JP2017160146A - フルオレン化合物、フルオレン化合物の製造方法及び有機発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式(1)で表されるフルオレン化合物。
(R1〜R4は夫々独立にH、C1〜10のアルキル基又は一般式(2)で表される基、R1〜R4から選ばれる1つは式(2)で表される基;R5〜R8は夫々独立にH又はC1〜10のアルキル基;R9及びR10は夫々独立にH、炭化水素基又は複素環基;R9及びR10は互いに結合して環を形成してもよい;*は結合位置を示す;Xはハロゲン原子;Y1はアリール基又はヘテロアリール基;Z1はH又はC1〜10のアルキル基)
【選択図】なし
Description
BF2DKについては、BF2DKに含まれる芳香環のπ電子数を変化させて、蛍光収率を向上させ得ることが報告されている(例えば、非特許文献1)。
また、有機電子発光(以下、ELという)素子に用いられる別の化合物として、蛍光発光基を有するフェナントレン誘導体が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、蛍光発光性有機芳香族化合物として、フルオレン骨格をアリール基の一つとして有するボロン−ジケトン−ジアリール錯体が報告されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、例えば、特許文献1に記載の蛍光発光性有機芳香族化合物は、蛍光収率については具体的に何ら記載されていない。
また、非特許文献1の、ジベンゾイルメタン、ナフチル基又はアントリル基を有するボロン−ジケトン−ジアリール錯体のほとんどは、蛍光収率が0.5以下であり、有機発光素子等として有用なレベルの蛍光収率を有する蛍光発光性有機芳香族化合物とは言い難い。一方、非特許文献1中に記載された、2つのアントリル基を有するボロン−ジケトン−ジアリール錯体は、非常に高い蛍光収率を示すと記載されているが、非特許文献1に記載の蛍光発光性有機芳香族化合物の蛍光収率は相対的な方法によって測定されたものであるため、実用上有用な値の蛍光収率が得られることが裏付けられたわけではない。
このように、実用上容認できる発光効率で、青色発光を示すものは限定されており、青色発光を有し、かつ蛍光収率が上記デバイス等に有用な高いレベルであると認められる蛍光発光性有機芳香族化合物が望まれていた。
<1>下記一般式(1)で表されるフルオレン化合物である。
数値範囲を表す「〜」はその上限及び下限の数値を含む範囲を表す。
また、本明細書中、ハロゲン化ボロン−アリール−ジケトン基を有するフルオレン化合物を製造するために用いられる化合物、例えば、アリール−ジケトン基を有するフルオレン化合物(β−ジケトン誘導体とも称する)やアシル基を有するフルオレン化合物を、総称してフルオレン前駆体化合物と称することもある。また、本明細書中において、「ボロン−アリール−ジケトン錯体」、「ハロゲン化ボロン−アリール−ジケトン基」及び「アリール−ジケトン基」のアリールには、アリール基だけでなくヘテロアリール基を含むものとする。
また、本明細書中、「蛍光収率」は、蛍光量子収率と同じ意味である。
本発明のフルオレン化合物は、下記一般式(1)で表される。
また、本発明のフルオレン化合物は、固体状態でも高い蛍光収率を有する。このため、本発明のフルオレン化合物を、固体状態で薄膜化し電極を製造(デバイス化)しても、光子を効率よく波長変換して蛍光発光させることが可能である。
飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基などの炭素数1〜20のアルキル基、及び、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数5〜20のシクロアルキル基が挙げられる。
不飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、アリル基などの炭素数2〜20のアルケニル基及び炭素数2〜20のシクロアルケニル基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。
芳香脂肪族炭化水素基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基などの炭素数6〜10のアラルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。アシル基としては、例えば、アセチル基などの炭素数1〜10のアシル基が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニルなどの炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
また、複素環基は、例えば、ピペリジン基、ピリジン基、ピロール基、イミダゾリル基
チオフェン基などが挙げられる。
R9及びR10は、互いに環を形成してもよく、環としては、例えば、炭素数5〜10のシクロアルカン環、フルオレニル基やジベンゾフラニル基などの縮合多環式アレーン環及びインドリル基やピペリジル基などの複素環が挙げられる。
一般式(3)で表されるフルオレン化合物、すなわち一般式(1)中のR2の位置に、1つのフッ化ボロン−アリール−ジケトン基が結合することで、フルオレン化合物により高い蛍光収率をもたらす。
上記の中でも、蛍光収率の点からは、単環式のアリール基及び単環式のヘテロアリール基が好ましい。
上記の置換基の種類は特に限定されないが、蛍光収率の観点からは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜6のアシル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基がより好ましい。
また、これらの置換基は、アリール基又はヘテロアリール基のどの位置に導入されていてもよく、アリール基又はヘテロアリール基の種類、及び置換基の種類を考慮し適宜選択される。例えば、Y1がフェニル基である場合には、蛍光収率の観点から、置換基は、フェニル基を構成する炭素原子のうちの、βジケトンに連結する炭素原子に対してパラ位に導入されていることが好ましい。
蛍光寿命及び速度定数は、小型蛍光寿命測定装置(C11367−01、浜松フォトニクス(株)製)を用いて、各有機溶媒中における上記化合物の蛍光寿命(τf)を測定し、上記で得られた蛍光量子収率(Φf)と蛍光寿命(τf)との関係から、速度定数(kf)を算出することができる。
本発明のフルオレン化合物の製造方法は、下記一般式(4)で表される化合物と、下記一般式(5)で表されるカルボニル基含有化合物と、を、塩基の存在下、−10℃〜10℃の温度で反応させることにより下記一般式(6)で表されるβ−ジケトン誘導体を合成するβ−ジケトン誘導体合成工程と、前記β−ジケトン誘導体合成工程によって得られた下記一般式(6)で表されるβ−ジケトン誘導体と、ハロゲン化ほう素と、を反応させることにより、下記一般式(1)で表される錯体を形成する錯体形成工程と、を含む。
以下、それぞれの工程について説明する。
本発明のβ−ジケトン誘導体合成工程は、下記一般式(4)で表される化合物と、下記一般式(5)で表されるカルボニル基含有化合物と、を、塩基の存在下に、−10℃〜10℃の温度条件で反応させることで、下記一般式(6)で表されるβ−ジケトン誘導体を得ることができる。すなわち、前記反応においては、温度条件を−10℃〜10℃とすることで、縮合反応をすみやかに進行させつつ副生成物を抑制することができるので、十分な収量のβ−ジケトン誘導体を得ることができる。
R11〜R14のうち、いずれが炭素数1〜12のアシル基であってもよいが、フルオレン化合物の製造のし易さからは、R12又はR13が炭素数1〜12のアシル基であることが好ましい。R11〜R14のうち、前記一般式(2)で表される基以外は、蛍光収率の観点からは、R11〜R14中、0個〜2個が炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、すべてのR11〜R14が水素原子であることがより好ましい。また、アルキル基としては、炭素数は1〜10がより好ましく、1〜8が特に好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基及びt−ブチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
炭素数1〜12のアシル基としての好ましい炭素数及び種類は、合成操作の容易さから、炭素数は1〜6が好ましく、炭素数は1〜2がより好ましい。
上記のR70としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ビニル基、フェニル、ベンジル基、フェネチル基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基及びt−ブチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
従来、アシル基を有するフルオレンのβジケトン化、すなわちカルボニル基含有化合物とアシル基を有するフルオレンとの縮合反応は容易ではなく、室温や高い温度などの通常の方法では該縮合反応が進行せず、結果としてフルオレン前駆体化合物(β−ジケトン誘導体)は全く得られていなかった。しかし、本発明の製造方法においては、該縮合反応を、−10℃〜10℃の温度という限定した条件下で行う過程を含むことで、縮合反応後の一定の収率を確保でき、かつ、副生成物の生成を抑えることが可能である。
気下又は流通下で行ってもよい。また、反応は、常圧下、加圧下、又は減圧下で行っても
よい。さらに、反応は、攪拌しながら行ってもよく、還流しながら行ってもよい。
錯体形成工程においては、前記β−ジケトン誘導体合成工程によって得られた一般式(5)で表される化合物とハロゲン化ほう素とを反応させることにより、下記一般式(1)で表される錯体をより効率的に合成することができるので有利である。
本発明の有機発光素子は、上記一般式(1)で表されるフルオレン化合物を含む。
有機発光素子としては、例えば、表示装置、照明装置の構成部材、電子写真方式の画像形成装置の露光光源、液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルターを有する発光装置等に用いることができる。表示装置としては、例えば、有機発光素子を表示部に用い、有機発光素子とトランジスタのドレイン電極又はソース電極と接続させて発光輝度を制御することにより、PC等の画像表示装置として用いることができる。
(試薬及び化合物の同定方法)
フルオレン化合物の調製に試薬は、すべて市販のものを用いた。また、合成した生成物については、NMR測定によって確認した。NMR測定においてはVarian社製のNMR System 600MHzを用いた。
実施例1に用いる化合物A−1は、以下のように合成した。
本発明のフッ化ボロン−アリール−ジケトン基を有するフルオレン化合物(化合物A−1)は、市販の2−アセチルフルオレン(Aldrich社製)とメチルベンゾエートとのクライゼン縮合反応(β−ジケトン誘導体合成工程)によってβジケントン体である化合物1aを得た後、錯体形成反応(錯体形成工程)によって合成した。
2−アセチルフルオレン416mg(2mmol)と、安息香酸メチル0.3ml(2.2mmol)を、無水THF20mlに加え、氷浴中(0℃)、10分間撹拌した。その後、不活性ガス雰囲気下、水素化ナトリウム(60%鉱油分散物)800mg(20mmol)を添加し、0℃で30分間撹拌した後、還流条件(66℃)下で3時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、20%塩化アンモニウム水溶液30mlを加え反応後溶液を得た。反応後溶液中の反応後生成物を酢酸エチルで抽出し、抽出された溶液中の反応後生成物は20%塩化アンモニウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄して溶媒を留去した。さらに、溶媒の留去後に得られた反応後生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル(15:1、v/v)]で分離後に展開溶媒を除去することで、220mgの生成物を得た。生成物について、NMR測定を行い下記結果を得た。
13C−NMR(150MHz,CDCl3) δC=186.3,185.3,146.2,144.5,143.6,140.8,135.8,134.0,132.5,128.8,128.1,127.3,127.2,126.6,125.4,124.0,120.9,120.0,93.3,37.1.
HRMS(FAB−TOF)m/z calcd.for C22H16O2 312.1150[M+],found 312.1168.
以上の測定結果によって、化合物1aが収率35%で得られたことを確認した。
312mgの化合物1a(0.74mmol)、BF3/Et2O(三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、46%濃度)0.28ml(1mmol)をベンゼン10mlに加え、1時間還流した。反応終了後、析出した固体を吸引ろ過し、ベンゼンで洗浄後乾燥することで、200mgの生成物を得た。生成物について、NMR測定を行い下記結果を得た。
13C−NMR(150MHz,CDCl3) δC=186.3,185.3,146.2,144.5,143.6,140.8,135.8,134.0,132.5,128.8,128.1,127.3,127.2,126.6,125.4,124.0,120.9,120.0,93.3,37.1.
HRMS(FAB−TOF)m/z calcd. for C22H15BF2O2 360.1133[M+],found 360.1170.
以上の測定結果によって、化合物A−1が収率50%で得られたことを確認した。
実施例2に用いる化合物A−2は、以下のように合成した。
化合物A−2も上記の化合物A−1と同様の工程によって合成した。
2−アセチルフルオレン416mg(2mmol)と、p−アニス酸メチル365mg(2.2mmol)を、無水THF20mlに加え、氷浴中(0℃)、10分間撹拌した。その後、不活性ガス雰囲気下、水素化ナトリウム(60%鉱油分散物)800mg(20mmol)を添加し、0℃で30分間撹拌した後、還流条件(66℃)下で3時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、20%塩化アンモニウム水溶液30mlを加え反応後溶液を得た。反応後溶液中の反応後生成物を酢酸エチルで抽出し、抽出された溶液中の反応後生成物は20%塩化アンモニウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄して溶媒を留去した。さらに、溶媒の留去後に得られた反応後生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル(5:1、v/v)]で分離後に展開溶媒を除去することで、109mgの生成物を得た。生成物について、NMR測定を行い下記結果を得た。
13C−NMR(150MHz,CDCl3) δC=185.8,184.6,163.3,145.9,144.4,143.6,140.8,134.0,129.4,128.4,128.0,127.2,126.3,125.4,123.8,120.9,120.0,114.1,92.5,55.6,37.1.
HRMS(FAB−TOF)m/z calcd. for C23H18O3 342.1256[M+],found 342.1207.
以上の測定結果によって、化合物2bが収率16%で得られたことを確認した。
100mgの化合物2b(0.3mmol)、BF3/Et2O(三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、46%濃度)0.1ml(0.3mmol)をベンゼン10mlに加え、1時間還流した。反応終了後、析出した固体を吸引ろ過し、ベンゼンで洗浄後乾燥することで、100mgの生成物を得た。生成物について、NMR測定を行い下記結果を得た。
13C−NMR(150MHz,DMSO−d6) δC=180.9,180.6,165.6,148.1,145.0,143.9,139.6,132.1,129.7,128.9,128.6,127.2,125.8,125.5,123.6,121.7,120.7,115.0,93.3,56.0,36.5.
HRMS(FAB−TOF)m/z calcd. for C23H17BF2O3 390.1239[M+],found 390.1268.
以上の測定結果によって、化合物A−2が収率85%で得られたことを確認した。
上記にて調製したフルオレン化合物(A−1及びA−2)のそれぞれを含む各溶液(クロロホルム及びアセトニトリル)に対する蛍光の光物理特性(蛍光収率、蛍光寿命及び速度定数)を測定した。なお、上記のそれぞれの化合物を含む溶液を、実施例1〜2として用いた。
(蛍光収率等の測定)
絶対PL光量子収率測定装置(C9920−02、浜松フォトニクス(株)製)を用いて、クロロホルム及びアセトニトリルの各溶媒中における上記化合物の最大吸収波長(λabs/nm)、モル吸光係数、最大蛍光波長及び蛍光収率(Φf)を測定した。前記絶対PL光量子収率測定装置を用いることで、信頼性の高い蛍光収率の値を得ることができる。
また、吸収スペクトルについては、紫外可視分光光度計(Ubest−50、JASCO社製)を用いて測定し、蛍光発光スペクトルについては、蛍光分光光度計(F−4010、日立社製)を用いて測定した。
化合物A−1及び化合物A−2のアセトニトリル中での吸収スペクトル及び蛍光発光スペクトルを図1に示す。図1中、各化合物における励起スペクトルを実線で示し、蛍光スペクトルを破線で示す。
小型蛍光寿命測定装置(C11367−01、浜松フォトニクス(株)製)を用いて、クロロホルム及びアセトニトリルの各溶媒中における上記化合物の蛍光寿命(τf)を測定し、上記で得られた蛍光収率(Φf)と蛍光寿命(τf)との関係から、速度定数(kf)を算出した。蛍光収率、すなわち蛍光量子収率(Φf)とは、物質が吸収した光子のうち、蛍光として放出される光子の割合を表す。このため、蛍光収率が高いほど発光効率が良く、発光強度が強いことを示す。
また、蛍光寿命(τf)の値は分子固有の値を有し、速度定数の値(kf)は蛍光収率(Φf)を蛍光寿命(τf)で除した値である。
上記で得られた化合物(化合物A−1及び化合物A−2)をそれぞれ固体粉末状の試料とし、該試料を上記の絶対PL光量子収率測定装置付属のガラスシャーレにそれぞれ投入し、該試料を入れたガラスシャーレを上記の絶対PL光量子収率測定装置に設置した後は、上記の各化合物を溶解した溶液に対する最大蛍光波長及び蛍光収率を測定した条件と同じ条件で、最大蛍光波長及び蛍光収率の測定を行った。
また、化合物A−1及び化合物A−2は、固体粉末としての高い蛍光収率を有した。特に、化合物A−1の固体粉末の蛍光収率の値においては、電機励起による発光のうちの蛍光の限界効率が25%であることを考えると、非常に高レベルな蛍光収率の値であるものと考えられる。
このように、本発明のフルオレン化合物は、有機発光素子等として有用なレベルの蛍光発光効率を有する蛍光発光性有機芳香族化合物であることが示された。
Claims (6)
- 下記一般式(1)で表されるフルオレン化合物。
(一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は下記一般式(2)で表される基を表し、R1、R2、R3及びR4のうち1つは下記一般式(2)で表される基である。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基又は複素環基を表し、R9及びR10は互いに結合して環を形成してもよい。)
(一般式(2)中、*は前記一般式(1)で表される化合物との結合位置を示す。Xはハロゲン原子を示し、Y1はアリール基又はヘテロアリール基を表す。Z1は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。) - 前記一般式(1)で表されるフルオレン化合物は、下記一般式(3)で表される化合物である請求項1に記載のフルオレン化合物。
(一般式(3)中、R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びY1は、前記一般式(1)におけるのと同義である。) - 前記一般式(2)及び一般式(3)中、Y1は、フェニル基、フラニル基、チオフェン基及びピリジル基からなる群より選ばれる請求項1又は請求項2に記載のフルオレン化合物。
- 前記一般式(2)及び一般式(3)中、Y1はフェニル基である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフルオレン化合物。
- 下記一般式(4)で表される化合物と、下記一般式(5)で表されるカルボニル基含有化合物と、を、塩基の存在下、−10℃〜10℃の温度で反応させることにより下記一般式(6)で表されるβ−ジケトン誘導体を合成するβ−ジケトン誘導体合成工程と、
前記β−ジケトン誘導体合成工程によって得られた下記一般式(6)で表されるβ−ジケトン誘導体と、ハロゲン化ほう素と、を反応させることにより、下記一般式(1)で表される錯体を形成する錯体形成工程と、
を含む下記一般式(1)で表されるフルオレン化合物の製造方法。
(一般式(4)中、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜12のアシル基を表し、R11、R12、R13及びR14から選ばれる1つは炭素数1〜12のアシル基である。R15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。R19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基又は複素環基を表し、R19及びR20は互いに結合して環を形成してもよい。)
(一般式(5)中、Y2はアリール基又はヘテロアリール基を表す。Z2は、炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。)
(一般式(6)中、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は下記一般式(7)で表される基を表し、R21、R22、R23及びR24から選ばれる1つは下記一般式(7)で表される基である。R25、R26、R27及びR28は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。R29及びR30は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基又は複素環基を表し、R29及びR30は互いに結合して環を形成してもよい。)
(一般式(7)中、*は前記一般式(6)で表される化合物との結合位置を示す。Y1はアリール基又はヘテロアリール基を表す。Z1は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
(一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は下記一般式(2)で表される基を表し、R1、R2、R3及びR4から選ばれる1つは下記一般式(2)で表される基である。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基又は複素環基を表し、R9及びR10は互いに結合して環を形成してもよい。)
(一般式(2)中、*は前記一般式(1)で表される化合物との結合位置を示す。Xはハロゲン原子を示し、Y1はアリール基又はヘテロアリール基を表す。Z1は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。) - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のフルオレン化合物を含む有機発光素子。
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-
2016
- 2016-03-08 JP JP2016044688A patent/JP6682115B2/ja active Active
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