JP2017156531A - 偏光板保護フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺状の偏光板保護フィルムをロール体として巻き取った際の耐傷性や巻き形状に優れた薄膜な偏光板保護フィルムを提供する。【解決手段】支持体上にノルボルネン系樹脂を含有するポリマー層を有する偏光板保護フィルムであって、ポリマー層の層厚が1〜10μmの範囲内であり、ノルボルネン系樹脂が、下記一般式(1)で表されるノルボルナン骨格を有するノルボルネン系樹脂であり、ポリマー層のリターデーション値Roが、0〜10nmの範囲内であり、リターデーション値Rtが、−20〜20nmの範囲内であり、ポリマー層がシリコーン系添加剤を含有し、かつ、ポリマー層が残留溶媒を含有し、当該残留溶媒質量が500〜10000ppmの範囲内であることを特徴とする。〔式中、Rは、炭素数が1〜3の直鎖又は分岐アルキル基を表す。〕【選択図】なし

Description

本発明は偏光板保護フィルムに関し、より詳しくは、長尺状の偏光板保護フィルムをロール体として巻き取った際の耐傷性や巻き形状に優れた、薄膜な偏光板保護フィルムに関する。
偏光板の薄型化のために、より薄膜の偏光板保護フィルムが求められている。
中でも、偏光板の耐久性の観点からノルボルネン系樹脂の偏光板保護フィルムを使用することが増えてきている。
しかし、膜厚が10μm以下のノルボルネン系樹脂を用いた偏光板保護フィルムでは剛性が低下するため、長尺状のフィルムをロール体として巻いた際に、巻きに伴う傷が発生しやすい問題があった。
また、当該膜厚10μm以下のノルボルネン系樹脂を用いた偏光板保護フィルムは、前記ロール体にした際に巻き形状が変形する問題があった。
一方、薄膜の偏光板保護フィルムを作製する方法として、仮支持体上にシクロオレフィン系ポリマーを塗布製膜することにより、シクロオレフィン系ポリマーフィルムを薄膜で形成する方法が、特許文献1に開示されている。
しかしながら、当該方法によっても、長尺状のフィルムをロール体にした際に耐傷性や巻き形状が変形する問題を解決するには不十分であった。
国際公開第2014/199934号
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、長尺状の偏光板保護フィルムをロール体として巻き取った際の耐傷性や巻き形状に優れた、薄膜な偏光板保護フィルムを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、支持体上に、特定のノルボルナン骨格を有するノルボルネン系樹脂とシリコーン系添加剤と残留溶媒とを含有する薄膜なポリマー層を有し、当該ポリマー層が特定のリターデーション値を有する偏光板保護フィルムによって、薄膜かつ長尺状の偏光板保護フィルムをロール体として巻き取った際の傷の発生が低減され、巻き形状に優れた偏光板保護フィルムが得られることを見出した。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.支持体上にノルボルネン系樹脂を含有するポリマー層を有する偏光板保護フィルムであって、
前記ポリマー層の層厚が1〜10μmの範囲内であり、
前記ノルボルネン系樹脂が、下記一般式(1)で表されるノルボルナン骨格を有するノルボルネン系樹脂であり、
前記ポリマー層の下記式(i)で定義されるリターデーション値Roが、0〜10nmの範囲内であり、下記式(ii)で定義されるリターデーション値Rtが、−20〜20nmの範囲内であり、
前記ポリマー層がシリコーン系添加剤を含有し、かつ、
前記ポリマー層が残留溶媒を含有し、当該残留溶媒質量が500〜10000ppmの範囲内であることを特徴とする偏光板保護フィルム。
Figure 2017156531
〔式中、Rは、炭素数が1〜3の直鎖又は分岐アルキル基を表す。〕
式(i)
Ro=(n−n)×d
式(ii)
Rt={(n+n)/2−n}×d
〔式中、Roはポリマー層の面内方向のリターデーション値、Rtはポリマー層の厚さ方向のリターデーション値、nはポリマー層の遅相軸方向の屈折率、nはポリマー層の面内の進相軸方向の屈折率、nはポリマー層の厚さ方向の屈折率(屈折率は23℃、55%RHの環境下、波長590nmで測定)、dはポリマー層の厚さ(nm)を表す。〕
2.前記ポリマー層が、マット剤を当該ポリマー層全質量の0.1〜0.5質量%の範囲内で含有することを特徴とする第1項に記載の偏光板保護フィルム。
3.前記マット剤がシリカ粒子であり、当該シリカ粒子がメタノールウエッタビリティ法による疎水化度試験において、メタノールの混合比率が45体積%以上であることを特徴とする第2項に記載の偏光板保護フィルム。
4.前記ポリマー層が、さらにポリエステル系可塑剤を含有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルム。
5.前記残留溶媒が、芳香族系の溶媒を含むことを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルム。
6.前記支持体が、ポリエステル系樹脂フィルムであることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルム。
本発明の上記手段により、長尺状の偏光板保護フィルムをロール体として巻き取った際の耐傷性や巻き形状に優れた、薄膜な偏光板保護フィルムを提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明では、特定の構造のノルボルネン系樹脂を含有する薄膜なポリマー層を支持体と一体化させ、偏光板保護フィルムとすることにより、当該偏光板保護フィルムをロール体として巻き取った際の傷の発生を抑制することができる。これは、特定の構造のノルボルネン系樹脂によってポリマー層の剛度が高くなること、及び支持体と一体化することでフィルムの剛性が上昇するために、傷の発生が抑制されるものと推察される。
また、ノルボルネン系樹脂を含有するポリマー層にシリコーン系添加剤を含有させることにより、長尺状の偏光板保護フィルムをロール体にした際の巻き形状の変形を抑制することができる。これは、シリコーン系添加剤を含有したノルボルネン系樹脂フィルムは、シリコーンの作用によりきしみ値が低下するために、巻き形状の変形を抑制することができるものと推察される。
さらに、マット剤を含有することは、表面の滑り性を向上し、きしみ値を低下させるため、傷の発生や巻き形状の変形をさらに抑制することができる。
本発明に係る支持体としては、ポリエステル系樹脂フィルムを用いることが好ましい。当該ポリエステル系樹脂フィルムは平面性が良いため支持体として用いることで、偏光板保護フィルムの平面性が良くなり、前記巻き形状の変形をさらに抑制することができる。
また、ポリエステル系可塑剤及び芳香族系の溶媒を用いることは、リターデーション値を低減する効果があり、低リターデーション値を有する偏光板保護フィルムとして、IPS型液晶表示装置の位相差フィルムとして好適である。
本発明の偏光板保護フィルムの構成を示す模式図 本発明の偏光板保護フィルムを製造する塗布装置の模式図
本発明の偏光板保護フィルムは、支持体上にノルボルネン系樹脂を含有するポリマー層を有する偏光板保護フィルムであって、前記ポリマー層の層厚が1〜10μmの範囲内であり、前記ノルボルネン系樹脂が、前記一般式(1)で表されるノルボルナン骨格を有するノルボルネン系樹脂であり、前記ポリマー層の前記式(i)で定義されるリターデーション値Roが、0〜10nmの範囲内であり、前記式(ii)で定義されるリターデーション値Rtが、−20〜20nmの範囲内であり、前記ポリマー層がシリコーン系添加剤を含有し、かつ、前記ポリマー層が残留溶媒を含有し、当該残留溶媒質量が500〜10000ppmの範囲内であることを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記ポリマー層が、マット剤を当該ポリマー層全質量の0.1〜0.5質量%の範囲内で含有することが、好ましく、当該マット剤がシリカ粒子であり、当該シリカ粒子がメタノールウエッタビリティ法による疎水化度試験において、メタノールの混合比率が45体積%以上であることが、フィルムのきしみ値を低下させる効果が高く、偏光板保護フィルムのロール体の巻き形状の変形をさらに抑制することができ、好ましい。
また、前記ポリマー層が、さらにポリエステル系可塑剤を含有することや、前記残留溶媒が、芳香族系の溶媒を含むことが、リターデーション値を低下する効果を発現し、IPS型液晶表示装置に用いる偏光板保護フィルムとして、好ましい実施態様である。
平面性の観点から、前記支持体が、ポリエステル系樹脂フィルムであること好ましく、
本発明に係る前記支持体として用いることによって、偏光板保護フィルムのロール体の巻き形状の変形をさらに抑制することができ、好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
≪本発明の偏光板保護フィルムの概要≫
本発明の偏光板保護フィルムは、支持体上にノルボルネン系樹脂を含有するポリマー層を有する偏光板保護フィルムであって、前記ポリマー層の層厚が1〜10μmの範囲内であり、前記ノルボルネン系樹脂が、下記一般式(1)で表されるノルボルナン骨格を有するノルボルネン系樹脂であり、前記ポリマー層の下記式(i)で定義されるリターデーション値Roが、0〜10nmの範囲内であり、下記式(ii)で定義されるリターデーション値Rtが、−20〜20nmの範囲内であり、前記ポリマー層がシリコーン系添加剤を含有し、かつ、前記ポリマー層が残留溶媒を含有し、当該残留溶媒質量が500〜10000ppmの範囲内であることを特徴とする。
本発明のシクロオレフィン系フィルム中に含有される上記残留溶媒は、フィルム製造後にフィルム中に含有される溶媒質量をいう。当該溶媒質量は、後述するヘッド・スペース・ガスクロマトグラフィー法により定量することができるが、その測定はフィルム製造後からフィルム加工前までの期間に測定されたときの値をいう。通常、フィルムは、製造されて巻き取られた後に保護シート等にくるまれて準密閉状態で保管され、加工されるまではその状態であるため、残留溶媒量の変動は小さい。したがって、残留溶媒量の測定はフィルム製造後からフィルム加工前までの期間に測定されたときの値をもって、本願発明の構成であるかを判断することができる。
本発明の偏光板保護フィルムは、長尺であることが好ましく、具体的には、100〜10000m程度の長さであることが好ましく、3000〜10000m程度の長さであることがより好ましく、ロール状に巻き取られる。また、本発明の偏光板保護フィルムの幅は1m以上であることが好ましく、更に好ましくは1.3m以上であり、特に1.3〜4mであることが好ましい。
本発明の偏光板保護フィルムの構成を図をもって説明する。
図1は、本発明の偏光板保護フィルムの一例を示す模式図である。
本発明の偏光板保護フィルムFは、支持体1上にノルボルネン系樹脂を含有するポリマー層2を有する構成である。当該ポリマー層2は、ノルボルネン系樹脂を含有する塗布組成物を支持体1上に塗布することによって形成することが好ましい。また、本願発明の実施態様として、ノルボルネン系樹脂を含有する組成物を金属支持体上に流延した後剥離してフィルム化し、当該フィルムを本発明に係るポリマー層として前記支持体に接着させて一体化する態様も含むものであるが、通常1〜10μm程度の薄膜なフィルムを均一に破断等の故障なく作製するのは困難であることから、ノルボルネン系樹脂を含有する塗布組成物を支持体1上に塗布することによって、前記ポリマー層2を形成する方法を採用することが、好ましい。
前記支持体1の前記ポリマー層とは反対側の面には、ブロッキング防止層やカール防止層等を設けることができ、前記ポリマー層上には、ハードコート層や光学補償層等の機能性層を適宜設けることができる。
以下、本発明の構成要素を詳細に説明する。
〔1〕一般式(1)で表されるノルボルナン骨格を有するノルボルネン系樹脂
本発明の偏光板保護フィルムは、フィルム構成材料として、下記一般式(1)で表されるノルボルナン骨格を有するノルボルネン系樹脂を含有することを特徴とする。
Figure 2017156531
上記一般式(1)において、Rは、炭素数が1〜3の直鎖又は分岐アルキル基を表す。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、又はi−プロピル基を表す。
本発明に係る一般式(1)で表されるノルボルナン骨格を有するノルボルネン系樹脂の好ましい分子量は、30℃測定での固有粘度〔η〕inhで0.2〜5cm/gの範囲内、更に好ましくは0.3〜3cm/gの範囲内、特に好ましくは0.4〜1.5cm/gの範囲内である。
数平均分子量(Mn)は、8000〜100000の範囲内、更に好ましくは10000〜80000の範囲内、特に好ましくは12000〜50000の範囲内である。
重量平均分子量(Mw)は、100000〜180000の範囲内であることが好ましく、110000〜140000の範囲内であることがより好ましい。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)が上記範囲内にあることによって、一般式(1)で表されるノルボルナン骨格を有するノルボルネン系樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、本発明の偏光板保護フィルムとしての成形加工性が良好となる。
固有粘度〔η〕inhは、一般式(1)で表されるノルボルナン骨格を有するノルボルネン系樹脂をクロロホルムに溶解させた樹脂溶液を、ウベローデ型粘度計を用いて測定(測定温度30℃)することができる。
数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー社製 HLC8220GPC)、カラム(東ソー社製 TSK−GEL G6000HXL−G5000HXL−G5000HXL−G4000HXL−G3000HXL
直列)を用いて測定する。試料20mg±0.5mgをテトラヒドロフラン10mLに溶解し、0.45mmのフィルターで濾過する。この溶液をカラム(温度40℃)に100mL注入し、検出器RI温度40℃で測定し、スチレン換算した値を用いる。
〔2〕シリコーン系添加剤
シリコーン系添加剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤等を挙げることができる。ここで、シリコーン系添加剤とは、シロキサン骨格を繰り返し単位として有するオリゴマー又はポリマーであることをいい、このシロキサン繰り返し構造は、主鎖として有していても良いし、グラフトされた側鎖として有していても良い。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーンやアクリル変性シリコーン等を挙げることができ、上記共栄社化学社製のGLシリーズ(例えば、GL−01、GL−02R、GL−03、GL−04R等)や、日信化学工業社製のシルフェイスシリーズ(例えば、シルフェイスSAG002、シルフェイスSAG005、シルフェイスSAG008、シルフェイスSAG503A等)等を挙げることができる。
シリコーン系添加剤の含有量は、前記ポリマー層を構成する材料中の溶媒を除く全成分に対し、0.01〜5.0質量%の範囲内が好ましく、0.05〜3.0質量%の範囲内がより好ましい。含有量が、0.01質量%以上であることで、本発明の効果を十分に発揮でき、5.0質量%以下であることで、ポリマー層のヘイズを低く抑えつつ滑り性をより確実に付与することができる。
また、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えばフッ素系界面活性剤、フッ素−シロキサングラフト化合物又はフッ素系化合物等のフッ素系材料、例えば、ビニル共重合物、ビニル−シロキサングラフト化合物等のビニル系材料、例えば、アクリル−シリコーングラフト化合物、アクリル共重合物等のアクリル系材料を、表面調整剤として適宜用いることもできる。
〔3〕マット剤
本発明に係るポリマー層には、マット剤を含有することが好ましい。
本発明に係るポリマー層に適用可能なマット剤は、通常、フィルムの添加物として用いられるもので、表面の滑り性の悪さを改良するためには、ポリマー層表面に凹凸を付与することが有効であり、有機微粒子又は無機微粒子を含有させて、ポリマー層表面の粗さを増加させ、いわゆるマット化することで、接着性を減少させ、耐擦過性の向上を図るために用いられるものである。
しかしながら、粗い表面にするほどヘイズの上昇を生じ、透明性が低下するため、適用可能なマット剤の平均粒径や含有量は限定される。本発明に使用するマット剤としては、平均粒径が1〜1000nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは1〜100nmの範囲内であり、特に好ましくは3〜500nmの範囲内である。
〈マット剤の平均粒子径の測定方法〉
本発明に係るポリマー層中におけるマット剤の粒子径の測定は、ミクロトームで断層カットした層断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で適当な倍率で撮影し、断層カット写真に含まれる100個の粒子の粒子径を測定し、平均値を求め平均粒子径とする。粒子径は、粒子の断面が円形状の場合はその直径とし、円形状以外の場合は面積を算出し、それを円形状に換算したときの直径とする。
SEM:JSM−6060LA(日本電子株式会社)
ミクロトーム:ライカ製EM UC6
また、上記マット剤の添加量としては、フィルム100質量%に対して、球形、不定形微粒子を問わず、滑り性効果とヘイズのバランスをとる観点から、0.1〜0.5質量%の範囲内とすることが好ましい。
本発明において、マット剤を含有したポリマー層の好ましいヘイズ値は、2.0%以下であり、1.2%以下が更に好ましく、0.5%以下が特に好ましい。
マット剤を添加したポリマー層の好ましい静摩擦係数は、1.5以下であり、1.0以下が特に好ましい。動摩擦係数は、「JIS K7125 プラスチック−フィルム及びシート摩擦係数試験方法」に準じて測定することができる。
静摩擦係数が1.5以下であれば、当該ポリマー層を有する偏光板保護フィルムは巻取り時に、ツレや巻きシワを生じず、したがってツレや巻きシワにより巻き姿が損なわれたり、ツレやシワによって不均一な張力が偏光板保護フィルムにかかったりすることがなく、フィルム面に意図しない不均一な光学特性が発現するといった問題が生じない。
本発明で適用可能なマット剤としては、一般的な偏光板保護フィルムに用いられるものであれば、特に制限はなく、またこれらのマット剤は2種以上混ぜて用いることもできる。本発明に係るマット剤としては、無機微粒子、高分子化合物を含む有機微粒子が挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、硫酸バリウム、マンガンコロイド、二酸化チタン、硫酸ストロンチウムバリウム、二酸化ケイ素、などの無機物微粒子が挙げられるが、更に、例えば、湿式法やケイ酸のゲル化より得られる合成シリカ等の二酸化ケイ素やチタンスラッグと硫酸により生成する二酸化チタン(ルチル型やアナタース型)等が挙げられる。無機微粒子としては、ケイ素を含むものが、濁度及びフィルムのヘイズを低減できる点で好ましい。二酸化ケイ素のような微粒子は有機物により表面修飾されているものが多いが、このようなものは、フィルムの表面ヘイズを低減できるため好ましい。表面修飾で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどを挙げることができる。
また、有機微粒子を構成する高分子化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレンカーボネート、デンプン等があり、また、それらの粉砕分級物も挙げられる。又は、懸濁重合法で合成した高分子化合物、スプレードライ法若しくは分散法等により球型にした高分子化合物、又は無機化合物を用いることができる。
上記各マット剤の中でも、二酸化ケイ素粒子(シリカ粒子)であるのが好ましい。
特に、シリカ粒子は、炭素数4〜21のアルキル基を有するアルキルシラン、ジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン環状体、メタクリロキシシラン、及びアミノシランから選択される少なくとも1種の化合物により表面修飾されているシリカ粒子であることが好ましい。
このような鎖の長い官能基又は環状官能基を有する化合物により表面修飾しているシリカ粒子を含有させることで、ノルボルネン系樹脂との絡み合いや相互作用が向上して二次凝集体を形成しやすくすることで、当該ノルボルネン系樹脂フィルム自体のマット効果を発現するものである。
また、シリカ粒子表面が疎水化処理されることによって、溶媒に対しての分散性がよく、異物の発生を抑制できることから、好ましい。
シリカ粒子表面の疎水化の程度は、以下のメタノールウエッタビリティ法によって、定量化することができる。
〈メタノールウエッタビリティ法〉
メタノールと純水とを混合させた溶液において、純水に対するメタノールの混合比率を変えながら、各溶液にシリカ粒子を同量(同体積量)添加して撹拌混合し、この混合した各溶液を遠心分離させて、前記シリカ粒子の沈降物の体積をそれぞれ求め、当該溶液におけるシリカ粒子の沈降物の体積が50%となる溶液のメタノール混合比率をいう。
メタノールの混合比率が45体積%以上であると、本発明に好ましいシリカ粒子であるといえる。
例えば、純水に対するメタノールの混合比率を変えた溶液を複数用意し、測定するシリカ微粒子の沈降物の体積が2.5mLであり、初めに添加したシリカ粒子の体積が5mLとなる溶液のメタノール混合比率が45体積%以上であれば、当該シリカ粒子は、本発明に好ましい表面修飾がなされた疎水化シリカ粒子といえる。
本発明に係るシリカ粒子は、市販品を好ましく使用することができ、下記日本アエロジル株式会社の製品アエロジルシリーズは好適である(括弧内は表面修飾剤)。
R812(トリメチルシラン)、R805(オクチルシラン)、R816(ヘキサデシルシラン)、NKC130(ジメチルシロキサン)、R711、R7200(以上、メタクリロキシシラン)、R202、RY200、RY200S、RY300(以上、ジメチルシロキサン)、R104、R105(以上、ジメチルシロキサン環状体)、RA200H、RA200HS(以上、アミノシラン)(以上、日本アエロジル株式会社製疎水性アエロジル)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でもアエロジルR812、R805、R816、NKC130、RY300が、ハンドリング時の取扱い性を向上しかつポリマー層のヘイズを低く保つことができ、好ましい。
(マット剤分散液に使用する有機溶媒)
マット剤は、有機溶媒に分散して前記ポリマー層の塗布組成物に添加することが好ましい。
マット剤分散液の調製において用いられる有機溶媒は、マット剤が分散し、分散液を調製できる範囲において、使用できる有機溶媒は特に限定されない。本発明で用いられる有機溶媒は、例えば、ジクロロメタン、クロロホルムのような塩素系溶媒、炭素数3〜12の鎖状炭化水素、環状炭化水素、芳香族炭化水素、エステル、ケトン、エーテルから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン及びエーテルは、環状構造を有していてもよい。
本発明において、マット剤分散液の調製方法において用いられる有機溶媒は、1種類の有機溶媒を単独で用いてもよく、2種類以上の有機溶媒を任意の割合で混合して用いてもよい。
上記マット剤を分散する際に、上記の有機溶媒の量が少ないと十分な分散ができず、凝集体を発生し、異物故障の原因となる。逆に、有機溶媒の量が多いときには、微粒子の分散性には優れるものの、大量の分散液を調液することとなり、製造におけるハンドリングの面で好ましくない。したがって、上記有機溶媒の使用量は、上記マット剤100質量部に対して1000〜100000質量部の範囲内とするのが好ましく、1500〜40000質量部の範囲内とするのが更に好ましく、2000〜20000質量部の範囲内とするのが特に好ましい。
〔4〕ポリエステル系可塑剤
本発明の偏光板保護フィルムにおいては、前記ポリマー層にポリエステル系可塑剤を適用することが、リターデーション値を低減する効果に加えて、フィルム弾性率、滑り性、フィルム膜面硬度が向上し、その結果、高品位の面品質を得ることができる点で好ましい。
ポリエステル系可塑剤は、下記一般式(2)で表される構造を有する。
一般式(2)
B−(G−A)−G−B
上記一般式(2)において、Bは、環構造を有するヒドロキシ基含有モノカルボン酸から誘導される基を表す。環構造とは、脂肪族炭化水素環、脂肪族ヘテロ環、芳香族炭化水素環又は芳香族ヘテロ環を有する構造をいい、好ましくは脂肪族炭化水素環又は芳香族炭化水素環を有する構造をいう。環構造を有するヒドロキシ基含有モノカルボン酸は、炭素原子数5〜20の脂環式モノカルボン酸、炭素原子数7〜20の芳香族モノカルボン酸及びそれらの混合物でありうる。
炭素原子数5〜20の脂環式モノカルボン酸は、好ましくは炭素原子数6〜15の脂環式モノカルボン酸でありうる。脂環式モノカルボン酸の例には、4−ヒドロキシシクロヘキシル酢酸、3−ヒドロキシシクロヘキシル酢酸、2−ヒドロキシシクロヘキシル酢酸、4−ヒドロキシシクロヘキシルプロピオン酸、4−ヒドロキシシクロヘキシル酪酸、4−ヒドロキシシクロヘキシルグリコール酸、4−ヒドロキシ−o−メチルシクロヘキシル酢酸、4−ヒドロキシ−m−メチルシクロヘキシル酢酸、4−ヒドロキシ−p−メチルシクロヘキシル酢酸、5−ヒドロキシ−m−メチルシクロヘキシル酢酸、6−ヒドロキシ−o−メチルシクロヘキシル酢酸、2,4−ジヒドロキシシクロヘキシル酢酸、2,5−ジヒドロキシシクロヘキシル酢酸、2−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル酢酸、3−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル酢酸、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル酢酸、2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)シクロヘキシル酢酸、3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)シクロヘキシル酢酸、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)シクロヘキシル酢酸等が含まれる。
炭素原子数7〜20の芳香族モノカルボン酸は、好ましくは炭素原子数7〜15の芳香族モノカルボン酸でありうる。芳香族モノカルボン酸の例には、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−o−トルイル酸、3−ヒドロキシ−p−トルイル酸、5−ヒドロキシ−m−トルイル酸、6−ヒドロキシ−o−トルイル酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2−(ヒドロキシメチル)安息香酸、3−(ヒドロキシメチル)安息香酸、4−(ヒドロキシメチル)安息香酸、2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)安息香酸、3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)安息香酸、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)安息香酸等が含まれる。
これらの中でも、偏光板保護フィルムに十分な疎水性を付与し、偏光子の水分による劣化を抑制しやすい点から、芳香環を含むヒドロキシ基含有モノカルボン酸(ヒドロキシ基を含む芳香族モノカルボン酸)が好ましい。
式中、Gは、炭素原子数2〜12のアルキレンジオール、炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジオール、炭素原子数4〜12のオキシアルキレンジオール及び炭素原子数6〜12のアリーレンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種から誘導される基を表す。
炭素原子数2〜12のアルキレンジオールの例には、エチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等が含まれる。
炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジオールの例には、水素化ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)、水素化ビスフェノールB(2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)ブタン等が含まれる。
炭素原子数4〜12のオキシアルキレンジオールの例には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が含まれる。
炭素原子数6〜12のアリーレンジオールの例には、ビスフェノールA、ビスフェノールB等が含まれる。
ジオールは、1種又は2種以上の混合物として使用される。中でも、ノルボルネン系樹脂との相溶性に優れる点で、炭素原子数2〜12のアルキレングリコールが好ましい。
式中、Aは、炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸、炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジカルボン酸、及び炭素原子数8〜16のアリーレンジカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種から誘導される基を表す。
炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸の例には、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等が含まれる。
炭素原子数6〜16のシクロアルキレンジカルボン酸の例には、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸等が含まれる。
炭素原子数8〜16のアリーレンジカルボン酸の例には、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等が含まれる。
ジカルボン酸は、1種又は2種以上の混合物として使用される。ジカルボン酸は、アルキレンジカルボン酸とアリーレンジカルボン酸の混合物であることが好ましい。アルキレンジカルボン酸とアリーレンジカルボン酸の含有割合は、アルキレンジカルボン酸:アリーレンジカルボン酸=40:60〜99:1であることが好ましく、50:50〜90:10であることがより好ましい。
式中、nは、0以上の整数を表す。
ポリエステル系可塑剤の数平均分子量は、好ましくは300〜30000、より好ましくは300〜700の範囲内であり、より好ましくは300〜600である。数平均分子量が一定以上であると、ブリードアウトを抑制しやすい。数平均分子量が一定以下であると、ノルボルネン系樹脂との相溶性を損ないにくくヘイズ上昇を抑制しやすい。
ポリエステル系可塑剤の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されうる。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定装置(東ソー株式会社製「HLC−8330」)を用いて、下記の測定条件で、エステル系化合物の標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を測定することができる。
(測定条件)
カラム:「TSK gel SuperHZM−M」×2本及び「TSK gel SuperHZ−2000」×2本
ガードカラム:「TSK SuperH−H」
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.35mL/分
ポリエステル系可塑剤の数平均分子量は、縮合又は重縮合の反応時間によって調整することができる。
ポリエステル系可塑剤の酸価は、好ましくは0.5mgKOH/g以下、より好ましくは0.3mgKOH/g以下である。ポリエステル系可塑剤のヒドロキシ基価は、好ましくは25mgKOH/g以下、より好ましくは15mgKOH/g以下である。
ポリエステル系可塑剤の合成は、常法によりジカルボン酸、ジオール、及び末端封止用モノカルボン酸のエステル化反応又はエステル交換反応による熱溶融縮合法、又はジカルボン酸及び末端封止用モノカルボン酸の酸クロライドとジオールとの界面縮合法のいずれかの方法で行うことができる。ジオールとジカルボン酸の仕込み比は、分子末端がジオールとなるように調整される。
一般式(2)で表される構造を有するポリエステル系可塑剤のノルボルネン系樹脂に対する添加量は1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、3〜7質量%の範囲内である。添加量は、1質量%以上の場合で、前記ポリマー層の硬度上昇の効果が認められ、10質量%以下であると、高温環境下における寸法安定性及びヘイズの安定性を高める観点から好ましい。
〔5〕他の添加剤
本発明に係るポリマー層は、種々な添加剤を含有することができる。中でも、下記紫外線吸収剤、酸化防止剤、衝撃補強剤等を適宜用いることができる。
(紫外線吸収剤)
本発明に適用可能な紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。
本発明に適用可能な紫外線吸収剤としては、例えば、5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン等があり、また、チヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌ
ビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン928等のチヌビン類があり、これらはいずれもBASFジャパン社製の市販品であり、好ましく使用できる。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、前記ポリマー層に対して0.5〜10質量%が好ましく、0.6〜4質量%が更に好ましい。
(酸化防止剤)
本発明明に係るポリマー層は、酸化防止剤を適用することができる。
本発明では、酸化防止剤としては、通常知られているものを使用することができる。特に、ラクトン系、イオウ系、フェノール系、二重結合系、ヒンダードアミン系、リン系の各化合物を好ましく用いることができる。
例えば、BASFジャパン株式会社から市販されている「Irgafos XP40、Irgafos XP60」等が挙げられる。
上記イオウ系化合物は、例えば、住友化学株式会社から市販されている「Sumilizer TPL−R」及び「Sumilizer TP−D」を挙げることができる。
上記フェノール系化合物としては、2,6−ジアルキルフェノールの構造を有するものが好ましく、例えば、BASFジャパン株式会社から市販されている「Irganox 1076」、「Irganox 1010」、(株)ADEKAから市販されている「ADEKA STAB AO−50」等を挙げることができる。
上記二重結合系化合物は、住友化学株式会社から「Sumilizer GM」及び「Sumilizer GS」という商品名で市販されている。
上記ヒンダードアミン系化合物は、例えば、BASFジャパン株式会社から市販されている「Tinuvin144」及び「Tinuvin770」、株式会社ADEKAから市販されている「ADK STAB LA−52」を挙げることができる。
上記リン系化合物としては、例えば、住友化学株式会社から市販されている「SumilizerGP」、株式会社ADEKAから市販されている「ADK STAB PEP−24G」、「ADK STAB PEP−36」及び「ADK STAB 3010」、BASFジャパン株式会社から市販されている「Irgafos P−EPQ」、堺化学工業株式会社から市販されている「GSY−P101」を挙げることができる。
(衝撃補強材)
本発明に係るポリマー層には、耐衝撃性を高めるために、衝撃補強材として、コア・シェルタイプのアクリル微粒子、スチレン−共役ジエン系化合物又はブチルアクリレート化合物の少なくとも1種を含有することができる。
特に、特開2009−84574号公報に記載の(メタ)アクリル系ゴムと芳香族ビニル化合物の共重合体に(メタ)アクリル系樹脂がグラフトされたコア・シェルタイプのグラフト共重合体や、国際公開第2009/047924号に記載されているコア・シェルタイプのアクリル微粒子、また、特開2013−83907号公報に記載のスチレン−ブタジエン系の弾性有機微粒子などの衝撃補強材を含有することが好ましい。
例えば、コア・シェルタイプのアクリル微粒子は、メチルメタクリレート80〜98.
9質量%、アルキルアクリレート1〜20質量%及び多官能性グラフト剤0.01〜0.3質量%の混合物を重合して得られる最内硬質層と、アルキルアクリレート75〜98.5質量%、多官能性架橋剤0.01〜5質量%及び多官能性グラフト剤0.5〜5質量%の混合物を重合して得られる軟質層と、メチルメタクリレート80〜99質量%、アルキルアクリレート1〜20質量%の混合物を重合して得られる最外硬質層とを有する。
また、スチレン−共役ジエン系化合物としては、スチレン−ブタジエン系共重合体であることが好ましい。当該共重合体はゴム状弾性体であっても、また弾性有機微粒子であってもよく、具体的には、弾性有機微粒子はコア・シェルタイプの粒子であることが好ましい。
軟質重合体は、共役ジエン単量体由来の構造単位と、必要に応じて他の単量体由来の構造単位とを含む。共役ジエン単量体の例には、1,3−ブタジエン(以下、単に「ブタジエン」と称することもある。)、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、ミルセンなどが含まれ、好ましくはブタジエン、イソプレンである。他の単量体の例には、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン成分が含まれる。軟質重合体における共役ジエン単量体由来の構造単位の含有割合は、通常、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
他の重合体の例には、アクリロニトリルとスチレンの共重合体や、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステルを主成分とする重合体などが含まれる。
市販品としては、例えば、メタブレンC−140A、C−215A(以上、三菱レイヨン(株)製)、タフプレン126、アサフレックス800、アサフレックス825(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、TR2000 、TR2250(以上、JSR(株)製)などが挙げられる。
他のゴム状弾性体としては、アクリル酸エステル系ゴム状重合体が挙げられ、ブチルアクリレートを主成分としたアクリル酸エステル系重合体を主成分とするゴム状重合体が好ましい。
〔6〕ポリマー層の光学特性
本発明に係るポリマー層は、下記式(i)で定義されるリターデーション値Roが、0〜10nmの範囲内であり、下記式(ii)で定義されるリターデーション値Rtが、−20〜20nmの範囲内であることを特徴とする。
式(i)
Ro=(n−n)×d
式(ii)
Rt={(n+n)/2−n}×d
上記式(i)及び(ii)において、Roはポリマー層の面内方向のリターデーション値、Rtはポリマー層の厚さ方向のリターデーション値、nはポリマー層の面内の遅相軸方向の屈折率、nはポリマー層の面内の進相軸方向の屈折率、nはポリマー層の厚さ方向の屈折率(屈折率は23℃、55%RHの環境下、波長590nmで測定)、dはポリマー層の厚さ(nm)を表す。
当該リターデーション値は、本発明の偏光板保護フィルムにおいて、支持体からポリマー層を剥離し、ポリマー層としてのリターデーション値を下記方法、装置にて測定するものである。
面内方向のリターデーション値Ro、及び厚さ方向のリターデーション値Rtは自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃・55%RHの環境下、590nmの波長において、三次元屈折率測定を行い、得られた屈折率n、n、nから算出することができる。
上記で規定する式(i)で定義されるリターデーション値Roが、0〜10nmの範囲内、式(ii)で表されるリターデーション値Rtが−20〜20nmの範囲内とは、面内方向のリターデーション値Ro(nm)及びフィルムの厚さ方向のリターデーション値Rt(nm)がほぼゼロのポリマー層であること意味する。
当該ポリマー層の面内のリターデーション値Ro及び厚さ方向のリターデーション値Rtをほぼゼロとすることにより、当該ポリマー層側をIPS型液晶セルに貼合したとき、得られるIPS型液晶表示装置における黒表示時の光漏れを効果的に防止することができる。また、ポリマー層の厚さが薄いことから、偏光板及び液晶表示装置の更なる薄型軽量化を図ることが可能となる。
上記リターデーション値の調整は、ノルボルネン系樹脂の種類、ポリエステル系可塑剤の種類と量、残留溶媒質量、中でも芳香族系の有機溶媒の使用及び塗布条件及び乾燥条件で行うことができる。
〔7〕支持体
支持体は、透明でも不透明でもよく特に限定はないが、透明な樹脂フィルムであることが、塗布故障や傷等を検知しやすい観点から、好ましい。本発明でいう「透明」とは全光線透過率が、60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上であることをいう。前記全光線透過率(%)は、例えば分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製U−3300)を用いて、JIS K 7361−1:1997(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に記載された方法にて、光波長400〜700nmの範囲における全光線透過率(%)を測定し、その値を平均値化した値である。
支持体として用いられるフィルムの材質は特に制限されるものではなく、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、製造工程において光学特性を検査する目的には、支持体は透明な材料であることが好ましく、また安価であることも好ましいため、ポリカーボネート系フィルムやポリエステル系フィルム等が好ましく、さらに平面性に優れることからポリエステル系フィルムが好ましく用いられる。
本発明に係る支持体の厚さは、好ましくは10〜100μm、更に好ましくは15〜50μmである。支持体が10μm以上の場合は、巻き取る際にシワになりにくい、また、100μm以内であれば偏光板保護フィルムロール体の巻きの大きさを低減することができ、重量が低減できるため保管や輸送上、ハンドリング性に支障が出にくい。
また、支持体は無延伸フィルムでも延伸フィルムでもよい。延伸フィルムを用いる場合、延伸は一軸延伸であっても二軸延伸であってもよい。一軸延伸は二つ以上のロールの回転差を利用した縦一軸延伸、又はフィルムの両端を把持して幅方向に延伸するテンター延伸が好ましい。さらに、フィルムを縦横方向に延伸したものであってもよい。
〔8〕ポリマー層の塗布方法
ノルボルネン系樹脂を含有するポリマー層はノルボルネン系樹脂を含む組成物を支持体上に塗布し、さらに塗布層を加熱、乾燥することによって形成できる。
ノルボルネン系樹脂を含む組成物の塗布は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等により行うことができる。
ノルボルネン系樹脂を含むポリマー層の形成には特に、このうち、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイコート法(米国特許2681294号明細書、特開2006−122889号公報参照)がより好ましく、ダイコート法が特に好ましい。
ノルボルネン系樹脂を含むポリマー層の形成を、塗布方法を用いて行うことで溶液流延法や溶融流延法を用いてフィルム化する方法では達成できない薄膜を形成することができる。
〈塗布工程〉
図2に本発明に用いることができる塗布工程の一例を表す図を示す。
送り出し機11又は前工程から送り出されてきた支持体12(仮支持体等)は、塗布装置10において塗布工程に付される。塗布装置10は、塗布液タンクからポンプ等により送液された塗布液を支持体12に塗布する塗布液供給部(以下、塗布ヘッドと呼ぶ。)14と、塗布ヘッド14に対向して設けられ、塗布時の支持体12を外周面で支持する円筒状のバックアップローラー15により構成されている。塗布ヘッド14は、塗布ヘッド先端が連続走行する支持体12と近接され非接触の状態で対向配置される。塗布ヘッド14と支持体12の間隔は調整できるよう構成されている。塗布ヘッド14は塗布液タンクからポンプにより送液され、ポンプの塗布液送り出し量を調整することにより、必要な塗布層厚を得る塗布量を制御することができる。図示しないが、ポンプとしては、塗布液の供給流量が安定化することより、定量ポンプを使用することが好ましい。定量ポンプとしては、例えば、ギアポンプ、ローラーポンプ等、各種のポンプが使用される。
上記塗布工程は、良好な無塵度及び最適な温湿度の環境下で実施されることが好ましい。なお、塗布後の乾燥工程なども、同様に良好な無塵度及び最適な温湿度の環境下で実施されることが好ましい。上記塗布工程等は、クリーンルーム内で行われることが好ましく、特に、塗布装置10は、クリーン度の高い環境下に設置されることが好ましい。このためには、ダウンフローのクリーンルーム又はクリーンベンチを併用する形態が採用できる。
塗布工程の後は塗布層を乾燥させる乾燥工程に付すことが好ましい。乾燥工程に用いる乾燥装置16としては、一般的な乾燥装置を限定なく使用することもできる。例えば、熱風による対流乾燥方式、赤外線などの輻射熱による輻射乾燥方式などを用いることができる。熱風を用いる場合には、熱風の温度及び風速を調整して塗膜の乾燥を制御する。また熱風の当て方として、スリットノズル(帯状の支持体の幅方向にスリット状の開口形状を持つノズル)やパンチングノズル(多孔式の平板ノズル)など用いることができる。
本発明の方法において、ノルボルネン系樹脂を含むポリマー層を塗布により形成する際の塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例としては、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン、トルエン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)、アルキルアルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール)が挙げられる。また、二種類以上の溶媒を混合して使用してもよい。上記の中で、炭化水素、アルキルハライド、エステル、ケトン及びそれらの混合溶媒が好ましい。中でも、芳香族系の有機溶媒は、ポリマー層のリターデーション値を低減する効果があるため、用いることが好ましい。
本発明に係るポリマー層は残留溶媒を含有することが、ノルボルネン系樹脂の極性基を表面側に向けやすくして支持体との密着性を向上する効果があることから、ポリマー層の残留溶媒質量は500〜10000ppmの範囲内であることが必要である。
特に、芳香族系の溶媒はリターデーション値を低減する効果があることから50〜1000ppmの範囲内で含有することが好ましい。
また、塗布性を向上する観点から、アルキルハライド系の溶媒を300〜5000ppmの範囲内、又は非芳香族系の溶媒(ハロゲン化物系の溶媒を除く)を300〜6000ppmの範囲内で含有することが好ましい。
〔溶媒含有量の定量方法〕
ポリマー層中の残留する溶媒含有量は、ヘッド・スペース・ガスクロマトグラフィー法により定量することができる。
残留溶媒の定量は、ヘッド・スペース・ガスクロマトグラフィー法により行うことができる。すなわち、測定試料(上記ポリマー層)を容器に封入して、例えば、下記温度設定で加熱し、容器中に揮発成分が充満した状態で速やかに容器中のガスをガスクロマトグラフに注入し、質量分析を行って化合物の同定を行いながら揮発成分の定量を行った。揮発成分の定量は、濃度が既知の試料を用いて検量線をあらかじめ作成しておき、測定で得られた揮発成分のピーク面積と検量線とを照合して行った(残留溶媒質量の単位は「ppm」で表す。)。
<測定条件>
ヘッドスペース装置:7694 Headspace Sampler(アジレント・テクノロジー社製)
温度条件:トランスファーライン200℃、ループ温度200℃
サンプル量:0.8g/20mLバイアル
GC:5890(アジレント・テクノロジー社製)
MS:5971(アジレント・テクノロジー社製)
カラム:DB−624(30m×内径0.25mm)
オーブン温度:初期温度40℃(保持時間3分)、昇温速度10℃/分、到達温度200℃(保持時間5分)
測定モード:SIM(セレクトイオンモニター)モード
〔9〕偏光板
本発明の偏光板保護フィルムが適用される偏光板の作製方法においては、前記ポリマー層を支持体から剥離し、偏光子を含むフィルムに積層してもよいし、前記ポリマー層を偏光子を含むフィルムに積層し、その後、支持体を剥離してもよい。
支持体を剥離してから積層する場合は、ポリマー層が偏光子を含むフィルム側の面にあってもよいし、ポリマー層以外の層の面が偏光子を含むフィルム側の面にあってもよい。
積層後に支持体を剥離する場合は、支持体からみてポリマー含有層側の面が偏光子を含むフィルム側の面になるように積層する。積層は接着層を介して行えばよい。接着層は接着剤又は粘着剤を含む層であればよい。すなわち、ポリマー層と偏光子を含むフィルムとは接着剤又は粘着剤により接着又は粘着させられていればよい。接着剤としては特に限定はないが、特開2004−245925号公報に示されるような、分子内に芳香環を含まないエポキシ化合物の硬化性接着剤、特開2008−174667号公報記載の360〜450nmの波長におけるモル吸光係数が400以上である光重合開始剤と紫外線硬化性化合物とを必須成分とする活性エネルギー線硬化型接着剤、特開2008−174667号公報記載の(メタ)アクリル系化合物の合計量100質量部中に(a)分子中に(メタ)アクリロイル基を2以上有する(メタ)アクリル系化合物と、(b)分子中にヒドロキシ基を有し、重合性二重結合をただ1個有する(メタ)アクリル系化合物と、(c)フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート又はノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートとを含有する活性エネルギー線硬化型接着剤などが挙げられる。
偏光子は、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子及び染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。本発明には、いずれの偏光子を用いてもよい。例えば偏光子はポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成することが好ましい。ポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成される偏光子については例えば特開2009−237376号公報の記載を参照することができる。偏光子の膜厚は50μm以下であればよく、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。
偏光子のもう一方の面には、本発明に係るポリマー層を貼合してもよいが、他の偏光板保護フィルムを貼合することもできる。例えば、従来の偏光板保護フィルムとしては、市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC4FR、KC4KR、KC4DR、KC4SR、KC8UY、KC6UY、KC6UA、KC4UY、KC4UE、KC8UE、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、KC8UXW−RHA−C、KC8UXW−RHA−NC、KC4UXW−RHA−NC、以上コニカミノルタ(株)製)等が好ましく用いられる。
〔10〕液晶表示装置
上記本発明の偏光板保護フィルムを貼合した偏光板を液晶表示装置に用いることによって、種々の視認性に優れた液晶表示装置を作製することができる。
上記偏光板は、STN、TN、OCB、HAN、VA(MVA、PVA)、IPS、OCBなどの各種駆動方式の液晶表示装置に用いることができる。好ましくは、薄膜の偏光板が要求されるIPS型液晶表示装置である。
液晶表示装置には、通常視認側の偏光板とバックライト側の偏光板の2枚の偏光板が用いられるが、上記偏光板のポリマー層側を液晶セル側に用いることが好ましく、両方の偏光板として用いることも好ましく、片側の偏光板として用いることも好ましい。
IPS型液晶表示装置における上記偏光板の貼合の向きは、特開2005−234431号公報を参照して行うことができる。
本発明に用いる液晶セルは、液晶層と、前記液晶層を挟持する一対の基板とを含み、前記一対の基板の厚さが0.3〜0.7mmの範囲内のガラス基板であることが、液晶表示装置の薄型化、軽量化の観点から好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
最初に、実施例に用いる材料として以下の素材を準備した。
〈ノルボルネン系樹脂〉
一般式(1)で表されるノルボルナン骨格を有するノルボルネン系樹脂として、−COORのRの種類として、下記a〜dを準備した(いずれも重量平均分子量Mw=140000)。
a:R=−CH、b:R=−C、c:R=−C(n又はiso)、d:R=−C
〈シリコーン系添加剤〉
(共栄社化学社製シリコーン)
GL−01:アクリル変性シリコーン(共栄社化学社製)、重量平均分子量Mw=5200
GL−03:アクリル変性シリコーン(共栄社化学社製)、重量平均分子量Mw=4100
GL−04R:アクリル変性シリコーン(共栄社化学社製)、重量平均分子量Mw=4700
(日信化学工業社製シリコーン)
シルフェイスSAG005:ポリエーテル変性シリコーン(日信化学工業社製、シルフェイスSAG005)、重量平均分子量Mw=2800
シルフェイスSAG008:ポリエーテル変性シリコーン(日信化学工業社製、シルフェイスSAG008)、重量平均分子量Mw=7900
〈支持体〉
東レ株式会社製ポリエチレンテレフタレートフィルム ルミラー(登録商標)(U403)、膜厚50μm
コニカミノルタ(株)製KC4UY(TACフィルム)、膜厚40μm
〈マット剤〉
下記の日本アエロジル社製シリカ粒子を準備した。
(商品名) (表面修飾剤) (MW法による疎水化度)
R972 :ジメチルシラン :メタノール42体積%
R812 :トリメチルシラン :メタノール48体積%
R805 :オクチルシラン :メタノール50体積%
R816 :ヘキサデシルシラン :メタノール54体積%
NKC130:ジメチルシロキサン :メタノール67体積%
R711 :メタクリルロキシシラン :メタノール55体積%
RY300 :ジメチルシロキサン :メタノール69体積%
R104 :ジメチルシロキサン環状体:メタノール60体積%
RA200H:アミノシラン :メタノール51体積%
200V :表面修飾剤未添加 :メタノール15体積%
〈メタノールウエッタビリティ(MW)法〉
メタノールと純水とを混合させた溶液において、純水に対するメタノールの混合比率を変えながら、各溶液にシリカ粒子を同量(同体積量)添加して撹拌混合し、この混合した各溶液を遠心分離させて、前記シリカ粒子の沈降物の体積をそれぞれ求め、当該溶液におけるシリカ粒子の沈降物の体積が50%となる溶液のメタノール混合比率をいう。
メタノールの混合比率が高い程、疎水化度が高いシリカ粒子であるといえる。
〈ポリエステル系可塑剤〉
下記構造を有するポリエステル系可塑剤A及びBを準備した。
Figure 2017156531
〔実施例1〕
<偏光板保護フィルム101の作製>
〈ノルボルネン系樹脂含有ポリマー層の形成〉
支持体として、東レ株式会社製ポリエチレンテレフタレートフィルム ルミラー(登録商標)(U403/膜厚50μm)上に、図2で示した塗布装置にて、下記組成のノルボルネン系樹脂含有ポリマー層形成用塗布液にて、70mL/mを連続的に塗布した。支持体の搬送速度は30m/分とし、80℃の温風で60秒乾燥させ、ポリマー層の乾燥後の膜厚を0.5μmとした。幅1.6m、長さ5000mで塗布し、乾燥及びリターデーション値Rtの低減のために、130℃で60秒間の熱処理を行った後、ロール体に巻き取り、偏光板保護フィルム101を作製した。
(ノルボルネン系樹脂含有ポリマー層形成用塗布液の組成)
ノルボルネン系樹脂a 100質量部
シリコーン添加剤GL−03 1.0質量部
ジクロロメタン 330質量部
エタノール 20質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.24を使用して濾過し、塗布液を調製した。
<偏光板保護フィルム102〜123及び125〜129の作製>
偏光板保護フィルム101の作製において、ポリマー層に用いるノルボルネン系樹脂の種類、ポリマー層の乾燥条件(残留溶媒質量の制御)、乾燥後の膜厚、支持体の有無、シリコーン系添加剤の種類及び量を、表1に記載のように変化させた以外は同様にして、偏光板保護フィルム102〜123及び125〜129作製した。
なお、偏光板保護フィルム108〜115は、ポリマー層を塗布、乾燥後支持体ごと長手方向又は幅手方向にテンター延伸装置を用いて延伸し、表1記載のリターデーション値を有するように制御した。
<偏光板保護フィルム124の作製>
〈溶融流延によるノルボルネン系樹脂含有ポリマー層の形成〉
[樹脂組成物]
ノルボルネン系樹脂a 100質量部
シリコーン添加剤GL−03 1.0質量部
得られた樹脂組成物を、二軸式押出機にて230℃で溶融混練して、ストランド状に押し出した。ストランド状に押し出された樹脂組成物を水冷した後、カッティングしてペレットを得た。
得られたペレットに、温度70℃の除湿空気を5時間以上循環させて乾燥させた後、温度100℃の温度を保ったまま、一軸押出機に投入した。一軸押出機に投入されるペレットの水分量は120ppmであった。
得られたペレットを、一軸押出機にて230℃で溶融混練した後、Tダイから、支持体上に押し出して、ポリマー層の乾燥後の膜厚を5μmとした。幅1.6m、長さ5000mでロール体に巻き取り偏光板保護フィルム124を作製した。
≪評価≫
(1)ポリマー層のリターデーション値測定
偏光板保護フィルムのポリマー層を支持体から剥離して、下記方法によってリターデーション値Ro及びRtを測定した。
式(i)
Ro=(n−n)×d
式(ii)
Rt={(n+n)/2−n}×d
上記式(i)及び(ii)において、Roはポリマー層の面内方向のリターデーション値、Rtはポリマー層の厚さ方向のリターデーション値、nはポリマー層の面内の遅相軸方向の屈折率、nはポリマー層の面内の進相軸方向の屈折率、nはポリマー層の厚さ方向の屈折率(屈折率は23℃、55%RHの環境下、波長590nmで測定)、dはポリマー層の厚さ(nm)を表す。
面内方向のリターデーション値Ro、及び厚さ方向のリターデーション値Rtは自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃・55%RHの環境下、590nmの波長において、三次元屈折率測定を行い、得られた屈折率n、n、nから算出した。
(2)残留溶媒質量
偏光板保護フィルムのポリマー層を支持体から剥離して、下記方法にてポリマー層の残
留溶媒質量を定量した。
〔残留溶媒の定量方法〕
ポリマー層中の溶媒含有量は、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより、以下の装置、条件で定量した。
測定試料(上記ポリマー層)を容器に封入して、下記温度範囲で加熱し、容器中に揮発成分が充満した状態で速やかに容器中のガスをガスクロマトグラフに注入し、質量分析を行って化合物の同定を行いながら揮発成分の定量を行った。揮発成分の定量は、濃度が既知の試料を用いて検量線をあらかじめ作成しておき、測定で得られた揮発成分のピーク面積と検量線とを照合して行った(残留溶媒質量の単位は「ppm」で表す。)。
<測定条件>
ヘッドスペース装置:7694 Headspace Sampler(アジレント・テクノロジー社製)
温度条件:トランスファーライン200℃、ループ温度200℃
サンプル量:0.8g/20mLバイアル
GC:5890(アジレント・テクノロジー社製)
MS:5971(アジレント・テクノロジー社製)
カラム:DB−624(30m×内径0.25mm)
オーブン温度:初期温度40℃(保持時間3分)、昇温速度10℃/分、到達温度200℃(保持時間5分)
測定モード:SIM(セレクトイオンモニター)モード
(3)耐傷性評価
巻き取った偏光板保護フィルムを繰り出して、目視にて傷の発生(耐傷性)の有無を下記方法で評価した。
偏光板保護フィルムのポリマー層側から、ナトリウムランプ(KNL−35D、株式会社ライテスト社製)と市販の三波長蛍光灯を用いて光を照射し、ポリマー層表面の凹凸及び傷の発生を暗室にて評価した。評価した部位は、端部5cmを除いたそれより内側の表面である。
◎:傷の発生がない
○:傷の発生が軽微にあるが実用上問題ない
△:傷の発生がややあり、実用上問題がある
×:傷の発生が明らかにあり実用上問題がある
(4)巻き形状評価
巻き取ったロール体の巻き姿を、目視にて以下の基準にて評価した。
◎:巻きシワ、巻き変形が全くない
○:巻きシワ、巻き変形が軽微にあるが実用上問題ない
△:巻きシワ、巻き変形がややあり、実用上問題がある
×:巻きシワ、巻き変形が明らかにあり実用上問題がある
以上、偏光板保護フィルムの構成及び評価結果を表1に示す。
Figure 2017156531
表1から、本発明の偏光板保護フィルム102〜105、107、108、111〜114、118〜123、及び126〜128は、リターデーション値も低く、耐傷性及び
巻き形状に優れた、薄膜のノルボルネン系樹脂含有ポリマー層を有する偏光板保護フィルムであることが分かる。
比較例である偏光板保護フィルム106は、偏光板の薄膜化には不十分であった。
比較例である偏光板保護フィルム109、110及び115は、リターデーション値が本発明の範囲外であったため、偏光板保護フィルムとして偏光板を作製後、IPS型液晶表示装置に装着したところ、視野角特性が劣っていた。
比較例である偏光板保護フィルム124は、溶融流延によってポリマー層を形成したところ、均一な薄膜形成ができなかった。
比較例である偏光板保護フィルム125は、残留溶媒質量が多いため、ポリマー層の剛度が低下し、耐傷性に劣っていた。
比較例である偏光板保護フィルム129は、ノルボルネン系樹脂の側鎖が長いことによって、ポリマー層の強度が低下し、耐傷性に劣っていた。
〔実施例2〕
<偏光板保護フィルム201の作製>.
偏光板保護フィルム103の作製において、ポリマー層形成用塗布液に下記シリカ粒子を添加した以外は同様にして、偏光板保護フィルム201を作製した。
(微粒子分散液の調製)
シリカ粒子(アエロジルR812 日本アエロジル(株)製) 11質量%
ジクロロメタン 89質量%
以上をディゾルバーで50分間撹拌混合した後、マントンゴーリン分散機を用いて分散を行い、微粒子分散液を調製した。
(微粒子添加液1の調製)
溶解タンクにジクロロメタンを入れ、ジクロロメタンを十分に撹拌しながら上記調製した微粒子分散液を50質量%となるようにゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒子径が、所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過して、微粒子添加液1を調製した。
(ノルボルネン系樹脂含有ポリマー層形成用塗布液の組成)
ノルボルネン系樹脂a 100質量部
シリコーン添加剤GL−03 1.0質量部
微粒子添加液 フィルム中で0.10質量%になる量を添加
ジクロロメタン 330質量部
エタノール 20質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.24を使用して濾過し、塗布液を調製した。
<偏光板保護フィルム202〜214の作製>
偏光板保護フィルム201の作製において、シリカ粒子R812の添加量、シリカ粒子の種類(R972、R805、R816、NKC130、R711、RY300、R104、RA200H、200V)を変化させた以外は同様にして、偏光板保護フィルム202〜214を作製した。
作製した偏光板保護フィルム201〜214を用いて、実施例1と同様に、ポリマー層
のリターデーション値測定、耐傷性評価、巻き形状評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2017156531
マット剤を添加することによって、滑り性が向上するため、巻き形状に優れる結果であった。さらに、MW法による疎水化度試験において疎水化度が45体積%以上である、シリカ粒子を用いた偏光板保護フィルムは、マット剤がポリマー層の表面に多く配向しやす
いためか、耐傷性においても良好な結果であった。
ただし、マット剤を0.70質量%添加した偏光板保護フィルム204は、ややヘイズが高かった。
〔実施例3〕
<偏光板保護フィルム301の作製>.
偏光板保護フィルム103の作製において、ポリマー層形成用塗布液にポリエステルAを添加した以外は同様にして、偏光板保護フィルム301を作製した。
(ノルボルネン系樹脂含有ポリマー層形成用塗布液の組成)
ノルボルネン系樹脂a 100質量部
シリコーン添加剤GL−03 1.0質量部
ポリエステルA 1.0質量部
ジクロロメタン 330質量部
エタノール 20質量部
<偏光板保護フィルム302〜309の作製>
偏光板保護フィルム301の作製において、ポリマー層形成用塗布液にポリエステルA及びポリエステルBを、添加量を変えて添加した以外は同様にして、偏光板保護フィルム302〜309を作製した。
作製した偏光板保護フィルム301〜309を用いて、実施例1と同様に、ポリマー層のリターデーション値測定、耐傷性評価、巻き形状評価、さらに下記耐久巻き形状評価を行った。結果を表3に示す。
(5)耐久巻き形状評価
作製した偏光板保護フィルムロール体を、60℃・80%RHの環境試験室に1ケ月保管した後に、ロール体の巻き姿を、目視にて以下の基準にて評価した。
◎:巻き変形が全くない
○:巻き変形が軽微にあるが実用上問題ない
△:巻き変形がややあり、そのままでは実用上問題がある
×:巻き変形が明らかにあり実用上問題がある
Figure 2017156531
表3から、ポリエステル系可塑剤を添加することにより、耐傷性、巻き形状に加えて、耐久巻き形状についても、優れた効果を発現することが分かる。
〔実施例4〕
<偏光板保護フィルム401〜403の作製>.
偏光板保護フィルム202の作製において、マット剤の添加量、ポリエステル系可塑剤Aの添加、さらに支持体として、東レ株式会社製ポリエチレンテレフタレートフィルム ルミラー(登録商標)(U403/50μm、PETと略記)、コニカミノルタ(株)製KC4UY(TACフィルム/40μm、TACと略記)、東レ加工フィルム株式会社製ポリエチレンフィルムR7832C、膜厚50μm、PEと略記)及び支持体無でポリマー層形成した以外は同様にして、偏光板保護フィルム401〜404を作製した。
作製した偏光板保護フィルム401〜404を用いて、実施例1と同様に、ポリマー層のリターデーション値測定、耐傷性評価、巻き形状評価、さらに下記平面性評価を行った。偏光板保護フィルムの構成及び評価結果を表4に示す。
(6)平面性評価
試料を1m四方に裁断し、偏光板保護フィルムのポリマー層側から、市販の三波長蛍光灯を用いて光を照射し、表面の異物・キズ・押され跡・スジ・ムラによるポリマー層表面に反射する蛍光灯の反射像の歪みの程度を暗室にて評価した。
◎:蛍光灯の反射像の歪みの発生がなく、平面性に優れる
○:蛍光灯の反射像の歪みの発生が軽微にあるが実用上問題ない
△:蛍光灯の反射像の歪みの発生がややあり、平面性が劣る
×:蛍光灯の反射像の歪みの発生が明らかにあり平面性において実用上問題がある
Figure 2017156531
表4から、支持体としてポリエステル系樹脂フィルムを用いることで、耐傷性、巻き形状及び平面性に優れることが分かる。
〔実施例5〕
<偏光板保護フィルム501の作製>
偏光板保護フィルム103の作製において、ポリマー層形成用塗布液中の溶媒種を変更及びリターデーション値Rtの低減のための熱処理を行わなかった以外は同様にして、偏光板保護フィルム501を作製した。
(ノルボルネン系樹脂含有ポリマー層形成用塗布液の組成)
ノルボルネン系樹脂a 100質量部
シリコーン添加剤GL−03 1.0質量部
ジクロロメタン 330質量部
<偏光板保護フィルム502の作製>
偏光板保護フィルム501の作製において、ポリマー層形成用塗布液中の溶媒種を変更した以外は同様にして、偏光板保護フィルム502を作製した。
(ノルボルネン系樹脂含有ポリマー層形成用塗布液の組成)
ノルボルネン系樹脂a 100質量部
シリコーン添加剤GL−03 1.0質量部
トルエン 50質量部
ジクロロメタン 280質量部
作製した偏光板保護フィルム501及び502を用いて、実施例4と同様に、ポリマー層のリターデーション値測定、耐傷性評価、巻き形状評価、及び平面性評価を行った。偏光板保護フィルムの構成及び評価結果を表5に示す。
Figure 2017156531
表5から、ポリマー層の残留溶媒が芳香族系の溶媒を含むことによって、リターデーシ
ョン値がより低減することが分かる。
F 偏光板保護フィルム
1 支持体
2 ポリマー層
10 塗布装置
11 送り出し機
12 支持体
13 搬送ローラー
14 塗布ヘッド
15 バックアップローラー
16 乾燥機

Claims (6)

  1. 支持体上にノルボルネン系樹脂を含有するポリマー層を有する偏光板保護フィルムであって、
    前記ポリマー層の層厚が1〜10μmの範囲内であり、
    前記ノルボルネン系樹脂が、下記一般式(1)で表されるノルボルナン骨格を有するノルボルネン系樹脂であり、
    前記ポリマー層の下記式(i)で定義されるリターデーション値Roが、0〜10nmの範囲内であり、下記式(ii)で定義されるリターデーション値Rtが、−20〜20nmの範囲内であり、
    前記ポリマー層がシリコーン系添加剤を含有し、かつ、
    前記ポリマー層が残留溶媒を含有し、当該残留溶媒質量が500〜10000ppmの範囲内であることを特徴とする偏光板保護フィルム。
    Figure 2017156531
    〔式中、Rは、炭素数が1〜3の直鎖又は分岐アルキル基を表す。〕
    式(i)
    Ro=(n−n)×d
    式(ii)
    Rt={(n+n)/2−n}×d
    〔式中、Roはポリマー層の面内方向のリターデーション値、Rtはポリマー層の厚さ方向のリターデーション値、nはポリマー層の遅相軸方向の屈折率、nはポリマー層の面内の進相軸方向の屈折率、nはポリマー層の厚さ方向の屈折率(屈折率は23℃、55%RHの環境下、波長590nmで測定)、dはポリマー層の厚さ(nm)を表す。〕
  2. 前記ポリマー層が、マット剤を当該ポリマー層全質量の0.1〜0.5質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項1に記載の偏光板保護フィルム。
  3. 前記マット剤がシリカ粒子であり、メタノールウエッタビリティ法による疎水化度試験において、メタノールの混合比率が45体積%以上であることを特徴とする請求項2に記載の偏光板保護フィルム。
  4. 前記ポリマー層が、さらにポリエステル系可塑剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルム。
  5. 前記残留溶媒が、芳香族系の溶媒を含むことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルム。
  6. 前記支持体が、ポリエステル系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルム。
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