JP2017157446A - 直流コンセント装置 - Google Patents

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【課題】 プラグを抜き取る際にアーク放電の発生を防止できる直流コンセント装置を提供する。【解決手段】 正極側受け刃12aと負極側受け刃12bからなる一対の受け刃12を有し、正極側受け刃12aは中間受け刃30と中間受け刃30の奥に配置された可動受け刃31とを有して2段に形成され、可動受け刃31は中間受け刃30に接触する位置と栓刃21の挿入方向に移動して分離した位置との間で移動可能に配置されて、別途設けられた付勢部材15により分離する方向へ常時付勢されて成ると共に、中間受け刃30と負極側受け刃12bとの間にはコンデンサC1と第1抵抗素子R1とが直列接続されたアーク抑止回路13が接続されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、一般家庭において直流配電を行う際に壁面等に設置されて、直流負荷から延びたプラグを接続するための直流コンセント装置に関する。
省エネルギーの観点から、電力変換損失の少ない直流配電が検討されている。しかし、直流配電を行う場合、従来の交流配電で使用されているようなプラグとコンセントの構成では、コンセントからプラグを抜き取る際に発生するアーク放電が終息し難く、直流配電に適したアーク放電の発生を抑止するコンセントが提案されている。
例えば、特許文献1では、プラグをコンセントから抜き取る際に、抜き取り操作を受けて接続部に並列に抵抗素子が接続されるよう構成し、プラグを抜き取る際に抵抗素子に分流させることでアーク放電の発生を減らした。
特開2009−146782号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の技術は、コンセントだけではなく接続するプラグも従来の交流プラグの構成に対して大きな設計変更が必要でありコスト高な技術であった。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、プラグを抜き取る際にアーク放電の発生を防止できる直流コンセント装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、正極側受け刃と負極側受け刃からなる一対の受け刃を有し、直流負荷が接続されたプラグの一対の栓刃を受け刃に接続することで直流負荷に直流電源を供給するコンセント装置であって、正極側受け刃は、中間受け刃と中間受け刃の奥に配置された可動受け刃とを有して2段に形成され、可動受け刃は、中間受け刃に接触する位置と栓刃の挿入方向に移動して分離した位置との間で移動可能に配置されて、別途設けられた付勢手段により分離する方向へ常時付勢されて成ると共に、中間受け刃と負極側受け刃との間にはコンデンサと第1抵抗素子とが直列接続されたアーク抑止回路が接続されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、プラグを抜き取る際、正極側電路に接続された可動受け刃と栓刃との接続が外れても、栓刃は瞬間的に可動受け刃と同電位にある中間受け刃と接触状態にあるため、栓刃と可動受け刃との間でアーク放電が発生するようなことがない。そして、栓刃が中間受け刃から抜き取られる際には、アーク抑止回路のコンデンサの充電電荷が直流負荷に消費されて放電が進むため中間受け刃の電位は低下し、栓刃がコンセント装置から完全に抜き取られる際にもアーク放電は発生しない。よって、プラグをコンセント装置から抜き取る際にアーク放電の発生を防止できる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、アーク抑止回路は、第2抵抗素子がコンデンサに並列に接続されると共に、第1抵抗素子にはダイオードが並列に接続されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、コンデンサとダイオードから成る負荷回路が中間受け刃と負極側受け刃との間に設けられていることで、可動受け刃が栓刃から抜けた後はコンデンサの充電電荷は速やかに消費される。また、コンデンサに電荷が残っていたとしても、コンデンサに並列に接続されている第2抵抗素子によりエネルギーは消費され、コンデンサに電荷が残る続けることがない。
本発明によれば、プラグを抜き取る際、正極側電路に接続された可動受け刃と栓刃との接続が外れても、栓刃は瞬間的に可動受け刃と同電位にある中間受け刃と接触状態にあるため、栓刃と可動受け刃との間でアーク放電が発生するようなことがない。そして、栓刃が中間受け刃から抜き取られる際には、アーク抑止回路により中間受け刃の電位は低下するため、栓刃がコンセント装置から完全に抜き取られる際にもアーク放電は発生しない。よって、プラグをコンセント装置から抜き取る際にアーク放電の発生を防止できる。
本発明に係る直流コンセント装置の一例を示す構造説明図である。 プラグ抜き取り時の動作説明図であり、(a)はプラグが差し込まれた状態、(b)は抜き取りを開始した状態、(c)は抜き取り完了直前の状態をそそれぞれ示している。 プラグ差込時の動作説明図であり、(a)は差し込んだ直後の状態、(b)は差し込みが完了した状態を示している。
本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る直流コンセント装置の一例を示す説明図であり、1は直流コンセント装置、2はコンセント装置に接続するプラグ、4は直流負荷、5は直流電源である。
直流コンセント装置1は、正極側受け刃12aと負極側受け刃12bから成る一対の受け刃12と、アーク放電の発生を防止するためのアーク抑止回路13とをケース11内に収容して形成されている。ケース11の前面11aには、プラグ2を挿入する差込孔14(14a,14b)が設けられている。
プラグ2は、直流コンセント装置1の一対の受け刃12に接続するための正極側栓刃21aと負極側栓刃21bからなる一対の栓刃21を有し、この一対の栓刃21は電源コード22を介して直流負荷4に接続されている。
以下、直流コンセント装置1を具体的に説明する。正極側受け刃12aは、中間受け刃30と可動受け刃31の2部材で構成され、中間受け刃30はケース11の差込孔14aの背部に固定配置されている。可動受け刃31は、差込孔14aから見て中間受け刃30の奥部に配置されている。この構成により、挿入されるプラグ2の栓刃21aは最初に中間受け刃30に接触するし、抜き取る際には最初に可動受け刃31から抜ける。
また可動受け刃31は、プラグ2の挿入方向、即ち栓刃21aの挿入方向に移動可能に設けられ、中間受け刃30に接触した状態と、大きく分離した状態の双方の状態をとることができる。
そして、可動受け刃31とケース前面11aの背部との間には例えばコイルバネからなる付勢部材15が配置され、可動受け刃31は常時後方(中間受け刃30から離れる方向)に付勢されている。この可動受け刃31が、ケース11に設けられた正極側接続端子16を介して直流電源5の正極に接続されている。
一方、負極側受け刃12bは、1つの受け刃で構成され、ケース11に設けられた負極側接続端子17を介して直流電源5の負極に接続されている。そして、負極側接続端子17と中間受け刃30との間にアーク抑止回路13が設けられている。
アーク抑止回路13は、ダイオードD1と第1抵抗素子R1の並列回路と、コンデンサC1と第2抵抗素子R2の並列回路とが直列接続されて成り、ダイオードD1は直流電路の極性に対して逆接続されている。
このように構成された直流コンセント装置1のアーク抑止作用を次に説明する。上記直流コンセント装置1はプラグ2の抜き取り操作に対して以下の様に作用する。図2はプラグ抜き取り時の動作説明図であり、(a)はプラグ2が差し込まれた状態、(b)は抜き取りを開始した状態、(c)は抜き取り完了直前の状態をそれぞれ示しており、この図2を参照して説明する。
まず、プラグ2が直流コンセント装置1に完全に差し込まれた状態では、正極側栓刃21aは可動受け刃31と負極側受け刃12bの双方に接続されており、直流負荷4に直流電源5から直流電流が通電される。
この状態からプラグ2の抜き取りを開始すると、図2(b)に示すように、可動受け刃31は正極側栓刃21aと共に移動し、中間受け刃30に接触する。この状態でも、直流負荷4には安定した直流電流が供給される。
抜き取りが更に進むと、図2(c)に示すように可動受け刃31は正極側栓刃21aから外れて付勢部材15の作用によりもとの位置に戻る。
このとき、正極側栓刃21aに接触している中間受け刃30は、可動受け刃31が抜け落ちる瞬間まで、直接或いは正極側栓刃21aを介して可動受け刃31に接触していたことで、可動受け刃31が抜ける瞬間は、可動受け刃31と同電位にある。そのため、可動受け刃31が抜け落ちる瞬間可動受け刃31と中間受け刃30との間でアーク放電は発生しない。
また、可動受け刃31が抜け落ちた瞬間からコンデンサC1の充電電荷は直流負荷4で消費されるし、プラグ2が抜き取られても第2抵抗素子R2で消費されるため、やがて負極側受け刃12bと同電位になる。
尚、正極側栓刃21aが抜けた可動受け刃31は付勢部材15の作用により速やかに規定位置に戻るため、中間受け刃30から正極側栓刃21aが抜ける際には、大きく分離された状態にある。そして、抜き取った状態が図1の状態となる。
このように、プラグ2を抜き取る際、正極側電路に接続された可動受け刃31と正極側栓刃21aとの接続が外れても、正極側栓刃21aは瞬間的に可動受け刃31と同電位にある中間受け刃30と接触状態にあるため、正極側栓刃21aと可動受け刃31との間でアーク放電が発生するようなことがない。そして、正極側栓刃21aが中間受け刃31から抜き取られる際には、アーク抑止回路13のコンデンサC1の充電電荷が直流負荷4に消費されて放電が進むため中間受け刃30の電位は低下し、正極側栓刃21aがコンセント装置1から完全に抜き取られる際にもアーク放電は発生しない。よって、プラグ2をコンセント装置1から抜き取る際にアーク放電の発生を防止できる。
加えて、コンデンサC1とダイオードD1から成る負荷回路が中間受け刃30と負極側受け刃12bとの間に設けられていることで、可動受け刃31が正極側栓刃21aから抜けた後はコンデンサC1の充電電荷は速やかに消費される。また、コンデンサC1に電荷が残っていたとしても、コンデンサC1に並列に接続されている第2抵抗素子R2によりエネルギーは消費され、コンデンサC1に電荷が残る続けることが無く、直流コンセント装置1を安全に使用できる。
一方、プラグ2の差し込み時の動作は以下の様である。図3はプラグ差込時の動作説明図であり、(a)は差し込んだ直後の状態、(b)は差し込みが完了した状態を示し、この図3を参照して説明する。
直流コンセント装置1にプラグ2を差し込んだ瞬間、図3(a)に示すように栓刃21(21a,21b)は負極側受け刃12bと中間受け刃30に接触する。このときには、まだ直流負荷4に電流は通電されない。
そして、プラグ2の差し込みが進むことで、中間受け刃30を通過した正極側栓刃21aは可動受け刃31に接触し、その後図3(b)に示すように挿入されて直流負荷4への通電が開始される。このとき、アーク抑止回路13への通電もスタートし、コンデンサC1の充電が開始されるが、ダイオードD1及び第1抵抗素子R1の作用により、充電電流を小さくできアーク放電は発生しない。
尚、上記実施形態は、アーク抑止回路13をダイオードD1と第1抵抗素子R1の並列回路と、コンデンサC1と第2抵抗素子R2の並列回路とを直列接続して構成しているが、コンデンサC1と第1抵抗素子R1の直列回路のみでも良く、アーク放電の防止には有効である。
1・・直流コンセント装置、2・・プラグ、5・・直流電源、11・・ケース、12・・受け刃、12a・・正極側受け刃、12b・・負極側受け刃、13・・アーク抑止回路、15・・付勢部材(付勢手段)、16・・正極側接続端子、17・・負極側接続端子、21・・栓刃、30・・中間受け刃、31・・可動受け刃、R1・・第1抵抗素子、R2・・第2抵抗素子、D1・・ダイオード、C1・・コンデンサ。

Claims (2)

  1. 正極側受け刃と負極側受け刃からなる一対の受け刃を有し、直流負荷が接続されたプラグの一対の栓刃を前記受け刃に接続することで前記直流負荷に直流電源を供給するコンセント装置であって、
    前記正極側受け刃は、中間受け刃と中間受け刃の奥に配置された可動受け刃とを有して2段に形成され、
    前記可動受け刃は、前記中間受け刃に接触する位置と前記栓刃の挿入方向に移動して分離した位置との間で移動可能に配置されて、別途設けられた付勢手段により分離する方向へ常時付勢されて成ると共に、
    前記中間受け刃と前記負極側受け刃との間にはコンデンサと第1抵抗素子とが直列接続されたアーク抑止回路が接続されて成ることを特徴とする直流コンセント装置。
  2. 前記アーク抑止回路は、第2抵抗素子が前記コンデンサに並列に接続されると共に、前記第1抵抗素子にはダイオードが並列に接続されて成ることを特徴とする請求項1記載の直流コンセント装置。
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