JP2017154478A - 分割切削型回転カッター - Google Patents

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Abstract

【課題】振動が抑制され、切削抵抗が低く抑えられる分割切削型回転カッターを提供する。【解決手段】円板状の台金2の外周に鋸歯状の刃台3を円周方向に所定ピッチで形成し、各刃台3の回転面側に側面視L字状に切り欠いた載置部4を形成し、該載置部4に超硬合金層5の正面側に多結晶ダイヤモンド層6を一体に有するチップ7を接合してなり、幅方向に位置をずらせた4個の分割刃を配列した組刃を複数組周方向に配列してなる分割切削型回転カッターであって、各組刃を構成する分割刃を回転方向又は反回転方向に向けて右端刃A、左中間刃C、左端刃D、右中間刃Bの順に配列する。右端刃Aにおける右側面部及び左端刃Dにおける左側面部に多結晶ダイヤモンド層6の欠け抑制手段を備えることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、防振性に優れた分割切削型回転カッターに関するものである。
脆い窯業系外装材を切断するブレークソーであって、ブレークソーの送り速度を高くすることができながら、ワークの切断終了時に該ワークに欠けや亀裂の発生がなく、さらに粉砕歯の磨耗・損傷を低減させて経済性を向上させた新規なブレークソーとして、特許文献1には、円板状の台金の外周部に多数の粉砕刃を円周方向及び軸方向に配列してなる粉砕カッターを設け、軸方向同位置となるグループ粉砕刃内の各粉砕刃の歯丈を台金の反回転方向に向けて順次高くし、前記粉砕カッターの一方の側部に外周部に多数の切断刃を一列状に有する切断カッターを同軸に設けたものが開示されている。
グループ粉砕刃内の各粉砕刃の歯丈を台金の反回転方向に向けて順次高くするというように、組刃とした場合は、各刃の並びを順次歯丈を高くする又は順次低くするのが、一般的である。
広幅の側面を切削する場合、広幅の平刃カッターでは切削抵抗が大きくなるので、切削幅を狭くし幅方向に位置をずらせた複数のチップを組合せた分割切削型回転カッターが用いられる。かかる分割切削型の回転カッターでも、一般に、図2、図4(b)の従来例1に示すように、組刃を構成する各刃の並びを、幅方向において右端側から左端側へ順次一定幅で位置をずらせて配列する。又は図3、図4(c)の従来例2に示すように、組刃を構成する各刃の並びを、幅方向において右端側から左端側へ、次いで右端側へ順次一定幅で位置をずらせて配列する。このように、幅方向に順次一定幅で位置をずらせて配列するのが通常である。
しかし、組刃を構成する各刃の並びが幅方向に規則的に位置をずらせた配列であると、振動が大きくなって、切削抵抗も大きくなり易くなる。このため、バリや毛羽が発生したりして切削面が不良となり易くなる。
特開2005−169596号公報
そこで、本発明の目的は、振動が抑制され、切削抵抗が低く抑えられる分割切削型回転カッターを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明による分割切削型回転カッターは、円板状の台金の外周に鋸歯状の刃台を円周方向に所定ピッチで形成し、各刃台の回転面側に側面視L字状に切り欠いた載置部を形成し、該載置部に超硬合金層の正面側に多結晶ダイヤモンド層を一体に有するチップを接合してなり、幅方向に位置をずらせた4個の分割刃を配列した組刃を複数組周方向に配列してなる分割切削型回転カッターであって、各組刃を構成する分割刃を回転方向又は反回転方向に向けて右端刃、左中間刃、左端刃、右中間刃の順に配列してなること、を特徴としている。
ここで、右端刃における右側面部及び左端刃における左側面部に多結晶ダイヤモンド層の欠け抑制手段を備えたものとすることができる。
欠け抑制手段が、右端刃における右側面部及び左端刃における左側面部にそれぞれ保護部材を接合したものとすることができる。
また、欠け抑制手段が、右端刃における右側面角部及び左端刃における左側面角部にそれぞれ面取りを施したものとすることができる。
本発明による分割切削型回転カッターによれば、幅方向に位置をずらせた4個の分割刃を配列した組刃を複数組周方向に配列してなる分割切削型回転カッターであって、各組刃を構成する分割刃を回転方向又は反回転方向に向けて右端刃、左中間刃、左端刃、右中間刃の順に配列してなるので、回転中の振動が抑制され、切削抵抗が抑制されることとなる。バリや毛羽の発生が抑制されて、良好な切削面が得られる。
右端刃における右側面部及び左端刃における左側面部に多結晶ダイヤモンド層の欠け抑制手段を備えたものとすれば、切削作業中に多結晶ダイヤモンド層の欠けの発生が抑制され、再研磨回数が減ることがなくなる。このため、ランニングコストの上昇を押さえることができる。
欠け抑制手段が、右端刃における右側面部及び左端刃における左側面部にそれぞれ保護部材を接合したものとすれば、切れ刃以外の多結晶ダイヤモンド層の側面部が確実に保護されるので、欠けの発生を有効に防止することができる。
また、欠け抑制手段が、右端刃における右側面角部及び左端刃における左側面角部にそれぞれ面取りを施したものとすれば、角部が鈍角となって欠けの発生を抑制できる。
第1実施例による分割切削型回転カッターの説明図で、(a)は1組の組刃を合成した正面図、(b)は組刃のそれぞれを示す正面図、(c)は側面図である。 従来例1による分割切削型回転カッターの説明図で、(a)は1組の組刃を合成した正面図、(b)は組刃のそれぞれを示す正面図、(c)は側面図である。 従来例2による分割切削型回転カッターの説明図で、(a)は1組の組刃を合成した正面図、(b)は組刃のそれぞれを示す正面図、(c)は側面図である。 組刃を構成する各刃の並びを1周(1回転)分表した説明図で、(a)は第1実施例による分割切削型回転カッター、(b)は従来例1による分割切削型回転カッター、(c)は従来例2による分割切削型回転カッターの場合を示す。 第1実施例の分割切削型回転カッターによる窯業系サイディングボードの切削試験の結果を示す図面代用写真で、上段は切削面を縦方向上方から見た写真、中段は切削面を横方向上面側から見た写真、下段は切削面を横方向下面側から見た写真である。 従来例1の分割切削型回転カッターによる窯業系サイディングボードの切削試験の結果を示す図面代用写真で、上段は切削面を縦方向上方から見た写真、中段は切削面を横方向上面側から見た写真、下段は切削面を横方向下面側から見た写真である。 従来例2の分割切削型回転カッターによる窯業系サイディングボードの切削試験の結果を示す図面代用写真で、上段は切削面を縦方向上方から見た写真、中段は切削面を横方向上面側から見た写真、下段は切削面を横方向下面側から見た写真である。 第1実施例の分割切削型回転カッターによるアルミニウム合金材の切削試験の結果を示す図面代用写真で、上段は切削面を縦方向上方から見た写真、下段は切削面を横方向下面側から見た写真である。 従来例1の分割切削型回転カッターによるアルミニウム合金材の切削試験の結果を示す図面代用写真で、上段は切削面を縦方向上方から見た写真、下段は切削面を横方向下面側から見た写真である。 従来例2の分割切削型回転カッターによるアルミニウム合金材の切削試験の結果を示す図面代用写真で、上段は切削面を縦方向上方から見た写真、下段は切削面を横方向下面側から見た写真である。 面粗さ測定部位を示す説明図で、(a)は窯業系サイディングボード、(b)はアルミニウム合金材の場合を示す。 第2実施例による分割切削型回転カッターの説明図で、(a)は1組の組刃を合成した正面図、(b)は組刃のそれぞれを示す正面図、(c)は左端刃を示す平面図、(d)は被削材の切削幅を示す説明図、(e)は側面図である。 第2実施例の分割切削型回転カッターにおける再研磨の様子を示す説明図である。 第3実施例による分割切削型回転カッターの説明図で、(a)は1組の組刃を合成した正面図、(b)は組刃のそれぞれを示す正面図、(c)は左端刃を示す平面図、(d)は被削材の切削幅を示す説明図、(e)は側面図である。 第3実施例の分割切削型回転カッターにおける再研磨の様子を示す説明図である。 第1実施例の分割切削型回転カッターにおける再研磨の様子を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。なお、図1〜図3、図12、図14において、多結晶ダイヤモンド層を斜線で描画してある。
本発明による分割切削型回転カッター1は、円板状の台金2の外周に鋸歯状の刃台3を円周方向に所定ピッチで形成し、各刃台3の回転面側に側面視L字状に切り欠いた載置部4を形成し、該載置部4に超硬合金層5の正面側に多結晶ダイヤモンド層6を一体に有するチップ7を接合してなり、幅方向に位置をずらせた複数(4個)の分割刃を配列した組刃を複数組周方向に配列してなる分割切削型回転カッターであって、各組刃を構成する分割刃を回転方向又は反回転方向に向けて右端刃A、左中間刃C、左端刃D、右中間刃Bの順に配列してなるものである。
各刃台3に接合されるチップ7は、超硬合金からなる基材5に多結晶ダイヤモンド層6を形成した超高圧焼結体の一体物からなるワンチップ構造をなし、この一体物からなるチップ7の多結晶ダイヤモンド層6がすくい面を構成する。
1組の組刃は、幅方向に位置をずらせて配置した複数(4個)の分割刃からなり、幅方向右端に配置する右端刃A、幅方向右寄りに配置する右中間刃B、幅方向左寄りに配置する左中間刃C、幅方向左端に配置する左端刃Dから構成される。右端刃Aと右中間刃B、右中間刃Bと左中間刃C、左中間刃Cと左端刃Dとは、それぞれ幅方向のずれ幅を略同じにしてある。
そして、本発明の分割切削型回転カッター1では、1組の組刃は、回転カッターの回転方向又は反回転方向に向けて、右端刃A、左中間刃C、左端刃D、右中間刃Bの順に配列されてなる。このような配列とすることにより、回転カッターの振動が抑制されることとなる。1組の組刃を構成する各分割刃は、一定のずれ幅で順次位置をずらせて配置されたものではない。
図1に示す第1実施例の分割切削型回転カッター1は、先端切れ刃8の幅をそれぞれ8mm幅とし、幅方向に位置をずらせた4個のチップ(右端刃A、左中間刃C、左端刃D、右中間刃B)を1組とし、一周に5組、計20刃としたものである。4個1組のチップ(分割刃)を合成すると、図1(a)に示すように、先端切れ刃8の幅は19mmで、実際の切削幅は16mmとなっている。なお、4個の各チップA〜Dにはリ−ド角(15°(右リード)又は−15°(左リード))を付与してある。すくい角は10°である。
この第1実施例においては、1組の組刃は、回転カッターの反回転方向に右端刃A、左中間刃C、左端刃D、右中間刃Bの順に配列されてなり、一定のずれ幅で順次位置をずらせて配置されたものではない(図4(a))。
一方、従来例1の分割切削型回転カッター20は、図2に示すように、先端切れ刃8の幅をそれぞれ8mm幅とし、幅方向に位置をずらせた4個のチップ(右端刃A、右中間刃B、左中間刃C、左端刃D)を1組とし、一周に5組、計20刃としたものである。4個1組のチップを合成すると、図2(a)に示すように、先端切れ刃の幅は19mmで、実際の切削幅は16mmとなっている。なお、4個の各チップA〜Dにはリ−ド角(15°(右リード)又は−15°(左リード))を付与してある。すくい角は10°である。1組の組刃を構成する分割刃の配列が相違するのみで、他の構成は第1実施例の分割切削型回転カッターと同じである。
この従来例1においては、1組の組刃は、回転カッターの反回転方向に右端刃A、右中間刃B、左中間刃C、左端刃Dの順に配列されてなり、幅方向において右端側から左端側へ順次略一定幅で位置をずらせて配列されている(図4(b))。
また、従来例2の分割切削型回転カッター21は、図3に示すように、先端切れ刃8の幅をそれぞれ8mm幅とし、幅方向に位置をずらせた6個のチップ(右端刃A、右中間刃B、左中間刃C、左端刃D、左中間刃C、右中間刃B)を1組とし、一周に2組、次いで、幅方向に位置をずらせた4個のチップ(右端刃A、右中間刃B、左中間刃C、左端刃D)を1組とし、1周に2組、計20刃としたものである。1回転当たり右端刃Aが4刃、右中間刃Bが6刃、左中間刃Cが6刃、左端刃Dが4刃設けてある。各チップを合成すると、図3(a)に示すように、先端切れ刃の幅は19mmで、実際の切削幅は16mmとなっている。なお各チップA〜Dにはリ−ド角(15°(右リード)又は−15°(左リード))を付与してある。すくい角は10°である。組刃を構成する分割刃の配列が相違するのみで、他の構成は第1実施例の分割切削型回転カッターと同じである。
この従来例2においては、回転カッターの反回転方向に右端刃A、右中間刃B、左中間刃C、左端刃D、左中間刃C、右中間刃Bの順に2組配列され、次いで、右端刃A、右中間刃B、左中間刃C、左端刃Dの順に2組配列され、計20刃となっている。(図4(c))。幅方向において右端側から左端側へ、次いで右端側へ順次略一定幅で位置をずらせて配列する。このように、幅方向に順次略一定幅で位置をずらせて配列されている。
なお、図4において、一点鎖線は、幅方向の中央を示す。
切削加工試験1
立フライス盤を用い、回転速度N:115rpm、送り速度F:1000mm/分、切込み量d:10mm、1刃当たりの送りf:1.74mm/刃の条件で、被削材10として厚さ16mmの窯業系サイディングボードの側面を切削加工した。図1に示した第1実施例の分割切削型回転カッター1、図2に示した従来例1の分割切削型回転カッター20、図3に示した従来例2の分割切削型回転カッター21について、それぞれ上記の条件で切削加工試験を行った。
その結果、図5に示すように、第1実施例による分割切削型回転カッター1では、毛羽の発生が見られず、良好な切削面であった。これに対し、図6、図7に示すように、従来例1、従来例2の分割切削型回転カッターでは、いずれも毛羽の発生が認められ良好な切削面とはいえなかった。
また、切削時の切削音を比較したところ、第1実施例による分割切削型回転カッター1では92dB、従来例1では98dB、従来例2では99dBであり、第1実施例では従来例1及び2に比べ、切削音が大幅に低く、切削抵抗が小さかったことが分かる。本発明による刃の並びのため振動が低く抑えられ、サイディングボード内に含有する繊維質の切断も容易となり、切削抵抗も小さくなったものといえる。
また、切削面の面粗さを測定した結果を表1に示す。面粗さの測定部位は、図11(a)に示すように、矢印で示す切削方向に対して入口部、中央部、出口部の3箇所とした。測定方向は、横挽きと縦挽きについて行った。数値が小さい程、面粗さが良好(小さい)であることを示す。
Figure 2017154478
表1から分かるように、縦挽きでは第1実施例と従来例1及び2とでそれほど大きな差はないが、横挽きでは、第1実施例が他の従来例1及び2に比べて、入口では若干数値が大きいが数値自体はそれ程大きくなく、特に中央及び出口で大幅に数値が小さく、面粗さが良好であることが分かる。
以上のように、本発明による分割切削型回転カッターは、窯業系サイディングボードの切削加工に好適であることが分かる。
窯業系サイディングボードの量産加工においては、通常、回転速度が2200rpm、送り速度が30〜40m/分程度で切削加工するが、本発明による分割切削型回転カッターは、振動が抑制されるので、より高送りでも十分に対応できるものと期待できる。
切削加工試験2
立フライス盤を用い、回転速度N:2650rpm、送り速度F:1000mm/分、切込み量d:0.5mm、1刃当たりの送りf:0.075mm/刃の条件で、被削材10として厚さ16mmのアルミニウム合金 A5052材の側面を切削加工した。図1に示した第1実施例の分割切削型回転カッター1、図2に示した従来例1の分割切削型回転カッター20、図3に示した従来例2の分割切削型回転カッター21について、それぞれ上記の条件で切削加工試験を行った。
その結果、第1実施例による分割切削型回転カッター1では、図8に示すように、ほとんどむしれの発生は見られず、良好な切削面であった。これに対し、従来例1の分割切削型回転カッターでは、図9に示すように、切削面にむしれの発生がみられ、良好な切削面とはいえなかった。また、従来例2の分割切削型回転カッターでは、図10に示すように、僅かであるが切削面にむしれの発生が認められた。
また、切削時の切削音を比較したところ、第1実施例では93.9dB、従来例1では96.3dB、従来例2では93.6dBであった。第1実施例による分割切削型回転カッター1では、従来例2と略同レベルであるが、従来例1に比べ切削音が低く、切削抵抗が小さかったことが分かる。本発明による刃の並びのため振動が低く抑えられ、切削抵抗も小さくなったものといえる。
また、切削面の面粗さを測定した結果を表2に示す。面粗さの測定部位は、図11(b)に示すように、矢印で示す切削方向に対して入口部、中央部、出口部の3箇所とした。測定方向は、横挽きと縦挽きについて行った。数値が小さい程、面粗さが良好であることを示す。
Figure 2017154478
表2から分かるように、第1実施例は、横挽きでは従来例2と大きな差異はないが、従来例1に比べて大幅に数値が低く、面粗さが良好であることが分かる。縦挽きでは第1実施例が他の従来例1及び2に比べて数値が低く、面粗さが良好であることが分かる。
以上のように、本発明による分割切削型回転カッターは、アルミニウム合金など非鉄金属の切削加工にも好適であることが分かる。
次に、本発明の第2実施例による分割切削型回転カッター11は、多結晶ダイヤモンド層6の欠け抑制手段として、チップ7の切れ刃8以外の両側面部に保護部材9,9を接合したものである。
具体的には、本発明の第2実施例による分割切削型回転カッター11は、図12に示すように、幅方向に位置をずらせた4個のチップ(右端刃A,左中間刃C,左端刃D,右中間刃B)を1組とする組刃において、幅方向の両端側となるチップ(右端刃A及び左端刃D)の幅方向の両側面部(左端刃Dの左側面部及び右端刃Aの右側面部)に多結晶ダイヤモンド層6の欠け抑制手段としてそれぞれ保護部材9,9を接合したものである。4個1組のチップ(分割刃)を合成すると、図12(a)に示すように、保護部材9,9を含めた幅は23mm、先端切れ刃8の幅は19mmで、実際の切削幅は16mmとなっている(同図(d))。図12では、4個1組とし、回転方向に向かって右端刃A→左中間刃C→左端刃D→右中間刃Bの順に配列したもので、1周に4組、計16刃としたものである。なお、4個の各チップA〜Dにはリード角(35°(右リード)又は−35°(左リード))を付与してある。すくい角は10°である。
保護部材9としては、鑞付け可能な部材であれば特に限定されるわけではないが、焼入鋼、超硬合金又はサーメットがコスト的にも有利である。
これにより、切れ刃8以外の多結晶ダイヤモンド層6の両側面部が保護部材9,9により保護されることになる。このため、切削作業の際に、多結晶ダイヤモンド層6の側面角部を基点とするフレーク状の欠けの発生は皆無となる。
なお、保護部材9は、切削作業に際し、作用刃8に寄与しない部分に在るので、切削作業に何らの支障を及ぼすことはない。
第1実施例の分割切削型回転カッター1の場合、多結晶ダイヤモンド層6の欠け抑制手段を備えていないため、図16に示すようなフレーク状の欠け12を生ずることがあり、例えば一点鎖線で示すように、外周側から6回再研磨して再利用できるが、それ以上は、フレーク状の欠け12があるため、再研磨して使用することができない。これに対し、第2実施例による分割切削型回転カッター11においは、欠けは発生しないので、図13に示すように、9回再研磨して再利用することができる。
次に、本発明の第3実施例による分割切削型回転カッター13は、多結晶ダイヤモンド層6の欠け抑制手段として、チップ7の切れ刃8以外の多結晶ダイヤモンド層6の両側面部に面取り14を施したものである。
具体的には、本発明の第3実施例による分割切削型回転カッター13は、図14に示すように、幅方向に位置をずらせた4個のチップ(右端刃A,左中間刃C,左端刃D,右中間刃B)を1組とする組刃において、幅方向の両端側となるチップ(右端刃A及び左端刃D)の幅方向の両側面(左端刃Dの左側面及び右端刃Aの右側面)角部に多結晶ダイヤモンド層6の欠け抑制手段として面取り14,14を施したものである。4個1組のチップ(分割刃)を合成すると、図14(a)に示すように、チップ全体の幅は20mm、先端切れ刃8の幅は19mmで、実際の切削幅は16mmとなっている(同図(d))。図14では、4個1組とし、回転方向に向かって右端刃A→左中間刃C→左端刃D→右中間刃Bの順に配列したもので、1周に4組、計16刃としたものである。なお、4個の各チップA〜Dにはリード角(35°(右リード)又は−35°(左リード))を付与してある。すくい角は10°である。
面取り14の幅は0.05〜0.5mm、面取り角度は15°〜45°とするとよい。かかる面取り14を施せば、多結晶ダイヤモンド層6の両側角部が鈍角となり剛性が高まるので、硬い切り粉が側面角部に衝突しても欠けの発生を抑制できる。
なお、面取り部14は、切削作業に際し、作用刃8に寄与しない部分に在るので、切削作業に何らの支障を及ぼすことはない。
第1実施例の分割切削型回転カッター1の場合、図16に示すようなフレーク状の欠け12があると、上記と同様、外周側から6回再研磨して再利用できるが、それ以上はできない。これに対し、第3実施例による分割切削型回転カッター13では、欠けの発生が抑制されるので、図15に示すように、9回再研磨して再利用することができる。
なお、上記の第1実施例、第2実施例、第3実施例の分割切削型回転カッターの説明において示した先端切れ刃の幅、リ−ド角、すくい角等の数値は一例であって、被削材の種類、切削条件等により適宜変更可能であることは勿論である。
1 分割切削型回転カッター
2 台金
3 刃台
4 載置部
5 超硬合金層
6 多結晶ダイヤモンド層
7 チップ
8 切れ刃
9 保護部材
10 被削材
11 分割切削型回転カッター
12 欠け
13 分割切削型回転カッター
14 面取り
A 右端刃
B 右中間刃
C 左中間刃
D 左端刃

Claims (4)

  1. 円板状の台金の外周に鋸歯状の刃台を円周方向に所定ピッチで形成し、各刃台の回転面側に側面視L字状に切り欠いた載置部を形成し、該載置部に超硬合金層の正面側に多結晶ダイヤモンド層を一体に有するチップを接合してなり、幅方向に位置をずらせた4個の分割刃を配列した組刃を複数組周方向に配列してなる分割切削型回転カッターであって、各組刃を構成する分割刃を回転方向又は反回転方向に向けて右端刃、左中間刃、左端刃、右中間刃の順に配列してなることを特徴とする分割切削型回転カッター。
  2. 右端刃における右側面部及び左端刃における左側面部に多結晶ダイヤモンド層の欠け抑制手段を備えたものである請求項1に記載の分割切削型回転カッター。
  3. 欠け抑制手段が、右端刃における右側面部及び左端刃における左側面部にそれぞれ保護部材を接合したものである請求項2に記載の分割切削型回転カッター。
  4. 欠け抑制手段が、右端刃における右側面角部及び左端刃における左側面角部にそれぞれ面取りを施したものである請求項2に記載の分割切削型回転カッター。
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