JP5831443B2 - 電子制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電圧変換装置を備えた電子制御装置に関する。
近年、電圧変換装置であるスイッチング電源においては、大電流化およびスイッチング周波数の高周波化といったトレンドにより、発熱およびノイズなどの問題が顕在化している。なお、以降の説明では、便宜上「スイッチング」を「SW」とも称する。SWに伴い生じるノイズ(SWノイズ)の対策としては、従来から次のような手法が存在する。すなわち、SW素子の入力電圧(例えばMOSトランジスタのゲート電圧)を小さくし、SW素子の出力電圧(例えばMOSトランジスタのソース電圧)の電圧変化量を低下させることにより、SWノイズを抑制する手法である。しかし、上記手法では、SW素子の立ち上がり時間(ターンオン期間)が長くなるため、電力消費量および発熱量が増加してしまう。
このようなことから、上記問題の両方を抑制するための手法、つまり発熱を抑えながらSWノイズを低減できる手法が必要とされている。特許文献1には、立ち上がり時間を変更することなく固定した上で、SW素子の入力電圧を制御することにより、ターンオン期間の途中で出力電圧の電圧変化量を切り替える技術が開示されている。具体的には、特許文献1記載の技術では、SW素子をターンオンする際、その出力電圧が所定の閾値に達するまでの期間にあっては、電圧変化量を大きくする、つまり急峻に立ち上げる。そして、SW素子の出力電圧が閾値に達した後の期間にあっては、電圧変化量を小さくする、つまり緩やかに立ち上げる。このような制御によれば、閾値到達後には出力電圧が緩やかに立ち上がるため、ターンオン終盤の電圧変化量が小さくなってオーバーシュートの発生(ピーク電圧)が抑制され、その結果、ノイズが低減される。
特開2011−142815号公報
SW電源においてSWノイズが発生する要因としては、上記オーバーシュートよりも、次のような要因のほうが大きい。すなわち、例えば降圧型のSW電源である場合、ハイサイド側のSW素子の平滑回路側の主端子(例えばMOSトランジスタのソース)には平滑回路を構成する整流素子またはロウサイド側のSW素子(同期整流の場合)などの半導体素子が接続される。一般に、このような半導体素子には寄生の容量成分(寄生容量、浮遊容量)が存在する。そのため、ハイサイド側のSW素子がターンオンされる瞬間に、その容量成分を通じて逆方向電流が流れ、その逆方向電流と回路内の寄生LC成分とが共振することにより、大きなSWノイズが発生する。
上記従来技術では、このような逆方向電流により発生するSWノイズを低減することについては考慮されていない。さらに、上記従来技術では、逆方向電流により発生するSWノイズを増大させるおそれがある。すなわち、逆方向電流は、上記した寄生容量成分の静電容量値およびSW素子の出力電圧の電圧変化量に比例する。そのため、上記従来技術のように、閾値到達前までに急峻にスイッチング素子の出力電圧を立ち上げると、電圧変化量が大きくなるために逆方向電流が大きくなり、それに伴うSWノイズが一層増大する。
つまり、上記従来技術では、SWノイズ発生の主たる要因ではないオーバーシュートを抑えるための制御を行った結果、SWノイズ発生の主たる要因である逆方向電流に伴うSWノイズが増大することになる。従って、上記従来技術によれば、総合的に見た場合、SWノイズの低減効果が得られないばかりか、SWノイズが増加するおそれもある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スイッチング素子のターンオン時おける逆方向電流に起因するスイッチングノイズの発生を抑制することができる電圧変換装置を備えた電子制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の電子制御装置は、電圧変換装置および電圧変換装置から電力の供給を受けて動作する制御処理装置を備えている。そのうち、電圧変換装置は、スイッチング素子、平滑回路、電圧制御回路、駆動回路およびターンオン抑制手段を備えている。スイッチング素子は、直流電源から供給される直流電力をスイッチングする。平滑回路は、スイッチング素子によりスイッチングされた電力を平滑化して出力する。電圧制御回路は、平滑回路の出力に基づいてスイッチング素子の駆動を制御する制御信号を生成する。駆動回路は、制御信号に基づいてスイッチング素子を駆動する。ターンオン抑制手段は、スイッチング素子のターンオン速度を抑制する抑制動作を実行可能なものである。
さて、従来技術の説明でも述べたように、スイッチング素子の出力端子、つまりスイッチング素子の平滑回路側の主端子には、平滑回路を構成する整流素子、トランジスタなどの半導体素子が接続され、その半導体素子には寄生容量が存在する。一般に、このような半導体素子の寄生容量は、その端子間電圧(逆バイアス電圧)がゼロのとき(電圧非印加時)が最も大きく、印加される端子間電圧が増加するにつれて減少する。そして、スイッチング素子のターンオン時に生じる逆方向電流は、寄生容量の静電容量値およびスイッチング素子の出力端子の電圧変化量(dv/dt)に比例する。本手段では、このような点に着目し、ターンオン抑制手段による抑制動作を以下のように行うことで、逆方向電流によるスイッチングノイズを低減するようにしている。
すなわち、ターンオン抑制手段は、スイッチング素子がターンオンするターンオン期間の開始から所定時間が経過するまでの期間(以下、第1期間と称す)は、抑制動作を実行する。つまり、第1期間では、ターンオン抑制手段によってスイッチング素子のターンオン速度が抑制される。それにより、スイッチング素子は、その出力端子の電圧変化量が小さく抑えられた状態で緩やかに立ち上げられる。また、ターンオン抑制手段は、第1期間の後の期間(以下、第2期間と称す)は、抑制動作を停止する。つまり、第2期間では、ターンオン抑制手段によってスイッチング素子のターンオン速度が抑制されない。それにより、スイッチング素子は、その出力端子の電圧変化量が大きくなった状態で急峻に立ち上げられる。
このように、本手段では、寄生容量への印加電圧が比較的小さく、その静電容量値が比較的大きくなる第1期間にはスイッチング素子を緩やかに立ち上げる。これにより、ターンオンの前半における電圧変化量が低く抑えられて、特には立ち上がりの瞬間に流れる逆方向電流が小さくなり、スイッチングノイズの発生が低減される。そして、寄生容量への印加電圧が比較的大きく、その静電容量値が比較的小さくなる第2期間にはスイッチング素子を急峻に立ち上げる。これにより、ターンオンの後半における電圧変化量が上昇して、全体的なターンオン期間(立ち上がり時間)が長くなることが抑えられる。しかも、第2期間では、第1期間に比べ、スイッチング素子の出力電圧が高くなっていることから寄生容量の静電容量値が小さくなる。そのため、出力電圧の電圧変化量が大きくなっても逆方向電流の大きさが低く抑えられる。すなわち、ターンオン期間を長くすることなく、そのターンオン期間の全般にわたって逆方向電流の発生が低く抑えられる。従って、本手段によれば、電力消費量および発熱量が増加することを抑えつつ、ターンオン時の逆方向電流に伴うスイッチングノイズを低減することができるという効果が得られる。
そして、上記所定時間は、スイッチング素子の平滑回路側の主端子に接続された容量成分に応じて決定される。つまり、ターンオン抑制手段による抑制動作の実行および停止の切り替えタイミングが、上記容量成分に応じて決定される。スイッチング素子の平滑回路側の主端子(以下、出力端子と称す)に接続された寄生の容量成分の静電容量値およびその端子間電圧の関係は、それぞれの素子毎に異なる。従って、スイッチング素子の出力端子に接続される容量成分に応じて所定時間を設定すれば、ターンオン期間の全般にわたって逆方向電流の発生を低く抑える効果が一層顕著に得られる。
ターンオン抑制手段の具体的な構成例として、例えば請求項2に記載の手段を採用することができる。すなわち、請求項2に記載の駆動回路は、駆動部および電流供給部を備えている。駆動部は、スイッチング素子の制御端子に駆動電流を供給することにより、スイッチング素子をオン駆動する。電流供給部は、駆動部に対して駆動電流を供給する。このような構成において、ターンオン抑制手段は、電流供給部から出力される駆動電流を低下させることにより、抑制動作を実行する。つまり、例えばスイッチング素子がNチャネル型のMOSトランジスタであれば、制御端子であるゲートに供給される駆動電流が低下すると、ゲート電圧の上昇速度(電圧変化量)が低く抑えられる。これにより、ソース電圧の電圧変化量、つまりターンオン速度が抑制されることになる。また、例えばスイッチング素子がNPN形のバイポーラトランジスタであれば、制御端子であるベースに供給される駆動電流が低下すると、エミッタ電流が低く抑えられる。これにより、エミッタ電圧の電圧変化量、つまりターンオン速度が抑制されることになる。
第1の実施形態を示すもので、車両用電子制御装置の概略的な構成図 抑制動作制御回路の入出力信号の論理を示す図 トランジスタのゲート電圧およびソース電圧を示す図 SBDの逆バイアス電圧および寄生容量の関係を示す図 電源回路の1周期における各部の波形を示す図 トランジスタのソース電圧の周波数スペクトルを示す図 第2の実施形態を示す図1相当図 図2相当図 図5相当図 第3の実施形態を示す図1相当図 トランジスタのゲート電圧およびSBDの寄生容量の関係を示す図 第4の実施形態を示す図1相当図 トランジスタのゲート電圧、電源回路の出力電圧、トランジスタのドレイン電圧および平滑回路の入出力間電圧を示す図 図5相当図
以下、本発明の複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図6を参照しながら説明する。
図1に示す車両用電子制御装置1(電子制御装置に相当)は、例えば自動車などの車両に搭載されるものであり、電源回路2(電圧変換装置に相当)および制御処理装置3を備えている。電源回路2は、降圧型のスイッチング電源であり、その出力は制御処理装置3に供給される。制御処理装置3(負荷回路に相当)は、電源回路2から出力される電力の供給を受けて動作し、所定の制御および処理を実行する。
電源回路2は、トランジスタ4、平滑回路5、電圧制御回路6、駆動回路7および抑制動作制御回路8を備えている。電源回路2は、トランジスタ4の駆動をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、車載のバッテリ9(直流電源に相当)から供給される直流電力を降圧して出力する。なお、本実施形態では、電源回路2を構成する各素子のうち、平滑回路5を構成する素子のうちの一部(後述するインダクタL1およびコンデンサC1)を除く素子は、半導体集積回路(IC)として構成されている。
トランジスタ4(スイッチング素子に相当)は、Nチャネル型のMOSトランジスタである。トランジスタ4は、バッテリ9から制御処理装置3へと至る電源供給経路に介在する。トランジスタ4のドレインは、入力電源線10に接続されている。入力電源線10およびグランド線11(基準電源線に相当)の間には、バッテリ9からバッテリ電圧Vbが印加される。トランジスタ4のソース(平滑回路側の主端子に相当)は、ノードN1に接続されている。トランジスタ4のゲート(制御端子に相当)には、駆動回路7から駆動信号が与えられる。トランジスタ4は、そのスイッチング動作により、バッテリ電圧Vbをパルス状の電圧に変換して出力する。
平滑回路5は、トランジスタ4から出力されるパルス状の電圧を整流および平滑して出力する。平滑回路5は、整流用(還流用)のダイオードD1、平滑用のインダクタL1および平滑用のコンデンサC1を備えている。ダイオードD1は、ショットキーバリアダイオードである。ダイオードD1は、ノードN1およびグランド線11の間に、グランド線11側をアノードとして接続されている。一般に、ダイオードには、寄生の容量成分(寄生容量)が存在する。そこで、図1では、ダイオードD1のアノード・カソード間の寄生容量Cacを破線にて示している。インダクタL1は、ノードN1および出力電源線12の間に接続されている。コンデンサC1は、出力電源線12およびグランド線11の間に接続されている。出力電源線12およびグランド線11を介して出力される出力電圧Voは、制御処理装置3に与えられる。
駆動回路7は、電圧制御回路6から与えられる制御信号Sa(デューティ信号)に基づいて、トランジスタ4をオン駆動またはオフ駆動する。具体的には、駆動回路7は、制御信号SaがHighレベル(以下、Hレベルとも称する)である期間、トランジスタ4をオン駆動する。また、駆動回路7は、制御信号SaがLowレベル(以下、Lレベルとも称する)である期間、トランジスタ4をオフ駆動する。
駆動回路7は、駆動部13および電流供給部14を備えている。図示は省略するが、駆動部13は、その出力段に、2つのスイッチング素子からなるプッシュプル回路を備えている。駆動部13のハイサイド側のスイッチング素子がオンすることにより、電流供給部14から供給される駆動電流Idがトランジスタ4のゲートに供給される。これにより、トランジスタ4のゲート容量が充電されてゲート電圧Vgが上昇し、トランジスタ4がターンオンする。また、駆動部13のロウサイド側のスイッチング素子がオンすることにより、トランジスタ4のゲートからグランド線11へと至る放電経路が形成される。これにより、トランジスタ4のゲート容量が放電されてゲート電圧Vgが低下し、トランジスタ4がターンオフする。なお、本実施形態では、ゲート電圧Vgのことを、トランジスタ4の入力電圧とも称する。
電流供給部14は、駆動部13に対して駆動電流Idを供給する。電流供給部14は、定電流源15、16およびスイッチ17を備えている。定電流源15は、バッテリ電圧Vbよりも高い電圧Vddの供給端子である電源端子18から電源の供給を受けて第1の電流値I1の定電流を出力する。定電流源16は、電源端子18から電源の供給を受けて第2の定電流値I2の定電流を出力する。定電流源15の出力端子は、電流供給部14の出力端子、つまり駆動電流Idの出力端子に接続されている。定電流源16の出力端子は、スイッチ17を通じて電流供給部14の出力端子に接続されている。スイッチ17のオン/オフ(開閉)は、抑制動作制御回路8から出力される抑制制御信号Sbに応じて制御される。具体的には、スイッチ17は、抑制制御信号SbがHレベルのときにオフし、Lレベルのときにオンする。
上記構成により、電流供給部14は、出力する駆動電流Idの大きさが2段階に切り替えられる。すなわち、抑制制御信号SbがHレベルのとき、スイッチ17がオフするため、駆動電流Idの電流値は、「I1」となる。一方、抑制制御信号SbがLレベルのとき、スイッチ17がオンするため、駆動電流Idの電流値は、「I1+I2」となる。このように、電流供給部14から出力される駆動電流Idは、抑制制御信号SbがHレベルのときに比較的小さくなり、Lレベルのときに比較的大きくなる。言い換えれば、抑制制御信号SbがHレベルのときの駆動電流Id(=I1)は、抑制制御信号SbがLレベルのときの駆動電流Id(=I1+I2)に比べて抑制された電流となる。なお、電流値I1、I2をどのような値に設定するかについては後述する。電流供給部14から出力される駆動電流Idの電流値により、ターンオンする際のトランジスタ4のゲート電圧Vgの上昇速度、ひいてはトランジスタ4の立ち上がり時間が決定される。
電圧制御回路6は、出力電圧Voの目標値およびフィードバックされた出力電圧Voの差に基づいて駆動回路7に出力する制御信号Saのデューティ比を変化させ、出力電圧Voが目標値に一致するように制御する。つまり、電源回路2は、電圧モード制御のスイッチング電源となっている。電圧制御回路6は、基準電圧生成回路19、OPアンプ20、三角波信号生成回路21およびコンパレータ22を備えている。基準電圧生成回路19は、例えばバンドギャップリファレンス回路であり、出力電圧Voの目標値(例えば+5V)と同じ、または、それに応じた基準電圧Vrを生成する。OPアンプ20の反転入力端子には、出力電圧Vo(平滑回路5の出力電圧)、または、それを分圧した電圧が入力される(フィードバックされる)。OPアンプ20の非反転入力端子には、基準電圧Vrが入力される。OPアンプ20は、フィードバック電圧(出力電圧Voまたはその分圧電圧)および基準電圧Vrの差を増幅した誤差信号を出力する。
三角波信号生成回路21は、PWM周期に応じた周波数を持つ三角波信号(PWMのキャリア波)を生成する。コンパレータ22の非反転入力端子には、OPアンプ20から出力される誤差信号が入力される。コンパレータ22の反転入力端子には、三角波生成回路20から出力される三角波信号が入力される。上記構成によれば、コンパレータ22の出力信号は、三角波信号に同期するとともに、フィードバック電圧および基準電圧Vrを比較した結果に応じて変化する。コンパレータ22の出力信号は、制御信号Saとして駆動回路7および抑制動作制御回路8に与えられる。なお、制御信号Saは、フィードバック電圧が基準電圧Vrより大きい期間にはLレベルとなり、フィードバック電圧が基準電圧Vrより小さい期間にはHレベルとなる。
抑制動作制御回路8には、トランジスタ4のソース電圧Vs(ノードN1の電圧)および電圧制御回路6から出力される制御信号Saが入力されている。なお、本実施形態では、ソース電圧Vsのことを、トランジスタ4の出力電圧とも称する。抑制動作制御回路8は、それら電圧および信号に基づいて、抑制制御信号Sbを生成する。抑制動作制御回路8は、閾値電圧生成回路23、コンパレータ24、NOT回路25およびAND回路26を備えている。閾値電圧生成回路23は、第1閾値電圧V1を生成する。なお、第1閾値電圧V1をどのような値に設定するかについては後述する。
コンパレータ24の非反転入力端子には、ソース電圧Vsが入力される。コンパレータ24の反転入力端子には、第1閾値電圧V1が入力される。コンパレータ24の出力信号は、NOT回路25に入力される。NOT回路25の出力信号は、AND回路26の一方の入力端子に入力される。AND回路26の他方の入力端子には、制御信号Saが入力される。AND回路26の出力信号は、抑制制御信号Sbとして駆動回路7の電流供給部14に与えられる。
このような構成の抑制動作制御回路8の入出力信号の論理は、図2の真理値表に示すようになる。すなわち、制御信号SaがLレベルであるときは、トランジスタ4をターンオフするターンオフ期間に相当する。このターンオフ期間にあっては、トランジスタ4のソース電圧Vsの値に関係なく、抑制制御信号Sbは、Lレベルとなる。これに対し、制御信号SaがHレベルであるときは、トランジスタ4をターンオンするターンオン期間に相当する。このターンオン期間にあっては、トランジスタ4のソース電圧Vsに応じて抑制制御信号Sbの論理が変化する。
具体的には、ターンオン期間中、ソース電圧Vsが第1閾値電圧V1に達するまでの期間(制御信号Sa=Hレベル、コンパレータ24の出力信号=Lレベル)、抑制制御信号SbはHレベルとなる。そして、ターンオン期間中、ソース電圧Vsが第1閾値電圧V1に達した後の期間(制御信号Sa=Hレベル、コンパレータ24の出力信号=Hレベル)、抑制制御信号SbはLレベルとなる。
本実施形態において、抑制動作制御回路8は、トランジスタ4のターンオン速度を抑制する抑制動作を実行可能なターンオン抑制手段に相当する。抑制動作制御回路8による抑制動作は、次のように実現される。すなわち、抑制動作制御回路8は、トランジスタ4のターンオン期間(図3の時刻ta〜tcの期間であり、立ち上がり時間Trに相当)において、ターンオンの開始(図3の時刻ta)からソース電圧Vsが第1閾値電圧V1に達する時点(図3の時刻tb)までの期間(第1期間T1)、Hレベルの抑制制御信号Sbを出力する。これにより、電流供給部14から出力される駆動電流Idが抑制される(Id=I1)。そのため、第1期間T1では、トランジスタ4の入力電圧(ゲート電圧Vg)の上昇速度(電圧変化量)、つまりターンオン速度が抑制される(抑制動作の実行)。それにより、トランジスタ4は、その出力電圧(ソース電圧Vs)の電圧変化量が小さく抑えられた状態で緩やかに立ち上げられる。
また、抑制動作制御回路8は、ターンオン期間において、第1期間T1の終了時点(図3の時刻tb)からターンオン期間の終了時点(図3の時刻tc)までの期間(第2期間T2)、Lレベルの抑制制御信号Sbを出力する。これにより、電流供給部14から出力される駆動電流Idは抑制されない(Id=I1+I2)。そのため、第2期間T2では、トランジスタ4の入力電圧の上昇速度(電圧変化量)が抑制されない(抑制動作の停止)。それにより、トランジスタ4は、その出力電圧の電圧変化量が大きくなった状態で急峻に立ち上げられる。
さて、一定の電圧変化量でもってトランジスタをターンオンする従来の構成(以降、単に従来と呼ぶ場合、本構成のことを示す)の場合、ターンオン時の入力電圧の電圧変化量ΔVgは、下記(1)式により表される。ただし、ゲート電圧の最大値をVgmaxとし、立ち上がり時間をTrとしている。ゲート電圧の最大値は、ゲートを駆動する(ゲート容量を充電する)駆動回路の電源電圧に応じて定まる。
ΔVg=Vgmax/Tr …(1)
これに対し、本実施形態におけるターンオン時のゲート電圧Vgの電圧変化量は、次のように定められる。すなわち、第1期間T1におけるゲート電圧Vgの電圧変化量ΔVg1は、従来の電圧変化量ΔVgよりも小さい値に設定される(ΔVg1<ΔVg)。そして、第2期間T2におけるゲート電圧Vgの電圧変化量ΔVg2は、従来の電圧変化量ΔVgよりも大きい値に設定される(ΔVg2>ΔVg)。また、第1期間T1の電圧変化量ΔVg1および第2期間T2の電圧変化量ΔVg2は、上記各条件を満たした上で、全体の立ち上がり時間Trの長さが従来と同程度になるような値に設定される。
第1期間T1におけるゲート電圧Vgの電圧変化量ΔVg1は、定電流源15の電流値I1に応じて定まる。また、第2期間T2におけるゲート電圧Vgの電圧変化量ΔVg2は、定電流源15の電流値I1および定電流源16の電流値I2に応じて定まる。従って、電流値I1、I2は、上記したゲート電圧Vgの電圧変化量Vg1、Vg2に関する各条件を満たすように設定される。
ゲート電圧Vgの電圧変化量が切り替えられるタイミング、つまり抑制動作の実行および停止の切り替えタイミングは、第1閾値電圧V1の設定により定められる。本実施形態では、第1閾値電圧V1は、ダイオードD1の特性に基づいて以下のように決定される。すなわち、ショットキーバリアダイオード(以下、SBDとも称す)であるダイオードD1の逆バイアス電圧と寄生容量Cacの静電容量値との関係は、図4に示すようになる。ただし、図4は、片対数グラフとなっている。
図4に示すように、ダイオードD1の寄生容量Cacは、逆バイアス電圧(本実施形態の構成の場合、トランジスタ4のソース電圧Vsに相当する)が0Vのときに最も大きい値となっており、逆バイアス電圧がゼロから上昇するに従って急激に低下する。そして、ダイオードD1の寄生容量Cacは、逆バイアス電圧が所定の値(この場合、5V)に達すると、その後は、逆バイアス電圧の上昇に伴い緩やかに低下するものの、逆バイアス電圧が上記所定の値に達した時点から大きく低下することはない。本実施形態では、このようなダイオードD1の特性を考慮し、寄生容量Cacが大きく低下した時点においてゲート電圧Vgの電圧変化量が切り替えられるように、第1閾値電圧V1を上記所定の値、つまり5Vに設定している。
続いて、電源回路2の1周期における動作について、図5を参照しながら説明する。図5において、(a)は出力電圧Vo、(b)は制御信号Sa、(c)は抑制制御信号Sb、(d)は駆動電流Id、(e)はゲート電圧Vg、(f)はソース電圧Vs、(g)はダイオードD1の逆方向電流の波形を示す。なお、図5(e)、(f)、(g)には、従来の構成においてそれぞれに対応する波形を破線にて併記している。また、図5において、時刻t1以前の期間をA区間、時刻t1〜t2の期間をB区間、時刻t2〜t3の期間をC区間、時刻t3〜t4の期間をD区間、時刻t4〜t5の期間をE区間、時刻t5以降の期間をF区間と称す。
A区間では、出力電圧Voが基準電圧Vrより高いため、制御信号SaがLレベルとなっている。そのため、トランジスタ4のゲート電圧VgはOFF電圧(0V)に維持される。また、A区間では、抑制制御信号Sbは、Lレベルとなっている。そして、出力電圧Voが低下して基準電圧Vrを下回ると、制御信号SaがHレベルに転じる(時刻t1の時点)。これにより、トランジスタ4のゲート電圧Vgが上昇し始める。
また、このとき(時刻t1の時点)、抑制制御信号SbもHレベルに転じる。そのため、駆動電流Idが抑制された状態(Id=I1)となり、トランジスタ4のゲート電圧Vgは、従来の電圧変化量ΔVgより小さい電圧変化量ΔVg1でもって上昇する。これにより、トランジスタ4のソース電圧Vsが、ゲート電圧Vgの電圧変化量ΔVg1に応じた電圧変化量でもって上昇する。つまり、B区間では、トランジスタ4は、ソース電圧Vsの電圧変化量が従来の電圧変化量より小さい状態で、緩やかに立ち上げられる(ターンオンされる)。
その後、トランジスタ4のソース電圧Vsが上昇して第1閾値電圧V1を上回ると、抑制制御信号SbがLレベルに転じる(時刻t2の時点)。そのため、駆動電流Idの抑制が解除された状態(Id=I1+I2)となり、トランジスタ4のゲート電圧Vgは、従来の電圧変化量ΔVgより大きい電圧変化量ΔVg2でもって上昇する。これにより、トランジスタ4のソース電圧Vsが、ゲート電圧Vgの電圧変化量ΔVg2に応じた電圧変化量でもって上昇する。つまり、C区間では、トランジスタ4は、ソース電圧Vsの電圧変化量が従来の電圧変化量より大きい状態で、急峻に立ち上げられる(ターンオンされる)。
トランジスタ4のゲート電圧VgがON電圧(電圧Vdd)に達すると(時刻t3の時点)、その上昇が停止される。そのため、D区間では、ゲート電圧VgがON電圧に維持されてトランジスタ4のオン状態が維持される。その後、出力電圧Voが上昇して基準電圧Vrを上回ると、制御信号SaがLレベルに転じる(時刻t4の時点)。これにより、トランジスタ4のゲート電圧Vgが低下し始める。この場合、トランジスタ4のゲート電圧Vgは、ゲート容量の静電容量値およびゲート容量の放電経路のインピーダンスなどにより定まる電圧変化量でもって低下する。
これにより、トランジスタ4のソース電圧Vsが、ゲート電圧Vgの電圧変化量に応じた電圧変化量でもって低下する。つまり、E区間では、トランジスタ4が立ち下げられる(ターンオフされる)。トランジスタ4のゲート電圧VgがOFF電圧(0V)に達すると(時刻t5の時点)、その低下が停止される。そのため、F区間では、ゲート電圧VgがOFF電圧に維持されてトランジスタ4のオフ状態が維持される。なお、トランジスタ4がオフすると、そのソース電圧Vsは、0VよりもダイオードD1の順方向電圧Vfだけ低い電圧(−Vf)まで低下する。
上記構成によれば、次のような作用および効果が得られる。
トランジスタ4のソースには、平滑回路5を構成するダイオードD1(のカソード)が接続されている。そして、そのダイオードD1の端子間には寄生容量Cacが存在する。一般にダイオードは、逆バイアス電圧の上昇に伴い空乏層が広くなるため、その寄生容量の静電容量が小さくなる基本特性を持っている。そのため、ダイオードD1の寄生容量Cacは、その端子間に印加される逆バイアス電圧(ソース電圧Vs)がゼロのとき(電圧非印加時)が最も大きく、逆バイアス電圧が増加するにつれて減少する。そして、下記(2)式に示すように、トランジスタ4のターンオン時に生じる逆方向電流Iは、寄生容量Cacの静電容量値Cおよびトランジスタ4のソース電圧Vsの電圧変化量(dv/dt)に比例する。
I=C×(dv/dt) …(2)
本実施形態では、このような点に着目し、抑制動作制御回路8による抑制動作を以下のように行うことで、逆方向電流によるスイッチングノイズを低減するようにしている。すなわち、トランジスタ4がターンオンするターンオン期間の開始から所定時間が経過するまでの期間(図5のB区間)では、抑制動作が実行される。つまり、B区間では、トランジスタ4のターンオン速度が抑制され、ダイオードD1の逆バイアス電圧であるソース電圧Vsの電圧変化量が小さく抑えられた状態で緩やかに立ち上げられる。また、B区間の後のC区間では、抑制動作が停止される。つまり、C区間では、トランジスタ4のターンオン速度は抑制されず、ダイオードD1の逆バイアス電圧であるソース電圧Vsの電圧変化量が大きくなった状態で急峻に立ち上げられる。
このように、本実施形態では、ダイオードD1に印加される逆バイアス電圧が比較的小さく、その寄生容量Cacの静電容量値が比較的大きくなるB区間にはトランジスタ4を緩やかに立ち上げる。これにより、ターンオンの前半における電圧変化量が低く抑えられて、特には立ち上がりの瞬間に流れる逆方向電流が従来に比べて小さくなり(図5(g)参照)、スイッチングノイズの発生が低減される(図5(f)参照)。そして、ダイオードD1に印加される逆バイアス電圧が比較的大きく、その寄生容量Cacの静電容量値が比較的小さくなるC区間にはトランジスタ4を急峻に立ち上げる。これにより、ターンオンの後半における電圧変化量が上昇して、全体的なターンオン期間(立ち上がり時間)が長くなることが抑えられる。
C区間では、B区間に比べ、ダイオードD1の逆バイアス電圧(トランジスタ4のソース電圧Vs)が高くなっていることから寄生容量Cacの静電容量値が小さくなる。そのため、上記(2)式から明らかなように、ソース電圧Vsの電圧変化量(dv/dt)が大きくなっても逆方向電流の大きさが低く抑えられる(図5(g)参照)。すなわち、ターンオン期間を長くすることなく、そのターンオン期間の全般(期間BおよびC)にわたって逆方向電流の発生が低く抑えられる。このように逆方向電流の発生が抑えられると、電源回路2におけるスイッチングノイズの発生源である共振エネルギーの蓄積が抑えられる。
従って、図5におけるトランジスタ4のソース電圧Vsの電圧波形や、図6のソース電圧Vsの周波数スペクトルに示すように、LC共振周波数において発生するスイッチングノイズが、従来の構成(図5および図6に破線で示す)に比べて低く抑えられる。このように、本実施形態によれば、電力消費量および発熱量が増加することを抑えつつ、ターンオン時の逆方向電流に伴うスイッチングノイズを低減することができるという効果が得られる。
車両に搭載される電源回路(車載用途の電源回路)では、入力が大きく変動する場合であっても安定した電圧および電流を電源供給先(出力供給先の回路および装置)に供給できなければならない。なぜなら、一般に車載バッテリは、その出力電圧(バッテリ電圧)の電圧変動が大きいからである。そのため、車載用途の電源回路の構成としては、整流素子としてMOSトランジスタを用いる同期整流方式ではなく、整流素子としてダイオードを用いるダイオード整流方式が主流となっている。従来、ダイオード整流方式における整流用のダイオードとしては、高速駆動に対応できるスイッチングダイオードが採用されていた。しかし、近年、電源供給先のマイコンなどの電子部品の大電流化などに対応するべく、整流用のダイオードとして、大電流でも高速駆動することができるSBDが使用されることが多い。このような事情から、本実施形態の電源回路2では、ダイオード整流方式を採用するとともに、その整流用のダイオードD1としてSBDを用いている。
SBDは、逆バイアス電圧非印加時の寄生容量の静電容量値が高い。そのため、スイッチングノイズの原因となる逆方向電流が大きくなるといったデメリットがある。ただし、その寄生容量の静電容量値は、逆バイアス電圧の上昇に伴い、急激に低下する特性を持つ(図4参照)。従って、ダイオードD1としてSBDを使用した本実施形態の電源回路2によれば、車載用途の電源回路として好適である上、前述した手法によりSBDのデメリットである大きな逆方向電流の発生、ひいてはスイッチングノイズの発生を抑制することができる。
ダイオードの寄生容量の静電容量値および逆バイアス電圧の関係は、それぞれの素子毎に異なる。従って、使用するダイオードの特性に応じて、抑制動作の切り替えタイミング(B区間からC区間へ移行するタイミング)、つまり所定時間の長さを設定すれば、上記した効果が最大限に得られることになる。そこで、本実施形態では、使用するダイオードD1の特性を考慮し、寄生容量が急激に低下する期間に抑制動作が実行されるとともに、寄生容量が概ね低下しきった状態となる期間に抑制動作が停止されるように、第1閾値電圧V1を設定した。このようにしたことで、ダイオードD1の寄生容量が比較的大きい期間に抑制動作が実行されるとともに、ダイオードD1の寄生容量が概ね最小である期間に抑制動作が停止されることになる。そのため、本実施形態によれば、ターンオン期間が長くなることを抑制する効果と、スイッチングノイズを低減する効果とを最大限に得ることができる。
車載用途の電源回路は、車載バッテリから供給されるバッテリ電圧が入力されるため、携帯電話機などの民生品に搭載される電源回路(民生用途の電源回路)に比べると、その入力電圧が高い。降圧型のスイッチング電源において、入力される電圧(トランジスタ4のドレイン電圧)が高いということは、そのスイッチング用のトランジスタの出力電圧(トランジスタ4のソース電圧Vs)のピーク値が高くなることを意味する。スイッチングの周期が同一であれば、出力電圧のピーク値が高くなるほど、その電圧変化量は大きくなり、その結果、逆方向電流も大きくなる。つまり、車載用途の電源回路2では、民生用途の電源回路に比べ、逆方向電流によるスイッチングノイズの問題が顕在化する。しかし、本実施形態によれば、ターンオン期間の全般にわたって逆方向電流の発生そのものが抑えられるため、車載用途の電源回路2においても、逆方向電流によるスイッチングノイズの発生を効果的に抑制することができる。
(第2の実施形態)
以下、第1の実施形態に対し、電源回路の構成を変更した本発明の第2の実施形態について図7〜図9を参照しながら説明する。
図7に示す本実施形態の電源回路31(電圧変換装置に相当)は、図1に示した第1の実施形態の電源回路2に対し、抑制動作制御回路8に代えて抑制動作制御回路32を備えている点が異なる。抑制動作制御回路32は、抑制動作制御回路8が備える構成に加え、さらに、OR回路33およびNOT回路34を備えている。
この場合、AND回路26の出力信号は、OR回路33の一方の入力端子に入力される。また、制御信号Saは、NOT回路34にも入力される。NOT回路34の出力信号は、OR回路33の他方の入力端子に入力される。OR回路33の出力信号は、抑制制御信号Sbとして駆動回路7の電流供給部14に与えられる。
このような構成の抑制動作制御回路32の入出力信号の論理は、図8の真理値表に示すようになる。すなわち、制御信号SaがLレベルであるとき、つまりトランジスタ4のターンオフ期間にあっては、トランジスタ4のソース電圧Vsの値に関係なく、抑制制御信号Sbは、Hレベルとなる。これに対し、制御信号SaがHレベルであるとき、つまりトランジスタ4のターンオン期間にあっては、第1の実施形態の抑制動作制御回路8と同様に、トランジスタ4のソース電圧Vsに応じて抑制制御信号Sbの論理が変化する。
上記構成の電源回路31は、第1の実施形態の電源回路2に対し、トランジスタ4をターンオフするターンオフ期間における動作が次のように異なる。すなわち、図9に示すように、D区間からE区間に移行する際(時刻t4の時点)、抑制制御信号SbがHレベルに転じる。これにより、駆動電流Idが抑制された状態(Id=I1)となる。つまり、ターンオフ期間が開始される直前に駆動電流Idが抑制される。そのため、ターンオフ期間が開始される時点において、トランジスタ4のゲート容量に蓄えられている電荷が第1の実施形態に比べ若干少なくなる。従って、トランジスタ4のゲート電圧Vgは、第1の実施形態の電圧変化量(図9(e)に一点鎖線で示す)に比べて大きい電圧変化量でもって低下する。これにより、トランジスタ4のソース電圧Vsも、第1の実施形態の電圧変化量(図9(f)に一点鎖線で示す)に比べて大きい電圧変化量でもって低下する。
このように、本実施形態の構成では、E区間において、トランジスタ4が、第1の実施形態の構成に比べて高速に(急峻に)立ち下げられる(ターンオフされる)。そのため、第1の実施形態に比べてトランジスタ4のターンオフ期間が短くなり、ターンオフ期間における損失が低減する。従って、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる上、さらに、電力消費量および発熱量を一層抑えることができる。
(第3の実施形態)
以下、第1の実施形態に対し、電源回路の構成を変更した本発明の第3の実施形態について図10および図11を参照しながら説明する。
図10に示す本実施形態の電源回路41(電圧変換装置に相当)は、図1に示した第1の実施形態の電源回路2に対し、抑制動作制御回路8に代えて抑制動作制御回路42を備えている点が異なる。抑制動作制御回路42は、抑制動作制御回路8に対し、閾値電圧生成回路23に代えて閾値電圧生成回路43を備えている点と、トランジスタ4のソース電圧Vsに代えてゲート電圧Vgが与えられる点とが異なる。閾値電圧生成回路43は、第2閾値電圧V2を生成する。なお、第2閾値電圧V2をどのような値に設定するかについては後述する。この場合、コンパレータ24の非反転入力端子にはゲート電圧Vgが入力され、反転入力端子には第2閾値電圧V2が入力される。
本実施形態では、ゲート電圧Vgの電圧変化量が切り替えられるタイミング、つまり抑制動作の実行および停止の切り替えタイミングは、第2閾値電圧V2の設定により定められる。第2閾値電圧V2は、ダイオードD1の特性に基づいて以下のように決定される。すなわち、ゲート電圧VgとダイオードD1の寄生容量Cacの静電容量値との関係は、図11に示すようになる。なお、図11には、ダイオードD1の逆バイアス電圧(ソース電圧Vs)と寄生容量Cacの静電容量値との関係を破線で併記している。
図11に示すように、ゲート電圧Vgおよび寄生容量の関係を示す特性曲線(実線)は、逆バイアス電圧であるソース電圧Vsおよび寄生容量の関係を示す特性曲線(破線)に対し、横軸(電圧)のプラス方向に平行移動(シフト)した形となっている。これは、トランジスタ4のゲートスレッショルド電圧などの影響により、ゲート電圧Vgの立ち上がりに対して所定の遅延時間の経過後にソース電圧Vsが立ち上がりを開始し、ゲート電圧Vgに追従して変化するからである。このような点を考慮し、本実施形態では、第2閾値電圧V2を、第1閾値電圧V1(5V)に対し、上記した各特性曲線のシフト分と同等だけ高くした値に設定している。これにより、本実施形態の構成によっても、第1の実施形態と同様に、寄生容量Cacが大きく低下した時点においてゲート電圧Vgの電圧変化量が切り替えられる。
以上説明した本実施形態の構成によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。ただし、本実施形態のようにゲート電圧Vgに基づいて抑制動作の切り替えタイミング(所定時間)を設定する方法は、第1の実施形態のようにダイオードD1の逆バイアス電圧そのものであるソース電圧Vsに基づいて設定する手法に比べ、その設定が煩雑になる。しかし、ゲート電圧Vgは、ソース電圧Vsに比べ、その電圧変動が少ない(ノイズが少ない)。そのため、本実施形態の構成には、抑制動作の切り替えタイミングがノイズなどの影響により変動する可能性が少なくなくなるというメリットがある。
(第4の実施形態)
以下、第1の実施形態に対し、電源回路の構成を変更した本発明の第4の実施形態について図12〜図14を参照しながら説明する。
図12に示すように、本実施形態の電源回路51(電圧変換装置に相当)は、昇圧型のスイッチング電源となっている点が、第1の実施形態の電源回路2と異なる。電源回路51は、トランジスタ52、インダクタL51、平滑回路53、電圧制御回路54、駆動回路7および抑制動作制御回路55を備えている。電源回路51は、トランジスタ52の駆動をPWM制御することにより、バッテリ9から供給される直流電力を昇圧して出力する。なお、本実施形態では、電源回路51を構成する各素子のうち、インダクタL51および平滑回路53を構成する素子のうちの一部(コンデンサC1)を除く素子は、半導体集積回路(IC)として構成されている。
インダクタL51は、入力電源線10およびノードN51の間に接続されている。つまり、インダクタL51は、バッテリ9から制御処理装置3へと至る電源供給経路に介在する。トランジスタ52(スイッチング素子に相当)は、Nチャネル型のMOSトランジスタである。トランジスタ52のドレインは、ノードN51に接続されている。トランジスタ52のソースは、グランド線11に接続されている。つまり、トランジスタ4は、インダクタL51とグランド線11との間に介在する。トランジスタ52のゲートには、駆動回路7から駆動信号が与えられる。このような構成によれば、トランジスタ52がオン駆動される期間にインダクタL51に蓄積されたエネルギーがバッテリ電圧Vbに加算されることにより、ピーク値がバッテリ電圧Vbよりも高いパルス状の電圧(昇圧電圧)がノードN51に発生する。
平滑回路53は、ノードN51に発生するパルス状の昇圧電圧を整流および平滑して出力する。平滑回路53は、整流用(還流用)のダイオードD51および平滑用のコンデンサC1を備えている。ダイオードD51は、ダイオードD1と同様にSBDである。ダイオードD51は、ノードN51および出力電源線12の間に、ノードN51側をアノードとして接続されている。ダイオードD51は、ダイオードD1と同様に寄生容量Cacを有している(図12に破線で示す)。
電圧制御回路54は、電圧制御回路6と同様に、出力電圧Voの目標値およびフィードバックされた出力電圧Voの差に基づいて駆動回路7に出力する制御信号Saのデューティ比を変化させ、出力電圧Voが目標値に一致するように制御する。従って、電圧制御回路54は、電圧制御回路6と概ね同様の構成となっている。ただし、電源回路51が昇圧型のスイッチング電源であるため、電圧制御回路54は、電圧制御回路6に対し、OPアンプ20の各入力端子に与えられる電圧が入れ替えられている。
すなわち、OPアンプ20の非反転入力端子には、出力電圧Vo(平滑回路53の出力電圧)、または、それを分圧した電圧が入力される。OPアンプ20の反転入力端子には、基準電圧Vrが入力される。このような構成の電圧制御回路54によれば、コンパレータ22の出力信号である制御信号Saは、フィードバック電圧が基準電圧Vrより小さい期間にはLレベルとなり、フィードバック電圧が基準電圧Vrより大きい期間にはHレベルとなる。
抑制動作制御回路55(ターンオン抑制手段に相当)は、抑制動作制御回路8と同様の構成となっている。ただし、電源回路51が昇圧型のスイッチング電源であるため、抑制動作制御回路55には、トランジスタ52のソース電圧ではなく、平滑回路53の入出力間電圧Vacが入力されている。平滑回路53の入出力間電圧とは、ダイオードD51のアノードの電位を基準としたダイオードD51のカソードの電圧であり、ダイオードD51の逆バイアス電圧に相当する。このような構成の抑制動作制御回路55の入出力信号の論理は、抑制動作制御回路8と同様に、図2の真理値表に示すようになる。
上記構成では、トランジスタ52のゲート電圧Vg(図13(a)参照)およびドレイン電圧Vd(図13(c)参照)は、逆位相で変化する。そのため、出力電圧Vo(図13(b)参照)およびドレイン電圧Vdの差分に相当する平滑回路53の入出力間電圧Vac(図13(d)参照)が、ゲート電圧Vgに追従して変化する。前述したとおり、平滑回路53の入出力間電圧Vacは、ダイオードD51の逆バイアス電圧に相当する。そこで、本実施形態では、平滑回路53の入出力間電圧Vacおよび第1閾値電圧V1の比較結果に基づいて、ゲート電圧Vgの電圧変化量の切り替えを行う構成としている。
続いて、電源回路51の1周期における動作について、図14を参照しながら説明する。図14において、(a)は出力電圧Vo、(b)は制御信号Sa、(c)は抑制制御信号Sb、(d)は駆動電流Id、(e)はゲート電圧Vg、(f)は平滑回路53の入出力間電圧Vac、(g)はダイオードD51の逆方向電流を示す。
A区間では、出力電圧Voが基準電圧Vrより低いため、制御信号SaがLレベルレベルとなっている。そのため、トランジスタ52のゲート電圧VgはOFF電圧(0V)に維持される。また、A区間では、抑制制御信号SbはLレベルとなっている。そして、出力電圧Voが上昇して基準電圧Vrを上回ると、制御信号SaがHレベルに転じる(時刻t1の時点)。これにより、トランジスタ52のゲート電圧Vgが上昇し始める。
また、このとき(時刻t1の時点)、抑制制御信号SbもHレベルに転じる。そのため、駆動電流Idが抑制された状態(Id=I1)となり、トランジスタ52のゲート電圧Vgは、従来の電圧変化量ΔVgより小さい電圧変化量ΔVg1でもって上昇する。これにより、平滑回路53の入出力間電圧Vacが、ゲート電圧Vgの電圧変化量ΔVg1に応じた電圧変化量でもって上昇する。つまり、B区間では、トランジスタ52は、平滑回路53の入出力間電圧Vacの電圧変化量が従来の電圧変化量より小さい状態となるように、緩やかに立ち上げられる(ターンオンされる)。
その後、平滑回路53の入出力間電圧Vacが上昇して第1閾値電圧V1を上回ると、抑制制御信号SbがLレベルに転じる(時刻t2の時点)。そのため、駆動電流Idの抑制が解除された状態(Id=I1+I2)となり、トランジスタ52のゲート電圧Vgは、従来の電圧変化量ΔVgより大きい電圧変化量ΔVg2でもって上昇する。これにより、平滑回路53の入出力間電圧Vacが、ゲート電圧Vgの電圧変化量ΔVg1に応じて電圧変化量でもって上昇する。つまり、C区間では、トランジスタ52は、平滑回路53の入出力間電圧Vacの電圧変化量が従来の電圧変化量より大きい状態となるように、急峻に立ち上げられる(ターンオンされる)。
トランジスタ52のゲート電圧VgがON電圧に達すると(時刻t3の時点)、その上昇が停止される。そのため、D区間では、ゲート電圧VgがON電圧に維持されてトランジスタ52のオン状態が維持される。その後、出力電圧Voが低下して基準電圧Vrを下回ると、制御信号SaがLレベルに転じる(時刻t4の時点)。これにより、トランジスタ52のゲート電圧Vgが低下し始める。この場合、トランジスタ52のゲート電圧Vgは、ゲート容量の静電容量値およびゲート容量の放電経路のインピーダンスなどにより定まる電圧変化量でもって低下する。
これにより、平滑回路53の入出力間電圧Vacが、ゲート電圧Vgの電圧変化量に応じた電圧変化量でもって低下する。つまり、E区間では、トランジスタ52が立ち下げられる(ターンオフされる)。トランジスタ52のゲート電圧VgがOFF電圧(0V)に達すると(時刻t5の時点)、その低下が停止される。そのため、F区間では、ゲート電圧VgがOFF電圧に維持されてトランジスタ52のオフ状態が維持される。なお、トランジスタ52がオフすると、平滑回路53の入出力間電圧Vacは、−Vfとなる(VfはダイオードD51の順方向電圧)。ただし、電源回路2の負荷である制御処理装置3の動作状態などに応じて出力電圧Voが変動する場合、トランジスタ52がオフしているときの入出力間電圧Vacは、その変動に応じて上記値から変動する。
以上説明したように、昇圧型のスイッチング電源に変更した本実施形態の電源回路51によっても、第1の実施形態の電源回路2と同様の作用および効果が得られる。なお、本実施形態の電源回路51に対し、第2の実施形態の電源回路31と同様の制御(ターンオフ時の制御)を適用することもできる。そうすれば、本実施形態によっても、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
トランジスタ4、52をターンオンするターンオン期間におけるB区間(第1期間T1)の長さ、つまり、ターンオン期間において抑制制御信号SbをHレベルとする(抑制動作を実行する)所定時間の長さは、適宜変更することができる。前述したとおり、ダイオードは、逆バイアス電圧の非印加時に寄生容量が最も大きくなる。そのため、ターンオン期間の開始時点からB区間を設けさえすれば、その長さ(所定時間の長さ)に関わらず、ターンオン期間における逆方向電流の大きさが従来に比べて抑えられ、スイッチングノイズ低減の効果が得られる。
整流用のダイオードD1、D51としては、PN接合型のダイオードなど、他のダイオードであってもよい。どのようなダイオードであっても、ショットキーバリアダイオードと同様に寄生容量が存在するため、上記各実施形態による作用および効果が得られる。
直流電源から供給される直流電力をスイッチングするスイッチング素子としては、Nチャネル型のMOSトランジスタに限らずともよく、種々の半導体スイッチング素子を採用することができる。例えば、トランジスタ4としては、Pチャネル型のMOSトランジスタ、IGBT、バイポーラトランジスタを採用することができる。また、トランジスタ52としては、IGBT、NPN形のバイポーラトランジスタを採用することができる。
駆動回路の具体的な構成は、図1、図7、図10、図12などに示すものに限らずともよく、同様の機能を発揮する回路であれば適宜変更することができる。ただし、駆動回路の具体的な構成を変更する場合、その変更に応じてターンオン抑制手段の具体的な構成を変更する必要がある。また、ターンオン抑制手段の具体的な構成は、図1、図7、図10、図12などに示すものに限らずともよく、同様の機能を発揮する回路であれば適宜変更することができる。
上記各実施形態のように整流用のダイオードD1、D51を半導体集積回路に内蔵する構成に限らずともよく、ダイオードD1、D51を半導体集積回路の外部に設ける構成であってもよい。つまり、ダイオードD1、D51は、IC内蔵としてもよいし、外付けとしてもよい。なお、ダイオードD1、D51をIC内蔵にすれば、装置全体の小型化に寄与することができる。また、ダイオードD1、D51を外付けにすれば、用途に応じて容易に交換可能となるため、電源回路の設計自由度が高まる。
第2の実施形態の抑制動作制御回路32は、D区間からE区間へ移行する際に抑制制御信号SbをHレベルに転じさせる構成であったが、これを次のように変更してもよい。すなわち、抑制動作制御回路32は、D区間のうち、少なくともE区間(ターンオフ期間)に隣接する期間を含む期間において抑制制御信号SbをHレベルにする構成でもよい。このようにすれば、D区間の少なくとも終盤において駆動電流Idが抑制された状態となるため、ターンオフ期間が開始される時点においてゲート容量に蓄積されている電荷量が一層低下し、その分だけターンオン速度が向上する。従って、ターンオフ期間が一層短縮され、電力消費量および発熱量が一層低減される。
整流素子としてMOSトランジスタを用いる同期整流方式の電源回路の場合、そのMOSトランジスタのドレイン・ソース間に寄生容量が存在する。さらには、インダクタなど、他の回路素子にも寄生容量が存在する。従って、同期整流方式の電源回路においても、それら寄生容量の存在により、ダイオード整流方式の電源回路と同様の問題(ターンオン時の逆方向電流によるスイッチングノイズの発生)が存在する。従って、寄生容量の存在により生じる逆方向電流の発生自体を抑えることができる本発明は、同期整流方式の電源回路についても有益な効果を奏することができる。
上記各実施形態では、電圧モード制御の電源回路(電圧変換装置)を例に説明したが、これに限らずともよく、本発明は、電流モード制御の電源回路であっても適用することができる。また、上記各実施形態では、車両に搭載される車両用電子制御装置1が備える車載用途の電源回路を例に説明したが、これに限らずともよく、本発明は、民生用途など種々の用途の電子制御装置が備える電源回路に適用することができる。
図面中、1は車両用電子制御装置(電子制御装置)、2、31、41、51は電源回路(電圧変換装置)、3は制御処理装置(負荷回路)、4、52はトランジスタ(スイッチング素子)、5、53は平滑回路、6、54は電圧制御回路、7は駆動回路、8、32、42、55は抑制動作制御回路(ターンオン抑制手段)、9はバッテリ(直流電源)、11はグランド線(基準電源線)、13は駆動部、14は電流供給部、D1、D51はダイオード、L1、L51はインダクタを示す。

Claims (8)

  1. 電圧変換装置(2、31、41、51)と前記電圧変換装置(2、31、41、51)から電力の供給を受けて動作する制御処理装置(3)とを備えた電子制御装置であって、
    前記電圧変換装置(2、31、41、51)は、
    直流電源(9)から供給される直流電力をスイッチングするスイッチング素子(4、52)と、
    前記スイッチングされた電力を平滑化して出力する平滑回路(5、53)と、
    前記平滑回路(5、53)の出力に基づいて前記スイッチング素子(4、52)の駆動を制御する制御信号を生成する電圧制御回路(6、54)と、
    前記制御信号に基づいて前記スイッチング素子(4、52)を駆動する駆動回路(7)と、
    前記スイッチング素子(4、52)のターンオン速度を抑制する抑制動作を実行可能なターンオン抑制手段(8、32、42、55)と、
    を備え、
    前記ターンオン抑制手段(8、32、42、55)は、前記スイッチング素子(4、52)がターンオンするターンオン期間の開始から所定時間が経過するまでの期間は前記抑制動作を実行し、その後の期間は前記抑制動作を停止するように構成され、
    前記所定時間は、前記スイッチング素子(4、52)の前記平滑回路(5、53)側の主端子に接続された容量成分に応じて決定され、
    前記平滑回路(5、53)を構成する各素子のうち、前記スイッチング素子(4、52)の前記平滑回路(5、53)側の主端子に接続される素子は、寄生容量を有する素子であり、
    前記寄生容量は、前記主端子の電圧の増加に伴い低下することを特徴とする電子制御装置。
  2. 前記駆動回路(7)は、前記スイッチング素子の制御端子に駆動電流を供給することによりオン駆動する駆動部(13)と、前記駆動部に対して前記駆動電流を供給する電流供給部(14)とを備え、
    前記ターンオン抑制手段(8、32、42、55)は、前記電流供給部(14)から出力される駆動電流を低下させることにより、前記抑制動作を実行することを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。
  3. 前記平滑回路(5、53)を構成する各素子のうち、前記スイッチング素子(4、52)の前記平滑回路(5、53)側の主端子に接続される素子は、整流用のダイオード(D1、D51)であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子制御装置。
  4. 前記整流用のダイオード(D1、D51)は、ショットキーバリアダイオードであることを特徴とする請求項3に記載の電子制御装置。
  5. 前記所定時間は、前記ターンオン期間の開始から、前記スイッチング素子(4)の前記平滑回路(5)側の主端子の電圧が第1閾値電圧に達する時点までの時間に設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子制御装置。
  6. 前記所定時間は、前記ターンオン期間の開始から、前記スイッチング素子(4)の制御端子の電圧が第2閾値電圧に達する時点までの時間に設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子制御装置。
  7. 前記スイッチング素子(4)は、前記直流電源(9)から電力の供給先となる負荷回路(3)へと至る電源供給経路に直列に介在し、
    前記平滑回路(5)は、一方の端子が前記スイッチング素子(4)の前記平滑回路(5)側の主端子に接続されたインダクタ(L1)を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電子制御装置。
  8. 前記直流電源(9)から電力の供給先となる負荷回路(3)へと至る電源供給経路に直列に介在するインダクタ(L51)を備え、
    前記スイッチング素子(52)は、前記インダクタ(L51)と基準電源線(11)との間に介在することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電子制御装置。
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