JP2017161734A - 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

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裕 高橋
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大輔 濱田
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Abstract

【課題】飛散トナーの回収能力の低下を抑制することができる。
【解決手段】現像装置12の内部には、内部空間としての現像剤収容室18が形成されている。現像剤収容室18は、仕切り壁によって、第一剤収容室V1と第二剤収容室とに仕切られ、第一剤収容室V1には、現像ローラ12a、第二搬送スクリュ12c、現像ドクタ12dが配置され、第二剤収容室V2には、第1搬送スクリュ12bが配置されている。また、仕切り壁から現像ドクタ12dの近傍にまで延設する板状部材たる現像剤ガイド部材12gが設けられ、現像剤ガイド部材12gと現像ドクタ12dとによって、現像剤収容室18とは部分的に連通する空間(排気室18)が形成される。排気室18の壁部には排気口が設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
従来、現像剤担持体たる現像ローラの外周面の一部と潜像担持体たる感光体とを対向させるための開口部が設けられたケーシングを備え、その開口部から一部が露出された現像ローラ上に担持した粉体のトナーを用いて感光体上に形成された潜像を現像する現像装置が知られている。
例えば、特許文献1には、係る現像装置であって、現像ローラと感光体とが対向する対向部よりも現像ローラの回転方向下流側の周囲に飛散しているトナーを内部空間に回収する現像装置が開示されている。その現像装置では、その対向部よりも現像ローラの回転方向下流側に位置するケーシングの開口部の縁部と現像ローラの表面との間には空隙が形成されている。そして、現像ローラが回転するとき、現像ローラ上に形成される現像剤の穂立ち部が、その空隙をケーシングに接触しながら移動することで、空気を現像装置の内部空間へ吸い込ませて気流を発生させている。その吸い込み気流により、飛散トナーを現像装置の内部空間に回収している。
通常、現像装置では、吸い込み気流によって現像装置の内部空間の内圧が上がると、吸い込み気流の流量が減り、飛散トナーの回収能力が下がる。そのため、現像装置の内部空間内の空気を排気口から外部に排出して現像装置の内部空間の内圧を下げている。さらに、現像装置の内部空間に浮遊しているトナーが現像装置の外部に排出されると、現像装置周囲を汚染するため、排気口にはトナーを捕集するフィルタを設けている。
そのフィルタが設けられた排気口を現像装置のケーシングに設けると、現像装置の内部空間では、内部空間に収容されるトナーが現像ローラの回転によって生じる気流に乗って多数浮遊しているため、排気口のフィルタはトナー詰まりを起こし易い。その結果、現像装置の内部空間の空気排出を良好に行うことができず、吸い込み気流の流量が減少して飛散トナーの回収能力が低下しまうという問題があった。
上述した課題を解決するために、本発明は、表面に現像剤を担持した状態で、潜像担持体に対向しながら回転する現像剤担持体と、少なくとも該現像剤担持体と現像剤とを収容する内部空間を形成し、かつ前記現像剤担持体の表面の一部を前記潜像担持体に対向させるための開口部が設けられたケーシングとを有する現像装置において、前記内部空間と部分的に連通する空間を有する排気室を備え、該排気室を形成する壁部に排気口が設けられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、飛散トナーの回収能力の低下を抑制することができるという特有の効果が得られる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略を示す図。 (a)は、プロセスカートリッジ1の斜視図、(b)は、プロセスカートリッジ1の断面図。 現像装置12内の現像剤の循環経路を模式的に示す図。 現像装置12の概略断面図。 図4の搬送スクリュ12cから上方を見上げた概略図。
図1は本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略を示す図である。図2(a)は、プロセスカートリッジ1の斜視図であり、図2(b)は、プロセスカートリッジ1の断面図である。
図1に示すように、画像形成装置としての複写機の装置本体100の上部には、画像読取装置200が取り付けられている。装置本体100の内部には、プロセスカートリッジ1が設けられている。図2(b)に示すように、プロセスカートリッジ1は、潜像担持体としての感光体10と、感光体10の周囲に配置され、感光体10に作用するプロセス部としての帯電装置11、現像装置12およびクリーニング装置14などを備えている。プロセスカートリッジ1は、装置本体100に着脱可能に装着されている。感光体10、帯電装置11、現像装置12及びクリーニング装置14がプロセスカートリッジ1としてユニット化されることにより、交換やメンテナンスの作業が容易になる。また、各部材間の位置精度を高精度の維持することができ、形成される画像品質の向上を図ることができる。
帯電部としての帯電装置11は、帯電バイアスを印加され、感光体10表面に電荷を与えて感光体10を一様帯電する帯電ローラ11aと、帯電ローラ11aの表面に付着したトナーなどの付着物を除去する除去ローラ11bとを備えている。
現像部としての現像装置12は、第一剤収容室V1と第二剤収容室V2とを有している。第一剤収容室V1には、現像剤搬送部としての第一搬送スクリュ12bが配設されている。第二剤収容室V2には、現像剤搬送部としての第二搬送スクリュ12c、現像剤担持体としての現像ローラ12a、現像剤規制部材としての現像ドクタ12dなどが配設されている。
これら2つの剤収容室V1、V2内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のトナーとからなる二成分現像剤である現像剤が内包されている。第一搬送スクリュ12bは、駆動部によって回転駆動することで、第一剤収容室V1内の現像剤を図2(b)中の手前側へ搬送する。そして、第一搬送スクリュ12bにより第一剤収容室V1の図2(b)中の手前側端部まで搬送された現像剤は、第二剤収容室V2に進入する。
第二剤収容室V2内の第二搬送スクリュ12cは、駆動部によって回転駆動することで、現像剤を図2(b)中の奥側へ搬送する。このようにして現像剤を搬送する第二搬送スクリュ12cの上方には、現像剤担持体としての現像ローラ12aが第二搬送スクリュ12cと平行な姿勢で配設されている。この現像ローラ12aは、回転駆動する非磁性スリーブからなる現像スリーブ内に固定配置された磁界発生部としてのマグネットローラを内包した構成となっている。
第二搬送スクリュ12cによって搬送される現像剤の一部は、回転する第二搬送スクリュ12cの回転力と、現像ローラ12a内のマグネットローラの磁力とによって、現像ローラ12aの表面に担持される。そして、現像ローラ12aの表面と所定の間隙を保持するように配設された丸棒からなる現像剤規制部材としての現像ドクタ12dによってその層厚が規制される。その後、感光体10と対向する現像領域まで搬送され、感光体10上の静電潜像にトナーを付着させる。この付着により、感光体10上にトナー像が形成される。現像によってトナーを消費した現像剤は、現像ローラ12aの表面移動に伴って第二搬送スクリュ12cに戻される。そして、第二搬送スクリュ12cにより第二剤収容室V2の端部まで搬送された現像剤は、第一剤収容室V1内に戻る。このようにして、現像剤は現像装置内を循環搬送される。
また、現像装置12は、現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ124(図3参照)が第一剤収容室V1に設置してある。トナー濃度センサ124は、現像剤の透磁率から現像剤のトナー濃度を測定するもので、トナー濃度が低くなると磁性体のキャリアが密集してくるので透磁率は高くなる。このトナー濃度センサ124によって測定された値が、狙いの値(閾値)を超える場合は図1に示すトナー収容器としてのトナーボトル20から現像装置12にトナー補給され、現像装置12内のトナー濃度を一定濃度に制御する。狙いの値は、事前に感光体10に形成されたトナーパターン(基準パターン)のトナー付着量を光学センサで検知し、その検知結果に基づいて決められている。
このような動作は、感光体上の基準パターン濃度を一定に保つように制御しているが、トナーボトル20のトナーがなくなった場合は、基準パターン濃度低下を抑制できなくなる。このような基準パターン濃度低下の状況においては、所定期間、トナーボトル20からトナーを補給する動作をしたにも係わらず、光学センサによるトナーパターンの検知結果が改善されない。従って、トナーボトル20からトナーを補給する動作をしたにも係わらず、光学センサによるトナーパターンの検知結果が改善されなかった場合は、トナーがなくなった(トナーエンド)と、判断(あるいは推定判断)する。
また、トナーエンドと判断した後、トナーボトル20を交換し、交換したトナーボトル20内のトナーを現像装置12へ供給するトナーエンドのリカバリのときは、以下のような動作を行う。すなわち、補給されたトナーと現像剤を良好に混合させるために、現像ローラ12a、第一搬送スクリュ12b及び第二搬送スクリュ12cを回転させる。また、このとき、現像ローラ12a上の現像剤に不均一な摺動が生じるのを防ぐために、感光体10も回転させる駆動を付与する。
クリーニング部としてのクリーニング装置14は、感光体10表面に当接して感光体10に付着している転写残トナーを掻き取るクリーニングブレード14aを備えている。また、クリーニングブレード14aにより回収された回収トナーは回収部Wに収容され、回収部Wには回収トナーを搬送するトナー回収コイル14bを備えている。トナー回収コイル14bにより搬送された回収トナーは、トナー搬送装置により、現像装置12に搬送される。搬送された回収トナーは廃トナーボトル41へ搬送されても良い。また、現像剤の優劣に応じて現像装置12または廃トナーボトル41へ搬送されても良い。
図1に示すように、転写部としての転写装置17は、転写ローラ16を備えており、転写ローラ16は、感光体10の周面に押圧されて当接されている。また、転写装置17の上方には、定着部としての熱定着装置24が設けられている。熱定着装置24は、加熱ローラ25と加圧ローラ26を有する。また、装置本体100には、潜像形成部としてのレーザ書込装置21が備えられている。レーザ書込装置21には、レーザ光源、走査用の回転多面鏡、ポリゴンモータ、fθレンズなどを備えている。また、装置本体は、転写紙、OHPフィルムなどのシートSを収納するシートカセット22が多段に備えられている。
以上のような構成の装置を用いてコピーするとき、ユーザがスタートスイッチを押すと、まず、画像読取装置200にセットされた原稿内容を読み取る。また、このとき同時に、感光体駆動モータで感光体10を回転し、帯電ローラ11aを用いた帯電装置11で感光体10の表面を一様に帯電する。次いで画像読取装置200によって読み取った原稿内容に応じてレーザ光を感光体10に照射してレーザ書込装置21を用いて書き込み工程を実行する。このように感光体10の表面に静電潜像を形成した後、現像装置12を用いて感光体10にトナーを付着させて静電潜像を可視像化(現像)する。
また、スタートスイッチをユーザが押すと同時に、多段のシートカセット22から選択されたシートSを呼出ローラ27により送り出す。次いで、供給ローラ28と分離ローラ29で1枚ずつ分離して供給路R1に送る。供給路R1に送られたシートSは、シート搬送ローラ30で搬送されて、レジストローラ23に突き当てて止められる。そして、感光体10の可視像化したトナー画像と回転タイミングを合わせて、転写ローラ16が感光体10と当接して形成された転写ニップへと送り込まれる。
転写ニップへと送り込まれたシートSは、転写装置17により感光体10上のトナー画像を転写される。画像転写後の感光体10上の残留トナーはクリーニング装置14で除去・清掃され、残留トナーを除去された感光体10上の残留電位は、除電装置で除去される。そして、帯電装置11から始まる次の画像形成に備える。
一方、画像転写された後のシートSは、熱定着装置24に導かれ、加熱ローラ25と加圧ローラ26の間に通されて、これらローラに搬送されながら、熱と圧力を加えられてトナー画像を定着される。画像定着されたシートSは、その後、排紙ローラ31により排紙スタック部32上に排出されてスタックされる。
次に、現像装置12の構成及び動作について、さらに詳しく説明する。
図3は、現像装置12内の現像剤の循環経路を模式的に示す図である。図3中の破線の矢印が現像剤の流れを示し、図3中の実線の矢印が、トナー補給口12eから補給されるトナーの流れを示している。
図3に示すように、ケーシングたる現像ケーシング121によって、現像装置12の内部には、内部空間としての現像剤収容部が形成される。現像剤収容部には、第一剤収容室V1と第二剤収容室V2とに仕切る仕切壁122を有している。第一剤収容室V1と、第二剤収容室V2とには、それぞれ、第一搬送スクリュ12bと、第二搬送スクリュ12cとが設けられている。第一搬送スクリュ12b、第二搬送スクリュ12cは、現像ケーシング121に回転自在に支持されている。第一剤収容室V1と第二剤収容室V2とは、仕切壁122の端部の第一受け渡し開口部121a、第二受け渡し開口部121bにより連通している。
第二搬送スクリュ12cにより第二剤収容室V2の下流端まで搬送された現像剤は、仕切壁122の端部の第一受け渡し開口部121aを通過し、第一剤収容室V1へと移動する。第一剤収容室V1内の現像剤は、第一搬送スクリュ12bにより攪拌されながら第二剤収容室V2内の現像剤とは反対方向に搬送される。そして、第一剤収容室V1の搬送方向下流側端部に達すると、仕切壁122の端部の第二受け渡し開口部121bを通過して第二剤収容室V2へと移動する。このように現像剤は、第一剤収容室V1と第二剤収容室V2とにそれぞれ設けた第一搬送スクリュ12b、第二搬送スクリュ12cによって、仕切壁122により仕切られた現像剤収容部内を循環している。
また、第一剤収容室V1の現像剤搬送方向上流側の端部には、補給トナー搬送路123が連結されている。補給トナー搬送路123には、トナー補給口12eが設けられており、このトナー補給口12eから、新品のトナーや、クリーニング装置14で回収された回収トナーが補給される。第一剤収容室V1に設けられた第一搬送スクリュ12bは、補給トナー搬送路123まで延設されている。トナー補給口12eから補給されたトナーは、第一搬送スクリュ12bにより補給トナー搬送路123内を搬送された後、第一剤収容室V1と補給トナー搬送路123とを連通する連通穴を通って第一剤収容室V1に受け渡される。また、図3に示すように、トナー濃度センサ124は、現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知センサであり、現像ケーシング121の第一剤収容室V1の下側に設置されている。
図4は、現像装置12の概略断面図である。
図4に示すように、現像ローラ12aは、現像スリーブ12a2と、現像スリーブ12a2内に固定配置された磁界発生部たるマグネットローラ12a1とを有している。マグネットローラ12a1は、樹脂に磁性粉を混合してなる円柱状の部材に対し、その周面に着磁処理を施して5つの磁極P1〜P5を形成したものである。感光体10と対向する磁極P1は現像磁極であり、また、搬送磁極P4は、第二剤収容室V2の現像剤を引き寄せる磁力の搬送磁極であり、現像ドクタ12dと対向する磁極P5は規制磁極である。また、剤離れ磁極P2と汲み上げ磁極P3は、搬送磁極4とは異なる磁極であって現像ローラ12aの回転方向で互いに隣り合う同極性の磁極であって、現像スリーブ12a2から現像剤を離脱させる磁力の磁極である。ここでの磁極P1〜P5の角度位置は法線方向の磁束密度のピークの角度位置である。剤離れ磁極P2と汲み上げ磁極P3とによる法線方向の磁束密度が最大となる現像ローラ12a上の各地点間の剤離れ領域の現像剤が現像スリーブ12a2から離脱する。
本実施形態では、図4に示すように、現像ドクタ12dとして断面円形状の丸棒部材を用いている。現像ドクタ12dとして、丸棒部材を用いることで、無垢の棒材を切り出して端面処理を施しただけのものを用いることができ、安価に構成することができる。また、現像ローラ12aを回転自在に支持する上部ケーシングに現像ドクタ12dを圧入することで、同一部材の上部ケーシングで現像ドクタ12dと、現像ローラ12aとを位置決めすることができる。これにより、寸法公差の積み上げを最小限に抑えることができ、現像ローラ12aと現像ドクタ12dとの隙間であるドクタギャップDGを精度よく形成することができる。
板状部材たるガイド部材12gが備わっていない場合、第二搬送スクリュ12cの羽根から上方に向かって飛び出した現像剤は、汲み上げ磁極P4の磁力に捉えられることなくそのまま第二剤収容室V2へ落下して戻っていた。また、後から第二搬送スクリュ12cの羽根により持ち上げられてきた現像剤と衝突すると、第二搬送スクリュ12cの羽根により持ち上げられてきた現像剤が、羽根の斜面をすべり落ちてしまう。その結果、さらに、第二搬送スクリュ12cの羽根により、現像ローラ12aの近傍まで持ち上げられる現像剤が減少し、汲み上げ磁極P4の磁力で現像ローラ12aに汲み上げられる現像剤が減ってしまう。
そこで、本実施形態では、図4に示すように、現像剤ガイド部材12gを設けたので、第二搬送スクリュ12cの羽根から上方に飛び出した現像剤は、現像剤ガイド部材12gの傾斜面に接触する。この傾斜面に接触した現像剤は、その移動方向が変わり、現像ローラ12aに向かう。現像ローラに向った現像剤は、汲み上げ磁極P4の磁力に捉えられ、現像ローラ12aの表面に担持される。これにより、現像ローラ12aには、第二搬送スクリュ12cの羽根により、現像ローラ12aの近傍にまで持ち上げられて汲み上げ磁極P4の磁力で現像ローラ12aに汲み上げられた現像剤に加えて、第二搬送スクリュ12cから飛び出した現像剤を現像ローラ12aを担持させることができる。
さらには、第二搬送スクリュ12cの羽根から上方に飛び出した現像剤が、第二剤収容室V2に落下するのを抑制することができる。これにより、後から第二搬送スクリュ12cの羽根により持ち上げられてきた現像剤が、第二剤収容室V2に落下してきた現像剤に衝突するのを抑制することができる。その結果、現像ローラ12aの近傍にまで待ち上げられる現像剤量の減少を抑制することができ、汲み上げ磁極P4の磁力により現像ローラ12aに汲み上げられる現像剤量を増やすことができる。
本実施形態において、内部に現像剤を収容するための内部空間を形成する現像ケーシングでは現像ローラの外周面の一部を感光体に対向させるための開口部が設けられ、その現像ケーシング内で現像剤が一方向に循環している。その循環する現像剤の流れの中には、トナーが飛散している。その飛散トナーが現像装置の外部へと漏れると、機械内部、外部の汚染や異常画像の原因となる。飛散トナーが問題となるのは、現像ローラ周りの現像ローラと感光体との対向部よりも現像ローラの回転方向下流側の周囲である。そのため、その周囲に飛散しているトナーを回収する必要がある。その飛散トナーの回収は、現像ケーシングの現像ローラ回転方向下流側に位置する上記開口部の縁部と現像ローラの外周面との間に形成された空隙を通じて、現像ローラの回転によって空気が現像ケーシング内の内部空間に向かって流入する吸い込み気流で行われる。
その吸い込み気流によって現像装置の内部空間の内圧が上がると、吸い込み気流の流量が減って飛散トナーの回収能力が下がってしまう。そのため、現像装置の内部空間の空気を排気口から外部に排出して現像装置の内部空間の内圧を下げている。また、現像装置の内部空間内に浮遊しているトナーが、現像装置の外部に排出されると、現像装置周辺を汚染するため、排気口にはトナーを捕集するフィルタが設けられている。そのフィルタが設けられた排気口を現像装置の例えば各搬送スクリュが設けられた現像剤搬送路を形成するケーシングの一部に設けると、現像装置の内部空間では現像ローラの回転によって気流が発生したり、現像ローラに内包された汲み上げ磁極によって現像剤が汲み上げられたりしている。そのため、現像装置の内部空間の雰囲気には多数のトナーが浮遊し、排気口のフィルタは早期にトナー詰まりを引き起こし易い。その結果、現像装置の内部空間の空気排出を良好に行うことができず、吸い込み気流の流量が減少して飛散トナーの回収能力が低下しまう。
そこで、本実施形態では、図4に示すように、現像剤ガイド部材12gと円柱状の現像ドクタ12dとによって、現像装置の内部空間(現像剤収容室18)とは部分的に連通する空間(排気室19)が形成される。現像剤ガイド部材12gと円柱状の現像ドクタ12dとを境にして図4中右側の現像剤収容室18では、現像ローラ12a、現像剤、第二搬送スクリュ12cが配置されている。そのため、現像剤収容室18の雰囲気には、第二搬送スクリュ12cによって現像剤を撒きあげられたり、現像ローラ12aに内包される汲み上げ磁極P4の磁力によって汲み上げられたりして、多量の浮遊トナーが存在している。さらに、現像剤収容室18では、現像ローラ12aや第二搬送スクリュ12cがそれぞれ運動しているために、現像剤収容室18の内部の気流は乱雑に流れており、トナーは雰囲気中に高い濃度で浮遊している。
一方、図4中左側の排気室19は、現像剤ガイド部材12gの幅方向両端部の少なくとも一端部と現像ケーシングとの壁面との隙間を介して部分的に現像剤収容室18と連通している。言い換えれば、排気室19は、現像剤ガイド部材12gと現像ドクタ12dとによって現像剤収容室18とは部分的に遮られている。そのため、現像剤収容室18の空気は直接排気室19へ流れず、現像剤収容室18と排気室19とを部分的に連通する部分(隙間)のみを介して流れる。その結果、現像剤収容室18の空気の動きは、そのまま排気室19に伝わり難く、排気室19の空気の動きは現像ローラ12aや第二搬送スクリュ12cを収容するため大きな気流が生じる現像剤収容室18に比べて遅い。そのため、現像剤収容室18に浮遊するトナーは、排気室19に流入され難い。さらに、現像剤ガイド部材12gと現像ドクタ12dとは、排気室19を形成する壁部の一部を構成している。現像剤ガイド部材12gと現像ドクタ12dとは運動する部材ではないので、排気室19内の気流は大きな気流を生じている現像剤収容室18に比べて穏やかである。そのため、現像剤収容室18の浮遊トナーが多少排気室19に流入したとしても、その浮遊トナーは自重により落下して空気から分離する。その結果、排気室19の排気口に設けられたフィルタ12hは、トナー詰まりが起き難い。よって、現像装置内の空気排出を良好に行うことができ、現像装置内の内圧が上昇するのを良好に抑制することで、吸い込み気流の流量減少を抑制することができる。よって、飛散トナーの回収能力の低下を抑制することができる。
なお、上記のように、排気室19は、現像剤収容室18を現像剤ガイド部材12gと現像ドクタ12dとを用いて現像剤収容室18を2分した一方の空間である。これに限定する必要はなく、排気室19を現像剤収容室18に対し独立した別の空間として設けてもよい。また、フィルタ12hは、両面テープを貼った第一マイラ12i1、第二マイラ12i2、第三マイラ12i3によって保持されている。現像装置を経時使用した後にフィルタ12hを新品に交換する際には、第一マイラ12i1、第二マイラ12i2を剥がして貼りなおすことでフィルタ交換が容易になる。また、吸い込み気流によって吸い込んだ空気は、多量の浮遊トナーが存在する各搬送スクリュの周辺を通らず、現像ローラ近傍を通って排気室19へ向かう経路を短くすることが望ましい。それにより、吸い込み気流によって吸い込んだ空気に浮遊トナーを混ざらないようにすることが可能となり、排気室の排気口に設けられたフィルタがトナー詰まりを起こすのを抑制することできる。
次に、現像装置の内部空間を2分されて形成された現像剤収容室18と排気室19とについて説明する。
図5は、図4の搬送スクリュ12cから上方を見上げた概略図である。
図5に示すように、現像ローラ12aの軸方向について、現像剤ガイド部材12gの幅L1は、互いに対向する現像ケーシング121の壁面間の幅L2よりも狭い。それにより、現像ケーシング121の両壁面と現像剤ガイド部材12gの両端面との間には、第一隙間12j1と第二隙間12j2とがそれぞれ形成される。その第一隙間12j1と第二隙間12j2とを介して現像剤収容室と排気室とが部分的に連通している。さらに、第一隙間12j1と第二隙間12j2とは、現像ローラ12aの近傍にある。それらにより、現像ローラ12aの回転により吸い込んだ空気(吸い込み気流)を、多量の浮遊トナーの存在する空間から離れた空間を通して排気室に流すことができる。それにより、吸い込み気流を多量の浮遊トナーの存在する空間を通していた従来の構成に比べて、排気室に流入する浮遊トナーの量を減らすことができる。
なお、現像剤ガイド部材12gの長手方向の幅L1が、現像ケーシング121の両壁面間の幅L2よりも狭くとも、図5中点線で示すマグネットローラ12a1の長手方向幅L3よりも広ければ、現像ローラ12aへの現像剤供給には問題ない。また、現像装置内への吸い込み気流の流量は、現像ローラ12aの軸方向の両端部で少なくなる傾向があるので、排気口を現像ローラ12aの軸方向の両端部に近い箇所に設け、現像ローラ12aの両端部での吸い込み気流の流量を増加させることが望ましい。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
表面に現像剤を担持した状態で、感光体10等の潜像担持体に対向しながら回転する現像ローラ12a等の現像剤担持体と、少なくとも該現像剤担持体と現像剤とを収容する内部空間を形成し、かつ前記現像剤担持体の表面の一部を前記潜像担持体に対向させるための開口部が設けられた現像ケーシング121等のケーシングとを有する現像装置12において、前記内部空間と部分的に連通する空間を有する排気室19を備え、該排気室を形成する壁部に排気口が設けられていることを特徴とするものである。
本態様では、排気室と内部空間とは部分的に連通している。その連通する部分以外の部分では、内部空間の空気が排気室へ流れるのを遮っている。そのため、内部空間の空気は、直接排気室へ流れず、連通する部分のみを介して流れる。その結果、内部空間の空気の動きはそのまま排気室に伝わり難くなっており、排気室の空気の動きは現像剤担持体を収容するため空気の大きな動きが生じる内部空間に比べて遅い。そのような排気室に流入した浮遊トナーは、自重により落下して空気から分離される。それにより、排気口にトナーを捕集するために通常排気口に設けられるフィルタは、空気から分離したトナーの量だけ、トナー詰まりが起き難くなり、現像装置の内部空間の空気排出を良好に行うことができ、吸い込み気流の流量の減少を抑制できる。よって、飛散トナーの回収能力の低下を抑制することができる。
(態様B)
(態様A)において、前記現像剤担持体の表面との間にドクタギャップDG等の規制ギャップを形成し、前記現像剤担持体の表面に担持された現像剤を規制する現像ドクタ12d等の現像剤規制部材と、前記現像剤規制部材の近傍にまで延設する現像剤ガイド部材12g等の板状部材とを備え、前記排気室は、前記現像剤規制部材と前記板状部材とによって、前記内部空間と区画されていることを特徴とするものである。
本態様によれば、現像剤規制部材と板状部材とは運動しない部材である。その部材で排気室の壁部の一部を形成しているので、排気室内の空気の動きは運動部材の多い内部空間に比べて小さい。そのため、排気室に流入した浮遊トナーは、自重により落下して空気から分離され易い。それにより、排気口に設けられたフィルタのトナー詰まりが起き難く、吸い込み気流を良好に発生させることができる。よって、飛散トナーの回収能力の低下を抑制することができる。
(態様C)
(態様B)において、前記現像剤担持体の軸方向について、前記板状部材の両端面のうち少なくとも一方の端面と、その端面が対向する前記ケーシングの壁面との間に、前記排気室が前記内部空間と連通する第一隙間12j1等の隙間が設けられていることを特徴とするものである。
本態様によれば、現像剤担持体の軸方向について板状部材の両端面のうち少なくとも一方の端面とその端面に対向するケーシングの壁面との間に設けられた隙間を通じて、吸い込み気流によって流入した空気を比較的短い経路で排気室へ流すことができる。それにより、浮遊トナーの多い空間をできるだけ通らずにすみ、浮遊トナーの排気室に流入する量を減らせ、排気口に設けられたフィルタのトナー詰まりの発生を抑制できる。よって、現像装置内の空気排出を良好に行うことができ、吸い込み気流の流量の減少を抑制できる。また、吸い込み気流の流量は、現像剤担持体の軸方向両端部で、中央部に比べて少なくなる傾向がある。ケーシングの壁面と板状部材の端面との間の隙間を現像剤担持体の軸方向両端部の少なくとも一方に設け、その隙間を通して現像剤担持体の軸方向両端部での吸い込み気流の流量を高められる。それにより、吸い込み気流を現像剤担持体の軸方向全域にわたって良好に発生させることができる。よって、飛翔トナーの回収能力を高めることができる。
(態様D)
(態様A)〜(態様C)において、前記現像剤担持体の下方に位置し前記内部空間内に配置された第二搬送スクリュ12c等の搬送スクリュを備え、該搬送スクリュの回転軸と前記現像剤担持体の回転軸とは水平方向の位置も異なっており、前記板状部材は、前記搬送スクリュに上方から対向する対向面を有し、該対向面は、前記現像剤担持体側が前記搬送スクリュ側よりも上方に位置するように傾斜していることを特徴とするものである。
板状部材を備えていない場合、内部空間内の現像剤の一部は、搬送スクリュの羽根により持ち上げられ、その羽根の移動の勢いで羽根から離脱し、上方に向かって飛び出す。その上方に向かって飛び出した現像剤は、現像剤担持体表面に現像剤を担持するために現像剤担持体内に設けられる磁界発生部の磁力に捉えられることなくそのまま自由落下して搬送スクリュ側へ戻っていた。また、自由落下するときに、搬送スクリュの羽根から上方に向かう途中の現像剤と衝突する。落下してきた現像剤と衝突した現像剤は、現像剤剤担持体側へ向かうことができないおそれがあった。その結果、現像剤剤担持体表面の近傍まで持ち上げられる現像量が減少し、磁界発生部の磁力により汲み上げられる現像剤量を減少させていた。
本態様によれば、搬送スクリュから上方に飛び出した現像剤が、板状部材の傾斜面に接触して、その移動方向を、現像剤担持体へ向う方向に変更される。このように、搬送スクリュから上方に飛び出した現像剤が、現像剤担持体へ向かうことで、この飛び出した現像剤が磁界発生部の磁力に捉えられて、現像剤担持体表面に担持される。その結果、搬送スクリュの羽根により現像剤担持体表面近傍にまで持ち上げられて、磁界発生部の磁力で現像剤担持体表面に汲み上げられた現像剤に加えて、搬送スクリュから上方に飛び出した現像剤を現像剤担持体表面に担持させることができる。よって、現像剤担持体表面に担持される現像剤量を、傾斜面を有する板状部材を備えていない構成の従来よりも増やすことができる。
(態様E)
(態様A)〜(態様D)のいずれかにおいて、前記排気室は、前記現像剤担持体の近傍に設置されていることを特徴とするものである。
通常、現像装置の内部空間では、運動する部材を収容しているため浮遊するトナーが多い。本態様では、排気室を現像剤担持体の近傍に設置することで、浮遊トナーの多い空間を通り排気室へ向かう経路の距離を短くできる。その結果、浮遊トナーが排気室に流入する量を減らせ、排気口に設けられたフィルタのトナー詰まりの発生を抑制できる。それにより、現像装置内の空気排出を良好に行うことができ、吸い込み気流の流量の減少を抑制できる。よって、飛散トナーの回収能力の低下を抑制することができる。
(態様F)
(態様A)〜(態様E)において、前記現像剤担持体の内部に磁界を発生する磁界発生部を有し、前記現像剤担持体の軸方向について、前記板状部材の幅が、前記磁界発生部の幅よりも長いことを特徴とするものである。
本態様によれば、現像剤は、磁界発生部の磁力により、板状部材の幅範囲内に対応する現像剤担持体の外周面に汲み上げられる。本態様では、現像剤ガイド部材の幅が磁界発生部の幅よりも長いことで、現像剤担持体の外周面上の空間に浮遊するトナーが排気室へ移動するのを板状部材により良好に遮ることができる。それにより、排気室に浮遊するトナーの量を減少させることができ、排気口のフィルタのトナー詰まりの発生を抑制できる。それにより、現像装置内の空気排出を良好に行うことができ、吸い込み気流の流量の減少を抑制できる。よって、飛散トナーの回収能力の低下を抑制することができる。
(態様G)
少なくとも潜像担持体と現像装置とを一体的に保持し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置として、(態様A)〜(態様F)のいずれかの現像装置を用いたことを特徴とするものである。
本態様によれば、異常画像の原因となる飛散トナーを良好に回収することができ、異常画像の発生を抑制することができるプロセスカートリッジを提供することができる。
(態様H)
潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像部とを備えた画像形成装置において、前記現像部として、(態様A)〜(態様F)のいずれかの現像装置を用いたことを特徴とするものである。
本態様によれば、飛散トナーを良好に回収することができ、良好な画像を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
1 プロセスカートリッジ
10 感光体
12a 現像ローラ
12a1 マグネットローラ
12a2 現像スリーブ
12b 第一搬送スクリュ
12c 第二搬送スクリュ
12c1 軸部
12c2 羽根
12d 現像ドクタ
12e トナー補給口
12g 現像剤ガイド部材
12h フィルタ
12i1 第一マイラ
12i2 第二マイラ
12i3 第三マイラ
12j1 第一隙間
12j2 第二隙間
18 現像剤収容室
19 排気室
121 現像ケーシング
121a 第一受け渡し開口部
121b 第二受け渡し開口部
122 仕切壁
123 補給トナー連通路
DG ドクタギャップ
P1 現像磁極
P2 剤離れ磁極
P3 汲み上げ磁極
P4 搬送磁極
P5 規制磁極
V1 第一剤収容室
V2 第二剤収容室
特開2015−225245号公報

Claims (8)

  1. 表面に現像剤を担持した状態で、潜像担持体に対向しながら回転する現像剤担持体と、少なくとも該現像剤担持体と現像剤とを収容する内部空間を形成し、かつ前記現像剤担持体の表面の一部を前記潜像担持体に対向させるための開口部が設けられたケーシングとを有する現像装置において、
    前記内部空間と部分的に連通する空間を有する排気室を備え、該排気室を形成する壁部に排気口が設けられていることを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1記載の現像装置において、
    前記現像剤担持体の表面との間に規制ギャップを形成し、前記現像剤担持体の表面に担持された現像剤を規制する現像剤規制部材と、前記現像剤規制部材の近傍にまで延設する板状部材とを備え、前記排気室は、前記現像剤規制部材と前記板状部材とによって、前記内部空間と区画されていることを特徴とする現像装置。
  3. 請求項2記載の現像装置において、
    前記現像剤担持体の軸方向について、前記板状部材の両端面のうち少なくとも一方の端面と、その端面が対向する前記ケーシングの壁面との間に、前記排気室が前記内部空間と連通する隙間が設けられていることを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像装置において、
    前記現像剤担持体の下方に位置し前記内部空間内に配置された搬送スクリュを備え、該搬送スクリュの回転軸と前記現像剤担持体の回転軸とは水平方向の位置も異なっており、
    前記板状部材は、前記搬送スクリュに上方から対向する対向面を有し、該対向面は、前記現像剤担持体側が前記搬送スクリュ側よりも上方に位置するように傾斜していることを特徴とする現像装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の現像装置において、
    前記排気室は、前記現像剤担持体の近傍に設置されていることを特徴とする現像装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像装置において、
    前記現像剤担持体の内部に磁界を発生する磁界発生部を有し、前記現像剤担持体の軸方向について、前記板状部材の幅が、前記磁界発生部の幅よりも長いことを特徴とする現像装置。
  7. 少なくとも潜像担持体と現像装置とを一体的に保持し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
    前記現像装置として、請求項1〜6のいずれかに記載の現像装置を用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像部とを備えた画像形成装置において、
    前記現像部として、請求項1〜6のいずれかに記載の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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