JP2017157742A - レーザー光発生装置 - Google Patents

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雅之 沼田
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雅之 沼田
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康弘 東
芳夫 和田
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芳夫 和田
眞輔 柴田
Shinsuke Shibata
眞輔 柴田
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Abstract

【課題】発振条件の自由度が高いレーザー光発生装置の提供。【解決手段】面発光レーザー素子21を有する光源部2と、光源部2の射出するレーザー光Lを増幅して射出する光増幅部3と、光源部2の発光面を制御するための制御部9と、を有し、面発光レーザー素子21は、活性層212と、活性層212を挟んで形成された一対の反射層211、213と、活性層212と反射層211、213とが主面210a上に形成された基板210と、を有し、基板210は、基板210の主面210aが(100)面から所定の角度で傾斜したGaAs基板であり、光増幅部3は、前記発光面から入射するレーザー光Lを合成してレーザー光束として射出するレーザー光発生装置。【選択図】図8

Description

本発明は、レーザー光発生装置に関する。
レーザー光発生装置において、高速変調制御可能な半導体レーザーをシードレーザーの光源とする光源部(MO部)と、低出力のシードレーザー光を増幅して高パワーのレーザー光束とする光増幅部(PA部)とを備えた制御方式が知られている(特許文献1〜3等参照)。
このようなMOPA(Master Oscillator and Power Amplifier)方式のレーザー光発生装置において、シードレーザーのパルス波形、繰り返し周波数等の発振条件が最終的な出力レーザー光束の特性に大きく寄与する。
そのため、特にレーザー光を用いて材料加工などに用いるレーザー光発生装置においては、短パルスやバーストパルスなど、複雑で制御性の高い、高速変調可能なシードレーザーが求められている。またこのような出力レーザーの制御性を向上するために、基板部分の配向方向を制御する技術が知られている(例えば特許文献4等参照)。
しかしながら、従来の端面発光レーザーをシードレーザーとして用いる場合には、出力されるレーザー光の断面強度分布が楕円であったり、高密度化が困難なことにより、複数チャンネルのシードレーザーの発振条件を高精度に制御するのは困難であった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、発振条件の制御性が高いレーザー光発生装置の提供を目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明のレーザー光発生装置は、レーザー光を出力する複数の発光点を有する光源部と、前記光源部の前記複数の発光点側の面に向けて設けられ、複数の前記レーザー光が入射される入射面と、前記レーザー光を増幅して射出する出射面と、を備える光増幅部と、前記光源部のそれぞれの発光点を制御するための制御部と、を有し、前記光増幅部は、前記複数の発光点から入射するそれぞれの前記レーザー光を合成してレーザー光束として射出する。
本発明のレーザー光発生装置によれば、レーザー光の発振条件の制御性が高い。
本発明の実施形態にかかるレーザー光発生装置の全体構成の一例を示す平面図である。 図1に示した光源部の構成の一例を示す模式図である。 図1に示した制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。 図1に示した制御部の制御時の動作の一例を示す模式図である。 図1に示したレーザー光発生装置の変形例の動作を示す模式図である。 レーザー光発生装置の比較例を示す図である。 図1に示したメサ構造の構成の一例を示す図である。 図7に示すレーザー素子の構成の一例を示す断面図である。 図7に示すレーザー素子の構成の一例を示す拡大図である。 図9に示す異方性フィルタの構成の一例を示す図である。
(概要)
以下、本発明の実施形態の一例を図面を用いて説明する。
図1には、第1の実施形態に係るレーザー光発生装置としてのレーザー装置200が示されている。
レーザー装置200は、シードレーザーL1〜Lnを出力するn個のレーザー素子21を有する光源部2と、光源部2から照射されたシードレーザーL1〜Lnを増幅するための光増幅器3と、光源部2と光増幅器3とを制御するための制御部9と、を有している。
以降、シードレーザーL1〜Lnを特に区別する必要のないときには、シードレーザーLとの文言を用いる。
レーザー装置200は、シードレーザーLを光増幅器3の入射面31に入射させるためにシードレーザーLを偏向する第1導光光学系4と、光増幅器3の出射面32から出射したレーザー光束L’を照射対象へと照射するための第2導光光学系5と、を有している。
なお、本明細書では、シードレーザーLの光軸に平行な方向を+Z方向として、XYZ3次元直交座標系を用いて説明する。
制御部9は、光源部2から射出されるシードレーザーLのパルス波形、繰り返し周波数等の発振条件を制御する発振条件制御部92と、光増幅器3に入射したシードレーザーLを増幅させるための増幅条件を制御する増幅条件制御部93と、を有している。
レーザー装置200の動作について簡単に説明する。
光源部2は、発振条件制御部92に与えられた所定の発振条件に従って、レーザー素子21それぞれからシードレーザーLを+Z方向に射出する。
シードレーザーLは、光増幅器3の入射面31に向かって第1導光光学系4によって偏向される。
光増幅器3は、増幅条件に従って、一方の端面すなわち入射面31から入射したシードレーザーLを増幅し、出射面32からレーザー光束L’として射出する。
光増幅器3によって増幅されたレーザー光束L’は、第2導光光学系5によって偏向及び/又は収束されて、照射対象に向けて照射される。
なお、ここではレーザー装置200は、光源部2から光増幅器3への入射効率を向上させる目的で、第1導光光学系4を用いたが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば光ファイバなどを用いて光源部2と光増幅器3とを直接つなぐ構成でも良い。
あるいは、第1導光光学系4は、集光性を備えた複数の光学部材等によって構成された集光光学系でも良い。
(詳細)
以下、かかるレーザー装置200の各部の構成について詳細に説明する。
光源部2は、図2に示すように、+Z方向側の面に5行5列、25個の発光点が2次元的に配列されたVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)方式の面発光レーザーアレイである。
レーザー素子21は、複数のシードレーザーLを出力する種光源すなわち発光点としての機能を有している。
シードレーザー光Lの波長は、1060nm付近であり、シングルモード出力であることが望ましい。
光増幅器3は、レーザー素子21から入射する複数のシードレーザーL1〜Lnを合成してレーザー光束L’として射出するレーザーアンプとしての機能を有する光増幅部としての機能を有している。
光増幅器3は、図1に示すように石英ガラスを主成分とするコア部に、活性物質として希土類Ybがドープされた3つの光ファイバ増幅器33a、33b、33cを有している。
光ファイバ増幅器33a、33b、33cのそれぞれには、励起光結合光学素子として波長分割多重(WDM=Wavelength Division Multiplexing)カプラ34a、34b、34cが−Z側の端部に取り付けられている。
光ファイバ増幅器33aと、WDMカプラ34aとは1組の増幅器として動作し、光増幅器3において最上流に配置された第1段増幅器としての機能を有している。
同様に、光ファイバ増幅器33bと、WDMカプラ34bとが1組の第2段増幅器として、光ファイバ増幅器33cとWDMカプラ34bとが1組の第3段増幅器として、それぞれ動作する。
第1段増幅器と、第2段増幅器と、第3段増幅器とは、図1に示したように直列に連結された態様で、光増幅器3を形成している。
WDMカプラ34a、34b、34cは、入力された複数の波長、波形の光を合成する合成部としての機能と、入力された複数の波長、波形の光を波長ごとに分割する分波部としての機能とを有している。
すなわち、シードレーザーL1〜Lnは、最も−Z方向側に配置されたWDMカプラ34aを通過することで、それぞれの波形が合成された合成波となって光ファイバ増幅器33aに入射されて増幅される。
WDMカプラ34a、34b、34cは、シードレーザーLとともに、後述する増幅条件制御部93からの増幅条件に基づいて、励起光源934から入射する励起光Pを光ファイバ増幅器33a、33b、33cのそれぞれに入射させる。
光ファイバ増幅器33a、33b、33cは、励起光PによってYbが励起されて生じる誘導放出により利得波長帯域である波長1060nm付近の光を増幅する。
なお、励起光Pの波長は、活性物質の種類に合わせて変更することが望ましいが、本実施形態では特にYbの吸収帯のある波長975nmの励起光Pを用いる。
本実施形態では、光増幅器3は3つの光ファイバ増幅器33a、33b、33cが直列に連結して配置されるとしたが、少なくとも1つの光ファイバ増幅器とWDMカプラとを用いて、出射されたレーザー光束L’を用いるとしても良い。
あるいは、光増幅器3はさらに多数の、例えば任意のn個の光ファイバ増幅器を連結して1つの光増幅部として機能するようなレーザーアンプであってもいい。
また、最も光軸方向下流側すなわち+Z方向側に配置された光ファイバ増幅器35の+Z方向側の端部に、異なる方式のメインアンプを設けても良い。
なお、励起光Pの分離のために、光増幅器3の終端部すなわち+Z方向側の端部には、励起光Pを分離する分離部としてWDMカプラ34dが設けられている。
本実施形態では、光源部2はVCSEL方式の面発光レーザー素子を備えているが、かかる構成に限定されるものではなく、レーザー素子21と端面発光型レーザー素子22とをそれぞれ複数有していても良い。あるいは、複数の光源部2と、それぞれの光源部2に対応する光増幅器3とを並列に備え、光増幅器3の終端にビームコンバイナを設けても良い。
かかる構成により、レーザー光束L’の出力を増大させることができる。
増幅条件制御部93は、図3に示すように、1段目の光ファイバ増幅器33aに取り付けられたWDMカプラ34aに供給される励起光Pを制御する第1段増幅器用LDドライバ931を有している。
増幅条件制御部93は同様に、2段目の光ファイバ増幅器33bに取り付けられたWDMカプラ34bに供給される励起光Pを制御する第2段増幅器用LDドライバ932を有している。
増幅条件制御部93は同様に、3段目の光ファイバ増幅器33bに取り付けられたWDMカプラ34bに供給される励起光Pを制御する第3段増幅器用LDドライバ933を有している。
第1段増幅器用LDドライバ931と、第2段増幅器用LDドライバ932と、第3段増幅器用LDドライバ933とは、それぞれ独立して動作可能であり、互いに異なる増幅条件で増幅するように、異なる励起光Pを出射するとしても良い。
本実施形態では励起光Pを出射する励起LDとして、励起光源934を用いている。
なお、第1段増幅器用LDドライバ931と、第2段増幅器用LDドライバ932と、第3段増幅器用LDドライバ933とがそれぞれの増幅条件に応じて励起光Pを出射するとしてもいいし、外部に別途励起光源934を用意しても良い。
発振条件制御部92は、図3に示すように、光源部2から出射されるシードレーザーL1〜Lnの波形を制御する第1シードLD制御部921〜第nシードLD制御部92nを有している。
第1シードLD制御部921〜第nシードLD制御部92nは、互いに独立して動作するが、機能は略同一であるので、ここでは特に第1シードLD制御部921についてのみ図4を用いて説明する。
第1シードLD制御部921は、シードレーザーL1のパルス幅T1と、パルス波高値I1と、パルスの立ち上がりタイミングであるパルスディレイD1と、を設定する任意波形ジェネレータとしての機能を有している。
第2シードLD制御部922〜第nシードLD制御部92nも同様の機能を備えている。したがって、光増幅器3においてシードレーザーL1〜Lnが合成されたときには、図4に模式的に例示したように、レーザー光束L’の波形は、シードレーザーL1〜Lnの合成波となる。
ところで、図6に従来例として示すように、いわゆる端面レーザー502aをアレイ状に配置して種光源502として用いるとともに、光ファイバ増幅器503をアンプとして用いたMOPA方式のレーザー装置500を考える。
レーザー装置500では、端面レーザー502aの発光点を近づけることが難しく、従ってレーザー装置500の小型化が困難であった。
また、端面レーザー502aの発光点を近づけることが難しいために、1つの光ファイバ増幅器503に対して複数のシードレーザーLを入力することが困難であり、シードレーザーLの合成によるパルス形状の詳細な制御が難しかった。
かかる問題を解決するために、シードレーザーLを異なる光ファイバ増幅器503で増幅したあとにコンバイナ504で合成する方法も考えられるが、例えば光ファイバ増幅器503ごとの微小な性能差や同期の問題が、最終的な出力波形に影響しやすくなる。
このように端面レーザーでは、短パルス化や多チャンネル化が難しく、ドライバ間の同期の問題もあり、特に精度の求められる加工分野、医療分野などで用いられるレーザー加工装置に応用するには、より高精度の制御が可能なレーザー装置が求められていた。
本実施形態におけるレーザー光束L’の出力波形の制御について詳細に述べる。
制御部9は、発振条件制御部92を用いて、シードレーザーL1〜Lnまでの発振条件を制御する。
具体的には、図4に既に示したように、シードレーザーL1〜Lnのパルスディレイを、基準となる任意の基準時間D0から遅らせる又は早めるように設定することで、シードレーザーL1〜Lnの合成波の形状を制御する。
シードレーザーL1〜Lnは、WDMカプラ34aにより合成された後に単一の光ファイバ増幅器33aによって増幅される。
このように、複数のシードレーザーL1〜Lnを単一の光ファイバ増幅器33aを用いて増幅することで、レーザー装置200は最終的に出力されるレーザー光束L’の波形を高精度に制御する。
本実施形態では、レーザー装置200は、シードレーザーLを出力する複数のレーザー素子21を有する光源部2と、光源部2のそれぞれのレーザー素子21を制御するための制御部9と、を有している。
すなわち、本実施形態のレーザー光発生装置たるレーザー装置200は、レーザー光たるシードレーザーLを出力する複数の発光点としてのレーザー素子21を有する光源部2と、光源部2のそれぞれの発光点を制御するための制御部と、を有している。
レーザー装置200はまた、光源部2の+Z方向側の面、言い換えると「複数の発光点側の面」に向けて設けられ、シードレーザーL1〜Lnが入射される入射面31と、シードレーザーLを増幅して射出する出射面32と、を備える光増幅器3を有している。
光増幅器3は、レーザー素子21から入射するそれぞれのシードレーザーL1〜Lnを合成してレーザー光束L’として射出する。従って、光増幅器3は、複数の発光点から入射するそれぞれのレーザー光を合成してレーザー光束として射出する。
かかる構成により、レーザー装置200は最終的に出力されるレーザー光束L’の波形を高精度に制御する。
レーザー装置200は、光増幅器3を構成する直列に配置された光ファイバ増幅器33a、33b、33cを有している。
かかる構成により、段階的に波高I、言い換えると出力を向上させるから、パルス幅Tへの影響を抑えながらも、効率よくシードレーザーLを増幅する。
光源部2は、レーザー素子21が、シードレーザーLの光軸Z方向に対して垂直なXY平面に2次元配列されたVCSEL方式の面発光レーザー素子を有している。
かかる構成により、レーザー素子21の集積度の向上が容易であり、レーザー装置200は最終的に出力されるレーザー光束L’の波形を高精度に制御する。
レーザー素子21のそれぞれの発光点の詳細な構成について説明する。
レーザー素子21は、図7、図8に示すように、半導体基板部たる基板210と、基板210上に形成された下側反射層211と、活性層212と、上側反射層213と、電流狭窄層214と、を有している。
レーザー素子21は、レーザー素子21に電圧を印加するための正負一対の電極を構成するp側電極215と、n側電極216と、を有している。
なお、ここで図7にA−A’として2点鎖線で示した位置における断面図を図8として示している。
基板210は、下側反射層211と当接している側の表面である主面210aにおいて、基板210を構成するGaAsの結晶配向方向が、(100)面から15°で傾斜したn型のGaAs基板であり、いわゆる傾斜基板である。
すなわち、主面210aは、GaAsの結晶配向方向に対して傾斜している。
主面210aは、(100)面に対して(111)の方向に向かって15°傾斜しているものが特に望ましいが、例えば5°〜20°の範囲であっても良く、また、その他の傾斜基板であっても良い。
下側反射層211は、n側DBR(Distributed Bragg Reflector)であり、上側反射層213とともに活性層212を挟んで一対の反射層を形成する。
下側反射層211は、基板210の+Z側の面に積層されて、低屈折率層と高屈折率層とが、それぞれ活性層212の発振波長λに対して光学的厚さがλ/4になるように交互に単数あるいは複数組み合わされて形成された反射層である。
下側反射層211には、例えば低屈折率層にn−AlAs、高屈折率層にn−Al0.3Ga0.7Asなどを用いて良い。なお、かかる構成に限定されるものではない。
上側反射層213は、活性層212の+Z方向側に積層されて、低屈折率層と高屈折率層とが、それぞれ活性層212の発振波長λに対して光学的厚さがλ/4になるように交互に単数あるいは複数組み合わされて形成された反射層である。
上側反射層213には、例えば低屈折率層にp−Al0.9Ga0.1As、高屈折率層にp−Al0.3Ga0.7Asなどを用いて良い。なお、かかる構成に限定されるものではない。
活性層212は、InGaAs材料を含んで形成された量子井戸構造を備えた活性領域である。
活性層212の±Z方向の両側には、スペーサ層を設けることが望ましい。
ところで、本実施形態に示すように、短パルス幅でのシードレーザーLの制御を行うためには、シード光源として用いられるレーザー素子21の時間応答性を向上させる必要がある。かかる時間応答性の向上のためには、緩和振動周波数を大きくする方法が知られている。緩和振動周波数は、活性層212の材質によって決まる微分利得dg/dnの1/2乗に比例する。
そこで本実施形態では、活性層212にInGaAsを材料として用いている。かかる構成により、高い微分利得が得られてシードレーザーLの短パルス化に寄与する。
電流狭窄層214は、Alを含有する被選択酸化層を選択的に酸化することで、Alが酸化され絶縁された酸化領域214bと、酸化領域214bに囲繞された略正方形状あるいは矩形の電流通過領域214aとが形成された酸化狭窄層である。
電流通過領域214aは、p側電極215と、n側電極216とに電圧を印化した時に選択的に駆動電流が流れ込むことで、活性層212に流入する電流密度を向上させる。
p側電極215と、n側電極216とには、それぞれ駆動用に制御部9が接続されて、印加される電圧に応じてレーザー素子21を駆動してシードレーザーLが出射される。
なお、図8に示すように、n側電極216は、p側電極215の少なくとも3辺を取り囲むように形成されるとともに、基板210の−Z方向側の面にも当接した態様で形成されている。
n側電極216を、基板210の−Z方向側の面に当接した態様で形成することにより、レーザー素子21の実装にハンダを用いることができて、低コスト化に寄与する。
また、n側電極216が、+Z方向側から見てp側電極215の少なくとも3辺を取り囲むように形成されることで、駆動電流のパスが形成されやすく、よりレーザー素子21の時間応答性が向上する。
ところで、図8に破線で示した部分を図9に拡大して示すように、活性層212の−Z方向側の端部の幅w1は、上側反射層213の+Z方向側の端部の幅w2よりも大きい。すなわち、レーザー素子21は、シードレーザーLの射出側である+Z方向側が基板側よりも狭いメサ構造を有している。
また、メサ構造の端部に形成される面218は、+Z方向側から見たときに図10に示すように矩形の発光面を形成している。言い換えると、メサ構造の形状はシードレーザーLの射出方向側から見たときに矩形である。あるいは面218は、シードレーザーLの射出面であって、p側電極215によって囲まれた領域である。
かかるメサ構造について説明する。
既に述べたように、本実施形態において基板210の主面210aは傾斜基板である。
このような傾斜基板を用いた場合には、基板210上にエピタキシャル成長する結晶面も傾斜するため、図9のXY平面の酸化速度において異方性を持つ。
したがって、通常のVCSELレーザーに用いるように、+Z方向からみたときに円形の円錐台様のメサ構造を形成すると、OA形状は綺麗な円形になりにくい。
また、OA形状が楕円になった場合には、長径方向に複数モードのシードレーザーLが発振するおそれがある。
そこで、メサ構造の形状が+Z方向側から見たときに矩形となるように形成することで、OA形状も発光面と同様の矩形となり、シングルモード制御を容易にして、精度良く一様なシードレーザーLが発振される。
また、メサ構造の+Z方向側の端部、上側反射層213よりも+Z方向側には、異方性フィルタ217が形成されている。
異方性フィルタ217は、誘電体材料としてSiNを含んだ透明な誘電体膜である。
異方性フィルタ217は、発振波長λに対して光学的な長さがλ/2になるような厚みd1を有する第1フィルタ部217aと、光学的な長さが3λ/4になるような厚みd2を有する第2フィルタ部217bと、を有している。
かかる構成により、第2フィルタ部217bを透過するシードレーザーLの反射率は、第1フィルタ部217aを透過するシードレーザーLの反射率よりも低くなる。
シードレーザーLの基本横モードの光出力は、面218の中心において最も大きく、周辺部では低下する傾向が知られている。一方、シードレーザーLの高次横モードの光出力は、面218の周辺部で最も大きく、面218の中心に近づくにつれて低下する。
そこで、異方性フィルタ217の光学的な長さを変化させることで、基本横モードに対する反射率を低下させることなく、高次横モードの反射率を低下させることができる。
かかる異方性フィルタ217により、高次の横モードの発振が抑制される。
本実施形態では、レーザー素子21は、活性層212と、活性層212を挟んで形成された上側反射層213と、下側反射層211と、基板210と、を有している。
また、基板210は、基板210の主面210aが(100)面から所定の角度で傾斜したGaAs基板である。
基板210の主面210aが、(100)面から傾斜することで、活性層212から発振されるシードレーザーLの異方性が向上され、シードレーザーLの偏光比が高められる。したがって、かかる構成により、効率よくMOPA方式により増幅したレーザー光束L’を波長変換可能になる。
また、本実施形態では、レーザー素子21は、シードレーザーLの+Z方向側が−Z方向側よりも狭いメサ構造を有し、メサ構造の端部に矩形の発光面218が形成される。
かかる構成により、高次モードのシードレーザーLが発振されにくくなり、シードレーザーLの偏光制御及びシングルモードでの制御が容易になる。
また、本実施形態では、発光面218の射出面側には、誘電体材料を用いた異方性フィルタ217が形成されている。
かかる構成によれば、高次の横モードの発振が抑制される。
本実施形態における制御部9は、シードレーザーL1〜Lnを互いに独立したパルス発振となるように光源部2を制御する。
かかる構成により、レーザー装置200は最終的に出力されるレーザー光束L’の波形をシードレーザーL1〜Lnの合成波の波形とすることができて、レーザー光束L’の波形を高精度に制御する。
(変形例)
本発明の実施形態の変形例として、シードレーザーL1〜Lnのうち、シードレーザーLnをパルス波形ではなく連続発振(DC)とした場合のレーザー装置200について説明する。
かかる変形例においては、連続発振を行うシードレーザーLnの制御を行う第nシードLD制御部92n’以外の構成については、既に説明した実施形態と同一であるため、同一の符号をつけて説明を省略する。
第nシードLD制御部92n’は、シードレーザーLnの波高Inのみを決定する波高決定部300を有している。
言い換えると、本変形例における第nシードLD制御部92n’は、シードレーザーLnのパルス幅を無限大とし、Dutyを100(%)とするような制御を行う。
このとき、第nシードLD制御部92n’は、連続発振制御部としての機能を有している。
かかる構成により、シードレーザーLのうち少なくとも1つが連続発振となるので、最終的に出力されるレーザー光束L’の単位時間当たりの入射エネルギーを大きくするとともに、より波形の制御の自由度が向上する。
なお、連続発振のDC波とするシードレーザーLの数を限定するものではなく、光増幅器3に入射する複数のシードレーザーLを連続発振にするとしても良い。
あるいは、第1シードLD制御部921〜第nシードLD制御部92n’までを同期して駆動し、単一の波形を増幅して射出するとしても良い。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上記実施形態において、レーザー装置200は、金属を加工するパルスレーザー加工機に用いても良いし、レーザーメスなどの医療用機器に用いても良い。
また、上記実施形態においてはレーザー素子21は複数発光点を有するレーザーアレイであるとしたが、単数発光点でも良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
2 光源部
3 光増幅部
9 制御部
21 発光点(レーザー素子)
31 入射面
32 出射面
92 発振条件制御部
93 増幅条件制御部
92n’ 連続発振制御部(第nシードLD制御部)
210 基板
210a 主面
211 反射層(下側反射層)
212 活性層
213 反射層(上側反射層)
217 異方性フィルタ
218 発光面(面)
L、L1〜Ln レーザー光(シードレーザー)
L’ レーザー光束
200 レーザー光発生装置(レーザー装置)
特許第5595740号公報 特許第5654649号公報 特許第5713541号公報 特許第5261754号公報

Claims (7)

  1. 面発光レーザー素子を有する光源部と、
    前記光源部の射出するレーザー光を増幅して射出する光増幅部と、
    前記光源部の発光面を制御するための制御部と、
    を有し、
    前記面発光レーザー素子は、活性層と、前記活性層を挟んで形成された一対の反射層と、前記活性層と前記反射層とが主面上に形成された基板と、を有し、
    前記基板は、当該基板の前記主面が(100)面から所定の角度で傾斜したGaAs基板であり、
    前記光増幅部は、前記発光面から入射する前記レーザー光を合成してレーザー光束として射出するレーザー光発生装置。
  2. 請求項1に記載のレーザー光発生装置であって、
    前記角度は5°〜20°の間であることを特徴とするレーザー光発生装置。
  3. 請求項1または2に記載のレーザー光発生装置であって、
    前記角度は15°であることを特徴とするレーザー光発生装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つに記載のレーザー光発生装置であって、
    前記活性層は、InGaAs材料を含むことを特徴とするレーザー光発生装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つに記載のレーザー光発生装置であって、
    前記面発光レーザー素子は、前記レーザー光の射出側が前記基板側よりも狭いメサ構造を有し、前記メサ構造の端部に矩形の前記発光面が形成されることを特徴とするレーザー光発生装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載のレーザー光発生装置であって、
    前記面発光レーザー素子の前記発光点の前記射出面側には、誘電体材料を用いた異方性フィルタが形成されていることを特徴とするレーザー光発生装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載のレーザー光発生装置であって、
    前記面発光レーザー素子は前記発光点が複数形成されている面発光レーザーアレイであることを特徴とするレーザー光発生装置。
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