JP2017157063A - 自動運転車両 - Google Patents
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特許文献1に記載された車両では、案内経路の前方に、ドライバーの操作に依らない自動運転を中断する必要がある中断対象事象が存在すると判定された場合に、ドライバーの状態に基づいて、中断対象事象が存在する地点に達した際に、ドライバーが自動運転の継続を要望するか否かが予測される。ドライバーが自動運転の継続を要望すると予測された場合に、自動運転の中断タイミングが再設定される。再設定された自動運転の再中断タイミングに基づいて自動運転をドライバーの操作に依る手動運転に切り替えるように、設定が行われる。
ところが、状況によっては、自動運転車両が自動運転可能領域から自動運転不可領域に進入する前に、ドライバーへの運転操作のハンドオーバーが完了しない可能性がある。
自動運転可能領域から自動運転不可領域への切替地点を含むルートを走行中、前記自動運転可能領域内でドライバーへの運転操作のハンドオーバーが完了しなかった場合に、前記自動運転車両が前記自動運転可能領域から前記自動運転不可領域に進入する前に、前記自動運転車両を、車両幅方向左側に位置しかつ継続しているガードレールまたは壁に沿って停車させるか、あるいは、車両幅方向右側に位置しかつ継続しているガードレールまたは壁に沿って停車させるハンドオーバー不可処理機能部を具備することを特徴とする自動運転車両が提供される。
そこで、本発明の自動運転車両では、自動運転可能領域内でドライバーへの運転操作のハンドオーバーが完了しなかった場合に、自動運転車両が、車両幅方向左側の継続しているガードレールまたは壁に沿って停車せしめられるか、あるいは、車両幅方向右側の継続しているガードレールまたは壁に沿って停車せしめられる。
そのため、本発明の自動運転車両では、自動運転可能領域内でドライバーへの運転操作のハンドオーバーが完了しなかったときに、自動運転車両が安全な位置に停車せしめられない場合よりも、安全性を向上させることができる。
自動運転には、例えば、車線維持支援制御が含まれる。車線維持支援制御では、自動運転車両Vが走行車線から逸脱しないように自動で(つまり、ドライバーの操舵操作によることなく)操舵輪(図示せず)が操舵される。すなわち、車線維持支援制御では、例えば、ドライバーが操舵操作を行わない場合であっても、自動運転車両Vが走行車線に沿って走行するように自動で操舵輪が操舵される。
また、自動運転には、例えば、航行制御が含まれる。航行制御では、例えば、自動運転車両Vの前方に先行車が存在しない場合に、予め設定された速度で自動運転車両Vを定速走行させる定速制御が実行され、自動運転車両Vの前方に先行車が存在する場合に、先行車との車間距離に応じて自動運転車両Vの車速を調整する追従制御が実行される。
図1に示す例では、例えば高速道路、有料道路などのような自動運転可能領域A(図3参照)において、自動運転車両Vの自動運転が実行される。
自動運転不可領域は、例えば、後述するECU10のROMなどに予め登録しておいてもよく、あるいは、例えば、後述する外部センサ1、GPS受信部2および地図データベース4により取得された情報に基づいて、例えば後述する認識部12が自動運転不可領域か否かを判定してもよい。
手動運転とは、例えば、ドライバーの運転操作を主体として自動運転車両Vを走行させる運転状態である。手動運転には、例えば、ドライバーの運転操作のみに基づいて自動運転車両Vを走行させる運転状態が含まれる。また、手動運転には、ドライバーの運転操作を主体としながら、ドライバーの運転操作を支援する運転操作支援制御が行なわれる運転状態も含まれる。
手動運転時に運転操作支援制御が行われる場合とは、例えば、ドライバーが自動運転車両Vの操舵、アクセル操作およびブレーキ操作のいずれかを主体的に行い、自動運転装置100がドライバーによる主体的な運転操作が行われなかった操舵制御、エンジン制御およびブレーキ制御のいずれかを行う態様が含まれる。
他の例では、GPS受信部2に代えて、自動運転車両Vが存在する緯度および経度が特定できる他の手段を用いてもよい。
また、内部センサ3は、操作量を検出するために、ステアリングセンサ、アクセルペダルセンサおよびブレーキペダルセンサのうちの少なくとも一つを含む。
他の例では、地図データベース4が、自動運転車両Vと通信可能な情報処理センターなどの施設のコンピュータに記憶されていてもよい。
ナビゲーションシステム5は、GPS受信部2によって測定された自動運転車両Vの位置情報と地図データベース4の地図情報とに基づいて、自動運転車両Vの走行するルートを算出する。ルートは、例えば複数車線の区間において自動運転車両Vが走行する走行車線を特定したルートでもよい。ナビゲーションシステム5は、例えば、自動運転車両Vの位置から目的地に至るまでの目標ルートを計算し、ディスプレイの表示およびスピーカの音声出力により目標ルートの報知をドライバーに対して行う。ナビゲーションシステム5は、例えば自動運転車両Vの目標ルートの情報をECU10へ出力する。
図1に示す例では、ナビゲーションシステム5がGPS受信部2によって測定された自動運転車両Vの位置情報と地図データベース4の地図情報とを用いるが、他の例では、代わりに、ナビゲーションシステム5が、自動運転車両Vと通信可能な情報処理センターなどの施設のコンピュータに記憶された情報を用いてもよい。あるいは、ナビゲーションシステム5により行われる処理の一部が、施設のコンピュータによって行われてもよい。
自動運転車両Vが電気自動車である他の例では、アクチュエータ6がスロットルアクチュエータを含まず、アクチュエータ6が動力源としてのモータを有し、そのモータに対してECU10からの制御信号が入力され、自動運転車両Vの駆動力が制御される。
ドライバーモニタカメラは、例えば、自動運転車両Vのステアリングコラムのカバー上でドライバーの正面の位置に設けられ、ドライバーの撮像を行う。ドライバーモニタカメラは、ドライバーを複数方向から撮像するため、複数個設けられていてもよい。ドライバーモニタカメラは、ドライバーの撮像情報をECU10へ出力する。
生体信号センサは、例えば、ドライバー自身に取り付けられるか、或いは、ドライバーの周辺に設置される。生体信号としては、例えば、人体の心拍、脳波、呼吸等に関する信号が挙げられる。その他にも従来公知の生体信号を用いることができる。生体信号は、周期、周波数、及び振幅を有する波形として検出される。生体信号センサは、ドライバーの生体信号をECU10へ出力する。
図1に示す例では、補助機器Uが、例えば方向指示灯、前照灯、ワイパー等を含む。
図1に示す例では、ECU10が、自動運転主機能部10a、ドライバーハンドオーバー機能部10b、ハンドオーバー不可処理機能部10cおよびガードレール検出機能部10dを有している。自動運転主機能部10aは、取得部11、認識部12、走行計画生成部13、計算部14、表示部15および制御部16を有している。ECU10では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、様々な機能が実現される。ECU10は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。
障害物認識部は、外部センサ1により取得された情報に基づき、自動運転車両Vの周囲の環境として、自動運転車両Vの周囲の障害物を認識する。障害物認識部が認識する障害物としては、例えば、歩行者、他車両、自動二輪車および自転車等の移動物や、道路の車線境界線(白線、黄線)、縁石、ガードレール、ポール、中央分離帯、建物および樹木等の静止物が含まれる。障害物認識部は、障害物と自動運転車両Vとの距離、障害物の位置、自動運転車両Vに対する障害物の方向、相対速度、相対加速度および障害物の種別、属性に関する情報を取得する。障害物の種別には、歩行者、他車両、移動物および静止物等が含まれる。障害物の属性とは、障害物の硬さ、形状などの障害物が有する性質である。
道路幅認識部は、外部センサ1、GPS受信部2および地図データベース4により取得された情報に基づき、自動運転車両Vの周囲の環境として、自動運転車両Vが走行する道路の道路幅を認識する。
施設認識部は、地図データベース4により取得された地図情報およびGPS受信部2により取得された自動運転車両Vの位置情報に基づき、自動運転車両Vの周囲の環境として、自動運転車両Vが交差点および駐車場のいずれかを走行しているか否かを認識する。施設認識部は、地図情報および自動運転車両Vの位置情報に基づき、自動運転車両Vの周囲の環境として、自動運転車両Vが、通学路、児童保育施設近傍、学校近傍および公園近傍等を走行しているか否かを認識してもよい。
走行計画は、目標ルートにおいて自動運転車両Vが進む軌跡である。走行計画には、例えば、各時刻における自動運転車両Vの速度、加速度、減速度、方向および舵角等が含まれる。
走行計画生成部13は、目標ルート上において自動運転車両Vが安全、法令順守、走行効率などの基準を満たした走行をするような走行計画を生成する。さらに、走行計画生成部13は、自動運転車両Vの周囲の障害物の状況に基づき、障害物との接触を回避するように自動運転車両Vの走行計画を生成する。
また、自動運転車両Vの自動運転の実行中、取得部11により取得されたドライバーの操作量が、計算部14により計算された閾値以上になったとき、制御部16は、自動運転から手動運転への切替を実行する。
具体的には、図1に示す例では、例えば、自動運転車両Vが自動運転可能領域A(図3参照)から自動運転不可領域C(図3参照)への切替地点(図3に示す例では、遷移領域B)を含むルートを走行しているとき、自動運転車両Vが切替地点に到達する前に、例えば自動運転装置100のドライバーハンドオーバー機能部10bが、HMI7(図1参照)を介して、ドライバーに対し、自動運転からドライバーの手動運転への切替(ドライバーへの運転操作のハンドオーバー)を要求する。
次いで、ドライバーは、自動運転から手動運転への切替が可能である場合に、例えば、自動運転スイッチ(図示せず)をオフにする。
次いで、例えば自動運転装置100のドライバーハンドオーバー機能部10bは、自動運転車両Vが自動運転可能領域Aから自動運転不可領域Cへの切替地点(遷移領域B)に到達する前に、つまり、自動運転車両Vが自動運転可能領域Aを走行しているときに、自動運転から手動運転への切替を実行する。その結果、ドライバーへの運転操作のハンドオーバーが完了する。
また、例えば高速道路、有料道路などのような自動運転可能領域A(図3参照)から、例えば一般道、混雑するETCゲートG1、G2、G3(図3参照)付近などのような自動運転不可領域C(図3参照)への切替地点である例えば高速道路、有料道路などの出口のETCゲートG1、G2、G3の手前側の遷移領域B(図3参照)においては、車両幅方向左側(図3の上側)または車両幅方向右側(図3の下側)に、車両進行方向(図3の左右方向)に継続しているガードレールGL、GR(図3参照)または壁が存在する。
そこで、第1の実施形態の自動運転車両Vでは、図1に示すように、ハンドオーバー不可処理機能部10cとガードレール検出機能部10dとが設けられている。さらに、第1の実施形態の自動運転車両Vでは、後述するハンドオーバー不可処理がハンドオーバー不可処理機能部10cによって実行される。
図2は第1の実施形態の自動運転車両Vのハンドオーバー不可処理機能部10cによって実行されるハンドオーバー不可処理などを説明するためのフローチャートである。図3はハンドオーバー不可処理が実行された自動運転車両Vの動きを概略的に説明するための図である。詳細には、図3は例えば高速道路または有料道路の出口料金所に設置されたETCゲートG1、G2およびETC/一般ゲートG3の自動運転車両Vの走行方向手前側を示している。
図2に示すルーチンが開始されると、ステップS100において、例えばドライバーハンドオーバー機能部10b(図1参照)により、ドライバーへの運転操作のハンドオーバー(自動運転から手動運転への切替)が実行される(詳細には、ドライバーに対してハンドオーバーの要求が出される)。
次いで、ステップS101では、自動運転車両Vが遷移領域B内に位置しているときに、例えばハンドオーバー不可処理機能部10c(図1参照)によって、ドライバーへの運転操作のハンドオーバーが自動運転可能領域A内で完了したか否かが判定される。YESのときにはステップS105に進み、NOのときにはステップS102に進む。
自動運転車両Vの幅方向左側に位置するガードレールGLまたは壁、および、自動運転車両Vの幅方向右側に位置するガードレールGRまたは壁は、例えば外部センサ1(図1参照)、GPS受信部2(図1参照)および地図データベース4(図1参照)により取得された情報に基づき、例えばガードレール検出機能部10dによって予め検出されている。
自動運転車両Vの幅方向左側に位置するガードレールGLが自動運転車両Vの走行方向に継続している場合には、ステップS103に進む。自動運転車両Vの幅方向右側に位置するガードレールGRが自動運転車両Vの走行方向に継続している場合には、ステップS104に進む。
ステップS104では、自動運転車両Vが自動運転可能領域Aから自動運転不可領域Cに進入する前に、例えばハンドオーバー不可処理機能部10cによって、自動運転車両Vが、減速せしめられ、自動運転車両Vの幅方向右側(図3の下側)に位置しかつ自動運転車両Vの走行方向(図3の左右方向)に継続しているガードレールGR(図3参照)または壁(図示せず)に沿って停車せしめられる。
ステップS105では、例えばドライバーハンドオーバー機能部10b(図1参照)によって、ドライバーへの運転操作のハンドオーバーが完了したことを示すフラグが立てられる。
図3に示す例では、自動運転車両Vのドライバーへの運転操作のハンドオーバーが、自動運転可能領域A内で完了しないため、ステップS101(図2参照)においてNOと判定される。また、ステップS102(図2参照)において、自動運転車両Vの幅方向左側(図3の上側)に位置するガードレールGLが自動運転車両Vの走行方向(図3の左右方向)に継続していると判定される。さらに、ステップS103(図2参照)が実行され、自動運転車両Vが自動運転可能領域Aから自動運転不可領域Cに進入する前に、例えばハンドオーバー不可処理機能部10c(図1参照)によって、自動運転車両Vが、減速せしめられ、ガードレールGLに沿って停車せしめられる。詳細には、図3に矢印で示すように自動運転車両VがガードレールGLに沿って停車せしめられるように、走行計画生成部13(図1参照)によって、自動運転車両Vの走行計画(目標進路)が生成される。
図3に示す例では、ガードレールGL’が遷移領域Bまで自動運転車両Vの走行方向に継続していないため、自動運転車両VはガードレールGL’に沿って停車せしめられない。
詳細には、図3に示す例では、次いで、停車した自動運転車両Vのドライバーによる操舵操作、アクセル操作およびブレーキ操作のいずれかの操作量が上述した閾値以上になったときに、自動運転車両Vの自動運転装置100によって、自動運転から手動運転への切替が実行される。
図3に示す例では、自動運転車両V’のドライバーへの運転操作のハンドオーバーが、自動運転可能領域A内で完了しないため、ステップS101(図2参照)においてNOと判定される。また、ステップS102(図2参照)において、自動運転車両V’の幅方向右側(図3の下側)に位置するガードレールGRが自動運転車両V’の走行方向(図3の左右方向)に継続していると判定される。さらに、ステップS104(図2参照)が実行され、自動運転車両V’が自動運転可能領域Aから自動運転不可領域Cに進入する前に、例えばハンドオーバー不可処理機能部10c(図1参照)によって、自動運転車両V’が、減速せしめられ、ガードレールGRに沿って停車せしめられる。詳細には、図3に矢印で示すように自動運転車両V’がガードレールGRに沿って停車せしめられるように、走行計画生成部13(図1参照)によって、自動運転車両V’の走行計画(目標進路)が生成される。
図3に示す例では、ガードレールGR’が遷移領域Bまで自動運転車両V’の走行方向に継続していないため、自動運転車両V’はガードレールGR’に沿って停車せしめられない。
そのため、第1の実施形態の自動運転車両Vでは、自動運転可能領域A内でドライバーへの運転操作のハンドオーバーが完了しなかったときに、自動運転車両Vが安全な位置に停車せしめられない場合よりも、安全性を向上させることができる。
また、第1の実施形態の自動運転車両Vでは、自動運転可能領域A内でドライバーへの運転操作のハンドオーバーが完了しなかったときに、自動運転車両Vのフェイルオペレーションが必要となる場合よりも、自動運転車両Vの操作性を向上させることができる。
2 GPS受信部
3 内部センサ
4 地図データベース
5 ナビゲーションシステム
6 アクチュエータ
7 HMI
8 ドライバー状態検出部
10 ECU
10a 自動運転主機能部
10b ドライバーハンドオーバー機能部
10c ハンドオーバー不可処理機能部
10d ガードレール検出機能部
11 取得部
12 認識部
13 走行計画生成部
14 計算部
15 表示部
16 制御部
100 自動運転装置
A 自動運転可能領域
B 遷移領域
C 自動運転不可領域
GL、GR ガードレール
U 補助機器
V 自動運転車両
Claims (1)
- 自動運転が実行される自動運転車両において、
自動運転可能領域から自動運転不可領域への切替地点を含むルートを走行中、前記自動運転可能領域内でドライバーへの運転操作のハンドオーバーが完了しなかった場合に、前記自動運転車両が前記自動運転可能領域から前記自動運転不可領域に進入する前に、前記自動運転車両を、車両幅方向左側に位置しかつ継続しているガードレールまたは壁に沿って停車させるか、あるいは、車両幅方向右側に位置しかつ継続しているガードレールまたは壁に沿って停車させるハンドオーバー不可処理機能部を具備することを特徴とする自動運転車両。
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