JP2017161029A - フッ素樹脂製薄膜チューブ及びその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂製薄膜チューブ及びその製造方法 Download PDF

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英志 安久津
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Abstract

【課題】フッ素樹脂製薄膜チューブの内面の乾燥が容易であり、ブロッキングやタックが生じにくいフッ素樹脂製薄膜チューブ、及び、前記フッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法を提供する。また、前記フッ素樹脂製薄膜チューブを備えた定着用加圧ローラを提供する。【解決手段】チューブの内面を、無機微粒子を含む分散液で処理することにより、内面に無機微粒子を付着させた、フッ素樹脂製薄膜チューブ。未処理のフッ素樹脂製薄膜チューブの内面を無機微粒子分散液により処理する工程、及び、前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を乾燥させる工程を有する、フッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法。ローラ部材と、前記ローラ部材の外周面を覆う前記フッ素樹脂製薄膜チューブとを備える、定着用加圧ローラ。【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素樹脂製薄膜チューブ及びその製造方法に関する。
従来、内側に部材を挿入して使用する円筒状の樹脂製薄膜チューブが知られている。このような樹脂製薄膜チューブの内側に部材を挿入することにより、部材の表面に樹脂製薄膜チューブが備える物性を付与することができる。
例えば、フッ素樹脂などにより形成された円筒状の樹脂製薄膜チューブは、耐熱性、耐薬品性、非粘着性などに優れている。このため、例えば、複写機、プリンターなどにおいて、トナーの加熱定着を行うために用いられる定着用加圧ローラの被覆材として、このような円筒状のフッ素樹脂製薄膜チューブが使用されている。フッ素樹脂製薄膜チューブにおいては、内側に挿入されるローラ本体との接着性を向上させることなどを目的として、フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を処理液で処理することが行われている。処理液による処理後は、前記チューブの内面を水などで洗浄し、その後に乾燥させてから、チューブの内側にローラ本体を挿入する。
フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を連続的に処理液で処理する方法として、例えば、特許文献1には、樹脂製薄膜チューブの2カ所をピンチロールにより閉塞して処理帯域を形成し、その中に金属ナトリウム錯体溶液などの処理液を封入し、当該チューブを走行させながらチューブ内面を処理する方法が開示されている。また、特許文献2には、肉厚が0.03〜0.10mmのフッ素樹脂チューブを、閉塞部材により2カ所で閉塞して処理帯域を形成し、該処理帯域のチューブ内に、アルカリ金属を液体アンモニアに溶解してなる処理液を封入して該チューブを走行させると共に、該チューブの供給側閉塞部材にガス抜きのための溝を設け、該チューブの供給側端部にて排出したガスを吸気手段により吸気処理することにより、発生するガスを除去しながら、当該チューブ内面を処理することを特徴とするフッ素樹脂チューブの連続内面処理方法が開示されている。
前記特許文献1及び特許文献2のいずれの方法によっても、フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を処理液で連続的に処理することができる。また、これらの方法によれば、処理液による処理工程の後に、連続的に洗浄工程を設けて処理液を直ちに洗浄することもでき、洗浄後にチューブを所望の長さに切断し、内面を乾燥させることにより、定着用加圧ローラの被覆材などとすることができる。
特開平4−288348号公報 特許4231117号公報
しかしながら、前述のようなフッ素樹脂製薄膜チューブは、肉厚が薄いため、フッ素樹脂製薄膜チューブを2つのピンチローラで加圧挟持し、閉塞しながらチューブを走行させると、挟持された部分によってチューブの長手方向に2つの筋状の折り目が形成される。このような折り目が形成されると、当該チューブの内面の互いに対抗する面同士が、処理液を介して密着し、チューブが扁平形状になる。扁平形状となったフッ素樹脂製薄膜チューブにおいては、処理液の表面張力によってチューブの内側が閉じた状態であるため、チューブの内側に送風することによって乾燥させることが非常に困難となる問題がある。
特に、前述のように内側が閉じた状態のチューブを所定の長さに切断してから乾燥させる場合、切断により形成された2つのチューブ端部の片方から送風して内側を乾燥させる際に、前記端部の口開きが容易でない。このように乾燥時のチューブの内面同士のブロッキングが生じると、チューブが開かなくなってしまい使用不可能なものとなる。また、フッ素樹脂製チューブの内側の乾燥が十分であったとしても、ケミカルエッチングのためチューブ内面の滑りが悪く、チューブの内側に部材を挿入する際に、部材と接触して挿入し難い問題がある。
特に、本発明者が検討したところ、肉厚が35μm以下程度と非常に薄いフッ素樹脂製薄膜チューブの内面が処理液により脱フッ素処理された場合などには、チューブの内面が特に密着しやすくなる。また、フッ素樹脂は静電気を帯びやすい。このため、フッ素樹脂製薄膜チューブは、前記処理液による処理後にチューブの内部を乾燥させることが困難であることに加え、乾燥後においても、チューブの内面同士又はチューブ内面と部材との間でタックが生じ易く、取扱いが困難になるという問題が見出された。
本発明は、これらの従来技術の欠点を解消するものである。すなわち、本発明は、フッ素樹脂製薄膜チューブの内面の乾燥が容易であり、ブロッキングやタックが生じにくいフッ素樹脂製薄膜チューブ、及び、前記フッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法を提供することを目的とする。また、前記フッ素樹脂製薄膜チューブを備えた定着用加圧ローラを提供することを目的とする。
本発明者は、前述の従来技術の課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、円筒状のフッ素樹脂製薄膜チューブの内面に無機微粒子を付着させることにより、フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を乾燥させやすくなることを見出した。また、乾燥後のフッ素樹脂製薄膜チューブの内面の滑りがよく、ブロッキングが生じにくくなることを見出した。さらに、このようなフッ素樹脂製薄膜チューブにおいては、例えば肉厚が35μm以下と極めて薄いフッ素樹脂製薄膜チューブであっても、フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を容易に乾燥させることができ、乾燥後も内面のブロッキングが生じにくく、取扱いが容易になることを見出した。
また、このようなフッ素樹脂製薄膜チューブは、無機微粒子分散液を用いて未処理のフッ素樹脂製薄膜チューブの内面を処理することで容易に製造することができることを見出した。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1.内面に無機粒子が付着した、フッ素樹脂製薄膜チューブ。
項2.前記無機微粒子の平均粒子径が6μm以下である、項1に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブ。
項3.前記無機微粒子がシリカ微粒子である、項1又は2に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブ。
項4.肉厚が35μm以下である、項1〜3のいずれか一項に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブ。
項5.未処理のフッ素樹脂製薄膜チューブの内面を無機微粒子分散液により処理する工程、及び、前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を乾燥させる工程を有する、内面に無機微粒子が付着したフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法。
項6.前記無機微粒子分散液に含まれる無機微粒子がシリカ微粒子である、項5に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法。
項7.前記無機微粒子分散液に含まれる溶剤がアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、及び、グリコールエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の溶剤である、項5又は6に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法。
項8.前記無機微粒子分散液に含まれる無機微粒子の含有量が、前記分散液中15〜45質量%である項5〜7のいずれか一項に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法。
項9.前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を無機微粒子分散液により処理する工程と前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を乾燥させる工程との間に、前記フッ素樹脂製薄膜チューブを切断して前記フッ素樹脂製薄膜チューブの長さを調整する工程を有する、項5〜8のいずれか一項に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法。
項10.ローラ部材と、前記ローラ部材の外周面を覆うフッ素樹脂製薄膜チューブとを備える定着用加圧ローラであって、前記ローラ部材は、軸芯体と、前記軸芯体の外周上に位置するゴム層とを備えており、前記ゴム層の外面と前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面とが接面しており、前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面には無機微粒子が付着している、定着用加圧ローラ。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブによれば、内側の乾燥が容易で、チューブ内面のブロッキングが生じにくく、取扱いが容易である。また、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法によれば、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブを簡便に製造することができる。
図1は、内面に無機微粒子が付着したフッ素樹脂薄膜チューブのゴム接着耐久試験の結果を示す写真である。 図2は、内面に無機微粒子が付着していないフッ素樹脂薄膜チューブのゴム接着耐久試験の結果を示す写真である。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブは、内面に無機微粒子が付着していることを特徴とする。このため、フッ素樹脂製薄膜チューブの内側の乾燥が容易であり、当該チューブの内面のブロッキングを抑制することができる。特に、樹脂製薄膜チューブを所望の長さに切断してから送風によりチューブ内側を乾燥させる場合、切断されたチューブ端部の口開きが容易となり内側の乾燥が容易となる。また、静電気によるチューブ内面の張り付きも抑制され、薄膜であっても取扱いが容易となる。
以下、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブ、及びその製造方法について詳述する。
1.フッ素樹脂製薄膜チューブ
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブは、円筒状のフッ素樹脂製薄膜チューブからなり、前記チューブの内面に無機微粒子が付着したものである。
以下に、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブについて詳述する。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブに使用可能な無機微粒子としては、例えば、シリカ、コバルトブルー、酸化銅、アルミナ等の金属酸化物の微粒子が挙げられる。なかでも、シリカ、コバルトブルー、及び、酸化銅からなる群より選択される少なくとも一種の微粒子が好ましい。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブを定着用加圧ローラの被覆材として使用する場合、前記無機微粒子としては、ローラ部材のゴム層との接着性に優れる点で、シリカ微粒子が好ましい。
前記無機微粒子の平均粒子径としては、6μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。前記無機微粒子の平均粒子径が6μm以下であると、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造における乾燥が容易になり、前記フッ素樹脂製薄膜チューブのブロッキングが生じにくくなる。フッ素樹脂製薄膜チューブが白濁するのを抑制し得る観点からは、前記無機微粒子の平均粒子径としては、30〜1300nmが好ましく、30〜800nmがより好ましく、30〜500nmが更に好ましい。
前記無機微粒子の平均粒子径は、動的光散乱(FFT−パワースペクトル)法で測定した値である。
前記無機微粒子の平均粒子径について、チューブ内面を走査型電子顕微鏡で観察した視野内(125×95μm2)の100個以上の粒子の直径の平均値として得た場合は、6μm以下が好ましく、フッ素樹脂製薄膜チューブが白濁するのを抑制し得る観点からは、15〜300nmがより好ましく、15〜30nmが更に好ましい。
前記無機微粒子の形状としては、特に限定されず、球状、板状、棒状等の公知の形状のいずれでもよい。なかでも、ブロッキングの防止により優れる点で、球状のものが好ましい。
前記無機微粒子は、表面処理が施されたもの、表面未処理のものの、いずれも使用することができるが、表面未処理のものが好ましい。
前記表面処理としては、例えば、シランカップリング剤等による表面処理が挙げられる。
本発明において使用可能な無機微粒子は、市場から容易に入手できる。具体的には、例えば、シリカ微粒子の市販品としては、NanoTek(登録商標、CIKナノテック社製)等が挙げられる。
本発明の樹脂製薄膜チューブの内面に付着する無機微粒子の付着量としては、SEM画像によるマッピング測定において質量濃度(付着率)が0.3〜36%であることが好ましく、0.3〜5.0%であることがより好ましい。前記無機微粒子の量が上述の範囲であると、ブロッキングが生じにくくなる。なお、SEM画像によるマッピング測定は、SEM画像の観察部分において、元素分析(EDX)を使用して無機微粒子に含まれる所定の元素を検出させて測定する方法である。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブを構成するフッ素樹脂としては、特に限定されないが、なかでも、耐熱性、耐薬品性、非粘着特性などに優れる点で、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、及び、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
特に、フッ素樹脂製薄膜チューブがPFAにより形成される場合、チューブ内面の張り付きの問題が顕著であった。一般に、フッ素樹脂製薄膜チューブにおいて、樹脂のフッ素含有量が多いと脱フッ素処理の際に処理が強くなり、内面張り付きが生じやすい。本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブは、脱フッ素後になりやすい内面張り付き(ブロッキング)の問題を抑制することができ、PFAにより形成される薄膜チューブであっても、内面の滑りが良好であり、乾燥時や輸送時のブロッキングを好適に抑制することができる。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブにおいて、肉厚としては特に限定されないが、例えば、35μm以下といった非常に薄い場合にも、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブは、内面に無機微粒子が付着しているため、チューブ内部の処理液による処理後、内側を乾燥させやすい。また、ブロッキングを抑制することができる。前記肉厚の具体例としては、好ましくは8〜35μm程度、より好ましくは8〜20μm程度、更に好ましくは8〜15μm程度が挙げられる。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの内径は、チューブの内側に挿入する部材の大きさ(外径)に応じて適宜設定すればよいが、好ましくはφ10〜φ80mm程度、より好ましくはφ10〜φ40mm程度である。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの内面によって形成された空間には、種々の部材を挿入することができる。本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの内側に挿入される部材の形状としては、特に制限されないが、例えば、円柱状(ロール状)が挙げられる。本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの内側に、前記チューブの内径と略同一の外径を有する円柱状の部材を挿入することにより、前記部材の表面に本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブによる被膜を形成させることができる。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの長さとしては、チューブの内側に挿入する部材の長さに応じて適宜設定すればよいが、好ましくは20〜120cm程度、より好ましくは20〜60cm程度が挙げられる。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブは、前記チューブの内面を、前記無機微粒子を含む分散液で処理することにより、内面に無機微粒子を付着させることができる。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの内面は、処理液などで処理されていてもよい。例えば、内面を洗浄処理する場合には、処理液(洗浄液)としては、水、アルコール、アセトン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。
また、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの内面は脱フッ素処理されていてもよい。フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を脱フッ素処理することにより、フッ素樹脂製薄膜チューブの内面と、前述の定着用加圧ローラなどのチューブ内部に挿入される部材との密着性を高めることが可能となる。フッ素樹脂製薄膜チューブの内面の脱フッ素処理は、公知の処理液(脱フッ素処理液)を用いて行うことができる。脱フッ素処理液としては、特に制限されず、例えば、金属ナトリウム溶液などが挙げられる。本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの内面を脱フッ素処理した後、アルコール、水などの洗浄液で洗浄処理することが好ましい。また、脱フッ素処理は、無機微粒子分散液による処理の前に行うことが好ましい。
前述の通り、本発明者が検討したところ、肉厚が35μm以下のフッ素樹脂製薄膜チューブの内面が脱フッ素処理液によって脱フッ素処理された場合などには、チューブの内面の密着性が非常に高くなっているため、処理後にチューブの内部を乾燥させることが困難であるだけでなく、乾燥後においても、内面が密着しやすいため、チューブの内側に部材を挿入することが極めて困難である。これに対して、本発明の樹脂製薄膜チューブにおいては、内面に無機微粒子が付着しているため、チューブの内面同士が密着し難い。このため、チューブの内面を処理液で処理した後においても、当該チューブの乾燥を容易に行うことができる。また、当該チューブ内面のブロッキングが生じにくいため、当該チューブ内側に部材を容易に挿入することができる。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブは、当該チューブの内側に円柱状の部材を挿入して、当該部材の被覆材として好適に使用することができる。特に、本発明の樹脂製薄膜チューブが前述のような耐熱性、耐薬品性、非粘着特性などに優れたフッ素樹脂により形成されている場合には、定着用加圧ローラの被覆材として特に好適に使用することができる。
前述したような本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブは、例えば後述する製造方法によって簡便に製造することができる。
2.フッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法は、未処理のフッ素樹脂製薄膜チューブの内面を無機微粒子分散液により処理する工程、及び、前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を乾燥させる工程を有することを特徴とする。このような製造方法により、当該チューブ内面に無機微粒子を容易に付着させることができ、その結果、当該チューブの内面同士が密着しにくくなり、乾燥工程を容易に行うことができる。また、得られたフッ素樹脂製薄膜チューブは、内面のブロッキングが生じにくい。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法においては、未処理のフッ素樹脂製薄膜チューブの内面を無機微粒子分散液により処理する工程を行う。
このような処理工程により、フッ素樹脂製薄膜チューブの内面に無機微粒子を付着させることができる。前記無機微粒子分散液による処理は、フッ素樹脂製薄膜チューブの内側に無機微粒子分散液を通液させることにより行うことができる。
前記処理工程で使用する無機微粒子分散液としては、無機微粒子及び溶剤を含む分散液が挙げられる。前記無機微粒子としては、前述した無機微粒子が挙げられ、なかでも、シリカ微粒子が好ましい。
前記溶剤としては、例えば、ケトン系、グリコールエーテル系、フッ素系、アルコール系等の溶剤が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
フッ素系溶剤としては、例えば、ソルブ55(登録商標、ソルベックス社製)、エルノバ(登録商標、旭化成ケミカルズ社製)、アサクリン(登録商標、旭化成ケミカルズ社製)、eクリーン(登録商標、カネコ化学社製)が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
なかでも、溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、及び、グリコールエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の溶剤が好ましい。また、無機微粒子がシリカ微粒子である場合、シリカ微粒子を良好に分散できる点で、メチルエチルケトン、及び、イソプロプルアルコールからなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
前記無機微粒子分散液に含まれる無機微粒子の含有量としては、前記分散液中15〜45質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。前記無機微粒子の含有量が前述の範囲であると、前記無機微粒子分散液によりフッ素樹脂製薄膜チューブの内面を処理した際に、前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面に無機微粒子を十分に付着させることができる。
フッ素樹脂製薄膜チューブの内側に前記無機微粒子分散液を通液させる方法としては、特に限定されず、公知の方法で行うとよい。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法においては、前述の無機微粒子分散液による処理工程を行った後、フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を乾燥させる乾燥工程を行う。乾燥工程においては、フッ素樹脂製薄膜チューブの内側に対して空気を送風し、処理液を蒸発させてフッ素樹脂製薄膜チューブの内側を乾燥させる。送風する空気の温度としては、特に制限されないが、例えば20〜60℃程度が挙げられる。乾燥時間としては、特に制限されないが、例えば20〜60秒間程度が挙げられる。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法においては、更に液体処理工程を行ってもよい。液体処理工程は、前述の脱フッ素処理又は洗浄処理などの処理液によりフッ素樹脂製薄膜チューブの内面を処理する工程である。この液体処理工程は、フッ素樹脂製薄膜チューブの内側に前記処理液を通液させることにより行うことができる。なお、液体処理工程を行う場合には、無機微粒子をフッ素樹脂製薄膜チューブの内面に十分に付着させることができる点で、液体処理工程を先に行い、その後に、前述の無機微粒子分散液による処理工程を行い、次いで、前述の乾燥工程を行うことが好ましい。
なお、本明細書において、「前記未処理のフッ素樹脂製薄膜チューブ」とは、フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を無機微粒子分散液により処理する工程を未だ行っていないフッ素樹脂製薄膜チューブをいい、前記脱フッ素処理又は洗浄処理を行ったが前記無機微粒子分散液による処理工程を行っていないものを含む。
本発明の製造方法によって得られるフッ素樹脂製薄膜チューブは、所望の長さに切断して用いることができる。前述の乾燥工程をより簡便に行う観点からは、フッ素樹脂製薄膜チューブを所望の長さに切断してから乾燥工程を行うことが好ましい。すなわち、本発明の製造方法は、前記未処理の樹脂製薄膜チューブの内面を無機微粒子分散液により処理する工程と、前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を乾燥させる工程との間に、前記フッ素樹脂製薄膜チューブを切断して当該フッ素樹脂製薄膜チューブの長さを調整する工程を有することが好ましい。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブにおいては、内面に無機微粒子が付着しているので、乾燥前の液体を介した内面同士の密着が抑制される。このため、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブを切断してから乾燥させた場合、切断された前記チューブの端部から空気を送風して内面を乾燥させる際、前記端部の口開きが容易で、チューブ内に空気が送風されやすく、チューブ内側の乾燥を容易に行うことができる。
前記フッ素樹脂製薄膜チューブの切断は、特に限定されず、カッター等を用いた公知の方法により行うことができる。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法によれば、フッ素樹脂製薄膜チューブの内面の乾燥が容易であり、チューブ内面でのブロッキングが生じにくいフッ素樹脂製薄膜チューブを容易に製造することができる。
3.用途
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブは、例えば、印刷機や圧延機、乾燥機などの各種ローラ、電子写真式の複写機やプリンターなどに用いられる定着用加熱ローラ、定着用加圧ローラ、帯電ローラ、クリーニングローラ、現像ローラ、転写ローラなどに適用することができる。
具体的には、円筒状の、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの内側にこれらのローラ部材を挿入することにより、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブはローラの外周面を被覆するカバーとして使用される。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブは、定着用加圧ロールに適用することが好ましい。本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブは、無機微粒子がチューブ表面にはなく、内面にしか存在しないため、トナーに対する離形性が低下するといった問題は生じない。
本発明はまた、ローラ部材と、前記ローラ部材の外周面を覆うフッ素樹脂製薄膜チューブとを備える定着用加圧ローラであって、前記ローラ部材は、軸芯体と、前記軸芯体の外周上に位置するゴム層とを備えており、前記ゴム層の外面と前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面とが接面しており、前記樹脂製薄膜チューブの内面には無機微粒子が付着した、定着用加圧ローラである。本発明の定着用加圧ローラは、前記フッ素樹脂製薄膜チューブと前記ローラ部材のゴム層との接着性に優れる。
フッ素樹脂製薄膜チューブとローラ部材のゴム層との接着性に優れる点で、無機微粒子はシリカ微粒子であることが好ましい。
前記ローラ部材の軸芯体の材料としては、例えば、SUS(ステンレス鋼)、アルミニウム合金等が挙げられる。
前記ローラ部材のゴム層を形成する材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したもの)を挙げることができる。なかでも、シリコーンゴムを主成分とするものが好ましい。
前記ゴム層の厚みは、特に限定されないが、定着ロールや定着ベルトの場合、定着ロールは3000〜6000μmが好ましく、定着ベルトでは100〜400μmが好ましい。
本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブを備えた定着用加圧ローラにおいて、特に、無機微粒子がシリカ微粒子である場合、前記フッ素樹脂製薄膜チューブと前記ゴム層との接着性が極めて高くなる。一般に、前記フッ素樹脂製膜厚チューブの内面に無機微粒子が存在すると、当該チューブと前記ゴム層との接着性は低下すると予想される。しかしながら、内面にシリカ微粒子が付着したフッ素樹脂製膜厚チューブでは、前記ゴム層との接着性が低下しないという予想外の効果が奏される。また、ゴム層として、特にシリコーンゴムを用いた場合、前記接着性は更に向上する。このように、内面にシリカ微粒子が付着したフッ素樹脂製薄膜チューブとローラ部材のゴム層との接着性が高くなることは、本発明者らが新たに見出した知見である。
以上のとおり、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブは、チューブ内側の乾燥が容易である。また、チューブ内面のブロッキングが生じにくいため、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブはローラ部材等に被せ易く、取扱いが容易である。更に、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法によれば、本発明のフッ素樹脂製薄膜チューブを容易に製造することができる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
(実施例1)
<無機微粒子分散液の調製>
無機微粒子としてシリカ微粒子(平均粒子径30nm、CIKナノテック社製)を、メチルイソブチルケトン(MIBK)に添加して、スターラーで5分程度撹拌し、無機微粒子濃度が30質量%の無機微粒子分散液を調製した。
<フッ素樹脂製薄膜チューブの製造>
チューブ状に製膜した未処理フッ素樹脂製薄膜チューブ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、膜厚10μm)を用意し、このチューブの内側に、脱フッ素処理剤(金属ナトリウム溶液)を流通し、チューブ内面の脱フッ素処理を行った。次に、脱フッ素処理したチューブの内面を、水、アルコール系溶剤(メタノール/イソプロパノール(IPA))、ケトン系溶剤(アセトン)で順次洗浄し、最後に乾燥溶剤として、上記で調製した無機微粒子分散液を流通させた。
その後、チューブを長さ45cmに切断し、切断面からチューブ内側に温度40℃で15秒間送風し、チューブの内側を乾燥させ、内側に無機微粒子が付着した、フッ素樹脂薄膜チューブを得た。
(実施例2)
ナノシリカ分散液(CIKナノテック社製、平均粒子径100nm、分散媒メチルエチルケトン(MEK))を、乾燥溶剤(アセトン)と、(ナノシリカ分散液:乾燥溶剤)=(1:9)の質量割合で混合して、無機微粒子の濃度が30質量%の無機微粒子分散液を調製した。
次いで、実施例1の無機微粒子分散液の代わりに上記で調製した無機微粒子分散剤を用いた以外は実施例1と同様にしてフッ素樹脂製薄膜チューブを得た。
(実施例3)
実施例2の無機微粒子分散液において、分散媒溶剤として、MEKの代わりに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)を用いたこと以外は、実施例2と同様に無機微粒子分散液を調製した。次いで、実施例1の無機微粒子分散液の代わりに、この調製した無機微粒子分散剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフッ素樹脂製膜チューブを得た。
(実施例4)
実施例3において、無機微粒子の濃度が15質量%の無機微粒子分散液を調製した。次いで、実施例3の無機微粒子分散液の代わりに、この無機微粒子分散液を用いた以外は、実施例3と同様にして、フッ素樹脂製膜チューブを製造した。
(実施例5)
無機微粒子としてシリカ微粒子(平均粒子径300nm、CIKナノテック社製)を、PGMに添加して、スターラーで5分程度撹拌し、無機微粒子濃度が15質量%の無機微粒子分散液を調製した。次いで、実施例1の無機微粒子分散液の代わりに、この無機微粒子分散液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてフッ素樹脂製膜チューブを得た。
(実施例6)
無機微粒子として表面処理がされたシリカ微粒子(平均粒子径80nm、CIKナノテック社製)を、MIBKに添加して、スターラーで5分程度撹拌し、無機微粒子濃度が15質量%の無機微粒子分散液を調製した。次いで、実施例1の無機微粒子分散液の代わりに、この無機微粒子分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、フッ素樹脂製膜チューブを得た。
(実施例7)
実施例1において、無機微粒子濃度が15質量%の無機微粒子分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、処理したフッ素樹脂製薄膜チューブを得た。
(実施例8)
膜厚が20μmのチューブを用いたこと以外は、実施例7と同様にして、処理したフッ素樹脂製薄膜チューブを得た。
(実施例9)
膜厚が30μmのチューブを用いたこと以外は、実施例7と同様にして、処理したフッ素樹脂製薄膜チューブを得た。
(実施例10)
無機微粒子としてシリカ微粒子(平均粒子径3000nm、CIKナノテック社製)を、フッ素系溶剤(商品名、eクリーン、カネコ化学社製)に添加して、スターラーで5分程度撹拌し、無機微粒子濃度が20質量%の無機微粒子分散液を調製した。実施例1の無機微粒子分散液の代わりにこの調製した無機微粒子分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、処理したフッ素樹脂製薄膜チューブを得た。
(実施例11)
酸化銅(平均粒子径48nm、CIKナノテック社製)をエタノールに混合して、スターラーで5分程度撹拌し、濃度15質量%の無機微粒子分散液を調製した。実施例1の無機微粒子分散液の代わりに、この無機微粒子分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、フッ素樹脂製薄膜チューブを得た。
(実施例12)
コバルトブルー(平均粒子径40nm、CIKナノテック社製)をブタノールに混合して、スターラーで5分程度撹拌し、濃度が30質量%の無機微粒子分散液を調製した。実施例1の無機微粒子分散液の代わりに、この無機微粒子分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、フッ素樹脂製薄膜チューブを得た。
(比較例1)
無機微粒子分散液による処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、フッ素樹脂製薄膜チューブを得た。
(比較例2)
無機微粒子分散液による処理を行わなかったこと以外は、実施例9と同様にして、フッ素樹脂製薄膜チューブを得た。
(比較例3)
無機微粒子濃度が15質量%の無機微粒子分散液を調製し、無機微粒子が表面処理されていること以外は、実施例1と同様にして、フッ素樹脂薄膜チューブを得た。
実施例及び比較例で得られたフッ素樹脂製薄膜チューブについて、下記の方法で、水との接触角、無機微粒子付着量、口開き、乾燥、白い跡、ブロッキング、接着性について、評価した。結果を表1に示す。なお、無機微粒子の平均粒子径は、動的光散乱法(FFT−パワースペクトル)により測定された値である。
(水との接触角)
得られたフッ素樹脂薄膜チューブの内面の、水との接触角を協和界面化学社製装置:自動接触角計DM501の液滴法の方法により測定した。
(無機微粒子付着量)
得られたフッ素樹脂薄膜チューブの内側面について、SEM画像からの元素分析(EDX)を行って、マッピング測定を行い、無機微粒子の付着量を算出した。具体的には、日立製作所製 電界放出形走査電子顕微鏡(FM−SEM)にてチューブ内面を1000倍に拡大し観察した。観察した部分において、元素分析(EDX)を使用し、無機微粒子(Si)を検出させ、観察画面上に表されるSiの分布から付着量を算出した。
(口開き)
前述のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造において、無機微粒子分散液の通液後に、フッ素樹脂薄膜チューブ内側を、温度20℃、風量18m/sで2秒間送風した際に、チューブの切断口がどの程度開くかを目視観察し、下記基準にて評価した。
評価基準
5:90%以上口開きした。
4:70%以上90%未満口開きした。
3:30%以上70%未満口開きした。
2:30%未満口開きした。
1:口開きしなかった。
(乾燥)
前述のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造において、無機微粒子分散液の通液後に、フッ素樹脂薄膜チューブ内側を、温度45℃、風量6m/sで20秒間送風した際に、チューブ内側がどの程度乾燥したかを目視観察し、下記基準にて評価した。
評価基準
5:90%以上乾燥した。
4:70%以上90%未満乾燥した。
3:30%以上70%未満乾燥した。
2:30%未満乾燥した。
1:乾燥しなかった。
(白い跡)
得られたフッ素樹脂薄膜チューブに、白い跡(白濁)が見られないかを目視観察し、下記の基準にて評価した。
評価基準
5:白い跡がない。
4:面積30%未満の白い跡が見られた。
3:面積30%以上70%未満の白い跡が見られた。
2:面積70%以上の白い跡が見られた。
1:白い跡が全面に見られた。
(ブロッキング)
得られたフッ素樹脂薄膜チューブについて、チューブ内面同士のブロッキング発生率を製品検査結果のブロッキング発生数と検査総枚数から発生率を算出して、下記の基準にて評価した。
評価基準
5:10%以下
4:10%以上30%未満
3:30%以上70%未満
2:70%以上100%未満
1:100%
(ローラ部材のゴム層との接着性)
実施例9及び比較例2のフッ素樹脂薄膜チューブの内面にプライマー(信越化学工業社製シリコンゴム用プライマーXシリーズ、信越プライマー社製)を塗布し、ゴム製(シリコーンゴム、信越ゴム社製)の円筒状の基材を挿入して、前記基材の表面に前記チューブの内面を接触させた。そして、250℃で最大338時間放置した。300時間放置後、チューブをゴム基材から手で剥がした際、ゴムがチューブ側に5%以上付着している場合を「○」とし、5%未満しか付着していない場合を「×」と評価した(表1)。
また、各経過時間において、チューブをゴム基材から手で剥がした際の、チューブ内側のゴムの付着残留量を表2に示す。ゴム残留量は、目視により評価した。また、チューブの、ゴムの付着残留の様子を図1及び図2に示す。
表1によれば、無機微粒子が内面に付着したフッ素樹脂薄膜チューブは、無機微粒子が付着しないチューブと比較して、口開き、乾燥、及び、ブロッキングに優れることがわかった。
表2によれば、無機微粒子(シリカ微粒子)が内面に付着したフッ素樹脂薄膜チューブは、無機微粒子が付着しないものと比較して、前記チューブの内面とゴムとの接着性に優れることから、ローラ部材との耐久接着性に優れることがわかった。

Claims (10)

  1. 内面に無機微粒子が付着した、フッ素樹脂製薄膜チューブ。
  2. 前記無機微粒子の平均粒子径が6μm以下である、請求項1に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブ。
  3. 前記無機微粒子がシリカ微粒子である、請求項1又は2に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブ。
  4. 肉厚が35μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブ。
  5. 未処理のフッ素樹脂製薄膜チューブの内面を無機微粒子分散液により処理する工程、及び、
    前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を乾燥させる工程
    を有する、内面に無機微粒子が付着したフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法。
  6. 前記無機微粒子分散液に含まれる無機微粒子がシリカ微粒子である、請求項5に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法。
  7. 前記無機微粒子分散液に含まれる溶剤がアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、及び、グリコールエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも一種の溶剤である、請求項5又は6に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法。
  8. 前記無機微粒子分散液に含まれる無機微粒子の含有量が、前記分散液中15〜45質量%である請求項5〜7のいずれか一項に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法。
  9. 前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を無機微粒子分散液により処理する工程と前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面を乾燥させる工程との間に、前記フッ素樹脂製薄膜チューブを切断して前記フッ素樹脂製薄膜チューブの長さを調整する工程を有する、請求項5〜8のいずれか一項に記載のフッ素樹脂製薄膜チューブの製造方法。
  10. ローラ部材と、前記ローラ部材の外周面を覆うフッ素樹脂製薄膜チューブとを備える定着用加圧ローラであって、
    前記ローラ部材は、軸芯体と、前記軸芯体の外周上に位置するゴム層とを備えており、
    前記ゴム層の外面と前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面とが接面しており、
    前記フッ素樹脂製薄膜チューブの内面には無機微粒子が付着している、定着用加圧ローラ。
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