JP2017160192A - 経口製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩濃度が高くなると増粘する経口製剤を提供すること。【解決手段】(A)25℃において1質量%水溶液の粘度が250〜2000mPa・sであるカルボキシメチルセルロース又はその塩と、(B)アルミニウム含有化合物とを含有し、100×前記(B)成分/前記(A)成分で表される質量比率が4〜10である、経口製剤。【選択図】なし

Description

本発明は、経口製剤に関する。
経口製剤は、口から摂取され、胃や腸などの消化器において薬効成分を放出しながら体内を移動する。従来、かかる経口製剤においては、薬効成分を吸収させたい消化器内において、その吸収性を高めるために、経口製剤から放出される薬効成分の放出速度を制御する等の様々な検討がされている。
例えば、特許文献1には、薬剤の嚥下を容易にする液状の補助剤であって、酸性条件下でゲル化する水溶性高分子を含み、そのゲルの破断応力が約3.00×10N/m以上であり、胃内でゲル化することにより薬剤の放出速度を制御する作用を発揮する液状マトリックスが開示されている。
特許文献2には、アニオン性高分子電解質、酸性物質及び薬物を含み、薬物放出速度が消化管内等の外界の液性(pH)に影響されにくい固形組成物が開示されている。
特許文献3には、錠剤に対して30〜70重量%の徐放性基材としてのキサンタンガムと残りが主薬としての無機電解質とからなり、前記無機電解質が徐々に放出されるように制御された徐放性錠剤が開示されている。
特許文献4には、活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒または細粒であって、特定のイミダゾール系化合物もしくはその塩またはその光学活性体を活性成分として含有する核粒と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート等から選ばれる、放出条件が異なる2種以上の混合物で、pH6.0以上pH7.5以下の範囲で溶解する高分子物質を含有するpH依存溶解性放出制御被膜とを有する錠剤、顆粒または細粒が開示されている。
特開2004−2320号公報 特開平6−247843号公報 特開平4−316515号公報 特開2013−155181号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4の技術では、塩濃度が高い環境において製剤の粘度が低下する場合があった。そのため、塩濃度が0.6質量%程度である腸内において、製剤を腸内に滞留させられず、製剤に配合された生理活性成分等を腸に持続的に吸収させられない場合があった。
また、経口製剤としては、口から摂取する際に、流動性が高く(粘度が低く)摂取しやすいことが望まれる。
即ち、経口製剤としては、塩濃度の低い口腔内では粘度が低く良好な流動性を有し、塩濃度が高い腸内では増粘して滞留性が高められることが求められる。
そこで、本発明は、塩濃度が高くなると増粘する経口製剤を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の経口製剤が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、以下の構成を有する。
[1](A)25℃における1質量%水溶液の粘度が250〜2000mPa・sであるカルボキシメチルセルロース又はその塩と、(B)アルミニウム含有化合物とを含有し、[100×前記(B)成分]/[前記(A)成分]で表される質量比率が4〜10である、経口製剤。
[2]前記(B)成分が、硫酸カリウムアルミニウム、アルミニウムグリシネート、乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウムよりなる群から選ばれる1種以上である、[1]に記載の経口製剤。
[3]前記(A)成分の含有量が0.3〜1質量%である、[1]又は[2]に記載の経口製剤。
[4]前記(A)成分のエーテル化度が0.6〜1.0である、[1]〜[3]のいずれかに記載の経口製剤。
[5]さらに、(C)生理活性成分を含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の経口製剤。
[6]前記経口製剤の剤形が、粒状剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、液剤、グミ剤又はゼリー剤である、[1]〜[5]のいずれかに記載の経口製剤。
本発明の経口製剤は、塩濃度が高くなると増粘する。
本発明の経口製剤は、(A)25℃において1質量%水溶液の粘度が250〜2000mPa・sであるカルボキシメチルセルロース又はその塩((A)成分)と、(B)アルミニウム含有化合物((B)成分)とを含有する。
[100×前記(B)成分]/[前記(A)成分]で表される質量比率は4〜10である。
本発明において、塩濃度とは、イオンクロマトグラフ試験法やナトリウム選択型イオン電極により測定される塩化ナトリウムの濃度を意味する。
本発明において、塩濃度が高いとは、塩濃度が0.5質量%以上であることを意味する。本発明において塩濃度が高い環境とは、塩が0.5質量%以上含まれる環境を意味する。本発明の効果をより享受しやすい点から、塩濃度が高い環境としては、塩が、0.5〜1.5質量%含まれる環境が好ましく、0.5〜1.2質量%含まれる環境がより好ましく、0.5〜1.0質量%含まれる環境がさらに好ましい。前記塩濃度が高い環境としては、例えば、腸内環境が挙げられる。
また、本発明において、塩濃度が低いとは、塩濃度が0.5質量%未満であることを意味する。塩濃度が低い環境とは、例えば、塩が、0質量%以上0.5質量%未満含まれる環境を意味する。本発明の効果をより享受しやすい点から、塩濃度が低い環境としては、塩が、0〜0.3質量%含まれる環境が好ましく、0〜0.1質量%含まれる環境がより好ましく、0質量%、即ち、塩を含有しない(塩非含有)の環境であってもよい。前記塩濃度が低い環境としては、例えば、口腔内環境が挙げられる。
本発明の経口製剤は、例えば、粒状剤(散剤、顆粒剤、腸溶性顆粒剤等)、錠剤(素錠、糖衣錠、コーティング錠、腸溶錠、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠等)、カプセル剤、丸剤、液剤、グミ剤、トローチ剤、ゼリー剤等の製剤とされる。
本発明の経口製剤が液剤の場合、液剤の経口製剤の粘度は、塩濃度が低い環境において、3000mPa・s未満が好ましく、2000mPa・s未満がより好ましく、1000mPa・s未満がさらに好ましい。経口製剤の粘度が前記の好ましい範囲であると、例えば、口腔内において流動性が高く、良好な服用性が得られやすくなる。また、経口製剤の製造時におけるハンドリング性が良好となり前記製剤を製造しやすくなる。
前記経口製剤の粘度は、塩濃度が低い環境において、0mPa・s超3000mPa・s未満が好ましく、0mPa・s超2000mPa・s未満がより好ましく、0mPa・s超1000mPa・s未満がさらに好ましい。
また、前記液剤の経口製剤の粘度は、塩濃度が高い環境において、3000mPa・s以上が好ましく、4000mPa・s以上がより好ましく、5000mPa・s以上がさらに好ましく、6000mPa・s以上が特に好ましい。経口製剤の粘度が前記の好ましい範囲であると、例えば、腸内において経口製剤の流動性が低下し腸内での滞留性を高められる。これにより、経口製剤に配合された生理活性成分等を持続的に腸で吸収させやすくなる。また、腸液の移行速度も低下される。そのため、本発明の経口製剤を過敏性腸症候群等の改善に適用しやすくなる。
前記液剤の経口製剤の粘度は、塩濃度が高い環境において、3000mPa・s以上18000mPa・s以下が好ましく、4000mPa・s以上15000mPa・s以下がより好ましく、5000mPa・s以上12000mPa・s以下がさらに好ましく、6000mPa・s以上10000mPa・s以下が特に好ましい。
前記液剤の経口製剤は、塩濃度が高い環境における粘度と、塩濃度が低い環境における粘度との差が、800mPa・s以上が好ましく、1000mPa・s以上がより好ましく、2000mPa・s以上がさらに好ましく、3000以上が特に好ましい。前記3000mPa・s以上のなかでも、4000mPa・s以上が好ましく、5000mPa・s以上がより好ましく、6000mPa・s以上がさらに好ましい。
上記の差が、上記下限値以上であると、例えば、口腔内において、経口製剤の流動性が高く、良好な服用性が得られ、腸内において経口製剤の流動性が低下し高い滞留性が得られやすくなる。
前記経口製剤は、塩濃度が高い環境における粘度と、塩濃度が低い環境における粘度との差が、800mPa・s以上18000mPa・s以下であることが好ましく、1000mPa・s以上15000mPa・s以下であることがより好ましく、2000mPa・s以上12000mPa・s以下であることがさらに好ましく、3000mPa・s以上10000mPa・s以下であることが特に好ましい。前記3000mPa・s以上10000mPa・s以下の範囲のなかでも、4000mPa・s以上10000mPa・s以下が好ましく、5000mPa・s以上10000mPa・s以下がより好ましく、6000mPa・s以上10000mPa・s以下がさらに好ましい。
<(A)成分>
(A)成分は、25℃における1質量%水溶液の粘度が250〜2000mPa・sであるカルボキシメチルセルロース又はその塩である。以下、カルボキシメチルセルロース又はその塩を「CMC」という。
25℃における1質量%水溶液の粘度が250mPa・s以上のCMCであると、塩濃度が低い環境において粘度が低く流動性が高められる。また、塩濃度が高い環境において増粘効果が得られる。
25℃における1質量%水溶液の粘度が2000mPa・s以下のCMCであると、塩濃度が低い環境において粘度が低く流動性が維持され、塩濃度が高い環境において良好な増粘効果が得られる。
一方、25℃における1質量%水溶液の粘度が250mPa・s未満であるCMCでは、塩濃度が高い環境において増粘効果が得られない。25℃における1質量%水溶液の粘度が2000mPa・s超であるCMCでは、塩濃度が低い環境での粘度が高くなり、また、塩濃度が高い環境において充分な増粘効果が得られない。
(A)成分としては、25℃における1質量%水溶液の粘度が、250〜2000mPa・sであるCMCが好ましく、1100〜1900mPa・sであるCMCがより好ましく、1200〜1800mPa・sであるCMCがさらに好ましい。
なお、本発明における粘度の測定方法は、実施例に記載のとおりである。
(A)成分としては、エーテル化度が、0.6〜1.0のCMCが好ましく、0.79〜0.85のCMCがより好ましい。
CMCのエーテル化度が上記下限値以上であると、腸内環境等の塩濃度が高い環境において、(B)成分との架橋が良好に形成され、増粘効果が得られやすくなる。
CMCのエーテル化度が上記上限値以下であると、腸内環境等の塩濃度が高い環境において、CMCの凝集が生じにくい。
なお、エーテル化度とは、セルロースの無水グルコース1単位当たりのカルボキシメチル基の置換度を意味する。例えば、エーテル化度1.0のCMCは、セルロースの無水グルコース1単位当たり1個のカルボキシメチル基を有する。
CMCの粒度は、特に限定されず、例えば平均粒子径が180μm以下のものを用いることができる。本発明において、平均粒子径とは、体積平均粒子径を意味し、レーザー回折・散乱法により測定される値を示す。例えば、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定される。
また、CMCの1質量%水溶液のpHは、特に限定されず、例えば6.0〜8.5のものを用いることができる。
(A)成分の含有量は、経口製剤の総質量に対して、0.3〜90質量%が好ましく、0.4〜85質量%がより好ましい。
経口製剤が液剤の場合、0.3〜1質量%が好ましく、0.4〜0.7%質量%がより好ましい。また固形剤の場合、10〜90質量%が好ましく、20〜85質量%が好ましい。下限以上とすることで一回量を少なくなるので、服用性が良好になる。
(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、腸内環境等の塩濃度が高い環境における増粘効果が得られやすくなる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であると、塩濃度が低い環境下での粘度が高くなりすぎないため、例えば、口腔内で粘度が高くなりすぎず服用性が向上する。特に、経口製剤の剤形が、液剤、口腔内崩壊錠剤、トローチ剤等とした場合の服用性が向上する。例えば、液剤であれば、流動性が良好なため嚥下しやすく、口腔内崩壊錠剤やトローチ剤であれば、口腔内でのべとつき等が抑制され服用しやすくなる。
(A)成分の1回当たりの服用量は、300mg〜1000mgが好ましく、400mg〜700mgがより好ましい。
(A)成分の1回当たりの服用量が上記下限値以上であると、塩濃度が高い環境における増粘効果が得られやすくなる。(A)成分の1回当たりの服用量が上記上限値以下であると、1回服用量が少なくなるため服用コンプライアンス上好ましい。また、塩濃度が低い環境における粘度が高くなりすぎないため服用性が高められやすくなる。特に、経口製剤の剤形が、液剤、口腔内崩壊錠剤、トローチ剤等とした場合において服用性がより高められやすくなる。
(A)成分としては、合成品が用いられてもよいし、市販品が用いられてもよい。市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製の製品名「P−815C」等が挙げられる。
<(B)成分>
(B)成分は、アルミニウム含有化合物である。本発明の経口製剤は、上記(A)成分とともに、(B)成分を含有することで、塩濃度が高い環境において増粘効果が得られる。
(B)成分としては、例えば、硫酸カリウムアルミニウム、アルミニウムグリシネート、乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。
(B)成分としては、塩濃度が高い環境における増粘効果がより得らやすい点から、硫酸カリウムアルミニウム、アルミニウムグリシネート、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが好ましく、硫酸カリウムアルミニウムがより好ましい。
(B)成分の含有量は、経口製剤の総質量に対して、0.012〜9質量%が好ましく、0.016〜8.5質量%がより好ましい。
経口製剤が液剤の場合、0.012〜0.1質量%が好ましく、0.016〜0.07%質量%がより好ましい。また固形剤の場合、0.4〜9質量%が好ましく、0.8〜8.5質量%が好ましい。
(B)成分の含有量が上記下限値以上であると、塩濃度が高い環境における増粘効果が得られやすくなる。
(B)成分の含有量が上記上限値以下であると、塩濃度が低い環境において粘度が高くなりすぎず服用性が高められやすくなる。また、塩濃度が高い環境における増粘効果が得られやすくなる。
特に、液剤、口腔内崩壊錠剤、トローチ剤とした場合に、服用性が高められやすくなる。また、経口製剤を製造する際に、(A)成分及び(B)成分を水に添加した場合等のハンドリング性が良好となり、経口製剤を製造しやすくなる。
[100×前記(B)成分]/[前記(A)成分]で表される質量比率[(A)成分の含有量に対する、(B)成分の含有量の質量百分率、以下、単に「B/A比」ともいう。]は、4〜10であり、6〜8が好ましい。B/A比が前記下限値以上であると、塩濃度が高い環境において充分な増粘効果が得られる。B/A比が前記上限値以下であると、塩濃度が低い環境において粘度が低くなり流動性が高められる。また、塩濃度が高い環境において充分な増粘効果が得られる。
(A)成分と(B)成分のイオン当量比は、0.03〜0.39が好ましい。前記イオン当量比が前記下限値以上であると、塩濃度が高い環境において増粘効果が得られやすくなる。前記イオン当量比が前記上限値以下であると、塩濃度が低い環境において粘度が高くなりすぎず、良好な流動性が得られやすくなる。そのため、良好な服用性が得られやすくなる。さらに、経口製剤を製造する際にハンドリング性が良好となり、経口製剤を製造しやすくなる。
なお、本発明におけるイオン当量比とは、[(B)成分中のアルミニウムのモル濃度×3(アルミニウムの原子価)]/[(A)成分のモル濃度×エーテル化度]で示される値である。
<任意成分>
経口製剤は、(A)成分及び(B)成分以外の任意成分を含有してもよい。
任意成分としては、生理活性成分((C)成分)、固形剤又は液剤等に添加される添加剤等が挙げられる。
<(C)成分>
(C)成分は、生理活性成分である。(C)成分としては、例えば、解熱鎮痛消炎剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、鎮咳去痰剤、止瀉剤、腹痛薬、整腸剤、H受容体拮抗剤、鎮痛鎮痙剤、ビタミン類等が挙げられる。
解熱鎮痛消炎剤としては、例えば、アセトアミノフェン、フェナセチン、メフェナム酸、ジクロフェナク、アスピリン、エテンザミド、サリチルアミド、サリチル酸、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェンブフェン、メピリゾール、インドメタシン、ロキソプロフェン、無水カフェイン等が挙げられる。
抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤としては、例えば、シプロヘプタジン塩酸塩水和物、ジフェンヒドラミン、クレマスチンフマル酸塩、アゼラスチン塩酸塩、オキサトミド、メキタジン、エピナスチン塩酸塩、エバスチン、セチリジン塩酸塩、フェキソフェナジン塩酸塩、オロパタジン塩酸塩、ロラタジン等が挙げられる。
鎮咳去痰剤としては、例えば、コデインリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ジメモルファンリン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩、カルボシステイン、アセチルシステイン、エチルシステイン、ブロムヘキシン塩酸塩、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、アンブロキソール、テオフィリン、アミノフィリン等が挙げられる。
止瀉剤、腹痛薬としては、例えば、ロートエキス、シャクヤクエキス、エンゴサク、カンゾウ、塩酸ロペラミド、クレオソート、アクリノール、サリチル酸フェニル、グアヤコール、次サリチル酸ビスマス、次硝酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、タンニン酸アルブミン、カオリン、ペクチン、沈降炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、アセンヤク、ウバイ、ゲンノショウコ、五倍子、サンザシ、クジン、センブリ、ヨウバイヒ、コウボク、トリメブチンマレイン酸塩、チキジウム臭化物、メペンゾラート臭化物、ロペラミド、クレオソート、アカメガシワ、オウバク等が挙げられる。
整腸剤としては、例えば、生菌成分が挙げられる。生菌成分としては、例えば、ビフィズス菌、乳酸菌等が挙げられる。ビフィズス菌としては、例えば、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ビフィダム等が挙げられる。乳酸菌としては、例えば、ラクトバチルス・アシドフィルス、ストレプトコッカス・フェカリス等が挙げられる。
受容体拮抗剤としては、例えば、ファモチジン、シメチジン、ラニチジン塩酸塩、ニザチジン、塩酸ロキサチジンアセタート等が挙げられる。
鎮痛鎮痙剤としては、例えば、N−メチルスコポラミンメチル硫酸塩、臭化水素酸スコポラミン、臭化メチルアトロピン、臭化メチルスコポラミン、ベラドンナエキス、アミノ安息香酸エチル、臭化ブチルスコポラミン、臭化チメピジウム等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンAまたはその誘導体(レチノール、パルミチン酸レチノール等)、ビタミンBまたはその誘導体(硝酸チアミン等のビタミンB1、リン酸リボフラビンナトリウム等のビタミンB2、塩酸ピリドキシン等のビタミンB6、ビタミンB12、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム等のビタミンB5等)、ビタミンCまたはその誘導体(アスコルビン酸等)、ビタミンDまたはその誘導体、ビタミンEまたはその誘導体(トコフェロール、酢酸トコフェロール等)が挙げられる。
また、(C)成分としては、上記以外に、例えば、グルクロノラクトン、ヒアルロン酸、ローヤルゼリー、塩化カルニチン、タウリン等が用いられてもよい。
(C)成分は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
経口製剤が、固形剤(錠剤、顆粒剤、口腔内崩壊錠、チュアブル錠等)等の場合に添加される添加剤としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、甘味剤、防腐剤、香料、色素等が挙げられる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、コーンスターチ、結晶セルロース、バレイショデンプン;マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、パラチニット、ラクチトール等の糖アルコール等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、アルファー化デンプン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、寒天、ハチミツ等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
甘味剤としては、例えば、ショ糖、果糖、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア、精製白糖、サッカリン、グリチルリチン等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラベン類、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
香料としては、例えば、メントール、リモネン、オレンジフレーバー、ライチフレーバー、レモンフレーバー、ライムフレーバー、ストロベリーフレーバー、パイナップルフレーバー、ミントフレーバー、グレープフルーツフレーバー等が挙げられる。
色素としては、例えば、カラメル、カルミン、カロチン液、β−カロテン、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム等が挙げられる。
これらの添加剤は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
経口製剤が、液剤、グミ、ゼリー剤、ペースト剤等の場合に添加される添加剤としては、pH調整剤、甘味剤、増粘剤、保存剤・防腐剤、安定化剤等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、コハク酸、酢酸、酢酸アンモニウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、ホウ砂、乳酸、乳酸カルシウム水和物、乳酸ナトリウム、リンゴ酸等が挙げられる。
甘味剤としては、例えば、ショ糖、液糖、果糖、果糖ブドウ糖液、ブドウ糖果糖液糖、還元麦芽糖水アメ、黒砂糖、高果糖液糖、ブドウ糖、粉末還元麦芽糖水アメ、水アメ、高ブドウ糖水アメ、乳糖、白糖、精製白糖、精製白糖球状顆粒、ハチミツ、精製ハチミツ、単シロップ、エリスリトール、キシリトール、D−ソルビトール、D−ソルビトール液、マルチトール、マルチトール液、マルトース、D−マンニトール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、アマチャ抽出物、甘草抽出物、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビア抽出物、ネオテーム、ソーマチン、グリシン、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、甘草等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、寒天、ゼラチン、ペクチン、カラギーナン、ローカストビーンガム、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、プルラン、アラビアゴム、グルコマンナン、カードラン、アルギン酸、アルギン酸塩等の天然水溶性高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸部分中和物、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸部分中和物塩等の合成水溶性高分子等が挙げられる。
保存剤・防腐剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、エタノール、エデト酸ナトリウム、乾燥亜硫酸ナトリウム、カンテン、dl−カンフル、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリセリン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸フェニル、ジブチルヒドロキシトルエン、D−ソルビトール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、プロピレングリコール、l−メントール、ユーカリ油等が挙げられる。
安定化剤としては、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスパラギン酸ナトリウム、アミノエチルスルホン酸、DL−アラニン、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、L−アルギニン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルブミン、イオウ、イノシトール、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エリソルビン酸、エルソルビン酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩酸システイン、カカオ脂、果糖、カルボキシビニルポリマー、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥炭酸ナトリウム、キサンタンガム、キシリトール、クエン酸カルシウム、グリセリン脂肪酸エステル、グリチルリチン酸二ナトリウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、酢酸トコフェロール、酢酸ナトリウム、β−シクロデキストリン、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化カルシウム、精製ゼラチン、精製大豆レシチン、セスキオレイン酸ソルビタン、セタノール、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール液、大豆油不けん化物、デキストラン、天然ビタミンE、トコフェロール、d−δ−トコフェロール、ニコチン酸アミド、乳糖、濃グリセリン、パントテン酸カルシウム、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ブドウ糖、フマル酸−ナトリウム、ベントナイト、没食子酸プロピル、ポリアクリル酸部分中和物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリソルベート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ジブチルエーテル混合物、マクロゴール、マルトース、D−マンニトール、無水ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、メチルセルロース、モノステアリン酸グリセリン、薬用炭、ラウリル硫酸ナトリウム、卵白アルブミン等が挙げられる。
これらの添加剤は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の経口製剤は、粒状剤(散剤、顆粒剤、腸溶性顆粒剤等)、錠剤(素錠、糖衣錠、コーティング錠、腸溶錠、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠等)、カプセル剤、丸剤、液剤、グミ剤、トローチ剤、ゼリー剤等の製剤とされる。
本発明の経口製剤は、塩濃度が低い環境では流動性が高く、塩濃度が高くなる環境では増粘及び/又はゲル化することで、流動性が低下し滞留性が高められる。
そのため、本発明の経口製剤は、該製剤の製造時におけるハンドリング性が良好であり、塩濃度が低い口腔内や胃内では流動性が高く、良好な服用性が得られる。また、塩濃度が高くなる腸内では増粘及び/又はゲル化することで、流動性が低下し腸内での滞留時間が長くなり、経口製剤に配合された生理活性成分等が持続的に腸で吸収される。
かかる本発明の効果をより享受できる点から、経口製剤の剤形としては、液剤、グミ剤、口腔内崩壊錠、トローチ剤、ゼリー剤等が好ましく、液剤が特に好ましい。
また、かかる本発明の効果をより享受できる点から、経口製剤の薬効分類としては、眠気防止薬、鎮うん薬、整腸薬、抗アレルギー薬、胃腸薬、止瀉薬、解熱鎮痛薬が好ましく、胃腸薬、止瀉薬が特に好ましい。さらに、本発明の経口製剤は、過敏性腸症候群の改善に適用できる。
本発明の経口製剤は、剤形に応じ、常法により製造される。例えば、本発明の経口製剤が、粒状剤や錠剤の場合であれば、経口製剤の配合成分((A)成分と(B)成分と必要に応じて任意成分)をそのまま混合し、あるいは前記配合成分の一部または全部に造粒やコーティングを施してから混合して粒状混合物を製造し、これを粒状剤(顆粒剤、細粒剤、散剤)とすることができる。また、前記粒状混合物を打錠し、さらに必要に応じてコーティングを行い、錠剤とすることができる。
本発明の経口製剤が、液剤の場合であれば、特に制限されないが、例えば、日本薬局法製剤総則「液剤」の項に準じて製造することができる。この際、ろ過、滅菌等の処理が施されてもよい。
以上、説明したとおり、本発明の経口製剤は、(A)成分及び(B)成分を、特定の質量比率で含有するため、塩濃度が低い環境では粘度が高くなりすぎず、塩濃度が高くなる環境では増粘する。
そのため、本発明の経口製剤は、塩濃度が低い環境、例えば、製剤の製造時においてはハンドリング性が良好であり製造しやすい。口腔内や胃内では流動性が高く、良好な服用性が得られる。また、塩濃度が高い環境、例えば、腸内では増粘して流動性が低下し滞留する。これにより、経口製剤に配合された生理活性成分等を持続的に吸収させられる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(使用原料)
<(A)成分>
A−1:カルボキシメチルセルロース、「製品名:P−815C」、第一工業製薬株式会社製、1質量%水溶液の粘度(25℃):300mPa・s、エーテル化度:0.82。A−2を室温条件下、3年間保管したもの。
A−2:カルボキシメチルセルロース、「製品名:P−815C」、第一工業製薬株式会社製、1質量%水溶液の粘度(25℃):1500mPa・s、エーテル化度:0.82。
<(A’)成分、(A)成分の比較成分>
A’−1:カルボキシメチルセルロース、「製品名:F−BSH−12」、第一工業製薬株式会社製、1質量%水溶液の粘度(25℃):2770mPa・s、エーテル化度:0.7。
A’−2:カルボキシメチルセルロース、「製品名:AGガムM」、第一工業製薬株式会社製、1質量%水溶液の粘度:60.5mPa・s。
A’−3:アルギン酸ナトリウム、「製品名:キミカアルギンI−8」、株式会社キミカ製、1%水溶液の粘度(25℃):800〜900mPa・s。
A’−4:キサンタンガム、「製品名:エコーガム」、DSP五協フード&ケミカル株式会社製、1%水溶液の粘度(25℃):1000mPa・s。
A’−5:ヒドロキシプロピルセルロース、「製品名:HPC−H」、日本曹達株式会社製、1%水溶液の粘度(25℃):1000〜4000mPa・s。
<(B)成分>
B−1:硫酸カリウムアルミニウム、「試薬」、和光純薬工業株式会社製。
B−2:アルミニウムグリシネート、「製品名:グリシナール」、協和化学工業株式会社製。
B−3:乾燥水酸化アルミニウムゲル、「製品名:S−100」、協和化学工業株式会社製。
B−4:メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、「製品名:ノイシリン」、富士化学工業株式会社製。
B−5:ケイ酸アルミン酸マグネシウム、「製品名:合成ケイ酸アルミニウム」、協和化学工業株式会社製。
<(B’)成分、(B)成分の比較成分>
B’−1:乳酸カルシウム、「試薬」、和光純薬工業株式会社製。
B’−2:塩化カリウム、「試薬」、和光純薬工業株式会社製。
(実施例1〜17、比較例1〜13)
表1〜3の組成に従い、(A)成分及び(B)成分を水に添加し充分に撹拌した後、NaOHでpHを4.5〜6.0に調整して実施例1〜17、比較例1〜2の経口製剤(液剤)を得た。
(A)成分に代えて(A’)成分を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3,4,9,11〜12の経口製剤を得た。
(B)成分に代えて(B’)成分を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例5,6の経口製剤を得た。
(A)成分に代えて(A’)成分を用い、(B)成分に代えて(B’)成分を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例10,13の経口製剤を得た。
(A)成分又は(B)成分を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例7,8の経口製剤を得た。
表1〜3に、得られた各例の経口製剤の組成(配合成分、含有量(質量%))を示す。
表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
表中、配合成分の含有量は純分換算量を示す。
pH調整剤の含有量を示す「適量」は、経口製剤のpHを上記範囲に調整するのに要した量である。
水の含有量を示す「バランス」は、経口製剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
表中、比較例3〜4,9,11〜12の「B/A比」は、「100×(B)成分/(A’)成分」で表される質量比率を示し、比較例5〜6の「B/A比」は、「100×(B’)成分/(A)成分」で表される質量比率を示し、比較例10,13の「B/A比」は、「100×(B’)成分/(A’)成分」で示される質量比率を示す。
<粘度の測定方法>
本発明における粘度の測定は、第15改正日本薬局方の一般試験法に記載の粘度測定法に準拠して行った。
粘度の測定は、測定対象である経口製剤を25℃に調整し、単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)を用いて行った。前記粘度計としては、RB−80L(東機産業株式会社製)を用いた。
経口製剤の粘度は、ロータを60rpmの条件で回転させ、回転を開始してから1分後に測定される値である。測定に使用するロータは、ロータNo.1〜2(経口製剤の粘度が100mPa・s未満の場合)、ロータNo.3(経口製剤の粘度が100〜5000mPa・sの場合)、ロータNo.4(経口製剤の粘度が5000mPa・s超の場合)である。
<増粘効果の評価方法>
各例の経口製剤について、塩濃度が低い環境での粘度(粘度(1))、塩濃度が高い環境での粘度(粘度(2))を測定し、増粘効果を以下のように評価した。
評価結果を表1〜3に示す。
なお、粘度(1)よりも粘度(2)が大きければ、塩濃度が高い環境において増粘効果を有するといえる。また、粘度(2)と粘度(1)との差が大きいほど、増粘効果が高いといえる。
本発明においては、粘度(1)よりも粘度(2)が大きく[粘度(1)<粘度(2)]、かつ、粘度(2)の評価がA〜Dを合格とした。
[粘度(1)の測定方法]
各例の経口製剤について、上記<粘度の測定方法>に従い測定した粘度を粘度(1)とした。なお、粘度(1)は、塩非含有(塩濃度0質量%)時の経口製剤の粘度である。
また、粘度(1)を下記判定基準に従って分類した。なお、下記判定基準においてA〜Cであれば、経口製剤の流動性が高く口腔内において良好な服用性が得られやすいと評価できる。粘度(1)の判定基準としては、Aが最も好ましい。
≪粘度(1)の判定基準≫
A:0mPa・s以上1000mPa・s未満。
B:1000mPa・s以上2000mPa・s未満。
C:2000mPa・s以上3000mPa・s未満。
D:3000mPa・s以上。
[粘度(2)の測定方法]
粘度(1)を測定した後の各例の経口製剤に、0.6質量%相当の塩化ナトリウムを添加して充分に攪拌した。次いで、NaOHでpHを4.5〜6.0に調整した。その後上記<粘度の測定方法>に従い粘度を測定し、その粘度を粘度(2)とした。
また、粘度(2)を下記判定基準に従って分類し評価した。下記判定基準においてA〜Dであれば、経口製剤が腸内において増粘し滞留性が高められると評価できる。粘度(2)の判定基準としては、Aが最も好ましい。
≪粘度(2)の判定基準≫
A:6000mPa・s以上。
B:5000mPa・s以上6000mPa・s未満。
C:4000mPa・s以上5000mPa・s未満。
D:3000mPa・s以上4000mPa・s未満。
E:3000mPa・s未満。
Figure 2017160192
Figure 2017160192
Figure 2017160192
表1〜3に示すように、本発明を適用した実施例1〜17の経口製剤は、粘度(1)<粘度(2)であり、かつ、粘度(2)の評価がA〜Dであり、塩濃度が高い環境において充分な増粘効果を有することが確認できた。
一方、本発明の要件を満たさない比較例1〜13の経口製剤は、粘度(2)の評価がEとなり、塩濃度が高い環境において充分な増粘効果が得られなかった。
次に、本発明の経口製剤を、各剤形とした場合の組成例を示す。ただし、本発明の経口製剤は、以下の組成例に限定されない。
<固形剤(1回服用量:2錠)>
A−1 500mg
B−1 40mg
結晶セルロース 50mg
クロスポビドン 20mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
l-メントール 0.5mg
グレープフルーツ系香料 1mg
B/A比=8
上記成分を定法により混合し打錠して固形剤とした。
<グミ剤a(1回服用量:3粒)>
A−1 500mg
B−1 40mg
ペクチン 100mg
水 2000mg
クエン酸 150mg
砂糖 1000mg
アップル系香料 10mg
B/A比=8
A−1、B−1及びペクチンに水を加え混合した。これに、クエン酸、砂糖、香料を加えて混合し生地にした。この生地を型に充填し冷却固化してグミ剤とした。または、この生地をスターチモールド(例えば、トレー内にスターチを充填し、その表面を平らに圧密してスターチ層とした後、このスターチ層に凸型を押しつけることにより形成された凹窩)に注入し、次いで24時間程度静置した。この静置の間に、生地から遊離する水分がスターチモールドに移行し、生地が固化した。その後、固化した生地を取り出し、スターチ粉を取り除き、グミ剤とした。
さらに、得られたグミ剤に食用油脂やザラメなどによる被覆を施してもよい。この被覆によってグミ剤同士が相互に結着することを防止しやすくなる。
<グミ剤b(1回服用量:3粒)>
A−1 500mg
B−1 40mg
ゼラチン 100mg
水あめ 300mg
1/5濃縮ぶどう果汁 50mg
水 1500mg
クエン酸 150mg
砂糖 1000mg
グレープ系香料 10mg
B/A比=8
A−1、B−1及び砂糖に水を加え混合した。これに、予め水で膨順させたゼラチン及び水あめを加え加熱溶解し、1/5濃縮ぶどう果汁、水で5倍希釈したクエン酸、グレープ系香料を加えて混合し生地とした。この生地を型に充填し冷却固化してグミ剤とした。または、この生地をスターチモールド(例えば、トレー内にスターチを充填し、その表面を平らに圧密してスターチ層とした後、このスターチ層に凸型を押しつけることにより形成された凹窩)に注入し、次いで24時間程度静置した。この静置の間に、生地から遊離する水分がスターチモールドに移行し、生地が固化した。その後、固化した生地を取り出し、スターチ粉を取り除き、グミ剤とした。
さらに、得られたグミ剤に食用油脂又はザラメなどによる被覆を施してもよい。この被覆によってグミ剤同士が相互に結着することを防止しやすくなる。
<液剤(1回服用量:100mL)>
A−1 500mg
B−1 40mg
リンゴ果汁 100mg
ブドウ糖 2000mg
安息香酸ナトリウム 60mg
乳酸 30mg
はちみつ 3000mg
アップル系香料 20mg
水 残分
B/A比=8
A−1、B−1に水を加えて充分に撹拌した。その後、他の成分を加え混合して液剤を製造した。
<ゼリー剤(1回服用量:100mL)>
A−1 500mg
B−1 30mg
ゼラチン 1000mg
砂糖 2000mg
クエン酸ナトリウム 100mg
クエン酸 100mg
スクラロース 40mg
グレープ系香料 300mg
水 残分
B/A比=6
A−1、B−1に水を加えて混合した。これに、予め水に膨順させたゼラチン、砂糖及びクエン酸ナトリウムを加え加熱溶解した後、さらに他の成分を加えて撹拌した(クエン酸は水溶液としたものを添加した)。その後冷却してゼリー剤を製造した。
なお、上記に示した各剤形組成例は、A−1をA−2に置き換えても、同様な作用効果を有する経口製剤が得られる。

Claims (6)

  1. (A)25℃における1質量%水溶液の粘度が250〜2000mPa・sであるカルボキシメチルセルロース又はその塩と、(B)アルミニウム含有化合物とを含有し、
    [100×前記(B)成分]/[前記(A)成分]で表される質量比率が4〜10である、経口製剤。
  2. 前記(B)成分が、硫酸カリウムアルミニウム、アルミニウムグリシネート、乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウムよりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の経口製剤。
  3. 前記(A)成分の含有量が0.3〜1質量%である、請求項1又は請求項2に記載の経口製剤。
  4. 前記(A)成分のエーテル化度が0.6〜1.0である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の経口製剤。
  5. さらに、(C)生理活性成分を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の経口製剤。
  6. 前記経口製剤の剤形が、粒状剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、液剤、グミ剤又はゼリー剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の経口製剤。
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