JP7172761B2 - 鉄道車両用ヨーダンパ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両に用いられるヨーダンパ装置に関する。特に、本発明は、鉄道車両が軌道の直線区間を高速走行する際に、台車のピッチングに起因した車体の上下方向の振動を容易に低減して鉄道車両の乗り心地を向上させることが可能な鉄道車両用ヨーダンパ装置に関する。
従来、鉄道車両には、高速走行時の台車の蛇行動を抑制するためにヨーダンパが用いられる場合がある。ヨーダンパは、車体と台車とを連結するように台車の左右それぞれに取付けられ、軌道不整やレールの継ぎ目などの軌道からの加振によって発生するヨーイング(台車が車体に対して上下方向の軸周りに回転振動する現象)を速やかに減衰させるために用いられている。
鉄道車両によっては、1つのヨーダンパが故障した場合等に備えて、台車の左右それぞれに1対のヨーダンパ(1台の台車に計4つのヨーダンパ)が取り付けられる場合がある。
従来、上記の場合におけるヨーダンパの配置態様として、図6(a)に示すように、1対のヨーダンパ1a、1bの伸縮方向が水平方向(台車3の前後方向)となるようにして両者を上下方向に並設する態様と、図6(b)に示すように、1対のヨーダンパ1a、1bの伸縮方向が水平方向(台車3の前後方向)となるようにして両者を台車3の前後方向に一直線上に並設する態様とが知られている。
いずれの態様についても、ヨーダンパ1a、1bの減衰力は台車3の前後方向にのみ作用し、高速走行時の台車3の蛇行動が抑制される。
ここで、鉄道車両の乗り心地は、軌道不整やレールの継ぎ目などの軌道からの加振や、車輪の偏心による加振によって、台車を介して発生する車体の上下方向の振動の影響が大きい。車体の上下方向の振動は、台車のピッチング(台車が左右方向の軸周りに回転振動する現象)が発生の一要因となっている。すなわち、台車のピッチングが、車体と台車との間に取り付けられた部品を介して、車体を上下方向に振動させる場合がある。
本発明者は、車体の上下方向の振動を容易に低減して鉄道車両の乗り心地を向上させることが可能な鉄道車両用ヨーダンパ装置を提案している(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の鉄道車両用ヨーダンパ装置は、図7に示すように、台車3の前後方向に並設された1対のヨーダンパ1a、1bを台車3の左右それぞれに備え、1対のヨーダンパ1a、1bのそれぞれは、その伸縮方向の両端部E1、E2のうち、一方の端部(ヨーダンパ1aの端部E2、ヨーダンパ1bの端部E2)が車体2に取り付けられ、他方の端部(ヨーダンパ1aの端部E1、ヨーダンパ1bの端部E1)が台車3に取り付けられており、前記一方の端部E2の方が前記他方の端部E1よりも上方に位置することを特徴としている。
特許文献1に記載の鉄道車両用ヨーダンパ装置によれば、車体2の上下方向の振動を容易に低減可能である。しかしながら、特許文献1に記載の鉄道車両用ヨーダンパ装置は、台車3のピッチングに起因した車体2の上下方向の振動を低減することに着目したものではない。
特開2016-185727号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、鉄道車両が軌道の直線区間を高速走行する際に、台車のピッチングに起因した車体の上下方向の振動を容易に低減して鉄道車両の乗り心地を向上させることが可能な鉄道車両用ヨーダンパ装置を提供することを課題とする。
前述のように、台車のピッチングが、車体と台車との間に取り付けられた部品を介して、車体を上下方向に振動させる場合がある。本発明者らは、ヨーダンパも車体と台車との間に取り付けられた部品であるため、ヨーダンパによって台車のピッチングを抑制できれば、台車のピッチングに起因した車体の上下方向の振動を容易に低減できる可能性があることに着眼した。
上記の着眼に基づき、本発明者らは、車体と該車体に連結された前後一対の台車とを具備する鉄道車両において、車体と1対の台車のそれぞれとの間にヨーダンパが取り付けられている場合を想定し、この鉄道車両が、軌道不整を有する直線区間を高速走行する際の運動解析を行って鋭意検討を重ねた。具体的には、各台車の左右それぞれに1対のヨーダンパが取り付けられる場合を想定し、1対のヨーダンパの配置態様を変えて、それぞれの配置態様での上記の運動解析を行った。その結果、以下の知見を得た。
(1)台車のピッチングを1対のヨーダンパで抑制するには、台車のピッチングによって発生するモーメントを1対のヨーダンパによって積極的に低減させることが有効である。
(2)台車のピッチングによって発生するモーメントを1対のヨーダンパによって低減させるには、1対のヨーダンパを台車の前後方向に並設し、各ヨーダンパの伸縮方向の両端部のうち、互いに近い側の端部を車体に取り付け、互いに遠い側の端部を台車に取り付けると共に、互いに近い側の端部を台車のピッチング中心を挟んで上下方向に互いに離間した位置に取り付ければよい。
(3)上記のような1対のヨーダンパの配置態様によれば、台車のピッチングによって発生するモーメントに対して、各ヨーダンパの伸縮によってこのモーメントを打ち消す方向の反力が生じるため、台車のピッチングを抑制でき、ひいては台車のピッチングに起因した車体の上下方向の振動を低減可能である。
本発明は、上記の本発明者らの知見に基づき完成したものである。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、車体と該車体に連結された台車とを具備する鉄道車両に用いられるヨーダンパ装置であって、前記台車の前後方向に並設された1対のヨーダンパを前記台車の左右それぞれに備え、前記1対のヨーダンパのうち、前記車体の端部側に位置する第1ヨーダンパは、その伸縮方向の両端部のうち、前記車体の端部側に位置する一方の端部が前記台車に取り付けられ、他方の端部が前記車体に取り付けられており、前記1対のヨーダンパのうち、前記車体の中央側に位置する第2ヨーダンパは、その伸縮方向の両端部のうち、前記車体の端部側に位置する一方の端部が前記車体に取り付けられ、他方の端部が前記台車に取り付けられており、前記第1ヨーダンパの前記他方の端部と、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部とは、前記台車のピッチング中心を挟んで上下方向に互いに離間した位置に取り付けられている、ことを特徴とする鉄道車両用ヨーダンパ装置を提供する。
本発明に係るヨーダンパ装置においては、1対のヨーダンパのうち、車体の端部側に位置する第1ヨーダンパは、その伸縮方向の両端部のうち、車体の端部側に位置する一方の端部が台車に取り付けられ、他方の端部が車体に取り付けられている。一方、1対のヨーダンパのうち、車体の中央側に位置する第2ヨーダンパは、その伸縮方向の両端部のうち、車体の端部側に位置する一方の端部が車体に取り付けられ、他方の端部が台車に取り付けられている。すなわち、第1ヨーダンパ及び第2ヨーダンパの伸縮方向の両端部のうち、互いに近い側の端部(第1ヨーダンパの他方の端部及び第2ヨーダンパの一方の端部)が車体に取り付けられている。また、第1ヨーダンパ及び第2ヨーダンパの伸縮方向の両端部のうち、互いに遠い側の端部(第1ヨーダンパの一方の端部及び第2ヨーダンパの他方の端部)が台車に取り付けられている。
そして、第1ヨーダンパ及び第2ヨーダンパの互いに近い側の端部(第1ヨーダンパの他方の端部及び第2ヨーダンパの一方の端部)が、台車のピッチング中心を挟んで上下方向に互いに離間した位置に取り付けられている。
このため、台車のピッチングによって発生するモーメントに対して、第1ヨーダンパ及び第2ヨーダンパの伸縮によってこのモーメントを打ち消す方向の反力が生じる。これにより、台車のピッチングを抑制でき、ひいては台車のピッチングに起因した車体の上下方向の振動を低減可能である。
本発明に係るヨーダンパ装置によれば、1対のヨーダンパの配置態様を従来と異なるものに変更するだけで良いため、台車のピッチングに起因した車体の上下方向の振動を容易に低減可能であり、鉄道車両の乗り心地を容易に向上させることが可能である。
なお、本発明に係るヨーダンパ装置において、「ピッチング中心」とは、台車がピッチングする際の回転軸を意味し、台車の重心を通って台車の左右方向に延びる軸である。
本発明に係るヨーダンパ装置において、前記第1ヨーダンパの前記他方の端部と、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部とは、前記台車の前後方向について、前記台車のピッチング中心と略同一の位置に取り付けられていることが好ましい。
上記の好ましい構成によれば、台車のピッチングをより一層効果的に抑制可能であり、ひいては台車のピッチングに起因した車体の上下方向の振動をより一層低減可能である。
本発明に係るヨーダンパ装置において、前記第1ヨーダンパの前記一方の端部は、前記台車の上下方向について、前記第1ヨーダンパの前記他方の端部と略同一の位置から、前記台車のピッチング中心と略同一の位置までの間の位置に取り付けられ、前記第2ヨーダンパの前記他方の端部は、前記台車の上下方向について、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部と略同一の位置から、前記台車のピッチング中心と略同一の位置までの間の位置に取り付けられていることが好ましい。
上記の好ましい構成によれば、台車のピッチングをより一層効果的に抑制可能であり、ひいては台車のピッチングに起因した車体の上下方向の振動をより一層低減可能である。
また、本発明に係るヨーダンパ装置において、前記第1ヨーダンパの前記一方の端部は、前記第1ヨーダンパの前記他方の端部よりも下方に取り付けられ、前記第1ヨーダンパの前記他方の端部は、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部よりも下方に取り付けられ、前記第2ヨーダンパの前記他方の端部は、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部よりも上方に取り付けられており、前記第1ヨーダンパの伸縮方向と水平方向との成す角度と、前記第2ヨーダンパの伸縮方向と水平方向との成す角度とが、同じ角度αに設定されており、前記角度αが、0°≦α≦25°を満足することが好ましい。
上記の好ましい構成によれば、台車のピッチングをより一層効果的に抑制可能であり、ひいては台車のピッチングに起因した車体の上下方向の振動をより一層低減可能である。
或いは、本発明に係るヨーダンパ装置において、前記第1ヨーダンパの前記一方の端部は、前記第1ヨーダンパの前記他方の端部よりも上方に取り付けられ、前記第1ヨーダンパの前記他方の端部は、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部よりも上方に取り付けられ、前記第2ヨーダンパの前記他方の端部は、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部よりも下方に取り付けられており、前記第1ヨーダンパの伸縮方向と水平方向との成す角度と、前記第2ヨーダンパの伸縮方向と水平方向との成す角度とが、同じ角度βに設定されており、前記角度βが、0°≦β≦7.5°を満足することが好ましい。
上記の好ましい構成によれば、台車のピッチングをより一層効果的に抑制可能であり、ひいては台車のピッチングに起因した車体の上下方向の振動をより一層低減可能である。
本発明に係るヨーダンパ装置によれば、鉄道車両が軌道の直線区間を高速走行する際に、台車のピッチングに起因した車体の上下方向の振動を容易に低減して鉄道車両の乗り心地を向上させることが可能である。
本発明の一実施形態に係る鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。 図1(a)に示すヨーダンパ装置の作用効果を説明するための説明図である。 本発明の一実施形態の第1変形例に係る鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。 本発明の一実施形態の第2変形例に係る鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。 本発明の一実施形態の第3変形例及び第4変形例に係る鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。 比較例1及び比較例2の鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。 比較例3の鉄道車両用ヨーダンパ装置(特許文献1に記載の鉄道車両用ヨーダンパ装置)の概略構成を説明する説明図である。 実施例1~6及び比較例1~3の各ヨーダンパ装置を用いた場合における鉄道車両の乗り心地レベルLを比較した結果を示す。 実施例7、8及び比較例1~3の各ヨーダンパ装置を用いた場合における鉄道車両の乗り心地レベルLを比較した結果を示す。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
<本実施形態に係るヨーダンパ装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。図1(a)は一の例を示し、図1(b)は他の例を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る鉄道車両用ヨーダンパ装置(以下、適宜、単に「ヨーダンパ装置」という)100は、車体2と車体2に連結された台車3とを具備する鉄道車両に用いられるものである。図1では、便宜上、1台の台車3のみを図示しているが、実際には、車体2に前後(図1の紙面の左右方向)1対の台車3が連結されている。台車3は、1つの車体2のみを支持する通常の台車である。換言すれば、台車3は、鉄道車両が有する前後1対の車体2間に設置されて、前後1対の車体2の双方を支持する連接台車ではない。
車体2は、車体本体21と、車体本体21の左右それぞれに車体本体21の床面から垂下されたヨーダンパ受け22とを備えている。図1には、車体本体21の左右のいずれか一方に取り付けられたヨーダンパ受け22を図示している。本実施形態のヨーダンパ受け22は、台車3の前後方向について、台車3のピッチング中心(台車3がピッチングする際の回転軸を意味し、台車3の重心を通って台車3の左右方向に延びる軸)と略同一の位置に設けられている。
台車3は、前後1対の輪軸3a、3bと、台車枠3cと、車体2(車体本体21)と台車枠3cとを連結し車体2を支持する空気ばね3dとを備えている。台車3が備える上記の構成要素及びその他の構成要素は、周知慣用の台車と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
ヨーダンパ装置100は、各台車3の前後方向に並設された1対のヨーダンパ1a、1bを各台車3の左右それぞれに備えている。図1には、台車3の左右のいずれか一方に取り付けられた1対のヨーダンパ1a、1bを図示している。
ヨーダンパ1a、1bは、内部で粘性流体が流通する際の粘性抵抗により、伸縮する際に抵抗力(減衰力)を付与するものである。一般に、ヨーダンパ1a、1bの減衰力は、車体2と台車3との速度差にヨーダンパ1a、1bの減衰係数を乗算して得られる。ヨーダンパ1a、1bの更に具体的な構成は、公知のヨーダンパと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
なお、ヨーダンパ1a、1bとしては、減衰力可変型のヨーダンパを用いることも可能である。この場合、ヨーダンパ装置100は、ヨーダンパ1a、1bに加えて、ヨーダンパ1a、1bの減衰力を制御する制御手段(図示せず)を備えることになる。具体的には、この制御手段として、車体2に取り付けられたシーケンサ等から構成されるコントローラ(図示せず)と、ヨーダンパ1a、1bに取り付けられた電磁弁(図示せず)とを具備する構成を例示できる。電磁弁は、コントローラからの制御信号に基づき、ヨーダンパ1a、1b内部の粘性流体の流通をオン・オフすることで、ヨーダンパ1a、1bの減衰力を有効(減衰力が作用する状態)にしたり、無効(実質的に減衰力が作用しない状態)にする機能を果たす。
図1(a)に示すように、本実施形態に係るヨーダンパ装置100が備える1対のヨーダンパ1a、1bのうち、車体2の端部側(図1の紙面の右側)に位置する第1ヨーダンパ1aは、その伸縮方向(水平方向。図1の紙面の左右方向)の両端部E1、E2のうち、車体2の端部側に位置する一方の端部E1が台車3(台車枠3c)に取り付けられ、他方の端部E2が車体2(ヨーダンパ受け22)に取り付けられている。図1(a)に示す第1ヨーダンパ1aは、伸縮方向が水平方向となるように取り付けられているため、第1ヨーダンパ1aの一方の端部E1は、台車3の上下方向について、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2と略同一の位置になっている。
また、1対のヨーダンパ1a、1bのうち、車体2の中央側(図1の紙面の左側)に位置する第2ヨーダンパ1bは、その伸縮方向(水平方向。図1の紙面の左右方向)の両端部E1、E2のうち、車体2の端部側に位置する一方の端部E2が車体2(ヨーダンパ受け22)に取り付けられ、他方の端部E1が台車3(台車枠3c)に取り付けられている。図1(a)に示す第2ヨーダンパ1bは、伸縮方向が水平方向となるように取り付けられているため、第2ヨーダンパ1bの他方の端部E1は、台車3の上下方向について、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2と略同一の位置になっている。
そして、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2と、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2とは、台車3のピッチング中心(後述の図2に示すピッチング中心C)を挟んで上下方向に互いに離間した位置に取り付けられている。本実施形態では、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2とピッチング中心Cとの距離と、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2とピッチング中心Cとの距離とが、略同一になっている。また、前述のように、ヨーダンパ受け22は、台車3の前後方向について、台車3のピッチング中心Cと略同一の位置に設けられているため、このヨーダンパ受け22に取り付けられた第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2と、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2とは、台車3の前後方向について、台車3のピッチング中心Cと略同一の位置に取り付けられている。
図1(a)に示す例では、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2の方が、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2よりも上方に取り付けられている。しかしながら、本実施形態に係るヨーダンパ装置100はこれに限るものではなく、図1(b)に示すように、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2の方が、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2よりも上方に取り付けられていてもよい。図1(b)に示すヨーダンパ装置100は、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2と第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2との上下関係が異なる点を除いて、図1(a)に示すヨーダンパ装置100と同様の構成であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
本実施形態に係るヨーダンパ装置100が備える1対のヨーダンパ1a、1bは上記のように配置されているため、台車3のピッチングに起因した車体2の上下方向の振動を容易に低減可能である。
以下、この点について、図2を参照しつつ、より具体的に説明する。
図2は、図1(a)に示すヨーダンパ装置100の作用効果を説明するための説明図である。なお、図2では、図1(a)に示す車体本体21及び空気ばね3dの図示を省略している。また、図2に示すピッチング中心Cは、説明の便宜上可視化しているが、実際には見えない仮想点である。
図2(a)に示すように、台車3(台車枠3c)のピッチングによって、ピッチング中心Cに対して時計回りのモーメントM1が発生する場合を考える。この場合、第1ヨーダンパ1aの一方の端部E1は、台車枠3cと共にピッチング中心Cに対して時計回りに回転する一方、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2は、車体2(ヨーダンパ受け22)に取り付けられているため、ピッチング中心Cに対して時計回りに回転しない。この結果、第1ヨーダンパ1aは収縮することになり、これにより第1ヨーダンパ1aが台車枠3cを車体2の端部側(図2の紙面の右側)に押す反力F1が生じる。
同様に、第2ヨーダンパ1bの他方の端部E1は、台車枠3cと共にピッチング中心Cに対して時計回りに回転する一方、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2は、車体2(ヨーダンパ受け22)に取り付けられているため、ピッチング中心Cに対して時計回りに回転しない。この結果、第2ヨーダンパ1bは収縮することになり、これにより第2ヨーダンパ1bが台車枠3cを車体2の中央側(図2の紙面の左側)に押す反力F2が生じる。
図2(a)に示す反力F1及び反力F2は、双方共に、ピッチング中心Cに対して反時計回りのモーメントを生じさせる。すなわち、反力F1及び反力F2は、モーメントM1を打ち消す方向の反力である。このため、台車3のピッチングが抑制され、ひいては台車3のピッチングに起因した車体2の上下方向の振動を低減可能である。
次に、図2(b)に示すように、台車3(台車枠3c)のピッチングによって、ピッチング中心Cに対して反時計回りのモーメントM2が発生する場合を考える。この場合、第1ヨーダンパ1aの一方の端部E1は、台車枠3cと共にピッチング中心Cに対して反時計回りに回転する一方、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2は、車体2(ヨーダンパ受け22)に取り付けられているため、ピッチング中心Cに対して反時計回りに回転しない。この結果、第1ヨーダンパ1aは伸長することになり、これにより第1ヨーダンパ1aが台車枠3cを車体2の中央側(図2の紙面の左側)に引っ張る反力F1が生じる。
同様に、第2ヨーダンパ1bの他方の端部E1は、台車枠3cと共にピッチング中心Cに対して反時計回りに回転する一方、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2は、車体2(ヨーダンパ受け22)に取り付けられているため、ピッチング中心Cに対して反時計回りに回転しない。この結果、第2ヨーダンパ1bは伸長することになり、これにより第2ヨーダンパ1bが台車枠3cを車体2の端部側(図2の紙面の右側)に引っ張る反力F2が生じる。
図2(b)に示す反力F1及び反力F2は、双方共に、ピッチング中心Cに対して時計回りのモーメントを生じさせる。すなわち、反力F1及び反力F2は、モーメントM2を打ち消す方向の反力である。このため、台車3のピッチングが抑制され、ひいては台車3のピッチングに起因した車体2の上下方向の振動を低減可能である。
以上の説明では、図2を参照しつつ、図1(a)に示すヨーダンパ装置100の作用効果について述べたが、図1(b)に示すヨーダンパ装置100の作用効果についても同様である。
以下、本実施形態の変形例について説明する。変形例については、図1に示すヨーダンパ装置100と異なる点だけを説明する。
<本実施形態の第1変形例に係るヨーダンパ装置の構成>
図3は、本発明の一実施形態の第1変形例に係る鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。図3(a)は一の例を示し、図3(b)は他の例を示す。図3において、図1に示す構成要素と同様の機能を有する構成要素については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。図3に示す破線CLは、台車3のピッチング中心C(図2参照)を通り水平方向(台車3の前後方向)に延びる直線である。
図3(a)に示すように、第1変形例に係るヨーダンパ装置100Aは、第1ヨーダンパ1aの一方の端部E1が、台車3の上下方向について、台車3のピッチング中心C(破線CL)と略同一の位置に取り付けられている点が、図1(a)に示すヨーダンパ装置100と異なる。また、図3(a)に示すように、第1変形例に係るヨーダンパ装置100Aは、第2ヨーダンパ1bの他方の端部E1が、台車3の上下方向について、台車3のピッチング中心C(破線CL)と略同一の位置に取り付けられている点が、図1(a)に示すヨーダンパ装置100と異なる。図3(b)に示すヨーダンパ装置100Aは、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2と第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2との上下関係が異なる点を除いて、図3(a)に示すヨーダンパ装置100Aと同様の構成であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
図3に示す第1変形例に係るヨーダンパ装置100Aも、ヨーダンパ装置100と同様に、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2と、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2とが、台車3のピッチング中心C(破線CL)を挟んで上下方向に互いに離間した位置に取り付けられているため、台車3のピッチングによって発生するモーメントに対して、第1ヨーダンパ1a及び第2ヨーダンパ1bの伸縮によってこのモーメントを打ち消す方向の反力が生じる。このため、台車3のピッチングを抑制でき、ひいては台車3のピッチングに起因した車体2の上下方向の振動を低減可能である。
<本実施形態の第2変形例に係るヨーダンパ装置の構成>
図4は、本発明の一実施形態の第2変形例に係る鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。図4(a)は一の例を示し、図4(b)は他の例を示す。図4において、図1に示す構成要素と同様の機能を有する構成要素については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。図4に示す破線DLは、図4(a)の場合、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2を通り水平方向(台車3の前後方向)に延びる直線であり、図4(b)の場合、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2を通り水平方向(台車3の前後方向)に延びる直線である。図4に示す破線CLは、台車3のピッチング中心C(図2参照)を通り水平方向(台車3の前後方向)に延びる直線である。図4に示す破線ULは、図4(a)の場合、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2を通り水平方向(台車3の前後方向)に延びる直線であり、図4(b)の場合、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2を通り水平方向(台車3の前後方向)に延びる直線である。
図4(a)に示すように、第2変形例に係るヨーダンパ装置100Bは、第1ヨーダンパ1aの一方の端部E1が、台車3の上下方向について、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2(破線DL)と台車3のピッチング中心C(破線CL)との略中間の位置に取り付けられている点が、図1(a)に示すヨーダンパ装置100と異なる。また、図4(a)に示すように、第2変形例に係るヨーダンパ装置100Bは、第2ヨーダンパ1bの他方の端部E1が、台車3の上下方向について、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2(破線UL)と台車3のピッチング中心C(破線CL)との略中間の位置に取り付けられている点が、図1(a)に示すヨーダンパ装置100と異なる。図4(b)に示すヨーダンパ装置100Bは、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2と第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2との上下関係が異なる点を除いて、図4(a)に示すヨーダンパ装置100Bと同様の構成であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
図4に示す第2変形例に係るヨーダンパ装置100Bも、ヨーダンパ装置100、100Aと同様に、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2と、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2とが、台車3のピッチング中心C(破線CL)を挟んで上下方向に互いに離間した位置に取り付けられているため、台車3のピッチングによって発生するモーメントに対して、第1ヨーダンパ1a及び第2ヨーダンパ1bの伸縮によってこのモーメントを打ち消す方向の反力が生じる。このため、台車3のピッチングを抑制でき、ひいては台車3のピッチングに起因した車体2の上下方向の振動を低減可能である。
<本実施形態の第3変形例及び第4変形例に係るヨーダンパ装置の構成>
図5は、本発明の一実施形態の第3変形例及び第4変形例に係る鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。図5(a)は第3変形例を示し、図5(b)は第4変形例を示す。図5において、図1に示す構成要素と同様の機能を有する構成要素については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。図5に示す符号Cは、図2と同様にピッチング中心を意味する。
図5(a)に示すように、第3変形例に係るヨーダンパ装置100Cでは、第1ヨーダンパ1aの一方の端部E1が、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2よりも下方に取り付けられ、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2が、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2よりも下方に取り付けられ、第2ヨーダンパ1bの他方の端部E1が、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2よりも上方に取り付けられている。そして、第1ヨーダンパ1aの伸縮方向と水平方向(台車3の前後方向)との成す角度と、第2ヨーダンパ1bの伸縮方向と水平方向(台車3の前後方向)との成す角度とが、同じ角度αに設定されており、角度αが、0°≦α≦25°を満足する。
図5(a)に示す第3変形例に係るヨーダンパ装置100Cも、ヨーダンパ装置100、100A及び100Bと同様に、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2と、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2とが、台車3のピッチング中心Cを挟んで上下方向に互いに離間した位置に取り付けられているため、台車3のピッチングによって発生するモーメントに対して、第1ヨーダンパ1a及び第2ヨーダンパ1bの伸縮によってこのモーメントを打ち消す方向の反力が生じる。このため、台車3のピッチングを抑制でき、ひいては台車3のピッチングに起因した車体2の上下方向の振動を低減可能である。
図5(b)に示すように、第4変形例に係るヨーダンパ装置100Dでは、第1ヨーダンパ1aの一方の端部E1が、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2よりも上方に取り付けられ、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2が、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2よりも上方に取り付けられ、第2ヨーダンパ1bの他方の端部E1が、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2よりも下方に取り付けられている。そして、第1ヨーダンパ1aの伸縮方向と水平方向(台車3の前後方向)との成す角度と、第2ヨーダンパ1bの伸縮方向と水平方向(台車3の前後方向)との成す角度とが、同じ角度βに設定されており、角度βが、0°≦β≦7.5°を満足する。
図5(b)に示す第4変形例に係るヨーダンパ装置100Dも、ヨーダンパ装置100、100A、100B及び100Cと同様に、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2と、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2とが、台車3のピッチング中心Cを挟んで上下方向に互いに離間した位置に取り付けられているため、台車3のピッチングによって発生するモーメントに対して、第1ヨーダンパ1a及び第2ヨーダンパ1bの伸縮によってこのモーメントを打ち消す方向の反力が生じる。このため、台車3のピッチングを抑制でき、ひいては台車3のピッチングに起因した車体2の上下方向の振動を低減可能である。
以下、本実施形態に係るヨーダンパ装置100、100A、100B、100C及び100Dの効果をより具体的に説明するため、比較対象とする比較例1~3のヨーダンパ装置について説明する。
<比較例1のヨーダンパ装置の構成>
図6(a)は、比較例1の鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。図6(a)において、図1に示す構成要素と同様の機能を有する構成要素については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。
図6(a)に示すように、比較例1のヨーダンパ装置は、前述のように1対のヨーダンパ1a、1bの伸縮方向が水平方向(台車3の前後方向)となるようにして両者が上下方向に並設されている。比較例1のヨーダンパ装置では、各ヨーダンパ1a、1bの伸縮方向(図6(a)の紙面の左右方向)の両端部E1、E2のうち、車体2の端部側(図6(a)の紙面の右側)に位置する双方の端部E1が台車3(台車枠3c)に取り付けられ、車体2の中央側(図6(a)の紙面の左側)に位置する双方の端部E2が車体2(ヨーダンパ受け22)に取り付けられている。
各ヨーダンパ1a、1bの減衰係数など、比較例1のヨーダンパ装置における各ヨーダンパ1a、1bの配置態様以外の点については、本実施形態に係るヨーダンパ装置100と同様の設定であるため、これ以上の説明を省略する。
<比較例2のヨーダンパ装置の構成>
図6(b)は、比較例2の鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。図6(b)において、図1に示す構成要素と同様の機能を有する構成要素については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。
図6(b)に示すように、比較例2のヨーダンパ装置は、前述のように1対のヨーダンパ1a、1bの伸縮方向が水平方向(台車3の前後方向)となるようにして両者が台車3の前後方向に一直線上に並設されている。比較例2のヨーダンパ装置では、ヨーダンパ1aの伸縮方向(図6(b)の紙面の左右方向)の両端部E1、E2のうち、車体2の端部側(図6(b)の紙面の右側)に位置する端部E2が車体2(ヨーダンパ受け22a)に取り付けられ、車体2の中央側(図6(b)の紙面の左側)に位置する端部E1が台車3(台車枠3c)に取り付けられている。一方、ヨーダンパ1bの伸縮方向の両端部E1、E2のうち、車体2の端部側に位置する端部E1が台車3(台車枠3c)に取り付けられ、車体2の中央側に位置する端部E2が車体2(ヨーダンパ受け22b)に取り付けられている。
各ヨーダンパ1a、1bの減衰係数など、比較例2のヨーダンパ装置における各ヨーダンパ1a、1bの配置態様以外の点については、本実施形態に係るヨーダンパ装置100と同様の設定であるため、これ以上の説明を省略する。
<比較例3のヨーダンパ装置の構成>
図7は、比較例3の鉄道車両用ヨーダンパ装置(特許文献1に記載の鉄道車両用ヨーダンパ装置)の概略構成を説明する説明図である。図7において、図1に示す構成要素と同様の機能を有する構成要素については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。
図7に示すように、比較例3のヨーダンパ装置は、前述のように1対のヨーダンパ1a、1bが台車3の前後方向に並設されている。比較例3のヨーダンパ装置では、各ヨーダンパ1a、1bの伸縮方向の両端部E1、E2のうち、一方の端部(ヨーダンパ1aの端部E2、ヨーダンパ1bの端部E2)が車体2(ヨーダンパ受け22a、22b)に取り付けられ、他方の端部(ヨーダンパ1aの端部E1、ヨーダンパ1bの端部E1)が台車3(台車枠3c)に取り付けられており、前記一方の端部E2の方が前記他方の端部E1よりも上方に位置している。具体的には、前記一方の端部E2が他方の端部E1よりも60mm上方に位置している。
各ヨーダンパ1a、1bの減衰係数など、比較例3のヨーダンパ装置における各ヨーダンパ1a、1bの配置態様以外の点については、本実施形態に係るヨーダンパ装置100と同様の設定であるため、これ以上の説明を省略する。
<本実施形態に係るヨーダンパ装置の評価>
以下、各ヨーダンパ装置を用いた場合における鉄道車両の乗り心地を実際に運動解析によって評価した結果について説明する。運動解析を行う鉄道車両のモデルとしては、いずれのヨーダンパ装置を用いる場合であっても、車体2に前後1対の台車3が連結され、台車3を剛体要素、車体2を弾性体要素としたモデルを用いた。そして、軌道不整を有する直線区間を高速走行する際の運動解析を行った。
具体的には、運動解析によって、直線区間を走行中の鉄道車両における車体2の上下方向の振動加速度を算出し、この算出した振動加速度から乗り心地レベルを算出した。なお、運動解析は、汎用機構解析ソフトを利用して実施可能であり、例えば、ダッソー・システムズ(株)製マルチボディダイナミクス解析ツール「SIMPACK」を利用することが可能である。また、乗り心地レベルとしては、「鉄道車両のダイナミクス」(日本機械学会編)に記載の以下の式(1)で表される乗り心地レベルL[dB]を用いた。
[dB]=20log(a/aref) ・・・(1)
図8は、実施例1~6及び比較例1~3の各ヨーダンパ装置を用いた場合における鉄道車両の乗り心地レベルLを比較した結果を示す。図8(a)は乗り心地レベルLに関わる式(1)の右辺の各パラメータの値を、図8(b)は乗り心地レベルLの値を示す。図8に示す「比較例1」は、図6(a)に示すヨーダンパ装置を用いた場合の結果であり、「比較例2」は、図6(b)に示すヨーダンパ装置を用いた場合の結果であり、「比較例3」は、図7に示すヨーダンパ装置を用いた場合の結果である。「実施例1」は、図1(a)に示す本実施形態に係るヨーダンパ装置100を用いた場合の結果であり、「実施例2」は、図1(b)に示す本実施形態に係るヨーダンパ装置100を用いた場合の結果である。「実施例3」は、図3(a)に示す本実施形態の第1変形例に係るヨーダンパ装置100Aを用いた場合の結果であり、「実施例4」は、図3(b)に示す本実施形態の第1変形例に係るヨーダンパ装置100Aを用いた場合の結果である。「実施例5」は、図4(a)に示す本実施形態の第2変形例に係るヨーダンパ装置100Bを用いた場合の結果であり、「実施例6」は、図4(b)に示す本実施形態の第2変形例に係るヨーダンパ装置100Bを用いた場合の結果である。
図8に示すように、本実施形態に係るヨーダンパ装置100(実施例1、2)、100A(実施例3、4)及び100B(実施例5、6)によれば、比較例1のヨーダンパ装置を用いた場合に比べて、乗り心地レベルが大きく低減され、他の比較例2、3と比べても低減されることが分かった。
本実施形態に係るヨーダンパ装置100、100A及び100Bの何れもが、比較例1~3に比べて乗り心地レベルが低減されていることからして、第1ヨーダンパ1aの一方の端部E1は、台車3の上下方向について、第1ヨーダンパ1aの他方の端部E2と略同一の位置(図1に示す実施例1、2の場合)から、台車3のピッチング中心Cと略同一の位置(図3に示す実施例3、4の場合)までの間の位置(図4に示す実施例5、6の場合は略中間の位置)に取り付けられることが好ましいといえる。同様に、第2ヨーダンパ1bの他方の端部E1は、台車3の上下方向について、第2ヨーダンパ1bの一方の端部E2と略同一の位置(図1に示す実施例1、2の場合)から、台車3のピッチング中心Cと略同一の位置(図3に示す実施例3、4の場合)までの間の位置(図4に示す実施例5、6の場合は略中間の位置)に取り付けられることが好ましいといえる。
図9は、実施例7、8及び比較例1~3の各ヨーダンパ装置を用いた場合における鉄道車両の乗り心地レベルLを比較した結果を示す。図9(a)は乗り心地レベルLに関わる式(1)の右辺の各パラメータの値を、図9(b)は乗り心地レベルLの値を示す。図9(b)の横軸は角度α(図5(a)参照)及び角度β(図5(b)参照)を、縦軸は乗り心地レベルLを示す。図9に示す「比較例1」、「比較例2」及び「比較例3」は、図8に示すものと同じ結果を意味する。図9に示す「実施例7」は、図5(a)に示す本実施形態の第3変形例に係るヨーダンパ装置100Cを用いて角度αを0°≦α≦25°の範囲で変化させた場合の結果であり、「実施例8」は、図5(b)に示す本実施形態の第4変形例に係るヨーダンパ装置100Dを用いて角度βを0°≦β≦7.5°の範囲で変化させた場合の結果である。
図9に示すように、本実施形態の第3変形例に係るヨーダンパ装置100C(実施例7)によれば、比較例1のヨーダンパ装置を用いた場合に比べて、乗り心地レベルが低減されることが分かった。特に、角度αを0°≦α≦20°にすれば、比較例1のヨーダンパ装置を用いた場合に比べて、乗り心地レベルが大きく低減され、他の比較例2、3と比べても低減されることが分かった。
また、図9に示すように、本実施形態の第4変形例に係るヨーダンパ装置100D(実施例8)によれば、比較例1のヨーダンパ装置を用いた場合に比べて、乗り心地レベルが低減されることが分かった。
1a・・・第1ヨーダンパ
1b・・・第2ヨーダンパ
2・・・車体
21・・・車体本体
22・・・ヨーダンパ受け
3・・・台車
3c・・・台車枠
100、100A、100B、100C、100D・・・ヨーダンパ装置
C・・・ピッチング中心
E1・・・台車に取り付けられたヨーダンパの端部
E2・・・車体に取り付けられたヨーダンパの端部

Claims (5)

  1. 車体と該車体に連結された台車とを具備する鉄道車両に用いられるヨーダンパ装置であって、
    前記台車の前後方向に並設された1対のヨーダンパを前記台車の左右それぞれに備え、
    前記1対のヨーダンパのうち、前記車体の端部側に位置する第1ヨーダンパは、その伸縮方向の両端部のうち、前記車体の端部側に位置する一方の端部が前記台車に取り付けられ、他方の端部が前記車体に取り付けられており、
    前記1対のヨーダンパのうち、前記車体の中央側に位置する第2ヨーダンパは、その伸縮方向の両端部のうち、前記車体の端部側に位置する一方の端部が前記車体に取り付けられ、他方の端部が前記台車に取り付けられており、
    前記第1ヨーダンパの前記他方の端部と、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部とは、前記台車のピッチング中心を挟んで上下方向に互いに離間した位置に取り付けられている、
    ことを特徴とする鉄道車両用ヨーダンパ装置。
  2. 前記第1ヨーダンパの前記他方の端部と、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部とは、前記台車の前後方向について、前記台車のピッチング中心と略同一の位置に取り付けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用ヨーダンパ装置。
  3. 前記第1ヨーダンパの前記一方の端部は、前記台車の上下方向について、前記第1ヨーダンパの前記他方の端部と略同一の位置から、前記台車のピッチング中心と略同一の位置までの間の位置に取り付けられ、
    前記第2ヨーダンパの前記他方の端部は、前記台車の上下方向について、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部と略同一の位置から、前記台車のピッチング中心と略同一の位置までの間の位置に取り付けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両用ヨーダンパ装置。
  4. 前記第1ヨーダンパの前記一方の端部は、前記第1ヨーダンパの前記他方の端部よりも下方に取り付けられ、
    前記第1ヨーダンパの前記他方の端部は、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部よりも下方に取り付けられ、
    前記第2ヨーダンパの前記他方の端部は、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部よりも上方に取り付けられており、
    前記第1ヨーダンパの伸縮方向と水平方向との成す角度と、前記第2ヨーダンパの伸縮方向と水平方向との成す角度とが、同じ角度αに設定されており、
    前記角度αが、0°≦α≦25°を満足する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両用ヨーダンパ装置。
  5. 前記第1ヨーダンパの前記一方の端部は、前記第1ヨーダンパの前記他方の端部よりも上方に取り付けられ、
    前記第1ヨーダンパの前記他方の端部は、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部よりも上方に取り付けられ、
    前記第2ヨーダンパの前記他方の端部は、前記第2ヨーダンパの前記一方の端部よりも下方に取り付けられており、
    前記第1ヨーダンパの伸縮方向と水平方向との成す角度と、前記第2ヨーダンパの伸縮方向と水平方向との成す角度とが、同じ角度βに設定されており、
    前記角度βが、0°≦β≦7.5°を満足する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両用ヨーダンパ装置。
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