JP2012197259A - 新規フルオレン化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
上記式(1)において、R1は、例えば、炭化水素基、複素環基又は2つのR1が互いに結合して形成された炭化水素環であってもよく、R2は、炭化水素基であってもよく、mは0又は1であってもよく、R3は水素原子又は炭化水素基であってもよく、R4は脂肪族基又は芳香族基であってもよく、R1〜R4はさらに置換基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基など)を有していてもよい。
本発明のフルオレン化合物は、配位化合物(又は錯体)の配位子として用いることで、さらに、発光特性などを向上できる。そのため、本発明には、前記フルオレン化合物(前記式(1)で表される化合物)を配位子とする配位化合物(前記式(1)で表される化合物を構成する2つのエノール骨格の少なくとも一方が配位した化合物)も含まれる。このような配位化合物は、例えば、下記式(2)で表される構造を有する化合物であってもよい。
上記式(2)において、Mは、例えば、ホウ素又は遷移金属(例えば、希土類元素、貴金属など)であってもよい。
上記式(2A)において、Lは、特に、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子など)であってもよい。
本発明の新規なフルオレン化合物は、下記式(1)で表される。
上記式(1)において、基R1で表される置換基としては、例えば、飽和脂肪族炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基などのC1−20アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC5−10シクロアルキル基)]、不飽和脂肪族炭化水素基[例えば、アルケニル基(例えば、アリル基などのC2−20アルケニル基)、シクロアルケニル基(例えば、シクロヘキセニル基などのC5−10シクロアルケニル基)など]、芳香族炭化水素基[例えば、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などのC6−10アリール基)、ビフェニリル基など]、芳香脂肪族炭化水素基[例えば、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリールC1−4アルキル基)など]などの炭化水素基;アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基などのC1−10アルコキシ基、好ましくはC1−6アルコキシ基など)などの基−OR10[式中、R10は炭化水素基(前記例示の炭化水素基など)を示す。];アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基などのC1−10アルキルチオ基、好ましくはC1−6アルキルチオ基など)などの基−SR10(式中、R10は前記と同じ。);アシル基(アセチル基などのC1−10アシル基など);アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシ−カルボニル基など);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など);ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;置換アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基などのジアルキルアミノ基など)などが挙げられる。
前記式(1)において、基R2としては、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、炭化水素基[例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基などのC6−10アリール基)など]などの非反応性置換基が挙げられ、特に、アルキル基などである場合が多い。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−12アルキル基(例えば、C1−8アルキル基、特にメチル基などのC1−4アルキル基)などが例示できる。なお、mが複数(2以上)である場合、基R2は互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、フルオレン(又はフルオレン骨格)を構成する2つのベンゼン環に置換する基R2は、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、フルオレンを構成するベンゼン環に対する基R2の結合位置(置換位置)は、特に限定されない。好ましい置換数mは、0〜1、特に0である。なお、フルオレンを構成する2つのベンゼン環において、置換数mは、互いに同一又は異なっていてもよい。
具体的な式(1)で表されるフルオレン化合物としては、例えば、9,9−ジアルキル−2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−アリール−2−プロペン−1−オン−1−イル]フルオレン{例えば、9,9−ジ(2−エチルヘキシル)−2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−フェニル−2−プロペン−1−オン−1−イル]フルオレン[又は3,3’−(9,9−ジ(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−3−オン)]などの9,9−ジC4−20アルキル−2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−C6−10アリール−2−プロペン−1−オン−1−イル]フルオレン}、9,9−ジアリール−2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−アリール−2−プロペン−1−オン−1−イル]フルオレン{例えば、9,9−ジフェニル−2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−フェニル−2−プロペン−1−オン−1−イル]フルオレンなどの9,9−ジC6−10アリール−2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−C6−10アリール−2−プロペン−1−オン−1−イル]フルオレン}、2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−アリール−2−プロペン−1−オン−1−イル]−9,9’−スピロビフルオレン{例えば、2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−フェニル−2−プロペン−1−オン−1−イル]−9,9’−スピロビフルオレンなどの2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−C6−10アリール−2−プロペン−1−オン−1−イル]−9,9’−スピロビフルオレン}、9,9−ジアルキル−2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−(アルコキシアリール)−2−プロペン−1−オン−1−イル]フルオレン{例えば、9,9−ジ(2−エチルヘキシル)−2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オン−1−イル]フルオレンなどの9,9−ジC4−20アルキル−2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−(C1−4アルコキシC6−10アリール)−2−プロペン−1−オン−1−イル]フルオレン}、9,9−ジアルキル−2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−(ハロアリール)−2−プロペン−1−オン−1−イル]フルオレン{例えば、9,9−ジ(2−エチルヘキシル)−2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−(4−ヨードフェニル)−2−プロペン−1−オン−1−イル]フルオレンなどの9,9−ジC4−20アルキル−2,7−ジ[3−ヒドロキシ−3−(ハロC6−10アリール)−2−プロペン−1−オン−1−イル]フルオレン}などの前記式(1)において、2つのR1が炭化水素基(特に、アルキル基、アリール基など)であるか又は互いに結合して炭化水素環(特に、芳香族炭化水素環)を形成し、mが0、R3が水素原子、R4が置換基[特にハロゲン原子などの脱離基(カップリング反応における脱離基)]を有していてもよい芳香族基である化合物などが挙げられる。
本発明のフルオレン化合物(前記式(1)で表される化合物)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、塩基の存在下で、下記式(1a)で表されるジカルボン酸又はその誘導体(例えば、エステルなどの誘導体)と、下記式(1b)で表される化合物(カルボニル化合物)とを反応させることにより効率よく得ることができる。すなわち、塩基の存在下で、これらを反応させることで、クライゼン縮合様の反応が進行し、前記式(1)で表される化合物(β−ジケトンのエノール形化合物)が得られる。
代表的な上記式(1a)で表される化合物としては、例えば、9,9−ジアルキル−2,7−ジカルボキシフルオレン{例えば、9,9−ジ(2−エチルヘキシル)−2,7−ジカルボキシフルオレンなどの9,9−ジC4−20アルキル−2,7−ジカルボキシフルオレン}、9,9−ジアリール−2,7−ジカルボキシフルオレン{例えば、9,9−ジフェニル−2,7−ジカルボキシフルオレンなどの9,9−ジC6−10アリール−2,7−ジカルボキシフルオレン}、2,7−ジカルボキシ−9,9’−スピロビフルオレン{例えば、2,7−ジカルボキシ−9,9’−スピロビフルオレンなどの2,7−ジカルボキシ−9,9’−スピロビフルオレン}などの前記式(1a)において、2つのR1が炭化水素基(特に、アルキル基、アリール基など)であるか又は互いに結合して炭化水素環(特に、芳香族炭化水素環)を形成し、mが0である化合物などが挙げられる。
本発明のフルオレン化合物は、フルオレン骨格[特に、9位に置換基(炭化水素基など)を有するフルオレン骨格]と、1,3−ジケトン骨格(又はそのエノール体骨格)とを組み合わせて有しており、通常、発光特性、電荷輸送能などを有している。また、溶媒に対する溶解性や、樹脂に対する分散性又は相溶性にも優れている。
上記式(2)において、Mは、前記電子受容体(アクセプター)の項で例示の非金属(原子)、半金属(原子)、金属(原子)が挙げられる。代表的なMとしては、ホウ素、リン、金属[例えば、希土類元素、貴金属(ロジウム、イリジウムなど)などの遷移金属など]などが挙げられる。2つのMは同一又は異なっていてもよく、通常同一であってもよい。
上記式(2’)において、配位子又は置換基Lとしては、前記例示の配位子や置換基などが挙げられる。式(2’)において、nの数は、Mの配位数などに応じて選択でき、例えば、0〜10、好ましくは0〜6、さらに好ましくは1〜4(例えば、2)程度であってもよい。なお、nの値が2以上である場合、複数のLは、同一又は異なる配位子及び/又は置換基であってもよい。また、2つのMに結合するLは、同一又は異なる配位子及び/又は置換基であってもよい。
上記式(2A)において、R1〜R4、Lおよびmは前記と同様である。好ましいLには、ハロゲン原子、特にフッ素原子が挙げられる。ホウ素−フッ素結合は安定であり、高い発光効率を配位化合物に安定的に付与しやすい。
サンプルを重クロロホルムに溶解し、日本電子製核磁気共鳴装置EX−400型で測定した。
サンプルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、東ソー製高速GPC装置HLC−8020(基準樹脂:ポリスチレン)で測定した。
溶液:サンプルをクロロホルムに溶解し1×10−5Mに調製し、吸収スペクトルは島津製作所製紫外・可視・近赤外分光光度計UV−3600で測定した。発光スペクトルおよび蛍光量子収率は蛍光分光光度計(堀場製作所製、Fluoromax−4)で測定した。
9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジカルボン酸(大阪ガスケミカル(株)製)10.0重量部と、メタノール100.0重量部とを反応槽に投入し、さらに、触媒として濃硫酸1.0重量部を反応槽に投入し、撹拌しながら17時間還流を行った。メタノールを除去し、トルエンと水を添加し水洗を行った。トルエンを除去し、ヘキサンから再結晶し白色の結晶を得た。得られた結晶は、NMRにより、9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジカルボン酸ジメチルであることを確認した。
合成例1で得られた9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジカルボン酸ジメチル1.000重量部及び水素化ナトリウム(油性)0.514重量部を反応槽に投入して窒素雰囲気にした後、さらに、テトラヒドロフラン(THF)15.000重量部を投入し、9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジカルボン酸ジメチルを溶解させた。50℃に昇温後、THF15.000重量部に溶解させた4−メトキシアセトフェノン0.593重量部を50分かけて滴下し、50℃を保ち24時間撹拌した。反応後、室温にまで冷却し、トルエンと塩酸水溶液を添加し水洗を行った。トルエンを除去し、溶出液としてクロロホルムとヘキサンを用いカラムクロマトグラフィーで目的物を分離し、溶媒を除去し、メタノールから再結晶し黄色の結晶を得た。得られた化合物は、NMRにより、下記式で表される化合物[すなわち、3,3’−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジイル)ビス(1−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)−1−プロペン−3−オン)]であることを確認した。
実施例1で得られた化合物[3,3’−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジイル)ビス(1−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−3−オン)]0.300重量部を反応槽に投入し、窒素雰囲気にした後、さらに、ジクロロメタン13.255重量部を投入し、溶解させた。そして、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.226重量部を投入し、室温で24時間撹拌した。反応後、ジクロロメタンと水を添加し水洗を行った。ジクロロメタンを除去し、溶出液としてクロロホルムとヘキサンを用いカラムクロマトグラフィーで目的物を分離し、ジクロロメタンとヘキサンから再結晶し、橙色の結晶を得た。得られた化合物は、NMRにより、下記式で表される化合物[すなわち、3,3’−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジイル)ビス(1−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−3−オン)の二フッ化ホウ素錯体]であることを確認した。得られた化合物は、クロロホルム溶液において、457nmにモル吸光係数1.45×105M−1cm−1の極大吸収波長を持ち、474nmの発光を示し、蛍光量子収率は0.68であった。
11B−NMR:δ(ppm)=1.08(ボロンジケトネート)。
合成例1で得られた9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジカルボン酸ジメチル1.000重量部及び水素化ナトリウム(油性)0.514重量部を反応槽に投入し、窒素雰囲気にした後、さらに、THF13.320重量部を投入し、9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジカルボン酸ジメチルを溶解させた。50℃に昇温後、THF13.320重量部に溶解させた4−ヨードアセトフェノン0.972重量部を50分かけて滴下し、50℃を保ち24時間撹拌した。反応後室温にまで冷却し、トルエンと塩酸水溶液を添加し水洗を行った。トルエンを除去し、溶出液としてクロロホルムとヘキサンを用いカラムクロマトグラフィーで目的物を分離し、溶媒を除去し、メタノールから再結晶し黄色の結晶を得た。得られた化合物は、1H−NMRにより、下記式で表される化合物[すなわち、3,3’−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジイル)ビス(1−ヒドロキシ−1−(4−ヨードフェニル)プロパン−3−オン)]であることを確認した。
実施例3で得られた化合物[3,3’−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジイル)ビス(1−ヒドロキシ−1−(4−ヨードフェニル)プロパン−3−オン)]0.300重量部を反応槽に投入し、窒素雰囲気にした後、さらに、ジクロロメタン13.255重量部を投入して溶解させた。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.226重量部を投入し、室温で24時間撹拌した。反応後ジクロロメタンと水を添加し水洗を行った。ジクロロメタンを除去し、溶出液としてクロロホルムとヘキサンを用いカラムクロマトグラフィーで目的物を分離し、ジクロロメタンとヘキサンから再結晶し橙色の結晶を得た。得られた化合物は、NMRにより、下記式で表される化合物[すなわち、3,3’−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジイル)ビス(1−ヒドロキシ−1−(4−ヨードフェニル)プロパン−3−オン)の二フッ化ホウ素錯体]であることを確認した。得られた化合物は、クロロホルム溶液において、455nmにモル吸光係数1.33×105M−1cm−1の極大吸収波長を持ち、473nmの発光を示し、蛍光量子収率は0.20であった。
11B−NMR:δ(ppm)=1.08(ボロンジケトネート)。
実施例4で得られた化合物[3,3’−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジイル)ビス(1−ヒドロキシ−1−(4−ヨードフェニル)プロパン−3−オン)の二フッ化ホウ素錯体]0.1000重量部、(9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジイル)ジボロン酸0.0464重量部、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.0009重量部、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.0016重量部、炭酸セシウム0.3162重量部を反応槽に投入し、窒素雰囲気にした後、トルエン1.7320重量部、水2.0000重量部を投入し、80℃に昇温し、18時間撹拌した。反応後THFとエタノールから再沈を行い橙色の粉末を得た。得られた化合物(粉末)の数平均分子量は6400であった。得られた化合物は、クロロホルム溶液において、421nmにモル吸光係数6.75×104M−1cm−1の極大吸収波長を持ち、534nmの発光を示し、蛍光量子収率は0.61であった。また、フィルムにおいて425nmに極大吸収波長を持ち、571nmの発光を示し、蛍光量子収率は0.04であった。液体窒素で冷却した状態において、励起後0.1ミリ秒後にりん光と考えられる発光が604nmに見られた。なお、得られた化合物は、析出などを生じることなく均一な膜を形成できた。
実施例3で得られた化合物[3,3’−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジイル)ビス(1−ヒドロキシ−1−(4−ヨードフェニル)プロパン−3−オン)]0.7985重量部、二炭酸ジ−t−ブチル1.8644重量部、N,N−ジメチルアミノピリジン0.0497重量部、1,4−ジオキサン103.3000重量部を反応槽に投入し、室温で24時間撹拌した。1,4−ジオキサンを除去し、溶出液としてクロロホルムを用いカラムクロマトグラフィーで目的物を分離し、濃縮することで黄色の粉末を得た。得られた化合物0.0200重量部、(9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジイル)ジボロン酸0.0843重量部、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.0016重量部、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.0029重量部、炭酸セシウム0.5745重量部を反応槽に投入し、窒素雰囲気にした後、トルエン3.4640重量部、水4.0000重量部を投入し、80℃に昇温し、5時間撹拌した。反応後THFとメタノールから再沈を行い橙色の粉末を得た。得られた化合物0.0150重量部、ピペリジン0.0302重量部、ジクロロメタン53.0200重量部を反応槽に投入し、室温で24時間撹拌した。反応後、塩酸水溶液を添加し水洗を行った。ジクロロメタンを除去し、THFとヘキサンから再沈を行い黄色の粉末を得た。得られた化合物(粉末)の数平均分子量は21,400であった。得られた化合物は、NMRにより、下記式で表される繰り返し単位を有するポリマーであることを確認した。
実施例6で得られた化合物0.0500重量部を反応槽に投入し、窒素雰囲気にした後、さらに、ジクロロメタン132.5500重量部を投入して溶解させた。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体1.1500重量部を投入し、室温で6時間撹拌した。反応後ジクロロメタンと水を添加し水洗を行った。ジクロロメタンを除去し、THFとヘキサンから再沈を行い橙色の粉末を得た。得られた化合物は、NMRにより、実施例5で得られたポリマーと同様の構造を有するポリマーであることを確認した。また、NMRにより、実施例6で得られた化合物を構成するエノール骨格の100モル%が、ホウ素との錯体(>BF2)を形成している(すなわち、エノール骨格の錯形成比率が100モル%である)ことを確認した。得られた化合物は、クロロホルム溶液において、480nmにモル吸光係数9.53×104M−1cm−1の極大吸収波長を持ち、534nmの発光を示し、蛍光量子収率は0.21であった。なお、得られた化合物は、析出などを生じることなく均一な膜を形成できた。
実施例3で得られた化合物[3,3’−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジイル)ビス(1−ヒドロキシ−1−(4−ヨードフェニル)プロパン−3−オン)]0.7985重量部、二炭酸ジ−t−ブチル1.8644重量部、N,N−ジメチルアミノピリジン0.0497重量部、1,4−ジオキサン103.3000重量部を反応槽に投入し、室温で24時間撹拌した。1,4−ジオキサンを除去し、溶出液としてクロロホルムを用いカラムクロマトグラフィーで目的物を分離し、濃縮することで黄色の粉末を得た。得られた化合物0.0200重量部、(9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジイル)ジボロン酸0.0843重量部、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.0016重量部、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.0029重量部、炭酸セシウム0.5745重量部を反応槽に投入し、窒素雰囲気にした後、トルエン3.4640重量部、水4.0000重量部を投入し、80℃に昇温し、5時間撹拌した。反応後THFとメタノールから再沈を行い橙色の粉末を得た。得られた化合物0.0150重量部、ピペリジン0.0302重量部、ジクロロメタン53.0200重量部を反応槽に投入し、室温で24時間撹拌した。反応後、塩酸水溶液を添加し水洗を行った。ジクロロメタンを除去し、THFとヘキサンから再沈を行い黄色の粉末を得た。得られた化合物は、NMRにより、実施例6で得られたポリマーと同様の構造を有するポリマーであることを確認した。
実施例8で得られた化合物0.0300重量部を反応槽に投入し、窒素雰囲気にした後、さらに、ジクロロメタン26.5100重量部を投入して溶解させた。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.0040重量部を投入し、室温で6時間撹拌した。反応後ジクロロメタンと水を添加し水洗を行った。ジクロロメタンを除去し、THFとヘキサンから再沈を行い橙色の粉末を得た。得られた化合物(粉末)は、NMRにより、実施例5で得られたポリマーと同様の構造を有するポリマー(ただし、エノール骨格の一部がホウ素との錯体を形成していないポリマー)であることを確認した。また、NMRにより、実施例8で得られた化合物を構成するエノール骨格の22モル%が、ホウ素との錯体(>BF2)を形成している(すなわち、エノール骨格の錯形成比率が22モル%である)ことを確認した。得られた化合物は、クロロホルム溶液において、421nmにモル吸光係数6.36×104M−1cm−1の極大吸収波長を持ち、531nmの発光を示し、蛍光量子収率は0.51であった。また、フィルムにおいて、406nmに極大吸収波長を持ち、551nmの発光を示し、蛍光量子収率は0.05であった。なお、得られた化合物は、析出などを生じることなく均一な膜を形成できた。
実施例6で得られた化合物0.0300重量部を反応槽に投入し、窒素雰囲気にした後、さらに、ジクロロメタン26.5100重量部を投入して溶解させた。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.5750重量部を投入し、室温で6時間撹拌した。反応後ジクロロメタンと水を添加し水洗を行った。ジクロロメタンを除去し、THFとヘキサンから再沈を行い橙色の粉末を得た。得られた化合物(粉末)は、NMRにより、実施例5で得られたポリマーと同様の構造を有するポリマーであることを確認した。また、NMRにより、実施例8で得られた化合物のエノール骨格の100モル%が、ホウ素との錯体(>BF2)を形成している(すなわち、エノール骨格の錯形成比率が100モル%である)ことを確認した。得られた化合物は、クロロホルム溶液において、477nmにモル吸光係数8.40×104M−1cm−1の極大吸収波長を持ち、537nmの発光を示し、蛍光量子収率は0.37であった。また、フィルムにおいて461nmに極大吸収波長を持ち、583nmの発光を示し、蛍光量子収率は0.04であった。なお、得られた化合物は、析出などを生じることなく均一な膜を形成できた。
実施例3で得られた化合物[3,3’−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジイル)ビス(1−ヒドロキシ−1−(4−ヨードフェニル)プロパン−3−オン)]0.7985重量部、二炭酸ジ−t−ブチル1.8644重量部、N,N−ジメチルアミノピリジン0.0497重量部、1,4−ジオキサン103.3000重量部を反応槽に投入し、室温で24時間撹拌した。1,4−ジオキサンを除去し、溶出液としてクロロホルムを用いカラムクロマトグラフィーで目的物を分離し、濃縮することで黄色の粉末を得た。得られた化合物0.1600重量部、9,9’−スピロビフルオレン−2,7−ジボロン酸0.0570重量部、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.0013重量部、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.0023重量部、炭酸セシウム0.4597重量部を反応槽に投入し、窒素雰囲気にした後、トルエン2.5980重量部、水3.0000重量部を投入し、80℃に昇温し、5時間撹拌した。反応後THFとメタノールから再沈を行い橙色の粉末を得た。得られた化合物0.0850重量部、ピペリジン0.0302重量部、ジクロロメタン26.5100重量部を反応槽に投入し、室温で24時間撹拌した。反応後、塩酸水溶液を添加し水洗を行った。ジクロロメタンを除去し、THFとヘキサンから再沈を行い黄色の粉末を得た。得られた化合物(粉末)の数平均分子量は4,400であった。得られた化合物は、NMRにより、下記式で表される繰り返し単位を有するポリマーであることを確認した。
実施例11で得られた化合物0.0250重量部を反応槽に投入し、窒素雰囲気にした後、さらに、ジクロロメタン26.5100重量部を投入して溶解させた。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.0036重量部を投入し、室温で6時間撹拌した。反応後ジクロロメタンと水を添加し水洗を行った。ジクロロメタンを除去し、THFとヘキサンから再沈を行い橙色の粉末を得た。得られた化合物は、NMRにより、実施例11で得られた化合物のエノール骨格の20モル%が、ホウ素との錯体(>BF2)を形成している(すなわち、エノール骨格の錯形成比率が20モル%である)ことを確認した。得られた化合物は、クロロホルム溶液において、421nmにモル吸光係数6.17×104M−1cm−1の極大吸収波長を持ち、529nmの発光を示し、蛍光量子収率は0.39であった。また、フィルムにおいて405nmに極大吸収波長を持ち、560nmの発光を示し、蛍光量子収率は0.02であった。なお、得られた化合物は、析出などを生じることなく均一な膜を形成できた。
実施例11で得られた化合物0.0200重量部を反応槽に投入し、窒素雰囲気にした後、さらに、ジクロロメタン26.5100重量部を投入して溶解させた。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.5750重量部を投入し、室温で6時間撹拌した。反応後ジクロロメタンと水を添加し水洗を行った。ジクロロメタンを除去し、THFとヘキサンから再沈を行い橙色の粉末を得た。得られた化合物(粉末)は、下記式で表される構造単位を有するポリマーであることを確認した。また、NMRにより、実施例11で得られた化合物を構成するエノール骨格の100モル%が、ホウ素との錯体(>BF2)を形成している(すなわち、エノール骨格の錯形成比率が100モル%である)ことを確認した。得られた化合物は、クロロホルム溶液において、472nmにモル吸光係数8.82×104M−1cm−1の極大吸収波長を持ち、531nmの発光を示し、蛍光量子収率は0.21であった。また、フィルムにおいて461nmに極大吸収波長を持ち、592nmの発光を示し、蛍光量子収率は0.01であった。なお、得られた化合物は、析出などを生じることなく均一な膜を形成できた。
Claims (11)
- 式(1)において、R1が、炭化水素基、複素環基又は2つのR1が互いに結合して形成された炭化水素環であり、R2が炭化水素基であり、mが0又は1であり、R3が水素原子又は炭化水素基であり、R4が脂肪族基又は芳香族基であり、R1〜R4はさらに置換基を有していてもよい請求項1記載の化合物。
- 式(1)において、R1が、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基、アリール基、又は2つのR1が互いに結合して形成された芳香族炭化水素環であり、mが0であり、R3が水素原子であり、R4が芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基であり、R1〜R4はさらに置換基を有していてもよい請求項1又は2記載の化合物。
- 式(1)において、R4が、さらに、ハロゲン原子、アルカンスルホニルオキシ基、ハロアルカンスルホニルオキシ基、又はアリールスルホニルオキシ基を置換基として有する請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
- 式(1)において、R4が、ハロゲン原子を有する芳香族炭化水素基である請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
- 前記式(1)で表される化合物を配位子とする配位化合物。
- 式(2)において、Mがホウ素又は遷移金属である請求項8記載の配位化合物。
- Lが、ハロゲン原子である請求項10記載の配位化合物。
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