JP2017163420A - G級増幅回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源の数を減らすこと。
【解決手段】正の第1の電圧を第1の正電圧ラインに供給する第1のコンデンサと、負の第1の電圧を第1の負電圧ラインに供給する第2のコンデンサと、第1の電源の高電位側と第1のコンデンサの一端とを電気的に接続することにより第1のコンデンサに電力をチャージする制御を行い、第2の電源の低電位側と第2のコンデンサの一端とを電気的に接続することにより第2のコンデンサに電力をチャージする制御を行うチャージ制御部と、を含み、増幅部は、第1の正電圧ラインが選択部によって選択されている場合には、第1のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行い、第1の負電圧ラインが選択部によって選択されている場合には、第2のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行う。
【選択図】図21
【解決手段】正の第1の電圧を第1の正電圧ラインに供給する第1のコンデンサと、負の第1の電圧を第1の負電圧ラインに供給する第2のコンデンサと、第1の電源の高電位側と第1のコンデンサの一端とを電気的に接続することにより第1のコンデンサに電力をチャージする制御を行い、第2の電源の低電位側と第2のコンデンサの一端とを電気的に接続することにより第2のコンデンサに電力をチャージする制御を行うチャージ制御部と、を含み、増幅部は、第1の正電圧ラインが選択部によって選択されている場合には、第1のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行い、第1の負電圧ラインが選択部によって選択されている場合には、第2のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行う。
【選択図】図21
Description
本発明は、G級増幅回路に関する。
モータで例示される負荷に必要な電力を供給して負荷を駆動するために、増幅回路が使用される。増幅回路は、A級、B級、AB級又はG級が例示される。A級、B級及びAB級の増幅回路では、必要な出力電力に比べて損失電力が大きい。
増幅回路の負荷がガルバノスキャナで例示されるインダクタンス性の負荷である場合には、電圧の位相に対して電流の位相が90°近く遅れる。従って、G級増幅回路をガルバノスキャナの駆動に用いた場合には、正電流出力時及び負電流出力時の各々において、出力電圧と母線電圧との間には大きな電圧差が生じる。電力損失は、電圧差と出力電流との乗算になる。従って、G級増幅回路をガルバノスキャナの駆動に用いた場合、大きな電力損失が生じる。電力損失が大きいと、ガルバノスキャナの精度を向上させながらガルバノスキャナを高速化することが困難になる。
上記に鑑み、本出願人は、電力損失を低減できるG級増幅回路を提案した(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1記載の技術では、多くの電源を必要とするという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電源の数を減らすことが可能なG級増幅回路を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、指令電圧が入力される入力ノードと、入力ノードに入力された指令電圧に応じて、複数の電圧が夫々供給される複数のラインの内から1つのラインを選択する選択部と、1つのラインに供給される電圧を使用して、増幅を行う増幅部と、増幅部で増幅された電力を、印加される電圧の位相に対して流れる電流の位相が遅れる負荷へ出力する出力ノードと、基準電位に接続された基準電位ノードと、を含む。また、本発明は、一端が出力ノードよりも正側で増幅部に接続され、基準電位を基準に正の第1の電圧が供給される第1の正電圧ラインと、一端が出力ノードよりも負側で増幅部に接続され、基準電位を基準に負の第1の電圧が供給される第1の負電圧ラインと、一端が出力ノードよりも正側で増幅部に接続され、基準電位を基準に正の第2の電圧が供給される第2の正電圧ラインと、一端が出力ノードよりも負側で増幅部に接続され、基準電位を基準に負の第2の電圧が供給される第2の負電圧ラインと、を含む。また、本発明は、基準電位を基準に正の第2の電圧を第2の正電圧ラインに供給する第1の電源と、基準電位を基準に負の第2の電圧を第2の負電圧ラインに供給する第2の電源と、一端が第1の正電圧ラインに接続され、正の第1の電圧を第1の正電圧ラインに供給する第1のコンデンサと、一端が第1の負電圧ラインに接続され、負の第1の電圧を第1の負電圧ラインに供給する第2のコンデンサと、を含む。また、本発明は、第1の電源の高電位側と第1のコンデンサの一端とを電気的に接続することにより第1のコンデンサに電力をチャージする制御を行い、第2の電源の低電位側と第2のコンデンサの一端とを電気的に接続することにより第2のコンデンサに電力をチャージする制御を行うチャージ制御部を含む。増幅部は、第1の正電圧ラインが選択部によって選択されている場合には、第1のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行い、第1の負電圧ラインが選択部によって選択されている場合には、第2のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行う。
本発明によれば、電源の数を減らすことができるという効果を奏する。
以下に、本発明の実施の形態にかかるG級増幅回路を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるG級増幅回路を用いたレーザ加工装置の構成を示す図である。
図1は、実施の形態1にかかるG級増幅回路を用いたレーザ加工装置の構成を示す図である。
レーザ加工装置1は、制御装置2を含む。制御装置2は、被加工物におけるレーザ光の目標照射位置に応じて、ミラー5aの角度を制御するための指令データをD/A(Digital/Analog)変換器3へ供給する。D/A変換器3は、デジタル信号である指令データをアナログ信号である指令信号へ変換し、変換された指令信号を駆動アンプ4へ供給する。
駆動アンプ4は、G級増幅回路AMPを含む。駆動アンプ4は、指令信号を内部的に指令電圧に変換しG級増幅回路AMPへ供給する。G級増幅回路AMPは、指令電圧に応じて増幅を行い、電力をモータ5bへ供給する。
モータ5bは、例えば、回転子及び固定子の内の一方がコイルで形成され、他方が永久磁石で形成される。そして、モータ5bのコイルが、インダクタンス性の負荷LDである。
駆動アンプ4は、指令電圧に応じた電力をモータ5bの負荷LDへ供給することで、指令電圧に追従するようにモータ5bを駆動する。
ガルバノスキャナ5では、モータ5bは、負荷LDに供給された電力に応じて、シャフトを介してミラー5aを回転させる。エンコーダ5cは、モータ5bの回転角度を検出して、エンコーダ信号処理回路6へ供給する。エンコーダ信号処理回路6は、回転角度の検出値であるアナログ信号を、回転角度データであるデジタル信号へ変換して、制御装置2へ供給する。これにより、制御装置2は、ミラー5aの角度が被加工物におけるレーザ光の目標照射位置に応じた目標角度になるように制御する。
図2は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の構成を示す図である。
G級増幅回路AMPは、交流の指令電圧CVが入力される入力ノードN1と、入力ノードN1に入力された指令電圧CVに応じて、複数の電圧が夫々供給される複数のラインの内から1つのラインを選択する選択部11と、選択部11によって選択された1つのラインに供給される電圧を使用して、増幅を行う増幅部12と、増幅部12で増幅された電力を、印加される出力電圧Voの位相に対して流れる出力電流Ioの位相が遅れる負荷LDへ出力する出力ノードN2と、を含む。
G級増幅回路AMPは、基準電位V0に接続された基準電位ノードN3と、基準電位V0を基準に正の第1の電圧である+V1を発生させる第1のコンデンサC1と、基準電位V0を基準に負の第1の電圧である−V1を発生させる第2のコンデンサC2と、を含む。基準電位V0は、接地電位GNDが例示される。
G級増幅回路AMPは、一端が第1のコンデンサC1の高電位側に接続され、他端が出力ノードN2より正側で増幅部12に接続された第1の正電圧ラインPL1と、一端が第2のコンデンサC2の低電位側に接続され、他端が出力ノードN2より負側で増幅部12に接続された第1の負電圧ラインNL1と、一端が第2のコンデンサC2の低電位側に接続され、他端が出力ノードN2より正側で増幅部12に接続された第1の逆極性ラインPL4と、一端が第1のコンデンサC1の高電位側に接続され、他端が出力ノードN2より負側で増幅部12に接続された第2の逆極性ラインNL4と、を含む。
G級増幅回路AMPは、基準電位V0を基準に正の第2の電圧である+V2を発生させる第1の電源14と、基準電位V0を基準に負の第2の電圧である−V2を発生させる第2の電源15と、一端が第1の電源14の高電位側に接続され、他端が出力ノードN2より正側で増幅部12に接続された第2の正電圧ラインPL2と、一端が第2の電源15の低電位側に接続され、他端が出力ノードN2より負側で増幅部12に接続された第2の負電圧ラインNL2と、を含む。
G級増幅回路AMPは、一端が基準電位ノードN3に接続され、他端が出力ノードN2より正側で増幅部12に接続された第1の基準電圧ラインPL0と、一端が基準電位ノードN3に接続され、他端が出力ノードN2より負側で増幅部12に接続された第2の基準電圧ラインNL0と、を含む。
選択部11は、出力電流Ioが出力ノードN2から負荷LDへ向かって流れる第1の期間では、第2の正電圧ラインPL2、第1の正電圧ラインPL1、第1の基準電圧ラインPL0及び第1の逆極性ラインPL4という順序でラインを選択する。また、選択部11は、出力電流Ioが負荷LDから出力ノードN2へ向かって流れる第2の期間では、第2の負電圧ラインNL2、第1の負電圧ラインNL1、第2の基準電圧ラインNL0及び第2の逆極性ラインNL4という順序でラインを選択する。
増幅部12は、第2の逆極性ラインNL4が選択部11によって選択されている場合には、出力電流Ioによって第1のコンデンサC1に電力をチャージし、第1の正電圧ラインPL1が選択部11によって選択されている場合には、第1のコンデンサC1にチャージされている電力を消費して増幅を行う。
増幅部12は、第1の逆極性ラインPL4が選択部11によって選択されている場合には、出力電流Ioによって第2のコンデンサC2に電力をチャージし、第1の負電圧ラインNL1が選択部11によって選択されている場合には、第2のコンデンサC2にチャージされている電力を消費して増幅を行う。
入力ノードN1は、指令電圧CVの供給源10と選択部11との間に接続されている。入力ノードN1は、入力された指令電圧CVを選択部11へ供給する。選択部11は、入力ノードN1と増幅部12との間に配置されている。
選択部11は、現在の出力電流Ioの方向と、指令電圧CVと、接続されている各ラインの電位と、に応じて、少なくとも3種類の電圧V0,V1及びV2の内から1つの電圧を選択し、選択した1つの電圧に母線電圧を切り替える。少なくとも3種類の電圧は、電圧V2と、電圧V2より絶対値が小さいV1と、電圧V1より絶対値が小さいV0と、を含む。
選択部11は、現在の出力電流Ioの方向と、指令電圧CVに追従する各トランジスタのベース電位と、各ラインの電位と、に応じて、第2の正電圧ラインPL2、第1の正電圧ラインPL1、第1の基準電圧ラインPL0、第1の逆極性ラインPL4、第2の負電圧ラインNL2、第1の負電圧ラインNL1、第2の基準電圧ラインNL0及び第2の逆極性ラインNL4の内のいずれか1つを選択的に活性化する。そして、選択部11は、第1の電源14による電圧である+V2と、第1のコンデンサC1による電圧である+V1と、基準電位ノードN3による電圧V0と、第2の電源15による電圧−V2と、第2のコンデンサC2による電圧−V1と、の間で母線電圧を切り替える。
選択部11は、ツェナーダイオードZD1からZD8までと、電流源CS1及びCS2と、トランジスタTr1,Tr2,Tr9からTr12まで,Tr15及びTr16と、抵抗R1からR7までと、を含む。
ツェナーダイオードZD4は、アノードが入力ノードN1に接続され、カソードがトランジスタTr1のベースに接続されている。
トランジスタTr1は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがツェナーダイオードZD4に接続され、コレクタが第1の電源14の高電位側に接続され、エミッタが抵抗R1の一端に接続されている。
ツェナーダイオードZD5は、アノードがツェナーダイオードZD4とトランジスタTr1のベースとに接続され、カソードがダイオードD7に接続されている。
トランジスタTr10は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがダイオードD7を介してツェナーダイオードZD5に接続され、コレクタが第1の電源14の高電位側に接続され、エミッタが抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R2の他端は、ダイオードD3を介して第2のコンデンサC2の低電位側に接続されている。
ツェナーダイオードZD6は、アノードがツェナーダイオードZD5とダイオードD7とに接続され、カソードがダイオードD8に接続されている。
トランジスタTr12は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがダイオードD8を介してツェナーダイオードZD6に接続され、コレクタが第1の電源14の高電位側に接続され、エミッタが抵抗R4の一端に接続されている。抵抗R4の他端は、ダイオードD4を介して基準電位ノードN3に接続されている。
ツェナーダイオードZD8は、アノードがツェナーダイオードZD6とダイオードD8とに接続され、カソードが電流源CS1とダイオードD11とに接続されている。
トランジスタTr15は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがダイオードD11を介して電流源CS1及びツェナーダイオードZD8の間に接続され、コレクタが第1の電源14の高電位側に接続され、エミッタが抵抗R6の一端に接続されている。抵抗R6の他端は、ダイオードD13を介して第1のコンデンサC1の高電位側に接続されている。
ツェナーダイオードZD3は、アノードがトランジスタTr2のベースに接続され、カソードが入力ノードN1に接続されている。
トランジスタTr2は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがツェナーダイオードZD3に接続され、コレクタが第2の電源15の低電位側に接続され、エミッタが抵抗R1の他端に接続されている。
ツェナーダイオードZD2は、アノードがダイオードD6に接続され、カソードがツェナーダイオードZD3とトランジスタTr2のベースとに接続されている。
トランジスタTr9は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがダイオードD6を介してツェナーダイオードZD2に接続され、コレクタが第2の電源15の低電位側に接続され、エミッタが抵抗R3の一端に接続されている。抵抗R3の他端は、ダイオードD2を介して第1のコンデンサC1の高電位側に接続されている。
ツェナーダイオードZD1は、アノードがダイオードD5に接続され、カソードがツェナーダイオードZD2とダイオードD6とに接続されている。
トランジスタTr11は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがダイオードD5を介してツェナーダイオードZD1に接続され、コレクタが第2の電源15の低電位側に接続され、エミッタが抵抗R5の一端に接続されている。抵抗R5の他端は、ダイオードD1を介して基準電位ノードN3に接続されている。
ツェナーダイオードZD7は、アノードが電流源CS2とダイオードD10とに接続され、カソードがツェナーダイオードZD1とダイオードD5とに接続されている。
トランジスタTr16は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがダイオードD10を介してツェナーダイオードZD7及び電流源CS2の間に接続され、コレクタが第2の電源15の低電位側に接続され、エミッタが抵抗R7の一端に接続されている。抵抗R7の他端は、ダイオードD12を介して第2のコンデンサC2の低電位側に接続されている。
増幅部12は、選択部11と出力ノードN2との間に配置され、選択部11により切り替えられた電圧を使用して増幅を行い、増幅した電力を出力ノードN2へ供給する。
増幅部12は、トランジスタTr3からTr8まで,Tr13及びTr14、並びに、抵抗Re1及びRe2を含む。
トランジスタTr6は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr1のエミッタ及び抵抗R1の一端の間に接続され、コレクタがダイオードD3を介して第2のコンデンサC2の低電位側に接続され、エミッタが抵抗Re1を介して出力ノードN2に接続されている。
トランジスタTr7は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr10のエミッタ及び抵抗R2の間に接続され、コレクタがダイオードD4を介して基準電位ノードN3に接続され、エミッタがトランジスタTr6のコレクタに接続されている。
トランジスタTr8は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr12のエミッタ及び抵抗R4の間に接続され、コレクタがダイオードD13を介して第1のコンデンサC1の高電位側に接続され、エミッタがトランジスタTr7のコレクタに接続されている。
トランジスタTr13は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr15のエミッタ及び抵抗R6の間に接続され、コレクタが第1の電源14の高電位側に接続され、エミッタがトランジスタTr8のコレクタに接続されている。
トランジスタTr5は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースが抵抗R1の他端及びトランジスタTr2のエミッタの間に接続され、コレクタがダイオードD2を介して第1のコンデンサC1の高電位側に接続され、エミッタが抵抗Re2を介して出力ノードN2に接続されている。
トランジスタTr4は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr9のエミッタ及び抵抗R3の間に接続され、コレクタがダイオードD1を介して基準電位ノードN3に接続され、エミッタがトランジスタTr5のコレクタに接続されている。
トランジスタTr3は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr11のエミッタ及び抵抗R5の間に接続され、コレクタがダイオードD12を介して第2のコンデンサC2の低電位側に接続され、エミッタがトランジスタTr4のコレクタに接続されている。
トランジスタTr14は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr16のエミッタ及び抵抗R7の間に接続され、コレクタが第2の電源15の低電位側に接続され、エミッタがトランジスタTr3のコレクタに接続されている。
電源部13は、増幅部12と基準電位ノードN3との間に配置され、少なくとも3種類の電圧を増幅部12に供給する。
基準電位V0は、接地電位GNDが例示される。基準電位ノードN3は、接地電位GNDに接続されている。基準電位ノードN3は、第1の基準電圧ラインPL0及び第2の基準電圧ラインNL0に接続されている。従って、第1の基準電圧ラインPL0及び第2の基準電圧ラインNL0の電圧は、接地電位GNDである。
電源部13は、第1の電源14を含む。第1の電源14は、電圧がV2であり、低電位側が基準電位ノードN3に接続され、高電位側が第2の正電圧ラインPL2に接続されている。第1の電源14は、基準電位V0を基準に正の第2の電圧である+V2を発生させる。従って、第2の正電圧ラインPL2の電圧は、+V2である。
電源部13は、第2の電源15を含む。第2の電源15は、電圧がV2であり、高電位側が基準電位ノードN3に接続され、低電位側が第2の負電圧ラインNL2に接続されている。第2の電源15は、基準電位V0を基準に負の第2の電圧である−V2を発生させる。従って、第2の負電圧ラインNL2の電圧は、−V2である。
電源部13は、第1のコンデンサC1を含む。第1のコンデンサC1は、低電位側が基準電位ノードN3に接続され、高電位側が第1の正電圧ラインPL1に接続されている。
モータ5bでは、加速の次に減速が伴う。つまり、モータ5bでは、電力の消費と、電力の回生と、を繰り返す。
第1のコンデンサC1の高電位側は、抵抗Re2、トランジスタTr5,ダイオードD2及び第2の逆極性ラインNL4を経由して、負出力方向の回生電流が負荷LDから流れることで、正電荷がチャージされる。負出力方向は、負荷LDから出力ノードN2へ出力電流Ioが流れる方向であり、図2中の点線で示した方向である。
第1のコンデンサC1の電圧である+V1は、正電荷が第1のコンデンサC1の高電位側にチャージされると、上昇する。第1のコンデンサC1の電圧である+V1は、第1のコンデンサC1の高電位側から増幅部12へ電流が流れる、つまり第1のコンデンサC1の高電位側の正電荷が第1の正電圧ラインPL1を経由して増幅部12へディスチャージされると、下降する。
第1のコンデンサC1の電圧である+V1は、V0以上且つ+V2未満である。第1のコンデンサC1は、基準電位V0を基準に正の第1の電圧である+V1を発生させる。従って、第1の正電圧ラインPL1の電圧は、+V1である。
第2のコンデンサC2は、高電位側が基準電位ノードN3に接続され、低電位側が第1の負電圧ラインNL1に接続されている。
モータ5bでは、加速の次に減速が伴う。つまり、モータ5bでは、電力の消費と、電力の回生と、を繰り返す。
第2のコンデンサC2は、第1の逆極性ラインPL4、ダイオードD3、トランジスタTr6及び抵抗Re1を経由して、正出力方向の回生電流が負荷LDへ流れることで、負電荷がチャージされる。正出力方向は、出力ノードN2から負荷LDへ出力電流Ioが流れる方向であり、図2中の実線で示した方向である。
第2のコンデンサC2の電圧である−V1は、負電荷が第2のコンデンサC2の低電位側にチャージされると、下降する。第2のコンデンサC2の電圧である−V1は、増幅部12から第2のコンデンサC2へ電流が流れる、つまり第2のコンデンサC2の負電荷が第1の負電圧ラインNL1を経由して増幅部12へディスチャージされると、上昇する。
第2のコンデンサC2の電圧である−V1は、−V2より大きく且つ0以下である。第2のコンデンサC2は、基準電位V0を基準に負の第1の電圧である−V1を発生させる。従って、第1の負電圧ラインNL1の電圧は、−V1である。
出力電流Ioの方向が正出力方向である場合の選択部11の動作について、説明する。正出力方向は、出力ノードN2から負荷LDへ出力電流Ioが流れる方向であり、図2中の実線で示した方向である。
選択部11は、現在の出力電流Ioの方向が正出力方向であれば、トランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15の内の少なくとも1つをオンさせ、増幅部12における正側のトランジスタTr6,Tr7,Tr8及びTr13の内の少なくとも1つを動作させる。そして、選択部11は、指令電圧CVに追従するトランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15のベース電位を正側に超え且つ値が最も近い電圧値のラインを選択する。
選択部11は、出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つトランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15のベース電位である指令電圧CVが+V1以上である場合には、トランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15のベース電位を正側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第2の正電圧ラインPL2を選択する。すなわち、選択部11は、トランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15をオンさせ、第2の正電圧ラインPL2を活性化させ、第1の電源14と増幅部12との接続を有効にし、母線電圧を第1の電源14による電圧である+V2に切り替える。
選択部11は、出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つトランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15のベース電位である指令電圧CVが0以上+V1未満である場合には、トランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15のベース電位を正側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第1の正電圧ラインPL1を選択する。このとき、トランジスタTr15は、ベース電位がエミッタ電位より低い逆バイアス状態となっているからベース電流が流れないので、オフする。すなわち、選択部11は、トランジスタTr15をオフさせるとともにトランジスタTr1,Tr10及びTr12をオンさせ、第1の正電圧ラインPL1を活性化させ、第1のコンデンサC1と増幅部12との接続を有効にし、母線電圧を第1のコンデンサC1による電圧である+V1に切り替える。
選択部11は、出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つ指令電圧CVが0以上+V1未満である場合には、第1の正電圧ラインPL1を活性化させ、第1のコンデンサC1と増幅部12との接続を有効にする。従って、第1のコンデンサC1から増幅部12へ電流が流れる。つまり、第1のコンデンサC1の高電位側の正電荷が第1の正電圧ラインPL1を経由して増幅部12へ流れる。従って、第1のコンデンサC1はディスチャージされ、第1のコンデンサC1の電圧である+V1は下降する。
選択部11は、出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つトランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15のベース電位である指令電圧CVが−V1以上0未満である場合には、トランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15のベース電位を正側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第1の基準電圧ラインPL0を選択する。このとき、トランジスタTr12及びTr15は、ベース電位がエミッタ電位より低い逆バイアス状態となっているからベース電流が流れないので、オフする。すなわち、選択部11は、トランジスタTr12及びTr15をオフさせるとともにトランジスタTr1及びTr10をオンさせ、第1の基準電圧ラインPL0を活性化させ、基準電位ノードN3と増幅部12との接続を有効にし、母線電圧を基準電位ノードN3による電圧であるV0に切り替える。
選択部11は、出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つトランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15のベース電位である指令電圧CVが−V2以上−V1未満である場合には、トランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15のベース電位を正側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第1の逆極性ラインPL4を選択する。このとき、トランジスタTr10,Tr12及びTr15では、ベース電位がエミッタ電位より低い逆バイアス状態となっているからベース電流が流れないので、オフする。すなわち、選択部11は、トランジスタTr10,Tr12及びTr15をオフさせるとともにトランジスタTr1をオンさせ、第1の逆極性ラインPL4を活性化させ、第2のコンデンサC2と増幅部12との逆極性の接続を有効にし、母線電圧を第2のコンデンサC2による電圧である−V1に切り替える。
選択部11は、出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つ指令電圧CVが−V2以上−V1未満である場合には、第1の逆極性ラインPL4を活性化させ、第2のコンデンサC2と増幅部12との逆極性の接続を有効にする。従って、第2のコンデンサC2から増幅部12へ電流が流れる。つまり、負電荷が第1の逆極性ラインPL4を経由して増幅部12から第2のコンデンサC2へ流れる。従って、第2のコンデンサC2の低電位側には負電荷がチャージされ、第2のコンデンサC2の電圧である−V1は下降する。
出力電流Ioの方向が負出力方向である場合の選択部11の動作について、説明する。負出力方向は、負荷LDから出力ノードN2へ出力電流Ioが流れる方向であり、図2中の点線で示した方向である。
選択部11は、現在の出力電流Ioの方向が負出力方向であれば、トランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16の内の少なくとも1つをオンさせ、増幅部12における負側のトランジスタTr5,Tr4,Tr3及びTr14の内の少なくとも1つを動作させる。そして、選択部11は、指令電圧CVに追従するトランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16のベース電位を負側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線を選択する。
選択部11は、出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つトランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16のベース電位である指令電圧CVが−V1以下である場合、トランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16のベース電位を負側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第2の負電圧ラインNL2を選択する。すなわち、選択部11は、トランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16をオンさせ、第2の負電圧ラインNL2を活性化させ、第2の電源15と増幅部12との接続を有効にし、母線電圧を第2の電源15による電圧である−V2に切り替える。
選択部11は、出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つトランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16のベース電位である指令電圧CVが−V1より大きく0以下である場合には、トランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16のベース電位を負側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第1の負電圧ラインNL1を選択する。このとき、トランジスタTr16は、ベース電位がエミッタ電位より高い逆バイアス状態となっているからベース電流が流れないので、オフする。すなわち、選択部11は、トランジスタTr16をオフさせるとともにトランジスタTr2,Tr9及びTr11をオンさせ、第1の負電圧ラインNL1を活性化させ、第2のコンデンサC2と増幅部12との接続を有効にし、母線電圧を第2のコンデンサC2による電圧である−V1に切り替える。
選択部11は、出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つ指令電圧CVが−V1より大きく0以下である場合には、第1の負電圧ラインNL1を活性化させ、第2のコンデンサC2と増幅部12との接続を有効にする。従って、増幅部12から第2のコンデンサC2へ電流が流れる。つまり、第2のコンデンサC2の負電荷が第1の負電圧ラインNL1を経由して増幅部12へ流れる。従って、第2のコンデンサC2はディスチャージされ、第2のコンデンサC2の電圧である−V1は上昇する。
選択部11は、出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つトランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16のベース電位である指令電圧CVが0より大きく+V1以下である場合には、トランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16のベース電位を負側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第2の基準電圧ラインNL0を選択する。このとき、トランジスタTr11及びTr16は、ベース電位がエミッタ電位より高い逆バイアス状態となっているからベース電流が流れないので、オフする。すなわち、選択部11は、トランジスタTr11及びTr16をオフさせるとともにトランジスタTr2及びTr9をオンさせ、第2の基準電圧ラインNL0を活性化させ、基準電位ノードN3と増幅部12との接続を有効にし、母線電圧を基準電位ノードN3による電圧であるV0に切り替える。
選択部11は、出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つトランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16のベース電位である指令電圧CVが+V1より大きく+V2以下である場合には、トランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16のベース電位を負側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第2の逆極性ラインNL4を選択する。このとき、トランジスタTr9,Tr11及びTr16は、ベース電位がエミッタ電位より高い逆バイアス状態となっているからベース電流が流れないので、オフする。すなわち、選択部11は、トランジスタTr9,Tr11及びTr16をオフさせるとともにトランジスタTr2をオンさせ、第2の逆極性ラインNL4を活性化させ、第1のコンデンサC1と増幅部12との逆極性の接続を有効にし、母線電圧を第1のコンデンサC1による電圧である+V1に切り替える。
選択部11は、出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つ指令電圧CVが+V1より大きく+V2以下である場合には、第2の逆極性ラインNL4を活性化させ、第1のコンデンサC1と増幅部12との逆極性の接続を有効にする。従って、増幅部12から第1のコンデンサC1へ電流が流れる。つまり、正電荷が第2の逆極性ラインNL4を経由して増幅部12から第1のコンデンサC1へ流れる。従って、第1のコンデンサC1には正電荷がチャージされ、第1のコンデンサC1の電圧である+V1は上昇する。
出力電流Ioの方向が正出力方向である場合の増幅部12の動作について、説明する。正出力方向は、出力ノードN2から負荷LDへ出力電流Ioが流れる方向であり、図2中の実線で示した方向である。
増幅部12は、現在の出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つトランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15がオンされた状態では、トランジスタTr6,Tr7,Tr8及びTr13がオンする。そして、トランジスタTr13は、エミッタフォロワとして機能し、第1の電源14による電圧である+V2を使用して電流増幅を行う。
選択部11のトランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15のベース電位である指令電圧CVが+V1以上である場合には、第2の正電圧ラインPL2の電位である+V2が、指令電圧CVを正側に超え且つベース電位に最も近い電位である。
トランジスタTr13は、コレクタ側の母線の第2の正電圧ラインPL2の電位である+V2が指令電圧CVを正側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr13は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり+V2と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr13のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr13では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr13の温度上昇により放熱し外部に放出される。
一方、トランジスタTr13よりも出力ノードN2側にあるトランジスタTr6,Tr7及びTr8は、コレクタに夫々接続されたダイオードD3,D4及びD13が逆バイアスとなるので、ダイオードD3,D4及びD13によりコレクタ側の母線が遮断される。また、トランジスタTr6,Tr7及びTr8は、エミッタフォロワ動作のために、ベース電位つまり指令電圧CVと同じようにエミッタ電位が下がる。そして、トランジスタTr6,Tr7及びTr8は、コレクタ電位がトランジスタTr13のエミッタ電位つまり指令電圧CVと同じになっている。従って、トランジスタTr6,Tr7及びTr8は、コレクタ−エミッタ間電圧が略ゼロである飽和領域で動作し、実質的に損失電力が発生しない。
増幅部12は、トランジスタTr15がオフされ且つトランジスタTr1,Tr10及びTr12がオンされた状態では、トランジスタTr13がオフするとともにトランジスタTr6,Tr7及びTr8がオンして、トランジスタTr8がエミッタフォロワとして機能し、第1のコンデンサC1による電圧である+V1を使用して電流増幅を行う。
トランジスタTr13は、現在の出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つ選択部11のトランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15のベース電位である指令電圧CVが0以上+V1未満である場合には、エミッタ側の母線の第1の正電圧ラインPL1の電位である+V1がベース電位を正側に超える。従って、トランジスタTr13は、前段のトランジスタTr15がベース−エミッタ間で逆バイアスとなってオフすることに応じて、オフする。
トランジスタTr8は、コレクタ側の母線の第1の正電圧ラインPL1の電位である+V1がベース電位である指令電圧CVを正側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr8は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり+V1と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr8のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr8では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr8の温度上昇により放熱し外部に放出される。
一方、トランジスタTr8よりも出力ノードN2側にあるトランジスタTr6及びTr7は、コレクタに夫々接続されたダイオードD3及びD4が逆バイアスとなるので、ダイオードD3及びD4によりコレクタ側の母線が遮断される。また、トランジスタTr6及びTr7は、エミッタフォロワ動作のために、ベース電位つまり指令電圧CVと同じようにエミッタ電位が下がる。そして、トランジスタTr6及びTr7は、コレクタ電位がトランジスタTr8のエミッタ電位つまり指令電圧CVと同じになっている。従って、トランジスタTr6及びTr7は、コレクタ−エミッタ間電圧が略ゼロである飽和領域で動作し、実質的に損失電力が発生しない。
増幅部12は、トランジスタTr12及びTr15がオフされ且つトランジスタTr1及びTr10がオンされた状態では、トランジスタTr8及びTr13がオフするとともにトランジスタTr6及びTr7がオンして、トランジスタTr7がエミッタフォロワとして機能し、基準電位ノードN3による電圧であるV0を使用して電流増幅を行う。
トランジスタTr8及びTr13は、現在の出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つ選択部11のトランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15のベース電位である指令電圧CVが−V1以上0未満である場合には、エミッタ側の母線の電位がベース電位を正側に超える。従って、トランジスタTr8及びTr13は、前段のトランジスタTr12及びTr15がベース−エミッタ間で逆バイアスとなってオフすることに応じて、オフする。
トランジスタTr7は、コレクタ側の母線の第1の基準電圧ラインPL0の電位であるV0がベース電位である指令電圧CVを正側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr7は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまりV0と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr7のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr7では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr7の温度上昇により放熱し外部に放出される。
一方、トランジスタTr7よりも出力ノードN2側にあるトランジスタTr6は、コレクタに接続されたダイオードD3が逆バイアスとなるので、ダイオードD3によりコレクタ側の母線である第1の逆極性ラインPL4が遮断される。また、トランジスタTr6は、エミッタフォロワ動作のために、ベース電位つまり指令電圧CVと同じようにエミッタ電位が下がる。そして、トランジスタTr6は、コレクタ電位がトランジスタTr7のエミッタ電位つまり指令電圧CVと同じになっている。従って、トランジスタTr6は、コレクタ−エミッタ間電圧が略ゼロである飽和領域で動作し、実質的に損失電力が発生しない。
増幅部12は、トランジスタTr10,Tr12及びTr15がオフされ且つトランジスタTr1がオンされた状態では、トランジスタTr7,Tr8及びTr13がオフするとともにトランジスタTr6がオンして、トランジスタTr6がエミッタフォロワとして機能し、第2のコンデンサC2による電圧である−V1を使用して電流増幅を行う。
トランジスタTr7,Tr8及びTr13は、現在の出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つ選択部11のトランジスタTr1,Tr10,Tr12及びTr15のベース電位である指令電圧CVが−V2以上−V1未満である場合には、エミッタ側の母線の電位がベース電位である指令電圧CVを正側に超える。従って、トランジスタTr7,Tr8及びTr13は、前段のトランジスタTr10,Tr12及びTr15がベース−エミッタ間で逆バイアスとなってオフすることに応じて、オフする。
トランジスタTr6は、コレクタ側の母線の第1の逆極性ラインPL4の電位である−V1がベース電位である指令電圧CVを正側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr6は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり−V1と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr6のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr6では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr6の温度上昇により放熱し外部に放出される。
出力電流Ioの方向が負出力方向である場合の増幅部12の動作について、説明する。負出力方向は、負荷LDから出力ノードN2へ出力電流Ioが流れる方向であり、図2中の点線で示した方向である。
増幅部12は、現在の出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つトランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16がオンされた状態では、トランジスタTr3,Tr4,Tr5及びTr14がオンする。そして、トランジスタTr14は、エミッタフォロワとして機能し、第2の電源15による電圧である−V2を使用して電流増幅を行う。
選択部11のトランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16のベース電位である指令電圧CVが−V1未満である場合には、第2の負電圧ラインNL2の電位である−V2が、指令電圧CVを負側に超え且つベース電位に最も近い電位である。
トランジスタTr14は、コレクタ側の母線の第2の負電圧ラインNL2の電位である−V2が指令電圧CVを負側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr14は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり−V2と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr14のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr14では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr14の温度上昇により放熱し外部に放出される。
一方、トランジスタTr14よりも出力ノードN2側にあるトランジスタTr3,Tr4及びTr5は、コレクタに夫々接続されたダイオードD1,D2及びD12が逆バイアスとなるので、ダイオードD1,D2及びD12によりコレクタ側の母線が遮断される。また、トランジスタTr3,Tr4及びTr5は、エミッタフォロワ動作のために、ベース電位つまり指令電圧CVと同じようにエミッタ電位が下がる。そして、トランジスタTr3,Tr4及びTr5は、コレクタ電位がトランジスタTr14のエミッタ電位つまり指令電圧CVと同じになっている。従って、トランジスタTr3,Tr4及びTr5は、コレクタ−エミッタ間電圧が略ゼロである飽和領域で動作し、実質的に損失電力が発生しない。
増幅部12は、トランジスタTr16がオフされ且つトランジスタTr2,Tr9及びTr11がオンされた状態では、トランジスタTr14がオフするとともにトランジスタTr3,Tr4及びTr5がオンして、トランジスタTr3がエミッタフォロワとして機能し、第2のコンデンサC2による電圧である−V1を使用して電流増幅を行う。
トランジスタTr14は、現在の出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つ選択部11のトランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16のベース電位である指令電圧CVが−V1より大きく0以下である場合には、エミッタ側の母線の第1の負電圧ラインNL1の電位である−V1がベース電位を負側に超える。従って、トランジスタTr14は、前段のトランジスタTr16がベース−エミッタ間で逆バイアスとなってオフすることに応じて、オフする。
トランジスタTr3は、コレクタ側の母線の第1の負電圧ラインNL1の電位である−V1がベース電位である指令電圧CVを負側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr3は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり−V1と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr3のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr3では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr3の温度上昇により放熱し外部に放出される。
一方、トランジスタTr3よりも出力ノードN2側にあるトランジスタTr4及びTr5は、コレクタに夫々接続されたダイオードD1及びD2が逆バイアスとなるので、ダイオードD1及びD2によりコレクタ側の母線が遮断される。また、トランジスタTr4及びTr5は、エミッタフォロワ動作のために、ベース電位つまり指令電圧CVと同じようにエミッタ電位が下がる。そして、トランジスタTr4及びTr5は、コレクタ電位がトランジスタTr3のエミッタ電位つまり指令電圧CVと同じになっている。従って、トランジスタTr4及びTr5は、コレクタ−エミッタ間電圧が略ゼロである飽和領域で動作し、実質的に損失電力が発生しない。
増幅部12は、トランジスタTr11及びTr16がオフされ且つトランジスタTr2及びTr9がオンされた状態では、トランジスタTr3及びTr14がオフされるとともにトランジスタTr4及びTr5がオンして、トランジスタTr4がエミッタフォロワとして機能し、基準電位ノードN3による電圧であるV0を使用して電流増幅を行う。
トランジスタTr3及びTr14は、現在の出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つ選択部11のトランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16のベース電位である指令電圧CVが0より大きく+V1以下である場合には、エミッタ側の母線の電位がベース電位を負側に超える。従って、トランジスタTr3及びTr14は、前段のトランジスタTr11及びTr16がベース−エミッタ間で逆バイアスとなってオフすることに応じて、オフする。
トランジスタTr4は、コレクタ側の母線の第2の基準電圧ラインNL0の電位であるV0がベース電位である指令電圧CVを負側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr4は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまりV0と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr4のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr4では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr4の温度上昇により放熱し外部に放出される。
一方、トランジスタTr4よりも出力ノードN2側にあるトランジスタTr5は、コレクタに接続されたダイオードD2が逆バイアスとなるので、ダイオードD2によりコレクタ側の母線である第2の逆極性ラインNL4が遮断される。また、トランジスタTr5は、エミッタフォロワ動作のために、ベース電位つまり指令電圧CVと同じようにエミッタ電位が下がる。そして、トランジスタTr5は、コレクタ電位がトランジスタTr4のエミッタ電位つまり指令電圧CVと同じになっている。従って、トランジスタTr5は、コレクタ−エミッタ間電圧が略ゼロである飽和領域で動作し、実質的に損失電力が発生しない。
増幅部12は、トランジスタTr9,Tr11及びTr16がオフされ且つトランジスタTr2がオンされた状態では、トランジスタTr3,Tr4及びTr14がオフするとともにトランジスタTr5がオンして、トランジスタTr5がエミッタフォロワとして機能し、第1のコンデンサC1による電圧である+V1を使用して電流増幅を行う。
トランジスタTr3,Tr4及びTr14は、現在の出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つ選択部11の各トランジスタTr2,Tr9,Tr11及びTr16のベース電位である指令電圧CVが+V1より大きく+V2以下である場合には、エミッタ側の母線の電位がベース電位を負側に超える。従って、トランジスタTr3,Tr4及びTr14は、前段のトランジスタTr9,Tr11及びTr16がベース−エミッタ間で逆バイアスとなってオフすることに応じて、オフする。
トランジスタTr5は、コレクタ側の母線の第2の逆極性ラインNL4の電位である+V1がベース電位である指令電圧CVを負側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr5は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり+V1と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr5のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr5では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr5の温度上昇により放熱し外部に放出される。
本発明者は、実施の形態1にかかるG級増幅回路AMPについてシミュレーションを行った。シミュレーションの条件は、第1の電源14による電圧+V2を+45Vとし、第2の電源15による電圧−V2を−45Vとし、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を15μFとした。また、負荷LDをインダクタンスL=600mHと抵抗R=0.56Ωとの直列接続とした。そして、ガルバノスキャナ5のミラー5aによりレーザ光の照射位置を1.0mmピッチ且つ1700pps(point per second)で移動させることを繰り返した場合における、G級増幅回路AMPの各部の電圧、電流及び損失電力の変化についてシミュレーションを行った。レーザ光の照射位置の1.0mmピッチは、モータ5bの回転子の角度の0.3°ピッチに対応する。
図3から図5までは、実施の形態1にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図3は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の定常状態での出力電圧Vo、出力電流Io及びトランジスタTr3からTr8までのコレクタ電圧を示す図である。図4は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の定常状態での出力電圧Vo並びにトランジスタTr6からTr8まで及びTr13のコレクタ電流を示す図である。図5は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の定常状態での出力電圧Vo並びにトランジスタTr3からTr5まで及びTr14のコレクタ電流を示す図である。
図3に示すように、G級増幅回路AMPは、ガルバノスキャナ5を好適に駆動できる出力電圧Vo及び出力電流Ioを出力することが、シミュレーションにより確認できた。
出力電圧Voの位相に対して出力電流Ioの位相が90°遅れる場合には、図4に示すように、出力電流Ioがゼロから増加してその後減少して再びゼロに戻る期間、つまり出力電流Ioが正出力方向に流れる第1の期間では、出力電圧Voは、正のピークから減少し、ゼロを経由し、負のピークに至る。つまり、選択部11は、第1の期間では、第2の正電圧ラインPL2、第1の正電圧ラインPL1、第1の基準電圧ラインPL0及び第1の逆極性ラインPL4という順序でラインを選択する。
出力電圧Voの位相に対して出力電流Ioの位相が90°遅れる場合には、図5に示すように、出力電流Ioがゼロから減少してその後増加して再びゼロに戻る期間、つまり出力電流Ioが負出力方向に流れる第2の期間では、出力電圧Voは、負のピークから増加し、ゼロを経由し、正のピークに至る。つまり、選択部11は、第2の期間では、第2の負電圧ラインNL2、第1の負電圧ラインNL1、第2の基準電圧ラインNL0及び第2の逆極性ラインNL4という順序でラインを選択する。
図6及び図7は、実施の形態1にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図6は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の定常状態での出力電圧Vo、出力電流Io並びにトランジスタTr6からTr8まで及びTr13の損失電力を示す図である。図7は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の定常状態での出力電圧Vo、出力電流Io並びにトランジスタTr3からTr5まで及びTr14の損失電力を示す図である。なお、損失電力は、次のような方法で計算した。
図8から図10までは、実施の形態1にかかるG級増幅回路の損失電力の計算方法を説明する図である。
増幅回路から負荷へ向かう正出力方向に電流が流れる区間Aでは、正出力方向電流は、図8に示すように、出力ノードN2の上段のトランジスタQ1から流れる。負荷から増幅回路へ向かう負出力方向に電流が流れる区間Bでは、負出力方向電流は、図9に示すように、出力ノードN2の下段のトランジスタQ2を通して流れる。
従って、電流電圧波形から損失電力を計算する方法は、電流の向きに応じて場合分けする必要がある。母線電圧から出力電圧を減算した差の電圧が、トランジスタQ1のコレクタ−エミッタ間及びエミッタ抵抗Re1、又は、トランジスタQ2のコレクタ−エミッタ間及びエミッタ抵抗Re2に掛かり、出力電流Ioが流れる。瞬間での損失電力Pc(t)は、母線電圧をVb、出力電圧をVoとすると、次の式(1)で表される。
Pc(t)=(Vb−Vo)×Io ・・・(1)
Pc(t)=(Vb−Vo)×Io ・・・(1)
増幅回路の全体としての平均損失電力は、損失電力Pc(t)を時間平均して演算すればよい。つまり、図6に示す正出力方向電流Io1を次の式(2)のようにおき、図7に示す負出力方向電流Io2を次の式(3)のようにおく。
Io1(t)=Io(t) (Io≧0、区間A)
=0 (Io<0、区間B) ・・・式(2)
Io2(t)=0 (Io≧0、区間A)
=Io(t) (Io<0、区間B) ・・・式(3)
Io1(t)=Io(t) (Io≧0、区間A)
=0 (Io<0、区間B) ・・・式(2)
Io2(t)=0 (Io≧0、区間A)
=Io(t) (Io<0、区間B) ・・・式(3)
このとき、時刻T1からT2までの間の平均損失電力Pdは、次の式(4)で計算できる。
Pd=∫{Io1(t)・(Vcc−Vo(t))
+Io2(t)・(−Vcc−Vo(t))}dt ・・・式(4)
Pd=∫{Io1(t)・(Vcc−Vo(t))
+Io2(t)・(−Vcc−Vo(t))}dt ・・・式(4)
式(4)の積分記号は、時刻T1から時刻T2までの時間積分を表している。また、式(4)の右辺の第1項は、図10に示す区間Aでの平均損失電力を表し、式(4)の右辺の第2項は、図10に示す区間Bでの平均損失電力を表す。
増幅部12での損失電力、つまりトランジスタTr3からTr8まで、Tr13及びTr14での損失電力の総和は、53.43Wになった。
図11は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の定常状態でのシミュレーション結果を示す図である。図11は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の定常状態での出力電圧、出力電流並びに第1のコンデンサの電流及び電圧を示す図である。図11では、シミュレーションの条件は、第1の電源14による電圧+V2を+90Vとし、第2の電源15による電圧−V2を−90Vとし、第1のコンデンサC1の静電容量を1000μFとした。
図11において、線16は、第1のコンデンサC1の電流を表し、線17は、第1のコンデンサC1の電圧である+V1を表す。G級増幅回路AMPの定常状態では、第1のコンデンサC1の電圧である+V1は、+35V程度で安定している。
出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つ指令電圧CVが+V1より大きく+V2以下である場合には、第2の逆極性ラインNL4が選択部11によって選択され、第1のコンデンサC1がチャージされる。図11において、領域18は、第1のコンデンサC1がチャージされる領域である。
出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つ指令電圧CVが0以上+V1未満である場合には、第1の正電圧ラインPL1が選択部11によって選択され、第1のコンデンサC1がディスチャージされる。図11において、領域19は、第1のコンデンサC1がディスチャージされる領域である。
図12から図14までは、実施の形態1にかかるG級増幅回路の過渡状態でのシミュレーション結果を示す図である。図12は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の動作開始時から100ms経過時までの、出力電流及び第1のコンデンサの電圧を示す図である。図13は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の動作開始時から6ms経過時までの、出力電流及び第1のコンデンサの電圧を示す拡大図である。図14は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の動作開始後93.1ms時から100ms経過時までの、出力電流及び第1のコンデンサC1の電圧を示す拡大図である。
図12から図14までにおいて、線20は、出力電流Ioを表し、線21は、第1のコンデンサC1の電圧である+V1を表す。
図12から図14まででは、シミュレーションの条件は、第1の電源14による電圧である+V2を+90Vとし、第2の電源15による電圧である−V2を−90Vとし、第1のコンデンサC1の静電容量を1000μFとした。
図12から図14までに示すように、静電容量が1000μFである第1のコンデンサC1をチャージするために、100ms程度要している。100ms経過時において、第1のコンデンサC1の電圧である+V1は、26V程度で安定している。
図15及び図16は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の過渡状態でのシミュレーション結果を示す図である。図15は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の動作開始後0.48ms時から1.14ms経過時までの、出力電圧Vo、出力電流Io並びに第1のコンデンサの電流及び電圧を示す図である。図16は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の動作開始後99.45ms経過時から100.05ms経過時までの、出力電圧Vo、出力電流Io並びに第1のコンデンサC1の電流及び電圧を示す図である。
図15及び図16では、シミュレーションの条件は、第1の電源14による電圧+V2を+90Vとし、第2の電源15による電圧−V2を−90Vとし、第1のコンデンサC1の静電容量を1000μFとした。
図15及び図16において、線22は、第1のコンデンサC1の電流を表し、線23は、第1のコンデンサC1の電圧である+V1を表す。
出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つ指令電圧CVが+V1より大きく+V2以下である場合には、第2の逆極性ラインNL4が選択部11によって選択され、第1のコンデンサC1がチャージされる。図15及び図16において、領域24は、第1のコンデンサC1がチャージされる領域である。
出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つ指令電圧CVが0以上+V1未満である場合には、第1の正電圧ラインPL1が選択部11によって選択され、第1のコンデンサC1がディスチャージされる。図15及び図16において、領域25は、第1のコンデンサC1がディスチャージされる領域である。
図15の領域24で示すように、G級増幅回路AMPの動作開始直後では、第1のコンデンサC1のチャージ電流が流れるが、図15の領域25で示すように、第1のコンデンサC1のディスチャージ電流は殆ど流れない。この理由は、G級増幅回路AMPの動作開始直後では、線23で示す第1のコンデンサC1の電圧である+V1が、殆どゼロであるからである。
図16の線23で示すように、G級増幅回路AMPの動作開始後100ms程度経過時では、第1のコンデンサC1の電圧である+V1が、+26V程度までに達する。第1のコンデンサC1の電圧である+V1は、+26V程度までに達すると、増幅部12に供給する電圧として機能する。従って、ディスチャージ電流の流れる時間幅である領域25の時間幅も広がり、出力電流Ioに寄与していることが分かる。
G級増幅回路AMPの過渡状態について、具体的な数値を例に取って説明する。G級増幅回路AMPの動作は、理想的には上記した通りであるが、実際には各トランジスタのバイアス電圧及び各ダイオードの電圧降下の影響を受ける。
図17は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の正側の等価回路を示す図である。
正出力方向の電流と負出力方向の電流とは極性が対称であるので、G級増幅回路AMPの正出力方向の過渡状態について説明し、G級増幅回路AMPの負出力方向の過渡状態については図示及び説明を省略する。
G級増幅回路AMPの動作は、各トランジスタのコレクタ電圧、指令電圧CVに伴い印加されるベース電圧及び出力ノードN2での出力電圧Voにより、定まる。
トランジスタTr13がオン、つまり能動領域動作又は飽和領域動作する条件は、次の式(5)の通りである。
(ベース電位)−(エミッタ電位)>0.6 ・・・(5)
式(5)の右辺の「0.6」は、トランジスタTr13の動作閾値である。
(ベース電位)−(エミッタ電位)>0.6 ・・・(5)
式(5)の右辺の「0.6」は、トランジスタTr13の動作閾値である。
トランジスタTr13のベース電位は、CV+VB+3VBIASである。トランジスタTr13のエミッタ電位は、第1のコンデンサC1の電圧であるV1からダイオードD13の電圧降下0.6Vを減じたV1−0.6である。
従って、式(5)は、次の式(6)となる。
(CV+VB+3VBIAS)−(V1−0.6)>0.6 ・・・(6)
(CV+VB+3VBIAS)−(V1−0.6)>0.6 ・・・(6)
式(6)を整理すると、次の式(7)となる。
CV>V1−VB−3VBIAS ・・・(7)
CV>V1−VB−3VBIAS ・・・(7)
同様に、トランジスタTr8がオン、つまり能動領域動作又は飽和領域動作する条件は、次の式(8)の通りである。
(CV+VB+2VBIAS)−(0−0.6)>0.6 ・・・(8)
(CV+VB+2VBIAS)−(0−0.6)>0.6 ・・・(8)
式(8)を整理すると、次の式(9)となる。
CV>−(VB+2VBIAS) ・・・(9)
CV>−(VB+2VBIAS) ・・・(9)
同様に、トランジスタTr7がオン、つまり能動領域動作又は飽和領域動作する条件は、次の式(10)の通りである。
(CV+VB+VBIAS)−(−V1−0.6)>0.6 ・・・(10)
(CV+VB+VBIAS)−(−V1−0.6)>0.6 ・・・(10)
式(10)を整理すると、次の式(11)となる。
CV>−(V1+VB+VBIAS) ・・・(11)
CV>−(V1+VB+VBIAS) ・・・(11)
同様に、トランジスタTr6がオン、つまり能動領域動作又は飽和領域動作する条件は、次の式(12)の通りである。
(CV+VB)−Vo>0.6 ・・・(12)
(CV+VB)−Vo>0.6 ・・・(12)
式(12)を整理すると、次の式(13)となる。
CV>Vo+0.6−VB ・・・(13)
CV>Vo+0.6−VB ・・・(13)
G級増幅回路AMPは、1倍増幅であり、各トランジスタがエミッタフォロワに構成されているので、CV=Voと考えて良い。従って、式(13)は、次の式(14)となる。
CV=Vo>Vo+0.6−VB ・・・(14)
CV=Vo>Vo+0.6−VB ・・・(14)
なお、VBを0.6よりも大きく設定することにより、式(14)を常に成立させることができる。つまり、正出力方向に電流が流れる場合は、トランジスタTr6は常時オン状態になる。
例えば、VBIAS=3.3V、VB=1.0Vに設定すると、トランジスタTr13がオン状態になる条件は、式(7)に基づき、次の式(15)になる。
CV>V1−1.0−3×3.3=V1−10.9 (15)
CV>V1−1.0−3×3.3=V1−10.9 (15)
VBIAS=3.3V、VB=1.0Vに設定すると、トランジスタTr8がオン状態になる条件は、式(9)に基づき、次の式(16)になる。
CV>−(1.0+2×3.3)=−7.6 (16)
CV>−(1.0+2×3.3)=−7.6 (16)
VBIAS=3.3V、VB=1.0Vに設定すると、トランジスタTr7がオン状態になる条件は、式(11)に基づき、次の式(17)になる。
CV>−(V1+1.0+3.3)=−V1−4.3 (17)
CV>−(V1+1.0+3.3)=−V1−4.3 (17)
G級増幅回路AMPの動作開始時、つまり+V1=−V1=0の場合には、トランジスタTr13がオン状態になる条件は、式(15)に基づき、次の式(18)になる。
CV>−10.9 (18)
CV>−10.9 (18)
G級増幅回路AMPの動作開始時、つまり+V1=−V1=0の場合には、トランジスタTr8がオン状態になる条件は、式(16)に基づき、次の式(19)になる。
CV>−7.6 (19)
CV>−7.6 (19)
G級増幅回路AMPの動作開始時、つまり+V1=−V1=0の場合には、トランジスタTr7がオン状態になる条件は、式(17)に基づき、次の式(20)になる。
CV>−4.3 (20)
CV>−4.3 (20)
図18は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の過渡状態でのシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図18は、G級増幅回路AMPの動作開始時の出力電圧及び出力電流を示す図である。
G級増幅回路AMPが正出力方向の出力電流Ioを出力している期間31のうち、出力電圧Voが−4.3Vより高い期間32では、トランジスタTr6,Tr7及びTr8が飽和領域で動作し、トランジスタTr13が能動領域で動作する。
G級増幅回路AMPが正出力方向の出力電流Ioを出力している期間31のうち、出力電圧Voが−4.3V以下且つ−7.6Vより高い期間33では、トランジスタTr6がオフつまり遮断領域となり、トランジスタTr6が能動領域で動作する。
G級増幅回路AMPが正出力方向の出力電流Ioを出力している期間31のうち、出力電圧Voが−7.6V以下且つ−10.9Vより高い期間34では、トランジスタTr6及びTr7がオフつまり遮断領域となり、トランジスタTr6が能動領域で動作する。
G級増幅回路AMPが正出力方向の出力電流Ioを出力している期間31のうち、出力電圧Voが−10.9V以下の期間35では、トランジスタTr6,Tr7及びTr13がオフつまり遮断領域となり、トランジスタTr6が能動領域で動作する。
G級増幅回路AMPの動作開始後100ms程度経過時、つまり+V1=+26V且つ−V1=−26Vの場合には、トランジスタTr13がオン状態になる条件は、式(15)に基づき、次の式(21)になる。
CV>26−10.9=15.1 (21)
CV>26−10.9=15.1 (21)
G級増幅回路AMPの動作開始後100ms程度経過時、つまり+V1=+26V且つ−V1=−26Vの場合には、トランジスタTr8がオン状態になる条件は、式(16)に基づき、次の式(22)になる。
CV>−7.6 (22)
CV>−7.6 (22)
G級増幅回路AMPの動作開始後100ms程度経過時、つまり+V1=+26V且つ−V1=−26Vの場合には、トランジスタTr7がオン状態になる条件は、式(17)に基づき、次の式(23)になる。
CV>−26−4.3=−30.3 (23)
CV>−26−4.3=−30.3 (23)
図19は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の過渡状態でのシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図19は、第1のコンデンサC1の電圧である+V1が+26Vに達し、第2のコンデンサC2の電圧である−V1が−26Vに達した時の、G級増幅回路AMPの出力電圧及び出力電流を示す図である。
G級増幅回路AMPが正出力方向の出力電流Ioを出力している期間41のうち、出力電圧Voが15.1Vより高い期間42では、トランジスタTr6,Tr7及びTr8が飽和領域で動作し、トランジスタTr13が能動領域で動作する。
G級増幅回路AMPが正出力方向の出力電流Ioを出力している期間41のうち、出力電圧Voが15.1V以下且つ−7.6Vより高い期間43では、トランジスタTr13がオフつまり遮断領域となり、トランジスタTr8が能動領域で動作する。
G級増幅回路AMPが正出力方向の出力電流Ioを出力している期間41のうち、出力電圧Voが−7.6V以下且つ−30.3Vより高い期間44では、トランジスタTr8及びTr13がオフつまり遮断領域となり、トランジスタTr7が能動領域で動作する。
G級増幅回路AMPが正出力方向の出力電流Ioを出力している期間41のうち、出力電圧Voが−30.3V以下の期間45では、トランジスタTr7,Tr8及びTr13がオフつまり遮断領域となり、トランジスタTr6が能動領域で動作する。
以上説明したように、実施の形態1にかかるG級増幅回路AMPは、負荷LDからG級増幅回路AMPへ流れる回生電流をチャージする第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2を備える。そして、G級増幅回路AMPは、第1のコンデンサC1による電圧である+V1及び第1のコンデンサC1にチャージされた電力、並びに、第2のコンデンサC2による電圧である−V1及び第2のコンデンサC2にチャージされた電力を使用して、負荷LDに電力を供給する。
これにより、実施の形態1にかかるG級増幅回路AMPは、特許文献1のG級増幅回路よりも電源の数を減らすことができる。これにより、実施の形態1にかかるG級増幅回路AMPは、コストの低減、実装サイズの小型化及び信頼性の向上を実現することができる。
また、実施の形態1にかかるG級増幅回路AMPは、モータ5bの減速時に第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2にチャージされた回生電力を、モータ5bの次の加速時に利用できる。従って、G級増幅回路AMPは、回生電力を有効に活用でき、省エネルギーを図ることができる。
実施の形態1では、G級増幅回路AMPは、一対の第1の電源14及び第2の電源15を含むこととしたが、これに限定されない。例えば、G級増幅回路AMPは、基準電位V0を基準に正の第3の電圧を第3の正電圧ラインに発生させる第3の電源と、基準電位V0を基準に負の第3の電圧を第3の負電圧ラインに発生させる第4の電源と、を含んでもよい。そして、選択部11及び増幅部12の段数を1段ずつ増やし、選択部11は、指令電圧CVに応じて、第1から第3の正電圧ライン、第1から第3の負電圧ライン、第1の基準電圧ラインPL0、第2の基準電圧ラインNL0、第1の逆極性ラインPL4及び第2の逆極性ラインNL4の内から1つのラインを選択し、増幅部12は、選択部11によって選択された1つのラインに供給される電圧を使用して、増幅を行うようにしても良い。
G級増幅回路AMPは、バイポーラトランジスタに代えて電界効果トランジスタを用いたものであってもよい。
図20は、実施の形態1にかかるG級増幅回路の構成を示す図である。図20に示すG級増幅回路AMPは、図2のトランジスタTr3からTr8まで、Tr13及びTr14に代えて、トランジスタTr3’からTr8’まで、Tr13’及びTr14’を備えている。トランジスタTr6’からTr8’まで及びTr13’は、N型MOSトランジスタであり、トランジスタTr3’からTr5’まで及びTr14’は、P型MOSトランジスタである。図20では、MOS型の電界効果トランジスタTr3’からTr8’まで、Tr13’及びTr14’が例示的に図示されているが、ジャンクション型の電界効果トランジスタであってもよい。
図20に示すG級増幅回路AMPでは、図2のトランジスタTr1,Tr2,Tr9からTr12まで、Tr15及びTr16を省略することができる。すなわち、選択部11と増幅部12とを共通化でき、トランジスタ数を低減できるので、G級増幅回路AMPのコストを低減できる。
実施の形態2.
図21は、実施の形態2にかかるG級増幅回路の構成を示す図である。
図21は、実施の形態2にかかるG級増幅回路の構成を示す図である。
G級増幅回路AMP1は、交流の指令電圧CVが入力される入力ノードN1と、入力ノードN1に入力された指令電圧CVに応じて、複数の電圧が夫々供給される複数のラインの内から1つのラインを選択する選択部51と、選択部51によって選択された1つのラインに供給される電圧を使用して、増幅を行う増幅部52と、増幅部52で増幅された電力を、印加される出力電圧Voの位相に対して流れる出力電流Ioの位相が遅れる負荷LDへ出力する出力ノードN2と、を含む。
G級増幅回路AMP1は、基準電位V0に接続された基準電位ノードN3と、一端が出力ノードN2よりも正側で増幅部52に接続され、基準電位V0を基準に正の第1の電圧+V1が供給される第1の正電圧ラインPL1と、一端が出力ノードN2よりも負側で増幅部52に接続され、基準電位V0を基準に負の第1の電圧−V1が供給される第1の負電圧ラインNL1と、を含む。
G級増幅回路AMP1は、一端が出力ノードN2よりも正側で増幅部52に接続され、基準電位V0を基準に正の第2の電圧+V2が供給される第2の正電圧ラインPL2と、一端が出力ノードN2よりも負側で増幅部52に接続され、基準電位V0を基準に負の第2の電圧−V2が供給される第2の負電圧ラインNL2と、を含む。
G級増幅回路AMP1は、基準電位V0を基準に正の第2の電圧+V2を第2の正電圧ラインPL2に供給する第1の電源14と、基準電位V0を基準に負の第2の電圧−V2を第2の負電圧ラインNL2に供給する第2の電源15と、を含む。
G級増幅回路AMP1は、一端が第1の正電圧ラインPL1に接続され、基準電位V0を基準に正の第1の電圧+V1を第1の正電圧ラインPL1に供給する第1のコンデンサC1と、一端が第1の負電圧ラインNL1に接続され、基準電位V0を基準に負の第1の電圧−V1を第1の負電圧ラインNL1に供給する第2のコンデンサC2と、を含む。
G級増幅回路AMP1は、第1の電源14の高電位側と第1のコンデンサC1の一端とを電気的に接続することにより第1のコンデンサC1に電力をチャージする制御を行い、第2の電源15の低電位側と第2のコンデンサC2の一端とを電気的に接続することにより第2のコンデンサC2に電力をチャージする制御を行うチャージ制御部54を含む。
増幅部52は、第1の正電圧ラインPL1が選択部51によって選択されている場合には、第1のコンデンサC1にチャージされている電力を消費して増幅を行う。
増幅部52は、第1の負電圧ラインNL1が選択部51によって選択されている場合には、第2のコンデンサC2にチャージされている電力を消費して増幅を行う。
入力ノードN1は、指令電圧CVの供給源10と選択部51との間に接続されている。入力ノードN1は、入力された指令電圧CVを選択部51へ供給する。選択部51は、入力ノードN1と増幅部52との間に配置されている。
選択部51は、現在の出力電流Ioの方向と、指令電圧CVと、接続されている各ラインの電位と、に応じて、少なくとも2種類の電圧V1及びV2の内から1つの電圧を選択し、選択した1つの電圧に母線電圧を切り替える。少なくとも2種類の電圧は、電圧V2と、電圧V2より絶対値が小さいV1と、を含む。
選択部51は、現在の出力電流Ioの方向と、指令電圧CVに追従する各トランジスタのベース電位と、各ラインの電位と、に応じて、第2の正電圧ラインPL2、第1の正電圧ラインPL1、第2の負電圧ラインNL2及び第1の負電圧ラインNL1の内のいずれか1つを選択的に活性化する。そして、選択部51は、第1の電源14による電圧である+V2と、第1のコンデンサC1による電圧である+V1と、第2の電源15による電圧−V2と、第2のコンデンサC2による電圧−V1と、の間で母線電圧を切り替える。
選択部51は、ツェナーダイオードZD1,ZD3,ZD4及びZD6と、電流源CS1及びCS2と、トランジスタTr1,Tr2,Tr11及びTr12と、抵抗R1,R4及びR5と、を含む。
ツェナーダイオードZD4は、アノードが入力ノードN1に接続され、カソードがトランジスタTr1のベースに接続されている。
トランジスタTr1は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがツェナーダイオードZD4に接続され、コレクタが第1の電源14の高電位側に接続され、エミッタが抵抗R1の一端に接続されている。
ツェナーダイオードZD6は、アノードがツェナーダイオードZD4とトランジスタTr1のベースとに接続され、カソードが電流源CS1とダイオードD8とに接続されている。
トランジスタTr12は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがダイオードD8を介して電流源CS1及びツェナーダイオードZD6の間に接続され、コレクタが第1の電源14の高電位側に接続され、エミッタが抵抗R4の一端に接続されている。抵抗R4の他端は、ダイオードD4を介して第1のコンデンサC1の高電位側に接続されている。
ツェナーダイオードZD3は、アノードがトランジスタTr2のベースに接続され、カソードが入力ノードN1に接続されている。
トランジスタTr2は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがツェナーダイオードZD3に接続され、コレクタが第2の電源15の低電位側に接続され、エミッタが抵抗R1の他端に接続されている。
ツェナーダイオードZD1は、アノードが電流源CS2とダイオードD5とに接続され、カソードがツェナーダイオードZD3とトランジスタTr2のベースとに接続されている。
トランジスタTr11は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがダイオードD5を介してツェナーダイオードZD1及び電流源CS2の間に接続され、コレクタが第2の電源15の低電位側に接続され、エミッタが抵抗R5の一端に接続されている。抵抗R5の他端は、ダイオードD1を介して第2のコンデンサC2の低電位側に接続されている。
増幅部52は、選択部51と出力ノードN2との間に配置され、選択部51により切り替えられた電圧を使用して増幅を行い、増幅した電力を出力ノードN2へ供給する。
増幅部52は、トランジスタTr3,Tr5,Tr6及びTr8、並びに、抵抗Re1及びRe2を含む。
トランジスタTr6は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr1のエミッタ及び抵抗R1の一端の間に接続され、コレクタがダイオードD4を介して第1のコンデンサC1の高電位側に接続され、エミッタが抵抗Re1を介して出力ノードN2に接続されている。
トランジスタTr8は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr12のエミッタ及び抵抗R4の間に接続され、コレクタが第1の電源14の高電位側に接続され、エミッタがトランジスタTr6のコレクタに接続されている。
トランジスタTr5は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースが抵抗R1の他端及びトランジスタTr2のエミッタの間に接続され、コレクタがダイオードD1を介して第2のコンデンサC2の低電位側に接続され、エミッタが抵抗Re2を介して出力ノードN2に接続されている。
トランジスタTr3は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr11のエミッタ及び抵抗R5の間に接続され、コレクタが第2の電源15の低電位側に接続され、エミッタがトランジスタTr5のコレクタに接続されている。
電源部53は、増幅部52と基準電位ノードN3との間に配置され、少なくとも2種類の電圧を増幅部52に供給する。
基準電位V0は、接地電位GNDが例示される。基準電位ノードN3は、接地電位GNDに接続されている。
電源部53は、第1の電源14を含む。第1の電源14は、電圧がV2であり、低電位側が基準電位ノードN3に接続され、高電位側が第2の正電圧ラインPL2に接続されている。第1の電源14は、基準電位V0を基準に正の第2の電圧である+V2を発生させる。従って、第2の正電圧ラインPL2の電圧は、+V2である。
電源部53は、第2の電源15を含む。第2の電源15は、電圧がV2であり、高電位側が基準電位ノードN3に接続され、低電位側が第2の負電圧ラインNL2に接続されている。第2の電源15は、基準電位V0を基準に負の第2の電圧である−V2を発生させる。従って、第2の負電圧ラインNL2の電圧は、−V2である。
電源部53は、第1のコンデンサC1を含む。第1のコンデンサC1は、低電位側が基準電位ノードN3に接続され、高電位側が第1の正電圧ラインPL1に接続されている。
第1のコンデンサC1の高電位側は、チャージ制御部54内の第1のスイッチング素子Q1がオン状態の期間に、第1のスイッチング素子Q1を経由して、正電荷が第1の電源14から流れることで、正電荷がつまり電力がチャージされる。第1のスイッチング素子Q1は、トランジスタが例示される。
第1のコンデンサC1による電圧である+V1は、正電荷が第1のコンデンサC1の高電位側にチャージされると、上昇する。第1のコンデンサC1による電圧である+V1は、第1のコンデンサC1の高電位側から増幅部52へ電流が流れる、つまり第1のコンデンサC1の高電位側の正電荷が第1の正電圧ラインPL1を経由して増幅部52へディスチャージされると、下降する。
第1のコンデンサC1による電圧である+V1は、V0以上且つ+V2未満である。第1のコンデンサC1は、基準電位V0を基準に正の第1の電圧である+V1を発生させる。従って、第1の正電圧ラインPL1の電圧は、+V1である。
電源部53は、第2のコンデンサC2を含む。第2のコンデンサC2は、高電位側が基準電位ノードN3に接続され、低電位側が第1の負電圧ラインNL1に接続されている。
第2のコンデンサC2は、チャージ制御部54内の第2のスイッチング素子Q2がオン状態の期間に、第2のスイッチング素子Q2を経由して、負電荷が第2の電源15から流れることで、負電荷がチャージされる。第2のスイッチング素子Q2は、トランジスタが例示される。
第2のコンデンサC2による電圧である−V1は、負電荷が第2のコンデンサC2の低電側にチャージされると、下降する。第2のコンデンサC2による電圧である−V1は、増幅部52から第2のコンデンサC2へ電流が流れる、つまり第2のコンデンサC2の負電荷が第1の負電圧ラインNL1を経由して増幅部52へディスチャージされると、上昇する。
第2のコンデンサC2による電圧である−V1は、−V2より大きく且つ0以下である。第2のコンデンサC2は、基準電位V0を基準に負の第1の電圧である−V1を発生させる。従って、第1の負電圧ラインNL1の電圧は、−V1である。
出力電流Ioの方向が正出力方向である場合の選択部51の動作について、説明する。正出力方向は、出力ノードN2から負荷LDへ出力電流Ioが流れる方向であり、図21中の実線で示した方向である。
選択部51は、現在の出力電流Ioの方向が正出力方向であれば、トランジスタTr1及びTr12の内の少なくとも1つをオンさせ、増幅部52における正側のトランジスタTr6及びTr8の内の少なくとも1つを動作させる。そして、選択部51は、指令電圧CVに追従するトランジスタTr1及びTr12のベース電位を正側に超え且つ値が最も近い電圧値のラインを選択する。
選択部51は、出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つトランジスタTr1及びTr12のベース電位である指令電圧CVが+V1以上である場合には、トランジスタTr1及びTr12のベース電位を正側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第2の正電圧ラインPL2を選択する。すなわち、選択部51は、トランジスタTr1及びTr12をオンさせ、第2の正電圧ラインPL2を活性化させ、第1の電源14と増幅部52との接続を有効にし、母線電圧を第1の電源14による電圧である+V2に切り替える。
選択部51は、出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つトランジスタTr1及びTr12のベース電位である指令電圧CVが+V1未満である場合には、トランジスタTr1及びTr12のベース電位を正側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第1の正電圧ラインPL1を選択する。このとき、トランジスタTr12は、ベース電位がエミッタ電位より低い逆バイアス状態となっているからベース電流が流れないので、オフする。すなわち、選択部51は、トランジスタTr12をオフさせるとともにトランジスタTr1をオンさせ、第1の正電圧ラインPL1を活性化させ、第1のコンデンサC1と増幅部52との接続を有効にし、母線電圧を第1のコンデンサC1による電圧である+V1に切り替える。
選択部51は、出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つ指令電圧CVが0以上+V1未満である場合には、第1の正電圧ラインPL1を活性化させ、第1のコンデンサC1と増幅部52との接続を有効にする。従って、第1のコンデンサC1から増幅部52へ電流が流れる。つまり、第1のコンデンサC1の高電位側の正電荷が第1の正電圧ラインPL1を経由して増幅部52へ流れる。従って、第1のコンデンサC1はディスチャージされ、第1のコンデンサC1の電圧である+V1は下降する。
出力電流Ioの方向が負出力方向である場合の選択部51の動作について、説明する。負出力方向は、負荷LDから出力ノードN2へ出力電流Ioが流れる方向であり、図21中の点線で示した方向である。
選択部51は、現在の出力電流Ioの方向が負出力方向であれば、トランジスタTr2及びTr11の内の少なくとも1つをオンさせ、増幅部52における負側のトランジスタTr3及びTr5の内の少なくとも1つを動作させる。そして、選択部51は、指令電圧CVに追従するトランジスタTr2及びTr11のベース電位を負側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線を選択する。
選択部51は、出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つトランジスタTr2及びTr11のベース電位である指令電圧CVが−V1以下である場合、トランジスタTr2及びTr11のベース電位を負側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第2の負電圧ラインNL2を選択する。すなわち、選択部51は、トランジスタTr2及びTr11をオンさせ、第2の負電圧ラインNL2を活性化させ、第2の電源15と増幅部52との接続を有効にし、母線電圧を第2の電源15による電圧である−V2に切り替える。
選択部51は、出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つトランジスタTr2及びTr11のベース電位である指令電圧CVが−V1より大きい場合には、トランジスタTr2及びTr11のベース電位を負側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第1の負電圧ラインNL1を選択する。このとき、トランジスタTr11は、ベース電位がエミッタ電位より高い逆バイアス状態となっているからベース電流が流れないので、オフする。すなわち、選択部51は、トランジスタTr11をオフさせるとともにトランジスタTr2をオンさせ、第1の負電圧ラインNL1を活性化させ、第2のコンデンサC2と増幅部52との接続を有効にし、母線電圧を第2のコンデンサC2による電圧である−V1に切り替える。
選択部51は、出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つ指令電圧CVが−V1より大きい場合には、第1の負電圧ラインNL1を活性化させ、第2のコンデンサC2と増幅部52との接続を有効にする。従って、増幅部52から第2のコンデンサC2へ電流が流れる。つまり、第2のコンデンサC2の負電荷が第1の負電圧ラインNL1を経由して増幅部52へ流れる。従って、第2のコンデンサC2はディスチャージされ、第2のコンデンサC2の電圧である−V1は上昇する。
出力電流Ioの方向が正出力方向である場合の増幅部52の動作について、説明する。正出力方向は、出力ノードN2から負荷LDへ出力電流Ioが流れる方向であり、図21中の実線で示した方向である。
増幅部52は、現在の出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つトランジスタTr1及びTr12がオンされた状態では、トランジスタTr6及びTr8がオンする。そして、トランジスタTr8は、エミッタフォロワとして機能し、第1の電源14による電圧である+V2を使用して電流増幅を行う。
選択部51のトランジスタTr1及びTr12のベース電位である指令電圧CVが+V1以上である場合には、第2の正電圧ラインPL2の電位である+V2が、指令電圧CVを正側に超え且つベース電位に最も近い電位である。
トランジスタTr8は、コレクタ側の母線の第2の正電圧ラインPL2の電位である+V2が指令電圧CVを正側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr8は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり+V2と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr8のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr8では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr8の温度上昇により放熱し外部に放出される。
一方、トランジスタTr8よりも出力ノードN2側にあるトランジスタTr6は、コレクタに接続されたダイオードD4が逆バイアスとなるので、ダイオードD4によりコレクタ側の母線が遮断される。また、トランジスタTr6は、エミッタフォロワ動作のために、ベース電位つまり指令電圧CVと同じようにエミッタ電位が下がる。そして、トランジスタTr6は、コレクタ電位がトランジスタTr8のエミッタ電位つまり指令電圧CVと同じになっている。従って、トランジスタTr6は、コレクタ−エミッタ間電圧が略ゼロである飽和領域で動作し、実質的に損失電力が発生しない。
増幅部52は、トランジスタTr12がオフされ且つトランジスタTr1がオンされた状態では、トランジスタTr8がオフするとともにトランジスタTr6がオンして、トランジスタTr6がエミッタフォロワとして機能し、第1のコンデンサC1による電圧である+V1を使用して電流増幅を行う。
トランジスタTr8は、現在の出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つ選択部51のトランジスタTr1及びTr12のベース電位である指令電圧CVが+V1未満である場合には、エミッタ側の母線の第1の正電圧ラインPL1の電位である+V1がベース電位を正側に超える。従って、トランジスタTr8は、前段のトランジスタTr12がベース−エミッタ間で逆バイアスとなってオフすることに応じて、オフする。
トランジスタTr6は、コレクタ側の母線の第1の正電圧ラインPL1の電位である+V1がベース電位である指令電圧CVを正側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr6は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり+V1と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr6のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr6では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr6の温度上昇により放熱し外部に放出される。
出力電流Ioの方向が負出力方向である場合の増幅部52の動作について、説明する。負出力方向は、負荷LDから出力ノードN2へ出力電流Ioが流れる方向であり、図21中の点線で示した方向である。
増幅部52は、現在の出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つトランジスタTr2及びTr11がオンされた状態では、トランジスタTr3及びTr5がオンする。そして、トランジスタTr3は、エミッタフォロワとして機能し、第2の電源15による電圧である−V2を使用して電流増幅を行う。
選択部51のトランジスタTr2及びTr11のベース電位である指令電圧CVが−V2より大きく且つ−V1以下である場合には、第2の負電圧ラインNL2の電位である−V2が、指令電圧CVを負側に超え且つベース電位に最も近い電位である。
トランジスタTr3は、コレクタ側の母線の第2の負電圧ラインNL2の電位である−V2が指令電圧CVを負側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr3は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり−V2と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr3のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr3では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr3の温度上昇により放熱し外部に放出される。
一方、トランジスタTr3よりも出力ノードN2側にあるトランジスタTr5は、コレクタに接続されたダイオードD1が逆バイアスとなるので、ダイオードD1によりコレクタ側の母線が遮断される。また、トランジスタTr3は、エミッタフォロワ動作のために、ベース電位つまり指令電圧CVと同じようにエミッタ電位が下がる。そして、トランジスタTr3は、コレクタ電位がトランジスタTr3のエミッタ電位つまり指令電圧CVと同じになっている。従って、トランジスタTr3は、コレクタ−エミッタ間電圧が略ゼロである飽和領域で動作し、実質的に損失電力が発生しない。
増幅部52は、トランジスタTr11がオフされ且つトランジスタTr2がオンされた状態では、トランジスタTr3がオフするとともにトランジスタTr5がオンして、トランジスタTr5がエミッタフォロワとして機能し、第2のコンデンサC2による電圧である−V1を使用して電流増幅を行う。
トランジスタTr3は、現在の出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つ選択部51のトランジスタTr2及びTr11のベース電位である指令電圧CVが−V1より大きい場合には、エミッタ側の母線の第1の負電圧ラインNL1の電位である−V1がベース電位を負側に超える。従って、トランジスタTr3は、前段のトランジスタTr11がベース−エミッタ間で逆バイアスとなってオフすることに応じて、オフする。
トランジスタTr5は、コレクタ側の母線の第1の負電圧ラインNL1の電位である−V1がベース電位である指令電圧CVを負側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr5は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり−V1と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr5のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr5では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr5の温度上昇により放熱し外部に放出される。
チャージ制御部54は、交流の指令電圧CVの高周波数ノイズを低減して低周波数成分を通過させる低域フィルタ61を含む。
チャージ制御部54は、第1の比較器62を含む。第1の比較器62は、低域フィルタ61の出力電圧と電源63による閾値電圧である+Vsとを比較し、低域フィルタ61の出力電圧が閾値電圧である+Vsを下回っている期間にハイレベルになる第1の比較結果信号を出力する。
チャージ制御部54は、第1のワンショットマルチバイブレータ64を含む。第1のワンショットマルチバイブレータ64は、第1の比較結果信号の立ち上がりエッジのタイミングで、パルス幅がΔtである第1のパルス信号を出力する。
チャージ制御部54は、第1のスイッチング素子ドライバ65を含む。第1のスイッチング素子ドライバ65は、第1のパルス信号がハイレベルの期間に、第1のスイッチング素子Q1をオンさせる。第1のコンデンサC1は、第1のスイッチング素子Q1がオン状態の期間に、第1のスイッチング素子Q1を経由して、正電荷が第1の電源14から流れることで、正電荷がチャージされる。第1のコンデンサC1にチャージされる電荷量は、第1のスイッチング素子Q1がオンである期間が長くなるほど、多くなる。つまり、第1のコンデンサC1の電圧である+V1は、第1のスイッチング素子Q1がオンである期間が長くなるほど、高くなる。従って、チャージ制御部54は、第1のワンショットマルチバイブレータ64の設定を変更してパルス幅Δtを変更することで、第1のコンデンサC1にチャージされる電荷量、つまり第1のコンデンサC1の電圧である+V1を調整できる。
G級増幅回路AMP1では、出力電圧Voの位相に対して、出力電流Ioの位相が遅れる。従って、チャージ制御部54は、指令電圧CVの変化に応じて第1のコンデンサC1をチャージすることで、第1の正電圧ラインPL1が選択されて第1のコンデンサC1の電力が必要にされることに、予め備えることができる。
チャージ制御部54は、閾値電圧である+Vsを変更することで、第1のコンデンサC1をチャージするタイミングを前後にずらすことができる。
チャージ制御部54は、第2の比較器72を含む。第2の比較器72は、低域フィルタ61の出力電圧の反転と電源73による閾値電圧である−Vsとを比較し、低域フィルタ61の出力電圧の反転が閾値電圧である−Vsを下回っている期間にハイレベルになる第2の比較結果信号を出力する。
チャージ制御部54は、第2のワンショットマルチバイブレータ74を含む。第2のワンショットマルチバイブレータ74は、第2の比較結果信号の立ち上がりエッジのタイミングで、パルス幅がΔtである第2のパルス信号を出力する。
チャージ制御部54は、第2のスイッチング素子ドライバ75を含む。第2のスイッチング素子ドライバ75は、第2のパルス信号がハイレベルの期間に、第2のスイッチング素子Q2をオンさせる。第2のコンデンサC2は、第2のスイッチング素子Q2がオン状態の期間に、第2のスイッチング素子Q2を経由して、負電荷が第2の電源15から流れることで、負電荷がチャージされる。第2のコンデンサC2にチャージされる電荷量は、第2のスイッチング素子Q2がオンである期間が長くなるほど、多くなる。つまり、第2のコンデンサC2の電圧である−V1は、第2のスイッチング素子Q2がオンである期間が長くなるほど、低くなる。従って、チャージ制御部54は、第2のワンショットマルチバイブレータ74の設定を変更してパルス幅Δtを変更することで、第2のコンデンサC2にチャージされる電荷量、つまり第2のコンデンサC2の電圧である−V1を調整できる。
G級増幅回路AMP1では、出力電圧Voの位相に対して、出力電流Ioの位相が遅れる。従って、チャージ制御部54は、指令電圧CVの変化に応じて第2のコンデンサC2をチャージすることで、第1の負電圧ラインNL1が選択されて第2のコンデンサC2の電力が必要にされることに、予め備えることができる。
チャージ制御部54は、閾値電圧である−Vsを変更することで、第2のコンデンサC2をチャージするタイミングを前後にずらすことができる。
第1の正電圧ラインPL1が選択されて第1のコンデンサC1の電力が消費されると、第1のコンデンサC1の電圧である+V1は徐々に低下する。電圧の低下は、負荷LDの特性つまりインダクタンス成分及び抵抗成分により、定まる。第1のコンデンサC1の電圧である+V1が出力電圧Voと軌を一にして低下するように、第1のコンデンサC1の静電容量を好適に選択することで、増幅部52での損失電力を好適に低減することができる。なお、第1のコンデンサC1の静電容量を好適に選択しておいても、第1のコンデンサC1の劣化又は負荷LDのトルク定数の変動により、第1のコンデンサC1の電圧+V1が指令電圧CVよりも低くなる電圧不足が生じる場合も考えられる。しかし、G級増幅回路AMP1は、第1コンデンサC1の電圧+V1が指令電圧CVよりも低下した場合には、第1の電源14による電圧である+V2を使用して動作するので、指令電圧CVに応じた電力を負荷LDに供給できる。
第1の負電圧ラインNL1が選択されて第2のコンデンサC2の電力が消費されると、第2のコンデンサC2の電圧である−V1は徐々に上昇する。電圧の上昇は、負荷LDの特性つまりインダクタンス成分及び抵抗成分により、定まる。第2のコンデンサC2の電圧である−V1が出力電圧Voと軌を一にして上昇するように、第2のコンデンサC2の静電容量を好適に選択することで、増幅部52での損失電力を好適に低減することができる。なお、第2のコンデンサC2の静電容量を好適に選択しておいても、第2のコンデンサC2の劣化又は負荷LDのトルク定数の変動により、第2のコンデンサC2の電圧−V1が指令電圧CVよりも高くなることが生じる場合も考えられる。しかし、G級増幅回路AMP1は、第2コンデンサC2の電圧−V1が出力電圧Voよりも上昇した場合には、第2の電源15による電圧である−V2を使用して動作するので、指令電圧CVに応じた電力を負荷LDに供給できる。
本発明者は、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1についてシミュレーションを行った。シミュレーションの条件は、第1の電源14による電圧+V2を+45Vとし、第2の電源15による電圧−V2を−45Vとした。また、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を15μFとした。また、負荷LDをインダクタンスL=600mHと抵抗R=0.56Ωとの直列接続とした。また、閾値電圧+Vs=−Vs=0Vとした。また、パルス幅Δt=25μsとした。そして、ガルバノスキャナ5のミラー5aによりレーザ光の照射位置を1.0mmピッチ且つ1700pps(point per second)で移動させることを繰り返した場合における、G級増幅回路AMP1の各部の電圧、電流及び損失電力の変化についてシミュレーションを行った。レーザ光の照射位置の1.0mmピッチは、モータ5bの回転子の角度の0.3°ピッチに対応する。
図22から図24までは、実施の形態2にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。図22は、実施の形態2にかかるG級増幅回路の出力電流Io、トランジスタTr6のコレクタ電圧、トランジスタTr6のエミッタ電圧、トランジスタTr5のコレクタ電圧及びトランジスタTr5のエミッタ電圧を示す図である。図23は、実施の形態2にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo、トランジスタTr8のコレクタ電流及びトランジスタTr6のコレクタ電流を示す図である。図24は、実施の形態2にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo、トランジスタTr5のコレクタ電流及びトランジスタTr3のコレクタ電流を示す図である。
図22から図24までに示すように、G級増幅回路AMP1は、ガルバノスキャナ5を好適に駆動できる出力電圧Vo及び出力電流Ioを出力することが、シミュレーションにより確認できた。
図25は、実施の形態2にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図25は、実施の形態2にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo、出力電流Io、トランジスタTr8の損失電力、トランジスタTr6の損失電力、トランジスタTr5の損失電力及びトランジスタTr3の損失電力を示す図である。
増幅部52での損失電力、つまりトランジスタTr3,Tr5,Tr6及びTr8での損失電力の総和は、35.31Wになった。
図26は、実施の形態2にかかるG級増幅回路の比較例の構成を示す図である。比較例のG級増幅回路81は、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1の第1のコンデンサC1に代えて、第3の電源82を備え、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1の第2のコンデンサC2に代えて、第4の電源83を備える。また、比較例のG級増幅回路81は、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1のチャージ制御部54を備えていない。
比較例にかかるG級増幅回路81のトランジスタTr3,Tr5,Tr6及びTr8での損失電力の総和は、52.95Wになった。
実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1は、比較例にかかるG級増幅回路81よりも電源の数を減らすことができる。これにより、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1は、コストの低減、実装サイズの小型化及び信頼性の向上を実現することができる。
また、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1は、比較例にかかるG級増幅回路81よりも損失電力を低減することができる。従って、G級増幅回路AMP1は、省エネルギーを図ることができる。また、G級増幅回路AMP1は、損失電力による熱を放熱するための放熱器具を小さくできるので、コストの低減、実装サイズの小型化及び信頼性の向上を実現することができる。
実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1が、比較例にかかるG級増幅回路81よりも損失電力を低減できる理由について説明する。G級増幅回路AMP1は、プッシュプル方式を採用しており、正側と負側は上下対称である。従って、正側について説明し、負側については図示及び説明を省略する。
図27は、実施の形態2にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図27は、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1の指令電圧CV、低域フィルタ61の出力電圧、第1の比較器62の出力電圧及び出力電流Ioを示す図である。
低域フィルタ61は、高周波ノイズが重畳された指令電圧CVから、高周波ノイズ成分を除去する。これにより、低域フィルタ61の出力電圧は、滑らかになる。第1の比較器62は、低域フィルタ61の出力電圧と基準電圧+Vs=0とを比較し、低域フィルタ61の出力電圧が閾値電圧+Vs=0を下回っている期間にハイレベルになる第1の比較結果信号を出力する。
第1の比較器62が出力する第1の比較結果信号は、指令電圧CVつまり出力電圧Voの正負の切り替わりを示している。従って、第1の比較結果信号は、出力電流Ioより位相が進んでいる。つまり、第1の比較結果信号の立ち上がりエッジは、出力電流Ioの符号が切り替わるタイミングよりも位相が進んでいる。従って、チャージ制御部54は、第1の比較結果信号の立ち上がりエッジのタイミングで第1のコンデンサC1をチャージすることで、第1の正電圧ラインPL1が選択されて第1のコンデンサC1の電力が必要にされることに、予め備えることができる。
図28は、実施の形態2にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図28は、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1の指令電圧CV、低域フィルタ61の出力電圧、第1の比較器62の出力電圧、第1のワンショットマルチバイブレータ64の出力電圧及び出力電流Ioを示す図である。
第1のコンデンサC1の充電には、ある程度の時間がかかる。そこで、第1のワンショットマルチバイブレータ64は、第1の比較結果信号の立ち上がりエッジのタイミングで、パルス幅Δt=25μsである第1のパルス信号を出力する。
第1のスイッチング素子ドライバ65は、第1のパルス信号がハイレベルの期間に、第1のスイッチング素子Q1をオンさせる。第1のコンデンサC1は、第1のスイッチング素子Q1がオン状態の期間に、第1のスイッチング素子Q1を経由して、正電荷が第1の電源14から流れることで、正電荷がチャージされる。
図29は、実施の形態2にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図29は、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1の出力電圧Vo、出力電流Io、低域フィルタ61の出力電圧、第1のワンショットマルチバイブレータ64の出力電圧、第1のスイッチング素子ドライバ65の出力電圧、第1のコンデンサC1の充電電流及び第1のコンデンサC1の電圧+V1を示す図である。
図29に示すように、第1のコンデンサC1の電圧+V1は、40V程度まで上昇する。出力電流Ioが正出力方向に流れる第1の期間では、第1のコンデンサC1の電圧+V1が出力電圧Voを上回っているので、選択部51は第1の正電圧ラインPL1を選択し、出力電流Ioは第1のコンデンサC1から供給される。同様に、出力電流Ioが負出力方向に流れる第2の期間では、第2のコンデンサC2の電圧−V1が出力電圧Voを下回っているので、選択部51は第1の負電圧ラインNL1を選択し、出力電流Ioは第2のコンデンサC2から供給される。
先に説明したように、トランジスタTr6の損失電力は、トランジスタTr6のコレクタ−エミッタ間電圧にトランジスタTr6のコレクタ電流を乗じたものである。図29を参照すると、第1のコンデンサC1の電圧+V1は、出力電圧Voの降下と軌を一にして降下している。従って、G級増幅回路AMP1は、トランジスタTr6のコレクタ−エミッタ間電圧を小さくすることができる。これにより、G級増幅回路AMP1は、損失電力を低減することができる。
第1のコンデンサC1の静電容量を変更した場合のG級増幅回路AMP1の損失電力について説明する。
第1のコンデンサC1の静電容量を小さくすると、第1のコンデンサC1に蓄積される電荷が減る。従って、増幅部52が第1のコンデンサC1に蓄積された電荷を使用して増幅を行う際に、第1のコンデンサC1の電圧+V1の降下が速くなる。従って、トランジスタTr6のコレクタ−エミッタ間電圧を更に小さくすることができ、トランジスタTr6の損失電力を更に少なくすることができる。
本発明者は、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1についてシミュレーションを行った。シミュレーションの条件は、第1の電源14による電圧である+V2を+45Vとし、第2の電源15による電圧である−V2を−45Vとした。また、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を11μFとした。また、負荷LDをインダクタンスL=600mHと抵抗R=0.56Ωとの直列接続とした。また、閾値電圧+Vs=−Vs=0Vとした。また、パルス幅Δt=25μsとした。そして、ガルバノスキャナ5のミラー5aによりレーザ光の照射位置を1.0mmピッチ且つ1700pps(point per second)で移動させることを繰り返した場合における、G級増幅回路AMP1の各部の電圧、電流及び損失電力の変化についてシミュレーションを行った。レーザ光の照射位置の1.0mmピッチは、モータ5bの回転子の角度の0.3°ピッチに対応する。
図30から図33までは、実施の形態2にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。図30は、実施の形態2にかかるG級増幅回路の出力電流Io、トランジスタTr6のコレクタ電圧、トランジスタTr6のエミッタ電圧、トランジスタTr5のコレクタ電圧及びトランジスタTr5のエミッタ電圧を示す図である。図31は、実施の形態2にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo、トランジスタTr8のコレクタ電流及びトランジスタTr6のコレクタ電流を示す図である。図32は、実施の形態2にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo、トランジスタTr5のコレクタ電流及びトランジスタTr3のコレクタ電流を示す図である。図33は、実施の形態2にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo、出力電流Io、トランジスタTr8の損失電力、トランジスタTr6の損失電力、トランジスタTr5の損失電力及びトランジスタTr3の損失電力を示す図である。
第1のコンデンサC1の静電容量を11μFに変更することで、増幅部52での損失電力、つまりトランジスタTr3,Tr5,Tr6及びTr8での損失電力の総和は、26.74Wに低減した。
図34から図37までは、実施の形態2にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図34は、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1の出力電圧Vo、出力電流Io、低域フィルタ61の出力電圧、第1のワンショットマルチバイブレータ64の出力電圧、第1のスイッチング素子ドライバ65の出力電圧、第1のコンデンサC1の充電電流及び第1のコンデンサC1の電圧+V1を示す図である。図35は、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1の出力電圧Vo、出力電流Io、低域フィルタ61の出力電圧、第1のワンショットマルチバイブレータ64の出力電圧、第1のコンデンサC1の電圧+V1、第1の電源14からトランジスタTr8への供給電流及び第1のコンデンサC1からトランジスタTr6への供給電流を示す図である。図36は、図35中の領域90の拡大図である。図37は、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1の出力電流Io、トランジスタTr6のコレクタ電圧、トランジスタTr6のエミッタ電圧、トランジスタTr5のエミッタ電圧及びトランジスタTr5のコレクタ電圧を示す図である。
第1のコンデンサC1の静電容量を11μFとしたときの図34を、第1のコンデンサC1の静電容量を15μFとしたときの図29と比較すると、第1のコンデンサC1の電圧+V1が出力電圧Voに近くなっている。つまり、G級増幅回路AMP1は、第1のコンデンサC1の静電容量を11μFとすると、第1のコンデンサC1の静電容量を15μFとしたときよりも、トランジスタTr6のコレクタ−エミッタ間電圧を小さくすることができる。従って、G級増幅回路AMP1は、第1のコンデンサC1の静電容量を11μFとすると、第1のコンデンサC1の静電容量を15μFとしたときよりも、損失電力を低減することができる。
図35及び図36を参照すると、第1の電源14からトランジスタTr8に電流が供給されるタイミング、つまり選択部51が第2の正電圧ラインPL2を選択するタイミングが存在する。これは、第1のコンデンサC1の電圧+V1が、出力電圧Voを上回ってはいるが、G級増幅回路AMP1内の各部のバイアス電圧分のマージンを確保できていないことが理由であると考えられる。
このように、第1のコンデンサC1の静電容量を小さくした場合には、負荷LDでの負荷変動、第1のコンデンサC1の経時劣化による静電容量の変動又はその他のばらつきにより、第1のコンデンサC1の電圧+V1が指令電圧CVより低くなる電圧不足が生じることが考えられる。しかしながら、G級増幅回路AMP1は、第1のコンデンサC1の電圧+V1が指令電圧CVより低い場合であっても、第1の電源14からトランジスタTr8へ電流が供給され、増幅が可能である。第1の電源14からトランジスタTr8へ電流が供給される場合には、トランジスタTr8のコレクタ−エミッタ間電圧が大きくなり、トランジスタTr8での損失電力が増える。しかしながら、仕事量は損失電力の時間積分であるので、第1の電源14からトランジスタTr8へ電流が供給される時間が短時間であれば、トランジスタTr8の発熱は少ない。
上記のように、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を好適に選択することで、増幅部52での損失電力を抑制することが可能である。
図38は、実施の形態2にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図38は、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1の第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量と増幅部52での損失電力との関係を示す図である。
シミュレーション条件は、第1の電源14による電圧+V2を+45Vとし、第2の電源15による電圧−V2を−45Vとし、負荷LDをインダクタンスL=600mHと抵抗R=0.56Ωとの直列接続とし、閾値電圧+Vs=−Vs=0Vとし、パルス幅Δt=25μsとし、ガルバノスキャナ5のミラー5aによりレーザ光の照射位置を1.0mmピッチ且つ1700pps(point per second)で移動させることを繰り返した。レーザ光の照射位置の1.0mmピッチは、モータ5bの回転子の角度の0.3°ピッチに対応する。図38に示すように、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を11.6μFにすると、増幅部52での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
負荷LDでの負荷変動、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の経時劣化による静電容量の変動又はその他のばらつきを考慮し、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を好適に選択することが好ましい。
実施の形態3.
図39は、実施の形態3にかかるG級増幅回路の構成を示す図である。
図39は、実施の形態3にかかるG級増幅回路の構成を示す図である。
図39に示す実施の形態3にかかるG級増幅回路AMP2は、図21に示す実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1の電源部53に代えて、電源部93を備える。
電源部93は、一端が第1の正電圧ラインPL1に接続され、他端が第2の正電圧ラインPL2に接続され、正の第1の電圧+V1を第1の正電圧ラインPL1に供給する第1のコンデンサC1と、一端が第1の負電圧ラインNL1に接続され、他端が第2の負電圧ラインNL2に接続され、負の第1の電圧−V1を第1の負電圧ラインNL1に供給する第2のコンデンサC2と、を含む。
第1のスイッチング素子Q1は、第1のコンデンサC1に並列に接続されている。第1のスイッチング素子Q1は、オン状態になったときに、第1のコンデンサC1の一端を第1の電源14に電気的に接続し、第1の電源14から第1のコンデンサC1の一端に正電荷つまり電力をチャージする。
第1のスイッチング素子Q1がオン状態になると、第1のコンデンサC1の一端の電圧+V1は、第1の電源14の電圧+V2から第1のスイッチング素子Q1による電圧降下を減じた電圧になる。
増幅部52は、第1の正電圧ラインPL1が選択部51によって選択されたら、第1のコンデンサC1の一端にチャージされた電力を使用して、増幅を行う。
第2のスイッチング素子Q2は、第2のコンデンサC2に並列に接続されている。第2のスイッチング素子Q2は、オン状態になったときに、第2のコンデンサC2の一端を第2の電源15に電気的に接続し、第2の電源15から第2のコンデンサC2の一端に負電荷つまり電力をチャージする。
第2のスイッチング素子Q2がオン状態になると、第2のコンデンサC2の一端の電圧−V1は、第2の電源15の電圧−V2に第2のスイッチング素子Q2による電圧降下を加えた電圧になる。
増幅部52は、第1の負電圧ラインNL1が選択部51によって選択されたら、第2のコンデンサC2の一端にチャージされた電力を使用して、増幅を行う。
本発明者は、実施の形態3にかかるG級増幅回路AMP2についてシミュレーションを行った。シミュレーションの条件は、第1の電源14による電圧+V2を+45Vとし、第2の電源15による電圧−V2を−45Vとした。また、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を15μFとした。また、負荷LDをインダクタンスL=600mHと抵抗R=0.56Ωとの直列接続とした。また、閾値電圧+Vs=−Vs=0Vとした。また、パルス幅Δt=25μsとした。そして、ガルバノスキャナ5のミラー5aによりレーザ光の照射位置を1.0mmピッチ且つ1700pps(point per second)で移動させることを繰り返した場合における、G級増幅回路AMP2の各部の電圧、電流及び損失電力の変化についてシミュレーションを行った。レーザ光の照射位置の1.0mmピッチは、モータ5bの回転子の角度の0.3°ピッチに対応する。
図40から図43までは、実施の形態3にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。図40は、実施の形態3にかかるG級増幅回路の出力電流Io、トランジスタTr6のコレクタ電圧、トランジスタTr6のエミッタ電圧、トランジスタTr5のエミッタ電圧及びトランジスタTr5のコレクタ電圧を示す図である。図41は、実施の形態3にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo、トランジスタTr8のコレクタ電流及びトランジスタTr6のコレクタ電流を示す図である。図42は、実施の形態3にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo、トランジスタTr5のコレクタ電流及びトランジスタTr3のコレクタ電流を示す図である。
図40から図42までに示すように、G級増幅回路AMP2は、ガルバノスキャナ5を好適に駆動できる出力電圧Vo及び出力電流Ioを出力することが、シミュレーションにより確認できた。
図43は、実施の形態3にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図43は、実施の形態3にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo、出力電流Io、トランジスタTr8の損失電力、トランジスタTr6の損失電力、トランジスタTr5の損失電力及びトランジスタTr3の損失電力を示す図である。
実施の形態3にかかるG級増幅回路AMP2の増幅部52での損失電力、つまりトランジスタTr3,Tr5,Tr6及びTr8での損失電力の総和は、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1の増幅部52での損失電力と同じ、35.31Wになった。
実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1では、第1のスイッチング素子Q1がオン状態になると、第1のコンデンサC1の一端が第1の電源14の高電位側に接続され且つ第1のコンデンサC1の他端が接地電位GNDに接続されるので、第1のコンデンサC1のチャージに100ms程度の時間がかかった。
一方、実施の形態3にかかるG級増幅回路AMP2では、第1のスイッチング素子Q1がオン状態になると、第1のコンデンサC1の両端と第1の電源14の高電位側とが短絡される。従って、実施の形態3にかかるG級増幅回路AMP2では、第1のスイッチング素子Q1が1回オン状態になるだけで、第1のコンデンサC1が実質的にチャージされる。
同様に、実施の形態3にかかるG級増幅回路AMP2では、第2のスイッチング素子Q2がオン状態になると、第2のコンデンサC2の両端と第2の電源15の低電位側とが短絡される。従って、実施の形態3にかかるG級増幅回路AMP2では、第2のスイッチング素子Q2が1回オン状態になるだけで、第2のコンデンサC2が実質的にチャージされる。
従って、実施の形態3にかかるG級増幅回路AMP2は、実施の形態2にかかるG級増幅回路AMP1と比較して、動作開始から直ぐに、増幅部52での損失電力を抑制できるという効果を奏する。
実施の形態4.
図44は、実施の形態4にかかるG級増幅回路の構成を示す図である。
図44は、実施の形態4にかかるG級増幅回路の構成を示す図である。
G級増幅回路AMP3は、交流の指令電圧CVが入力される入力ノードN1と、入力ノードN1に入力された指令電圧CVに応じて、複数の電圧が夫々供給される複数のラインの内から1つのラインを選択する選択部101と、1つのラインに供給される電圧を使用して、増幅を行う増幅部102と、増幅部102で増幅された電力を、印加される電圧の位相に対して流れる電流の位相が遅れる負荷LDへ出力する出力ノードN2と、を含む。
G級増幅回路AMP3は、基準電位V0に接続された基準電位ノードN3と、一端が出力ノードN2よりも正側で増幅部102に接続され、基準電位V0を基準に正の第1の電圧+V1が供給される第1の正電圧ラインPL1と、一端が出力ノードN2よりも負側で増幅部102に接続され、基準電位V0を基準に負の第1の電圧−V1が供給される第1の負電圧ラインNL1と、を含む。
G級増幅回路AMP3は、一端が出力ノードN2よりも正側で増幅部102に接続され、基準電位V0を基準に正の第2の電圧+2が供給される第2の正電圧ラインPL2と、一端が出力ノードN2よりも負側で増幅部102に接続され、基準電位V0を基準に負の第2の電圧−V2が供給される第2の負電圧ラインNL2と、を含む。
G級増幅回路AMP3は、一端が出力ノードN2よりも正側で増幅部102に接続され、基準電位V0を基準に正の第3の電圧+V3が供給される第3の正電圧ラインPL3と、一端が出力ノードN2よりも負側で増幅部102に接続され、基準電位V0を基準に負の第3の電圧−V3が供給される第3の負電圧ラインNL3と、を含む。
G級増幅回路AMP3は、基準電位V0を基準に正の第3の電圧+V3を第3の正電圧ラインPL3に供給する第1の電源14と、基準電位V0を基準に負の第3の電圧−V3を第3の負電圧ラインNL3に供給する第2の電源15と、を含む。
G級増幅回路AMP3は、一端が第2の正電圧ラインPL2に接続され、他端が第3の正電圧ラインPL3に接続され、正の第2の電圧+V2を第2の正電圧ラインPL2に供給する第1のコンデンサC1と、一端が第2の負電圧ラインNL2に接続され、他端が第3の負電圧ラインNL3に接続され、負の第2の電圧−V2を第2の負電圧ラインNL2に供給する第2のコンデンサC2と、を含む。
G級増幅回路AMP3は、一端が第1の正電圧ラインPL1に接続され、他端が第2の正電圧ラインPL2に接続され、正の第1の電圧+V1を第1の正電圧ラインPL1に供給する第3のコンデンサC3と、一端が第1の負電圧ラインNL1に接続され、他端が第2の負電圧ラインNL2に接続され、負の第1の電圧−V1を第1の負電圧ラインNL1に供給する第4のコンデンサC4と、を含む。
G級増幅回路AMP3は、第1の電源14の高電位側と第1のコンデンサC1の一端及び第3のコンデンサC3の他端とを電気的に接続することにより第1のコンデンサC1及び第3のコンデンサC3に電力をチャージする制御を行い、第2の電源15の低電位側と第2のコンデンサC2の一端及び第4のコンデンサC4の他端とを電気的に接続することにより第2のコンデンサC2及び第4のコンデンサC4に電力をチャージする制御を行うチャージ制御部54と、を含む。
増幅部102は、第2の正電圧ラインPL2が選択部101によって選択されている場合には、第1のコンデンサC1にチャージされている電力を消費して増幅を行い、第1の正電圧ラインPL1が選択部101によって選択されている場合には、第3のコンデンサC3にチャージされている電力を消費して増幅を行う。
増幅部102は、第2の負電圧ラインNL2が選択部101によって選択されている場合には、第2のコンデンサC2にチャージされている電力を消費して増幅を行い、第1の負電圧ラインNL1が選択部101によって選択されている場合には、第4のコンデンサC4にチャージされている電力を消費して増幅を行う。
入力ノードN1は、指令電圧CVの供給源10と選択部101との間に接続されている。入力ノードN1は、入力された指令電圧CVを選択部101へ供給する。選択部101は、入力ノードN1と増幅部102との間に配置されている。
選択部101は、現在の出力電流Ioの方向と、指令電圧CVと、接続されている各ラインの電位と、に応じて、少なくとも3種類の電圧V1,V2及びV3の内から1つの電圧を選択し、選択した1つの電圧に母線電圧を切り替える。少なくとも3種類の電圧は、電圧V3と、電圧V3より絶対値が小さいV2と、電圧V2より絶対値が小さいV1と、を含む。
選択部101は、現在の出力電流Ioの方向と、指令電圧CVに追従する各トランジスタのベース電位と、各ラインの電位と、に応じて、第3の正電圧ラインPL3、第2の正電圧ラインPL2、第1の正電圧ラインPL1、第3の負電圧ラインNL3、第2の負電圧ラインNL2及び第1の負電圧ラインNL1の内のいずれか1つを選択的に活性化する。そして、選択部101は、第1の電源14による電圧である+V3と、第1のコンデンサC1による電圧である+V2と、第3のコンデンサC3による電圧である+V1と、第2の電源15による電圧−V3と、第2のコンデンサC2による電圧−V2と、第4のコンデンサC4による電圧−V1と、の間で母線電圧を切り替える。
選択部101は、ツェナーダイオードZD1からZD6までと、電流源CS1及びCS2と、トランジスタTr1,Tr2,Tr9からTr12までと、抵抗R1からR5までと、を含む。
ツェナーダイオードZD4は、アノードが入力ノードN1に接続され、カソードがトランジスタTr1のベースに接続されている。
トランジスタTr1は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがツェナーダイオードZD4に接続され、コレクタが第1の電源14の高電位側に接続され、エミッタが抵抗R1の一端に接続されている。
ツェナーダイオードZD5は、アノードがツェナーダイオードZD4とトランジスタTr1のベースとに接続され、カソードがダイオードD7に接続されている。
トランジスタTr10は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがダイオードD7を介してツェナーダイオードZD5に接続され、コレクタが第1の電源14の高電位側に接続され、エミッタが抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R2の他端は、ダイオードD3を介して第3のコンデンサC3の一端に接続されている。
ツェナーダイオードZD6は、アノードがツェナーダイオードZD5とダイオードD7とに接続され、カソードが電流源CS1とダイオードD8とに接続されている。
トランジスタTr12は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがダイオードD8を介して電流源CS1及びツェナーダイオードZD6の間に接続され、コレクタが第1の電源14の高電位側に接続され、エミッタが抵抗R4の一端に接続されている。抵抗R4の他端は、ダイオードD4を介して第1のコンデンサC1の一端に接続されている。
ツェナーダイオードZD3は、アノードがトランジスタTr2のベースに接続され、カソードが入力ノードN1に接続されている。
トランジスタTr2は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがツェナーダイオードZD3に接続され、コレクタが第2の電源15の低電位側に接続され、エミッタが抵抗R1の他端に接続されている。
ツェナーダイオードZD2は、アノードがツェナーダイオードZD1とダイオードD6とに接続され、カソードがツェナーダイオードZD3とトランジスタTr2のベースとに接続されている。
トランジスタTr9は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがダイオードD6を介してツェナーダイオードZD2に接続され、コレクタが第2の電源15の低電位側に接続され、エミッタが抵抗R3の一端に接続されている。抵抗R3の他端は、ダイオードD2を介して第4のコンデンサC4の一端に接続されている。
ツェナーダイオードZD1は、アノードが電流源CS2とダイオードD5とに接続され、カソードがツェナーダイオードZD2とダイオードD6とに接続されている。
トランジスタTr11は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがダイオードD5を介してツェナーダイオードZD1及び電流源CS2の間に接続され、コレクタが第2の電源15の低電位側に接続され、エミッタが抵抗R5の一端に接続されている。抵抗R5の他端は、ダイオードD1を介して第2のコンデンサC2の一端に接続されている。
増幅部102は、選択部101と出力ノードN2との間に配置され、選択部101により切り替えられた電圧を使用して増幅を行い、増幅した電力を出力ノードN2へ供給する。
増幅部102は、トランジスタTr3からTr8まで並びに抵抗Re1及びRe2を含む。
トランジスタTr6は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr1のエミッタ及び抵抗R1の一端の間に接続され、コレクタがダイオードD3を介して第3のコンデンサC3の一端に接続され、エミッタが抵抗Re1を介して出力ノードN2に接続されている。
トランジスタTr7は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr10のエミッタ及び抵抗R2の間に接続され、コレクタがダイオードD4を介して第1のコンデンサC1の一端に接続され、エミッタがトランジスタTr6のコレクタに接続されている。
トランジスタTr8は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr12のエミッタ及び抵抗R4の間に接続され、コレクタが第1の電源14の高電位側に接続され、エミッタがトランジスタTr7のコレクタに接続されている。
トランジスタTr5は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースが抵抗R1の他端及びトランジスタTr2のエミッタの間に接続され、コレクタがダイオードD2を介して第4のコンデンサC4の一端に接続され、エミッタが抵抗Re2を介して出力ノードN2に接続されている。
トランジスタTr4は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr9のエミッタ及び抵抗R3の間に接続され、コレクタがダイオードD1を介して第2のコンデンサC2の一端に接続され、エミッタがトランジスタTr5のコレクタに接続されている。
トランジスタTr3は、例えばPNP型バイポーラトランジスタであり、ベースがトランジスタTr11のエミッタ及び抵抗R5の間に接続され、コレクタが第2の電源15の低電位側に接続され、エミッタがトランジスタTr4のコレクタに接続されている。
電源部103は、増幅部102と基準電位ノードN3との間に配置され、少なくとも3種類の電圧を増幅部102に供給する。
基準電位V0は、接地電位GNDが例示される。基準電位ノードN3は、接地電位GNDに接続されている。
電源部103は、第1の電源14を含む。第1の電源14は、電圧がV3であり、低電位側が基準電位ノードN3に接続され、高電位側が第3の正電圧ラインPL3に接続されている。第1の電源14は、基準電位V0を基準に正の第3の電圧である+V3を発生させる。従って、第3の正電圧ラインPL3の電圧は、+V3である。
電源部103は、第2の電源15を含む。第2の電源15は、電圧がV3であり、高電位側が基準電位ノードN3に接続され、低電位側が第3の負電圧ラインNL3に接続されている。第2の電源15は、基準電位V0を基準に負の第3の電圧である−V3を発生させる。従って、第3の負電圧ラインNL3の電圧は、−V3である。
電源部103は、第1のコンデンサC1を含む。第1のコンデンサC1は、一端が第2の正電圧ラインPL2に接続され、他端が第3の正電圧ラインPL3に接続されている。
第1のコンデンサC1の一端は、チャージ制御部54内の第1のスイッチング素子Q1がオン状態の期間に、第1のスイッチング素子Q1を経由して、正電荷が第1の電源14から流れることで、正電荷つまり電力がチャージされる。第1のスイッチング素子Q1は、トランジスタが例示される。
第1のコンデンサC1による電圧である+V2は、正電荷が第1のコンデンサC1にチャージされると、上昇する。第1のコンデンサC1による電圧である+V2は、第1のコンデンサC1から増幅部102へ電流が流れる、つまり第1のコンデンサC1の正電荷が第2の正電圧ラインPL2を経由して増幅部102へディスチャージされると、下降する。
第1のコンデンサC1による電圧である+V2は、V1以上且つ+V3未満である。第2の正電圧ラインPL2の電圧は、+V2である。
電源部103は、第2のコンデンサC2を含む。第2のコンデンサC2は、一端が第2の負電圧ラインNL2に接続され、他端が第3の負電圧ラインNL3に接続されている。
第2のコンデンサC2の一端は、チャージ制御部54内の第2のスイッチング素子Q2がオン状態の期間に、第2のスイッチング素子Q2を経由して、負電荷が第2の電源15から流れることで、負電荷つまり電力がチャージされる。第2のスイッチング素子Q2は、トランジスタが例示される。
第2のコンデンサC2による電圧である−V2は、負電荷が第2のコンデンサC2にチャージされると、下降する。第2のコンデンサC2による電圧である−V2は、増幅部102から第2のコンデンサC2へ電流が流れる、つまり第2のコンデンサC2の負電荷が第2の負電圧ラインNL2を経由して増幅部102へディスチャージされると、上昇する。
第2のコンデンサC2による電圧である−V2は、−V3より大きく且つ−V1以下である。第2の負電圧ラインNL2の電圧は、−V2である。
電源部103は、第3のコンデンサC3を含む。第3のコンデンサC3は、一端が第1の正電圧ラインPL1に接続され、他端が第2の正電圧ラインPL2に接続されている。
第3のコンデンサC3の他端は、チャージ制御部54内の第1のスイッチング素子Q1がオン状態の期間に、第1のスイッチング素子Q1を経由して、正電荷が第1の電源14から流れることで、正電荷つまり電力がチャージされる。
第3のコンデンサC3による電圧である+V1は、正電荷が第3のコンデンサC3にチャージされると、上昇する。第3のコンデンサC3による電圧である+V1は、第3のコンデンサC3から増幅部102へ電流が流れる、つまり第3のコンデンサC3の正電荷が第1の正電圧ラインPL1を経由して増幅部102へディスチャージされると、下降する。
第3のコンデンサC3による電圧である+V1は、0以上且つ+V2未満である。第1の正電圧ラインPL1の電圧は、+V1である。
電源部103は、第4のコンデンサC4を含む。第4のコンデンサC4は、一端が第1の負電圧ラインNL1に接続され、他端が第2の負電圧ラインNL2に接続されている。
第4のコンデンサC4の他端は、チャージ制御部54内の第2のスイッチング素子Q2がオン状態の期間に、第2のスイッチング素子Q2を経由して、負電荷が第2の電源15から流れることで、負電荷つまり電力がチャージされる。
第4のコンデンサC4による電圧である−V1は、負電荷が第4のコンデンサC4にチャージされると、下降する。第4のコンデンサC4による電圧である−V1は、増幅部102から第4のコンデンサC4へ電流が流れる、つまり第4のコンデンサC4の負電荷が第1の負電圧ラインNL1を経由して増幅部102へディスチャージされると、上昇する。
第4のコンデンサC4による電圧である−V1は、−V2より大きく且つV0以下である。第1の負電圧ラインNL1の電圧は、−V1である。
出力電流Ioの方向が正出力方向である場合の選択部101の動作について、説明する。正出力方向は、出力ノードN2から負荷LDへ出力電流Ioが流れる方向であり、図44中の実線で示した方向である。
選択部101は、現在の出力電流Ioの方向が正出力方向であれば、トランジスタTr1,Tr10及びTr12の内の少なくとも1つをオンさせ、増幅部102における正側のトランジスタTr6からTr8までの内の少なくとも1つを動作させる。そして、選択部101は、指令電圧CVに追従するトランジスタTr1,Tr10及びTr12のベース電位を正側に超え且つ値が最も近い電圧値のラインを選択する。
選択部101は、出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つトランジスタTr1,Tr10及びTr12のベース電位である指令電圧CVが+V2以上である場合には、トランジスタTr1,Tr10及びTr12のベース電位を正側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第3の正電圧ラインPL3を選択する。すなわち、選択部101は、トランジスタTr1,Tr10及びTr12をオンさせ、第3の正電圧ラインPL3を活性化させ、第1の電源14と増幅部102との接続を有効にし、母線電圧を第1の電源14による電圧である+V3に切り替える。
選択部101は、出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つトランジスタTr1,Tr10及びTr12のベース電位である指令電圧CVが+V1以上である場合には、トランジスタTr1,Tr10及びTr12のベース電位を正側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第2の正電圧ラインPL2を選択する。このとき、トランジスタTr12は、ベース電位がエミッタ電位より低い逆バイアス状態となっているからベース電流が流れないので、オフする。すなわち、選択部101は、トランジスタTr12をオフさせるとともにトランジスタTr1及びTr10をオンさせ、第2の正電圧ラインPL2を活性化させ、第1のコンデンサC1と増幅部102との接続を有効にし、母線電圧を第1のコンデンサC1による電圧である+V2に切り替える。
選択部101は、出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つトランジスタTr1,Tr10及びTr12のベース電位である指令電圧CVが+V1未満である場合には、トランジスタTr1,Tr10及びTr12のベース電位を正側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第1の正電圧ラインPL1を選択する。このとき、トランジスタTr10及びTr12は、ベース電位がエミッタ電位より低い逆バイアス状態となっているからベース電流が流れないので、オフする。すなわち、選択部101は、トランジスタTr10及びTr12をオフさせるとともにトランジスタTr1をオンさせ、第1の正電圧ラインPL1を活性化させ、第3のコンデンサC3と増幅部102との接続を有効にし、母線電圧を第3のコンデンサC3による電圧である+V1に切り替える。
出力電流Ioの方向が負出力方向である場合の選択部101の動作について、説明する。負出力方向は、負荷LDから出力ノードN2へ出力電流Ioが流れる方向であり、図44中の点線で示した方向である。
選択部101は、現在の出力電流Ioの方向が負出力方向であれば、トランジスタTr2,Tr9及びTr11の内の少なくとも1つをオンさせ、増幅部102における負側のトランジスタTr5,Tr4及びTr3の内の少なくとも1つを動作させる。そして、選択部101は、指令電圧CVに追従するトランジスタTr2,Tr9及びTr11のベース電位を負側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線を選択する。
選択部101は、出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つトランジスタTr2,Tr9及びTr11のベース電位である指令電圧CVが−V2以下である場合、トランジスタTr2,Tr9及びTr11のベース電位を負側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第3の負電圧ラインNL3を選択する。すなわち、選択部101は、トランジスタTr2,Tr9及びTr11をオンさせ、第3の負電圧ラインNL3を活性化させ、第2の電源15と増幅部102との接続を有効にし、母線電圧を第2の電源15による電圧である−V3に切り替える。
選択部101は、出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つトランジスタTr2,Tr9及びTr11のベース電位である指令電圧CVが−V2より大きく−V1以下である場合には、トランジスタTr2,Tr9及びTr11のベース電位を負側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第2の負電圧ラインNL2を選択する。このとき、トランジスタTr11は、ベース電位がエミッタ電位より高い逆バイアス状態となっているからベース電流が流れないので、オフする。すなわち、選択部101は、トランジスタTr11をオフさせるとともにトランジスタTr2及びTr9をオンさせ、第2の負電圧ラインNL2を活性化させ、第2のコンデンサC2と増幅部102との接続を有効にし、母線電圧を第2のコンデンサC2による電圧である−V2に切り替える。
選択部101は、出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つトランジスタTr2,Tr9及びTr11のベース電位である指令電圧CVが−V1より大きい場合には、トランジスタTr2,Tr9及びTr11のベース電位を負側に超え且つ値が最も近い電圧値の母線である第1の負電圧ラインNL1を選択する。このとき、トランジスタTr9及びTr11は、ベース電位がエミッタ電位より高い逆バイアス状態となっているからベース電流が流れないので、オフする。すなわち、選択部101は、トランジスタTr9及びTr11をオフさせるとともにトランジスタTr2をオンさせ、第1の負電圧ラインNL1を活性化させ、第4のコンデンサC4と増幅部102との接続を有効にし、母線電圧を第4のコンデンサC4による電圧である−V1に切り替える。
出力電流Ioの方向が正出力方向である場合の増幅部102の動作について、説明する。正出力方向は、出力ノードN2から負荷LDへ出力電流Ioが流れる方向であり、図44中の実線で示した方向である。
増幅部102は、現在の出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つトランジスタTr1,Tr10及びTr12がオンされた状態では、トランジスタTr6,Tr7及びTr8がオンする。そして、トランジスタTr8は、エミッタフォロワとして機能し、第1の電源14による電圧である+V3を使用して電流増幅を行う。
選択部101のトランジスタTr1,Tr10及びTr12のベース電位である指令電圧CVが+V2以上である場合には、第3の正電圧ラインPL3の電位である+V3が、指令電圧CVを正側に超え且つベース電位に最も近い電位である。
トランジスタTr8は、コレクタ側の母線の第3の正電圧ラインPL3の電位である+V3が指令電圧CVを正側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr8は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり+V3と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr8のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr8では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr8の温度上昇により放熱し外部に放出される。
一方、トランジスタTr8よりも出力ノードN2側にあるトランジスタTr6及びTr7は、コレクタに夫々接続されたダイオードD3及びD4が逆バイアスとなるので、ダイオードD3及びD4によりコレクタ側の母線が遮断される。また、トランジスタTr6及びTr7は、エミッタフォロワ動作のために、ベース電位つまり指令電圧CVと同じようにエミッタ電位が下がる。そして、トランジスタTr6及びTr7は、コレクタ電位がトランジスタTr8のエミッタ電位つまり指令電圧CVと同じになっている。従って、トランジスタTr6及びTr7は、コレクタ−エミッタ間電圧が略ゼロである飽和領域で動作し、実質的に損失電力が発生しない。
増幅部102は、トランジスタTr12がオフされ且つトランジスタTr1及びTr10がオンされた状態では、トランジスタTr8がオフするとともにトランジスタTr6及びTr7がオンして、トランジスタTr7がエミッタフォロワとして機能し、第1のコンデンサC1による電圧である+V2を使用して電流増幅を行う。
トランジスタTr8は、現在の出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つ選択部101のトランジスタTr1,Tr10及びTr12のベース電位である指令電圧CVが+V1以上+V2未満である場合には、エミッタ側の母線の第2の正電圧ラインPL2の電位である+V2がベース電位を正側に超える。従って、トランジスタTr8は、前段のトランジスタTr12がベース−エミッタ間で逆バイアスとなってオフすることに応じて、オフする。
トランジスタTr7は、コレクタ側の母線の第2の正電圧ラインPL2の電位である+V2がベース電位である指令電圧CVを正側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr7は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり+V2と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr7のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr7では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr7の温度上昇により放熱し外部に放出される。
一方、トランジスタTr7よりも出力ノードN2側にあるトランジスタTr6は、コレクタに接続されたダイオードD3が逆バイアスとなるので、ダイオードD3によりコレクタ側の母線が遮断される。また、トランジスタTr6は、エミッタフォロワ動作のために、ベース電位つまり指令電圧CVと同じようにエミッタ電位が下がる。そして、トランジスタTr6は、コレクタ電位がトランジスタTr7のエミッタ電位つまり指令電圧CVと同じになっている。従って、トランジスタTr6は、コレクタ−エミッタ間電圧が略ゼロである飽和領域で動作し、実質的に損失電力が発生しない。
増幅部102は、トランジスタTr10及びTr12がオフされ且つトランジスタTr1がオンされた状態では、トランジスタTr7及びTr8がオフするとともにトランジスタTr6がオンして、トランジスタTr6がエミッタフォロワとして機能し、第1の正電圧ラインPL1による電圧である+V1を使用して電流増幅を行う。
トランジスタTr7及びTr8は、現在の出力電流Ioの方向が正出力方向であり且つ選択部101のトランジスタTr1,Tr10及びTr12のベース電位である指令電圧CVが+V1未満である場合には、エミッタ側の母線の電位がベース電位を正側に超える。従って、トランジスタTr7及びTr8は、前段のトランジスタTr10及びTr12がベース−エミッタ間で逆バイアスとなってオフすることに応じて、オフする。
トランジスタTr6は、コレクタ側の母線の第1の正電圧ラインPL1の電位である+V1がベース電位である指令電圧CVを正側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr6は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり+V1と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr6のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr6では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr6の温度上昇により放熱し外部に放出される。
出力電流Ioの方向が負出力方向である場合の増幅部102の動作について、説明する。負出力方向は、負荷LDから出力ノードN2へ出力電流Ioが流れる方向であり、図44中の点線で示した方向である。
増幅部102は、現在の出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つトランジスタTr2,Tr9及びTr11がオンされた状態では、トランジスタTr3,Tr4及びTr5がオンする。そして、トランジスタTr3は、エミッタフォロワとして機能し、第2の電源15による電圧である−V3を使用して電流増幅を行う。
選択部101のトランジスタTr2,Tr3及びTr5のベース電位である指令電圧CVが−V2以下である場合には、第3の負電圧ラインNL3の電位である−V3が、指令電圧CVを負側に超え且つベース電位に最も近い電位である。
トランジスタTr3は、コレクタ側の母線の第3の負電圧ラインNL3の電位である−V3が指令電圧CVを負側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr3は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり−V3と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr3のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr3では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr3の温度上昇により放熱し外部に放出される。
一方、トランジスタTr3よりも出力ノードN2側にあるトランジスタTr4及びTr5は、コレクタに夫々接続されたダイオードD1及びD2が逆バイアスとなるので、ダイオードD1及びD2によりコレクタ側の母線が遮断される。また、トランジスタTr4及びTr5は、エミッタフォロワ動作のために、ベース電位つまり指令電圧CVと同じようにエミッタ電位が下がる。そして、トランジスタTr4及びTr5は、コレクタ電位がトランジスタTr3のエミッタ電位つまり指令電圧CVと同じになっている。従って、トランジスタTr4及びTr5は、コレクタ−エミッタ間電圧が略ゼロである飽和領域で動作し、実質的に損失電力が発生しない。
増幅部102は、トランジスタTr11がオフされ且つトランジスタTr2及びTr9がオンされた状態では、トランジスタTr3がオフするとともにトランジスタTr4及びTr5がオンして、トランジスタTr4がエミッタフォロワとして機能し、第2のコンデンサC2による電圧である−V2を使用して電流増幅を行う。
トランジスタTr3は、現在の出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つ選択部101のトランジスタTr2,Tr9及びTr11のベース電位である指令電圧CVが−V2より大きく−V1以下である場合には、エミッタ側の母線の第2の負電圧ラインNL2の電位である−V2がベース電位を負側に超える。従って、トランジスタTr3は、前段のトランジスタTr11がベース−エミッタ間で逆バイアスとなってオフすることに応じて、オフする。
トランジスタTr4は、コレクタ側の母線の第2の負電圧ラインNL2の電位である−V2がベース電位である指令電圧CVを負側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr4は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり−V2と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr4のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr4では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr4の温度上昇により放熱し外部に放出される。
一方、トランジスタTr4よりも出力ノードN2側にあるトランジスタTr5は、コレクタに接続されたダイオードD2が逆バイアスとなるので、ダイオードD2によりコレクタ側の母線が遮断される。また、トランジスタTr5は、エミッタフォロワ動作のために、ベース電位つまり指令電圧CVと同じようにエミッタ電位が下がる。そして、トランジスタTr5は、コレクタ電位がトランジスタTr4のエミッタ電位つまり指令電圧CVと同じになっている。従って、トランジスタTr5は、コレクタ−エミッタ間電圧が略ゼロである飽和領域で動作し、実質的に損失電力が発生しない。
増幅部102は、トランジスタTr9及びTr11がオフされ且つトランジスタTr2がオンされた状態では、トランジスタTr3及びTr4がオフされるとともにトランジスタTr5がオンして、トランジスタTr5がエミッタフォロワとして機能し、第1の負電圧ノードNL1による電圧である−V1を使用して電流増幅を行う。
トランジスタTr3及びTr4は、現在の出力電流Ioの方向が負出力方向であり且つ選択部101のトランジスタTr2,Tr9及びTr11のベース電位である指令電圧CVが−V1より大きい場合には、エミッタ側の母線の電位がベース電位を負側に超える。従って、トランジスタTr3及びTr4は、前段のトランジスタTr9及びTr11がベース−エミッタ間で逆バイアスとなってオフすることに応じて、オフする。
トランジスタTr5は、コレクタ側の母線の第1の負電圧ラインNL1の電位であるーV1がベース電位である指令電圧CVを負側に超え且つベース電位に最も近いトランジスタである。従って、トランジスタTr5は、能動領域で動作する。そして、母線電圧つまり−V1と出力電圧つまり指令電圧CVとの差の電圧分が、トランジスタTr5のコレクタ−エミッタ間での電圧降下である。トランジスタTr5では、電圧×電流分の損失電力が発生し、損失電力はトランジスタTr5の温度上昇により放熱し外部に放出される。
本発明者は、実施の形態4にかかるG級増幅回路AMP3についてシミュレーションを行った。シミュレーションの条件は、第1の電源14による電圧+V3を+45Vとし、第2の電源15による電圧−V3を−45Vとした。また、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を2000μFとし、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を15μFとした。また、負荷LDをインダクタンスL=600mHと抵抗R=0.56Ωとの直列接続とした。そして、ガルバノスキャナ5のミラー5aによりレーザ光の照射位置を1.0mmピッチ且つ1700pps(point per second)で移動させることを繰り返した場合における、G級増幅回路AMP3の各部の電圧、電流及び損失電力の変化についてシミュレーションを行った。レーザ光の照射位置の1.0mmピッチは、モータ5bの回転子の角度の0.3°ピッチに対応する。
図45から図48までは、実施の形態4にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図45は、実施の形態4にかかるG級増幅回路の出力電流Io、トランジスタTr6のエミッタ電圧、トランジスタTr6のコレクタ電圧及びトランジスタTr7のコレクタ電圧を示す図である。図46は、実施の形態4にかかるG級増幅回路の出力電流Io、トランジスタTr4のコレクタ電圧、トランジスタTr5のコレクタ電圧及びトランジスタTr5のエミッタ電圧を示す図である。図47は、実施の形態4にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo並びにトランジスタTr6からTr8までのコレクタ電流を示す図である。図48は、実施の形態4にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo並びにトランジスタTr3からTr5までのコレクタ電流を示す図である。
図45から図48までに示すように、G級増幅回路AMP3は、ガルバノスキャナ5を好適に駆動できる出力電圧Vo及び出力電流Ioを出力することが、シミュレーションにより確認できた。
図49及び図50は、実施の形態4にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図49は、実施の形態4にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo、出力電流Io並びにトランジスタTr6からTr8までの損失電力を示す図である。図50は、実施の形態4にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo、出力電流Io並びにトランジスタTr3からTr5までの損失電力を示す図である。
増幅部102での損失電力、つまりトランジスタTr3からTr8までの損失電力の総和は、31.64Wになった。
図51及び図52は、実施の形態4にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図51は、実施の形態4にかかるG級増幅回路AMP3の出力電圧Vo、出力電流Io、第1のワンショットマルチバイブレータ64の出力電圧、第1のコンデンサC1の電圧+V1、第2の正電圧ラインPL2の電位、第2の正電圧ラインPL2からの供給電流及び第1の正電圧ラインPL1からの供給電流を示す図である。図52は、図51中の領域110の拡大図である。
トランジスタTr6での損失電力は、トランジスタTr6のコレクタ−エミッタ間での電圧降下とトランジスタTr6のコレクタ電流とを乗じたものである。従って、G級増幅回路AMP3は、第3のコンデンサC3の電圧である+V1が出力電圧Voよりも正側に大きく且つ第3のコンデンサC3の電圧である+V1と出力電圧Voとの差が小さくなるように、第3のコンデンサC3の静電容量を好適に選択することで、増幅部102での損失電力を好適に低減することができる。
但し、第3のコンデンサC3の劣化又は負荷LDのトルク定数の変動により、第3のコンデンサC3の電圧+V1が指令電圧CVよりも低くなる電圧不足が生じる場合も考えられる。図51及び図52を参照すると、第2の正電圧ラインPL2つまり第1のコンデンサC1からトランジスタTr7に電流が供給されるタイミング、即ち選択部101が第2の正電圧ラインPL2を選択するタイミングが存在する。しかしながら、G級増幅回路AMP3は、第2の正電圧ラインPL2の電圧+V2が出力電圧Voと軌を一にして下降しているので、トランジスタTr7のコレクタ−エミッタ間電圧を抑制できる。従って、G級増幅回路AMP3は、増幅部102での損失電力の増加を抑制できる。
なお、指令電圧CVが第2の正電圧ラインPL2の電圧+V2以上の場合には、選択部101は、第3の正電圧ラインPL3を選択する。G級増幅回路AMP3は、第3の正電圧ラインPL3が選択された場合には、第3の正電圧ラインPL3つまり第1の電源14から電流が供給されるので、増幅を行うことができる。
第1のコンデンサC1から第4のコンデンサC4までの静電容量を変更した場合のG級増幅回路AMP3の損失電力について説明する。
本発明者は、実施の形態4にかかるG級増幅回路AMP3についてシミュレーションを行った。シミュレーションの条件は、第1の電源14による電圧である+V3を+45Vとし、第2の電源15による電圧である−V3を−45Vとした。また、負荷LDをインダクタンスL=600mHと抵抗R=0.56Ωとの直列接続とした。また、閾値電圧+Vs=−Vs=0Vとした。また、パルス幅Δt=25μsとした。そして、ガルバノスキャナ5のミラー5aによりレーザ光の照射位置を1.0mmピッチ且つ1700pps(point per second)で移動させることを繰り返した場合における、G級増幅回路AMP3の各部の電圧、電流及び損失電力の変化についてシミュレーションを行った。レーザ光の照射位置の1.0mmピッチは、モータ5bの回転子の角度の0.3°ピッチに対応する。
図53は、実施の形態4にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図53は、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を10μFに固定した場合の、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量と増幅部102での損失電力との関係を示す図である。
図53に示すように、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を200μFにすると、増幅部102での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
図54は、実施の形態4にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図54は、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を12μFに固定した場合の、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量と増幅部102での損失電力との関係を示す図である。
図54に示すように、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を200μFから500μFにすると、増幅部102での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
図55は、実施の形態4にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図55は、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を13μFに固定した場合の、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量と増幅部102での損失電力との関係を示す図である。
図55に示すように、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を400μFにすると、増幅部102での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
図56は、実施の形態4にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図56は、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を14μFに固定した場合の、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量と増幅部102での損失電力との関係を示す図である。
図56に示すように、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を300μFから400μFにすると、増幅部102での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
図57は、実施の形態4にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図57は、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を15μFに固定した場合の、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量と増幅部102での損失電力との関係を示す図である。
図57に示すように、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を300μFにすると、増幅部102での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
図58は、実施の形態4にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図58は、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を20μFに固定した場合の、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量と増幅部102での損失電力との関係を示す図である。
図58に示すように、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を300μFにすると、増幅部102での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
図53から図58までを勘案すると、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を10μFから20μFまでのいずれかに固定した場合には、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を200μFから500μFにすると、増幅部102での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
実施の形態4にかかるG級増幅回路AMP3は、特許文献1のG級増幅回路よりも電源の数を減らすことができる。これにより、実施の形態4にかかるG級増幅回路AMP3は、コストの低減、実装サイズの小型化及び信頼性の向上を実現することができる。
また、実施の形態4にかかるG級増幅回路AMP3は、損失電力を低減することができる。従って、G級増幅回路AMP3は、省エネルギーを図ることができる。また、G級増幅回路AMP3は、損失電力による熱を放熱するための放熱器具を小さくできるので、コストの低減、実装サイズの小型化及び信頼性の向上を実現することができる。
実施の形態5.
図59は、実施の形態5にかかるG級増幅回路の構成を示す図である。
図59は、実施の形態5にかかるG級増幅回路の構成を示す図である。
図59に示す実施の形態5にかかるG級増幅回路AMP4は、図44に示す実施の形態4にかかるG級増幅回路AMP3の電源部103に代えて、電源部113を備える。
電源部113では、第1のスイッチング素子Q1は、第3のコンデンサC3の一端と第1の電源14の高電位側との間に接続されている。第1のスイッチング素子Q1は、オン状態になったときに、第3のコンデンサC3の一端を第1の電源14に電気的に接続し、第1の電源14から第1のコンデンサC1及び第3のコンデンサC3に電力をチャージする。
電源部113では、第2のスイッチング素子Q2は、第4のコンデンサC4の一端と第2の電源15の低電位側との間に接続されている。第2のスイッチング素子Q2は、オン状態になったときに、第4のコンデンサC4の一端を第2の電源15に電気的に接続し、第2の電源15から第2のコンデンサC2及び第4のコンデンサC4に電力をチャージする。
本発明者は、実施の形態5にかかるG級増幅回路AMP4についてシミュレーションを行った。シミュレーションの条件は、第1の電源14による電圧+V3を+45Vとし、第2の電源15による電圧−V3を−45Vとした。また、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を15μFとし、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を47μFとした。また、負荷LDをインダクタンスL=600mHと抵抗R=0.56Ωとの直列接続とした。そして、ガルバノスキャナ5のミラー5aによりレーザ光の照射位置を1.0mmピッチ且つ1700pps(point per second)で移動させることを繰り返した場合における、G級増幅回路AMP4の各部の電圧、電流及び損失電力の変化についてシミュレーションを行った。レーザ光の照射位置の1.0mmピッチは、モータ5bの回転子の角度の0.3°ピッチに対応する。
図60から図63までは、実施の形態5にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図60は、実施の形態5にかかるG級増幅回路の出力電流Io、トランジスタTr6のエミッタ電圧、トランジスタTr6のコレクタ電圧及びトランジスタTr7のコレクタ電圧を示す図である。図61は、実施の形態5にかかるG級増幅回路の出力電流Io、トランジスタTr4のコレクタ電圧、トランジスタTr5のコレクタ電圧及びトランジスタTr5のエミッタ電圧を示す図である。図62は、実施の形態5にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo並びにトランジスタTr6からTr8までのコレクタ電流を示す図である。図63は、実施の形態5にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo並びにトランジスタTr3からTr5までのコレクタ電流を示す図である。
図60から図63までに示すように、G級増幅回路AMP4は、ガルバノスキャナ5を好適に駆動できる出力電圧Vo及び出力電流Ioを出力することが、シミュレーションにより確認できた。
図64及び図65は、実施の形態5にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図64は、実施の形態5にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo、出力電流Io並びにトランジスタTr6からTr8までの損失電力を示す図である。図65は、実施の形態5にかかるG級増幅回路の出力電圧Vo、出力電流Io並びにトランジスタTr3からTr5までの損失電力を示す図である。
増幅部102での損失電力、つまりトランジスタTr3からTr8までの損失電力の総和は、22.78Wになった。
図66は、実施の形態5にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図66は、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を10μFに固定した場合の、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量と増幅部102での損失電力との関係を示す図である。
図66に示すように、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を400μFから500μFにすると、増幅部102での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
図67は、実施の形態5にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図67は、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を13μFに固定した場合の、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量と増幅部102での損失電力との関係を示す図である。
図67に示すように、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を60μFから100μFにすると、増幅部102での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
図68は、実施の形態5にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図68は、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を15μFに固定した場合の、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量と増幅部102での損失電力との関係を示す図である。
図68に示すように、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を40μFから50μFにすると、増幅部102での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
図69は、実施の形態5にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図69は、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を20μFに固定した場合の、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量と増幅部102での損失電力との関係を示す図である。
図69に示すように、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を20μFから30μFにすると、増幅部102での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
図70は、実施の形態5にかかるG級増幅回路のシミュレーション結果を示す図である。詳しくは、図70は、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を25μFに固定した場合の、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量と増幅部102での損失電力との関係を示す図である。
図70に示すように、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を20μFにすると、増幅部102での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
図66から図70までを勘案すると、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の静電容量を10μFから25μFまでのいずれかに固定した場合には、第3のコンデンサC3及び第4のコンデンサC4の静電容量を20μFから500μFにすると、増幅部102での損失電力を好適に抑制できると考えられる。
実施の形態5にかかるG級増幅回路AMP4は、特許文献1のG級増幅回路よりも電源の数を減らすことができる。これにより、実施の形態5にかかるG級増幅回路AMP4は、コストの低減、実装サイズの小型化及び信頼性の向上を実現することができる。
また、実施の形態5にかかるG級増幅回路AMP4は、損失電力を低減することができる。従って、G級増幅回路AMP4は、省エネルギーを図ることができる。また、G級増幅回路AMP4は、損失電力による熱を放熱するための放熱器具を小さくできるので、コストの低減、実装サイズの小型化及び信頼性の向上を実現することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 レーザ加工装置、5 ガルバノスキャナ、5b モータ、11,51,101 選択部、12,52,102 増幅部、13,53,93,103,113 電源部、14,15 電源、54 チャージ制御部、Tr1,Tr2,Tr3,Tr4,Tr5,Tr6,Tr7,Tr8,Tr9,Tr10,Tr11,Tr12,Tr13,Tr14,Tr15,Tr16 トランジスタ、AMP,AMP1,AMP2,AMP3,AMP4 G級増幅回路、C1,C2,C3,C4 コンデンサ、LD 負荷。
Claims (8)
- 指令電圧が入力される入力ノードと、
前記入力ノードに入力された指令電圧に応じて、複数の電圧が夫々供給される複数のラインの内から1つのラインを選択する選択部と、
前記1つのラインに供給される電圧を使用して、増幅を行う増幅部と、
前記増幅部で増幅された電力を、印加される電圧の位相に対して流れる電流の位相が遅れる負荷へ出力する出力ノードと、
基準電位に接続された基準電位ノードと、
一端が前記出力ノードよりも正側で前記増幅部に接続され、前記基準電位を基準に正の第1の電圧が供給される第1の正電圧ラインと、
一端が前記出力ノードよりも負側で前記増幅部に接続され、前記基準電位を基準に負の前記第1の電圧が供給される第1の負電圧ラインと、
一端が前記出力ノードよりも正側で前記増幅部に接続され、前記基準電位を基準に正の第2の電圧が供給される第2の正電圧ラインと、
一端が前記出力ノードよりも負側で前記増幅部に接続され、前記基準電位を基準に負の前記第2の電圧が供給される第2の負電圧ラインと、
前記基準電位を基準に正の前記第2の電圧を前記第2の正電圧ラインに供給する第1の電源と、
前記基準電位を基準に負の前記第2の電圧を前記第2の負電圧ラインに供給する第2の電源と、
一端が前記第1の正電圧ラインに接続され、正の前記第1の電圧を前記第1の正電圧ラインに供給する第1のコンデンサと、
一端が前記第1の負電圧ラインに接続され、負の前記第1の電圧を前記第1の負電圧ラインに供給する第2のコンデンサと、
前記第1の電源の高電位側と前記第1のコンデンサの一端とを電気的に接続することにより前記第1のコンデンサに電力をチャージする制御を行い、前記第2の電源の低電位側と前記第2のコンデンサの一端とを電気的に接続することにより前記第2のコンデンサに電力をチャージする制御を行うチャージ制御部と、を含み、
前記増幅部は、
前記第1の正電圧ラインが前記選択部によって選択されている場合には、前記第1のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行い、前記第1の負電圧ラインが前記選択部によって選択されている場合には、前記第2のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行う
ことを特徴とするG級増幅回路。 - 前記第1のコンデンサは、
一端が前記第1の正電圧ラインに接続され、前記基準電位を基準に正の前記第1の電圧を前記第1の正電圧ラインに供給し、
前記第2のコンデンサは、
一端が前記第1の負電圧ラインに接続され、前記基準電位を基準に負の前記第1の電圧を前記第1の負電圧ラインに供給する
ことを特徴とする請求項1に記載のG級増幅回路。 - 前記第1のコンデンサは、
一端が前記第1の正電圧ラインに接続され、他端が前記第2の正電圧ラインに接続され、正の前記第1の電圧を前記第1の正電圧ラインに供給し、
前記第2のコンデンサは、
一端が前記第1の負電圧ラインに接続され、他端が前記第2の負電圧ラインに接続され、負の前記第1の電圧を前記第1の負電圧ラインに供給する
ことを特徴とする請求項1に記載のG級増幅回路。 - 指令電圧が入力される入力ノードと、
前記入力ノードに入力された指令電圧に応じて、複数の電圧が夫々供給される複数のラインの内から1つのラインを選択する選択部と、
前記1つのラインに供給される電圧を使用して、増幅を行う増幅部と、
前記増幅部で増幅された電力を、印加される電圧の位相に対して流れる電流の位相が遅れる負荷へ出力する出力ノードと、
基準電位に接続された基準電位ノードと、
一端が前記出力ノードよりも正側で前記増幅部に接続され、前記基準電位を基準に正の第1の電圧が供給される第1の正電圧ラインと、
一端が前記出力ノードよりも負側で前記増幅部に接続され、前記基準電位を基準に負の前記第1の電圧が供給される第1の負電圧ラインと、
一端が前記出力ノードよりも正側で前記増幅部に接続され、前記基準電位を基準に正の第2の電圧が供給される第2の正電圧ラインと、
一端が前記出力ノードよりも負側で前記増幅部に接続され、前記基準電位を基準に負の前記第2の電圧が供給される第2の負電圧ラインと、
一端が前記出力ノードよりも正側で前記増幅部に接続され、前記基準電位を基準に正の第3の電圧が供給される第3の正電圧ラインと、
一端が前記出力ノードよりも負側で前記増幅部に接続され、前記基準電位を基準に負の前記第3の電圧が供給される第3の負電圧ラインと、
前記基準電位を基準に正の前記第3の電圧を前記第3の正電圧ラインに供給する第1の電源と、
前記基準電位を基準に負の前記第3の電圧を前記第3の負電圧ラインに供給する第2の電源と、
一端が前記第2の正電圧ラインに接続され、他端が前記第3の正電圧ラインに接続され、正の前記第2の電圧を前記第2の正電圧ラインに供給する第1のコンデンサと、
一端が前記第2の負電圧ラインに接続され、他端が前記第3の負電圧ラインに接続され、負の前記第2の電圧を前記第2の負電圧ラインに供給する第2のコンデンサと、
一端が前記第1の正電圧ラインに接続され、他端が前記第2の正電圧ラインに接続され、正の前記第1の電圧を前記第1の正電圧ラインに供給する第3のコンデンサと、
一端が前記第1の負電圧ラインに接続され、他端が前記第2の負電圧ラインに接続され、負の前記第1の電圧を前記第1の負電圧ラインに供給する第4のコンデンサと、
前記第1の電源の高電位側と前記第3のコンデンサとを電気的に接続することにより前記第1のコンデンサ及び前記第3のコンデンサに電力をチャージする制御を行い、前記第2の電源の低電位側と前記第4のコンデンサとを電気的に接続することにより前記第2のコンデンサ及び前記第4のコンデンサに電力をチャージする制御を行うチャージ制御部と、を含み、
前記増幅部は、
前記第2の正電圧ラインが前記選択部によって選択されている場合には、前記第1のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行い、前記第1の正電圧ラインが前記選択部によって選択されている場合には、前記第3のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行い、前記第2の負電圧ラインが前記選択部によって選択されている場合には、前記第2のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行い、前記第1の負電圧ラインが前記選択部によって選択されている場合には、前記第4のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行う
ことを特徴とするG級増幅回路。 - 前記チャージ制御部は、
前記第1の電源の高電位側と前記第1のコンデンサの一端及び前記第3のコンデンサの他端とを電気的に接続することにより前記第1のコンデンサ及び前記第3のコンデンサに電力をチャージする制御を行い、前記第2の電源の低電位側と前記第2のコンデンサの一端及び前記第4のコンデンサの他端とを電気的に接続することにより前記第2のコンデンサ及び前記第4のコンデンサに電力をチャージする制御を行う
ことを特徴とする請求項4に記載のG級増幅回路。 - 前記チャージ制御部は、
前記第1の電源の高電位側と前記第3のコンデンサの一端とを電気的に接続することにより前記第1のコンデンサ及び前記第3のコンデンサに電力をチャージする制御を行い、前記第2の電源の低電位側と前記第4のコンデンサの一端とを電気的に接続することにより前記第2のコンデンサ及び前記第4のコンデンサに電力をチャージする制御を行う
ことを特徴とする請求項4に記載のG級増幅回路。 - 指令電圧が入力される入力ノードと、
前記入力ノードに入力された指令電圧に応じて、複数の電圧が夫々供給される複数のラインの内から1つのラインを選択する選択部と、
前記1つのラインに供給される電圧を使用して、増幅を行う増幅部と、
前記増幅部で増幅された電力を、印加される電圧の位相に対して流れる電流の位相が遅れる負荷へ出力する出力ノードと、
基準電位に接続された基準電位ノードと、
前記基準電位を基準に正の電圧を発生させる第1のコンデンサと、
前記基準電位を基準に負の前記電圧を発生させる第2のコンデンサと、
一端が前記第1のコンデンサの高電位側に接続され、他端が前記出力ノードよりも正側で前記増幅部に接続された正電圧ラインと、
一端が前記第2のコンデンサの低電位側に接続され、他端が前記出力ノードよりも負側で前記増幅部に接続された負電圧ラインと、
一端が前記第2のコンデンサの低電位側に接続され、他端が前記出力ノードよりも正側で前記増幅部に接続された第1の逆極性ラインと、
一端が前記第1のコンデンサの高電位側に接続され、他端が前記出力ノードよりも負側で前記増幅部に接続された第2の逆極性ラインと、
を含み、
前記増幅部は、
前記第2の逆極性ラインが前記選択部によって選択されている場合には、前記電流によって前記第1のコンデンサに電力をチャージし、
前記正電圧ラインが前記選択部によって選択されている場合には、前記第1のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行い、
前記第1の逆極性ラインが前記選択部によって選択されている場合には、前記電流によって前記第2のコンデンサに電力をチャージし、
前記負電圧ラインが前記選択部によって選択されている場合には、前記第2のコンデンサにチャージされている電力を消費して増幅を行う
ことを特徴とするG級増幅回路。 - 前記基準電位を基準に正の第2の電圧を発生させる第1の電源と、
前記基準電位を基準に負の前記第2の電圧を発生させる第2の電源と、
一端が前記第1の電源の高電位側に接続され、他端が前記出力ノードより正側で前記増幅部に接続された第2の正電圧ラインと、
一端が前記第2の電源の低電位側に接続され、他端が前記出力ノードより負側で前記増幅部に接続された第2の負電圧ラインと、
一端が前記基準電位ノードに接続され、他端が前記出力ノードより正側で前記増幅部に接続された第1の基準電圧ラインと、
一端が前記基準電位ノードに接続され、他端が前記出力ノードより負側で前記増幅部に接続された第2の基準電圧ラインと、
前記選択部は、
前記電流が前記出力ノードから前記負荷へ向かって流れる第1の期間では、前記第2の正電圧ライン、前記第1の正電圧ライン、前記第1の基準電圧ライン及び前記第1の逆極性ラインという順序でラインを選択し、前記電流が前記負荷から前記出力ノードへ向かって流れる第2の期間では、前記第2の負電圧ライン、前記第1の負電圧ライン、前記第2の基準電圧ライン及び前記第2の逆極性ラインという順序でラインを選択する
ことを特徴とする請求項7に記載のG級増幅回路。
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JP2016047441A JP2017163420A (ja) | 2016-03-10 | 2016-03-10 | G級増幅回路 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024104807A1 (de) * | 2022-11-18 | 2024-05-23 | Robert Bosch Gmbh | Verstärkervorrichtung und schallerzeugungssystem |
-
2016
- 2016-03-10 JP JP2016047441A patent/JP2017163420A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024104807A1 (de) * | 2022-11-18 | 2024-05-23 | Robert Bosch Gmbh | Verstärkervorrichtung und schallerzeugungssystem |
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