JP2017161064A - 駆動力断続装置及び差動制限装置 - Google Patents

駆動力断続装置及び差動制限装置 Download PDF

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Abstract

【課題】通電により磁束を発生させる磁束発生部を保持すると共に回り止めする保持部を簡素に構成することができ、製造コストを抑制することが可能な駆動力断続装置及び差動制限装置を提供する。【解決手段】デフケース2と第1サイドギヤ31との間の駆動力伝達を断続する駆動力断続装置11は、第1サイドギヤ31に噛み合う連結位置と非連結位置との間を移動可能な断続部材5と、断続部材5を移動させる移動機構10とを備える。移動機構10は、磁束発生部60を保持する保持部6と、プランジャ7とを有する。プランジャ7の側板部72には第2貫通孔722が形成され、保持部6は、ヨーク61と回り止め部材62とを有する。回り止め部材62は、ヨーク61への固定部621と、第2貫通孔722に挿通されて係止部103に係止される延在部622と、爪部623とを有し、プランジャ7は、爪部623に当接することでヨーク61からの離脱が抑止される。【選択図】図1

Description

本発明は、駆動力断続装置及び差動制限装置に関する。
従来、車両の左右の車輪に差動を許容して駆動力を配分するディファレンシャル装置には、相対回転可能な回転部材間の差動を制限する噛み合いクラッチを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のディファレンシャル装置は、デフケースと、デフケースに固定されたピニオンシャフトに軸支された一対のピニオンギヤと、一対のピニオンギヤにギヤ軸を直交させて噛合する一対のサイドギヤと、デフケースに形成された孔部に回転方向に係合して軸方向移動可能に配置された断続部材と、断続部材を軸方向に移動させるアクチュエータとを有している。
断続部材は、一対のサイドギヤのうち一方のサイドギヤに噛み合う噛み合い歯を有し、デフケースと共に回転する。アクチュエータは、電磁石と、電磁石の磁力によって軸方向に移動する可動部材とを有している。電磁石は、電磁コイルと、電磁コイルを囲むように配置されたコアとによって構成されている。可動部材は、軟磁性材料からなるプランジャと、電磁石の磁束がデフケースへ漏れることを防止する非磁性材料からなるリングとによって構成されている。可動部材は電磁石の内側に配置され、電磁石と断続部材とは、軸方向に並んで配置されている。
電磁石に通電されると、プランジャが断続部材側に移動し、リングが断続部材に固定されたプレートを介して断続部材を押圧する。断続部材は、この押圧力を受けて軸方向に移動し、一方のサイドギヤに噛み合う。これにより、デフケースと一方のサイドギヤとの相対回転が規制され、これに伴って一対のサイドギヤ間の差動回転も規制される。
特開2010−84930号公報
特許文献1のディファレンシャル装置は、その図1において符号79で示されるコアの断面形状が電磁コイルを囲むように形成された略四角形状であり、電磁コイルの内周面の一部に対向する部分が不連続に形成されている。プランジャは、この不連続部分に軸方向の端部が対向して配置され、電磁コイルへの通電により発生する磁束の一部を構成する。
このような形状のコアは、単一の部材で形成することが困難であるので、例えば特許文献1の図1に示されているように、電磁コイルの軸方向の一方の側面及び内周面の一部を覆う部材と、電磁コイルの軸方向の他方の側面を覆う部材と、電磁コイルの外周面を覆う部材との3つの部材を溶接等により結合して構成する必要がある。このため、コアの構造及び製造工程が複雑となり、製造コストの上昇を招来してしまう。
また、アクチュエータとして電磁石を有するディファレンシャル装置では、電磁石の電磁コイルへの給電のために、電磁コイル及びコアを回り止めする必要がある。特許文献1では、コアの回り止め部材が不図示とされているが、上記のように構成されたコアにさらに回り止め部材を固定するとすれば、その構造がより複雑化してしまう。
そこで、本発明は、通電により磁束を発生させる磁束発生部を保持すると共に回り止めする保持部を簡素に構成することができ、製造コストを抑制することが可能な駆動力断続装置及び差動制限装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、ケース部材に収容され、共通の回転軸線を中心として相対回転可能に配置された第1回転部材と第2回転部材との間の駆動力伝達を断続する駆動力断続装置であって、前記第1回転部材との相対回転が規制されると共に、前記第2回転部材に噛み合う噛み合い歯を有し、前記噛み合い歯が前記第2回転部材に噛み合う連結位置と前記噛み合い歯が前記第2回転部材に噛み合わない非連結位置との間を軸方向に移動可能な断続部材と、前記断続部材を軸方向に移動させる移動機構とを備え、前記移動機構は、通電により磁束を発生させるコイルを有する環状の磁束発生部と、前記磁束発生部を保持する保持部と、前記断続部材と共に軸方向に移動する移動部材とを有し、前記移動部材は、前記磁束の磁路を構成して前記磁束発生部と軸方向に対向する側板部を有し、前記側板部に軸方向の貫通孔が形成され、前記保持部は、前記移動部材と共に前記磁束発生部の磁束の磁路を構成する軟磁性材料からなるヨークと、前記ヨークを前記ケース部材に対して回り止めする回り止め部材とを有し、前記回り止め部材は、前記ヨークに固定された固定部と、前記固定部から軸方向に延在して前記移動部材の前記貫通孔に挿通され、前記ケース部材に設けられた係止部に係止されて前記ヨークの前記ケース部材に対する回転を規制する延在部と、前記移動部材の前記側板部よりも前記延在部の先端側に設けられた爪部とを有し、前記移動部材が前記延在部の前記先端側に移動したとき、前記側板部が前記爪部に当接することで、前記移動部材の前記ヨークからの離脱が抑止される、駆動力断続装置を提供する。
また、本発明は、上記の目的を達成するため、ケース部材と、前記ケース部材に収容され、共通の回転軸線を中心として相対回転可能に配置された第1乃至第3回転部材と、前記第1回転部材との相対回転が規制されると共に、前記第2回転部材に噛み合う噛み合い歯を有し、前記噛み合い歯が前記第2回転部材に噛み合う連結位置と前記噛み合い歯が前記第2回転部材に噛み合わない非連結位置との間を軸方向に移動可能な断続部材と、前記断続部材を軸方向に移動させる移動機構とを備え、前記断続部材の前記噛み合い歯が前記第2回転部材に噛み合わない状態で、前記第1回転部材に入力された駆動力が前記第2回転部材及び前記第3回転部材に差動を許容して配分され、前記断続部材の前記噛み合い歯が前記第2回転部材に噛み合うことにより、前記第1回転部材と前記第2回転部材及び前記第3回転部材との差動が制限される差動制限装置であって、前記移動機構は、通電により磁束を発生させるコイルを有する環状の磁束発生部と、前記磁束発生部を保持する保持部と、前記断続部材と共に軸方向に移動する移動部材とを有し、前記移動部材は、前記磁束の磁路を構成して前記磁束発生部と軸方向に対向する側板部を有し、前記側板部に軸方向の貫通孔が形成され、前記保持部は、前記移動部材と共に前記磁束発生部の磁束の磁路を構成する軟磁性材料からなるヨークと、前記ヨークを前記ケース部材に対して回り止めする回り止め部材とを有し、前記回り止め部材は、前記ヨークに固定された固定部と、前記固定部から軸方向に延在して前記移動部材の前記貫通孔に挿通され、前記ケース部材に設けられた係止部に係止されて前記ヨークの前記ケース部材に対する回転を規制する延在部と、前記移動部材の前記側板部よりも前記延在部の先端側に設けられた爪部とを有し、前記移動部材が前記延在部の前記先端側に移動したとき、前記側板部が前記爪部に当接することで、前記移動部材の前記ヨークからの離脱が抑止される、差動制限装置を提供する。
本発明に係る駆動力断続装置及び差動制限装置によれば、通電により磁束を発生させる磁束発生部を保持すると共に回り止めする保持部を簡素に構成することができ、製造コストを抑制することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る差動制限装置の構成を示す断面図である。 差動制限装置の分解斜視図である。 差動制限装置のデフケース内部の構造を示す分解斜視図である。 (a)及び(b)は、差動制限装置の一部を拡大して示す断面図である。 (a)は、回り止め部材及びその周辺を示す図1の部分拡大図である。(b)は、デフキャリアの係止部をデフケースの径方向から見た状態を示す構成図である。 回り止め部材の周方向の一部、回り止め部材の固定部が嵌合されるヨークの円筒部の一部、及びプランジャの一部を拡大して示す斜視図である。 (a)及び(b)は、断続部材を示す斜視図である。 (a)〜(c)は、カム機構の動作を、断続部材、第1ケース部材の底部、及び第1サイドギヤの環状壁部の周方向断面で模式的に示す説明図である。 ポジションセンサの構成例を模式的に示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る差動制限装置の一部を拡大して示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る差動制限装置の分解斜視図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1実施の形態について、図1乃至図9を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る差動制限装置の構成例を示す断面図である。図2は、差動制限装置の分解斜視図である。図3は、差動制限装置のデフケース内部の構造を示す分解斜視図である。図4(a)及び(b)は、差動制限装置の一部を拡大して示す断面図である。
この差動制限装置1は、エンジンや電動モータからなる車両の駆動源の駆動力を一対の出力軸に差動を許容して配分するために用いられる。より具体的には、本実施の形態に係る差動制限装置1は、例えば駆動源の駆動力を左右の車輪に配分するディファレンシャル装置として用いられ、入力された駆動力を一対の出力軸としての左右のドライブシャフトに配分する。
差動制限装置1は、ケース部材としてのデフキャリア100と、デフキャリア100に支持されて回転するデフケース2と、デフケース2に収容された第1サイドギヤ31及び第2サイドギヤ32と、第1ピニオンギヤ41及び第2ピニオンギヤ42を互いに噛み合せてなる複数(本実施の形態では5組)のピニオンギヤ組40と、デフケース2と第1サイドギヤ31との間の駆動力伝達を断続することが可能な断続部材5と、断続部材5を移動させる移動機構10と、移動機構10の動作状態を示す電気信号を出力するポジションセンサ90とを備える。断続部材5、移動機構10、及びポジションセンサ90は、デフケース2と第1サイドギヤ31との間の駆動力伝達を断続する駆動力断続装置11を構成する。駆動力断続装置11は、コントローラ9によって制御される。
第1サイドギヤ31及び第2サイドギヤ32は筒状であり、第1サイドギヤ31の内周面には一方の出力軸が相対回転不能に連結されるスプライン嵌合部310が形成され、第2サイドギヤ32の内周面には他方の出力軸が相対回転不能に連結されるスプライン嵌合部320が形成されている。
デフケース2は、車体に固定されたデフキャリア100に収容され、一対の軸受101,102を介して回転可能に支持されている。デフキャリア100には、図1に示すように、ポジションセンサ90を取り付けるための取付孔100aが設けられている。また、デフキャリア100には、ギヤの潤滑に適した粘度のギヤオイルが封入され、差動制限装置1はこのギヤオイルによる潤滑環境下で使用される。
デフケース2、第1サイドギヤ31、及び第2サイドギヤ32は、共通の回転軸線Oを中心として、互いに相対回転可能に配置されている。以下、回転軸線Oに平行な方向を軸方向という。
デフケース2には、各ピニオンギヤ組40の第1ピニオンギヤ41及び第2ピニオンギヤ42を回転可能に保持する複数の保持孔20が形成されている。第1ピニオンギヤ41及び第2ピニオンギヤ42は、回転軸線Oを中心として公転すると共に、それぞれの中心軸を回転軸として保持孔20内で自転可能である。
第1サイドギヤ31及び第2サイドギヤ32は、共通の外径を有し、外周面に複数の斜歯からなる歯車部311,321がそれぞれ形成されている。第1サイドギヤ31と第2サイドギヤ32との間には、センタワッシャ121が配置されている。また、第1サイドギヤ31の側方には第1サイドワッシャ122が配置され、第2サイドギヤ32の側方には第2サイドワッシャ123が配置されている。
第1ピニオンギヤ41は、長歯車部411と、短歯車部412と、長歯車部411と短歯車部412とを軸方向に連結する連結部413とを一体に有している。同様に、第2ピニオンギヤ42は、長歯車部421と、短歯車部422と、長歯車部421と短歯車部422とを軸方向に連結する連結部423とを一体に有している。
第1ピニオンギヤ41は、長歯車部411が第1サイドギヤ31の歯車部311及び第2ピニオンギヤ42の短歯車部422と噛み合い、短歯車部412が第2ピニオンギヤ42の長歯車部421と噛み合っている。第2ピニオンギヤ42は、長歯車部421が第2サイドギヤ32の歯車部321及び第1ピニオンギヤ41の短歯車部412と噛み合い、短歯車部422が第1ピニオンギヤ41の長歯車部411と噛み合っている。なお、図3では、これら各歯車部の斜歯の図示を省略している。
第1サイドギヤ31及び第2サイドギヤ32が同じ速度で回転する場合、第1ピニオンギヤ41及び第2ピニオンギヤ42は、保持孔20内で自転することなくデフケース2と共に公転する。また、例えば車両の旋回時等において第1サイドギヤ31及び第2サイドギヤ32の回転速度が異なると、第1ピニオンギヤ41及び第2ピニオンギヤ42が保持孔20内で自転しながら公転する。これにより、デフケース2に入力された駆動力が第1サイドギヤ31及び第2サイドギヤ32に差動を許容して配分される。なお、デフケース2が本発明の「第1回転部材」に、第1サイドギヤ31が本発明の「第2回転部材」に、第2サイドギヤ32が本発明の「第3回転部材」に、それぞれ相当する。
断続部材5は、デフケース2と第1サイドギヤ31とを相対回転不能に連結する連結位置、及びデフケース2と第1サイドギヤ31との相対回転を許容する非連結位置との間を軸方向に移動可能である。図4(a)では断続部材5が非連結位置にある状態を示し、図4(b)では断続部材5が連結位置にある状態を示している。
断続部材5が連結位置にあるとき、デフケース2と第1サイドギヤ31との差動が規制されることにより、第1ピニオンギヤ41及び第2ピニオンギヤ42が自転不能となり、デフケース2と第2サイドギヤ32との差動も規制される。断続部材5は、第1サイドギヤ31との間に配置された復帰バネ13によって、非連結位置に向かって付勢されている。
移動機構10は、通電により磁束を発生させる環状の磁束発生部60と、磁束発生部60を保持する保持部6と、磁束発生部60の通電により発生する磁束の磁路G(図4(b)参照)を構成し、断続部材5と共に軸方向に移動する移動部材としてのプランジャ7と、断続部材5とプランジャ7とを連結する連結部材8とを有している。保持部6は、磁束発生部60をデフケース2及びデフキャリア100に対して保持している。
磁束発生部60は、エナメル線等の導線を環状に巻き回してなるコイル601と、コイル601をモールドするモールド樹脂部602とを有する電磁石からなる。磁束発生部60は、断面矩形状であり、その中心部にコイル601が配置され、外周面60a(モールド樹脂部602の外周面602a)を含む表面はモールド樹脂部602によって形成されている。また、磁束発生部60には、図2に示すように、軸方向の一端面から突出するボス部603が設けられ、このボス部603からコイル601に励磁電流を供給する電線604が導出されている。コントローラ9は、電線604を介して磁束発生部60に励磁電流を供給し、磁路Gに磁束を発生させる。
保持部6は、鉄系金属等の軟磁性材料からなるヨーク61と、ヨーク61をデフキャリア100に対して回り止めする回り止め部材62とを備えている。ヨーク61は、磁束発生部60の磁束の磁路Gを構成する。
ヨーク61は、図4に拡大して示すように、磁束発生部60の内周面60bを内側から覆う円筒部611と、円筒部611の軸方向の一端部から外方に突出して磁束発生部60の軸方向端面60cを覆う鍔部612とを一体に有している。円筒部611は、磁束発生部60と径方向に向かい合う。円筒部611の内径は、円筒部611の内周面611aに対向する部分のデフケース2の外径よりも僅かに大きく形成されている。
円筒部611の内周面611aには、圧入ピン141によってデフケース2に固定された非磁性材料からなる複数(本実施の形態では3つ)のプレート142が嵌合する環状凹部611bが形成されている。ヨーク61は、環状凹部611bにプレート142が嵌合することで、デフケース2に対する軸方向移動が規制されている。環状凹部611bの軸方向幅は、デフケース2が回転する際にヨーク61との間で回転抵抗が発生しないよう、プレート142の厚みよりも大きく形成されている。
ヨーク61の円筒部611における鍔部612とは反対側の端部には、回り止め部材62が例えば溶接によって固定されている。回り止め部材62は、オーステナイト系ステンレス等の非磁性材料からなり、ヨーク61に固定された固定部621と、固定部621から軸方向に延在してデフキャリア100に設けられた係止部103(図1参照)に係止される延在部622と、延在部622の先端から鋭角に折り返された爪部623とを一体に有している。固定部621は、ヨーク61の円筒部611に嵌合されてヨーク61に固定されている。延在部622は、係止部103に係止されてヨーク61のデフキャリア100に対する回転を規制する。
回り止め部材62の固定部621は、ヨーク61の円筒部611の周方向に沿って延びる円環状であり、ヨーク61の円筒部611に対する磁束発生部60の軸方向移動(鍔部612とは反対側への移動)を規制する。磁束発生部60は、その軸方向端面60d(ヨーク61の鍔部612に対向する軸方向端面60cとは反対側の端面)が固定部621に当接することにより、ヨーク61に対する軸方向移動が規制される。
回り止め部材62は、図2に示すように、複数(本実施の形態では2つ)の延在部622及び爪部623を有している。2つの延在部622は、回転軸線Oを挟む対称な位置に設けられ、そのそれぞれに対応して爪部623が設けられている。ただし、回り止め部材62が有する延在部622の数は、2つに限らず3つ以上であってもよい。本実施の形態では、爪部623が延在部622の先端から固定部621の径方向における外側に折り返されている。デフキャリア100には、2つの延在部622をそれぞれ係止する2つの係止部103が設けられ、図1ではこのうち一方の係止部103を図示している。
プランジャ7は、低炭素鋼等の軟磁性材料からなり、磁束発生部60の外周に配置される円筒部71と、磁束発生部60と軸方向に対向する環状の側板部72とを一体に有している。ヨーク61は、プランジャ7の円筒部71及び側板部72と共に磁束発生部60の磁束の磁路Gを構成する。円筒部71は、磁束発生部60の全体を外周側から覆う円筒状である。側板部72は、円筒部71の軸方向の一端部から内方に突出している。側板部72は、磁束発生部60の軸方向端面60d(ヨーク61の鍔部612に対向する軸方向端面60cとは反対側の端面)、回り止め部材62の固定部621、及びヨーク61における円筒部611の軸方向端面611cと軸方向に対向する。
プランジャ7は、円筒部71の内周面71aがモールド樹脂部602の外周面602aに接触して磁束発生部60に支持されている。プランジャ7が軸方向に移動する際には、円筒部71の内周面71aがモールド樹脂部602の外周面602aを摺動する。また、円筒部71の内周面71aは、ヨーク61の鍔部612の外周側の端面612aと径方向に対向する。
側板部72には、前述のギヤオイルを流動される複数(図2に示す例では10個)の油孔720、磁束発生部60のボス部603を挿通させる第1貫通孔721、及び回り止め部材62の2つ延在部622をそれぞれ挿通させる2つの第2貫通孔722が形成されている。油孔720、第1貫通孔721、及び第2貫通孔722は、側板部72を軸方向に貫通している。また、側板部72の内周側の端部は、連結部材8が当接する当接部として形成されている。
回り止め部材62の延在部622は、第2貫通孔722に挿通されることにより、ヨーク61に対するプランジャ7の回転を規制している。爪部623は、延在部622と共にプランジャ7の第2貫通孔722を通過可能な弾性を有している。より具体的には、延在部622及び爪部623が側板部72の第2貫通孔722に挿通されるとき、爪部623は延在部622と重なるように弾性変形して第2貫通孔722を通り抜ける。
また、爪部623は、第2貫通孔722を通り抜けた後に弾性復帰して折り返された先端部が延在部622から離間し、その少なくとも一部がプランジャ7の第2貫通孔722よりも径方向外側に位置する。これにより、プランジャ7が延在部622の先端側に移動したとき、側板部72が回り止め部材62の爪部623に当接することで、プランジャ7のヨーク61からの離脱が抑止される。
連結部材8は、例えばオーステナイト系ステンレス等の非磁性材料からなる板材をプレス成形してなり、プランジャ7の側板部72に当接するリング状の環状部81と、環状部81から軸方向に延びる3つの延在部82と、延在部82の先端部から内方に突出して断続部材5に固定される固定部83とを一体に有している。連結部材8は、車両走行時に環状部81がプランジャ7の側板部72を摺動してデフケース2と共に回転する。固定部83には、断続部材5との固定のための圧入ピン15を挿通させる挿通孔830が形成されている。
デフケース2は、複数のネジ200によって互いに固定された第1ケース部材21及び第2ケース部材22を有している。第1ケース部材21は、軸受101によってデフキャリア100に回転可能に支持され、第2ケース部材22は、軸受102によってデフキャリア100に回転可能に支持されている。
第1ケース部材21は、複数のピニオンギヤ組40を回転可能に保持する円筒状の円筒部211と、円筒部211の一端部から内方に延在する底部212と、第2ケース部材22に突き当てられるフランジ部213とを一体に有している。円筒部211と底部212との間の角部には、磁束発生部60が配置される環状凹部210が形成されている。
第1サイドギヤ31及び第2サイドギヤ32は、円筒部211の内側に配置されている。また、第1ケース部材21は、ヨーク61よりも透磁率が低い金属からなり、フランジ部213には図略のリングギヤが固定される。デフケース2は、リングギヤから伝達される駆動力により回転軸線Oを中心として回転する。
第1ケース部材21の底部212には、図2及び図3に示すように、連結部材8の延在部82及び固定部83が挿入される複数の挿通孔212aが形成されている。挿通孔212aは、底部212を軸方向に貫通している。また、挿通孔212aには、後述する断続部材5の突部53が挿入される。断続部材5は、突部53が挿通孔212aに挿入されることで、デフケース2との相対回転が規制される。本実施の形態では、3つの挿通孔212aが、底部212の周方向に沿って等間隔に形成されている。
図5(a)は、図1の部分拡大図であり、回り止め部材62の固定部621、延在部622、及び爪部623の断面を拡大して図示している。図5(b)は、デフキャリア100の係止部103をデフケース2の径方向から見た状態を示す構成図である。図6は、回り止め部材62の周方向の一部、回り止め部材62の固定部621が嵌合されるヨーク61の円筒部611の一部、及びプランジャ7の一部を拡大して示す斜視図である。
図6に示すように、ヨーク61の円筒部611における鍔部612とは反対側の端部には、回り止め部材62の固定部621が嵌合される小径部611dと、小径部611dよりも外径が大きい大径部611eとが形成され、小径部611dの外周面と大径部611eの外周面との間には段差面611fが形成されている。回り止め部材62の固定部621は、その内周面621aと外周面621bのうち、内周面621aが小径部611dに外嵌される。また、固定部621は、軸方向の一側面が段差面611fに当接する。
大径部611eの外径は、回り止め部材62の固定部621の外径よりも小さく、固定部621は、その一部が大径部611eの外周面よりも外径方向に突出する。そして、固定部621は、この突出した部分の一側面が磁束発生部60の軸方向端面60dと軸方向に向かい合う。
ヨーク61の小径部611dには、径方向内方に窪む窪部611gが形成されている。一方、回り止め部材62における固定部621の内径部には、ヨーク61の窪部611gに係合する突部621cが設けられている。回り止め部材62は、突部621cが窪部611gに係合することにより、ヨーク61の周方向に位置決めされる。
図5(b)に示すように、係止部103は、回転軸線Oを中心としてヨーク61が一方側に回転したときに回り止め部材62の延在部622に当接する第1係止部材104と、ヨーク61が他方側に回転したときに回り止め部材62の延在部622に当接する第2係止部材105とを有している。延在部622は、その先端部が第1係止部材104と第2係止部材105との間に位置している。第1係止部材104及び第2係止部材105は、ボルト106,107によってデフキャリア100の本体に固定されている。
磁束発生部60のコイル601に励磁電流が供給されると、図4(b)に示す磁路Gに磁束が発生し、プランジャ7の側板部72がヨーク61に吸引される。これにより、プランジャ7の円筒部71の内周面71aがモールド樹脂部602の外周面612aを摺動し、プランジャ7が軸方向に移動する。このプランジャ7の軸方向移動により、プランジャ7と連結部材8によって連結された断続部材5が非連結位置から連結位置に軸方向に移動する。
図7(a)及び(b)は、断続部材5を示す斜視図である。断続部材5は、その最外径(最も外側の部分の直径)が、ヨーク61の内径よりも小さく、磁束発生部60の内側に配置されている。また、断続部材5は、一方の軸方向端面51aに複数の椀状凹部510が形成された円環板状の円板部51と、第1サイドギヤ31と軸方向に対向する円板部51の他方の軸方向端面51bに形成された噛み合い部52と、円板部51の一方の軸方向端面51aから軸方向に突出して形成された台形柱状の突部53とを一体に有している。
円板部51の一方の軸方向端面51aは、第1ケース部材21の底部212と軸方向に対向する。突部53は、第1ケース部材21の底部212に形成された挿通孔212aに一部が挿入されている。噛み合い部52には、軸方向に突出する複数の噛み合い歯521が形成されている。複数の噛み合い歯521は、円板部51の他方の軸方向端面51bの外周側の一部に形成され、噛み合い部52よりも内側の軸方向端面51bは、復帰バネ13が当接して非連結位置への付勢力を受ける平坦な受け面として形成されている。
第1サイドギヤ31には、図1に示すように、歯車部311よりも外周側に突出して設けられた環状壁部312に、断続部材5の複数の噛み合い歯521に噛み合う複数の噛み合い歯313が形成されている。
断続部材5は、連結部材8を介してプランジャ7に押圧されて連結位置に移動することで、噛み合い部52の複数の噛み合い歯521が第1サイドギヤ31の複数の噛み合い歯313に噛み合う。つまり、断続部材5と第1サイドギヤ31とは、断続部材5が第1サイドギヤ31側に移動したとき、複数の噛み合い歯521,313同士の噛み合いによって相対回転不能に連結される。一方、断続部材5が復帰バネ13の付勢力によって非連結位置に移動すると、噛み合い歯521,313同士の噛み合いが噛み合わなくなり、断続部材5と第1サイドギヤ31とが相対回転可能となる。
第1ケース部材21は、断続部材5の突部53が周方向に係合する被係合部が、挿通孔212aによって形成されている。断続部材5の突部53は、挿通孔212aの内面212b(図2,3参照)に当接して第1ケース部材21からの駆動力を受ける当接面53aを有している。当接面53aは、突部53における周方向の端面である。突部53の当接面53a、及びこの当接面53aが当接する挿通孔212aの内面212bは、回転軸線Oと平行な平坦面である。断続部材5が第1ケース部材21からの駆動力を受けるとき、突部53の当接面53aは、挿通孔212aの内面212bに面接触する。
また、突部53の先端面53bには、圧入ピン15が圧入される圧入孔531が形成されている。断続部材5は、連結部材8の固定部83に形成された挿通孔830を挿通した圧入ピン15が圧入孔531に圧入されることで、連結部材8と一体に軸方向移動するように固定される。なお、圧入ピン15に替えて、連結部材8の固定部83と断続部材5の突部5とをボルトによって締結してもよい。この場合、連結部材8の固定部83には、圧入孔531に替えてねじ穴が形成される。
椀状凹部510の内面510aは、第1ケース部材21との相対回転によって軸方向のカム推力を発生させるカム面として形成されている。換言すれば、断続部材5は、円板部51における第1ケース部材21の底部212との対向面(一方の軸方向端面51a)の一部がカム面として形成されている。
図1に示すように、第1ケース部材21の底部212には、椀状凹部510の内面510aに当接する突起212cが軸方向に突出して設けられている。本実施の形態では、この突起212cが、底部212に固定された球体23によって形成されている。球体23は、その一部が底部212に設けられた軸方向の窪み212dに収容されて、第1ケース部材21に保持されている。ただし、突起212cを、底部212の一部として一体に形成してもよい。
底部212の挿通孔212aは、周方向の幅が断続部材5の突部53の周方向の幅よりも広く、デフケース2と断続部材5とは、挿通孔212aの周方向幅と突部53の周方向幅との差に応じた所定の角度範囲で相対回転可能である。断続部材5には、この所定の角度範囲よりも大きい角度範囲に亘って、椀状凹部510の内面510aが形成されている。これにより、断続部材5がデフケース2に対して相対回転しても、突起212c(球体23)の先端部が常に椀状凹部510に収容されて内面510aと軸方向に向かい合う。
第1ケース部材21の底部212の突起212cと断続部材5の円板部51の椀状凹部510とは、断続部材5を底部212から離間させる軸方向の推力を発生させるカム機構16を構成する。次に、図6を参照して、このカム機構16の動作について説明する。
図8(a)〜(c)は、カム機構16の動作を、断続部材5、第1ケース部材21の底部212、及び第1サイドギヤ31の環状壁部312の周方向断面で模式的に示す説明図である。図8(a)及び(b)では、デフケース2(第1ケース部材21)に対する第1サイドギヤ31の回転方向を矢印Aで示している。
図8(a)に示すように、椀状凹部510の内面510aは、断続部材5の周方向に対して一方に傾斜した第1傾斜面510bと他方に傾斜した第2傾斜面510cとからなる。断続部材5の周方向に対する第1傾斜面510bの傾斜角と第2傾斜面510cの傾斜角とは同じである。
コイル601に通電されていないとき、断続部材5は、復帰バネ13の付勢力によって第1ケース部材21の底部212側に押し付けられている。この状態を図8(a)に示す。図8(a)に示すように、底部212の突起212cは、椀状凹部510の最奥部に当接し、断続部材5の噛み合い歯521と第1サイドギヤ31の噛み合い歯313とは噛み合わない。コイル601に通電されると、断続部材5が連結部材8を介してプランジャ7に押圧され、断続部材5が第1サイドギヤ31に噛み合う。図8(b)は、この噛み合いの開始時の状態を示し、図8(c)は、噛み合いが完了した状態を示している。
図8(b)に示すように、コイル601に通電されて断続部材5が押圧されると、まず断続部材5の噛み合い歯521及び第1サイドギヤ31の噛み合い歯313の先端部同士が噛み合う。この噛み合いにより、断続部材5が第1サイドギヤ31に連れ回りしてデフケース2と相対回転し、底部212の突起212cが椀状凹部510の第1傾斜面510b又は第2傾斜面510cを摺動する。図8(b)では、底部212の突起212cが椀状凹部510の第1傾斜面510bを摺動する場合を示している。この摺動により、底部212の突起212cが当接する部分が徐々に椀状凹部510の浅い部分に移動し、断続部材5がカム推力によって第1サイドギヤ31側に移動する。
デフケース2に対する断続部材5の相対回転は、断続部材5の突部53の当接面53aが、第1ケース部材21における挿通孔212aの内面212bに接触することで規制される。つまり、図8(c)に示すように断続部材5の突部53の当接面53aが挿通孔212aの内面212bに当接すると、デフケース2に対する断続部材5の相対回転が停止し、断続部材5のデフケース2に対する軸方向移動も停止する。
断続部材5の噛み合い歯521と第1サイドギヤ31の噛み合い歯313との噛み合いが完了した状態では、断続部材5の突部53が第1ケース部材21の挿通孔212aに係合してデフケース2と断続部材5との相対回転が規制され、かつ断続部材5の噛み合い歯521と第1サイドギヤ31の噛み合い歯313との噛み合いにより断続部材5と第1サイドギヤ31との相対回転が規制される。これにより、デフケース2と第1サイドギヤ31との相対回転が規制され、デフケース2から断続部材5を介して第1サイドギヤ31に駆動力が伝達される。
また、デフケース2と第1サイドギヤ31との差動が規制されることによって第1ピニオンギヤ41及び第2ピニオンギヤ42が自転不能となり、デフケース2と第2サイドギヤ32との差動も規制され、デフケース2から第1ピニオンギヤ41及び第2ピニオンギヤ42を介して第2サイドギヤ32に駆動力が伝達される。
移動機構10の動作は、ポジションセンサ90によって検出される。ポジションセンサ90は、プランジャ7の軸方向位置に応じて電気信号をコントローラ9に出力する。
図9(a)及び(b)は、ポジションセンサ90の構成例を模式的に示す模式図である。本実施の形態では、ポジションセンサ90がプランジャ7の側板部72の軸方向位置を検出する。ポジションセンサ90は、プランジャ7の側板部72に弾性的に接触する接触子91と、接触子91を支持する支持体92と、支持体92に対して接触子91を飛び出させる方向に付勢するバネ93と、支持体92に対する接触子91の変位によってオン・オフ状態が切り替わるスイッチ94とを有している。
接触子91は、回転軸線Oと平行に支持体92に対して進退移動する棒状の部材である。接触子91は、バネ93の付勢力によって、その先端部911がプランジャ7の側板部72の外面(磁束発生部60に対向する面とは反対側の側面)に当接する。接触子91の他端部には、接触子91の移動方向に対して直交する方向に膨出した膨出部912が設けられている。接触子91の移動によって膨出部912がスイッチ94の可動片941を押し込むと、一対の端子942,943が電気的に短絡する。
ポジションセンサ90は、プランジャ7の軸方向移動に伴って断続部材5が連結位置に移動したとき、スイッチ94の一対の端子942,943が電気的に短絡して電気信号がオン状態となり、断続部材5が非連結位置にあるときには、スイッチ94の一対の端子942,943が絶縁されて電気信号がオフ状態となるように、デフキャリア100への取付位置が調節されている。図9(a)は、断続部材5が連結位置にあるときの状態を示し、図9(b)は、断続部材5が非連結位置にあるときの状態を示している。
コントローラ9は、コイル601に励磁電流を供給しても、ポジションセンサ90の電気信号によって断続部材5が連結位置に移動したことを検知できない場合には、異常信号を出力する。この異常信号は、ランプ表示や警告音によって車両の運転者に認識される。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明した本実施の形態によって得られる主な作用及び効果は次のとおりである。
(1)回り止め部材62は、固定部621によってヨーク61に対する磁束発生部60の軸方向移動を規制すると共に、ヨーク61をデフキャリア100に対して回り止めする。このため、磁束発生部60の軸方向移動を規制する部材とヨーク61を回り止めする部材とを別個に設ける必要がなく、コストを抑制することが可能となる。
(2)回り止め部材62は、非磁性材料からなるので、回り止め部材62を介して磁束発生部60の磁束がデフキャリア100に漏れることが抑制される。このため、断続部材5を連結位置に移動させる移動力が磁束漏れによって低下してしまうことを抑制できる。
(3)爪部623は、弾性変形してプランジャ7の第2貫通孔722を通り抜け、第2貫通孔722を通り抜けた後に弾性復帰して折り返された先端部が延在部622から離間する。このため、延在部622及び爪部623を第2貫通孔722に挿通させる作業のみでプランジャ7がヨーク61から離脱してしまうことを防ぐことができる。
(4)プランジャ7の側板部72には複数の第2貫通孔722が形成され、回り止め部材62は複数の第2貫通孔722にそれぞれ挿通される複数の延在部622及び爪部623を有するので、プランジャ7が磁束発生部60及びヨーク61に対して軸方向に移動するとき、回転軸線Oに対するプランジャ7の傾きや偏りが抑制される。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について図10を参照して説明する。本実施の形態は、保持部6やプランジャ7等の構成が第1の実施の形態と異なり、その他については第1の実施の形態と同様であるので、この違いの部分について説明する。図10において、第1の実施の形態について説明したものに対応する構成要素については、図4等と同一の符号を付している。
図10は、第2の実施の形態に係る差動制限装置の一部を拡大して示す断面図であり、(a)は断続部材5が非連結位置にある状態を示し、(b)は断続部材5が連結位置にある状態を示している。
第1の実施の形態では、ヨーク61が円筒部611と鍔部612とを一体に有し、円筒部611が磁束発生部60を内側から覆う場合について説明した。本実施の形態では、ヨーク61が第1の実施の形態と同様に円筒状の円筒部611と磁束発生部60の軸方向端面60cを覆う鍔部612とを一体に有しているが、円筒部611は磁束発生部60の内周面60bではなく、外周面60aを外側から覆っている。鍔部612は、円筒部611の軸方向の端部から内方に突出している。
また、本実施の形態では、デフケース2の第1ケース部材21が、ヨーク61の円筒部611の一部を外周側から覆う覆い部214を円筒部211と一体に有している。円筒部611の外周面には、環状凹部611hが形成されている。この環状凹部611hには、覆い部214にピン171により固定されたプレート172が係合し、このプレート172の係合によってヨーク61の軸方向移動が規制されている。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、プランジャ7が円筒部71と側板部72とを一体に有しているが、円筒部71は磁束発生部60の内周に配置され、側板部72は、円筒部71の軸方向の一端部から外方に突出している。
連結部材8は、第1の実施の形態と同様に、リング状の環状部81と、環状部81から軸方向に延びる3つの延在部82(図10には、このうち1つの延在部82を示す)と、延在部82の先端部から内方に突出して断続部材5に固定される固定部83とを一体に有しているが、環状部81はプランジャ7の側板部72ではなく、プランジャ7の円筒部71のデフケース2の軸方向端面に当接している。
回り止め部材62は、第1の実施の形態と同様に、ヨーク61の円筒部611に対する磁束発生部60の軸方向移動を規制する固定部621と、デフキャリア100の係止部103に係止される延在部622と、延在部622の先端から鋭角に折り返された爪部6223とを有している。延在部622の基端部は、固定部621に連続している。
本実施の形態では、延在部622が固定部621の内周端部から軸方向に延出され、爪部623は延在部622の先端から固定部621の径方向における内側に折り返されている。回り止め部材62の固定部621は、その外周面621bがヨーク61の円筒部611に嵌合され、ヨーク61に固定されている。
延在部622及び爪部623が側板部72の第2貫通孔722に挿通されるとき、爪部623は、延在部622と重なるように弾性変形して第2貫通孔722を通り抜け、第2貫通孔722を通り抜けた後に弾性復帰して折り返された先端部が延在部622から離間する。そして、爪部623の少なくとも一部がプランジャ7の第2貫通孔722よりも径方向内側に位置する。これにより、第1の実施の形態と同様に、プランジャ7が延在部622の先端側に移動したとき、側板部72が回り止め部材62の爪部623に当接することで、プランジャ7のヨーク61からの離脱が抑止される。
本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について図11を参照して説明する。本実施の形態は、回り止め部材62の構成が第1の実施の形態と異なり、その他については第1の実施の形態と同様であるので、この違いの部分について説明する。図11において、第1の実施の形態について説明したものに対応する構成要素については、図2や図6と同一の符号を付している。
図11は、第3の実施の形態に係る差動制限装置の分解斜視図である。第1の実施の形態では、回り止め部材62の回転規制部622の延在部622が軸方向に長辺方向を有する長方形状であり、爪部623が延在部622の先端から鋭角に折り返されて形成されていたが、本実施の形態では、長方形状の延在部622の一部がU字状に打ち抜かれ、打ち抜かれた部分に三方が囲まれた舌片を外径側に屈曲させて爪部623が形成されている。この爪部623は、第1の実施の形態と同様に、プランジャ7が延在部622の先端側に移動したとき、側板部72に当接してプランジャ7のヨーク61からの離脱を抑止する。延在部622は、爪部623の周方向の両側部、及び爪部623の軸方向一側(軸方向移動規制部621側)にあたる部分が打ち抜き加工により開口している。
また、第1の実施の形態では、回り止め部材62の軸方向移動規制部621が円環状である場合について説明したが、本実施の形態では、軸方向移動規制部621がヨーク61の円筒部611の周方向に沿って延びる円弧状である。本実施の形態でも、一対の回転規制部622が回転軸線Oを挟む対称な位置に設けられ、軸方向移動規制部621は、その円弧角(図11に示すθ)が180°を超える範囲に延在している。軸方向移動規制部621は、溶接又は加締めによってヨーク61の円筒部611における鍔部612とは反対側の端部に相対回転不能に固定されている。
本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
(付記)
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、一対のサイドギヤ(第1サイドギヤ31及び第2サイドギヤ32)と一対のピニオンギヤ(第1ピニオンギヤ41及び第2ピニオンギヤ42)のそれぞれの回転軸が平行な平行軸タイプの差動装置に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、一対のサイドギヤと一対のピニオンギヤとがギヤ軸を直交させて噛み合う構成の差動制限装置に本発明を適用することも可能である。
1…差動制限装置 10…移動機構
100…デフキャリア(ケース部材) 103…係止部
11…駆動力断続装置 2…デフケース(第1回転部材)
20…保持孔 31…第1サイドギヤ(第2回転部材)
32…第2サイドギヤ(第2回転部材) 5…断続部材
521…噛み合い歯 6…保持部
60…磁束発生部 601…コイル
61…ヨーク 611…円筒部
62…回り止め部 621…固定部
621a…内周面 621b…外周面
622…延在部 623…爪部
7…プランジャ(移動部材) 72…側板部
722…第2貫通孔(貫通孔)

Claims (5)

  1. ケース部材に収容され、共通の回転軸線を中心として相対回転可能に配置された第1回転部材と第2回転部材との間の駆動力伝達を断続する駆動力断続装置であって、
    前記第1回転部材との相対回転が規制されると共に、前記第2回転部材に噛み合う噛み合い歯を有し、前記噛み合い歯が前記第2回転部材に噛み合う連結位置と前記噛み合い歯が前記第2回転部材に噛み合わない非連結位置との間を軸方向に移動可能な断続部材と、
    前記断続部材を軸方向に移動させる移動機構とを備え、
    前記移動機構は、通電により磁束を発生させるコイルを有する環状の磁束発生部と、前記磁束発生部を保持する保持部と、前記断続部材と共に軸方向に移動する移動部材とを有し、
    前記移動部材は、前記磁束の磁路を構成して前記磁束発生部と軸方向に対向する側板部を有し、前記側板部に軸方向の貫通孔が形成され、
    前記保持部は、前記移動部材と共に前記磁束発生部の磁束の磁路を構成する軟磁性材料からなるヨークと、前記ヨークを前記ケース部材に対して回り止めする回り止め部材とを有し、
    前記回り止め部材は、前記ヨークに固定された固定部と、前記固定部から軸方向に延在して前記移動部材の前記貫通孔に挿通され、前記ケース部材に設けられた係止部に係止されて前記ヨークの前記ケース部材に対する回転を規制する延在部と、前記移動部材の前記側板部よりも前記延在部の先端側に設けられた爪部とを有し、
    前記移動部材が前記延在部の前記先端側に移動したとき、前記側板部が前記爪部に当接することで、前記移動部材の前記ヨークからの離脱が抑止される、
    駆動力断続装置。
  2. 前記回り止め部材は、非磁性材料からなる、
    請求項1に記載の駆動力断続装置。
  3. 前記爪部は、その少なくとも一部が前記移動部材の前記貫通孔よりも径方向内側又は径方向外側に位置し、かつ前記延在部と共に前記移動部材の前記貫通孔を通過可能な弾性を有する、
    請求項1又は2に記載の駆動力断続装置。
  4. 前記移動部材の前記側板部には、複数の前記貫通孔が形成され、
    前記回り止め部材は、前記複数の前記貫通孔にそれぞれ挿通される複数の前記延在部と、前記複数の前記延在部のそれぞれに対応して設けられた複数の前記爪部とを有する、
    請求項3に記載の駆動力断続装置。
  5. ケース部材と、
    前記ケース部材に収容され、共通の回転軸線を中心として相対回転可能に配置された第1乃至第3回転部材と、
    前記第1回転部材との相対回転が規制されると共に、前記第2回転部材に噛み合う噛み合い歯を有し、前記噛み合い歯が前記第2回転部材に噛み合う連結位置と前記噛み合い歯が前記第2回転部材に噛み合わない非連結位置との間を軸方向に移動可能な断続部材と、
    前記断続部材を軸方向に移動させる移動機構とを備え、
    前記断続部材の前記噛み合い歯が前記第2回転部材に噛み合わない状態で、前記第1回転部材に入力された駆動力が前記第2回転部材及び前記第3回転部材に差動を許容して配分され、前記断続部材の前記噛み合い歯が前記第2回転部材に噛み合うことにより、前記第1回転部材と前記第2回転部材及び前記第3回転部材との差動が制限される差動制限装置であって、
    前記移動機構は、通電により磁束を発生させるコイルを有する環状の磁束発生部と、前記磁束発生部を保持する保持部と、前記断続部材と共に軸方向に移動する移動部材とを有し、
    前記移動部材は、前記磁束の磁路を構成して前記磁束発生部と軸方向に対向する側板部を有し、前記側板部に軸方向の貫通孔が形成され、
    前記保持部は、前記移動部材と共に前記磁束発生部の磁束の磁路を構成する軟磁性材料からなるヨークと、前記ヨークを前記ケース部材に対して回り止めする回り止め部材とを有し、
    前記回り止め部材は、前記ヨークに固定された固定部と、前記固定部から軸方向に延在して前記移動部材の前記貫通孔に挿通され、前記ケース部材に設けられた係止部に係止されて前記ヨークの前記ケース部材に対する回転を規制する延在部と、前記移動部材の前記側板部よりも前記延在部の先端側に設けられた爪部とを有し、
    前記移動部材が前記延在部の前記先端側に移動したとき、前記側板部が前記爪部に当接することで、前記移動部材の前記ヨークからの離脱が抑止される、
    差動制限装置。
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