JP2017161416A - ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の定量方法及び放射性医薬品製剤の製造方法 - Google Patents

ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の定量方法及び放射性医薬品製剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業者の有害な溶媒への曝露を防ぎ、かつ、より環境に優しいポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の定量方法を提供することを目的とする。【解決手段】ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む試料水溶液に、チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)試薬を添加し、当該試料水溶液中に生成したチオシアン酸コバルト(II)錯体を水溶液の状態で吸光度測定により定量する。チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)試薬を、試料水溶液中のコバルト(II)イオン濃度が10mmol/L以下になるように添加することが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリソルベート類等のポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の定量方法及び放射性医薬品製剤の製造方法に関する。
従来、食品中に食品添加物として含まれるポリソルベート類や、エリスロポエチン(EPO)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)などのタンパク質を含有する製剤中に含まれるポリソルベート類を定量する方法として、チオシアン酸イオン、コバルト(II)イオン及びポリソルベート類が錯体を形成して青色に呈色する反応を利用した比色定量法が用いられている。
このような従来の比色定量法は、試料水溶液中にチオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)試薬を加えてチオシアン酸コバルト(II)錯体を形成させた後、クロロホルム、ジクロロメタンなどの有機溶媒を加えて振り混ぜ、有機溶媒層に移行したチオシアン酸コバルト(II)錯体を吸光度測定する方法により行われている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。
食安基発第0430001号 平成20年4月30日「食品中の食品添加物分析法」の改正について
国際公開WO2002/086492号公報
しかし、上記従来の比色定量法では、クロロホルム、ジクロロメタンなどの有害な有機溶媒による抽出操作が必要であり、作業者の安全性の確保や廃棄の観点から問題があった。
本発明は、作業者の有害な溶媒への曝露を防ぎ、かつ、より環境に優しいポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の定量方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含有する水溶液中において水溶性のチオシアン酸コバルト(II)錯体が形成されることがあり、有機溶剤による抽出作業を行うことなく直接該水溶液中のチオシアン酸コバルト(II)錯体の吸光度を測定することによりポリソルベートの定量が行えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一局面は、
ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の定量方法であって、
ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む試料水溶液に、チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)試薬を添加し、当該試料水溶液中に生成したチオシアン酸コバルト(II)錯体を水溶液の状態で吸光度測定により定量することを特徴とする方法を提供するものである。
上記本発明の方法では、試料水溶液中に比較的低濃度のコバルト(II)イオンが含有される場合に、そこに形成される水溶性のチオシアン酸コバルト(II)錯体が安定化し、その結果、該水溶液中の該錯体の吸光度と界面活性剤の濃度とが良く相関する。
また、本発明の好ましい態様においては、試料水溶液中のコバルト(II)イオン濃度が10mmol/L以下になるように、チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)試薬が試料水溶液に添加される。
特許文献1の比色定量法では、錯体形成時にコバルトを多く添加する必要があり、廃棄の点で問題があった。しかしながら、この好ましい態様による本発明によれば、コバルトの使用量が低減された、より環境に優しいポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の定量方法を提供することができる。
また、本発明の他の局面は、
ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む水溶液を調製する工程と、
調製した前記ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む水溶液を上記に記載の方法を用いて定量する工程と、
定量された前記ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む水溶液と、放射性化合物を含有する水溶液とを混合する工程と、
を含む、放射性化合物を有効成分とする放射性医薬品製剤の製造方法を提供する。
また、本発明の更に他の局面は、
放射性化合物を有効成分とする放射性医薬品製剤の製造方法であって、
前記放射性医薬品製剤が添加剤としてポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む水溶液であり、
上記に記載の方法を用いて前記放射性医薬品製剤中のポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を定量する工程を含む、
放射性医薬品製剤の製造方法を提供する。
本発明によれば、ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む試料水溶液中に水溶性チオシアン酸コバルト(II)錯体を生成させ、当該水溶液をそのまま吸光度測定に供することとしたので、クロロホルム、ジクロロメタンのような有害な有機溶媒を使用する必要が無く、また、抽出操作も不要になるという技術的効果が得られる。したがって、作業者の安全性を確保しつつ、簡便、正確かつ迅速に、ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の定量試験を実施することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、水溶液中に低濃度のコバルトイオンを存在させるだけで、水溶液の吸光度と界面活性剤の濃度との良い相関が得られるので、正確な測定が行え、しかも、コバルトの使用量が低減するので、環境への悪影響も低減される。
本発明のポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の定量方法は、ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む試料水溶液に、チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)試薬を添加し、生成したチオシアン酸コバルト(II)錯体を水溶液の状態で吸光度測定により定量することによって実施される。より具体的には、(A)ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む試料水溶液に、水溶性チオシアン酸コバルト(II)錯体を生成させるに十分な量のチオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)試薬を添加して、該試料水溶液中に水溶性のチオシアン酸コバルト(II)錯体を生成させる工程と、(B)前記工程(A)で得られた試料水溶液をそのまま吸光度測定に供して、該試料水溶液中に生成したチオシアン酸コバルト(II)錯体を定量する工程とにより実施することができる。
吸光度測定に供する試料水溶液中に水溶性のチオシアン酸コバルト(II)錯体を安定に存在させるためには、試料水溶液中のコバルト(II)イオン濃度が10mmol/L以下になるようにチオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)試薬を試料水溶液に添加することが好ましい。より好ましくは、試料水溶液中のチオシアン酸イオン濃度が0.1〜0.5mol/L、コバルト(II)イオン濃度が1〜9mmol/Lとなるようにチオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)試薬を試料水溶液に添加する。
チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)試薬は、チオシアン酸アンモニウム(NHSCN)と硝酸コバルト(II)(Co(NO/6HO)を水に溶解して調製することができ、例えば、チオシアン酸アンモニウム20.0gと硝酸コバルト(II)1.00gを水に溶解して100mlとすることで調製することができる。チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)試薬は、試料水溶液に添加し、必要に応じて攪拌又は振とうにより混合することにより、試料水溶液中に容易に溶解させることができ、その結果、試料水溶液中に水溶性のチオシアン酸コバルト(II)錯体を形成させることができる。
上記のとおり、本発明の定量方法によって検出される水溶性のチオシアン酸コバルト(II)錯体は、従来の方法に比べてコバルト(II)イオン濃度が低い水溶液において安定に形成されるので、ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤やその他の成分を比較的低濃度で含有する試料水溶液中のポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を定量するのに適している。
ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルなどが挙げられる。このうち、好ましいポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤としては、ポリソルベート及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが挙げられる。ポリソルベートには、ポリソルベート20、21、40、60、65、80、81、85などが含まれ、そのうち、ポリソルベート20又は80が好ましく、ポリソルベート80が特に好ましい。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの例としては、ポロキサマー(プルロニックF−68(登録商標)など)などが挙げられる。本発明で定量するポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤は、上記各種化合物の1種単独であっても、2種以上の混合物であってもよい。本発明で定量するに適した試料水溶液中のポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の濃度は、2.5重量/体積%以下であり、好ましくは、0.2〜1.0重量/体積%である。ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の濃度が上記範囲以外の場合、適宜、試料水溶液を希釈又は濃縮して濃度を上記範囲に入るようにして本発明の方法に供することもできる。
本発明で使用する試料水溶液を構成する溶媒は、その中にチオシアン酸コバルト(II)錯体を形成し得る水性溶媒であれば特に限定されず、具体的には、水、生理食塩水、注射用水、等張液の他、エタノール水溶液等のアルコール水溶液、リン酸緩衝液等の緩衝液などが挙げられる。
本発明で使用する試料水溶液は、本発明による測定を妨げない限り、上記溶媒、ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤以外の他の構成成分を含んでもよい。かかる他の構成成分としては、医薬品の添加剤として使用されるものが好ましく、例えば、アスコルビン酸、ゲンチジン酸及びパラ−アミノ安息香酸等の薬学的に許容できる安定剤若しくは酸化防止剤、pH調節剤、抗菌防腐剤、並びにフィラーなどが挙げられる。試料水溶液が、本発明による測定を妨げる程度の量の他の構成成分を含有する場合は、試料水溶液を精製して他の構成成分を除去して本発明の方法に供することもできる。
本発明において、試料水溶液中の水溶性チオシアン酸コバルト(II)錯体の定量は、吸光度測定によって行われる。この吸光度測定法は、試料水溶液に添加されたチオシアン酸とコバルト(II)とポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤のオキシエチレン部分とで形成される青色のチオシアン酸コバルト(II)錯体の吸収スペクトルを、例えば、日本薬局方一般試験法紫外可視吸光度測定法に従い、分光光度計(例えば、DU640:BECKMAN)を用いて測定することによって行うことができる。チオシアン酸コバルト(II)錯体の吸収スペクトルは320nm及び625nm付近に吸収極大を示す。定量はいずれの吸収スペクトルの吸光度で行ってもよいが、一般的な吸光度測定装置で精度よく測定できるという点から、625nm付近の吸収極大の吸光度を測定することが好ましい。定量は、ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤(例えばポリソルベート)の各種濃度の標準液を調製して、上記と同様にしてチオシアン酸コバルト(II)錯体を測定して濃度と吸光度との関係を示す検量線、関係式等を予め作成しておくことにより行うことができる。
このような方法で定量されたポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の水溶液は、医薬品製剤の添加剤として用いることができる。例えば、放射性医薬品製剤の賦形剤として使用することができ、放射性化合物の水中溶解を可能にし、あるいは、ガラスやプラスチック等容器への付着を防止することができる。
放射性化合物の例としては、例えば、ベンゾチアゾール誘導体化合物、イミダゾピリジン誘導体化合物、スチルベン誘導体化合物が挙げられる。このような放射性化合物は、アミロイド親和性を有し、アミロイド沈着物により特性づけられる疾患の診断に有用である。
上記のような放射性化合物としては、例えば、下記式(I)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2017161416

式(I)中、実線及び点線からなる二重線は単結合又は二重結合を表わし、
はS又はC(R’)であり、
はC又はNであり、
はN又はC(R)であり、
Yは水素、C1〜6アルキル、ハロゲン、−OR’、−SR’、−NR910、下記式(II)又は(III)で表わされる基であり、
Figure 2017161416


(式(II)中、A〜Aの0〜2個がNで、残りはCである。)
Figure 2017161416


R’は各々独立にH又はC1〜6アルキルであり、
1〜R10は各々独立に水素、C16アルキル、C26アルケニル、C26アルキニル、C16アルコキシ、C46シクロアルキル、ヒドロキシル、C16ヒドロキシアルキル、C26ヒドロキシアルケニル、C26ヒドロキシアルキニル、チオール、C16チオアルキル、C26チオアルケニル、C26チオアルキニル、C16チオアルコキシ、ハロゲン、C16ハロアルキル、C26ハロアルケニル、C26ハロアルキニル、C16ハロアルコキシ、アミノ、C16アミノアルキル、C26アミノアルケニル、C26アミノアルキニル、C16アミノアルコキシ、シアノ、C16シアノアルキル、C26シアノアルケニル、C26シアノアルキニル及びC16シアノアルコキシ、ニトロ、C16ニトロアルキル、C26ニトロアルケニル、C26ニトロアルキニル、及び、C16ニトロアルコキシからなる群から選択され、式(I)の化合物の1以上の原子はインビボイメージングに適した放射性同位体(例えば、11C、123I、124I、76Br、18F)である。
上記式(I)において、AがSの場合、AがCのチオフラビン環(式(I)中、該環の1位の窒素と2位の炭素との間の実線及び点線からなる二重線は二重結合であり、2位の炭素とAとの間の実線及び点線からなる二重線は単結合であり、Aと9位の炭素との間の実線及び点線からなる二重線は二重結合であり、9位の炭素と1位の窒素との間の実線及び点線からなる二重線は単結合である)を形成し、AはC(R)であり、Yは−NR910であることが好ましい。このような化合物としては、特表2006−522104号公報記載のものが例示される。具体的には、[18F]フルテメタモル(特表2006−522104号公報の化合物1)や[11C]PIB(特表2006−522104号公報の化合物2)が挙げられる。
上記式(I)において、AがC(R’)の場合、AがNのイミダゾピリジン環(式(I)中、該環の1位の窒素と2位の炭素との間の実線及び点線からなる二重線は単結合であり、2位の炭素とAとの間の実線及び点線からなる二重線は二重結合であり、Aと9位の炭素との間の実線及び点線からなる二重線は単結合であり、9位の炭素と1位の窒素との間の実線及び点線からなる二重線は二重結合である)を形成し、AはN又はC(R)であり、Yは上記式(II)又は(III)で表わされる基であることが好ましい。このような化合物としては、国際公開WO2007/063946号公報、国際公開WO2010/128595号公報、国際公開WO2012/161116号公報、国際公開WO2012/176587号公報記載のものが例示される。
その他、スチルベン誘導体化合物として、特表2009−532340号公報や特表2014−517054号公報記載のものが例示される。具体的には、[18F]フロルベタベン、[18F]フロルベタピルが例示される。
このような放射性化合物を有効成分として含有する放射性医薬品製剤の製造方法は、以下の工程を含むものである。
(a)ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む水溶液を調製する工程、
(b)工程(a)で調製したポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む水溶液を定量する工程、
(c)工程(b)で定量されたポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む水溶液と、放射性化合物を含有する水溶液とを混合する工程。
工程(a)は、前述したポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の試料水溶液の調製と同様な方法で実行することができる。
工程(b)は、前述した本発明に係るポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の定量方法に沿って実行することができる。
工程(c)は、放射性化合物を含有する水溶液に対し、ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む水溶液を添加してもよいし、ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む水溶液に対し、放射性化合物を含有する水溶液を添加してもよい。工程(c)の具体例は、例えば、特表2010−536931号公報記載の方法に倣うことが可能である。
上述した製造方法により、例えば、特表2010−536931号公報に記載された放射性医薬組成物と同様な組成の放射性医薬品製剤を製造することができる。
なお、本発明の定量方法は、放射性医薬品製剤中に含まれるポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を定量するために用いても良い。この放射性医薬品製剤は、有効成分として上記説明した放射性化合物、添加剤、好ましくは賦形剤としてポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含有するものが挙げられる。この場合、放射性医薬品製剤を適宜、希釈又は濃縮して、ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の含有量を前述した試料水溶液の範囲に入るようにして本発明の方法に供することができる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。
測定試料の調製
(1)塩原液の調製
リン酸二水素ナトリウム2水和物66mg、リン酸水素二ナトリウム12水和物0.522g及び塩化ナトリウム1.21gを、水に溶かして50mLとし、塩原液とした。
(2)空溶液の調製
(1)の塩原液10mLに水を加えて20mLとし、空溶液とした。
(3)試料水溶液
ポリソルベート80に、(1)の塩原液、及び、水を加えて、所定濃度のポリソルベート80含有リン酸緩衝液(0.9(重量/体積)%の塩化ナトリウム、14mMリン酸塩を含有、pH7)を調製した。
(実施例1)ポリソルベート80含有リン酸緩衝液中のポリソルベート80の定量[1]
チオシアン酸アンモニウム2.00g、硝酸コバルト(II)6水和物0.20gを水に加えて、20mLとして、チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)溶液とした。遮光した容器に、空溶液、又は、3.84、5.12及び6.39mmol/Lポリソルベート80含有リン酸緩衝液をそれぞれ3mLずつ加え、更に、チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)溶液1mLを各々に加えて振り混ぜ、測定試料とした。各測定試料について、日本薬局方一般試験法紫外可視吸光度測定法により波長625nmにおける吸光度をそれぞれ測定した。吸光度の測定結果を表1に示す。
Figure 2017161416
(実施例2)ポリソルベート80含有リン酸緩衝液中のポリソルベート80の定量[2]
チオシアン酸アンモニウム2.00g、硝酸コバルト(II)6水和物0.10gを水に加えて、50mLとして、チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)溶液とした。遮光した容器に、空溶液、又は、4.09、5.12及び6.14mmol/Lポリソルベート80含有リン酸緩衝液をそれぞれ2mLずつ加え、更に、チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)溶液3mL、及び、水5mLを各々に加えて振り混ぜ、測定試料とした。各測定試料について、日本薬局方一般試験法紫外可視吸光度測定法により波長625nmにおける吸光度をそれぞれ測定した。吸光度の測定結果を表2に示す。
Figure 2017161416
(実施例3)ポリソルベート80含有リン酸緩衝液中のポリソルベート80の定量[3]
チオシアン酸アンモニウム20.0g、硝酸コバルト(II)6水和物1.00gを水に加えて、200mLとして、チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)溶液とした。遮光した容器に、空溶液、又は、3.42、5.13及び6.84mmol/Lポリソルベート80含有リン酸緩衝液をそれぞれ10mLずつ加え、更に、チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)溶液5mL、及び、水10mLを各々に加えて振り混ぜ、測定試料とした。各測定試料について、日本薬局方一般試験法紫外可視吸光度測定法により波長625nmにおける吸光度をそれぞれ測定した。吸光度の測定結果を表3に示す。
Figure 2017161416
評価
実施例1〜3の測定試料中のチオシアン酸イオン濃度、及び、コバルト(II)イオン濃度、並びに、吸光度と試料濃度との相関係数を表4に示した。表4の結果から、本発明では、錯体濃度を低くしたことで、錯体が水溶性となり、試料水溶液の吸光度が界面活性剤濃度と相関することが示された。なお、本発明の方法は、国際公開第WO2002/086492号公報に開示されるポリソルベート20の測定方法よりも、コバルト(II)の添加量が格段に低いことが判る。
Figure 2017161416
(実施例4)フルテメタモル製剤中のポリソルベート80の定量
特表2010−536931号公報の実施例5に準じて合成したフルテメタモル製剤3ロット分(有効成分が2−[3−[18F]フルオロ−4−(メチルアミノ)フェニル]−6−ヒドロキシ−ベンゾチアゾールであり、賦形剤として、4.71、4.39及び4.95mg/mLのポリソルベート80、7(体積/体積)%のエタノール、0.9(重量/体積)%の塩化ナトリウム、14mMリン酸塩を含有、pH7)をそれぞれ一定期間放置して、放射能を減衰させた。
また、チオシアン酸アンモニウム6.70g、硝酸コバルト(II)6水和物0.33gを水、塩化ナトリウム、リン酸緩衝液に加え、200mL(0.9(重量/体積)%の塩化ナトリウム及び14mMリン酸塩を含有、pH7)として、チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)溶液とした。遮光した容器3本に、チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)溶液6mLずつとり、減衰したフルテメタモル製剤3ロット分をそれぞれ1mLずつ加え、更に、振り混ぜ、測定試料とした。
各測定試料について、日本薬局方一般試験法紫外可視吸光度測定法により波長625nmにおける吸光度をそれぞれ測定した。
また、2.5及び7.5mg/mLのポリソルベート80を含有するリン酸緩衝液(7(体積/体積)%のエタノール、0.9(重量/体積)%の塩化ナトリウム、14mMリン酸塩含有、pH7)を標準液として用意し、[18F]フルテメタモル製剤の代わりに同量用いて同様な操作により測定試料の調製及び吸光度の測定を行った。結果を表5に示す。
Figure 2017161416
表5に示す結果から、放射性医薬品製剤中に含まれるポリソルベート80も精度よく定量できることが示された。

Claims (6)

  1. ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の定量方法であって、
    ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む試料水溶液に、チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)試薬を添加し、当該試料水溶液中に生成したチオシアン酸コバルト(II)錯体を水溶液の状態で吸光度測定により定量することを特徴とする方法。
  2. チオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(II)試薬を、試料水溶液中のコバルト(II)イオン濃度が10mmol/L以下になるように添加する、請求項1に記載の方法。
  3. ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤が、ポリソルベート80である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤が医薬品製剤の添加剤として用いられる、請求項1乃至3いずれか一項に記載の方法。
  5. ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む水溶液を調製する工程と、
    調製した前記ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む水溶液を請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法を用いて定量する工程と、
    定量する前記工程により定量された前記ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む水溶液と、放射性化合物を含有する水溶液とを混合する工程と、
    を含む、放射性化合物を有効成分とする放射性医薬品製剤の製造方法。
  6. 放射性化合物を有効成分とする放射性医薬品製剤の製造方法であって、
    前記放射性医薬品製剤が添加剤としてポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を含む水溶液であり、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法を用いて前記放射性医薬品製剤中のポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤を定量する工程を含む、
    放射性医薬品製剤の製造方法。
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