JP2017155813A - クラッチレリーズ軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】案内軸2に外嵌される軸受保持部材3を合成樹脂製とする。軸受保持部材3を構成するフランジ部9の軸方向片側にレリーズ軸受4を保持すると共に、フランジ部9の軸方向他側に金属製のアンビル5を保持する。特に、アンビル5は、フランジ部9の軸方向他側面に対し、レリーズフォークの先端部からアンビル5の軸方向他側面に加わるラジアル荷重と同方向の摺動を可能に接触させた状態で、軸受保持部材3に保持する。
【選択図】図4
Description
即ち、クラッチの断接を行う際に、レリーズフォークは、軸受保持部材の軸方向に対して直交する方向の揺動中心軸を中心として揺動する。この為、クラッチの断接を行う際に、レリーズフォークの先端面の軌跡は、当該揺動中心軸を中心とする円弧状となる。従って、クラッチの断接を行う際に、レリーズフォークの先端面とアンビルの側面との接触部には、径方向の滑りが生じる。この結果、当該滑りが生じた部分で異音が発生する等の不都合を生じる可能性がある。
このうちの軸受保持部材は、合成樹脂製であり、案内軸に対し、軸方向の移動を可能に外嵌されるスリーブと、前記スリーブの外周面から径方向外方に突出する状態で設けられたフランジ部とを有する。
又、前記レリーズ軸受は、前記フランジ部の軸方向片側に配置された状態で、前記軸受保持部材に保持されている。この様なレリーズ軸受は、クラッチを切る際にダイヤフラムばねの中央部に軸方向の力を付与しつつ(ダイヤフラムばねの中央部を直接又は他の部材を介して軸方向に押圧しつつ、又は、引っ張りつつ)、前記ダイヤフラムばねと共に回転する回転輪を備える。
又、前記アンビルは、金属製であり、前記フランジ部の軸方向他側に配置された状態で、前記軸受保持部材に保持され、軸方向他側面に、所定の揺動中心軸を中心として揺動するレリーズフォークの先端部(先端面)を接触させる。
又、前記アンビルは、前記フランジ部の軸方向他側面に対し、前記レリーズフォークの先端部から前記アンビルの軸方向他側面に加わるラジアル荷重と同方向の摺動を可能に接触した状態で、前記軸受保持部材に保持されている。
この様な軸方向変位規制手段として、例えば、1対の挟持部を備え、前記1対の挟持部により、前記フランジ部と前記レリーズ軸受と前記アンビルとの円周方向一部分を軸方向両側から挟み込む、抑えばねを採用する事ができる。
尚、前記アンビルの軸方向他側面のうち、前記レリーズフォークの先端部を接触させる部分と、前記レリーズフォークの先端部との凹凸関係は、互いに逆にする事もできる。
この場合には、追加的に、前記レリーズフォークの揺動に拘わらず、前記レリーズフォークの先端面と前記フォーク当接面との接触状態を保持する為の接触状態保持手段を設ける事ができる。
この様な接触状態保持手段としては、例えば、前記フランジ部と前記アンビルとのうちの少なくとも一方と前記レリーズフォークとの間に掛け渡された状態で、自身の弾力により、前記レリーズフォークの揺動に拘わらず、前記レリーズフォークの先端面と前記フォーク当接面との接触状態を保持する、線ばね等のばね部材を採用する事ができる。
即ち、本発明の場合、前記アンビルは、前記フランジ部の軸方向他側面に対し、前記レリーズフォークの先端面から前記アンビルの軸方向他側面に加わるラジアル荷重と同方向の摺動を可能に接触した状態で、前記軸受保持部材に保持されている。
この為、前記クラッチの断接を行う際に、前記レリーズフォークの先端面から前記アンビルの軸方向他側面にラジアル荷重が加わった場合には、前記アンビルを前記フランジ部の軸方向他側面に対して前記ラジアル荷重と同方向に摺動させる事により、前記アンビルの軸方向他側面と前記レリーズフォークの先端面との接触部で滑りが生じる事を抑制できる。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜10により説明する。
本例のクラッチレリーズ軸受装置は、レリーズフォーク1(図2、図7参照)と共に、プッシュタイプのクラッチ機構に組み込まれるもので、ダイヤフラムばねの軸方向に配設された案内軸2(図4参照)に対し、軸方向の移動を可能に外嵌支持されるものである。
この様な本例のクラッチレリーズ軸受装置は、軸受保持部材3と、レリーズ軸受4と、アンビル5と、軸方向変位規制手段である1対の抑えばね6、6と、接触状態保持手段であるクリップ7とを備える。
又、本明細書及び特許請求の範囲の全体に於いて、軸方向に関して「片側」とは、使用状態で前記ダイヤフラムばねが位置する側である、図1の(A)、図2、図8に於ける紙面奥側、及び、図3〜7に於ける左側を言い、反対に、軸方向に関して「他側」とは、使用状態で前記ダイヤフラムばねが位置する側と反対側である、図1の(A)、図2、図8に於ける紙面手前側、及び、図3〜7に於ける右側を言う。
更に、本例に関する説明中、「上下方向」及び「左右方向」は、図1の(A)、図2、図8、図9に於ける「上下方向」及び「左右方向」を言う。但し、図1の(A)、図2、図8、図9の「上下方向」及び「左右方向」は、必ずしも自動車の「上下方向」及び「左右方向」と一致するとは限らない。
このうちのスリーブ8は、使用状態で前記案内軸2に対し、軸方向の移動を可能に外嵌される。
前記フランジ部9の軸方向片側面の径方向内端部乃至中間部には、軸方向他側に凹入する保持凹部10が全周に亙り設けられている。
前記フランジ部9の軸方向他側面の径方向外端部のうち、円周方向に関する配置の位相が前記1対の第一凸部11、11に対して中心角で45゜ずれた径方向反対側となる2箇所位置には、1対の第二凸部12、12が、軸方向他側に突出する状態で設けられている。
図9に示す様に、前記第二凸部12の軸方向から見た形状は、L字形である。前記フランジ部9の軸方向他側面のうち、前記第二凸部12の径方向外半部の円周方向片側(前記第二凸部12の円周方向片端部の径方向外側)に隣接する部分には、矩形の逃げ凹部13が、軸方向片側に凹入する状態で設けられている。
前記第二凸部12の軸方向他側面のうち、径方向中央部の円周方向中央部には第一係止突起14が、径方向内端寄り部分の円周方向両端部には1対の第二係止突起15、15が、それぞれ突設されている。
前記フランジ部9の外周面のうち、円周方向に関する配置の位相が前記1対の第一凸部11、11に対して中心角で90゜ずれた径方向反対側となる2箇所位置である、左右方向両端部には、1対の張出部17、17が、径方向外側に張り出す状態で設けられている。前記張出部17の軸方向片側面は、前記クラッチ機構を構成する他の部材との干渉を避ける為に、径方向外側に向かう程軸方向他側に向かう方向に傾斜した傾斜面18になっている。前記張出部17の径方向外側面の軸方向他端部には、径方向内側に凹入する凹入部19が設けられている。
前記側板部24の径方向外端部のうち、円周方向に関して前記フランジ部9の軸方向他側面に設けられた1対の第一凸部11、11と同位相の2箇所位置である、上下方向両端部には、1対の第一切り欠き26、26が、それぞれ前記側板部24の外周縁に開口する状態で設けられている。前記第一切り欠き26、26の内周縁(内周面)のうち、左右方向両端部は、それぞれ左右方向に直交する平面状の案内面になっている。
前記側板部24の径方向外端部のうち、円周方向に関して前記フランジ部9の軸方向他側面に設けられた1対の第二凸部12、12と同位相の2箇所位置には、1対の第二切り欠き27、27が、それぞれ前記側板部24の外周縁に開口する状態で設けられている。
前記第二切り欠き27の内周縁のうち、円周方向片端部の径方向外端部には、係止片28の基端部が一体に連結されている。図10に示す様に、前記係止片28は、前記側板部24のうち、前記第二切り欠き27、27の周囲部分と同じ板厚を有すると共に、この周囲部分に対して、当該板厚の半分程度の大きさだけ軸方向片側(図10に於ける下側)にオフセットしている。
前記筒状部25は、軸方向から見た形状(断面形状)がビヤ樽型であり、左右方向両端部に位置する部分が、それぞれ左右方向に対して直交する、互いに平行な1対の平板部33になっている。
即ち、本例の場合、前記アンビル5は、前記側板部24の軸方向片側面を、前記フランジ部9の軸方向他側面に対し、前記レリーズフォーク1の二股の腕部30、30の先端面31、31から前記側板部24の軸方向他側面に設けられた1対のフォーク当接面32、32に加わるラジアル荷重と同方向(上下方向)の摺動を可能に接触させた状態で、前記軸受保持部材3に保持されている。この為、前記クラッチの断接を行う際に、前記レリーズフォーク1の二股の腕部30、30の先端面31、31から前記1対のフォーク当接面32、32にラジアル荷重(上下方向荷重、径方向荷重)が加わった場合には、前記アンビル5の側板部24の軸方向片側面を、前記フランジ部9の軸方向他側面に対して上下方向に摺動させる(前記アンビル5を前記フランジ部9に対して上下方向に変位させる)事により、前記1対のフォーク当接面32、32と前記レリーズフォーク1の二股の腕部30、30の先端面31、31との接触部で滑りが生じる事を抑制できる。特に、本例の場合には、前記フランジ部9の軸方向他側面に対する前記アンビル5の上下方向の摺動可能量を、前記クラッチの断接を行う際に、前記レリーズフォーク1が前記揺動中心軸を中心として揺動する事に伴って生じる、前記レリーズフォーク1の二股の腕部30、30の先端面31、31と接触する部分の、上下方向に関する変位量δ(図7参照)以上の大きさになっている。この為、前記1対のフォーク当接面32、32と前記レリーズフォーク1の二股の腕部30、30の先端面31、31との接触部で滑りが生じる事を、より有効に抑制できる。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図11により説明する。
本例の場合には、軸受保持部材3aを構成するフランジ部9aの軸方向他側面に、それぞれが上下方向{レリーズフォーク1の二股の腕部30、30の先端面31、31からアンビル5を構成する側板部24(図2、図7参照)の軸方向他側面に加わるラジアル荷重と同方向}に伸長する複数の凹溝45、45を、左右方向に間隔をあけて(図示の例では等間隔に)設けている。これにより、前記フランジ部9aの軸方向他側面と前記アンビル5を構成する側板部24の軸方向片側面との間での上下方向の摺動性を向上させている。これにより、クラッチの断接を行う際に、前記レリーズフォーク1の二股の腕部30、30の先端面31、31と前記アンビル5を構成する側板部24の軸方向他側面との接触部で滑りが生じる事を、より有効に抑制できる様にしている。
尚、本発明を実施する場合、上述の様な凹溝45は、前記フランジ部9aの軸方向他側面の全範囲ではなく、一部の範囲(例えば、前記アンビル5を構成する側板部24の軸方向片側面との接触面圧が大きくなる範囲)にのみ設ける事もできる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
2 案内軸
3、3a 軸受保持部材
4 レリーズ軸受
5 アンビル
6 抑えばね
7 クリップ
8 スリーブ
9、9a フランジ部
10 保持凹部
11 第一凸部
12 第二凸部
13 逃げ凹部
14 第一係止突起
15 第二係止突起
16 耳部
17 張出部
18 傾斜面
19 凹入部
20 外輪
21 内輪
22 玉
23 押圧部
24 側板部
25 筒状部
26 第一切り欠き
27 第二切り欠き
28 係止片
29 曲板部
30 腕部
31 先端面
32 フォーク当接面
33 平板部
34 隙間
35 隙間
36 隙間
37 隙間
38a、38b 抑え部
39 連結部
40 係止孔
41 係止切り欠き
42 第一直線状係合部
43 第二直線状係合部
44 第三直線状係合部
45 凹溝
Claims (3)
- 案内軸に対し、軸方向の移動を可能に外嵌されるスリーブと、前記スリーブの外周面から径方向外方に突出する状態で設けられたフランジ部とを有する合成樹脂製の軸受保持部材と、
前記フランジ部の軸方向片側に配置された状態で、前記軸受保持部材に保持されたレリーズ軸受と、
前記フランジ部の軸方向他側に配置された状態で、前記軸受保持部材に保持され、軸方向他側面に、所定の揺動中心軸を中心として揺動するレリーズフォークの先端部を接触させる金属製のアンビルとを備え、
前記アンビルは、前記フランジ部の軸方向他側面に対し、前記レリーズフォークの先端部から前記アンビルの軸方向他側面に加わるラジアル荷重と同方向の摺動を可能に接触した状態で、前記軸受保持部材に保持されている
クラッチレリーズ軸受装置。 - 前記フランジ部の軸方向他側面に対する前記アンビルの、前記ラジアル荷重と同方向に関する摺動可能量が、前記クラッチの断接を行う際に、前記レリーズフォークが前記揺動中心軸を中心として揺動する事に伴って生じる、前記レリーズフォークの先端部のうち前記アンビルの軸方向他側面と接触する部分の、前記ラジアル方向と同方向に関する変位量以上の大きさになっている
請求項1に記載したクラッチレリーズ軸受装置。 - 前記アンビルの軸方向他側面のうち、前記レリーズフォークの先端部を接触させる部分が、前記レリーズフォークの揺動中心軸と平行な軸を中心とする部分円筒状凹面になっている
請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したクラッチレリーズ軸受装置。
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