JP2017155270A - 押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末、押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末の製造方法、押出材の製造方法、鍛造品の製造方法、及び鍛造品 - Google Patents

押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末、押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末の製造方法、押出材の製造方法、鍛造品の製造方法、及び鍛造品 Download PDF

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Abstract

【課題】押出成形性が優れるとともに、機械的特性、とりわけ引張強度及び伸びが優れたアルミニウム合金粉末押出材が得られるようなアルミニウム合金アトマイズ粉末を提供する。【解決手段】粉末粒子表面に金属間化合物晶出物32が分散して露呈している押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末。更に、金属間化合物の晶出物32の一部32Aが、その晶出物に隣接するアルミニウム母相34から突出しており、これにより粒子表面に微小な凹凸が付与されているアトマイズ粉末。またさらに、粉末粒子の外形の形状が、非球状であるアトマイズ粉末。前記アルミニウム合金が、Al−Fe系合金若しくはAl−Si−Fe系合金であり、金属間化合物晶出物32が、Al−Fe系金属間化合物若しくはAl−Si−Fe系金属間化合物のいずれか一方或いは双方である、押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末。【選択図】図5

Description

本発明は、自動車などの内燃機関に使用されるエンジンピストン等の高強度や耐熱性が要求されるアルミニウム合金部品、とりわけ粉末の押出材に鍛造等の成形加工を施して得られるアルミニウム合金部品に適した、押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末、及びそのアルミニウム合金アトマイズ粉末の製造方法、さらにそのアルミニウム合金アトマイズ粉末を用いての押出材の製造方法と、鍛造品の製造方法、及びその鍛造品に関するものである。
内燃機関のエンジンピストンは、高温下でシリンダに対し高速で摺動する部材であり、そこで優れた耐摩耗性が要求されるばかりでなく、強度、とりわけ高温強度に優れていること、そのほか耐焼き付き性が優れていることや、熱膨張係数が小さいこと等が求められる。
一方、自動車部品としては、近年の自動車業界における燃費向上の要請から、軽量化、高機能化の要求が高まってきている。そこで自動車用のエンジンピストンの材料としても、従来の一般的な鉄鋼材や鋳鉄材に代えて、軽量なアルミニウム合金を使用する傾向が強まっている。
各種アルミニウム合金のうちでも、Siを10質量%程度以上含有しているAl−Si系合金、すなわち共晶組成〜過共晶組成の高Siのアルミニウム合金は、熱膨張係数が小さく、優れた耐摩耗性を有していることから、自動車用エンジンの材料として従来から用いられている。
しかしながら、Siを多量に含むこの種のAl-Si系合金は、従来一般には溶解―鋳造法によって製造されているため、鋳造欠陥を完全に防止することは困難であり、また初晶Siが粗大に晶出したり、偏析したりすることがあるため、強度および靱性の低下をもたらしており、そのため自動車用エンジンの材料として、必ずしも満足できるものではなかった。またこの種の高SiのAl−Si系合金は、合金元素の種類や添加量に制限があるため、飛躍的に特性を向上させた合金の開発には限界があった。
そこで、アトマイズ法で代表される急冷凝固粉末製造法により得られた高SiのAl−Si系合金粉末を用い、いわゆる粉末冶金法を適用して得られた材料を自動車用エンジンの材料として使用することが考えられている。アトマイズ法によれば、アルミニウム合金溶湯を10〜10℃/秒程度の高い冷却速度で急冷凝固させることによって結晶粒の粗大化を防止して微細な組織を有するアルミニウム合金粉末を得ることができ、その急冷凝固粉末を用いて粉末冶金法によって製品を製造すれば、強度や耐熱性などの特性を向上させることができる。
さらに最近では、凝固時にAl−Si−Fe系やAl−Fe系の金属間化合物を晶出し得るアルミニウム合金、例えばAl−Si−Fe系合金やAl−Fe系合金のアトマイズ粉末を、粉末冶金法による自動車用エンジンの材料として使用することが考えられている。この種の合金粉末の粉末冶金製品では、硬質な金属化合物が微細に分散して、強度や耐熱性が一層向上することが期待されている。
なおアトマイズ法には種々のものがあるが、従来は、アトマイズ用ガスとともに溶融アルミニウム合金をノズルから噴出して溶融アルミニウム合金を霧化(アトマイズ)し、微小な液滴として急冷凝固させるガスアトマイズ法が広く用いられている。
ガスアトマイズ法によって得られた粉末(アトマイズ粉末)を用いて、粉末冶金法によって最終的にエンジンピストン等の製品を得るための方法としては、アトマイズ粉末を圧縮成形した後、得られた圧粉体を押出機に挿入し、棒状(ロッド状)に押出成形して、押出材とし、その押出材を必要に応じて所定長さに切断し、熱間鍛造用の金型内に投入して、製品形状もしくは製品形状に近い粗形状に鍛造成形し、必要に応じて熱処理や冷間鍛造、さらには機械加工や研磨などの仕上加工を施してエンジンピストン等の製品とするのが一般的である。
ところでアルミニウム合金は極めて酸化しやすいため、アルミニウム合金粉末粒子の表面には、薄い酸化皮膜が生成されるのが通常である。このような酸化皮膜が存在する粒子からなる粉末をそのまま圧縮成形、押出、鍛造に供すれば、酸化皮膜によって粉末粒子同士の結合が阻害されて、強度が低い製品となってしまうことが懸念される。
そこで、例えば特許文献1〜特許文献3に示すように、ガスアトマイズ法などの急冷凝固法によって得られたアルミニウム合金粉末粒子表面の酸化皮膜を、化学的もしくは物理的な手段によって除去もしくは破壊するための前処理を施し、その後に押出や鍛造を行う方法が提案されている。しかしながらこのような前処理を行うことは、工程数の増加によって、生産性の低下、コスト上昇を招く問題がある。
ここで、ガスアトマイズ法によって粉末を製造する場合、一般には、アトマイズ用のガスとして窒素ガスや不活性ガスなどの非酸化性ガスを用いて、霧化―急冷凝固時の酸化を抑制するのが通常である。しかしながら非酸化性ガスを用いてアトマイズしても、凝固後の粒子表面の酸化皮膜を除去もしくは破壊するための前処理を施すことが望まれるが、その場合、前述のように工程数の増加によって、生産性の低下、コスト上昇を招く問題がある。
また前述のようなAl−Si−Fe系合金やAl−Fe系合金を非酸化性ガスによってアトマイズして得られた粉末の場合、上記のような前処理を行わずに圧縮成形、押出に供した場合、押出材先端の割れ(花咲状の割れ)が大きくなるなど、押出成形性が劣り、押出歩留まりが悪くなること、また押出し後の押出材の機械的特性、とりわけ引張強度及び伸びも大きくならず、結果的に鍛造後の製品の強度などの特性も充分ではなくなることが判明している。
特許第2751080号公報 特許第2566433号公報 特開平1−215901号公報
本発明は、以上の事情を背景としてなされたもので、押出成形性が優れるとともに、機械的特性、とりわけ引張強度及び伸びが優れたアルミニウム合金粉末押出材が得られるようなアルミニウム合金アトマイズ粉末、及びそのアルミニウム合金アトマイズ粉末を製造する方法、さらにそのアルミニウム合金アトマイズ粉末を用いた押出材の製造方法と、鍛造品製造方法、及び鍛造品を提供することを課題とするものである。
前述の課題を解決するべく、本発明者等が種々実験・検討を重ねたところ、アトマイズ用のガスとして、空気などの酸化性ガスを用いて、ガスアトマイズ法によりAl−Si―Fe系合金もしくはAl−Fe系合金の粉末を製造すれば、前述のような粉末粒子表面の酸化皮膜の除去もしくは破壊のための前処理を施さなくても、圧縮成形後の押出加工において、押出成形性が優れていて、押出材における押出先端部の花咲状の割れが少なくなり、また押出後の粉末押出材として、高い引張強度及び大きな伸びが得られることを見出した。
そして、上述のように押出成形性が優れ、押出材の引張強度及び伸びが優れる理由を見出すべく、粉末の性状について詳細に調べたところ、粉末粒子の表面に、比較的粗大でかつ母相(アルミニウムのα相)よりも硬質なAl−Si―Fe系もしくはAl−Fe系の金属間化合物の晶出物が露呈していることを知見した。またその場合、粒子表面に分散して存在している金属間化合物晶出物の一部が、その晶出物に隣接するアルミニウムマトリックスから突出しており、これにより、粒子表面に微小な凹凸が付与されていることを見出した。そして、このように表面に硬質な金属間化合物晶出物が分散し、さらにその金属間化合物晶出物によって表面に微小な凹凸が付与されている粒子の集合体である圧粉体を押出した場合、母相表面の酸化皮膜が容易に破壊され、これによって粒子間の結合力が大きくなり、押出材先端の割れが少なくなること(押出成形性が良好となること)、また押出し後の押出材の引張強度及び伸びが増大することが明らかとなった。
さらに、上記のようにアトマイズ用のガスとして空気などの酸化性ガスを用いて、ガスアトマイズ法によりAl−Si―Fe系合金もしくはAl−Fe系合金の粉末を製造した場合、粉末粒子の形状として、球状ではなく、非球状の粒子が得られることを見出した。ここで、非球状とは、例えば長径に沿った断面形状が楕円形状、長円形状、あるいはティアドロップ状、瓢箪状等をなすことを意味し、擬球状異形と言う場合もある。
そしてこのような非球状の粒子であることも、押出成形性の向上や押出材の引張強度及び伸びの改善に寄与しているものと推測された。すなわち、非球状の粒子ではその比表面積が大きく、またその粉末粒子の集合体(圧粉体)を押出した場合、粒子同士の不規則な方向での衝突、擦れ合いが生じ、これによって酸化皮膜の破壊がより促進され、押出成形性の向上や押出材の引張強度及び伸びの改善が図れるものと考えられる。
ちなみに、従来のガスアトマイズの一般的な手法、すなわちアトマイズ用のガスとして窒素ガスや不活性ガスなどの非酸化性ガスを用いたガスアトマイズ法では、粒子形状が球状(真球もしくはそれに近い形状)の粉末粒子が得られるのが通常である。またその場合、Al−Si―Fe系合金もしくはAl−Fe系合金であっても、急冷凝固時に晶出した金属間化合物が粒子表面には実質的に露呈せず、またそれに伴い、粒子表面に金属間化合物晶出物による微細な凹凸が生じず、実質的に滑らかな表面となることが判明している。そしてこれらの結果として、既に述べたように押出成形性が劣り、また押出し材の引張強度及び伸びが充分に得られなかったものと推測される。
以上のような知見から、押出材用のアルミニウム合金アトマイズ粉末として、粉末粒子表面に金属間化合物晶出物が分散して露呈しており、またその金属間化合物晶出物によって粒子表面に微小な凹凸が形成されていれば、良好な押出成形性が得られ、それに伴い、粉末粒子表面の酸化皮膜の除去もしくは破壊のための前処理を施す必要がなくなること、さらに押出し材の引張強度及び伸びが改善されることを認識した。また同時に、アトマイズ粉末粒子の形状が、従来の一般的な球状ではなく、擬球状等の非球状であることが、前処理なしでの押出性の改善、押出材の引張強度及び伸びの改善に望ましいことを認識した。
そしてこのような知見及び認識に基づいて、本発明の完成に至った。
したがって本発明の基本的な態様(第1の態様)による押出し材用アルミニウム合金粉末は、粉末押出材の素材となるアルミニウム合金アトマイズ粉末であって、粉末粒子表面に金属間化合物晶出物が分散して露呈していることを特徴とするものである。
また本発明の第2の態様による押出し材用アルミニウム合金粉末は、第1の態様の押出し材用アルミニウム合金アトマイズ粉末において、粉末粒子表面に存在する前記金属間化合物の晶出物の一部が、その晶出物に隣接するアルミニウム母相から突出しており、これにより、粒子表面に微小な凹凸が付与されていることを特徴とするものである。
さらに本発明の第3の態様による押出し材用アルミニウム合金粉末は、第1もしくは第2の態様押出し材用アルミニウム合金アトマイズ粉末において、粉末粒子の外形の形状が、非球状であることを特徴とするものである。
また本発明の第4の態様による押出し材用アルミニウム合金粉末は、第1〜第3のいずれかの態様の押出材用アルミニウム合金粉末において、前記金属間化合物晶出物が、Al−Fe系金属間化合物もしくはAl−Si−Fe系金属間化合物のいずれか一方もしくは双方であることを特徴とするものである。
さらに本発明の第5の態様による押出し材用アルミニウム合金粉末は、第1〜第4のいずれかの態様の押出材用アルミニウム合金粉末において、前記アルミニウム合金が、Al−Fe系合金もしくはAl−Si−Fe系合金であることを特徴とするものである。
また本発明の第6の態様は、押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末の製造方法についてのものであって、第1〜第5のいずれかの態様の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末を製造するにあたり、アルミニウム合金の溶湯を、酸化性雰囲気中において上向きノズルによって酸化性ガスとともに上方に噴出することにより、微小液滴として霧化させながら急冷凝固することを特徴とするものである。
さらに本発明の第7の態様の押出し材用アルミニウム合金アトマイズ粉末の製造方法は、第6の態様の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末の製造方法において、前記酸化性雰囲気及び酸化性ガスが空気であることを特徴とするものである。
また本発明の第8の態様は、押出材の製造方法についてのものであって、第1〜第5のいずれかの態様の押出材用アルミニウム合金粉末を圧縮成形し、得られた圧粉体を、熱間で押出成形することを特徴とするものである。
また本発明の第9の態様は、鍛造品の製造方法についてのものであって、第8の態様の押出材の製造方法によって得られた押出材に、さらに熱間鍛造を施して鍛造品を得ることを特徴とするものである。
さらに本発明の第10の態様のアルミニウム合金鍛造品は、第9の態様の鍛造品の製造方法によって得られた鍛造品である。
本発明のアルミニウム合金アトマイズ粉末を用いて押出成形した場合、従来技術として記載したような前処理を行わなくても、優れた押出成形性が得られ、また押出材の機械的特性(引張強度及び伸び)が優れることから、アトマイズ粉末の粒子表面の酸化膜の除去もしくは破壊、分断のための前処理が不要となる。その結果、前処理の省略によって、従来よりも格段に経済性を向上させることができる。
本発明の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末を製造するためのアトマイズ装置の一例を示す、模式的な縦断面図である。 本発明の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末の粒子形状の一例を示す模式図である。 本発明の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末の粒子形状の他の例を示す模式図である。 本発明の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末の粒子形状のさらに別の例を示す模式図である。 本発明の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末の粒子の表面付近の微視的断面組織の一例を模式的に示す断面図である。 粉末押出材における押出し方向先端の割れ発生状況の一例を示す、押出材先端部分の側面図である。 本発明の実施形態の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末を用いて得られた粉末押出材の機械的特性を、本発明範囲外の比較品のアルミニウム合金アトマイズ粉末を用いて得られた粉末押出材の機械的特性と比較して示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は例示に過ぎず、本発明がこれらの実施形態に限定されないことはもちろんである。
本実施形態の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末は、凝固時に金属間化合物、例えばAl−Fe系金属間化合物もしくはAl−Si−Fe系金属間化合物のいずれか一方もしくは双方の金属間化合物を晶出し得るアルミニウム合金として、Al−Fe系アルミニウム合金もしくはAl−Si−Fe系合金を用い、その粉末をガスアトマイズによって製造するにあたり、合金溶湯を、酸化性雰囲気中(例えば大気中)において例えば上向きノズルによって酸化性ガス(例えば空気)とともに上方に噴出することにより、微小液滴として霧化させながら酸化性雰囲気中(例えば空気中)で急冷凝固させたものである。このようなアトマイズ粉末の製造方法について次に説明する。
<アトマイズ粉末の製造方法>
上向きノズルを用いたガスアトマイズによってアルミニウム合金アトマイズ粉末を製造するためのアトマイズ装置の具体的な例を図1に模式的に示す。
図1において、軸線方向に沿って溶湯流通路1を形成した中空管状のノズル基体3が、軸線方向が垂直となるように設置されており、その下端部は、溶湯保持室7内のAl−Fe系もしくはAl−Si−Fe系のアルミニウム合金溶湯5中に浸漬されている。ノズル基体3の上端面3Aは水平面とされ、その中央には溶湯流通路1の上端の溶湯吐出口3Bが開口している。ノズル基体3の上部の外周側には、それを取り囲むように全体として環状をなすガス噴出用基体9が配置されている。このガス噴出用基体9は、その内側に環状の中空室9Aが形成されており、その中空室9Aに外部からガス流入口9Bを経てアトマイズ用のガス(本実施形態では空気)が導入されるようになっている。中空室9Aの内側上部には、アトマイズガス噴出口9Cが形成されており、このアトマイズガス噴出口9Cから、ノズル基体3の上部外周面に向けて斜め上方に、傾斜状にアトマイズガスを噴き出すようになっている。なお図1では示していないが、アトマイズガス噴出口9Cから噴出されるアトマイズガスは、ノズル基体3の中心軸線を基準として所定方向に旋回するように、噴出口9Cの向き、もしくは中空室9Aから噴出口9Cの開口端に至るガス流路の方向(旋回方向)が設定されている。
さらにノズル基体3の上方に所定距離だけ離れた位置には、ノズル基体3よりも大径の吸気用筒体11が垂直に配設されており、この吸気用筒体11の上部は、吸気用のポンプ(減圧ポンプ)13を経て、粉末捕集容器15に導かれている。
このようなノズル装置を用いてアルミニウム合金をガスアトマイズするにあたっての作用は次の通りである。
ノズル基体3における上端面3Aの上方空間17は、アトマイズガス噴出口9Cからの噴出ガス流及び吸気用筒体11の側からの吸引によって負圧となり、この負圧によって、溶湯保持室7内のアルミニウム合金溶湯5がノズル基体3の溶湯流通路1に吸い上げられる。そしてアルミニウム合金溶湯は、ノズル基体3の上端面3Aの溶湯吐出口3Bから吐出されて、上端面3Aの周縁側に流れ、その周縁部において、アトマイズガス噴出口9Cからのアトマイズガスによって微細に液滴化(霧化)される。そしてその微小液滴は、旋回しながら上昇する。さらにその過程で微小液滴の凝固が進行して、固体粉末粒子となり、その固体粉末粒子からなる粉末(アトマイズ粉末)20が上昇し、吸気用筒体11及び減圧ポンプ13を経て、粉末捕集容器15に収容される。
ここで、本実施形態では、アトマイズガス噴出口9Cからのアトマイズガスとして空気、すなわち酸化性ガスを用いている。したがってアルミニウム合金溶湯の微小液滴化は酸化性雰囲気で行われ、また減圧ポンプ13は、ノズル基体3の上端と吸気用筒体11の下端との間において、周囲から大気(空気)を吸引しているから、微小液滴の凝固も、酸化性雰囲気中で進行することになる。
このようにして得られた本実施形態の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末20は、例えば図2〜図4に示しているように、粉末を構成する粒子(粉末粒子)30の外形の全体形状が非球状となっている。また微視的には、粉末粒子30の表面に、図5に示しているように、Al−Fe系もしくはAl−Si−Fe系の金属間化合物の晶出物32が分散して露呈しており、かつその粒子表面の晶出物32の一部32Aが、アルミニウム母相(α相)34から突出していて、その突出部位32Aによって、粒子30表面に微細な凹凸が付与されている。これらの粉末粒子の性状(全体形状、及び金属間化合物存在状態)について、次に詳細に説明する。
<粉末粒子の全体形状>
本実施形態の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末は、前述のように粒子の全体の外形が非球状となっている。すなわち、球体のような等方的な形状ではなく、最大長さを示す長径と、その長径よりも短い短径とを有する異形の粒子(形状異方性を有する粒子)であり、さらに外面が実質的に曲面をなすことから、擬球状ともいうことができる形状である。なお、微視的に見れば、粒子表面は金属間化合物晶出物によって微小な凹凸が付与されていることから、全体形状の外面については、その微小な凹凸は無視して、上記のように「実質的に曲面をなす」と表現している。
このような非球状の粉末粒子の典型的な例を、図2〜図4に示している。図2には、長径に沿った断面形状が長円形あるいは楕円形の粉末粒子30を示し、図3にはティアドロップ形状の粉末粒子30を示し、図4には瓢箪状の粉末粒子30を示している。もちろんここで示しているのは、典型的な形状例に過ぎず、実際には、より複雑な非球状となることが多い。
ここで、非球状の粉末粒子における最大長さ方向の径を長径とし、その長径方向に対して直交する方向における最大径を短径とすれば、短径に対する長径の比、すなわちいわゆるアスペクト比は、平均で1.3以上、好ましくは1.6以上である。
上記のように本実施形態においてアトマイズ粉末が非球状となる理由は、必ずしも明確ではないが、次のように考えられる。
従来の一般的なガスアトマイズ法に従って、非酸化性ガス(窒素ガスあるいは不活性ガス)を用いてアトマイズした場合は、アトマイズ粉末は真球体もしくはそれに近い球体となることが確認されている。すなわちアトマイズ時には、ノズルからのアルミニウム合金溶湯は、アトマイズガスによって微小液滴に分断され、さらにその微小液滴はアトマイズガスの旋回流によって上方に旋回しながら凝固する。
このような凝固過程では、微小液滴がランダムに回転しながら凝固するが、その際、アトマイズガスが非酸化性であれば、酸化性ガスを用いた場合よりも遅れて粒子表面の酸化が進行する。そのため、粒子表面に酸化膜が形成される以前の段階での、ランダムな回転と自由凝固時の表面張力とが相俟って、真球体もしくはそれに近い球体状に凝固するものと解される。
これに対して、アトマイズガスとして酸化性ガスを用いた場合は、ノズルからのアルミニウム合金溶湯がアトマイズガスによって微小液滴に分断されると同時的に液滴表面の酸化が開始され、微小液滴の回転に伴って液滴表面の酸化物が移動し、その酸化物によって自由凝固が阻害されて、非球状に凝固するものと解される。
<金属間化合物の存在状態>
図5に模式的に示しているように、本実施形態の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末粒子30においては、Al−Fe系もしくはAl−Si−Fe系の金属間化合物の晶出物32が、分散した状態で晶出している。そしてこれらの金属間化合物晶出物32は、粉末粒子30の内部に存在するばかりでなく、粉末粒子30の表面に分散して露呈している。しかも粉末粒子30の表面付近に存在する金属間化合物晶出物32は、その少なくとも一部32Aが、粒子表面の金属間化合物晶出物32を取り囲むアルミニウム母相(α相)34から突出し、これによって、粒子表面にはその突出部位32Aによる微小な凹凸が付与されている。
なお金属間化合物の形状は特に限定されないが、Al−Si−Fe系合金において主として晶出するAl−Si−Fe系金属間化合物は、薄い板状もしくは針状に晶出することが確認されており、そこで図5でも、金属間化合物晶出物32を板状に描いている。一方、Al−Fe系合金において主として晶出するAl−Fe系金属間化合物は、微小塊状もしくは粒状に晶出することが確認されている。なおまた、合金の成分組成によっても異なるが、場合によってはAl−Si−Fe系金属間化合物とAl−Fe系金属間化合物との両者が晶出する(混在する)こともある。
さらに、実際のアトマイズ粉末粒子においては、金属間化合物の表面(突出部位を含めて露呈した金属間化合物晶出物の表面)が薄い酸化膜によって覆われることもあるが、その酸化膜は2〜5nm程度のナノメートルオーダーで極めて薄く、無視できるのが通常であり、そこで、酸化膜に覆われる場合も、金属間化合物が表面に露呈していると本明細書では記載している。
ここで、従来の一般的なガスアトマイズ法に従って、非酸化性ガス(窒素ガスあるいは不活性ガス)を用いてアトマイズした場合は、表面に金属間化合物が実質的に露呈せずかつ母相から金属間化合物が突出しない凝固粉末粒子が得られることが確認されている。これに対して、本実施形態においてアトマイズ粉末粒子表面に金属間化合物晶出物が露呈し、かつその金属間化合物晶出物の一部が母相から突出する理由は、必ずしも明確ではないが、次のように考えられる。
すなわち、Al−Si−Fe系合金もしくはAl−Fe系合金の溶湯の凝固時においては、母相(α相)の凝固に先立って、金属間化合物の晶出が開始される。したがってアトマイズガスによって分断された微小液滴内でも、母相の凝固に先立って金属間化合物の微細な晶出が開始される。ここで、アトマイズガスとして非酸化性ガスを用いている場合は、前述のように液滴表面の酸化が遅れ、そのため金属間化合物の晶出後にも表面が液相に保たれて、晶出した金属間化合物の外側も液相に覆われながら母相の凝固が進行し、最終的に表面に金属間化合物が実質的に露呈せずかつ母相から金属間化合物が突出しない凝固粉末粒子が生成されると考えられる。これに対して、アトマイズガスとして酸化性ガスを用いた場合は、金属間化合物の晶出後、早期に酸化膜の生成が進行して、液相が内側に閉じ込められた状態となりながら(すなわち金属間化合物晶出物を覆うことなく)母相が凝固し、その結果、表面に金属間化合物が露呈し、またその一部が母相から突出した状態で、最終的に凝固粒子が生成されるためと考えられる。
<粉末粒子のその他の性状>
アルミニウム合金アトマイズ粉末粒子の粒径は特に限定しないが、通常は平均で30〜80μm程度が好ましい。平均粒径が30μm未満では、圧縮工程において、充填が困難になるとともに、粉塵となり舞いやすくなるため、作業性・経済性を著しく悪化させるおそれがあり、一方80μmを超えれば、充分な冷却速度とならず、微細な組織を有するアルミニウム粉末を得られないおそれがある。
<アルミニウム合金の成分組成>
本発明の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末に用いられるアルミニウム合金は、凝固時にAl−Fe系もしくはAl−Si−Fe系の金属間化合物の晶出物を生成し得る組成を有していれば良く、その限りにおいては限定されるものではないが、通常は、Al−Fe系合金もしくはAl−Si−Fe系合金を用いることが好ましい。そこでこれらの合金の好ましい成分組成について次に説明する。
〔Al−Si−Fe系合金〕
Al−Si−Fe系合金の具体的な成分組成としては、基本的には、必須合金成分として、Si:15.0〜24.0%と、Fe:3.0〜8.0%とを含み、残部がAl及び不可避的不純物よりなることが好ましい。また必要に応じて、上記の必須成分のほか、さらにCu:0.5〜8.0%、Mg:0.2〜3.0%のうちの1種又は2種を含んでいてもよい。さらに、必要に応じて、上記の必須成分のほか、もしくは上記の必須成分とCu及びMgのほか、Ti、Zr、V、W、Cr、Co、Mo、Ta、Hf、Nbのうちの1種または2種以上が、それぞれ0.01〜5.0%含有されていてもよい。そこで次にこれらの合金元素の限定理由を説明する。なおここで、各成分についての「%」は、全て質量%を意味する。次に、上記のAl−Si−Fe系合金の各成分につて説明する。
Si:15.0〜24.0%
Siは、Feとともに添加することによって、Al−Si−Fe系の金属間化合物を晶出させる。この金属間化合物晶出物は、前述のような形態で晶出することによって、粉末押出材製造時(押出し成形時)における押出成形性を向上させるとともに、粉末押出材の引張強度及び伸びを向上させ、さらに最終的な鍛造品の製品における耐摩耗性、強度の向上に寄与する。また同時にSiは、Si晶出物(共晶Si、初晶Si)を多量に晶出させ、特に微細なSi晶出物によって最終的な鍛造製品における耐摩耗性向上に寄与し、また強度向上に寄与する。Si量が15.0%未満では、Al−Si−Fe系金属間化合物晶出物の量が不十分となって、上記の効果が得られない。一方、Si量が24.0%を超えれば、材料の脆化をもたらして、鍛造性が著しく低下する。そこでSi量は15.0〜24.0%の範囲内とした。なおSi量は、特に18.0%〜22.0%の範囲内が望ましい。
Fe:3.0〜8.0%
Feは、Siとともに添加することによって、Al−Si−Fe系の金属間化合物を晶出させる。この金属間化合物晶出物は、前述のような形態で晶出することによって、粉末押出材製造時(押出し成形時)における押出成形性を向上させるとともに、粉末押出材の引張強度及び伸びを向上させ、さらに最終的な鍛造品の製品における耐摩耗性、強度の向上に寄与する。Fe量が3.0%未満では、Al−Si−Fe系金属間化合物晶出物の量が不十分となって上記の効果が得られない。一方、Fe量が8,0%を超えれば、延性低下や成形性悪化が生じる。そこでFe量は3.0〜8.0%の範囲内とした。なおFe量は、特に5.0〜7.0%の範囲内が望ましい。
<Cu:0.5〜8.0%>
Cuは、合金に時効硬化性を付与するに有効な元素である。したがってCuを添加しておけば、熱処理型合金として、鍛造材に溶体化処理―焼入れ、時効硬化処理を施して、常温及び高温強度を向上させるために有効に機能する。
Cu量の含有量が0.5%未満では、充分な時効硬化性が得られず、そのため強度向上の効果が少ない。一方Cu量が8.0%を越えれば、押出加工性が悪化する。したがってCu含有量は0.5〜8.0%の範囲内とした。なおCu量は、上記の範囲内でも、特に2.0〜5.0%の範囲内が好ましい。
<Mg:0.2〜3.0%>
Mgは、Cuと同様に合金に時効硬化性を付与するに有効な元素である。したがってMgを添加しておけば、熱処理型合金として、鍛造材に溶体化処理―焼入れ、時効硬化処理を施して、常温及び高温強度を向上させるために有効に機能する。
Mg量の含有量が0.2%未満では、充分な時効硬化性が得られず、そのため強度向上の効果が少ない。一方Mg量が3.0%を越えれば、押出加工性が悪化する。したがってMg含有量は0.2〜〜3.0%の範囲内とした。なおMg量は、上記の範囲内でも、特に0.5〜1.5%の範囲内が好ましい。
<Ti、Zr、V、W、Cr、Co、Mo、Ta、Hf、Nbのうちの1種または2種以上:0.01〜5.0%>
これらの元素は、いずれもアルミニウム中での拡散速度が遅いため、合金の耐熱性を改善して高温強度を顕著に向上させる効果を示す。ここで、これらのいずれの元素も、その含有量が0.01%未満では、上記の効果が充分に得られず、一方5.0%を超えれば、材質が脆くなる傾向を示す。なおこれらの元素の2種以上を含有させる場合の合計量は、8.0%以下とすることが好ましい。
なお、Cu及び/又はMgと、Ti、Zr、V、W、Cr、Co、Mo、Ta、Hf、Nbのうちの1種または2種以上とは、いずれか一方のみを含有させても、また両者を同時に含有させてもよい。
以上の各元素のほかは、基本的にはAl及び不可避的不純物とすればよい。
〔Al−Fe系合金〕
Al−Fe系合金の具体的な成分組成としては、質量%でFe:2.0〜12.0%、Ti:0.5〜1.5%、Zr:0.5〜1.5%、Mg:0.5〜2.5%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成とすることが好ましく、さらに必要に応じてCu:0.5〜2.5%を含有していてもよい。次に、上記のAl−Si−Fe系合金の各成分につて説明する。
Fe:2.0〜12.0%
Feの添加は、Al−Fe系の金属間化合物を晶出させる。この金属間化合物晶出物は、前述のような形態で晶出することによって、粉末押出材製造時(押出し成形時)における押出成形性を向上させるとともに、粉末押出材の引張強度及び伸びを向上させ、さらに最終的な鍛造品の製品における耐摩耗性、強度の向上に寄与する。Fe量が2.0%未満では、Al−Fe系金属間化合物晶出物の量が少なくなって上記の効果が得られない。一方、Fe量が12.0%を超えれば、成型性や加工性が低下する。そこでFe量は2.0〜12.0%の範囲内とした。なおFe量は、3.0%〜7.0%の範囲内が好ましく、さらに4.0%〜6.0%がより好ましい。
Ti:0.5〜1.5%、Zr:0.5〜1.5%
Ti及びZrの添加は、Al−Fe系の金属間化合物を安定化させ、耐熱性を改善して高温強度を顕著に向上させる効果をもたらす。Tiが0.5%未満、Zr:0.5%未満では、上記の効果が得られず、一方Tiが1.5%を超えれば、溶解温度の上昇によるコスト上昇や成形性の悪化が問題となる。またZrが1.5%を超えれば、Tiと同様に成形性の悪化が問題となる。そこでTi,Zrは、いずれも:0.5〜1.5%の範囲内とした。なおその範囲内でもTiは0.7%〜1.0%の範囲内がより好ましく、またZrは0.8〜1.2%の範囲内がより好ましい。
Mg:0.5〜2.5%
Mgは、合金に時効硬化性を付与するに有効な元素である。したがってMgを添加しておけば、熱処理型合金として、鍛造材に溶体化処理―焼入れ、時効硬化処理を施して、常温及び高温強度を向上させるために有効に機能する。
Mg量の含有量が0.5%未満では、充分な時効硬化性が得られず、そのため強度向上の効果が少ない。一方Mg量が2.5%を越えれば、押出加工性が悪化する。したがってMg含有量は0.5〜2.5%の範囲内とした。なおMg量は、上記の範囲内でも、特に1.0〜2.0%の範囲内が好ましい。
Cu:0.5〜2.5%
Cuは、Mgと同様に合金に時効硬化性を付与するに有効な元素である。したがってCuを添加しておけば、熱処理型合金として、鍛造材に溶体化処理―焼入れ、時効硬化処理を施して、常温及び高温強度を向上させるために有効に機能する。
Cu量の含有量が0.5%未満では、充分な時効硬化性が得られず、そのため強度向上の効果が少ない。一方Cu量が2.5%を越えれば、押出加工性が悪化する。したがってCuを添加する場合のCu量は0.5〜2.5%の範囲内とした。なおCu量は、上記の範囲内でも、特に1.0〜2.0%の範囲内が好ましい。
<粉末押出材の製造方法>
前述のような実施形態のアトマイズ粉末を用いて押出材を得るにあたっては、先ず粉末を、押出に適した形状に圧縮成形することが望ましい。粉末の圧縮成形は、常温(冷間)で行ってもよいが、通常は温間もしくは熱間で行うことが好ましい。
例えば250〜300℃程度に加熱して、例えば230〜270℃程度に予熱された金型内に充填し、所定形状に圧縮成形して、圧粉体とする。圧縮成形の圧力は特に限定されないが、通常は0.5〜3.0ton/cm程度の圧力とし、相対密度が60〜90%程度の圧粉体とすることが好ましい。また圧粉体の形状は特に限定されないが、通常は押出工程を考慮して、円柱状あるいは円盤状とすることが好ましい。
得られた圧粉体には、必要に応じて面削等の機械加工を施してから、好ましくは脱ガス処理を施し、加熱して押出工程に付す。押出前の加熱温度(予熱温度)は、例えば300〜450℃程度とすることが好ましい。押出に当たっては、圧粉体を押出コンテナ内に装入して、押出ラムにより加圧力を加え、押出ダイスから例えば丸棒状に押出すことになるが、押出コンテナも、予め300〜400℃程度に加熱しておくことが望ましい。このように熱間で押し出すことによって圧粉体の塑性変形が進行し、合金粉末粒子同士が結合して、一体化した押出材が得られる。
ここで、押出圧力は10〜25MPa程度、押出比(押出前後の外径比)は、5.0〜50程度、押出体の密度は2.80〜2.90程度とすることが好ましい。なお押出しは、前方押出、後方押出のいずれでもよい。
<粉末押出材の特性>
前述のように粉末粒子の形状が非球状で、粉末粒子表面に露呈、突出する金属間化合物により微小な凹凸が付与されている粉末は、従来の粉末(粒子形状が球形でかつ粒子表面に微小な凹凸が付与されていない粉末)と比較して、押出成形性が良好であり、また押出しによって得られた押出材の引張強度及び伸びが良好となる。このような効果は、後に実施例として示すように、本発明者等の実験により確認されているが、このような効果が得られる理由は、次のように考えられる。
すなわち粉末粒子の形状が非球状でかつ表面に微細な凹凸が付与されていることから、粉末粒子の比表面積が大きく、押出し時における粉末粒子相互間の摩擦が大きくなり、さらには押出時に粒子表面の微小な凹凸が付粒子相互間で衝突しあったり、絡み合ったりし、これらの総合的な結果として、粉末粒子表面の酸化膜が速やかに破壊、分断されて、粒子間が強固に結合されるものと解される。
なおここで、押出成形性とは、例えば図6に示しているように、押出材40の押出方向先端部40Aにおける割れ(いわゆる花咲割れなど)40Bの発生状況(割れの大きさもしくは長さ)等によって評価することができる。
上述のように、本実施形態のアトマイズ粉末を用いて押出成形した場合、従来技術として記載したような前処理を行わなくても、優れた押出成形性が得られ、また押出材の機械的特性(引張強度及び伸び)が優れることから、アトマイズ粉末の粒子表面の酸化膜の除去もしくは破壊、分断のための前処理が不要となる。その結果、前処理の省略によって、従来よりも格段に経済性を向上させることができる。
<鍛造品とその製造方法>
上記のようにして得られた押出材は、通常はこれを中間製品として扱い、さらに製品とするための成形加工、例えば熱間鍛造を施して、自動車部品等に使用される鍛造品とする。
例えば丸棒状の押出材を、必要に応じて所定長さに切断した後、熱間鍛造に適した温度に加熱して熱間鍛造する。この熱間鍛造は、鍛造上がり材(鍛造品)が製品形状(例えばエンジンピストン形状)に近い形状となるように、密閉型鍛造もしくは半密閉型鍛造とすることが好ましいが、製品形状によっては自由鍛造でもよい。熱間鍛造の温度は、300〜450℃程度とすることが好ましい。
なお、場合によっては熱間鍛造の後、さらに製品形状に近い形状に仕上るために冷間鍛造を施すこともある。
鍛造上がり材は、これに適宜切削加工や表面研磨等を施して、直ちに製品の摺動部品(例えばエンジンピストン)としてもよいが、より特性を向上させるべく、次の熱処理段階に付す。
<熱処理>
[溶体化処理]
溶体化処理は、時効硬化に寄与するCu、Mg等を過飽和に固溶させる処理であって、溶体化処理の加熱温度は480〜500℃が好ましい。480℃を下回れば、過飽和固溶体が十分に得られず、時効硬化能が低下し、一方、500℃を上回れば、結晶粒や共晶Siが粗大化して強度低下を招いたり、ポアの成長を促したりするといった問題が発生する。また溶体化処理の加熱時間は2hr〜4hrが好ましい。2hrを下回れば、過飽和固溶体が十分に得られず、4hrを上回れば、結晶粒や共晶Siの粗大化が発生する。
[焼入れ]
溶体化のための加熱後は、水焼入れなどによって急冷(焼入れ)して、常温での固溶限を超えてCu、Mg等が過飽和に固溶された材料(過飽和固溶体)とする。焼入れ温度は0〜50℃が好ましい。0℃を下回れば、急激な熱収縮により亀裂が発生して、割れに至るおそれがある。一方、50℃を上回れば、十分な過飽和固溶体が得られず、十分な強度が得られなくなる。
[時効処理]
溶体化処理―焼入れ後には、時効処理を施す。この時効処理により、Cu、Mg等を含む金属間化合物を微細に析出させて、強度、耐摩耗性を大幅に向上させることができる。但し、本発明の場合、エンジンピストンで代表される摺動部品の製造に適用され、このような摺動部品では、寸法安定性が良好であることが望まれる。例えばエンジンピストンでは、シリンダ内周面とのクリアランスを安定に維持することが望まれる。そこで、本発明の場合、時効処理は、一般的なT6処理における時効処理条件(最大強さを得るための時効処理条件)を超えて過時効とする、いわゆるT7処理における安定化処理まで進めることが望ましい。
上記の観点から、時効処理の条件は、180℃〜280℃の範囲内の温度で、1hr〜4hrとすることが望ましい。時効処理温度が180℃を下回れば、長時間時効が必要となって生産効率が低下し、一方280℃を上回れば、短時間で結晶粒や共晶Siの粗大化が発生してしまい、強度が低下するおそれがある。また時効時間が1hr未満では、過時効にならず、安定化が不十分となって、十分な寸法安定性が得られず、一方4hrを上回れば、過剰な過時効により結晶粒や共晶Siの粗大化が発生して強度低下を招くおそれがある。
上述のような時効処理後の鍛造品については、適宜切削加工などの機械加工や表面研磨処理などを施して、自動車用エンジンピストン等の製品に仕上る。
次に本発明の作用効果を検証するために行った実験を実施例として、比較例とともに説明する。
アルミニウム合金として、Al−Fe系合金を用い、図1に示すような上向きノズル方式のガスアトマイズ装置によって、アトマイズ粉末(本発明例)を作成した。
アルミニウム合金の具体的な成分組成は、Fe:5.01%、Mg;1.52%、Ti:0.80%、Zr:0.99%、残部実質的にAlとした。アトマイズガスとしては、常温の空気を用い、また雰囲気も常温の空気とした。アトマイズガス(空気)の流量は、3m/minとし、アルミニウム合金溶湯の温度は1100℃とした。
得られたアトマイズ粉末の粒子形状を調べたところ、アスペクト比が平均で1.7程度の非球状となっていることが確認された。また粒子表面には、Al−Fe系金属間化合物晶出物が露呈して、その一部が母相(α相)から突出し、これによって表面に微小な凹凸が付与されていることが確認された。なお得られたアトマイズ粉末の粒径は、平均で57μmであった。
得られたアトマイズ粉末を、300℃において圧縮成形し、得られた圧粉体を、350℃で熱間押出した。
得られた押出材の機械的特性を評価するため、押出材にT6処理(溶体化490℃×3hr、時効220℃×2hr)を施し、押出材中心部から、押出方向(L方向)、押出方向に直交する方向(LT方向)の各方向に引張試験片を切出し、引張試験を行った。引張試験による引張強度及び伸びを調べたところ、図7において本発明例として記載した結果が得られた。
一方、比較のため、アトマイズガスを不活性ガス(アルゴンガス)に変更し、前記同様に上向きノズル方式のガスアトマイズ装置によって、アトマイズ粉末(比較例)を作成した。得られた比較例のアトマイズ粉末は、粒子形状が実質的に球形で、かつ粒子表面に金属間化合物が露呈しておらず、微小な凹凸も少ないことが確認された。
その比較例のアトマイズ粉末を用いて、前記と同様に圧縮成形、熱間押出を行い、得られた押出材について前記同様なT6処理を施し、引張試験に供した。その結果を、図7において比較例として示す。
図7から明らかなように、本発明例のアトマイズ粉末を使用した押出材では、比較例のアトマイズ粉末を使用した押出材と比較して、引張強度及び伸びが優れていることが確認された。
また押出直後の時点で押出材の押出方向先端部の割れ(花咲割れ)の発生状況を調べたところ、本発明例のアトマイズ粉末を使用した押出材では、比較例のアトマイズ粉末を使用した押出材と比較して、割れの発生が格段に少ないこと、したがって押出成形性に優れていることが判明した。
なお上記の実施例では、Al−Fe系合金を用いた場合について記載したが、Al−Si−Fe系合金の場合も、上記と同様な結果が得られることが実験により確認されている。
5…アルミニウム合金溶湯、 20…アトマイズ粉末、 30…粉末粒子 32…金属間化合物晶出物、34…母相(α相)、40…押出材

Claims (10)

  1. 粉末押出材の素材となるアルミニウム合金アトマイズ粉末であって、
    粉末粒子表面に金属間化合物晶出物が分散して露呈していることを特徴とする押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末。
  2. 粉末粒子表面に存在する前記金属間化合物の晶出物の一部が、その晶出物に隣接するアルミニウム母相から突出しており、これにより、粒子表面に微小な凹凸が付与されていることを特徴とする請求項1に記載の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末。
  3. 粉末粒子の外形の形状が、非球状であることを特徴とする請求項1、請求項2のいずれかの請求項に記載の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末。
  4. 前記金属間化合物晶出物が、Al−Fe系金属間化合物もしくはAl−Si−Fe系金属間化合物のいずれか一方もしくは双方であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末。
  5. 前記アルミニウム合金が、Al−Fe系合金もしくはAl−Si−Fe系合金であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの請求項に記載の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末。
  6. 請求項1〜5のいずれかの請求項に記載の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末を製造するにあたり、アルミニウム合金の溶湯を、酸化性雰囲気中において上向きノズルによって酸化性ガスとともに上方に噴出することにより、微小液滴として霧化させながら急冷凝固することを特徴とする押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末の製造方法。
  7. 前記酸化性雰囲気及び前記酸化性ガスが空気であることを特徴とする請求項6に記載の押出材用アルミニウム合金アトマイズ粉末の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかの請求項に記載された押出材用アルミニウム合金粉末を圧縮成形し、得られた圧粉体を、熱間で押出成形することを特徴とすることを特徴とする押出材の製造方法。
  9. 請求項8に記載の押出材の製造方法によって得られた押出材に、さらに熱間鍛造を施して鍛造品を得ることを特徴とする鍛造品の製造方法。
  10. 請求項9に記載の鍛造品の製造方法によって得られた鍛造品。
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