JP2017160305A - セルロースナノファイバー分散液の評価方法およびセルロースナノファイバー分散液 - Google Patents

セルロースナノファイバー分散液の評価方法およびセルロースナノファイバー分散液 Download PDF

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【課題】目視では判断できないセルロースナノファイバー分散液中の異物の有無を容易に判断できる評価方法を提供する。【解決手段】セルロースナノファイバー分散液の評価方法であって、表面張力調整剤を添加したセルロースナノファイバーの分散液を準備する工程、セルロースナノファイバー分散液を薄膜化する工程、セルロースナノファイバー分散液の薄膜(検体1)の両面側に、それぞれ偏光板2,3をそれらの偏光軸方向が互いに直交するような状態に配置し、一方の偏光板3側から光源20の光を照射し、他方の偏光板2側から撮影装置10で透過画像を撮影する工程、得られた画像をもとにセルロースナノファイバー分散液中の異物の有無を判別する工程を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、セルロースナノファイバー分散液の評価方法およびセルロースナノファイバー分散液に関する。
セルロースナノファイバー(以下、「CNF」と略称することがある。)は、水系分散性に優れている約4〜数百nm程度の繊維径を有する微細繊維であり、樹脂補強材料、食品、化粧品、医療品又は塗料等の粘度の保持、食品原料生地の強化、水分の保持、食品安定性向上、低カロリー添加物又は乳化安定化助剤としての利用が期待されている(下記特許文献1などを参照)。なお、CNFを各種添加剤とする際は、通常水に分散している状態(湿潤状態)のCNF分散液で使用される。
特開2008−1728号号公報 特開2013−186034号公報
各種用途に展開が期待されているCNFであるが、一部の変性パルプの解繊が不充分なことにより残存する未解繊繊維や、製造工程で混入するサビ粒子等の異物があると、様々な問題が発生する可能性がある。このため、CNF分散液中の異物の有無を事前に確認するとともに、必要に応じてCNF分散液中の異物を除去すること等が必要となる。しかしながら、解繊工程を経たこれら異物は微細化されており、また異物のうち多数を占める繊維状異物は半透明であることから、目視では容易に確認できないという問題がある。また、特に高透明なCNFの場合、従来のような吸光度による測定では、測定可能なCNFサンプルのボリュームが限られており、低頻度の粗大な繊維の量を定量化するには不向きである。
なお、上記特許文献2には、未解繊セルロース繊維量を偏光顕微鏡で測定する方法が開示されている。しかし、特許文献2に開示された方法では、セルロース繊維を含む試料を偏光顕微鏡で観察するため、1回の観察で極めて微小な範囲しか測定することができない。そのため、測定値の信頼性を高めるためには、非常に多くの箇所を測定する必要があり、測定に時間と労力を要し、実際の測定は容易ではない。
そこで、本発明の目的は、第1に、目視では判断できないCNF分散液中の異物の有無を容易に判断でき、かつ信頼性の高い評価方法を提供することである。また、第2に、CNF分散液中の異物の比率を数値化して評価できる評価方法を提供することである。さらに、第3には、本発明の評価方法を適用したCNF分散液を提供することである。
本発明者は、鋭意検討した結果、以下の構成を有する発明によって上記課題が解決できることを見出した。
第1の発明は、下記(1)〜(4)の工程を有することを特徴とするセルロースナノファイバー分散液の評価方法である。
(1)表面張力調整剤を添加したセルロースナノファイバーの分散液を準備する工程。
(2)上記セルロースナノファイバー分散液を薄膜化する工程。
(3)上記セルロースナノファイバー分散液の薄膜の両面側に、それぞれ偏光板をそれらの偏光軸方向が互いに直交するような状態に配置し、一方の偏光板側から光を照射し、他方の偏光板側から透過画像を撮影する工程。
(4)得られた画像をもとに、上記セルロースナノファイバー分散液中の異物の有無を判別する工程。
第2の発明は、上記第1の発明において、前記異物の有無を判別する工程では、さらに、得られた画像の画像解析により、異物の面積比率を算出することを特徴とするセルロースナノファイバー分散液の評価方法である。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、前記表面張力調整剤は、ポリエチレングリコールであることを特徴とするセルロースナノファイバー分散液の評価方法である。
第4の発明は、上記第1乃至第3のいずれかの発明において、前記表面張力調整剤の添加量は、前記セルロースナノファイバー分散液に含有するセルロースナノファイバーの絶乾重量を100重量部としたとき、25〜1500重量部の範囲であることを特徴とするセルロースナノファイバー分散液の評価方法である。
第5の発明は、光学フィルム等に用いるセルロースナノファイバー分散液であって、セルロースナノファイバーの分散液に表面張力調整剤を添加してから薄膜化し、該セルロースナノファイバー分散液の薄膜の両面側に、それぞれ偏光板をそれらの偏光軸方向が互いに直交するような状態に配置し、一方の偏光板側から光を照射し、他方の偏光板側から透過画像を撮影し、得られた画像の画像解析により算出された前記セルロースナノファイバー分散液中の異物の面積比率が、前記セルロースナノファイバーの絶乾重量1gあたり25%以下であることを特徴とするセルロースナノファイバー分散液である。
本発明によれば、目視では判断できないCNF分散液中の異物の有無を容易に判断でき、かつ信頼性の高い評価方法を提供することができる。
また、本発明によれば、CNF分散液中の異物の比率を数値化して評価できる評価方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、本発明の評価方法を適用し、異物の少ないことを保証できるCNF分散液を提供することができる。
本発明に係るセルロースナノファイバー分散液の評価方法を説明するための模式図である。 本発明における撮影画像例である。 比較例の方法における撮影画像例である。
以下、本発明を実施するための形態について詳述する。
本発明のCNF分散液の評価方法は、(1)表面張力調整剤を添加したCNF分散液を準備する工程(以下、「CNF分散液の準備工程」と呼ぶ。)、(2)上記CNF分散液を薄膜化する工程(以下、「CNF分散液の薄膜化工程」と呼ぶ。)、(3)上記CNF分散液の薄膜の両面側に、それぞれ偏光板をそれらの偏光軸方向が互いに直交するような状態に配置し、一方の偏光板側から光を照射し、他方の偏光板側から透過画像を撮影する工程(以下、「画像撮影工程」と呼ぶ。)、(4)得られた画像をもとに、上記CNF分散液中の異物の有無を判別する工程(以下、「異物の判別工程」と呼ぶ。)、を有することを特徴としている。
かかる本発明によれば、目視では判断できないCNF分散液中の異物の有無を容易に判断でき、かつ信頼性の高い評価を行うことができる。
なお、本発明において、異物とは、解繊処理時に発生する解繊が不十分な未解繊繊維物、CNFの製造時に混入する配管内のサビ粒子などを意味するものとする。前述したように、CNFは非常に細い繊維であり、解繊が不十分な未解繊繊維物が存在していても、このような未解繊繊維物内部には分散液の溶媒が充填されており、可視光域での透明性が非常に高く、分散液中に含まれていても目視では判別がつかない。
以下、本発明のCNF分散液の評価方法における各工程について説明する。
(1)CNF分散液の準備工程
CNF分散液は以下のようにして準備する。
(セルロースナノファイバー)
本発明において、セルロースナノファイバー(CNF)は、繊維径が4〜500nm程度、アスペクト比(アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径)が100以上の微細繊維であり、化学変性処理(カチオン化、アニオン化:カルボキシル化(酸化)、カルボキシメチル化等、エステル化等、機能性官能基導入)したセルロースを解繊することによって得ることができる。
(セルロース原料)
化学変性セルロースを製造するためのセルロース原料としては、例えば、植物性材料(例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)サーモメカニカルパルプ(TMP)、再生パルプ、古紙等)、動物性材料(例えばホヤ類)、藻類、微生物(例えば酢酸菌(アセトバクター))、微生物産生物等を起源とするものを挙げることができ、それらのいずれも使用できる。好ましくは植物又は微生物由来のセルロース繊維であり、より好ましくは植物由来のセルロース繊維である。
(カルボキシメチル化)
本発明において、化学変性セルロースとして、カルボキシメチル化したセルロースを用いる場合、カルボキシメチル化したセルロースは、上記のセルロース原料を公知の方法でカルボキシメチル化することにより得てもよいし、市販品を用いてもよい。いずれの場合も、セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル基置換度が0.01〜0.50となるものが好ましい。そのようなカルボキシメチル化したセルロースを製造する方法の一例として次のような方法を挙げることができる。
セルロースを発底原料にし、溶媒として3〜20質量倍の水及び/又は低級アルコール、具体的には水、メタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等の単独、又は2種以上の混合媒体を使用する。なお、低級アルコールを混合する場合の低級アルコールの混合割合は、60〜95質量%である。マーセル化剤としては、発底原料の無水グルコース残基当たり0.5〜20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用する。発底原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0〜70℃、好ましくは10〜60℃、かつ反応時間15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間、マーセル化処理を行う。その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05〜10.0倍モル添加し、反応温度30〜90℃、好ましくは40〜80℃、かつ反応時間30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間、エーテル化反応を行う。
(カルボキシル化)
本発明において、化学変性セルロースとしてカルボキシル化(酸化)したセルロースを用いる場合、カルボキシル化セルロース(以下、酸化セルロースとも呼ぶ。)は、上記のセルロース原料を公知の方法でカルボキシル化(酸化)することにより得ることができる。特に限定されるものではないが、カルボキシル化の際には、アニオン変性CNFの絶乾質量に対して、カルボキシル基の量が0.6〜2.0mmol/gとなるように調整することが好ましく、1.0mmol/g〜2.0mmol/gになるように調整することがさらに好ましい。
カルボキシル化(酸化)方法の一例として、セルロース原料を、N−オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物若しくはこれらの混合物からなる群から選択される化合物との存在下で酸化剤を用いて水中で酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、セルロース表面のグルコピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、表面にアルデヒド基と、カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート基(−COO−)とを有するセルロース繊維を得ることができる。反応時のセルロースの濃度は特に限定されないが、5質量%以下が好ましい。
N−オキシル化合物とは、ニトロキシラジカルを発生しうる化合物をいう。N−オキシル化合物としては、目的の酸化反応を促進する化合物であれば、いずれの化合物も使用できる。例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシラジカル(TEMPO)及びその誘導体(例えば4−ヒドロキシTEMPO)が挙げられる。
N−オキシル化合物の使用量は、原料となるセルロースを酸化できる触媒量であればよく、特に制限されない。例えば、絶乾1gのセルロースに対して、0.01〜10mmolが好ましく、0.01〜1mmolがより好ましく、0.05〜0.5mmolがさらに好ましい。また、反応系に対し0.1〜4mmol/L程度がよい。
臭化物とは臭素を含む化合物であり、その例には、水中で解離してイオン化可能な臭化アルカリ金属が含まれる。また、ヨウ化物とはヨウ素を含む化合物であり、その例には、ヨウ化アルカリ金属が含まれる。臭化物またはヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。臭化物およびヨウ化物の合計量は、例えば、絶乾1gのセルロースに対して、0.1〜100mmolが好ましく、0.1〜10mmolがより好ましく、0.5〜5mmolがさらに好ましい。
酸化剤としては、公知のものを使用でき、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物などを使用できる。中でも、安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムは好ましい。酸化剤の適切な使用量は、例えば、絶乾1gのセルロースに対して、0.5〜500mmolが好ましく、0.5〜50mmolがより好ましく、1〜25mmolがさらに好ましく、3〜10mmolが最も好ましい。また、例えば、N−オキシル化合物1molに対して1〜40molが好ましい。
セルロースの酸化工程は、比較的温和な条件であっても反応を効率よく進行させられる。よって、反応温度は4〜40℃が好ましく、また15〜30℃程度の室温であってもよい。反応の進行に伴ってセルロース中にカルボキシル基が生成するため、反応液のpHの低下が認められる。酸化反応を効率よく進行させるためには、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液を添加して、反応液のpHを8〜12、好ましくは10〜11程度に維持することが好ましい。反応媒体は、取扱い性の容易さや、副反応が生じにくいこと等から、水が好ましい。
酸化反応における反応時間は、酸化の進行の程度に従って適宜設定することができ、通常は0.5〜6時間、例えば、0.5〜4時間程度である。
また、酸化反応は、2段階に分けて実施してもよい。例えば、1段目の反応終了後に濾別して得られた酸化セルロースを、再度、同一または異なる反応条件で酸化させることにより、1段目の反応で副生する食塩による反応阻害を受けることなく、効率よく酸化させることができる。
カルボキシル化(酸化)方法の別の例として、オゾンを含む気体とセルロース原料とを接触させることにより酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、グルコピラノース環の少なくとも2位及び6位の水酸基が酸化されると共に、セルロース鎖の分解が起こる。オゾンを含む気体中のオゾン濃度は、50〜250g/m3であることが好ましく、50〜220g/m3であることがより好ましい。セルロース原料に対するオゾン添加量は、セルロース原料の固形分を100質量部とした際に、0.1〜30質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。オゾン処理温度は、0〜50℃であることが好ましく、20〜50℃であることがより好ましい。オゾン処理時間は、特に限定されないが、1〜360分程度であり、30〜360分程度が好ましい。オゾン処理の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度に酸化及び分解されることを防ぐことができ、酸化セルロースの収率が良好となる。
オゾン処理を施した後に、酸化剤を用いて、追酸化処理を行ってもよい。追酸化処理に用いる酸化剤は、特に限定されないが、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム等の塩素系化合物や、酸素、過酸化水素、過硫酸、過酢酸などが挙げられる。例えば、これらの酸化剤を水またはアルコール等の極性有機溶媒中に溶解して酸化剤溶液を作成し、溶液中にセルロース原料を浸漬させることにより追酸化処理を行うことができる。
酸化セルロースのカルボキシル基の量は、上記した酸化剤の添加量、反応時間等の反応条件をコントロールすることで調整することができる。
(カチオン化)
本発明において、化学変性セルロースとして、カチオン化(カチオン変性)したセルロースを用いる場合、上記のセルロース原料に、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムハイドライト又はそのハロヒドリン型などのカチオン化剤と触媒である水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を水及び/又は炭素数1〜4のアルコールの存在下で反応させることによって、カチオン変性されたセルロースを得ることができる。なお、この方法において、得られるカチオン変性されたセルロースのグルコース単位当たりのカチオン置換度は、反応させるカチオン化剤の添加量、水及び/又は炭素数1〜4のアルコールの組成比率をコントロールすることによって、調整することができる。
カチオン変性されたセルロースのグルコース単位当たりのカチオン置換度は0.02〜0.50であることが好ましい。セルロースにカチオン置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、カチオン置換基を導入したセルロースは容易にナノ解繊することができる。なお、グルコース単位当たりのカチオン置換度が0.02より小さいと、十分にナノ解繊することができない。一方、グルコース単位当たりのカチオン置換度が0.50より大きいと、膨潤あるいは溶解するため、ナノファイバーとして得られなくなる場合がある。解繊を効率よく行なうために、上記で得た酸化されたセルロース系原料は洗浄されることが好ましい。
(エステル化)
本発明において、化学変性セルロースとして、エステル化したセルロースを使用できる。当該セルロースは、前述のセルロース原料にリン酸系化合物Aの粉末や水溶液を混合する方法、セルロース系原料のスラリーにリン酸系化合物Aの水溶液を添加する方法により得られる。
リン酸系化合物Aとしては、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ポリホスホン酸あるいはこれらのエステルが挙げられる。これらは塩の形態であってもよい。これらの中でも、低コストであり、扱いやすく、またパルプ繊維のセルロースにリン酸基を導入して、解繊効率の向上が図れるなどの理由からリン酸基を有する化合物が好ましい。リン酸基を有する化合物としては、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウム等が挙げられる。これらは1種、あるいは2種以上を併用できる。これらのうち、リン酸基導入の効率が高く、下記解繊工程で解繊しやすく、かつ工業的に適用しやすい観点から、リン酸、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩がより好ましい。特にリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムが好ましい。また、反応の均一性が高まり、かつリン酸基導入の効率が高くなることから前記リン酸系化合物Aは水溶液として用いることが好ましい。リン酸系化合物Aの水溶液のpHは、リン酸基導入の効率が高くなることから7以下であることが好ましいが、パルプ繊維の加水分解を抑える観点からpH3〜7が好ましい。
リン酸エステル化セルロースの製造方法の一例として以下の方法を挙げることができる。
固形分濃度0.1〜10重量%のセルロース系原料の分散液に、リン酸系化合物Aを撹拌しながら添加してセルロースにリン酸基を導入する。セルロース系原料を100重量部とした際に、リン酸系化合物Aの添加量はリン元素量として、0.2〜500重量部であることが好ましく、1〜400重量部であることがより好ましい。リン酸系化合物Aの割合が前記下限値以上であれば、微細繊維状セルロースの収率をより向上させることができる。しかし、前記上限値を超えると収率向上の効果は頭打ちとなるのでコスト面から好ましくない。
この際、セルロース原料、リン酸系化合物の他に、これ以外の化合物Bの粉末や水溶液を混合してもよい。化合物Bは特に限定されないが、塩基性を示す窒素含有化合物が好ましい。ここでの「塩基性」は、フェノールフタレイン指示薬の存在下で水溶液が桃〜赤色を呈すること、または水溶液のpHが7より大きいことと定義される。本発明で用いる塩基性を示す窒素含有化合物は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、アミノ基を有する化合物が好ましい。例えば、尿素、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられるが、特に限定されない。この中でも低コストで扱いやすい尿素が好ましい。化合物Bの添加量はセルロース原料の固形分100重量部に対して、2〜1000重量部が好ましく、100〜700重量部がより好ましい。反応温度は0〜95℃が好ましく、30〜90℃がより好ましい。反応時間は特に限定されないが、1〜600分程度であり、30〜480分がより好ましい。エステル化反応の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度にエステル化されて溶解しやすくなることを防ぐことができ、リン酸エステル化セルロースの収率が良好となる。得られたリン酸エステル化セルロース懸濁液を脱水した後、セルロースの加水分解を抑える観点から、100〜170℃で加熱処理することが好ましい。さらに、加熱処理の際に水が含まれている間は130℃以下、好ましくは110℃以下で加熱し、水を除いた後、100〜170℃で加熱処理することが好ましい。
リン酸エステル化されたセルロースのグルコース単位当たりのリン酸基置換度は0.001〜0.40であることが好ましい。セルロースにリン酸基置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、リン酸基を導入したセルロースは容易にナノ解繊することができる。なお、グルコース単位当たりのリン酸基置換度が0.001より小さいと、十分にナノ解繊することができない。一方、グルコース単位当たりのリン酸基置換度が0.40より大きいと、膨潤あるいは溶解するため、ナノファイバーとして得られなくなる場合がある。解繊を効率よく行なうために、上記で得たリン酸エステル化されたセルロース系原料は煮沸した後、冷水で洗浄することで洗浄されることが好ましい。
(解繊)
以上の化学変性セルロースを解繊する際に用いる装置は特に限定されないが、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などの装置を用いることができる。解繊の際には変性セルロースの水分散体に強力なせん断力を印加することが好ましい。特に、効率よく解繊するには、前記水分散体に50MPa以上の圧力を印加し、かつ強力なせん断力を印加できる湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。上記圧力は、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは140MPa以上である。また、高圧ホモジナイザーでの解繊及び分散処理に先立って、必要に応じて、高速せん断ミキサーなどの公知の混合、攪拌、乳化、分散装置を用いて、前記水分散体に予備処理を施してもよい。
本発明においては、以上のように化学変性セルロースを解繊することによって得られたCNFの分散液に表面張力調整剤を添加剤として添加することが重要である。CNF分散液に表面張力調整剤を添加剤として添加することにより、CNF分散液中のCNFが偏りなく均一に分散されるので、CNF分散液中に未解繊繊維物などの異物が存在する場合、後述の撮影画像にてこの異物を明確に判別することができる。微細なCNFは偏光板を通った光を阻害しないため、直交した2枚の偏光板を通して検出されないのに対し、未解繊繊維物などの異物は乱反射を起こすため、直交した2枚の偏光板を通して特異的に検出される。
他方、CNF分散液に表面張力調整剤を添加しない場合、分散液中でCNFが偏って分散され、場合によってはゲル状のフロックを形成することがあり、このような状態で偏光板を通った撮影画像は全体がぼやけてしまい、異物が存在していても明確に判別することができない。
本発明において、上記表面張力調整剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、脂肪酸ナトリウム、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルモノグリセリルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等を用いることができる。表面張力調整剤にはアニオン性、カチオン性、ノニオン性のものがあり、化学変性により付与されたセルロースナノファイバーの電荷に対して、凝集を生じないものを選択すればよい。上記の例示の中でも、ノニオン性のポリエチレングリコール(PEG)は変性セルロースがアニオン変性であってもカチオン変性であっても凝集が起こらないため、特に好ましく用いられる。
本発明において、上記表面張力調整剤の添加量は、前記セルロースナノファイバー分散液に含有するセルロースナノファイバーの絶乾重量を100重量部としたとき、25〜1500重量部の範囲であることが好ましい。上記表面張力調整剤の添加量が25重量部未満であると、薄膜化したとき平滑性が得られず観察が難しくなり、上述の効果が十分に発揮されない。他方、添加量が1500重量部を超えると、フィルム強度が弱くなって観察が難しくなり、かつ、セルロースナノファイバーの固形分濃度が下がり、画像の精度が低下するため良好な観察画像を得られないという問題が生じることがある。
上記表面張力調整剤の添加量は、特に、50〜1000重量部の範囲が好ましく、さらに好ましくは100〜500重量部の範囲である。
(2)CNF分散液の薄膜化工程
上述の(1)CNF分散液の準備工程により得られたCNF分散液を薄膜化して、本発明の評価用のサンプル(検体)を作製する。
CNF分散液を薄膜化する方法としては、たとえば上述の方法によって得られたCNFを水等の溶媒に分散したCNF分散液を基材上に塗工して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させる方法が挙げられる。そして、上記サンプルは、基材上に形成した塗膜を該基材から剥離することにより得られる。得られた塗膜、すなわちシート状のCNFフィルムは物理的強度に優れ、かつ、高い透明性を有している。
この場合の基材としては、特に限定されず、一般的に使用されている種々のシート状の基材(フィルム状のものを含む)の中から、適宜選択して使用することができる。このような基材の材質として、たとえば、紙、板紙、ポリ乳酸等の生分解性プラスチック、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド系樹脂(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、これらの高分子を構成するモノマーのいずれか2種以上の共重合体等が挙げられる。
本発明において、サンプル作製用のCNF分散液の固形分濃度は特に限定されるものではないが、例えば0.01〜10質量%程度、好ましくは0.1〜2質量%程度に調整されることが望ましい。固形分濃度が低すぎると、凝集物等の異物が含まれていてもその異物の量が減少するため画像観察の精度が低下する。一方、固形分濃度が高すぎると、分散液の粘度が高くなり気泡の除去が困難となるため画像観察の精度が低下する。よって、上記の固形分濃度の範囲が好適である。
上記塗膜の形成方法は特に限定されず、コーティング法、キャスト法等の公知の方法が利用できる。コーティング法としては、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、エアナイフコート法、バーコート法、メイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、スプレーコート法等が挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。
塗膜の乾燥条件は、塗膜中の水性媒体を除去できればよく、特に限定されない。乾燥時の温度条件に関し、一般には0〜200℃、好ましくは0〜100℃、さらに好ましくは室温にて行われる。また、乾燥時の圧力条件も適宜設定されるが、通常は大気圧下、風乾等の条件で行われる。また、乾燥時間は、適宜設定されるが、例えば1分間〜7日間、通常は3時間以上が好ましい。乾燥温度および乾燥時間の上限は、CNF分散液中の固形分濃度や用いる水性媒体の種類、乾燥時間等を考慮して適宜設定すればよい。
上記の方法で得られるシート状のCNFフィルムの厚さは、CNF分散液の固形分濃度や乾燥条件に応じて適宜設定されるが、本発明においては、例えば0.1μm〜10mm程度の範囲であることが好ましい。フィルム厚さが0.1μm未満であると、上記基材(表面の凹凸)の影響を受け、光の屈折の影響を受ける可能性があり、他方、フィルム厚さが10mmよりも厚いと透過光が減少する可能性があり、いずれにしても画像観察の精度が低下する。
また、上記CNFフィルムは本発明の評価用のサンプルとなり、その大きさは、特に制約される必要はないが、できるだけ広い範囲を一度に観察できて評価の信頼性を高める観点から、例えば、5cm×5cm〜50cm×50cm程度の範囲の大きさが好適である。
なお、サンプル作製用のCNF分散液には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、CNFおよび前記表面張力調整剤や、pH調整に用いた成分以外の他の成分を含有してもよい。該他の成分としては、特に限定されず、公知の添加剤のなかから適宜選択できる。具体的には、消泡剤、水溶性高分子、合成高分子、配向促進剤、架橋剤等が挙げられる。
本発明の評価用のサンプルとしては、上記のCNFフィルムのみから構成される単層シートであってもよく、さらに、該CNFフィルム以外の他の層を有する多層シートであってもよい。
本発明の評価用のサンプルが上記CNFフィルムのみから構成される単層シートである場合、該単層シートは、上述のように基材上に形成したCNF塗膜を該基材から剥離することにより得られる。
また、本発明の評価用のサンプルが、上記CNFフィルム以外の他の層を有する多層シートである場合、該多層シートは、前記支持体として該他の層を用いて該他の層上に直接前記CNFシートを形成してもよく、また、上記のようにして作成した単層シートと、他のシートとを積層することにより作製してもよい。後者の場合、単層シートと他のシートとは、接着剤を用いて積層してもよく、直接積層してもよい。
また、コーター等の装置を用いずに、CNF薄膜を作製する簡便な方法としては、上記基材上に適当な枠体を設置し、この枠体内にCNF分散液を注いで、乾燥させることにより、CNF薄膜を作製してもよい。
また、本発明の評価用のサンプルとしては、必ずしも以上のようなシート状のCNFフィルム(乾燥薄膜)でなくてもよく、基材となりうる例えば、ガラス板上に枠を設けたもの、あるいはガラスにて成形されたシャーレに上記CNF分散液を注いで、液状のまま薄膜化したものを用いてもよい。このような基材としては、偏光に影響を与えないよう、延伸フィルムのように配向を生じたフィルムは不向きであるが、偏光に影響を与えないものであれば種類は問わない。特に上記のようなガラスが望ましい。
以上の薄膜化工程は、たとえば乾燥時に埃等の混入の恐れがあるため、クリーンルームなどのクリーン度が保たれる環境で実施することが好ましい。また、クリーンルーム内に乾燥機を設置してもよく、クリーン乾燥機を使用してもよい。
(3)画像撮影工程
図1は、本発明に係るCNF分散液の評価方法を説明するための模式図である。
図1に示されるように、上記(2)の工程で作製したCNF分散液の薄膜(例えば上記CNFフィルム)を検体1とし、該検体1の両面(表面及び裏面)側にそれぞれ偏光板2,3を配置する。つまり、検体1を2枚の偏光板2,3で挟んだ状態で設置し、これら2枚の偏光板2,3はそれらの偏光軸方向が互いに直交するような状態に配置する。一方の偏光板(図1に示す実施形態では、下方の偏光板3)の下に光源20を配置し、該光源20から上方へ光を照射する。そして、他方の偏光板(図1に示す実施形態では、上方の偏光板2)の上方に設置した撮影装置10によって透過画像を撮影する。
上記偏光板2,3の材質、構造等は特に制約はない。上記偏光板2,3の大きさは、少なくとも検体1の全体を覆う大きさとする。
なお、乱反射を抑制する観点から、検体1の両面にそれぞれ偏光板2,3が密着するように配置することが望ましい。
また、上記撮影装置10としては、一般的なデジタルカメラ等を使用することができる。また、撮影する際のモードや感度は特に限定されるものではないが、なるべく解像度の高い条件で撮影を行うことが好ましい。マニュアルモードでISO感度を200〜800程度とし、ピントがぼやけない程度の撮影距離を保った状態で、カメラを固定して使用することが好ましい。カメラの画素数は高いほど精度が上がるが、1000万画素以上のものが望ましい。
また、上記光源20は、点光源でも、面状(板状)光源でもよいが、比較的広い領域を均一に照明するためには面状光源が好適である。
互いに偏光軸が直交する方向に配置した2枚の偏光板2,3の間に検体1を挟み、下方より光を当てると、通常は何も観察されないが、検体1である例えばCNFフィルム中に未解繊繊維物等の異物が含まれていると、当該異物によって偏光面が回転し、上方の偏光板2より異物に起因する光像が射出され、異物の存在を観察することができる。特に、図1に示す実施形態のように、2枚の偏光板2,3の間に検体1を挟み、その直上よりカメラ等で撮影することにより、異物の存在を観察しやすい画像を得ることができる。図2は、本発明における撮影画像例を示している。画像中に見える白い点状のものが異物の存在を示している。
因みに、CNF分散液に表面張力調整剤を添加しない場合、図3に示すような画像が観察される。画像全体がぼやけてしまい、異物が存在していても明確に判別することができない。
(4)異物の判別工程
上記の(3)の画像撮影工程で得られた撮影画像をもとに、検体1であるCNF分散液の薄膜(フィルム)中の異物の有無を判別する。
上記のとおり、検体1中に異物が含まれている場合、その存在を画像上で観察することができるので、従来目視では判断できなかったCNF分散液中の異物の有無を容易に判別することができる。また、前述したように、本発明において検体1は任意の大きさに設定できるので、サンプルの広い領域を一度に測定することができ、簡便で、且つ信頼性の高い評価を行うことが可能である。
また、異物の判別工程では、異物の有無の判別だけでなく、さらに得られた画像の画像解析により、異物の面積比率を算出することができる。画像解析は、任意の画像解析ソフトを使用して実施することができる。例えば、WayneRasband社が提供しているImageJなどのソフトを使用することができるが、勿論これに限定される必要はない。
これによって、CNF分散液中の異物の比率を数値化して客観的に評価することが可能になる。
以上詳細に説明したように、本発明のCNF分散液の評価方法によれば、目視では判断できないCNF分散液中の異物の有無を容易に判断でき、かつ信頼性の高い評価を行うことができる。
また、本発明のCNF分散液の評価方法によれば、CNF分散液中の異物の比率を数値化して客観的に評価することができる。
また、本発明は、上記評価方法を適用したCNF分散液についても提供するものである。
上述のCNF分散液は、液晶パネル、有機ELディスプレイ等に用いられる光学用途のフィルム、窓に用いられるガラス、透明性が重要な液状の製品など、高い透明性を要求される素材に複合化させることを目的としたCNF分散液、樹脂やゴム等の素材の強度アップを目的として添加する異物による欠陥の少ないCNF分散液、もしくはこれら素材を置き換えることを目的としたCNFのフィルム化物および成型体に好適に用いられるが、これらの用途には、異物欠陥が少なく、しかもそれを保証できることが望ましい。
すなわち、本発明に係るCNF分散液は、光学フィルム等に用いるセルロースナノファイバー分散液であって、セルロースナノファイバーの分散液に表面張力調整剤を添加してから薄膜化し、該セルロースナノファイバー分散液の薄膜の両面側に、それぞれ偏光板をそれらの偏光軸方向が互いに直交するような状態に配置し、一方の偏光板側から光を照射し、他方の偏光板側から透過画像を撮影し、得られた画像の画像解析により算出された前記セルロースナノファイバー分散液中の異物の面積比率が、前記セルロースナノファイバーの絶乾重量1gあたり25%以下であることを特徴とするセルロースナノファイバー分散液である。
かかる発明によれば、本発明の評価方法を適用し、異物の少ないことを保証できるCNF分散液を提供することができる。
以下、本発明の具体的実施例を挙げて説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。また、本発明の実施例に対する比較例についても説明する。
なお、以下の記載において、特に断りのない限り、「部」とは「重量部」を表すものとする。
<実施例1>
<カルボキシル化(TEMPO酸化)パルプ由来のセルロースナノファイバー水分散液の製造>
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)5g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社製)39mgと臭化ナトリウム514mgを溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を5.5mmol/gになるように添加し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターで濾過してパルプ分離し、パルプを十分に水洗することで酸化されたパルプ(カルボキシル化セルロース)を得た。この時のパルプ収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分、カルボキシル基量は1.6mmol/gであった。
なお、上記のカルボキシル基量は以下のようにして測定した。
[カルボキシル基量の測定方法]
カルボキシル化セルロースの0.5質量%スラリー(水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出した。
カルボキシル基量〔mmol/gカルボキシル化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/カルボキシル化セルロース質量〔g〕
次に、上記の工程で得られた酸化パルプを水で1.0重量%に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、150MPa)で3回処理して解繊し、カルボキシル化CNF分散液を得た。得られたCNF繊維は、平均繊維径が4nm、アスペクト比が150であった。また、得られた上記CNF水分散液の透明度は89%であった。
なお、上記の平均繊維径、アスペクト比、透明度は以下のようにして測定した。
<平均繊維径、アスペクト比の測定方法>
カルボキシル化CNFの平均繊維径および平均繊維長は、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、ランダムに選んだ200本の繊維について解析した。また、アスペクト比は下記の式により算出した。
アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径
<透明度の測定>
セルロースナノファイバー水分散液(固形分1.0重量%)の透明度(660nm 光の透過率)をUV分光光度計 U−3000(日立ハイテク)を用いて測定した。
上記のようにして得られたカルボキシル化CNFを絶乾で1g含有する水性懸濁液に、CNF絶乾重量を100部としたとき、ポリエチレングリコール(PEG、分子量600)を200部加えて、スターラーを用いて2時間撹拌したあと、超音波洗浄機にて脱泡した。
そして、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にゴム枠を載せてしっかりと固定し、純水を注ぎ込み、漏れないことを確認した後、内部の水を捨てた。これにより、上記PETフィルムに付着していた埃も除去した。乾燥させた上記PETフィルム上のゴム枠内に上記CNF分散液を泡立てないように注ぎ、40℃で一昼夜静置した。乾燥が十分であることを確認し、CNFフィルムを取り出した。得られた上記CNFフィルムの大きさは18cm×18cmであり、厚さは、0.1mmであった。
次いで、暗幕の中に、板状のLEDライトを設置し、エアダスターで埃を除去しながら、LEDライトの上に、検体である上記CNFフィルムを2枚の偏光板で挟んだ状態で設置した。これら2枚の偏光板はそれらの偏光軸方向が互いに直交するような状態に配置した。なお、上記CNFフィルムは、本実施例では、18cm×18cmの大きさとし、2枚の偏光板についてもCNFフィルム全体を覆うことができる大きさとした。
そして、下方のLEDライトから光を照射し、フィルム全体が視野に収まるように上方からデジタルカメラで透過画像を撮影した。
得られた撮影画像をもとに、上記CNF分散液中の異物の有無を確認するとともに、得られた撮影画像の画像解析により、異物の面積比率を算出した。画像解析は、WayneRasband社が提供している画像解析ソフトImageJを使用した。
<実施例2>
PEGの添加量を500部とした以外は実施例1と同様にしてCNFフィルムを作製し、さらに実施例1と同様の方法で画像を撮影し、異物の評価を行った。
<実施例3>
PEGの添加量を1000部とした以外は実施例1と同様にしてCNFフィルムを作製し、さらに実施例1と同様の方法で画像を撮影し、異物の評価を行った。
<実施例4>
タンク付きステンレスホルダー(KST−47、Advantec社製、ろ過面積12.5cm2)にろ紙(安曇濾紙社製、アクスターB508−10P)を取り付けた。ろ過助剤として珪藻土(昭和化学工業社製、ラジオライト700)を1.25g採取して1Lの水に分散させ、これをろ紙上に供給してプレコートし、ろ過助剤層を形成した。その後、ボディーフィードろ過を行うために、CNF分散液5Lに対して5gの珪藻土を混合した後、加圧タンクに充填した。実施例1で用いた脱泡後のカルボキシル化CNF分散液を窒素ガスにて0.35MPaに加圧し、ろ過を行った。
上記ろ過後のカルボキシル化CNF分散液を用いた以外は実施例1と同様にしてCNFフィルムを作製し、さらに実施例1と同様の方法で画像を撮影し、異物の評価を行った。
<実施例5>
PEGに代えてステアリン酸ナトリウムを1000部添加した以外は実施例1と同様にしてCNFフィルムを作製し、さらに実施例1と同様の方法で画像を撮影し、異物の評価を行った。
<実施例6>
PEGに代えてポリビニルアルコール(PVA)を1000部添加した以外は実施例1と同様にしてCNFフィルムを作製し、さらに実施例1と同様の方法で画像を撮影し、異物の評価を行った。
<実施例7>
カルボキシル化パルプ製造の原料に、針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプに代えて針葉樹由来のサルファイトパルプを用いた以外は実施例1と同様にしてCNFフィルムを作製し、さらに実施例1と同様の方法で画像を撮影し、異物の評価を行った。
<実施例8>
<カルボキシメチル化パルプ由来のセルロースナノファイバー水分散液の製造>
パルプを混ぜることが出来る撹拌機に、パルプ(NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、日本製紙株式会社製)を乾燥重量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥重量で111g加え、パルプ固形分が20%(w/v)になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後にモノクロロ酢酸ナトリウムを216g(有効成分換算)添加した。30分撹拌した後に、70℃まで昇温し1時間撹拌した。その後、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.25のカルボキシルメチル化したパルプを得た。その後、カルボキシメチル化したパルプを水で固形分1%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、150MPaの圧力で5回処理することにより解繊し、カルボキシメチル化パルプ由来のCNF水分散液を得た。
タンク付きステンレスホルダー(KST−47、Advantec社製、ろ過面積12.5cm2)にろ紙(安曇濾紙社製、アクスターB508−10P)を取り付けた。ろ過助剤として珪藻土(昭和化学工業社製、ラジオライト3000)を1.25g採取して1Lの水に分散させ、これをろ紙上に供給してプレコートし、ろ過助剤層を形成した。その後、ボディーフィードろ過を行うために、カルボキシメチル化パルプ由来のCNF分散液5Lに対して5gの珪藻土を混合した後、加圧タンクに充填した。上記分散液を窒素ガスにて0.35MPaに加圧し、ろ過を行い、カルボキシメチル化パルプ由来のCNF水分散液を得た。
<グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度の測定方法>
カルボキシメチル化セルロース繊維(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。メタノール900mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチル化セルロース塩(CM化セルロース)を水素型CM化セルロースにした。水素型CM化セルロース(絶乾)を1.5〜2.0g精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。80%メタノール15mLで水素型CM化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうした。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのH2SO4で過剰のNaOHを逆滴定した。カルボキシメチル置換度(DS)を、次式によって算出した。
A=[(100×F’−(0.1NのH2SO4)(mL)×F)×0.1]/(水素型CM化セルロースの絶乾重量(g))
DS=0.162×A/(1−0.058×A)
A:水素型CM化セルロースの1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F:0.1NのH2SO4のファクター
F’:0.1NのNaOHのファクター
実施例1のカルボキシル化CNFに代えて前記ろ過後のカルボキシメチル化CNFを用いた以外は実施例1と同様にしてCNFフィルムを作製し、さらに実施例1と同様の方法で画像を撮影し、異物の評価を行った。
<実施例9>
実施例2のカルボキシル化CNFに代えて前記ろ過後のカルボキシメチル化CNFを用いた以外は実施例2と同様にしてCNFフィルムを作製し、さらに実施例1と同様の方法で画像を撮影し、異物の評価を行った。
<実施例10>
<カチオン化パルプ由来のセルロースナノファイバー水分散液の製造>
パルプを撹拌することができる撹拌機に、パルプ(LBKP、日本製紙株式会社製)を乾燥重量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥重量で24g加え、パルプ固形濃度が15重量%となるように水を加えた。その後、30℃で30分撹拌した後に70℃まで昇温し、カチオン化剤として3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを190g(有効成分換算)添加した。1時間の反応の後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカチオン置換度0.04のカチオン変性されたセルロースを得た。その後、カチオン変性セルロースを水で固形濃度1%(w/v)とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、140MPaの圧力で5回処理し、カチオン変性セルロース由来のセルロースナノファイバー水分散液を得た。
タンク付きステンレスホルダー(KST−47、Advantec社製、ろ過面積12.5cm2)にろ紙(安曇濾紙社製、アクスターB508−10P)を取り付けた。ろ過助剤として珪藻土(昭和化学工業社製、ラジオライト3000)を1.25g採取して1Lの水に分散させ、これをろ紙上に供給してプレコートし、ろ過助剤層を形成した。その後、ボディーフィードろ過を行うために、カチオン化パルプ由来のCNF分散液5Lに対して5gの珪藻土を混合した後、加圧タンクに充填した。上記分散液を窒素ガスにて0.35MPaに加圧し、ろ過を行い、カチオン化パルプ由来のCNF水分散液を得た。
<グルコース単位当たりのカチオン置換度の測定方法>
カチオン基の置換度は、試料(カチオン変性されたセルロース)を乾燥させた後に、全窒素分析計TN−10(三菱化学社製)で窒素含有量を測定し、次式により算出した。ここで言う置換度とは、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数の平均値を表している。
カチオン置換度=(162×N)/(1−151.6×N)
N:窒素含有量
実施例1のカルボキシル化CNFに代えて上記ろ過後のカチオン化CNFを用いた以外は実施例1と同様にしてCNFフィルムを作製し、さらに実施例1と同様の方法で画像を撮影し、異物の評価を行った。
<実施例11>
実施例2のカルボキシル化CNFに代えて上記ろ過後のカチオン化CNFを用いた以外は実施例2と同様にしてCNFフィルムを作製し、さらに実施例1と同様の方法で画像を撮影し、異物の評価を行った。
<実施例12>
PEGの添加量を1700部として実施例1と同様にフィルムを作成したところ、シート状のCNFフィルムが脆く、取り扱いに注意を要した。実施例1と同様の方法で画像を撮影し、異物の評価を行ったところ、異物の確認は出来たが、画像の鮮明さが少し低下し、精度が若干低下した。
<実施例13>
ガラスのシャーレ内に実施例1で用いた脱泡後のカルボキシル化CNF分散液を注いで液状のまま薄膜化した。膜厚は約3mmであった。このシャーレごとCNF分散液を液状態のまま2枚の直交する偏光板で挟んだこと以外は、実施例1と同様の方法で画像を撮影し、異物の評価を行ったところ、液状のサンプルでも鮮明な画像を得ることができ、異物の面積比率は4.4%であった。
<比較例1>
実施例1で作成したカルボキシル化CNFフィルムを、偏光板を用いずにカメラで撮影したところ、鮮明な画像を得ることはできなかった。

<比較例2>
実施例1で作成したカルボキシル化CNFフィルムを、2枚の偏光軸方向が平行する偏光板で挟んでカメラで撮影したところ、鮮明な画像を得ることはできなかった。
<比較例3>
PEGを添加せずに実施例1と同様にフィルムを作成したところ、カルボキシル化CNFが分散液中で偏って分散されたままシートになり、均一なシートを形成せず、偏光板を通った撮影画像は全体がぼやけてしまい、異物の存在を明確に判別することができなかった。
<比較例4>
実施例8で作成したカルボキシメチル化CNFフィルムを、偏光板を用いずにカメラで撮影したところ、鮮明な画像を得ることはできなかった。
<比較例5>
実施例8で作成したカルボキシメチル化CNFフィルムを、2枚の偏光軸方向が平行する偏光板で挟んでカメラで撮影したところ、鮮明な画像を得ることはできなかった。
<比較例6>
PEGを添加せずに実施例8と同様にフィルムを作成したところ、カルボキシメチル化CNFが分散液中で偏って分散されたままシートになり、均一なシートを形成せず、偏光板を通った撮影画像は全体がぼやけてしまい、異物の存在を明確に判別することができなかった。
<比較例7>
実施例10で作成したカチオン化CNFフィルムを、偏光板を用いずにカメラで撮影したところ、鮮明な画像を得ることはできなかった。
<比較例8>
実施例10で作成したカチオン化CNFフィルムを、2枚の偏光軸方向が平行する偏光板で挟んでカメラで撮影したところ、鮮明な画像を得ることはできなかった。
<比較例9>
PEGを添加せずに実施例10と同様にフィルムを作成したところ、カチオン化CNFが分散液中で偏って分散されたままシートになり、均一なシートを形成せず、偏光板を通った撮影画像は全体がぼやけてしまい、異物の存在を明確に判別することができなかった。
以上の各実施例および各比較例の結果を纏めて以下の表1に示す。なお、表1中の「異物評価」については、撮影画像から異物を観察する(異物の有無を判定する)ことができた場合を「○」、異物を観察する(異物の有無を判定する)ことができなかった場合を「×」として表記した。
<結果>
本発明による実施例1〜11では、異物の明確な画像が得られ、画像解析により異物の面積率を算出することができた。すなわち、目視では判断できないCNF分散液中の異物の有無を容易に判断でき、かつ信頼性の高い評価を行うことができた。また、CNF分散液中の異物の比率を数値化して客観的に評価することができた。また、実施例12では、異物の確認は出来たが、画像の鮮明さが少し低下し、精度が若干低下した。
本発明によれば、従来は困難であった透明度の高いCNF分散液中の異物の有無の判断ができ、異物の比率についても容易に数値化できることが明らかとなった。
これに対し、比較例1〜9ではいずれも、異物の鮮明な画像を得ることができず、異物を観察することができなかった。つまり、比較例ではいずれもCNF分散液中の異物の有無を確認することができない。
1 検体
2 偏光板
3 偏光板
10 撮影装置
20 光源

Claims (5)

  1. 下記(1)〜(4)の工程を有することを特徴とするセルロースナノファイバー分散液の評価方法。
    (1)表面張力調整剤を添加したセルロースナノファイバーの分散液を準備する工程。
    (2)上記セルロースナノファイバー分散液を薄膜化する工程。
    (3)上記セルロースナノファイバー分散液の薄膜の両面側に、それぞれ偏光板をそれらの偏光軸方向が互いに直交するような状態に配置し、一方の偏光板側から光を照射し、他方の偏光板側から透過画像を撮影する工程。
    (4)得られた画像をもとに、上記セルロースナノファイバー分散液中の異物の有無を判別する工程。
  2. 前記異物の有無を判別する工程では、さらに、得られた画像の画像解析により、異物の面積比率を算出することを特徴とする請求項1に記載のセルロースナノファイバー分散液の評価方法。
  3. 前記表面張力調整剤は、ポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセルロースナノファイバー分散液の評価方法。
  4. 前記表面張力調整剤の添加量は、前記セルロースナノファイバー分散液に含有するセルロースナノファイバーの絶乾重量を100重量部としたとき、25〜1500重量部の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセルロースナノファイバー分散液の評価方法。
  5. 光学フィルム等に用いるセルロースナノファイバー分散液であって、
    セルロースナノファイバーの分散液に表面張力調整剤を添加してから薄膜化し、該セルロースナノファイバー分散液の薄膜の両面側に、それぞれ偏光板をそれらの偏光軸方向が互いに直交するような状態に配置し、一方の偏光板側から光を照射し、他方の偏光板側から透過画像を撮影し、得られた画像の画像解析により算出された前記セルロースナノファイバー分散液中の異物の面積比率が、前記セルロースナノファイバーの絶乾重量1gあたり25%以下であることを特徴とするセルロースナノファイバー分散液。
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