JP2017162012A - 交通システムおよび自動改札機 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理負荷の増加を抑制することができる交通システムおよび自動改札機を提供することである。【解決手段】実施形態の交通システムは、取得部と、復号可否決定部と、復号処理部と、通過可否判定部と、を持つ。取得部は、第1の媒体に表示された表示オブジェクトから情報を光学的に読み取る第1の読取部から、表示オブジェクトから読み取られた情報に基づくオブジェクトデータを取得する。復号可否決定部は、オブジェクトデータに基づいて、オブジェクトデータに含まれる第1のデータであって、通過可否の判定基準となるデータを含む第1のデータを復号するか否かを決定する。復号処理部は、復号可否決定部により、第1のデータを復号すると決定された場合に、第1のデータを復号する。通過可否判定部は、復号処理部により復号された第1のデータに基づいて、利用者の通過可否を判定する。【選択図】図14

Description

本発明の実施形態は、交通システムおよび自動改札機に関する。
従来、各種情報がエンコードされた表示オブジェクトが表示された媒体から情報を光学的に読み取って、利用者の通過可否の判定処理を行う自動改札機が知られている。このような自動改札機を用いた従来の技術では、駅務に関係のない表示オブジェクトが表示された媒体が自動改札機に翳されると、自動改札機側での処理の負荷が増加してしまう場合があった。
特開2013−69105号公報 特開2014−38662号公報 特開2013−190851号公報
本発明が解決しようとする課題は、処理負荷の増加を抑制することができる交通システムおよび自動改札機を提供することである。
実施形態の交通システムは、取得部と、復号可否決定部と、復号処理部と、通過可否判定部と、を持つ。取得部は、第1の媒体に表示された表示オブジェクトから情報を光学的に読み取る第1の読取部から、表示オブジェクトから読み取られた情報に基づくオブジェクトデータを取得する。復号可否決定部は、取得部により取得されたオブジェクトデータに基づいて、オブジェクトデータに含まれる第1のデータであって、通過可否の判定基準となるデータを含む第1のデータを復号するか否かを決定する。復号処理部は、復号可否決定部により、オブジェクトデータに含まれる第1のデータを復号すると決定された場合に、第1のデータを復号する。通過可否判定部は、復号処理部により復号された第1のデータに基づいて、利用者の通過可否を判定する。
第1の実施形態における交通システム1の構成の一例を示す図。 第1の実施形態における自動改札機100を上方から見た図。 第1の実施形態における自動改札機100の光学読取部111を上方から見た図。 第1の実施形態の自動改札機100の主機110を通路側から見た図。 第1の実施形態における自動改札機100の機能構成の一例を示す図。 駅務用パラメータデータ174の一例を示す図。 オブジェクトデータの構造の一例を示す図。 オブジェクトデータの構造の他の例を示す図。 第1の実施形態におけるサーバ装置200の機能構成の一例を示す図。 暗号鍵情報222の一例を示す図。 第1の実施形態における交通システム1の処理の流れの一例を示すシーケンス図。 第1の実施形態における改札機側制御部150の処理の流れの一例を示すフローチャート。 第1の実施形態におけるサーバ装置200の処理の流れの一例を示すフローチャート。 第2の実施形態における自動改札機100Aの機能構成の一例を示す図。 第2の実施形態における改札機側制御部150Aの処理の流れの一例を示すフローチャート。 第3の実施形態における自動改札機100Bの機能構成の一例を示す図。
以下、実施形態の交通システム、および自動改札機を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における交通システム1の構成の一例を示す図である。本実施形態の交通システム1は、例えば、鉄道の駅における入出場を管理するために用いられる。以下、これを前提として説明する。交通システム1は、例えば、複数の自動改札機100と、サーバ装置200とを含んでよいが、これに限定されない。なお、交通システム1は、上述した例の他、例えば、バスやフェリーといった乗り物の乗車(乗船)や降車(降船)を管理するものに適用されてもよいし、飛行機等の搭乗や降機を管理するものに適用されてもよい。
自動改札機100は、例えば、駅の改札口に設けられる。自動改札機100は、図示しない券売機等により発行された乗車券TIXから情報を読み取ることによって、利用者の通過を許可または禁止する。乗車券TIXは、例えば、バーコード等の一次元コードや、QRコード(登録商標)等の二次元コードといった表示オブジェクトが、紙などの媒体に印刷された紙券(以下、コード表示券と称する)である。表示オブジェクトは、所定の暗号鍵を用いて暗号化された乗車券情報が、機械によって光学的に読み取り可能な形状・模様・色彩等に変換されたものである。乗車券情報とは、例えば、有効期間、乗車駅(発駅)、乗車可能区間、乗車券のそれぞれを識別する乗車券識別情報、乗車時刻、駅構内からの出場、或いは駅構内への入場を示す入出場コード等を含む情報である。なお、表示オブジェクトは、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末装置に表示されてもよい。また、表示オブジェクトは、機械によって内容が認識可能であると共に、人が視認することによって内容が認識できないものであれば如何なる態様であってもよい。
また、上述した乗車券TIXは、券の表面あるいは裏面に磁気記録面を有する磁気券であってもよいし、電子マネー等の情報を記憶することができる交通系ICカードであってもよい。本実施形態では、一例として、乗車券TIXを、コード表示券または磁気券として説明する。コード表示券は、「第1の媒体」の一例であり、磁気券は、「第2の媒体」の一例である。「第2の媒体」には、さらに交通系ICカードが含まれてもよい。
サーバ装置200は、例えば駅ごとに設けられ、無線や有線によって上述した自動改札機100と通信を行い、自動改札機100から取得した情報を処理し、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等を含むネットワークNWを介して、他駅に設けられたサーバ装置に送信する。なお、サーバ装置200は、駅外のネットワークに接続されてもよい。
以下、上述した自動改札機100およびサーバ装置200について説明する。まず自動改札機100について説明を行う。
図2は、第1の実施形態における自動改札機100を上方から見た図である。自動改札機100は、例えば、通路を挟んで対向配置される主機110と従機130とを含んでよい。主機110は、例えば、光学読取部111と、上面表示部112と、正面表示部113と、扉部114および115と、乗車券投入口116と、乗車券排出口117と、磁気券読取部118と、改札機側制御部150とを含んでよいが、これに限定されない。また、従機130は、光学読取部131と、上面表示部132と、正面表示部133と、扉部134および135と、乗車券投入口136と、乗車券排出口137と、磁気券読取部138とを含んでよいが、これに限定されない。光学読取部111、131は、「第1の読取部」の一例であり、磁気券読取部118、138は、「第2の読取部」の一例である。
主機110の光学読取部111は、図2に示すa方向に通過しようとする利用者によって翳されたコード表示券に印刷された表示オブジェクトから情報を読み取る。そして、光学読取部111は、表示オブジェクトから読み取った情報をデコードし、このデコードした情報(以下、オブジェクトデータと称する)を改札機側制御部150に送信する。オブジェクトデータは、例えば、2値のバイナリデータである。上面表示部112は、光学読取部111にコード表示券が翳された場合に、改札機側制御部150によって処理された結果、またはサーバ装置200から受信した情報に基づく画像を表示する。正面表示部113は、図2に示すa方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部113の表示内容または表示の有無は、改札機側制御部150によって決定される。磁気券読取部118は、図2に示すa方向に通過しようとする利用者によって乗車券投入口116に投入された磁気券に記録された乗車券情報を読み取り、読み取った乗車券情報を改札機側制御部150に送信する。また、磁気券読取部118は、改札機側制御部150により出力された情報に基づいて、磁気券の乗車券情報を書き換え、乗車券排出口117から排出する。
一方、従機130の光学読取部131は、図2に示すb方向に通過しようとする利用者によって翳されたコード表示券に印刷された表示オブジェクトから情報を読み取る。そして、光学読取部131は、表示オブジェクトから読み取った情報(オブジェクトデータ)を改札機側制御部150に送信する。上面表示部132は、光学読取部131にコード表示券が翳された場合に、改札機側制御部150によって処理された結果、またはサーバ装置200から受信した情報に基づく画像を表示する。正面表示部133は、図2に示すb方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部133の表示内容または表示の有無は、改札機側制御部150によって決定される。磁気券読取部138は、図2に示すa方向に通過しようとする利用者によって乗車券投入口136に投入された磁気券に記録された乗車券情報を読み取り、読み取った乗車券情報を改札機側制御部150に送信する。また、磁気券読取部138は、改札機側制御部150により出力された情報に基づいて、磁気券の乗車券情報を書き換え、乗車券排出口137から排出する。
改札機側制御部150は、図2に示すa方向への利用者の通過を許可する動作モードに自動改札機100が設定されている場合、扉部115および135を開放状態に維持すると共に、扉部114および134を開放状態または閉止状態に制御することで、a方向の利用者の通過を許可または禁止する。また、改札機側制御部150は、図2に示すb方向への利用者の通過を許可する動作モードに自動改札機100が設定されている場合、扉部114および134を開放状態に維持すると共に、扉部115および135を開放状態または閉止状態に制御することで、b方向の利用者の通過を許可または禁止する。
また、自動改札機100の動作モードには、図2に示すa方向の通過とb方向の通過との双方を許可する動作モードが含まれていてもよい。この場合、改札機側制御部150は、例えば、利用者が通過中でなければ正面表示部113と正面表示部133の双方に通過を許可することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。また、改札機側制御部150は、例えば、利用者がa方向およびb方向のいずれかの側から進入し、光学読取部111と光学読取部131とのいずれか一方にコード表示券が翳されると、他方の光学読取部を無効化すると共に、利用者が進入してきていない側の表示部(正面表示部113または正面表示部133)に、通過を禁止することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。また、改札機側制御部150は、例えば、利用者がa方向およびb方向のいずれかの側から進入し、乗車券投入口116と乗車券投入口136とのいずれか一方に磁気券が投入されると、他方の乗車券投入口を閉ざすと共に、利用者が進入してきていない側の表示部(正面表示部113または正面表示部133)に、通過を禁止することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。
なお、図2では、自動改札機100は、コード表示券と磁気券との双方を処理可能な装置であるものとして説明したが、自動改札機100は、更に、交通系ICカードを処理可能な装置であってもよいし、コード表示券のみを処理する専用機であってもよい。また、自動改札機100は、利用者が双方向に通過可能なものに限らず、主機と補機(従機)により構成される、利用者が一方向にのみ通過可能なものであってもよい。
図3は、第1の実施形態における自動改札機100の光学読取部111を上方から見た図である。光学読取部111は、例えば、保護パネルPNと、カメラ119と、ライトLTとを含んでよい。保護パネルPNは、可視光を透過可能な透明(または半透明)型のパネルであり、これを透過した表示オブジェクトの撮像を可能とする。カメラ119は、保護パネルPN越しにコード表示券に印刷された表示オブジェクトを撮像する。カメラ119は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを有する。ライトLTは、カメラ119が乗車券TIXを撮像する際に、乗車券TIXに向けて光を照射する。なお、図3に示す光学読取部111の構成は、従機130の光学読取部131にも同様に適用してもよい。すなわち、従機130の光学読取部131は、保護パネルPNと、カメラ139と、ライトLTとを含む構成であってもよい。
図4は、第1の実施形態の自動改札機100の主機110を通路側から見た図である。主機110は、上述した光学読取部111、乗車券投入口116、扉部114および115等に加え、透過型光電センサStと、反射型光電センサSrとを更に含んでよい。透過型光電センサStは、例えば、主機110の筐体面のうち、通路側の筐体面に等間隔に複数個(図4の例の場合は26個)設けられる。本実施形態では、投光器として機能する透過型光電センサStと、受光器として機能する透過型光電センサStとを一対として用いる。
例えば、主機110に設けられる透過型光電センサStが投光器である場合、従機130側に設けられる透過型光電センサStは、受光器として機能する。後述する改札機側制御部150は、この複数の透過型光電センサStの検出信号と、透過型光電センサStの配置位置とに基づいて、利用者が通路内のどの位置にいるのかを特定する。また、反射型光電センサSrは、透過型光電センサStと同様に、例えば、主機110の筐体から上方に突出する仕切部の通路側の面に、等間隔に複数個(図4の例の場合は3個)設けられる。反射型光電センサSrは、所定の方向に光を投射する。反射型光電センサSrは、光を投射した後、投射した方向から反射された光を受光する。反射型光電センサSrは、受光した光の強度に基づいて、通路に光を反射する利用者の身体が存在しているか否かを示す検出信号を生成する。反射型光電センサSrは、主に、通路に存在している利用者の身長を特定するために用いられる。なお、上述した反射型光電センサSrは、主機110に設けられるものとして説明したがこれに限られず、従機130に設けられてもよいし、主機110および従機130の双方に設けられてもよい。透過型光電センサStは、「検出部」の一例である。
図5は、第1の実施形態における自動改札機100の機能構成の一例を示す図である。自動改札機100は、図2に示す構成の他、改札機側制御部150の指示に従って、音声を出力するスピーカ140と、種々の情報を格納する改札機側記憶部170とを更に含んでよい。また、改札機側制御部150は、取得部152と、改札機側通信部154と、復号可否決定部156と、通過可否判定部158とを含んでよいが、これに限定されない。
改札機側制御部150の構成要素の一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが改札機側記憶部170に記憶されたプログラムを実行することにより実現されてよい。また、改札機側制御部150の構成要素の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現され、それぞれの機能を実現するための回路構成を有してもよい。
改札機側記憶部170は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM(Random Access Memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現されてよい。改札機側記憶部170は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、運賃テーブル172および駅務用パラメータデータ174等を格納する。
図6は、駅務用パラメータデータ174の一例を示す図である。駅務用パラメータデータ174は、例えば、乗車券TIXの種類を示す“券種”ごとに、“パラメータ値”と、“基準データサイズ”とが対応付けられている。乗車券TIXの種類は、例えば、入場券、片道乗車券、往復乗車券、特急券等に分類される。“パラメータ値”および“基準データサイズ”は、オブジェクトデータのデコード元である表示オブジェクトが表示された乗車券TIXが、自動改札機100が処理可能な媒体であるか否かを識別する際に参照される。改札機側制御部150(後述する復号可否決定部156)は、これら“パラメータ値”および“基準データサイズ”を、乗車券TIXの種類に応じて決定してよい。また、改札機側制御部150(後述する復号可否決定部156)は、“パラメータ値”および“基準データサイズ”を、一日単位や週単位等の所定の期間で更新してもよい。駅務用パラメータデータ174の一部(例えば“パラメータ値”のみ)または全部は、「比較対象データ」の一例である。
取得部152は、光学読取部111、131のそれぞれから、オブジェクトデータを取得する。また、取得部152は、磁気券読取部118、138のそれぞれから、乗車券情報を取得する。取得部152は、取得したオブジェクトデータと乗車券情報とをそれぞれ、復号可否決定部156と通過可否判定部158とに供給する。
改札機側通信部154は、サーバ装置200と無線あるいは有線によって通信を行い、後述する復号可否決定部156による決定の結果に応じて、取得部152により取得されたオブジェクトデータをサーバ装置200に送信する。また、改札機側通信部154は、サーバ装置200から情報を受信する。
復号可否決定部156は、取得部152により取得されたオブジェクトデータに基づいて、オブジェクトデータに含まれる、乗車券情報が暗号化されたデータ(以下、暗号データと称する)を復号(例えばデクリプト)するか否かを決定する。例えば、復号可否決定部156は、後述する2つの判定条件を共に満たす場合に、暗号データを復号すると決定し、少なくともいずれか一方の判定条件を満たさない場合に、暗号データを復号しないと決定する。暗号データは、「第1のデータ」の一例である。
以下、2つの判定条件について説明する。復号可否決定部156は、オブジェクトデータにおける所定のデータ領域のデータ値と、改札機側記憶部170に格納された駅務用パラメータデータ174内の“パラメータ値”とが一致するか否かを判定する。所定のデータ領域とは、例えば、オブジェクトデータが一次元のデータ配列である場合、先頭のデータから後続のある決まったデータまでのデータの集合である。また、所定のデータ領域とは、例えば、オブジェクトデータが一次元のデータ配列である場合、後尾のデータから先頭側のある決まったデータまでのデータの集合であってもよいし、データの中間における、ある決まった範囲のデータの集合であってもよい。本実施形態では、一例として、先頭のデータから4バイト目のデータまでを、所定のデータ領域として扱う。なお、所定のデータ領域のサイズは、上述した数値に限られず、例えば、1バイトや2バイト、3バイトであってもよいし、4バイト以上であってもよい。また、所定のデータ領域のサイズは、ビット単位であってもよい。所定のデータ領域のデータは、「第2のデータ」の一例である。
また、復号可否決定部156は、オブジェクトデータのデータサイズが、改札機側記憶部170に格納された駅務用パラメータデータ174内の“基準データサイズ”が示すデータ値と一致するか否かを判定する。例えば、復号可否決定部156は、取得部152により取得されたオブジェクトデータを、改札機側記憶部170におけるRAM等に展開し、オブジェクトデータのデータサイズを取得する。そして、復号可否決定部156は、取得したデータサイズと基準データサイズとが一致するか否かを判定する。
図7は、オブジェクトデータの構造の一例を示す図である。図示の例では、オブジェクトデータが一次元のデータ配列である場合を示しており、先頭のデータをX1、後尾のデータをY32としている。例えば、復号可否決定部156は、駅務用パラメータデータ174を検索し、先頭のデータX1から4バイトまでのデータ、すなわちデータX1からX4までのデータ値Xaと、オブジェクトデータのデータサイズZa(=32バイト)との双方が一致する“券種”が登録されているか否かを判定する。図6に示す駅務用パラメータデータ174の場合、双方が一致するものは入場券として登録されているため、復号可否決定部156は、暗号データを復号すると決定する。
また、復号可否決定部156は、オブジェクトデータに、当該オブジェクトデータのデータサイズを示すラベルが付されている場合、このラベルを参照することで、オブジェクトデータのデータサイズが、基準データサイズと一致するか否かを判定してもよい。
図8は、オブジェクトデータの構造の他の例を示す図である。図示の例では、オブジェクトデータが一次元のデータ配列である場合を示しており、先頭のデータをX1、後尾のデータをY32としている。また、オブジェクトデータに、データサイズを示すラベルRが付されている。この場合、復号可否決定部156は、ラベルRのデータ値を読み出すことで、オブジェクトデータのデータサイズを取得し、基準データサイズと一致するか否かを判定する。
復号可否決定部156は、オブジェクトデータにおける所定のデータ領域のデータ値とパラメータ値とが一致し、且つオブジェクトデータのデータサイズと基準データサイズとが一致する場合(上述した2つの判定条件を共に満たす場合)に、暗号データ(図7、8中Ya)を復号すると決定する。そして、復号可否決定部156は、改札機側通信部154に、当該暗号データを含むオブジェクトデータを、サーバ装置200に送信させる。
通過可否判定部158は、取得部152により取得された乗車券情報に基づいて、利用者の通過を許可するのか、あるいは禁止するのかを判定する。また、通過可否判定部158は、改札機側通信部154によって受信された情報、すなわちサーバ装置200によって送信された情報(後述する判定基準データ)に基づいて、利用者の通過を許可するのか、あるいは禁止するのかを判定する。通過可否判定部158は、通過の許可または禁止の判定に応じて、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、またはこれらを組み合わせたものを制御する。
以下、サーバ装置200について説明を行う。図9は、第1の実施形態におけるサーバ装置200の機能構成の一例を示す図である。サーバ装置200は、例えば、サーバ側制御部210と、サーバ側記憶部220とを含む。サーバ側制御部210は、サーバ側通信部212と、復号処理部214とを含んでよいが、これに限定されない。サーバ側制御部210の構成要素の一部または全部は、CPU等のプロセッサがサーバ側記憶部220に記憶されたプログラムを実行することにより実現されてよい。また、サーバ側制御部210の構成要素の一部または全部は、LSI、ASIC、FPGA等のハードウェアによって実現され、それぞれの機能を実現するための回路構成を有してもよい。
サーバ側記憶部220は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM、MRAM、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現されてよい。サーバ側記憶部220は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、暗号鍵情報222等を格納する。
図10は、暗号鍵情報222の一例を示す図である。暗号鍵情報222は、例えば、“パラメータ値”ごとに、“復号形式”と、“暗号鍵”とが対応付けられている。“復号形式”は、例えば、ブロック暗号やストリーム暗号等の共通鍵暗号方式に対応した復号形式であってもよいし、RSA暗号やElGamal暗号等の公開鍵暗号方式に対応した復号形式であってもよい。また、“復号形式”は、ハッシュ関数を用いた復号方式であってもよい。“暗号鍵”は、例えば、駅を識別する駅識別情報であって、コード表示券が発行された駅の駅識別情報と、コード表示券が発行された日時とを組み合わせて生成されてよい。
サーバ側制御部210は、これら“復号形式”および“暗号鍵”を、駅務用パラメータデータ174内の“パラメータ値”、或いは乗車券TIXの種別に応じて決定してよい。例えば、パラメータ値が大きいものほど、より複雑な暗号方式で乗車券情報が暗号化(エンクリプト)されてもよく、この場合、“復号形式”は、暗号方式に応じて、より複雑な復号形式に設定される。また、乗車券TIXの購入金額が大きいものほど、或いは乗車券TIXの有効期間が長いものほど、より複雑な暗号方式で乗車券情報が暗号化(エンクリプト)されてもよく、この場合、“復号形式”は、暗号方式に応じて、より複雑な復号形式に設定される。また、“暗号鍵”は、乗車券TIXの購入金額が大きいものほど、或いは乗車券TIXの有効期間が長いものほど、より長いものに設定されてもよい。従って、サーバ側制御部210(後述する復号処理部214)は、オブジェクトデータの所定のデータ領域のデータと一致する“パラメータ値”、あるいは、所定のデータ領域のデータから特定される乗車券TIXの種別に応じて、“復号形式”や“暗号鍵”を決定してよい。また、サーバ側制御部210(後述する復号処理部214)は、“復号形式”および“暗号鍵”を、一日単位や週単位等の所定の期間で更新してもよい。
サーバ側通信部212は、上述した自動改札機100と通信を行い、自動改札機100により送信されたオブジェクトデータを受信する。また、サーバ側通信部212は、後述する復号処理部214の処理結果を自動改札機100に送信する。
復号処理部214は、サーバ側記憶部220に格納された暗号鍵情報222を参照して、サーバ側通信部212により受信されたオブジェクトデータに含まれる暗号データを復号する。例えば、復号処理部214は、オブジェクトデータの所定のデータ領域を参照して、所定のデータ領域のデータ値と一致する“パラメータ値”を特定し、この“パラメータ値”に対応付けられている復号形式に従って、オブジェクトデータの暗号データを復号する。この際、復号処理部214は、特定した“パラメータ値”に対応付けられている暗号鍵を用いて暗号データを復号する。
例えば、暗号データは、乗車券情報が暗号される際に用いられた暗号方式に対応した復号方式と異なる復号方式、或いは乗車券情報が暗号される際に用いられた暗号鍵と異なる暗号鍵が用いられた場合、本来の乗車券情報とは異なる意味の文字や記号の羅列に変換され、改札機側制御部150において処理されなくなる。従って、復号処理部214は、復号処理によって、暗号データを改札機側制御部150が処理可能な情報に変換した場合、暗号データを復号できたと判定し、暗号データを改札機側制御部150が処理不可能な情報に変換した場合、暗号データを復号できなかったと判定する。
復号処理部214は、暗号データを復号できた場合、サーバ側通信部212に、この暗号データを復号したことで生成された乗車券情報(以下、判定基準データと称する)を、自動改札機100に送信させる。また、復号処理部214は、暗号データを復号できなかった場合、サーバ側通信部212に、暗号データを復号できなかったことを示すエラー情報を、自動改札機100に送信させる。
図11は、第1の実施形態における交通システム1の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。自動改札機100は、コード表示券が光学読取部111または131のいずれかに翳されると、光学読取部からオブジェクトデータを取得して、暗号データを復号するか否かを決定する(ステップS100)。暗号データを復号する場合、自動改札機100は、オブジェクトデータをサーバ装置200に送信する(ステップS102)。
サーバ装置200は、オブジェクトデータを受信すると、オブジェクトデータを復号し(ステップS104)、復号した判定基準データを自動改札機100に送信する(ステップS106)。次に、自動改札機100は、判定基準データを受信すると、この判定基準データに基づいて、利用者の通過の可否を判定する(ステップS108)。
以下、自動改札機100の改札機側制御部150の一連の処理の流れについて説明する。図12は、第1の実施形態における改札機側制御部150の処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、所定の周期で繰り返し行われる。
まず、復号可否決定部156は、取得部152により光学読取部111、131のいずれか一方からオブジェクトデータが取得されたか否かを判定する(ステップS200)。取得部152によりオブジェクトデータが取得された場合、復号可否決定部156は、オブジェクトデータにおける所定のデータ領域のデータ値と、駅務用パラメータデータ174におけるパラメータ値とが一致するか否かを判定する(ステップS202)。
オブジェクトデータにおける所定のデータ領域のデータ値とパラメータ値とが一致する場合、復号可否決定部156は、オブジェクトデータのデータサイズと、駅務用パラメータデータ174における基準データサイズとが一致するか否かを判定する(ステップS204)。なお、復号可否決定部156は、ステップS204の処理を行ってからステップS202の処理を行ってもよい。
オブジェクトデータにおける所定のデータ領域のデータ値とパラメータ値とが一致しない場合、或いはオブジェクトデータのデータサイズと基準データサイズとが一致しない場合、改札機側制御部150は、本フローチャートの処理を終了する。
一方、オブジェクトデータにおける所定のデータ領域のデータ値とパラメータ値とが一致し、且つオブジェクトデータのデータサイズと基準データサイズとが一致する場合、改札機側制御部150(例えば復号可否決定部156)は、取得部152による光学読取部111、131からのオブジェクトデータの取得を禁止すると共に、取得部152による磁気券読取部118、138からの乗車券情報の取得を禁止する(ステップS206)。
例えば、改札機側制御部150(例えば、復号可否決定部156)は、取得部152の動作を停止させ、光学読取部111、131から送られてくるオブジェクトデータや乗車券情報を受信させないように制御してもよいし、復号可否決定部156が取得部152から供給されるオブジェクトデータを受けないように制御してもよいし、通過可否判定部158が取得部152から供給される乗車券情報を受けないように制御してもよい。また、改札機側制御部150(例えば、復号可否決定部156)は、乗車券投入口116、136に設けられるシャッター(不図示)を稼働させて乗車券投入口116、136を閉じ、乗車券投入口116、136に磁気券が投入されないようにしてもよい。
次に、復号可否決定部156は、改札機側通信部154に、暗号データを含むオブジェクトデータを、サーバ装置200に送信させる(ステップS208)。
次に、通過可否判定部158は、改札機側通信部154によりエラー情報が受信されたか否かを判定する(ステップS210)。改札機側通信部154によりエラー情報が受信された場合、通過可否判定部158は、利用者の通過を禁止すると判定して、例えば、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、コード表示券を利用できないことを表す情報を出力させ、扉部114(115)および134(135)を閉止状態に制御して利用者の通過を禁止する(ステップS212)。
改札機側通信部154によりエラー情報が受信されない場合、通過可否判定部158は、改札機側通信部154によりサーバ装置200から判定基準データが受信されたか否かを判定する(ステップS214)。改札機側通信部154により判定基準データが受信されない場合、通過可否判定部158は、上述したステップS210の処理に戻る。
一方、改札機側通信部154により判定基準データが受信された場合、通過可否判定部158は、判定基準データに基づいて、利用者の通過を許可するのか否かを判定する(ステップS216)。
例えば、通過可否判定部158は、判定基準データ(乗車券情報)に含まれる有効期間、乗車駅(発駅)、乗車可能区間等の情報と運賃テーブル172とを照合することにより、自装置である自動改札機100が設置された駅と乗車駅とが一致するか否か、自動改札機100が設置された駅が乗車可能区間内か否か、出場駅においては利用者の乗車区間が乗車券時の購入金額に見合うか否か、コード表示券が光学読取部111(131)に翳された時刻が有効期間内であるか否か等といった条件のうち一部または全部について判定し、全ての判定条件を満たす場合に利用者の通過を許可し、いずれか1つ以上の判定条件を満たさない場合に利用者の通過を禁止する。
利用者の通過を許可する場合、例えば、通過可否判定部158は、扉部114(115)および134(135)を開放状態に制御して利用者の通過を許可する(ステップS218)。一方、利用者の通過を禁止する場合、通過可否判定部158は、上述したステップS212の処理を行う。
次に、改札機側制御部150は、取得部152による光学読取部111、131からのオブジェクトデータの取得を許可すると共に、取得部152による磁気券読取部118、138からの乗車券情報の取得を許可する(ステップS220)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
一方、上述したステップS200の処理において、取得部152によりオブジェクトデータが取得されない場合、復号可否決定部156は、取得部152により磁気券読取部118、138のいずれか一方から乗車券情報が取得されたか否かを判定する(ステップS222)。
取得部152により乗車券情報が取得されない場合、改札機側制御部150は、本フローチャートの処理を終了する。一方、取得部152により乗車券情報が取得された場合、改札機側制御部150は、取得部152による光学読取部111、131からのオブジェクトデータの取得を禁止すると共に、取得部152による磁気券読取部118、138からの乗車券情報の取得を禁止する(ステップS224)。
次に、通過可否判定部158は、取得部152により取得された乗車券情報に基づいて、利用者の通過を許可するのか否かを判定する(ステップS226)。通過可否判定部158は、利用者の通過を許可する場合、上述したステップS218の処理を行い、利用者の通過を禁止する場合、上述したステップS212の処理を行う。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
以上説明した処理において、例えば、光学読取部111、131によって自動改札機100が処理可能な表示オブジェクトと異なる表示オブジェクトから情報が読み取られた場合、自動改札機100は、ステップS202およびステップS204において否定的な(No)判定を行うため、それ以降の利用者の通過可否の判定処理を行わなくなる。この結果、自動改札機100は、処理負荷を軽減することができる。なお、駅務に関係のない表示オブジェクトが表示された媒体を翳した利用者は、自動改札機100においてオブジェクトデータに基づく通過可否の判定処理がなされないことから、誤って通路内に進入する場合があるが、この場合、自動改札機100が、無札判定処理を行う。
無札判定処理とは、自動改札機100により利用者の通過が許可されていない状態で、利用者が通路を通過しようとする際に、利用者の通過を禁止する処理である。例えば、改札機側制御部150は、透過型光電センサStにより検出された検出信号に基づいて、利用者が通路内の所定の位置に到達したか否かを判定する。所定の位置とは、例えば、利用者の進行方向から見た通路の中間付近である。
例えば、主機110の筐体面に設けられた複数個の透過型光電センサStのうち、所定の位置周辺に設けられた透過型光電センサStによって利用者が検出されると、改札機側制御部150は、取得部152による光学読取部111、131からのオブジェクトデータの取得を禁止すると共に、取得部152による磁気券読取部118、138からの乗車券情報の取得を禁止する。
そして、改札機側制御部150は、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、自動改札機100に乗車券TIXが利用されていないことを表す情報を出力させ、扉部114(115)および134(135)を閉止状態に制御して利用者の通過を禁止する。なお、利用者が通路から退出し、透過型光電センサStによって通路内の利用者が検出されなくなると、改札機側制御部150は、光学読取部111、131からのオブジェクトデータの取得を許可すると共に、取得部152による磁気券読取部118、138からの乗車券情報の取得を許可してもよい。
以下、サーバ装置200の一連の処理の流れについて説明する。図13は、第1の実施形態におけるサーバ装置200の処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、所定の周期で繰り返し行われる。
まず、復号処理部214は、サーバ側通信部212によりオブジェクトデータが受信されると(ステップS300;Yes)、サーバ側記憶部220に格納された暗号鍵情報222を参照して、サーバ側通信部212により受信されたオブジェクトデータに含まれる暗号データを復号する(ステップS302)。
次に、復号処理部214は、暗号データを復号できたか否かを判定する(ステップS304)。暗号データを復号できた場合、復号処理部214は、サーバ側通信部212に、この暗号データを復号した判定基準データを、自動改札機100に送信させる(ステップS306)。一方、暗号データを復号できなかった場合、復号処理部214は、サーバ側通信部212に、暗号データを復号できなかったことを示すエラー情報を、自動改札機100に送信させる(ステップS308)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
以上説明した第1の実施形態における交通システム1によれば、コード表示券等の媒体に表示された表示オブジェクトの情報がデコードされたオブジェクトデータに基づいて、オブジェクトデータに含まれる暗号データを復号するか否かを決定することにより、自動改札機100に駅務に関係のない表示オブジェクトが表示された乗車券TIXが翳された場合に、駅務に関係のない当該表示オブジェクトのオブジェクトデータに基づく通過可否の判定を行わないようにすることができる。この結果、第1の実施形態における交通システム1は、処理負荷の増加を抑制することができる。
また、第1の実施形態における交通システム1によれば、オブジェクトデータの所定のデータ領域を参照することで、暗号データの復号形式や復号時に用いる暗号鍵を変更するため、乗車券情報の機密性を向上させることができる。
また、第1の実施形態における交通システム1によれば、自動改札機100に駅務に関係のない表示オブジェクトが表示された乗車券TIXが翳された場合に、各種読取部による情報の取得を制御する処理を行わない。一般的に、自動改札機100にコード表示券や磁気券等の乗車券TIXが使用されると、自動改札機100は、この乗車券TIXに対する通過可否の判定を完了するまで、他の乗車券TIXの利用を制限する。本実施形態では、自動改札機100は、通過可否の判定を行う前に、各種読取部による情報の取得を制御する処理を行う。この際、例えば、改札機側制御部150が、磁気券読取部118、138による乗車券情報の取得を禁止するために、乗車券投入口116、136に設けられるシャッター(不図示)を稼働させて乗車券投入口116、136を閉鎖する処理を行う場合、シャッターの開閉に伴う処理時間が発生する。
これに対して、第1の実施形態では、自動改札機100にコード表示券が翳されると、各種読取部による情報の取得を制御する処理を行う前に、オブジェクトデータの所定のデータ領域を参照してコード表示券が正規のものであるかを判定するため、処理時間の増加を抑制することができる。この結果、交通システム1は、例えば、処理時間を数十ms程度から数ms程度に低減することができる場合がある。
(第1の実施形態の変形例)
上述した改札機側制御部150の通過可否判定部158は、サーバ側制御部210の内部に含まれていてもよい。この場合、改札機側制御部150の通過可否判定部158は、省略されてもよい。例えば、サーバ側制御部210の通過可否判定部は、復号処理部214により生成された判定基準データに基づいて、利用者の通過を許可するのか否かを判定する。そして、サーバ側制御部210の通過可否判定部は、サーバ側通信部212に対して、利用者の通過を許可、あるいは禁止した判定結果を示す情報を自動改札機100に送信させる。自動改札機100は、この情報を受けると、サーバ側制御部210の通過可否判定部による判定結果(通過の許可または禁止)に応じて、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、またはこれらを組み合わせたものを制御する。これによって、第1の実施形態の変形例によれば、第1の実施形態と同様に、処理負荷の増加を抑制することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態における交通システム1について説明する。第2の実施形態における交通システム1では、自動改札機100Aがオブジェクトデータに含まれる暗号データを復号する点で、第1の実施形態における交通システム1と相違する。従って、係る相違点を中心に説明し、共通する部分についての説明は省略する。
図14は、第2の実施形態における自動改札機100Aの機能構成の一例を示す図である。第2の実施形態における自動改札機100Aの改札機側制御部150Aは、上述した第1の実施形態における改札機側制御部150の構成要素に加え、さらに復号処理部160を含む。なお、改札機側通信部154は、省略されてもよい。
また、自動改札機100Aの改札機側記憶部170Aは、上述した第1の実施形態における改札機側記憶部170に格納される情報に加え、さらに暗号鍵情報176を格納する。改札機側記憶部170Aに格納される暗号鍵情報176は、サーバ側記憶部220に格納される暗号鍵情報222と同じ、あるいは同等のものであってよい。
復号処理部160は、改札機側記憶部170Aに格納された暗号鍵情報176を参照して、取得部152により取得されたオブジェクトデータに含まれる暗号データを復号する。
以下、自動改札機100Aの改札機側制御部150Aの一連の処理の流れについて説明する。図15は、第2の実施形態における改札機側制御部150Aの処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、所定の周期で繰り返し行われる。
まず、復号可否決定部156は、取得部152により光学読取部111、131のいずれか一方からオブジェクトデータが取得されたか否かを判定する(ステップS400)。取得部152によりオブジェクトデータが取得された場合、復号可否決定部156は、オブジェクトデータにおける所定のデータ領域のデータ値と、駅務用パラメータデータ174におけるパラメータ値とが一致するか否かを判定する(ステップS402)。
オブジェクトデータにおける所定のデータ領域のデータ値とパラメータ値とが一致する場合、復号可否決定部156は、オブジェクトデータのデータサイズと、駅務用パラメータデータ174における基準データサイズとが一致するか否かを判定する(ステップS404)。なお、復号可否決定部156は、ステップS404の処理を行ってからステップS402の処理を行ってもよい。
オブジェクトデータにおける所定のデータ領域のデータ値とパラメータ値とが一致しない場合、或いはオブジェクトデータのデータサイズと基準データサイズとが一致しない場合、改札機側制御部150Aは、本フローチャートの処理を終了する。
一方、オブジェクトデータにおける所定のデータ領域のデータ値とパラメータ値とが一致し、且つオブジェクトデータのデータサイズと基準データサイズとが一致する場合、改札機側制御部150A(例えば復号可否決定部156)は、取得部152による光学読取部111、131からのオブジェクトデータの取得を禁止すると共に、取得部152による磁気券読取部118、138からの乗車券情報の取得を禁止する(ステップS406)。
次に、復号処理部160は、改札機側記憶部170Aに格納された暗号鍵情報176を参照して、取得部152により取得されたオブジェクトデータに含まれる暗号データを復号する(ステップS408)。次に、復号処理部160は、暗号データを復号できたか否かを判定する(ステップS410)。
復号処理部160により暗号データが復号されなかった場合、通過可否判定部158は、利用者の通過を禁止すると判定して、例えば、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、コード表示券を利用できないことを表す情報を出力させ、扉部114(115)および134(135)を閉止状態に制御して利用者の通過を禁止する(ステップS412)。
一方、復号処理部160により暗号データが復号された場合、通過可否判定部158は、復号処理部160により復号された判定基準データに基づいて、利用者の通過を許可するのか否かを判定する(ステップS414)。
利用者の通過を許可する場合、例えば、通過可否判定部158は、扉部114(115)および134(135)を開放状態に制御して利用者の通過を許可する(ステップS416)。一方、利用者の通過を禁止する場合、通過可否判定部158は、上述したステップS412の処理を行う。
次に、改札機側制御部150は、取得部152による光学読取部111、131からのオブジェクトデータの取得を許可すると共に、取得部152による磁気券読取部118、138からの乗車券情報の取得を許可する(ステップS418)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
一方、上述したステップS400の処理において、取得部152によりオブジェクトデータが取得されない場合、復号可否決定部156は、取得部152により磁気券読取部118、138のいずれか一方から乗車券情報が取得されたか否かを判定する(ステップS420)。
取得部152により乗車券情報が取得されない場合、改札機側制御部150は、本フローチャートの処理を終了する。一方、取得部152により乗車券情報が取得された場合、改札機側制御部150は、取得部152による光学読取部111、131からのオブジェクトデータの取得を禁止すると共に、取得部152による磁気券読取部118、138からの乗車券情報の取得を禁止する(ステップS422)。
次に、通過可否判定部158は、取得部152により取得された乗車券情報に基づいて、利用者の通過を許可するのか否かを判定する(ステップS424)。通過可否判定部158は、利用者の通過を許可する場合、上述したステップS416の処理を行い、利用者の通過を禁止する場合、上述したステップS412の処理を行う。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
以上説明した第2の実施形態における交通システム1によれば、上述した第1の実施形態と同様に、自動改札機100に駅務に関係のない表示オブジェクトが表示された乗車券TIXが翳された場合に、駅務に関係のない当該表示オブジェクトのオブジェクトデータに基づく通過可否の判定を行わないようにすることができる。この結果、第2の実施形態における交通システム1は、処理負荷の増加を抑制することができる。
(第3の実施形態)
以下、第2の実施形態における交通システム1について説明する。第2の実施形態における交通システム1では、自動改札機100Bの改札機側制御部150Bが光学読取部から判定基準データを取得する点で、第1および第2の実施形態における交通システム1と相違する。従って、係る相違点を中心に説明し、共通する部分についての説明は省略する。
図16は、第3の実施形態における自動改札機100Bの機能構成の一例を示す図である。第3の実施形態における自動改札機100Bの光学読取部111B、131Bは、内部に復号処理部を含み、コード表示券から読み取った表示オブジェクトを示す情報をデコードし、このデコードしたオブジェクトデータに含まれる暗号データをさらに復号して、判定基準データを生成する。
改札機側制御部150Bの取得部152は、光学読取部111B、131Bのそれぞれから、判定基準データを取得する。取得部152は、取得した判定基準データを通過可否判定部158に供給する。通過可否判定部158は、取得部152により取得された判定基準データに基づいて、利用者の通過を許可するのか、あるいは禁止するのかを判定する。
以上説明した第3の実施形態における交通システム1によれば、上述した第1および第2の実施形態と同様に、自動改札機100に駅務に関係のない表示オブジェクトが表示された乗車券TIXが翳された場合に、駅務に関係のない当該表示オブジェクトのオブジェクトデータに基づく通過可否の判定を行わないようにすることができる。この結果、第3の実施形態における交通システム1は、処理負荷の増加を抑制することができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、コード表示券等の媒体に表示された表示オブジェクトがデコードされたオブジェクトデータに基づいて、オブジェクトデータに含まれる暗号データを復号するか否かを決定することにより、自動改札機100に駅務に関係のない表示オブジェクトが表示された乗車券TIXが翳された場合に、駅務に関係のない当該表示オブジェクトのオブジェクトデータに基づく通過可否の判定を行わないようにすることができる。この結果、実施形態における交通システム1は、処理負荷の増加を抑制することができる。
上記実施形態は、以下のように表現することができる。
第1の媒体に表示された表示オブジェクトから情報を光学的に読み取る第1の読取部から、前記表示オブジェクトから読み取られた情報に基づくオブジェクトデータを取得する取得部と、
比較対象データを格納する記憶部と、
前記取得部により取得された前記オブジェクトデータの一部に含まれる前記第1のデータと異なる第2のデータと前記記憶部に格納された前記比較対象データとが一致する場合に前記オブジェクトデータに含まれる第1のデータであって、通過可否の判定基準となるデータを含む第1のデータを復号すると決定し、前記第2のデータと前記記憶部に格納された前記比較対象データとが一致しない場合に前記第1のデータを復号しないと決定する復号可否決定部と、
前記復号可否決定部により、前記オブジェクトデータに含まれる前記第1のデータを復号すると決定された場合に、前記第1のデータを復号する復号処理部と、
前記復号処理部により復号された前記第1のデータに基づいて、利用者の通過可否を判定する通過可否判定部と、
を備える交通システム。
また、上記実施形態は、以下のように表現してもよい。
第1の媒体に表示された表示オブジェクトから情報を光学的に読み取る第1の読取部から、前記表示オブジェクトから読み取られた情報に基づくオブジェクトデータを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記オブジェクトデータのデータサイズが前記オブジェクトデータのデータサイズが所定のサイズに一致する場合に、前記第1のデータを復号すると決定し、前記所定のサイズに一致しない場合に、前記第1のデータを復号しないと決定する復号可否決定部と、
前記復号可否決定部により、前記オブジェクトデータに含まれる前記第1のデータを復号すると決定された場合に、前記第1のデータを復号する復号処理部と、
前記復号処理部により復号された前記第1のデータに基づいて、利用者の通過可否を判定する通過可否判定部と、
を備える交通システム。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…交通システム、100…自動改札機、111、131…光学読取部、118、138…磁気券読取部、150…改札機側制御部、152…取得部、154…改札機側通信部、156…復号可否決定部、158…通過可否判定部、170…改札機側記憶部、200…サーバ装置、210…サーバ側制御部、212…サーバ側通信部、214…復号処理部、220…サーバ側記憶部、TIX…乗車券

Claims (9)

  1. 第1の媒体に表示された表示オブジェクトから情報を光学的に読み取る第1の読取部から、前記表示オブジェクトから読み取られた前記情報に基づくオブジェクトデータを取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記オブジェクトデータに基づいて、前記オブジェクトデータに含まれる第1のデータであって、通過可否の判定基準となるデータを含む第1のデータを復号するか否かを決定する復号可否決定部と、
    前記復号可否決定部により、前記オブジェクトデータに含まれる前記第1のデータを復号すると決定された場合に、前記第1のデータを復号する復号処理部と、
    前記復号処理部により復号された前記第1のデータに基づいて、利用者の通過可否を判定する通過可否判定部と、
    を備える交通システム。
  2. 比較対象データを格納する記憶部を更に備え、
    前記復号可否決定部は、前記オブジェクトデータに含まれる前記第1のデータと異なる第2のデータと前記記憶部に格納された前記比較対象データとが一致しない場合に、前記第1のデータを復号しないと決定し、前記第2のデータと前記記憶部に格納された前記比較対象データとが一致する場合に、前記第1のデータを復号すると決定する、
    請求項1に記載の交通システム。
  3. 前記記憶部は、前記比較対象データを複数格納し、
    前記復号可否決定部は、前記第1の媒体の種別に応じて、前記記憶部に格納された複数の前記比較対象データの中から、前記第2のデータと比較する前記比較対象データを選択する、
    請求項2に記載の交通システム。
  4. 前記復号処理部は、前記第2のデータの値に応じて、前記第1のデータを復号する方式を決定する、
    請求項2または3に記載の交通システム。
  5. 前記復号可否決定部は、前記オブジェクトデータのデータサイズが所定のサイズに一致する場合に、前記第1のデータを復号すると決定し、前記所定のサイズに一致しない場合に、前記第1のデータを復号しないと決定する、
    請求項1に記載の交通システム。
  6. 前記復号可否決定部は、前記所定のサイズを、前記第1の媒体の種別に応じて決定する、
    請求項5に記載の交通システム。
  7. 前記取得部は、前記第1の媒体とは異なる種類の第2の媒体から情報を読み取る第2の読取部から、前記第2の媒体から読み取られた前記情報をさらに取得し、
    前記復号可否決定部は、前記第1のデータを復号すると決定した場合、前記取得部による前記第2の読取部からの情報の取得を禁止し、前記第1のデータを復号しないと決定した場合、前記第2の読取部からの情報の取得を許可する、
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の交通システム。
  8. 自動改札機と、前記自動改札機と通信を行うサーバ装置と、を備え、
    前記自動改札機が、前記取得部、および前記復号可否決定部を備え、
    前記サーバ装置が、前記復号処理部を備え、
    前記自動改札機または前記サーバ装置が前記通過可否判定部を備える、
    請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の交通システム。
  9. 第1の媒体に表示された表示オブジェクトから情報を光学的に読み取る第1の読取部から、前記表示オブジェクトから読み取られた前記情報に基づくオブジェクトデータを取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記オブジェクトデータに基づいて、前記オブジェクトデータに含まれる第1のデータであって、通過可否の判定基準となるデータを含む第1のデータを復号するか否かを決定する復号可否決定部と、
    前記復号可否決定部により前記オブジェクトデータに含まれる前記第1のデータを復号すると決定された場合に、前記第1のデータを復号した判定基準データを生成する復号処理部と、
    前記復号処理部により生成された前記判定基準データに基づいて、利用者の通過可否を判定する通過可否判定部と、
    を備える自動改札機。
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