計変更によって本発明を適用し、輪軸、台車等の走り装置から車体への前後方向の加振力を抑制し、車体振動を低減することができる。
本発明において、前記磁界制御装置は、前記鉄道車両の走行速度に応じて前記磁性体が前記磁性エラストマに付与する磁界を変化させる構成とすることができる。
これによれば、例えば輪軸の重量アンバランスに起因する振動のように、走行速度に依存して周波数が変化する振動に対して、良好な制振効果を得ることができる。
本発明において、前記車体の振動を検出する振動検出手段を備え、前記磁界制御装置は、前記振動検出手段の検出結果に応じて前記磁性体が前記磁性エラストマに付与する磁界を変化させる構成とすることができる。
これによれば、車体の振動の検出結果に応じて弾性部材の剛性を最適化することによって、適切な防振効果を得ることができる。
本発明において、前記磁界制御装置は、前記弾性部材に隣接して配置された電磁石と、前記電磁石への供給電力を制御する電力制御手段とを備える構成とすることができる。
これによれば、電磁石への供給電力を制御することによって、簡単な構成によって弾性部材の磁性エラストマに付与される磁界を精度、応答性ともによく制御することができる。
以上のように、本発明によれば、広い周波数帯域にわたって良好な防振効果を得られる防振装置を提供することができる。
本発明を適用した防振装置の第1実施形態を有する鉄道車両を側方(まくらぎ方向)から見た状態を示す模式図である。 図1のII−II部模式的矢視図である。 第1実施形態の防振装置における牽引リンクの二面図である。 第1実施形態の防振装置に用いられる磁性エラストマの構造を模式的に示す図である。 鉄道車両において全輪軸同位相の輪軸アンバランスが存在する状態を示す模式図である。 鉄道車両において台車内で同位相かつ台車間で逆位相の輪軸アンバランスが存在する状態を示す模式図である。 磁性エラストマの防振効果を確認するベンチ試験に用いた試験装置の構成を示す模式図である。 図7の試験装置におけるベンチ試験結果の一例を示すグラフである。
以下、本発明を適用した防振装置の第1乃至第3実施形態について説明する。
<第1実施形態>
先ず、本発明を適用した防振装置の第1実施形態について説明する。
第1実施形態の防振装置は、例えば車体の前後に1対の2軸ボギー台車を有する旅客用電車等の鉄道車両に設けられるものである。
図1は、第1実施形態の防振装置を有する鉄道車両を側方(まくらぎ方向)から見た状態を示す模式図である。
図2は、図1のII−II部模式的矢視図である。
鉄道車両1は、車体10、台車20、2次ばね系30、牽引リンク40、ヨーダンパ50等を有して構成されている。
車体10は、下部に設けられ床板が取り付けられる台枠の側端部、前後端部から、上方へ延在する側構、妻構を設け、上部に屋根構を設けることで実質的に六面体状に形成された構体に、各種機器類や内装部材等を艤装して構成されている。
車室10の内部には、乗客が収容される車室が設けられている。
車体10の下部には、前後一対の台車20が取り付けられている。
車体10の下部における台車20に隣接する箇所には、ヨーダンパ50の車体側の端部が連結されるブラケット11が設けられている。
ブラケット11は、台車20をまくらぎ方向(車幅方向)に挟んで、1台の台車20につき一対が設けられている。
台車20は、車体10の下部に設けられる例えば2軸のボギー台車である。
台車20は、台車枠21、輪軸22、軸箱23、軸箱支持装置24等を有する。
台車枠21は、平面視において実質的に矩形の枠状に構成された構造部材である。
台車枠21は、側端部に設けられ前後方向に延在する左右一対の側梁を、前後方向における中央部に設けられまくらぎ方向に延在する横梁等で連結して構成されている。
台車枠21は、2次ばね系30や、牽引装置等を介して、車体10の下部にボギー角付与可能(鉛直軸回りに旋回可能)に取り付けられている。
台車枠21には、図示しない主電動機や、ブレーキ装置等が取り付けられる。
また、台車枠21には、軸箱支持装置24やヨーダンパ50の台車20側の端部が連結されるブラケットが形成されている。
輪軸22は、車軸の両端部に、レール上で転動する左右一対の車輪を固定したものである。
軸箱23は、輪軸22の両端部に設けられたジャーナル部を回転可能に支持するものである。
軸箱23は、輪軸22を支持する軸受と、その潤滑装置や、車輪速センサとして機能する速度発電機等を有する。
軸箱支持装置24は、軸箱23を介して、輪軸22を台車枠21に対して支持するものである。
軸箱支持装置24は、軸箱23と台車枠21との間に設けられた前後方向、上下方向、まくらぎ方向それぞれのばね要素及び減衰要素を有して構成されている。
このうち、特に上下方向のばね要素及び減衰要素は、輪軸22の台車枠21に対する上下動に応じた反力、減衰力を発生する、いわゆる1次ばね系として機能する。
2次ばね系30は、台車枠21と車体10との間に設けられるばね系である。
2次ばね系30は、例えば、台車枠21の上部と車体10の下部との間に設けられる左右一対の空気ばねであるまくらばね等を有して構成されている。
2次ばね系30は、上下方向、まくらぎ方向それぞれのばね要素及び減衰要素を有して構成されている。
牽引リンク40は、平面視において台車枠21の中央部に設けられ、前後方向に延在して車体10と台車枠21とを連結する連結部材(一本リンク)である。
牽引リンク40は、車体10と台車枠21との間で、主に駆動力や制動力等の前後力を伝達する機能を有する。
牽引リンク40の両端部は、弾性体によって形成されたブッシュを介して、車体10及び台車枠21に対してそれぞれ揺動可能に連結されている。
牽引リンク40の詳細な構成については後述する。
ヨーダンパ50は、車体10に対する台車枠21のヨー速度(鉛直軸回りの相対旋回速度)に応じた減衰力を発生する油圧式の制振装置である。
ヨーダンパ50は、車両1の前後方向にほぼ沿った軸方向を有するピストンロッド及びシリンダを有する油圧式減衰器(緩衝器)を備え、シリンダに対するピストンロッドの伸縮速度に応じた減衰力(制振力)を発生する。
ヨーダンパ50は、台車枠21を、まくらぎ方向に挟んだ左右にそれぞれ設けられている。
ヨーダンパ50の軸方向における両端部は、台車枠21のブラケット、及び、車体10のブラケット11に、それぞれ弾性体ブッシュを介して連結されている。
次に、牽引リンク40について、より詳細に説明する。
図3は、第1実施形態の防振装置における牽引リンクの二面図である。
図3(a)は、鉛直方向上方から見た部分断面図を示し、図3(b)は、図3(a)のb−b部矢視図を示している。
牽引リンク40は、中間部41、円筒部42、弾性体43、連結軸44、電磁石45等を有して構成されている。
中間部41は、牽引リンク40の中央部に設けられたロッド状の部分である。
円筒部42は、中間部41の両端部に設けられ、弾性体43等を収容する円筒状の部分である。
円筒部42は、その中心軸が中間部41の長手方向と実質的に直交する状態で中間部41に固定されている。
円筒部42の中心軸は、枕木方向にほぼ沿って配置されている。
弾性体43は、円筒部42の内径側に挿入され、弾性を有する円筒ブッシュ状の部材である。
弾性体43の外周面は、円筒部42の内周面に取り付けられている。
弾性体43の中央部には、中心軸方向に沿った貫通穴が形成されている。
弾性体43は、例えば架橋天然ゴム、合成ゴム等のエラストマ系材料の内部に、例えば鉄粉等の磁性体の小粒からなる磁性粒子を配合し、分散させた材料である。
図4は、第1実施形態の防振装置に用いられる磁性エラストマの構造を模式的に示す図である。
図4(a)は、磁界を付与していない状態を示し、図4(b)は磁界を付与した状態を示している。
磁性エラストマは、エラストマEの内部に、磁性粒子Mを分散させた構成を有する。
磁性粒子Mは、磁界を付与していない状態では、図4(a)に示すように、エラストマEの内部にランダムに分散しているが、磁界を付与すると、図4(b)に示すように、磁性粒子Mは、磁力線Lmfに沿って整列するように変位する。(図4(b)においては、理解を容易にするため、磁性粒子Mの変位を誇張して図示している。)
その結果、磁性エラストマは、付与される磁界の強度に応じて、剛性及びバネ定数が増加する特性を有する。
連結軸44は、牽引リンク40を、車体10及び台車枠21にそれぞれ形成されたブラケットに締結するために用いられる部材である。
連結軸44は、弾性体43の貫通穴に挿入される軸状の部材である。
連結軸44の両端部は、弾性体43、円筒部42に対して突出しており、図示しないボルト等の機械的締結手段が挿入される開口が形成されている。
連結軸44の中央部における外周面は、弾性体43の貫通穴の内周面に、例えば接着等によって固定されている。
電磁石45は、弾性体43に対して磁界を付与するものである。
電磁石45は、弾性体43を軸方向(まくらぎ方向)に挟んで、個々の弾性体43につき一対設けられる。
電磁石45は、円盤状に形成されるとともに、中央部には連結軸44が挿入される開口が形成されている。
電磁石45は、弾性体43の左右両端面にそれぞれ沿わせて配置されている。
電磁石45には、図示しない電力供給装置から電力が供給され、電力に応じた磁界を発生させて弾性体43に付与する(弾性体43の内部を磁束が通過するようにする)。
以下、鉄道車両において、輪軸の重量アンバランスに起因して車体に発生する振動について説明する。
図5は、鉄道車両において全輪軸同位相の輪軸アンバランスが存在する状態を示す模式図である。
図5に示すように、一両の車両の4本の輪軸全てに実質的に同位相となる重量アンバランスが存在する場合、各輪軸22が、同位相で台車枠21を上下及び前後に加振することになる。
このうち前後方向の加振力は、牽引リンク40、ヨーダンパ50を介して、車体10に伝達する。
また、牽引リンク40、ヨーダンパ50の車体10側のブラケットは、車体10下部より下方に突出しているため、牽引リンク40、ヨーダンパ50から各ブラケットに入力される前後力は、車体に対して、まくらぎ方向に沿った軸回りのモーメントも発生させる。
その結果、車体10には、前後振動、及び、車体中央部に振動の節を持つ弾性曲げ振動を発生させることになる。
図6は、鉄道車両において台車内で同位相かつ台車間で逆位相の輪軸アンバランスが存在する状態を示す模式図である。
図6に示すように、各台車20内では同一位相であり、前後の台車20間では逆位相となる輪軸の重量アンバランスが存在する場合、前後の台車枠21は、実質的に同一周波数かつ逆位相で前後に加振されることになる。
この場合、車体10には、車体中央部に振動の腹をもつ車体上下曲げ振動を発生させることになる。
本実施形態は、電磁石45によって弾性体43の磁性エラストマに付与される磁界の強度を変化させることによって、弾性体43の剛性(ばね定数)を変化させて振動絶縁特性をチューニングし、これらの振動の抑制を図るものである。
以下、本願発明の発明者らが行った磁性エラストマの振動絶縁性能に関するベンチ試験の結果について説明する。
図7は、磁性エラストマの防振効果を確認するベンチ試験に用いた試験装置の構成を示す模式図である。
図7に示すように、試験装置100は、ステージ101、電磁石102、磁性エラストマ103、供試体104、入力側加速度センサ105、供試体加速度センサ106等を有して構成されている。
ステージ101は、他の各部材が載置される盤状の部材である。
ステージ101は、図示しない加振装置によって、任意の加振周波数で加振されるようになっている。
電磁石102は、ステージ101の上面に取り付けられている。
電磁石102は、図示しない電力供給装置から電力を供給され、磁性エラストマ103に磁界を付与する。
電力供給装置は、電磁石102への通電有無、及び、通電する場合に電磁石102が磁性エラストマ103に付与する磁界の強さ(磁束密度)を、任意に変更可能となっている。
磁性エラストマ103は、例えば円盤状に形成され、電磁石102の上面に載置されている。
供試体104は、例えば金属等の硬質材料によって円柱状に形成され、磁性エラストマ103の上面に載置されている。
すなわち、供試体104は、ステージ101によって、電磁石102及び磁性エラストマ103を介して加振されるようになっている。
入力側加速度センサ105は、ステージ101に取り付けられ、ステージ101の加振方向(上下方向)の加速度を検出するものである。
供試体加速度センサ106は、供試体104に取り付けられ、供試体104の被加振方向(上下方向)の加速度を検出するものである。
図8は、図7の試験装置におけるベンチ試験結果の一例を示すグラフである。
図8において、横軸は振動の周波数を示し、縦軸は加速度を示している。
また、入力側加速度センサ105が検出した加速度を実線で示し、供試体加速度センサ106が検出した加速度であって、磁界付与時(電磁石102に通電・磁束密度31.5mT)のデータを点線(破線)、磁界非付与時(電磁石102に非通電・磁束密度0mT)のデータを一点鎖線で示している。
上述した試験装置は、単純な1次のばね−マス系であるため、1つの共振点を持つことになるが、磁界変化に伴うばね剛性変化によって、その共振周波数及び振幅、加速度の大きさが異なっている。
今回の実験ケースにおいては、図8に示すように、低周波数の領域においては磁界非付与時のほうが磁界付与時よりも加速度が小さく、高周波数の領域においては磁界付与時のほうが磁界非付与時よりも加速度が小さくなっている。
この場合、磁界付与時、磁界非付与時の加速度の大きさが逆転する周波数f1未満の領域においては、電磁石102を非通電状態とし、周波数f1以上の領域においては、電磁石102に通電し、磁性エラストマ103に31.5mTの磁界を付与することによって、良好な制振効果を得ることができる。
制振対象となる振動の起震源が、輪軸22の重量アンバランスである場合、その加振周波数は、走行速度によって推定することができる。
そこで、第1実施形態においては、電力制御装置は、例えば、車両の走行速度を運転台等から取得した情報に基づいて検出し、走行速度の変化に応じて電磁石45への通電オンオフ、及び、通電する場合の電力を制御し、弾性体43に付与される磁界の強度を変化させている。
ここで、車速に応じた適切な磁界の強度は、予め実験又はシミュレーション等によって求めておくことができる。
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)電力制御装置によって弾性体43の磁性エラストマに付与する磁界の有無や強度(磁束密度)を変化させることによって、弾性部材43の剛性を変化させることが可能となり、車体10と輪軸22との間の荷重伝達経路における振動伝達特性を任意に変化させることが可能となる。
このため、制振対象となる振動の周波数帯域に応じて磁界強度を制御することによって、広い周波数帯域にわたって良好な防振効果(振動絶縁効果)を得ることができる。
(2)磁性エラストマからなる弾性体43と電磁石45とを、牽引リンク40の両端部に設けたことによって、一般的な鉄道車両に設けられる部材の弾性体ブッシュを利用して、小規模な設計変更によって本発明を適用し、輪軸22、台車20等の走り装置から車体10への前後方向の加振力を抑制し、車体振動を低減することができる。
(3)車両の走行速度に応じて弾性体43に付与される磁界の強度を変化させることによって、例えば輪軸22の重量アンバランスに起因する振動のように、走行速度に依存して周波数が変化する振動に対して良好な制振効果を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用した制振装置の第2実施形態について説明する。
以下説明する各実施形態において、従前の実施形態と実質的に共通する箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
第2実施形態の制振装置は、第1実施形態の牽引リンク40の磁性エラストマからなる弾性体43及び電磁石45に相当する弾性体及び電磁石を、ヨーダンパ50の少なくとも一方の端部に設けたものである。
このようなヨーダンパ50の磁性エラストマ及び電磁石は、牽引リンク40の弾性体43及び電磁石45とともに、あるいは、これらに代えて設けることができる。
以上説明した第2実施形態においても、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明を適用した制振装置の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の制振装置は、第1、第2実施形態のような車両の走行速度に応じた磁界強度の制御に代えて、車体10に加速度センサを設けて振動を検出し、検出された振動の周波数に応じて、当該周波数帯域の振動絶縁効果が高まるよう磁界強度(電磁石への通電電力)を制御することを特徴とする。
以上説明した第3実施形態によれば、車体10の振動の検出結果に応じて弾性部材43の剛性を最適化することによって、適切な防振効果を得ることができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上述した各実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
鉄道車両及び制振装置の構成は、上述した各実施形態に限らず、適宜変更することができる。
例えば、各実施形態においては、磁性エラストマを有する弾性体及びこれに磁界を付与する電磁石を、牽引リンク及びヨーダンパの端部に設けているが、これに限らず、輪軸から車体へ力を伝達する経路であれば他の箇所に設けてもよい。例えば、軸箱を台車枠に対して支持する軸箱支持装置の一部に設けるようにしてもよい。
また、磁性エラストマに付与する磁界を変化させる手法は、各実施形態のような電磁石に限らず、例えば永久磁石を磁性体として用い、磁性エラストマとの相対距離を変化させて磁界を変化させるようにしてもよい。
また、各実施形態では、主に前後方向の振動絶縁を図っているが、本発明はこれに限らず、上下方向やまくらぎ方向(車幅方向)の振動絶縁にも適用することができる。
1 鉄道車両
10 車体 11 ブラケット
20 台車 21 台車枠
22 輪軸 23 軸箱
24 軸箱支持装置 30 2次ばね系
40 牽引リンク 41 中間部
42 円筒部 43 弾性体
E エラストマ M 磁性粒子
Lmf 磁力線 44 連結軸
45 電磁石 50 ヨーダンパ
100 試験装置 101 ステージ
102 電磁石 103 磁性エラストマ
104 供試体 105 入力側加速度センサ
106 供試体加速度センサ

Claims (6)

  1. 鉄道車両の車体と輪軸との間で荷重を伝達する経路の一部に設けられ付与される磁界に応じて剛性が変化する磁性エラストマを有する弾性部材と、
    前記磁性エラストマに磁界を付与する磁性体と、
    前記磁性体が前記磁性エラストマに付与する磁界強度を制御する磁界制御装置と
    を備えることを特徴とする防振装置。
  2. 前記弾性部材は、軸箱支持装置を介して輪軸が取り付けられる台車枠と、車体との間で前後力を伝達する牽引装置のリンクにおける少なくとも一方の端部に設けられる弾性体ブッシュであること
    を特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記弾性部材は、軸箱支持装置を介して輪軸が取り付けられる台車枠と、車体との間に設けられ、前記台車枠の前記車体に対する鉛直軸回りの旋回速度に応じた減衰力を発生するヨーダンパにおける少なくとも一方の端部に設けられる弾性体ブッシュであること
    を特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  4. 前記磁界制御装置は、前記鉄道車両の走行速度に応じて前記磁性体が前記磁性エラストマに付与する磁界を変化させること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の防振装置。
  5. 前記車体の振動を検出する振動検出手段を備え、
    前記磁界制御装置は、前記振動検出手段の検出結果に応じて前記磁性体が前記磁性エラストマに付与する磁界を変化させること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の防振装置。
  6. 前記磁界制御装置は、前記弾性部材に隣接して配置された電磁石と、前記電磁石への供給電力を制御する電力制御手段とを備えること
    を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の防振装置。
JP2016053868A 2016-03-17 2016-03-17 防振装置 Pending JP2017165317A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114135629A (zh) * 2021-12-06 2022-03-04 西南科技大学 可调阻尼的半主动控制三向隔振装置

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CN114135629A (zh) * 2021-12-06 2022-03-04 西南科技大学 可调阻尼的半主动控制三向隔振装置
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