以下、実施形態の改札監視システム、自動改札機、サーバ装置、および情報処理装置を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における改札監視システム1の構成の一例を示す図である。本実施形態の改札監視システム1は、例えば、鉄道の駅における入出場を監視するために用いられる。以下、これを前提として説明する。改札監視システム1は、例えば、複数の自動改札機100と、駅サーバ装置200−1から200−nと、統合管理サーバ装置300とを備える。なお、改札監視システム1は、上述した例の他、例えば、バスやフェリーといった乗り物の乗車(乗船)や降車(降船)を監視するものに適用されてもよい。
自動改札機100は、例えば、駅の改札口に複数台設けられる。図示のように、駅に改札口が複数存在する場合、自動改札機100は、この改札口ごとに設けられる。自動改札機100は、図示しない券売機等により発行された乗車券TIXを読み取ることによって、利用者の入出場を制限する。本実施形態において、この乗車券TIXを、券の表面あるいは裏面に磁気記録面を有する磁気券として説明する。例えば、この磁気記録面には、乗車券情報が記録される。乗車券情報には、例えば、有効期間、乗車駅(発駅)、乗車可能区間、乗車券のそれぞれを識別する乗車券識別情報(乗車券ID)、乗車時刻、駅構内からの出場、或いは駅構内への入場を示す入出場コード等の情報が含まれる。なお、乗車券情報は、効力情報の一例である。
駅サーバ装置200−1から200−nは、例えば駅ごとに設けられ、無線や有線によって上述した自動改札機100と通信を行い、自動改札機100から取得した情報を処理し、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等を含むネットワークNWを介して、統合管理サーバ装置300に送信する。更に、駅サーバ装置200−1から200−nは、統合管理サーバ装置300から受信した情報を自動改札機100等に転送する。以下、駅サーバ装置200−1から200−nを特段区別しない場合は、単に駅サーバ装置200と称して説明する。
統合管理サーバ装置300は、上述したネットワークNWを介して、駅ごとに設置された駅サーバ装置200と通信を行い、以下に説明する種々の処理を行う。なお、上述した駅サーバ装置200および統合管理サーバ装置300は、情報処理装置の一例である。
以下、上述した自動改札機100、駅サーバ装置200、および統合管理サーバ装置300について説明する。まず自動改札機100について説明を行う。
図2は、第1の実施形態における自動改札機100を上方から見た図である。自動改札機100は、例えば、通路を挟んで対向配置される主機110と従機130とを備える。主機110は、例えば、読取部111と、上面表示部112と、正面表示部113と、扉部114および115と、乗車券投入口116と、乗車券排出口117と、カメラ118と、改札機側制御部150とを備える。また、従機130は、読取部131と、上面表示部132と、正面表示部133と、扉部134および135と、乗車券投入口136と、乗車券排出口137と、カメラ138と、を備える。
主機110の読取部111は、例えば磁気券リーダライタである。読取部111は、図2に示すa方向に通過しようとする利用者によって乗車券投入口116に投入された乗車券TIXに記録された乗車券情報を読み取り、読み取った乗車券情報を改札機側制御部150に送信する。また、読取部111は、改札機側制御部150により出力された情報に基づいて、乗車券TIXの乗車券情報を書き換え、乗車券排出口117から排出する。上面表示部112は、乗車券投入口116に乗車券TIXが投入された場合に、改札機側制御部150によって処理された結果、または駅サーバ装置200から受信した情報に基づく画像を表示する。正面表示部113は、図2に示すa方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部113の表示内容または表示の有無は、改札機側制御部150によって決定される。
一方、従機130の読取部131は、例えば磁気券リーダライタである。読取部131は、図2に示すb方向に通過しようとする利用者によって乗車券投入口136に投入された乗車券TIXに記録された乗車券情報を読み取り、読み取った乗車券情報を改札機側制御部150に送信する。また、読取部131は、改札機側制御部150により出力された情報に基づいて、乗車券TIXの乗車券情報を書き換え、乗車券排出口137から排出する。上面表示部132は、乗車券投入口136に乗車券TIXが投入された場合に、改札機側制御部150によって処理された結果、または駅サーバ装置200から受信した情報に基づく画像を表示する。正面表示部133は、図2に示すb方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部133の表示内容または表示の有無は、改札機側制御部150によって決定される。
改札機側制御部150は、図2に示すa方向への利用者の通過を許可する動作モードに自動改札機100が設定されている場合、扉部115および135を開放状態に維持すると共に、扉部114および134を開放状態または閉止状態に制御することで、a方向の利用者の通過を許可または禁止する。また、改札機側制御部150は、図2に示すb方向への利用者の通過を許可する動作モードに自動改札機100が設定されている場合、扉部114および134を開放状態に維持すると共に、扉部115および135を開放状態または閉止状態に制御することで、b方向の利用者の通過を許可または禁止する。
また、自動改札機100の動作モードには、図2に示すa方向の通過とb方向の通過との双方を許可する動作モードが含まれていてもよい。この場合、改札機側制御部150は、例えば、利用者が通過中でなければ正面表示部113と正面表示部133の双方に通過を許可することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。また、改札機側制御部150は、例えば、利用者がa方向およびb方向のいずれかの側から進入し、乗車券投入口116と乗車券投入口136とのいずれか一方に乗車券TIXが投入されると、他方の乗車券投入口の開口を閉ざして乗車券TIXの投入を禁止すると共に、利用者が進入してきていない側の表示部(正面表示部113または正面表示部133)に、通過を禁止することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。
なお、図2では、自動改札機100は、乗車券情報が磁気記録面に記録された磁気券の専用機であるものとして説明したが、自動改札機100は、更に、QRコード(登録商標)等の二次元コードが印刷された紙券や、電子マネー等の情報を記憶することができる交通系ICカードを処理可能な装置であってもよい。また、自動改札機100は、利用者が双方向に通過可能なものに限らず、主機と補機により構成される、利用者が一方向にのみ通過可能なものであってもよい。
図3は、第1の実施形態の自動改札機100の主機110を通路側から見た図である。主機110は、上述した扉部114および115と、カメラ118とに加え、透過型光電センサStと、反射型光電センサSrとを更に備える。透過型光電センサStは、例えば、主機110の筐体面のうち、通路側の筐体面に等間隔に複数個(図3の例の場合は26個)設けられる。本実施形態では、投光器として機能する透過型光電センサStと、受光器として機能する透過型光電センサStとを1対として用いる。例えば、主機110に設けられる透過型光電センサStが投光器である場合、従機130側に設けられる透過型光電センサStは、受光器として機能する。後述する改札機側制御部150は、この複数の透過型光電センサStの検出信号と、配置位置とに基づいて、利用者が通路内のどの位置にいるのかを特定する。また、反射型光電センサSrは、透過型光電センサStと同様に、例えば、主機110の筐体から上方に突出する仕切部の通路側の面に、等間隔に複数個(図3の例の場合は3個)設けられる。反射型光電センサSrは、所定の方向に光を投射する。反射型光電センサSrは、光を投射した後、投射した方向から反射された光を受光する。反射型光電センサSrは、受光した光の強度に基づいて、通路に光を反射する利用者の身体が存在しているか否かを示す検出信号を生成する。反射型光電センサSrは、主に、通路に存在している利用者の身長を特定するために用いられる。後述する改札機側制御部150は、例えば、利用者の身長に応じて、利用者が大人であるのか子供であるのかを区別する。なお、上述した反射型光電センサSrは、主機110に設けられるものとして説明したがこれに限られず、従機130に設けられてもよいし、主機110および従機130の双方に設けられてもよい。
カメラ118は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを有する。例えば、カメラ118のアングルは、乗車券投入口116に乗車券TIXを投入する利用者の顔が視野角FOV内に収まるように固定される。カメラ118は、改札機側制御部150の制御によって、乗車券投入口116に乗車券TIXを投入しようとする、あるいは投入した利用者を撮像する。カメラ118は、例えば、5から10程度のfps(frame per second)によって、時系列に連続した画像、すなわち動画を撮像する。カメラ118は、撮像した動画(画像)を改札機側制御部150に出力する。なお、従機130のカメラ138も、カメラ118と同様に、アングルが乗車券投入口136に乗車券TIXを投入する利用者の顔が視野角FOV内に収まるように固定される。これによって、カメラ138は、改札機側制御部150の制御によって、乗車券投入口136に乗車券TIXを投入しようとする、あるいは投入した利用者を撮像する。カメラ138は、撮像した動画(画像)を改札機側制御部150に出力する。
図4は、第1の実施形態における自動改札機100の機能構成の一例を示す図である。自動改札機100は、図2に示す構成の他、改札機側制御部150の指示に従って、音声を出力するスピーカ140と、種々の情報を格納する改札機側記憶部170とを更に備える。また、改札機側制御部150は、改札機側通信部152と、撮像制御部154と、通過可否判定部156とを備える。
改札機側制御部150の機能部のうち一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが図示しない記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。プログラムは、例えば、ネットワークNWを介してアプリケーションサーバからダウンロードされてもよいし、SDカードなどの可搬型記憶媒体に格納されたものが自動改札機100にインストールされてもよい。また、改札機側制御部150の機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよい。
改札機側記憶部170は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。改札機側記憶部170は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、後述する改札機識別情報等を格納する。
改札機側通信部152は、例えば、カメラ118(138)によって撮像された動画と、改札機側制御部150の処理結果を示す情報とを、駅サーバ装置200に送信する。例えば、駅構内に入場する利用者の通過を許可するモードに自動改札機100が設定されている場合、この自動改札機100の改札機側通信部152は、処理対象の乗車券TIXの乗車券識別情報と、入場を許可したか否かを示す入場ステータス情報と、処理を行った日時情報と、自動改札機を識別する改札機識別情報とを含む入場改札処理情報を、改札機側制御部150の処理結果を示す情報として送信する。改札機識別情報は、例えば、予め改札機側記憶部170に格納される。
また、駅構内から出場する利用者の通過を制御するモードに自動改札機100が設定されている場合、この自動改札機100の改札機側通信部152は、処理対象の乗車券TIXの乗車券識別情報と、出場を許可したか否かを示す出場ステータス情報と、処理を行った日時情報と、自動改札機を識別する改札機識別情報とを含む出場改札処理情報を、改札機側制御部150の処理結果を示す情報として駅サーバ装置200に送信する。以下、駅構内に入場する利用者の通過を制限するモードに設定されている自動改札機100を、入場側自動改札機100−1と称し、駅構内から出場する利用者の通過を制御するモードに設定されている自動改札機100を、出場側自動改札機100−2と称して説明する。なお、入場側自動改札機100−1のカメラ118(138)は、第1のカメラの一例であり、出場側自動改札機100−2のカメラ118(138)は、第2のカメラの一例である。また、入場側自動改札機100−1の読取部111(131)は、第1の読取部の一例であり、出場側自動改札機100−2の読取部111(131)は、第2の読取部の一例である。また、入場側自動改札機100−1の通過可否判定部156は、第1の通過可否判定部の一例であり、出場側自動改札機100−2の通過可否判定部156は、第2の通過可否判定部の一例である。
また、改札機側通信部152は、駅サーバ装置200により送信された情報を受信し、この情報を通過可否判定部158に出力する。
撮像制御部154は、例えば、主機110や従機130の筐体面に設けられた人感センサSc等によって、利用者の接近が検出できた場合、カメラ118(138)に動画の撮像を開始させる。また、撮像制御部154は、読取部111(131)による乗車券TIXの読み取り処理が開始されてから、通過可否判定部158による判定処理が終了するまでの一連の処理に応じて、カメラ118(138)の動画の撮像を終了させる。
通過可否判定部156は、読取部111(131)により読み取られた乗車券情報に基づいて、利用者の通過を許可、あるいは禁止する制御を行う。例えば、通過可否判定部156は、乗車券情報に含まれる有効期間、乗車駅(発駅)、乗車可能区間等の情報と運賃テーブルとを照合することにより、自装置である自動改札機100が設置された駅と乗車駅とが一致するか否か、自動改札機100が設置された駅が乗車可能区間内か否か、すなわち利用者の乗車区間が乗車券時の購入金額に見合うか否か、乗車券TIXが乗車券投入口116(136)に投入された時刻が有効期間内か否か等といったことを判定し、全ての判定条件を満たす場合に利用者の通過を許可し、いずれか1つ以上の判定条件を満たさない場合に利用者の通過を禁止する。通過可否判定部156は、通過の許可または禁止の判定に応じて、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、またはこれらを組み合わせたものを制御する。
上述した自動改札機100における各機能部の処理の詳細な内容については、後にシーケンス図およびフローチャートを用いて説明する。
以下、駅サーバ装置200の説明を行う。図5は、第1の実施形態における駅サーバ装置200の機能構成の一例を示す図である。駅サーバ装置200は、例えば、駅サーバ側制御部210と、駅サーバ側記憶部220とを備える。
駅サーバ側制御部210は、例えば、駅サーバ側通信部212と、画像選択部214とを備える。これらの機能部のうち一部または全部は、CPU等のプロセッサが駅サーバ側記憶部220に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。プログラムは、例えば、ネットワークNWを介してアプリケーションサーバからダウンロードされてもよいし、SDカードなどの可搬型記憶媒体に格納されたものが駅サーバ装置200にインストールされてもよい。また、駅サーバ側制御部210の機能部のうち一部または全部は、LSI、ASIC、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。
駅サーバ側記憶部220は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。駅サーバ側記憶部220は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、例えば、カメラ118(138)により撮像された動画(画像の時系列データ)を格納する。
駅サーバ側通信部212は、改札機側通信部152により送信された情報を受信し、さらに受信した情報を統合管理サーバ装置300に送信する。また、駅サーバ側通信部212は、画像選択部214による処理結果を統合管理サーバ装置300に送信する。
画像選択部214は、入場側自動改札機100−1の処理日時に基づいて、カメラ118(138)により撮像された動画から、利用者が駅構内に入場する際に乗車券TIXを利用した姿を収めたフレーム画像を選択する。また、画像選択部214は、出場側自動改札機100−2の処理日時に基づいて、カメラ118(138)により撮像された動画から、利用者が駅構内から出場する際に乗車券TIXを利用した姿を収めたフレーム画像を選択する。例えば、画像選択部214は、入場側自動改札機100−1の処理時刻を中心として、時間的に前後する所定フレーム数の画像を選択する。その上で、画像選択部214は、利用者が駅構内に入場する際、或いは利用者が駅構内から出場する際に乗車券TIXを利用した姿を収めたフレーム画像を選択する。画像選択部214は、パターンマッチング等の手法によって人の頭部のうち最も多くの部分が収まっているフレーム画像を選択する。ここで、「乗車券TIXを利用した姿」とは、例えば、人の胸部より上側の身体であり、さらに好ましくは利用者の顔を含む頭部である。例えば、画像選択部214は、読取部111(131)によって乗車券情報が読み取られた時刻を基準に、この時刻と合致または最も近い時刻のフレーム画像を、カメラ118(138)により撮像された動画から選択する。これによって、フレーム画像は、利用者が乗車券投入口116(136)に乗車券TIXを投入する瞬間(またはこの前後)のものが選択される。なお、乗車券情報が読み取られた時刻は、乗車券投入口116(136)に乗車券TIXが投入された時刻、あるいは通過可否判定部156により通過可否の判定がなされた時刻として扱われてもよい。以下、駅構内に入場する際の利用者の姿を収めたフレーム画像を、第1のフレーム画像と称する。また、駅構内から出場する際の利用者の姿を収めたフレーム画像を、第2のフレーム画像と称する。
なお、画像選択部214は、自動改札機100の透過型光電センサStと、反射型光電センサSrとの検出信号に基づいて、フレーム画像を選択してもよい。例えば、画像選択部214は、処理日時が示す時刻において、透過型光電センサSt等によって利用者が検出されていない場合、処理日時が示す時刻に撮像されたフレーム画像の前または後の画像を、第1のフレーム画像や第2のフレーム画像として選択するようにしてもよい。
以下、統合管理サーバ装置300の説明を行う。図6は、第1の実施形態における統合管理サーバ装置300の機能構成の一例を示す図である。統合管理サーバ装置300は、例えば、管理サーバ側制御部310と、管理サーバ側記憶部320とを備える。管理サーバ側制御部310は、例えば、管理サーバ側通信部312と、情報管理部314と、不正判定部316とを備える。管理サーバ側制御部310のこれらの機能部のうち一部または全部は、CPU等のプロセッサが管理サーバ側記憶部320に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。プログラムは、例えば、ネットワークNWを介してアプリケーションサーバからダウンロードされてもよいし、SDカードなどの可搬型記憶媒体に格納されたものが統合管理サーバ装置300にインストールされてもよい。また、管理サーバ側制御部310の機能部のうち一部または全部は、LSI、ASIC、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。
管理サーバ側記憶部320は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。管理サーバ側記憶部320は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、後述する入出場データベースDB、入場者ウォッチリストWL、およびブラックリストBLを格納する。
管理サーバ側通信部312は、上述した駅サーバ側通信部212によって送信された情報を受信する。また、管理サーバ側通信部312は、管理サーバ側制御部310の処理結果を、駅サーバ装置200を中継して自動改札機100に送信する。なお、管理サーバ側通信部312は、管理サーバ側制御部310の処理結果を、例えば、駅係員等が操作する端末装置400に送信してもよい。
情報管理部314は、管理サーバ側通信部312により、第1のフレーム画像、第2のフレーム画像、入場改札処理情報、出場改札処理情報等が受信されると、これら各種情報を管理サーバ側記憶部320に蓄積して、駅構内に入場した利用者と駅構内から出場した利用者とを特定するための入出場データベースDBを構築する。
図7は、第1の実施形態における管理サーバ側記憶部320に格納される入出場データベースDBの一例を示す図である。入出場データベースDBは、例えば、乗車券識別情報(乗車券ID)ごとに、入出場のステータス情報と、各自動改札機の処理日時と、改札機識別情報(改札機ID)とが対応付けられたデータ列の集合と、フレーム画像ごとに、当該フレーム画像が撮像された撮像日時と、改札機識別情報(改札機ID)とが対応付けられたデータ列の集合とを含む。なお、入出場データベースDBは、これら2つのデータ列の集合が一体となったデータ集合であってもよい。以下、第1のフレーム画像と入場改札処理情報とを組み合わせた情報を、第1のペア情報と称し、第2のフレーム画像と出場改札処理情報とを組み合わせた情報を、第2のペア情報と称して説明する。
情報管理部314は、上述した入出場データベースDBから、入場者を監視するための入場者ウォッチリストWLを生成する。例えば、情報管理部314は、入出場ステータスの項目が「入場」になっている乗車券識別情報のデータ列を入出場データベースDBから抽出し、この抽出したデータ列に対応付けられた改札機識別情報および処理日時の双方に合致する(または類似する)フレーム画像のデータ列を、抽出した乗車券識別情報のデータ列に組み合わせて入場者ウォッチリストWLを生成する。すなわち、情報管理部314は、第1のペア情報に関するデータの集合を入場者ウォッチリストWLとして扱う。なお、入場者ウォッチリストWLは、データリストの一例である。
図8は、第1の実施形態における情報管理部314により生成される入場者ウォッチリストWLの一例を示す図である。図示のように、情報管理部314は、処理日時および改札機識別情報を共通の情報として乗車券識別情報とフレーム画像とを対応付け、新たに1つのデータ列を生成する。この入場者ウォッチリストWLの生成により、管理サーバ側制御部310は、後述する不正判定部316の処理負荷を軽減することができる。
不正判定部316は、上述した第1のペア情報と第2のペア情報とを比較することにより、利用者によって乗車券TIXが不正利用されたか否かを判定する。以下、本実施形態における乗車券TIXの不正利用について説明する。なお、不正判定部316は、特許請求の範囲に記載した特徴抽出部および不正判定部の一例である。
図9は、乗車券TIXの不正利用の様子を模式的に示した図である。例えば、ある利用者User−XがA駅の券売機にて、D駅行の乗車券TIX−Aと、A駅の隣接駅のB駅行の乗車券TIX−Bとを購入し、当駅の入場側自動改札機100−1において、これら2枚の乗車券TIXを投入し、2枚の乗車券TIXの双方に入場許可の情報を記録させる。例えば、1枚の乗車券TIXを乗車券投入口116(136)に投入後、自動改札機100の通路内に留まりつつ、乗車券排出口117(137)から排出される乗車券TIXを回収し、更にもう1枚の乗車券TIXを乗車券投入口116(136)に投入し、乗車券排出口117(137)から排出される乗車券TIXを回収する。これによって、同利用者によって入場許可済みの乗車券TIXが複数作成されてしまう。以下、入場側自動改札機100−1に投入され入場許可の情報が記録された乗車券TIX(乗車券排出口117(137)から排出される乗車券TIX)を、入場許可乗車券TIX#と称して説明する。図示するように、利用者User−Xは、駅構内に入場する際に、2枚の入場許可乗車券TIX−A#、TIX−B#を得ている。
一方、例えば、ある利用者User−YがD駅の券売機にて、D駅の隣接駅のC駅行きの乗車券TIX−Cを1枚購入し、当駅の入場側自動改札機100−1において、この乗車券TIX−Cを投入し、入場許可乗車券TIX−C#を得る。利用者User−Yは、例えば、途中の駅構内において、利用者User−Xが保有する入場許可乗車券TIX−B#を譲りうけた場合、本来B駅までの乗車料金を支払っていないにも関わらず、利用者User−Xによって作成された入場許可乗車券TIX−B#を使用することによって、B駅の出場側自動改札機100−2を正常に通過できてしまう。本実施形態の不正判定部316は、上述した行為を不正利用として判定する。
上述した不正利用が行われた場合、入出場データベースDBには、図10に示すようなデータが格納される。図10は、乗車券TIXの不正利用が行われた場合の入出場データベースDBの一例を示す図である。上述したように、利用者User−Xによって同一の入場側自動改札機100−1に2枚の乗車券TIX−AおよびTIX−Bが投入された場合、図示のように、互いに異なる乗車券識別情報IDt−AおよびIDt−Bには、同一の改札機識別情報(例えばGATE−L)が対応付けられる。また、これら乗車券識別情報IDt−AおよびIDt−Bには、同一の利用者を写したフレーム画像、すなわち利用者User−Xを写したフレーム画像IMG−Xが対応付けられる。従って、不正判定部316は、ステータスが入場であり、互いに異なる乗車券識別情報に、合致(類似)するフレーム画像が対応付けられているか否かを判定する。
具体的には、不正判定部316は、フレーム画像ごとに利用者の顔の特徴点や輪郭(エッジ)等を抽出し、複数のフレーム画像間において、抽出した特徴点や輪郭等の位置関係を比較することによって、互いに合致(類似)するフレーム画像が存在しているか否かを判定する。例えば、異なるフレーム画像間において特徴点や輪郭等の位置関係が完全一致している場合を、合致すると定義してもよいし、ある一定の割合で一致している場合を合致していると定義してもよい。不正判定部316は、合致するフレーム画像が存在している場合、これらフレーム画像が対応付けられた乗車券識別情報の取得元の乗車券TIXが不正利用されたと判定する。図示の例では、乗車券識別情報IDt−AとIDt−Bとのそれぞれの乗車券TIX−A、TIX−Bが、不正利用されたと判定される。
また、上述したように、利用者User−Xが入場時に使用した乗車券TIX−Aを利用し、利用者User−Yが利用者User−Xによって利用された乗車券TIX−Bを利用して、それぞれが駅構内から出場した場合、図10に示すように、乗車券識別情報IDt−AおよびIDt−Bには、処理日時や改札機識別情報といった出場改札処理情報と、フレーム画像とが対応付けられる。不正判定部316は、同じ乗車券識別情報に入場時と出場時において異なるフレーム画像が対応付けられている場合、この乗車券識別情報の取得元の乗車券TIXが不正利用されたと判定する。図示の例では、乗車券識別情報IDt−Bには、入場時においてフレーム画像IMG−Xが対応付けられ、出場時においてフレーム画像IMG−Yが対応付けられている。従って、不正判定部316は、この乗車券識別情報IDt−Bの乗車券TIX−Bが不正利用されたと判定する。
一方、利用者User−Yが入場時に使用した乗車券TIX−Cは、出場時に利用されないことから、この乗車券TIX−Cの乗車券識別情報IDt−Cには、出場改札処理情報と、フレーム画像とが対応付けられない。不正判定部316は、例えば、1日の営業時間以内に乗車券識別情報IDt−Cに出場改札処理情報と、フレーム画像とが対応付けられない場合、この乗車券TIX−Cが不正利用されたと判定する。
不正判定部316は、上述したように不正利用されたと判定した乗車券TIXの乗車券識別情報とフレーム画像とをリストアップしたブラックリストBLを生成し、管理サーバ側記憶部320に格納する。図11は、第1の実施形態における不正判定部316により生成されるブラックリストBLの一例を示す図である。図示のように、ブラックリストBLには、不正利用と判定された乗車券識別情報ごとに、入場時のフレーム画像と、出場時のフレーム画像とが対応付けられている。例えば、統合管理サーバ装置300は、次回以降、第1のペア情報が入出場データベースDBに格納される段階で、このブラックリストBLを参照し、第1のペア情報に含まれるフレーム画像の特徴とブラックリストBL内のフレーム画像の特徴とのマッチングを行うことで不正利用を行った人物を特定することができる。
図12は、第1の実施形態における改札監視システム1の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、入場側自動改札機100−1は、カメラ118(138)によって利用者を撮像しながら、通過可否判定を行う(ステップS100)。次に、入場側自動改札機100−1は、カメラ118(138)により撮像された動画と、入場改札処理情報とを駅サーバ装置200に送信する(ステップS102)。
次に、駅サーバ装置200は、入場側自動改札機100−1から受信した入場改札処理情報に基づいて、カメラ118(138)による動画から、第1のフレーム画像を選択する(ステップS104)。次に、駅サーバ装置200は、選択した第1のフレーム画像と入場改札処理情報とを合わせた第1のペア情報を統合管理サーバ装置300に送信する(ステップS106)。次に、統合管理サーバ装置300は、駅サーバ装置200から受信した第1のペア情報を入出場データベースDBとして記憶し、入場者ウォッチリストWLを生成する(ステップS108)。
上述したようにして駅構内に入場した利用者は、入場駅から電車に乗って他の駅まで移動した後、この移動先の駅から駅構外に出場する場合、移動先の駅に設けられた出場側自動改札機100−2の乗車券投入口116(136)に乗車券TIXを投入する。この場合、改札監視システム1は、以下に示すような処理を行う。
出場側自動改札機100−2は、入場側自動改札機100−1と同様に、カメラ118(138)によって利用者を撮像しながら、通過可否判定を行う(ステップS110)。次に、出場側自動改札機100−2は、カメラ118(138)により撮像された動画と、出場改札処理情報とを駅サーバ装置200に送信する(ステップS112)。
次に、駅サーバ装置200は、出場側自動改札機100−2から受信した出場改札処理情報に基づいて、カメラ118(138)による動画から、第2のフレーム画像を選択する(ステップS114)。次に、駅サーバ装置200は、選択した第2のフレーム画像と出場改札処理情報とを合わせた第2のペア情報を統合管理サーバ装置300に送信する(ステップS116)。次に、統合管理サーバ装置300は、第2のペア情報を、入場者ウォッチリストWLに照合し、不正利用か否かの判定を行う(ステップS118)。
以下、第1の実施形態における改札監視システム1の各装置の処理の流れを、フローチャートを用いて説明する。図13は、第1の実施形態における入場側自動改札機100−1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、撮像制御部154は、人感センサ等によって利用者の接近を検出すると(ステップS200)、カメラ118(138)に撮像を開始させる(ステップS202)。次に、読取部111(131)は、乗車券投入口116(136)に投入された乗車券TIXから乗車券情報を読み取る(ステップS204)。次に、通過可否判定部156は、読取部111(131)によって読み取られた乗車券情報に基づいて、通過可否判定を行う(ステップS206)。
通過可否判定部156は、通過を許可する判定を行った場合、扉部114および134を開放状態に制御して利用者の通過を許可し(ステップS210)、読取部111(131)を制御して乗車券TIXに入場を許可した旨を示す情報を書き込ませ(ステップS212)、乗車券排出口117(137)から乗車券TIXを排出させる。一方、通過可否判定部156は、通過を禁止する判定を行った場合、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、乗車券TIXを利用できないことを表すエラー情報を出力させ、扉部114および134を閉止状態に制御して利用者の通過を禁止する(ステップS208)。また、通過可否判定部156は、投入された乗車券TIXを乗車券投入口116(136)から排出させる。
次に、改札機側制御部150は、カメラ118(138)により撮像された動画と、入場改札処理情報とを駅サーバ装置200に送信する(ステップS214)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
以下、出場側自動改札機100−2の処理の流れについて説明する。図14は、第1の実施形態における出場側自動改札機100−2の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、撮像制御部154は、人感センサ等によって利用者の接近を検出すると(ステップS300)、カメラ118(138)に撮像を開始させる(ステップS302)。次に、読取部111(131)は、乗車券投入口116(136)に投入された乗車券TIXから乗車券情報を読み取る(ステップS304)。次に、通過可否判定部156は、読取部111(131)によって読み取られた乗車券情報に基づいて、通過可否判定を行う(ステップS306)。
通過可否判定部156は、通過を許可する判定を行った場合、扉部114および134を開放状態に制御して利用者の通過を許可し(ステップS310)、乗車券投入口116(136)に投入された乗車券TIXを図示しない回収部に回収する(ステップS312)。一方、通過可否判定部156は、通過を許可する判定を行った場合、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、乗車券TIXを利用できないことを表すエラー情報を出力させ、扉部114および134を閉止状態に制御して利用者の通過を禁止する(ステップS308)。また、通過可否判定部156は、投入された乗車券TIXを乗車券投入口116(136)から排出させる。
次に、改札機側制御部150は、カメラ118(138)により撮像された動画と、出場改札処理情報とを駅サーバ装置200に送信する(ステップS314)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
以下、駅サーバ装置200の処理の流れについて説明する。図15は、第1の実施形態における駅サーバ装置200の処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、駅サーバ側通信部212は、自動改札機100から動画と、入場改札処理情報または出場改札処理情報とを受信すると(ステップS400)、この情報を画像選択部214に出力する。次に、画像選択部214は、入場改札処理情報または出場改札処理情報に応じて、第1のフレーム画像または第2のフレーム画像を動画から選択する(ステップS402)。駅サーバ側通信部212は、第1の画像フレームと入場改札処理情報とを組み合わせた第1のペア情報、または第2の画像フレームと出場改札処理情報とを組み合わせた第2のペア情報を統合管理サーバ装置300に送信する(ステップS404)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
以下、統合管理サーバ装置300の処理の流れについて説明する。図16は、第1の実施形態における統合管理サーバ装置300の処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、不正判定部316は、管理サーバ側通信部312によって第1のペア情報が受信されると(ステップS500)、第1のペア情報に含まれるフレーム画像の特徴と、ブラックリストBLに含まれるフレーム画像の特徴とのマッチングを行って、第1のペア情報がブラックリストBLに合致するか否かを判定する(ステップS502)。管理サーバ側通信部312は、第1のペア情報がブラックリストBLに合致する場合、利用者が過去に不正利用を行ったことを示す不正判定情報を駅係員の端末装置400等に送信する(ステップS504)。
次に、情報管理部314は、管理サーバ側通信部312によって受信された第1のペア情報を入出場データベースDBとして管理サーバ側記憶部320に記憶させる(ステップS506)。次に、情報管理部314は、入出場データベースDBから、入出場のステータスが入場のデータのみを抽出した入場者ウォッチリストWLを生成する(ステップS508)。なお、情報管理部314は、既に入場者ウォッチリストWLが存在している場合、新規に管理サーバ側通信部312によって受信された第1のペア情報のみを既存の入場者ウォッチリストWLに追加してもよい。
次に、情報管理部314は、管理サーバ側通信部312によって第2のペア情報が受信されると(ステップS510)、第2のペア情報を入出場データベースDBとして管理サーバ側記憶部320に記憶させる(ステップS512)。次に、不正判定部316は、第2のペア情報に含まれる乗車券識別情報および第2のフレーム画像の特徴と、入場者ウォッチリストWLに含まれる乗車券識別情報および第1のフレーム画像の特徴とが合致するか否かを判定する(ステップS514)。不正判定部316は、乗車券識別情報および第2のフレーム画像の特徴が入場者ウォッチリストWLのものに共に合致する場合、乗車券TIXが正当利用されたと判定する(ステップS516)。
一方、不正判定部316は、乗車券識別情報および第2のフレーム画像の特徴のいずれか一方が入場者ウォッチリストWLのものに合致しない場合、乗車券TIXが不正利用されたと判定する(ステップS518)。この場合、管理サーバ側通信部312は、利用者が不正利用を行ったことを示す不正判定情報を駅係員の端末装置400等に送信する(ステップS520)。不正判定部316は、不正利用されたと判定した乗車券TIXの乗車券識別情報とフレーム画像とをリストアップしたブラックリストBLを生成し、管理サーバ側記憶部320に記憶させる(ステップS522)。なお、上述した入場者ウォッチリストWLと同様に、不正判定部316は、既にブラックリストBLが存在している場合、新規に不正利用されたと判定した乗車券TIXの乗車券識別情報とフレーム画像とを既存のブラックリストBLに追加してもよい。
次に、情報管理部314は、入場者ウォッチリストWLの中から、入出場のステータスが出場の乗車券識別情報と合致した乗車券識別情報を有するデータ列を削除し、入場者ウォッチリストWLを更新する(ステップS524)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
以上説明した第1の実施形態における改札監視システム1によれば、入場側自動改札機100−1のカメラ118(138)によって撮像された利用者の画像の特徴と入場側自動改札機100−1の読取部111(131)によって読み取られた乗車券識別情報を含む入場改札処理情報との組み合わせを表す第1のペア情報と、出場側自動改札機100−2のカメラ118(138)によって撮像された利用者の画像の特徴と出場側自動改札機100−2の読取部111(131)によって読み取られた乗車券識別情報を含む出場改札処理情報との組み合わせを表す第2のペア情報とを比較することで、乗車券TIXが利用者によって不正利用されたか否かを判定することにより、乗車券TIXの不正利用を抑制することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態における改札監視システム1について説明する。第2の実施形態における改札監視システム1では、統合管理サーバ装置300において不正利用されたと判定された場合に、自動改札機100が利用者を通過禁止にする点で、第1の実施形態における改札監視システム1と相違する。従って、係る相違点を中心に説明し、共通する部分についての説明は省略する。
図17は、第2の実施形態における入場側自動改札機100−1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートにおけるS600からステップS604は、上述した第1の実施形態におけるステップS200からステップS204と同様の処理のため、説明を省略する。
改札機側通信部152は、読取部111(131)によって乗車券情報の読み取りが開始された時刻を示す読取時刻情報と、読取部111(131)によって乗車券情報の読み取りが開始された時刻までにカメラ118(138)によって撮像された動画と、改札機識別情報とを駅サーバ装置200に送信する(ステップS606)。これによって、駅サーバ装置200は、入場側自動改札機100−1が読み取った乗車券情報に基づいて通過可否判定の処理を行うのと並行して、第1のフレーム画像を選択することができる。駅サーバ装置200は、選択した第1のフレーム画像と、読取時刻情報と、改札機識別情報とを対応付けて統合管理サーバ装置300に送信する。これによって、統合管理サーバ装置300は、より早い段階からブラックリストBLに合致するか否かの判定処理を行うことができる。
次に、通過可否判定部156は、改札機側通信部152によって、駅サーバ装置200を中継して統合管理サーバ装置300から不正判定情報が受信されたか否かを判定する(ステップS608)。例えば、ステップS608において受信される不正判定情報は、第1のフレーム画像がブラックリストBL内のフレーム画像と合致する場合に、利用者が過去に不正利用を行ったことを示す情報として統合管理サーバ装置300が送信する情報である。
改札機側通信部152によって不正判定情報が受信された場合、通過可否判定部156は、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、乗車券TIXを利用できないことを表すエラー情報を出力させ、扉部114および134を閉止状態に制御して利用者の通過を禁止する(ステップS610)。また、通過可否判定部156は、投入された乗車券TIXを乗車券投入口116(136)から排出させる。
一方、改札機側通信部152によって不正判定情報が受信されない場合、改札機側制御部150は、上述した第1の実施形態におけるステップS206からステップS214と同様の処理として、ステップS612からステップS618の処理を行って、本フローチャートの処理を終了する。
図18は、第2の実施形態における出場側自動改札機100−2の処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートにおけるS700からステップS704は、上述した第1の実施形態におけるステップS300からステップS304と同様の処理のため、説明を省略する。
改札機側通信部152は、読取部111(131)によって乗車券情報の読み取りが開始された時刻を示す読取時刻情報と、読取部111(131)によって乗車券情報の読み取りが開始された時刻までにカメラ118(138)によって撮像された動画と、改札機識別情報とを駅サーバ装置200に送信する(ステップS706)。これによって、駅サーバ装置200は、出場側自動改札機100−2が読み取った乗車券情報に基づいて通過可否判定の処理を行うのと並行して、第2のフレーム画像を選択することができる。駅サーバ装置200は、選択した第2のフレーム画像と、読取時刻情報と、改札機識別情報とを対応付けて統合管理サーバ装置300に送信する。これによって、統合管理サーバ装置300は、より早い段階から入場者ウォッチリストWLに合致するか否かの判定処理を行うことができる。
次に、通過可否判定部156は、改札機側通信部152によって、駅サーバ装置200を中継して統合管理サーバ装置300から不正判定情報が受信されたか否かを判定する(ステップS708)。例えば、ステップS708において受信される不正判定情報は、第2のフレーム画像が入場者ウォッチリストWL内のフレーム画像と合致する場合に、利用者が不正利用を行ったことを示す情報として統合管理サーバ装置300が送信する情報である。
改札機側通信部152によって不正判定情報が受信された場合、通過可否判定部156は、上面表示部112(132)、正面表示部113(133)および/またはスピーカ140に、乗車券TIXを利用できないことを表すエラー情報を出力させ、扉部114および134を閉止状態に制御して利用者の通過を禁止する(ステップS710)。また、通過可否判定部156は、投入された乗車券TIXを乗車券投入口116(136)から排出させる。
一方、改札機側通信部152によって不正判定情報が受信されない場合、改札機側制御部150は、上述した第1の実施形態におけるステップS306からステップS314と同様の処理として、ステップS712からステップS718の処理を行って、本フローチャートの処理を終了する。
図19は、第2の実施形態における統合管理サーバ装置300の処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、不正判定部316は、管理サーバ側通信部312によって駅サーバ装置200から第1のフレーム画像と、読取時刻情報と、改札機識別情報とが受信されると(ステップS800)、受信された第1のフレーム画像の特徴がブラックリストBL内のフレーム画像の特徴と合致するか否かを判定する(ステップS802)。第1のフレーム画像の特徴がブラックリストBL内のフレーム画像の特徴と合致する場合、管理サーバ側通信部312は、利用者が過去に不正利用を行ったことを示す不正判定情報を、駅サーバ装置200を中継して入場側自動改札機100−1に送信する(ステップS804)。
次に、情報管理部314は、管理サーバ側通信部312によって受信された第1のフレーム画像と、読取時刻情報と、改札機識別情報とを入出場データベースDBとして管理サーバ側記憶部320に記憶させる(ステップS806)。次に、情報管理部314は、管理サーバ側通信部312によって駅サーバ装置200から入場改札処理情報が受信されると(ステップS808)、受信された入場改札処理情報を入出場データベースDBとして管理サーバ側記憶部320に記憶させる(ステップS810)。次に、情報管理部314は、入場者ウォッチリストWLを生成する(ステップS812)。
次に、情報管理部314は、管理サーバ側通信部312によって駅サーバ装置200から第2のフレーム画像と、読取時刻情報と、改札機識別情報とが受信されると(ステップS814)、この受信された第2のフレーム画像と、読取時刻情報と、改札機識別情報とを入出場データベースDBとして管理サーバ側記憶部320に記憶させる(ステップS816)。次に、不正判定部316は、第2のフレーム画像の特徴が入場者ウォッチリストWL内のフレーム画像(第1のフレーム画像)の特徴と合致するか否かを判定する(ステップS818)。不正判定部316は、第2のフレーム画像の特徴が入場者ウォッチリストWL内のフレーム画像の特徴と合致する場合、乗車券TIXが正当利用されたと判定する(ステップS820)。
次に、情報管理部314は、管理サーバ側通信部312によって駅サーバ装置200から出場改札処理情報が受信されると(ステップS822)、この受信された出場改札処理情報を入出場データベースDBとして管理サーバ側記憶部320に記憶させる(ステップS824)。
一方、不正判定部316は、第2のフレーム画像の特徴が入場者ウォッチリストWL内のフレーム画像の特徴と合致しない場合、乗車券TIXが不正利用されたと判定する(ステップS826)。次に、管理サーバ側通信部312は、利用者が不正利用を行ったことを示す不正判定情報を、駅サーバ装置200を中継して出場側自動改札機100−2に送信する(ステップS828)。次に、不正判定部316は、ブラックリストBLを生成し、管理サーバ側記憶部320に記憶させる(ステップS830)。次に、情報管理部314は、入場者ウォッチリストWLを更新する(ステップS832)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
以上説明した第2の実施形態における改札監視システム1によれば、乗車券TIXが不正利用される際に、自動改札機100が乗車券TIXを利用する利用者の通過を禁止することにより、乗車券TIXの不正利用を更に抑制することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態における改札監視システム1について説明する。第3の実施形態における改札監視システム1では、駅サーバ装置200が通過可否判定部を備える点で、第1および第2の実施形態における改札監視システム1と相違する。従って、係る相違点を中心に説明し、共通する部分についての説明は省略する。
図20は、第3の実施形態における駅サーバ装置200の機能構成の一例を示す図である。第3の実施形態における駅サーバ装置200は、例えば、上述した第1および第2の実施形態の構成に加え、さらに通過可否判定部216をさらに備える。
以下、第3の実施形態における改札監視システム1の処理の流れを説明する。図21は、第3の実施形態における改札監視システム1の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、入場側自動改札機100−1は、カメラ118(138)によって利用者を撮像すると共に、乗車券TIXから乗車券情報を読み取る(ステップS900)。次に、入場側自動改札機100−1は、読み取った乗車券情報と、カメラ118(138)により撮像された動画と、改札機識別情報とを駅サーバ装置200に送信する(ステップS902)。
次に、駅サーバ装置200は、入場側自動改札機100−1から受信した乗車券情報に基づいて、通過可否判定を行う(ステップS904)。次に、駅サーバ装置200は、カメラ118(138)による動画から、第1のフレーム画像を選択し、通過可否判定を示す情報(入場改札処理情報に相当)と第1のフレーム画像と組み合わせた第1のペア情報を統合管理サーバ装置300に送信する(ステップS906)。統合管理サーバ装置300は、駅サーバ装置200から受信した第1のペア情報を入出場データベースDBとして記憶し、入場者ウォッチリストWLを生成する(ステップS908)。
一方、駅サーバ装置200は、通過可否判定を示す情報を、入場側自動改札機100−1に送信する(ステップS910)。入場側自動改札機100−1は、駅サーバ装置200により送信された通過可否判定を示す情報に基づいて、通過を許可、あるいは禁止する制御を行う(ステップS912)。
上述したようにして駅構内に入場した利用者は、入場駅から電車に乗って他の駅まで移動した後、この移動先の駅から駅構外に出場する場合、移動先の駅に設けられた出場側自動改札機100−2の乗車券投入口116(136)に乗車券TIXを投入する。この場合、改札監視システム1は、以下に示すような処理を行う。
出場側自動改札機100−2は、入場側自動改札機100−1と同様に、カメラ118(138)によって利用者を撮像すると共に、乗車券TIXから乗車券情報を読み取る(ステップS914)。次に、出場側自動改札機100−2は、読み取った乗車券情報と、カメラ118(138)により撮像された動画と、改札機識別情報とを駅サーバ装置200に送信する(ステップS916)。
次に、駅サーバ装置200は、出場側自動改札機100−2から受信した乗車券情報に基づいて、通過可否判定を行う(ステップS918)。次に、駅サーバ装置200は、カメラ118(138)による動画から、第2のフレーム画像を選択し、通過可否判定を示す情報(出場改札処理情報に相当)と第2のフレーム画像と組み合わせた第2のペア情報を統合管理サーバ装置300に送信する(ステップS920)。統合管理サーバ装置300は、駅サーバ装置200から受信した第2のペア情報を入出場データベースDBとして記憶し、第2のペア情報を、入場者ウォッチリストWLに照合し、不正利用か否かの判定を行う(ステップS924)。
一方、駅サーバ装置200は、通過可否判定を示す情報を、出場側自動改札機100−2に送信する(ステップS926)。出場側自動改札機100−2は、駅サーバ装置200により送信された通過可否判定を示す情報に基づいて、通過を許可、あるいは禁止する制御を行う(ステップS928)。これによって、シーケンス図に示す処理が終了する。
以上説明した第3の実施形態における改札監視システム1によれば、第1または第2の実施形態と同様に、乗車券TIXの不正利用を抑制することができる。
以下、その他の実施形態(変形例)について説明する。
図22は、上述した実施形態における改札監視システム1の構成の他の例を示す図である。図示するように、上述した駅サーバ装置200は省略してもよく、例えば、自動改札機100は、ネットワークNWを介して直接統合管理サーバ装置300と通信を行ってもよい。この場合、省略した駅サーバ装置200の画像選択部214等は、統合管理サーバ装置300が備えていてもよいし、自動改札機100が備えていてもよい。
また、上述した実施形態では、カメラ118(138)は、自動改札機100が備えるものとして説明したがこれに限られない。例えば、カメラ118(138)は、駅構内の天井や壁面といった自動改札機100の外部に設けられていてもよい。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、入場側自動改札機100−1のカメラ118(138)によって撮像された利用者の画像の特徴と入場側自動改札機100−1の読取部111(131)によって読み取られた乗車券識別情報を含む入場改札処理情報との組み合わせを表す第1のペア情報と、出場側自動改札機100−2のカメラ118(138)によって撮像された利用者の画像の特徴と出場側自動改札機100−2の読取部111(131)によって読み取られた乗車券識別情報を含む出場改札処理情報との組み合わせを表す第2のペア情報とを比較することで、乗車券TIXが利用者によって不正利用されたか否かを判定することにより、乗車券TIXの不正利用を抑制することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。