JP2017164785A - 熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法 - Google Patents

熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発熱部の摩耗を抑制し、金属材料における余肉発生を低減すること。
【解決手段】固定下型5と可動上型6とを備え、加熱した金属材料Wを、固定下型5と可動上型6の対向する下型成形面5a及び上型成形面6aにより加圧して成形する。この熱間鍛造成形装置において、可動上型6に、離型剤DLを噴射する離型剤噴射供給液路9を設ける。この離型剤噴射供給液路9は、上型成形面6aのうち温度が相対的に高くなる角部68aに向けて離型剤DLを噴射する開口部95aを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、加熱した金属材料を、第1金型と第2金型の対向する成形面により加圧して成形する熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法に関する。
従来、ワークを鍛造する金型の上型が上昇した際に、金型の上型と下型との間にノズルを挿入する離型剤噴射装置が知られている。この離型剤噴射装置では、ノズルを挿入した際に、ノズルから上型へ離型剤を噴射し、上型の発熱を抑制する(例えば、特許文献1参照)。
特開2007-268614号公報
しかしながら、従来の離型剤噴射装置にあっては、ノズルは水平方向のみに移動するので、上型とノズルとの間には所定の距離が生じる。離型剤は噴射により放射状に広がるので、その距離が長いと、上型の成形面のうち温度が相対的に高くなる発熱部への離型剤供給量が不足する恐れがある。このため、発熱部が十分に冷却されず、発熱部が摩耗し、鍛造製品に余肉が発生する、という問題がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、発熱部の摩耗を抑制し、金属材料における余肉発生を低減することができる熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、第1金型と第2金型とを備え、加熱した金属材料を、第1金型と第2金型の対向する成形面により加圧して成形する。第1金型と第2金型の少なくとも一方の金型に、離型剤を噴射する離型剤噴射機構を設ける。
その離型剤噴射機構は、成形面のうち温度が相対的に高くなる発熱部に向けて離型剤を噴射する開口部を有する。
よって、離型剤噴射機構は、成形面のうち温度が相対的に高くなる発熱部に向けて離型剤を噴射する開口部を有する。
即ち、開口部から発熱部に向けて、離型剤が噴射される。このため、従来のように上型と下型との間にノズルを挿入する場合における発熱部とノズルとの距離に比べて、発熱部と開口部との距離が短くなる。これにより、発熱部への離型剤供給量が確保され、発熱部が十分に冷却されるので、発熱部への冷却効率が向上する。
この結果、発熱部の摩耗を抑制し、金属材料における余肉発生を低減することができる。
実施例1の熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法が適用された熱間鍛造機の全体概略断面図であって、離型工程の離型終期の工程図である。 実施例1の熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法が適用された熱間鍛造機の可動上型の一部を示す斜視図である。 実施例1の熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法が適用された熱間鍛造機で成形されたパーキングギアの歯の一部を示す図である。 実施例1の熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法が適用された熱間鍛造機の部分拡大図であり、離型剤噴射機構である離型剤噴射供給液路を説明する説明図である。 実施例1の熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法が適用された熱間鍛造機の可動上型に取り付けられる離型剤噴射機構の円環部材の斜視図であり、分配供給液路作用を説明する作用説明図である。 金型の成形面の角部が、金型の成形面のうち温度が相対的に高くなる理由を説明する説明図である。 実施例1の熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法が適用された熱間鍛造機の全体概略断面図であって、加圧工程の工程図である。 実施例1の熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法が適用された熱間鍛造機の全体概略断面図であって、離型工程の離型初期の工程図である。 実施例1の熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法が適用された熱間鍛造機の可動上枠と離型剤噴射ノズルのストローク量と時間との関係を示す図であって、離型剤噴射ノズルによる離型剤噴射時間と離型剤供給液路による離型剤噴射時間を説明する作用説明図である。
以下、本発明の熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法は熱間鍛造機に適用されるものであり、その熱間鍛造機により「無段変速機構(CVT)のセカンダリプーリとパーキングギアが一体になった製品」を成形するものである。以下、実施例1における熱間鍛造機の構成を、「熱間鍛造機の全体構成」と、「離型剤噴射機構の詳細構成」に分けて説明する。
[全体構成]
図1は、熱間鍛造機の全体概略断面図を示している。図2は、可動上型の一部の斜視図を示している。図3は、熱間鍛造機で成形されたパーキングギアの歯の一部を示している。以下、図1〜図3に基づき、熱間鍛造機の全体構成を説明する。
熱間鍛造機1は、図1に示すように、固定下枠2と、可動上枠3と、金型4と、離型剤噴射機構7と、コントローラ10と、を備えている。熱間鍛造機1は、この他に油圧系シリンダやストッパ等を備えている。熱間鍛造機1は、加熱した金属材料W(図7等参照、ワーク)を、金型4により加圧して成形する。ここで、「熱間鍛造」とは、金属材料Wを再結晶温度以上の高温に加熱し、高温で金属材料Wの成形を行う鍛造である。
前記固定下枠2は、図1に示すように、鍛造機基枠11に固定されている。
前記可動上枠3は、図1に示すように、上昇方向U(離型方向)/下降方向D(加圧方向)に動作される。
前記金型4は、図1に示すように、固定下型5(第1金型)と、可動上型6(第2金型)と、を備えている。金型4は、加熱された金属材料Wを、固定下型5と可動上型6の対向する成形面5a,6aにより加圧して成形する(図7等参照)。実施例1では、金型4は、無段変速機構(CVT)のセカンダリプーリとパーキングギアが一体になった製品を成形する。
前記固定下型5は、図1に示すように、固定下枠2に取り付けられている。固定下型5は、円柱状であり、固定下枠2と接する面が円形である。固定下型5は、図1に示すように、下型エンド部材51と下型分割部材52等から構成されている。下型エンド部材51は、図1に示すように、固定下枠2に取り付けられている。下型分割部材52は、図1に示すように、下型エンド部材51に取り付けられている。なお、これらの取り付けは、ボルト等による。下型成形面5aは、図1に示すように、下型エンド部材51及び下型分割部材52により構成されている。
前記可動上型6は、図1に示すように、可動上枠3に取り付けられている。このため、可動上型6は、可動上枠3と共に動作する。可動上型6は、円柱状であり、可動上枠3と接する面が円形である。可動上型6は、図1に示すように、上型分割部材61と上型サイド部材62と上型ピン部材63等から構成されている。上型分割部材61と上型サイド部材62と上型ピン部材63は、図1に示すように、可動上枠3に取り付けられている。上型分割部材61は、図1に示すように、上型サイド部材62と上型ピン部材63に取り付けられている。なお、これらの取り付けは、ボルト等による。上型成形面6aは、図1に示すように、上型分割部材61と上型ピン部材63により構成されている。
上型分割部材61には、図1と図2に示すように、上型成形面6aの側端部6a1から可動上型6の径方向内側へ出ている凸部68が形成されている。凸部68は、図2に示すように、直方体形状である。この凸部68は、図3に示すような無段変速機構(CVT)のプーリを構成するシーブ面に隣接して設けられたパーキングギア100の歯101を成形するものである。なお、上型分割部材61には、パーキングギア100の歯101を成形するために、その歯101に対応した場所に、パーキングギア100の歯101の数(例えば、10本)に合わせて、凸部68が形成されている。例えば、上型分割部材61には、その凸部68が側端部6a1の周方向に等間隔に10個形成されている。また、上型分割部材61には、後述する噴射液路95(図4等参照)が形成されていると共に、上型分割部材61の側端部6a1には、後述する開口部95a(図4等参照)が開口されている。
前記離型剤噴射機構7は、図1に示すように、離型剤噴射ノズル8と、離型剤噴射供給液路9と、から構成されている。離型剤噴射機構7は、固定下型5と可動上型6とが離型するとき、下型成形面5aと上型成形面6aのうち少なくとも一方に離型剤DLを噴射する。なお、「離型剤DL」は、離型剤DLという液体である。
前記コントローラ10は、図1に示すように、可動上枠3の動作や、離型剤噴射ノズル8の動作や、第1離型剤供給ポンプ81bと第2離型剤供給ポンプ91aの駆動/停止等を、制御するものである。
[離型剤噴射機構の詳細構成]
図4は、熱間鍛造機の図1の部分拡大図であり、離型剤噴射機構である離型剤噴射供給液路を説明する説明図を示している。図5は、可動上型に取り付けられる離型剤噴射機構の円環部材の斜視図を示している。
以下、図1〜図2、図4〜図5に基づき、実施例1の離型剤噴射機構の詳細構成を説明する。
離型剤噴射機構7のうち離型剤噴射ノズル8は、図1に示すように、固定下型5と可動上型6の外部から成形面5a,6aに離型剤DLを噴射する外部ノズル機構である。離型剤噴射機構7のうち離型剤噴射供給液路9は、図1と図4に示すように、可動上型6の内部から上型成形面6aに離型剤DLを噴射する内部ノズル機構である。
離型剤噴射ノズル8は、図1に示すように、固定下型5と可動上型6とが離型するとき(型開き状態のとき)、固定下型5と可動上型6との間に挿入される。なお、離型剤噴射ノズル8は、図1に示すように、固定下型5と可動上型6との中間位置よりも可動上型6側に挿入される。これは、上型成形面6aの方が下型成形面5aよりも高温になるからである。また、離型剤噴射ノズル8は、ノズル部81と、複数の噴射口82と、を有している。
ノズル部81は、内部に離型剤供給パイプ81aを有している。離型剤供給パイプ81aの一端は、離型剤DLが貯留されている離型剤タンク71(供給源)と連結されている。離型剤供給パイプ81aの他端は、噴射口82の数(図1では6つ)に分岐しており、分岐したそれぞれの他端が各噴射口82と連通されている。離型剤供給パイプ81aには、第1離型剤供給ポンプ81bが設けられている。第1離型剤供給ポンプ81bは、駆動(運転)により離型剤タンク71内の離型剤DLを、離型剤供給パイプ81aを介して、各噴射口82へ供給する。第1離型剤供給ポンプ81bは、コントローラ10により、駆動/停止される。なお、離型剤供給ポンプ81bは、コントローラ10により、離型剤DLの供給量を調整することも可能である。
噴射口82は、ノズル部81の固定下型5と可動上型6の両側に備えられている。噴射口82は、下型成形面5aと上型成形面6aに対向する位置に等間隔に、それぞれ3つ設けられている。各噴射口82から下型成形面5aと上型成形面6aに向けて、離型剤供給パイプ81aから供給される離型剤DLが噴射される。なお、離型剤噴射ノズル8は、図1には1本しか示されていないが、図1の離型剤噴射ノズル8と平行に例えば6本設けられている。このうち3本が離型剤DLを噴射し、残りの3本がエアを噴射する。エアは、金型4に付着した金属材料Wのカス等を取るためのものである。
離型剤噴射供給液路9は、図4に示すように、可動上型6に一部が設けられている。離型剤噴射供給液路9は、供給源液路91と、カプラ92と、連結液路93と、外周液路94aと、内径液路94bと、内周液路94cと、噴射液路95と、から構成されている。
前記供給源液路91は、図1に示すように、離型剤タンク71からカプラ92へ離型剤DLを供給する配管である。供給源液路91は、図1に示すように、一端が離型剤タンク71に連結され、他端がカプラ92に連通されている。供給源液路91には、図1に示すように、第2離型剤供給ポンプ91aが設けられている。第2離型剤供給ポンプ91aは、駆動(運転)により離型剤タンク71内の離型剤DLを、図1に示すように、供給源液路91を介して、カプラ92へ供給する。第2離型剤供給ポンプ91aは、図1に示すように、コントローラ10により、駆動/停止される。第2離型剤供給ポンプ91aは、コントローラ10により、離型剤DLの供給量を調整することも可能である。なお、供給源液路91は、図1に示すように、上型ピン部材63を挟んで反対側にも設けられている。
前記カプラ92は、図1と図4に示すように、上型サイド部材62に貫通した状態で、取り付けられている。カプラ92は、図4に示すように、供給源液路91と連結液路93とを結合する結合部材である。カプラ92は、図4に示すように、一端が供給源液路91に連通され、他端が連結液路93に連通されている。なお、カプラ92は、図1に示すように、上型ピン部材63を挟んで反対側にも設けられている。
前記連結液路93は、図4に示すように、上型分割部材61を上型サイド部材62に取り付けた際の隙間であって、上型分割部材61と上型サイド部材62との合せ面によって形成されている。連結液路93は、図4に示すように、一端がカプラ92に連通され、他端が外周液路94aに連通されている。
前記外周液路94aと前記内径液路94bと前記内周液路94cは、図4と図5に示すように、円環部材94(環状部材)に溝を切り、円環部材94と可動上型6の下面6b(金型端面)との合せ面によって形成されている。円環部材94は、図5に示すように、円環状のプレートであり、下面6bを覆っている。円環部材94の上下方向の厚さは、熱間鍛造中に、固定下型5等と干渉しない厚さとなっている。円環部材94には、図5に示すように、その外周に等間隔に、4か所の凹んだ凹み部94dが設けられている。凹み部94dは、ボルト(図1参照)等により、円環部材94を可動上型6に取り付けるための凹みである(図1と図4参照)。円環部材94には、図5に示すように、その凹み部94dを避けた外周側の位置に、外周液路94aとなる外周溝94a1が一周切られている。円環部材94には、図5に示すように、外周溝94a1から内周側に向かって等間隔に、4か所の内径液路94bとなる内径溝94b1が径方向に切られている。円環部材94には、図5に示すように、内周側の位置に、内周液路94cとなる内周溝94c1が一周切られている。内周溝94c1は、図5に示すように、内径溝94b1を介して、外周溝94a1と繋がっている。このように構成された円環部材94が可動上型6に取り付けられたとき、外周液路94aは、図4と図5に示すように、一端が連結液路93に連通され、他端が内径液路94bに連通されている。内径液路94bは、図4と図5に示すように、一端が外周液路94aに連通され、他端が内周液路94cに連通されている。内周液路94cは、図4と図5に示すように、一端が内径液路94bに連通され、他端が後述する20路の噴射液路95のそれぞれに連通されている。なお、外周液路94aと内径液路94bと内周液路94cをまとめて、「分配供給液路」という。
前記噴射液路95は、図4に示すように、可動上型6のうち上型分割部材61に形成されている。噴射液路95は、図4に示すように、可動上型6の下面6bと側端部6a1とを連通する連通部である。噴射液路95は、図4に示すように、側端部6a1に開口された開口部95aと凸部68の角部68aを直線L1(実線)で結んだ延長線L2(一点鎖線)上に沿って形成されている。噴射液路95は、図4に示すように、供給される離型剤DLを噴射させるために、離型剤噴射供給液路9のうち液路の径が一番小さくなっている。また、噴射液路95の径は、図4に示すように、下面6bから開口部95aまで均一に形成されている。なお、噴射液路95は、下面6bの側から開口部95aの側へ向けて、ドリル等によって上型分割部材61に開孔される。噴射液路95は、図4に示すように、一端が内周液路94cに連通され、他端が角部68aに向かって開口されている。この噴射液路95は、図2に示すように、凸部68の1つの角部68aに対し、1つ形成されている。つまり、可動上型6には凸部68が10個ほど形成されており、1つの凸部68に2つの角部68aがある(図2参照)ため、上型分割部材61には噴射液路95が20路ほど形成されている。なお、20路の噴射液路95のそれぞれの一端(可動上型6の下面6bの側)が、分配供給液路である内周液路94cに接続されている。
前記開口部95aは、図2と図4に示すように、凸部68が形成されている側端部6a1、且つ、角部68aの下方位置に開口されている。開口部95aは、図2と図4に示すように、熱間鍛造中に金属材料Wと非接触の部分のうち、角部68aから最短距離の位置(非接触の部分のうち最上部の位置)に開口されている。ここで、「熱間鍛造中に金属材料Wと非接触の部分」とは、金属材料Wを成形するために金型4に彫り込まれた部分(図4のインプレッション部I)以外の部分、及び、インプレッション部I以外の部分であって熱間鍛造中に金属材料Wと接触しない部分、のことである。その非接触の部分は、予めシミュレーション等により確認される。また、そのシミュレーション等により、熱間鍛造中に金属材料Wと非接触の部分に開口部95aが開口されても、開口部95a周辺の可動上型6の型強度は大きく変化しないことが確認された。
次に、作用を説明する。
実施例1における熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法における作用を、「加工形成作用」と、「熱間鍛造成形作用」と、「開口部を可動上型に開口する作用」と、「分配供給液路作用」と、「熱間鍛造成形の特徴作用」に分けて説明する。
[加工形成作用]
例えば、無段変速機構(CVT)のセカンダリプーリとパーキングギアが一体になった製品を加工形成する場合には、熱間鍛造→熱処理→冷間鍛造→機械加工の順番で金属材料Wの加工が行われ、金属材料Wを製品形状へと形成する。以下、それぞれについて説明する。
(熱間鍛造)
まず、熱間鍛造では、製品となる金属材料Wが加熱される。そして、加熱された金属材料Wが、金型4で加圧され、製品の形に変形(成形)される。熱間鍛造は、金属材料Wが加熱されてから金型4で加圧されるので、金属材料Wを複雑な形状に変形することができる。また、熱間鍛造により、金属材料Wの内部欠陥を無くすことでき、組織を緻密で均質にすることができる。なお、金属材料Wを変形する場合、熱間鍛造を数回に分けて、徐々に製品の形に変形させていくこともある。
(熱処理)
次いで、熱処理では、熱間鍛造にて鍛造された鍛造品を、加熱・冷却により、表面の硬度等を高め、結晶粒や組織を調整し、被削性や加工性を向上する。
(冷間鍛造)
次いで、冷間鍛造では、熱処理後の鍛造品を鍛錬して、より強度を高めることができると共に、鍛造品の精度も高めることができる。ここで、「冷間鍛造」とは、熱間鍛造と異なり、金属材料Wを加熱しないで、常温に近い温度で行う鍛造である。
(機械加工)
続いて、機械加工では、冷間鍛造にて鍛造された鍛造品から、製品として不要な部分が切削・研磨され、製品形状へと形成される。このようにして、金属材料Wが製品形状へと形成される。
[熱間鍛造成形作用]
図6は、金型の成形面の角部が、金型の成形面のうち温度が相対的に高くなる理由を説明する説明図を示している。図7は、熱間鍛造機の全体概略断面図であって、加圧工程の工程図を示している。図8は、熱間鍛造機の全体概略断面図であって、離型工程の離型初期の工程図を示している。図9は、熱間鍛造機の可動上枠と離型剤噴射ノズルのストローク量と時間との関係を示す図であって、離型剤噴射ノズルによる離型剤噴射時間と離型剤供給液路による離型剤噴射時間を説明する作用説明図を示している。また、図1は、離型工程の離型終期の工程図を示している。以下、先に、図2〜図3と図6に基づき、従来の離型剤噴射装置とその課題について説明し、その後、図1と図7〜図9に基づき、上記加工形成の熱間鍛造の熱間鍛造成形作用について説明する。
上記加工形成の熱間鍛造においては、金型から鍛造品を離型するために、金型の成形面に離型剤が噴射される。この離型剤は、加熱された金属材料を加圧することにより熱くなる金型の成形面を冷却する。
従来、離型剤噴射装置において、ワークを鍛造する金型の上型が上昇した際に、金型の上型と下型との間にノズルを挿入する。そして、この離型剤噴射装置では、ノズルを挿入した際に、ノズルから上型へ離型剤を噴射し、上型の発熱を抑制している。
しかし、従来の離型剤噴射装置にあっては、ノズルは水平方向のみに移動するので、上型とノズルとの間には所定の距離が生じる。離型剤は噴射により放射状に広がるので、この距離が長いと、上型の成形面のうち温度が相対的に高くなる発熱部への離型剤供給量が不足する恐れがある。
ここで、「上型の成形面のうち温度が相対的に高くなる発熱部」について説明する。上述したとおり、熱間鍛造では、加熱された金属材料が金型で加圧されるので、金属材料の熱と加圧により金型成形面の温度が加圧前よりも高くなる。例えば、図6に示すように、可動上型6の成形面6aのうち特に角部68aは、3面から入熱されるため(矢印H)、可動上型6の上型成形面6aのうち温度が相対的に高くなる発熱部となってしまうことが確認された。
このため、発熱部への離型剤供給量が不足すると、発熱部が十分に冷却されず、発熱部が摩耗し、鍛造製品に余肉が発生する、という課題がある。例えば、実施例1において、図2の角部68aが摩耗すると、図3に示すように、その角部68aに対応するパーキングギア100の領域A等に余肉が発生する。
また、従来の離型剤噴射装置のように上型と下型との間にノズルを挿入する場合、上型と下型が開き、その間にノズルを挿入するスペースができる離型後でなければ、上型と下型の成形面に離型剤を噴射することができない。
次に、図1と図7〜図9に基づき、熱間鍛造成形作用を説明する。固定下型5と可動上型6の対向する成形面5a,6aにより加熱した金属材料Wを加圧して成形する熱間鍛造成形方法は、加圧工程と、離型工程と、を有している。以下、図1と図7〜図8に基づき、加圧工程と離型工程を説明する。
(加圧工程)
前記加圧工程では、加熱された金属材料Wが固定下型5に配置される。次いで、コントローラ10により可動上枠3が加圧方向D(可動上枠3に取り付けられた可動上型6により金属材料Wを加圧する方向)へ動作される。このとき、可動上型6は、可動上枠3と共に加圧方向Dへ動作される。次いで、図7に示すように、固定下型5と可動上型6により、金属材料Wが加圧され成形される。
(離型工程)
前記離型工程では、加圧工程により金属材料Wを加圧成形された後、コントローラ10により図7の状態から可動上枠3が加圧方向Dとは反対の離型方向U(固定下型5と可動上型6が離れる方向)へ動作される。このとき、可動上型6は、可動上枠3と共に離型方向Dへ動作される。これにより、固定下型5と可動上型6の離型が開始される。次いで、可動上枠3の離型方向Uへの動作が開始されるとき、コントローラ10により第2離型剤供給ポンプ91aが駆動される。そして、離型剤タンク71から離型剤噴射供給液路9へ、離型剤DLが供給される。即ち、離型剤タンク71から離型剤噴射供給液路9へ供給された離型剤DLは、供給源液路91→カプラ92→連結液路93→外周液路94a→内径液路94b→内周液路94c→噴射液路95へと進み、噴射液路95の開口部95に達する。次いで、図8に示すように、開口部95aから離型剤DLが噴射可能な位置に、固定下型5と可動上型6が離型されるとき、開口部95aから発熱部となる角部68aに向けて離型剤DLの噴射が開始される。このように、開口部95aと角部68aとの距離は、可動上枠3が動作されても、その距離は一定であり、且つ、開口部95aは角部68aを向いている。このため、可動上枠3が加圧後に離型方向Uへ動作中、開口部95aから角部68aに向けて離型剤DLが噴射される。従って、固定下型5と可動上型6の離型が開始される離型初期から、開口部95aから発熱部となる角部68aに向けて離型剤DLが噴射される。ここで、「開口部95aから離型剤DLが噴射可能な位置」とは、可動上枠3の離型方向Uへの動作によって、固定下型5によって塞がれていた開口部95aが開く位置から(図8)、図8よりも固定下型5と可動上型6が離型されている位置(図1)までの間の位置である。
次いで、コントローラ10により離型剤噴射ノズル8の挿入方向X1(固定下型5と可動上型6との間に離型剤噴射ノズル8を挿入させる方向、水平方向)への動作が開始される。次いで、可動上枠3の離型方向Uへの動作が停止されてから、離型剤噴射ノズル8は固定下型5と可動上型6との間に挿入され始める。次いで、離型剤噴射ノズル8が、固定下型5と可動上型6との間の離型剤噴射位置に停止される。なお、離型剤噴射ノズル8の動作の開始から離型剤噴射位置に停止されるまでの間に、コントローラ10により第1離型剤供給ポンプ81bが駆動される。次いで、離型剤タンク71から離型剤供給パイプ81aを介して各噴射口82へ、離型剤DLが供給される。次いで、図1に示すように、離型剤噴射ノズル8が離型剤噴射位置に停止されたとき、各噴射口82から下型成形面5aと上型成形面6aに向けて離型剤DLが噴射される。このように、固定下型5と可動上型6の離型が終了される離型終期に、各噴射口82から下型成形面5aと上型成形面6aに向けて離型剤DLが噴射される。ここで、「離型剤噴射位置」とは、各噴射口82から離型剤DLが噴射される位置であって、各噴射口82から噴射される離型剤DLが成形面5a,6a(特に、各成形面5a,6aのインプレッション部)の全面へ行き渡る位置である。この位置は、予めシミュレーション等により決定される。なお、第1離型剤供給ポンプ81bの駆動開始タイミングは、離型剤噴射ノズル8が離型剤噴射位置に停止されると同時に、各噴射口82から離型剤DLが噴射されるタイミングに設定されている。
離形工程により、固定下型5と可動上型6が離型し、成形面5a,6aに離型剤DLが噴射された後、次の加圧工程が行われる。なお、金型4から鍛造品を取り出す工程は、予め決定されたタイミングと方法で取り出される。
以上の工程を経過し、成形面5a,6aに離型剤DLが噴射される。即ち、離型終期に離型剤噴射ノズル8により離型剤DLを噴射することができることに加え、離型初期から離型剤噴射供給液路9により離型剤DLを噴射することができる。
即ち、開口部95aは可動上型6に設けられているので、固定下型5と可動上型6との間に離型剤噴射ノズル8を挿入するスペースができる前、つまり、固定下型5と可動上型6の離型が開始される離型初期に、開口部95aから発熱部となる角部68aに向けて離型剤DLが噴射される。このため、実施例1では、従来のように上型と下型との間にノズルを挿入する場合よりも、離型剤DLの噴射を早めることができる。これにより、開口部95aから発熱部となる角部68aへ離型剤DLを噴射する時間が十分に確保され、角部68aが十分に冷却されるので、角部68aへの冷却効率が向上する。
従って、角部68aの摩耗を抑制し、金属材料Wにおける余肉発生が低減される。
続いて、図9に基づき、離型剤噴射ノズル8による離型剤噴射時間と、離型剤噴射供給液路9による離型剤噴射時間について説明する。なお、時刻t0が、離型工程の「可動上枠3の離型方向Uへの動作が開始されるとき」である。また、図9において、実線が可動上枠3のストロークを示しており、ストロークがゼロのとき、金属材料Wが加圧されているときであり、ストロークが大きいほど可動上枠3が固定下枠2から離れていることになる。そして、図9において、一点鎖線が離型剤噴射ノズル8のストロークを示しており、ストロークが一番大きいとき、離型剤噴射ノズル8が固定下型5と可動上型6との間で停止しているときであり、ストロークが小さいほど離型剤噴射ノズル8が金型4から離れていることになる。
時刻t0から時刻t3にかけて、可動上枠3が離型方向Uへ動作され、時刻t3のとき、可動上枠3が停止される。その間の時刻t1のとき、固定下型5によって塞がれていた開口部95aが開き、開口部95aから発熱部となる角部68aに向けて離型剤DLの噴射が開始される。そして、時刻t1から時刻t10にかけて、開口部95aから角部68aに向けて離型剤DLが噴射される。なお、時刻t1のときが、「固定下型5によって塞がれていた開口部95aが開く位置」である。
可動上枠3の停止前である時刻t2のとき、離型剤噴射ノズル8の挿入方向X1への動作が開始される。なお、時刻t0から時刻t2までの間、離型剤噴射ノズル8は停止されている。そして、時刻t2から時刻t5にかけて、離型剤噴射ノズル8が挿入方向X1へ動作される。その間の可動上枠3が停止された後の時刻t4のとき、離型剤噴射ノズル8は固定下型5と可動上型6との間に挿入され始め、時刻t5のとき、離型剤噴射ノズル8が離型剤噴射位置に停止される。時刻t5から時刻t6にかけて、離型剤噴射ノズル8が離型剤噴射位置に停止された状態で、各噴射口82から下型成形面5aと上型成形面6aに向けて離型剤DLが噴射される。
時刻t6のとき、各噴射口82からの離型剤DLの噴射が停止されると共に、離型剤噴射ノズル8の抜き方向X2(離型剤噴射ノズル8を固定下型5と可動上型6との間から抜く方向、水平方向)への動作が開始される。そして、時刻t6から時刻t9にかけて、離型剤噴射ノズル8が抜き方向X2へ動作される。その間の時刻t7のとき、離型剤噴射ノズル8が固定下型5と可動上型6との間から抜け、時刻t9のとき、離型剤噴射ノズル8が停止される。
離型剤噴射ノズル8が固定下型5と可動上型6との間から抜けた後の時刻t8のとき、可動上枠3の加圧方向Dへの動作が開始される。そして、時刻t8から時刻t11にかけて、可動上枠3が加圧方向Dへ動作される。その間の時刻t10のとき、固定下型5によって開口部95aが塞がれ、開口部95aからの離型剤DLの噴射が停止される。なお、時刻t3から時刻t8までの間、可動上枠3は固定下型5と最も離れた位置に停止されている。
このように、離型剤噴射ノズル8による離型剤噴射時間は、時刻t5から時刻t6までである。これに対し、離型剤噴射供給液路9による離型剤噴射時間は、時刻t1から時刻t10まである。このため、離型剤噴射供給液路9による離型剤噴射時間は、離型剤噴射ノズル8による離型剤噴射時間よりも、時刻t1から時刻t5までの時間と時刻t6から時刻t10までの時間を併せた時間分も長い。しかも、離型剤噴射供給液路9による離型剤DLの噴射は、離型剤噴射ノズル8による離型剤DLの噴射よりも早く開始されると共に遅く終了する。
従って、開口部95aから角部68aへ向けて離型剤DLが噴射される時間が十分に確保され、発熱部となる角部68aが十分に冷却されるので、発熱部となる角部68aへの冷却効率が向上する。これにより、開口部95aからの離型剤DLの噴射によって、発熱部となる角部68aの温度は低下する。
加えて、開口部95aから離型剤DLが噴射可能な位置に固定下型5と可動上型6が離型されている「時刻t1から時刻t10まで」であれば、離型剤DLを噴射することができるので、離型剤DLを噴射する時間面での自由度が上がる。例えば、時刻t1から時刻t10までの間、離型剤DLの噴射を続けることにより、冷却過剰になる場合には、離型剤噴射供給液路9による離型剤噴射時間を、例えば、時刻t2から時刻t9までの間と短くすることもできる。なお、離型剤を過剰に噴射すると、金型に離型剤が溜まり、金属材料に欠肉が発生する。このため、離型剤DLを噴射する時間面での自由度が上がれば、金属材料Wにおける欠肉発生が低減される。
[開口部を可動上型に開口する作用]
従来の離型剤噴射装置は、ノズルは水平方向のみの動作であるから、ノズルと発熱部との間には、所定の距離が生じる。このため、所定の距離を短くするためには、ノズルを水平方向の移動の後、垂直方向に移動させれば良い。しかし、ノズルを水平方向の移動の後、さらに、垂直方向へ移動させると、その垂直方向への移動時間分、1つの金属材料を熱間鍛造する1サイクルあたりの時間が長くなってしまい、生産効率が低下する。
また、所定の距離を短くするためには、従来の離型剤噴射装置が有する上型の下面にノズルを取り付ける構成としても良い。これにより、従来のように上型と下型との間にノズルを挿入する場合における発熱部とノズルとの距離に比べて、所定の距離は短くなる。しかし、上型の下面にノズルを取り付けるため、その所定の距離を短くことには限界があり、発熱部への離型剤供給量が不足する恐れがある。さらに、上型の下面にノズルを取り付ける構成では、上型を製作する際のノズルの取付バラツキや、上型が上昇と下降の動作を繰り返すことによる振動等により、ノズルの向きがずれる恐れがある。そして、ノズルの向きがずれると、発熱部への離型剤供給量が不足する恐れがある。
さらに、発熱部の摩耗を低減するために、上型を製作するときに上型を比較的硬い材質で製作しても良い。しかし、発熱部の摩耗を低減するような比較的硬い材質は、高価であるので、上型製作のコストアップとなる。
このような不都合が生じないために、開口部95aは可動上型6(金型4)に開口されている。なお、上型を比較的硬い材質で製作するコストよりも、可動上型6に開口部95aを開口した方がコストを抑えられる。
[分配供給液路作用]
図5に基づき、分配供給液路作用を説明する。
まず、矢印DL1のように、2つの連結液路93から外周液路94aへ離型剤DLが供給される。次いで、外周液路94aへ供給された離型剤DLは、矢印DL2のように、外周液路94aへ広がっていく。次いで、矢印DL3のように、外周液路94aから内径液路94bへ供給される。次いで、外周液路94aから内径液路94bへ供給された離型剤DLは、矢印DL4のように、内径液路94bから内周液路94cへ供給される。次いで、内径液路94bから内周液路94cへ供給された離型剤DLは、矢印DL5のように、内周液路94cへ広がっていく。次いで、矢印DL6のように、20路の噴射液路95のそれぞれに分配供給される。
このように、分配供給液路94a〜94cが形成されている円環部材94によって、20路の噴射液路95毎に離型剤DLが分配供給される。このため、噴射液路95毎に複数の供給液路を設けなくて良い。
[熱間鍛造成形の特徴作用]
実施例1では、離型剤噴射機構7である離型剤噴射供給液路9は、成形面6aのうち温度が相対的に高くなる角部68a(発熱部)に向けて離型剤DLを噴射する開口部95aを有している(図1〜図2と図4)。
即ち、固定下型5と可動上型6が離型するとき、開口部95aから角部68aに向けて、離型剤DLが噴射される。このため、従来のように上型と下型との間にノズルを挿入する場合における発熱部とノズルとの距離に比べて、角部68aと開口部95aとの距離が短くなる。これにより、角部68aへの離型剤供給量が確保され、角部68aが十分に冷却されるので、角部68aへの冷却効率が向上する。
この結果、角部68aの摩耗が抑制され、金属材料Wにおける余肉発生が低減される。
加えて、角部68aが冷却され、角部68aの摩耗が抑制されるので、熱によって、角部68aが形成されている可動上型6の軟化も抑制される。このため、可動上型6の硬さが保たれるので、従来のように上型と下型との間にノズルを挿入する場合よりも、可動上型6の型寿命を延ばすことができる。
実施例1では、開口部95aは、熱間鍛造中に金属材料Wと非接触の部分のうち、角部68aから最短距離の位置に開口されている(図2と図4)。
即ち、熱間鍛造中に金属材料Wと非接触の部分に開口部95aが開口されても、開口部95a周辺の可動上型6の型強度は大きく変化しないことが確認された。このため、実施例1では、熱間鍛造中に金属材料Wと非接触の部分に、開口部95aが開口される構成としている。これにより、熱間鍛造を行う際、可動上型6の型強度の低下を招くことがなく、型強度を維持することができる。
また、角部68aと開口部95aとの距離が最短距離となるので、角部68aへの冷却効率をより向上する。
従って、可動上型6の型強度を維持しつつ、角部68aへの冷却効率がより向上される。
実施例1では、離型剤噴射機構7である離型剤噴射供給液路9は、成形面6aの側端部6a1を開口部95aとする噴射液路95を有している。そして、その噴射液路95は、角部68aと開口部95aとを直線L1で結んだ延長線L2上に沿って、可動上型6に形成されている(図2と図4)。
即ち、開口部95aから噴射される離型剤DLを、角部68aに集中して当てることができる。
従って、角部68aへの冷却効率がより一層向上される。
実施例1では、離型剤噴射機構7である離型剤噴射供給液路9は、開口部95aから可動上型の下面6bまで貫通されており、角部68aの数と同数設けられた複数(20路)の噴射液路95を有している。また、離型剤噴射供給液路9は、下面6bが被覆され、複数(20路)の噴射液路95が接続される分配供給液路(外周液路94a、内径液路94b、内周液路94c)が形成されている環状部材94を有している(図5)。
即ち、分配供給液路(外周液路94a、内径液路94b、内周液路94c)により、噴射液路95毎に離型剤DLが分配供給される。このため、角部68aの数と同数設けた複数の噴射液路95へ離型剤DLを供給する際、噴射液路95毎に複数の供給液路を設けなくて良い。
従って、複数の噴射液路95へ離型剤DLを供給する際、容易に供給液路が設けられる。
実施例1では、角部68aは、無段変速機構(CVT)のプーリを構成するシーブ面に隣接して設けられたパーキングギア100の歯101を成形する可動上型6の凸部68である(図2と図4)。
即ち、熱間鍛造においてパーキングギア100の歯101が成形される際、凸部68は上型成形面6aのうち面圧が相対的に高くなる。このため、凸部68は上型成形面6aのうち温度が相対的に高くなりやすい部位である。このように、凸部は、他の部位よりも相対的に高温になる部位であるので、離型剤DLによる冷却が必要となる。
従って、可動上型6に開口部95aを有することにより、上型成形面6aのうち温度が相対的に高くなる角部68aが十分に冷却される。
次に、効果を説明する。
実施例1の熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 第1金型(固定下型5)と第2金型(可動上型6)とを備え、
加熱した金属材料Wを、第1金型(固定下型5)と第2金型(可動上型6)の対向する成形面(下型成形面5a、上型成形面6a)により加圧して成形する熱間鍛造成形装置において、
第1金型(固定下型5)と第2金型(可動上型6)の少なくとも一方の金型(可動上型6)に、離型剤DLを噴射する離型剤噴射機構(離型剤噴射供給液路9)を設け、
離型剤噴射機構(離型剤噴射供給液路9)は、成形面(上型成形面6a)のうち温度が相対的に高くなる発熱部(角部68a)に向けて離型剤DLを噴射する開口部95aを有する(図1〜図2と図4)。
このため、発熱部(角部68a)の摩耗を抑制し、金属材料Wにおける余肉発生を低減する熱間鍛造成形装置を提供することができる。
(2) 開口部95aは、熱間鍛造中に金属材料Wと非接触の部分のうち、発熱部(角部68a)から最短距離の位置に開口されている(図2と図4)。
このため、(1)の効果に加え、第2金型(可動上型6)の型強度を維持しつつ、発熱部(角部68a)への冷却効率をより向上させることができる。
(3) 離型剤噴射機構(離型剤噴射供給液路9)は、成形面(上型成形面6a)の側端部6a1を開口部95aとする噴射液路95を有し、
噴射液路95は、発熱部(角部68a)と開口部95aとを直線L1で結んだ延長線L2上に沿って、金型(可動上型6)に形成されている(図2と図4)。
このため、(1)〜(2)の効果に加え、発熱部(角部68a)への冷却効率をより一層向上させることができる。
(4) 離型剤噴射機構(離型剤噴射供給液路9)は、
開口部95aから金型(可動上型6)の金型端面(下面6b)まで貫通されており、発熱部(角部68a)の数(20個)と同数(20路)設けられた複数の噴射液路95と、
金型端面(下面6b)が被覆され、複数の噴射液路95が接続される分配供給液路(外周液路94a、内径液路94b、内周液路94c)が形成されている環状部材94と、を有する(図5)。
このため、(3)の効果に加え、複数の噴射液路95へ離型剤DLを供給する際、容易に供給液路を設けることができる。
(5) 発熱部(角部68a)は、無段変速機構(CVT)のプーリを構成するシーブ面に隣接して設けられたパーキングギア100の歯101を成形する第1金型(固定下型5)と第2金型(可動上型6)のうち一方(可動上型6)の凸部68である(図2と図4)。
このため、(1)〜(4)の効果に加え、第2金型(可動上型6)に開口部95aを有することにより、成形面(上型成形面6a)のうち温度が相対的に高くなる発熱部(角部68a)を十分に冷却することができる。
(6) 第1金型(固定下型5)と第2金型(可動上型6)とを備え、
第1金型(固定下型5)と第2金型(可動上型6)の対向する成形面(下型成形面5a、上型成形面6a)により加熱した金属材料Wを加圧して成形する熱間鍛造成形方法において、
第1金型(固定下型5)と第2金型(可動上型6)の少なくとも一方の金型(可動上型6)に、離型剤DLを噴射する離型剤噴射機構(離型剤噴射供給液路9)を設け、
離型剤噴射機構(離型剤噴射供給液路9)は、成形面(上型成形面6a)のうち温度が相対的に高くなる発熱部(角部68a)に向けて離型剤DLを噴射する開口部95aを有し、
第1金型(固定下型5)と第2金型(可動上型6)の少なくとも一方の金型(可動上型6)を加圧方向Dに動作させ、第1金型(固定下型5)と第2金型(可動上型6)により金属材料Wを加圧して成形する加圧工程と、
加圧工程により金属材料Wを加圧成形した後、第1金型(固定下型5)と第2金型(可動上型6)の少なくとも一方の金型(可動上型6)を加圧方向Dとは反対の離型方向Uに動作させ、第1金型(固定下型5)と第2金型(可動上型6)を開いて離型する離型工程と、を有し、
離型工程では、第1金型(固定下型5)と第2金型(可動上型6)の離型を開始し、開口部95aから離型剤DLが噴射可能な位置に第1金型(固定下型5)と第2金型(可動上型6)を離型したとき、開口部95aから発熱部(角部68a)に向けて離型剤DLを噴射する(図1〜図2と図4と図7〜図8)。
このため、発熱部(角部68a)の摩耗を抑制し、金属材料Wにおける余肉発生を低減する熱間鍛造成形方法を提供することができる。
以上、本発明の熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、可動上型6に、離型剤DLを噴射する離型剤噴射供給液路9を設ける例を示した。しかし、固定下型5に、離型剤DLを噴射する離型剤噴射供給液路9を設けても良いし、固定下型5と可動上型6の両方に、離型剤DLを噴射する離型剤噴射供給液路9を設けても良い。
実施例1では、上型分割部材61を一つの部材で構成する例を示した。しかし、上型分割部材61を、複数の分割部材で構成しても良い。この場合、噴射液路95等は、その該当部分の位置に配置された分割部材に形成すれば良い。
実施例1では、上型成形面6aのうち温度が相対的に高くなる発熱部が角部68aである例を示した。しかし、発熱部は金型によって変わるので、角部68aに限られない。要するに、成形面5a,6aのうち温度が相対的に高くなる部分が発熱部となる。
実施例1では、離型剤噴射供給液路9が、角部68aに向けて離型剤DLを噴射する開口部95aを有する例を示した。しかし、上述したとおり発熱部は角部68aに限られないので、開口部95aは発熱部に向けて離型剤DLを噴射することができれば良い。
実施例1では、開口部95aを、熱間鍛造中に金属材料Wと非接触の部分のうち、角部68aから最短距離の位置に開口する例を示した。しかし、開口部95aは、金型4の型強度の低下を招くことがない位置であれば、熱間鍛造中に金属材料Wと非接触の部分のうち、角部68aから最短距離の位置に開口するものに限られない。また、開口部95aは、金属材料Wの成形に影響しない位置、且つ、金型4の型強度の低下を招くことがない位置であれば、熱間鍛造中に金属材料Wと接触する部分に開口しても良い。
実施例1では、噴射液路95を、開口部95aと角部68aを直線L1で結んだ延長線L2上に沿って形成した例を示した。しかし、噴射液路95は、その延長線L2上に沿って形成されなくても良い。
実施例1では、噴射液路95の径を、下面6bから開口部95aまで均一に形成する例を示した。しかし、下面6bから開口部95aへ向かうに従って、径を小さくしても良い。これにより、径を均一にするよりも、噴射液路95を流れる離型剤DLの流速が速くなり、開口部95aから離型剤DLが高速で噴射されるので、角部68aへの冷却効率が向上する。
実施例1では、噴射液路95を角部68aの数と同数の20路設ける例を示した。しかし、角部68a(発熱部)の数に対し、離型剤DLにより必要十分な冷却ができれば、噴射液路95の数は20路に限られない。例えば、2か所の発熱部に対し、離型剤DLにより必要十分な冷却ができれば、噴射液路95は1路でも2路でも良い。即ち、2か所の発熱部に対し、2路ではなく1路の噴射液路95を設ければ良い。
実施例1では、環状部材を円環部材94とする例を示した。しかし、円環形状に限られない。即ち、噴射液路95が設けられた金型の下面の形状に合わせて、環状形状にすれば良い。
実施例1では、離型剤噴射ノズル8を6本設ける例を示した。しかし、離型剤噴射ノズル8の本数は、金型4の大きさ等によって変更しても良い。また、離型剤DLを噴射するノズルを3本とし、エアを噴射するノズルを3本とする例を示した。しかし、これに限られない。例えば、離型剤DLを噴射するノズルを4本とし、エアを噴射するノズルを2本としても良い。さらに、噴射口82を、下型成形面5aと上型成形面6aに対向する位置に等間隔に、それぞれ3つ設ける例を示した。しかし、これに限られない。例えば、噴射口82の数を増加/減少させても良いし、等間隔に配置しなくても良い。また、噴射口82を、下型成形面5aに対向する位置に2つ設け、上型成形面6aに対向する位置に5つ設けても良い。要するに、金型の成形面等に合わせて、それぞれの数と配置を決定すれば良い。
実施例1では、本発明の熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法を、無段変速機構(CVT)のセカンダリプーリとパーキングギアが一体になった製品を熱間鍛造機により成形する際に適用する例を示した。しかし、本発明の熱間鍛造成形装置及び熱間鍛造成形方法を、ギア等のその他の製品を熱間鍛造機により成形する際に適用しても良い。
1 熱間鍛造機
2 固定下枠
3 可動上枠
4 金型
5 固定下型(第1金型)
5a 下型成形面(成形面)
6 可動上型(第2金型)
6a 上型成形面(成形面)
6a1 側端部(成形面)
6b 下面(金型端面)
68 凸部
68a 角部(発熱部)
7 離型剤噴射機構
71 離型剤タンク(供給源)
8 離型剤噴射ノズル
82 噴射口
9 離型剤噴射供給液路
94 円環部材(環状部材)
94a 外周液路(分配供給液路)
94b 内径液路(分配供給液路)
94c 内周液路(分配供給液路)
95 噴射液路
95a 開口部
10 コントローラ
100 パーキングギア
101 (パーキングギアの)歯
DL 離型剤
L1 直線
L2 延長線
D 加圧方向(下降方向)
U 離型方向(上昇方向)
W 金属材料

Claims (6)

  1. 第1金型と第2金型とを備え、
    加熱した金属材料を、前記第1金型と前記第2金型の対向する成形面により加圧して成形する熱間鍛造成形装置において、
    前記第1金型と前記第2金型の少なくとも一方の金型に、離型剤を噴射する離型剤噴射機構を設け、
    前記離型剤噴射機構は、前記成形面のうち温度が相対的に高くなる発熱部に向けて前記離型剤を噴射する開口部を有する
    ことを特徴とする熱間鍛造成形装置。
  2. 請求項1に記載された熱間鍛造成形装置において、
    前記開口部は、熱間鍛造中に前記金属材料と非接触の部分のうち、前記発熱部から最短距離の位置に開口されている
    ことを特徴とする熱間鍛造成形装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された熱間鍛造成形装置において、
    前記離型剤噴射機構は、前記成形面の側端部を前記開口部とする噴射液路を有し、
    前記噴射液路は、前記発熱部と前記開口部とを直線で結んだ延長線上に沿って、前記金型に形成されている
    ことを特徴とする熱間鍛造成形装置。
  4. 請求項3に記載された熱間鍛造成形装置において、
    前記離型剤噴射機構は、
    前記開口部から前記金型の金型端面まで貫通されており、前記発熱部の数と同数設けられた複数の前記噴射液路と、
    前記金型端面が被覆され、前記複数の噴射液路が接続される分配供給液路が形成されている環状部材と、を有する
    ことを特徴とする熱間鍛造成形装置。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか一項に記載された熱間鍛造成形装置において、
    前記発熱部は、無段変速機構のプーリを構成するシーブ面に隣接して設けられたパーキングギアの歯を成形する前記第1金型と前記第2金型のうち一方の凸部である
    ことを特徴とする熱間鍛造成形装置。
  6. 第1金型と第2金型とを備え、
    前記第1金型と前記第2金型の対向する成形面により加熱した金属材料を加圧して成形する熱間鍛造成形方法において、
    前記第1金型と前記第2金型の少なくとも一方の金型に、離型剤を噴射する離型剤噴射機構を設け、
    前記離型剤噴射機構は、前記成形面のうち温度が相対的に高くなる発熱部に向けて前記離型剤を噴射する開口部を有し、
    前記第1金型と前記第2金型の少なくとも一方の金型を加圧方向に動作させ、前記第1金型と前記第2金型により前記金属材料を加圧して成形する加圧工程と、
    前記加圧工程により前記金属材料を加圧成形した後、前記第1金型と前記第2金型の少なくとも一方の金型を加圧方向とは反対の離型方向に動作させ、前記第1金型と前記第2金型を開いて離型する離型工程と、を有し、
    前記離型工程では、前記第1金型と前記第2金型の離型を開始し、前記開口部から前記離型剤が噴射可能な位置に前記第1金型と前記第2金型を離型したとき、前記開口部から前記発熱部に向けて前記離型剤を噴射する
    ことを特徴とする熱間鍛造成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112588491A (zh) * 2020-12-22 2021-04-02 百琪达智能科技(宁波)股份有限公司 脉冲式干湿混合型喷脱模剂系统

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