JP2017154120A - 二酸化炭素分離システム及び燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で二酸化炭素透過性を向上させた二酸化炭素分離システムを提供する。【解決手段】二酸化炭素及び水蒸気を含むガスを流通するガス流通経路と、ガス供給側に供給された前記ガス中の二酸化炭素をガス透過側に透過させて二酸化炭素を分離し、前記ガスの相対湿度を高めることで二酸化炭素透過性が向上する二酸化炭素分離膜であって、前記ガス流通経路に複数配置された二酸化炭素分離膜と、を備え、隣り合う前記二酸化炭素分離膜の内、より下流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給された前記ガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給された前記ガスの温度よりも低くなるように調節する二酸化炭素分離システム。【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化炭素分離システム及び燃料電池システムに関する。
二酸化炭素を含む混合ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離膜、並びに二酸化炭素分離膜を備える二酸化炭素分離システムが知られている。
例えば、二酸化炭素を含有する混合ガスからの二酸化炭素の分離に使用できる高分子膜が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、二酸化炭素と水蒸気が含まれる原料ガスから二酸化炭素を透過させて分離する、ポリビニルアルコール‐ポリアクリル酸共重合体ゲル膜に2,3‐ジアミノプロピオン酸を添加して形成されたCO促進輸送膜と、原料ガスの水蒸気分圧を調整する圧力調整手段と、を備える二酸化炭素分離装置が開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
また、温度湿度調節装置で温度及び相対湿度が調節されたガス体を、アミン化合物を有する分離膜の一方の面に供給するガス供給部、並びに分離膜を透過した透過ガス体から水蒸気を分離して分離膜の他方の面側に供給する加湿部を備える二酸化炭素ガス分離システムが開示されている(例えば、特許文献3を参照)。
また、原料ガスに含まれる二酸化炭素を選択的に透過面側へ透過させる透過膜と、透過膜の透過面側の水分を維持する水分維持手段(加圧等の蒸発抑制手段、加湿等の水分供給手段)とを備える二酸化炭素分離装置が開示されている(例えば、特許文献4を参照)。
特許第5329207号公報 特許第4965928号公報 特許第5743639号公報 特許第5738704号公報
特許文献2では、原料ガスの水蒸気飽和度が高い、すなわち、原料ガスの相対湿度が高いほどCO促進輸送膜は、COパーミアンスが高い傾向を示すことが示されており、原料ガスの相対湿度を調整するために、圧力調整手段を二酸化炭素分離装置に設けている。しかしながら、このような圧力調整手段を備える二酸化炭素分離装置を各種システムに組み込んだ場合、システムを著しく複雑化させてしまうという問題がある。
特許文献3、4に記載の二酸化炭素ガス分離システム及び二酸化炭素分離装置は、透過側の水蒸気分圧を上昇させる構成を有するが、透過側の水蒸気分圧を上昇させるために、装置及びシステムが複雑化するという問題がある。
さらに、特許文献2〜4では、供給ガスの水蒸気濃度は、分離膜(CO促進輸送膜、透過膜)の下流になるほど低下するため、分離膜の下流にて二酸化炭素透過性が低下するという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で二酸化炭素透過性を向上させた二酸化炭素分離システム、及び高い発電効率を有する燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題は、例えば以下の手段により解決される。
<1> 二酸化炭素及び水蒸気を含むガスを流通するガス流通経路と、ガス供給側に供給された前記ガス中の二酸化炭素をガス透過側に透過させて二酸化炭素を分離し、前記ガスの相対湿度を高めることで二酸化炭素透過性が向上する二酸化炭素分離膜であって、前記ガス流通経路に複数配置された二酸化炭素分離膜と、を備え、隣り合う前記二酸化炭素分離膜の内、より下流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給されたガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給されたガスの温度よりも低くなるように調節する二酸化炭素分離システム。
ガスの相対湿度を高めることで二酸化炭素透過性が向上する二酸化炭素分離膜が設けられた二酸化炭素分離システムでは、二酸化炭素及び水蒸気を含むガスを二酸化炭素分離膜のガス供給側に供給することで、ガス中の二酸化炭素をガス透過側に透過させることができる。しかし、二酸化炭素とともに水蒸気がガス透過側に透過してしまうことにより、ガスの水蒸気濃度(ガスの相対湿度)が二酸化炭素分離膜の下流になるほど低下してしまう。そのため、二酸化炭素分離膜の下流側では二酸化炭素の透過性が低下してしまうという問題がある。
一方、本形態に係る二酸化炭素分離システムは、二酸化炭素分離膜を複数備え、かつ、隣り合う二酸化炭素分離膜の内、より下流に配置された二酸化炭素分離膜のガス供給側に供給されたガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜のガス供給側に供給されたガスの温度よりも低くなるように調節している。そのため、より下流に配置された二酸化炭素分離膜のガス供給側に供給されたガスの相対湿度が、温度調節をしない場合と比較して高くなっている。これにより、より下流に配置された二酸化炭素分離膜では、二酸化炭素の透過性が向上しており、システム全体における二酸化炭素の透過性を向上させることができる。
したがって、本形態に係る二酸化炭素分離システムでは、システムを複雑化させることなく、簡易な構成で二酸化炭素透過性を向上させることができる。
<2> 隣り合う前記二酸化炭素分離膜の間の前記ガス流通経路、及び隣り合う前記二酸化炭素分離膜の内、より下流に配置された前記二酸化炭素分離膜、の少なくとも一方を冷却する冷却手段をさらに備える<1>に記載の二酸化炭素分離システム。
本形態に係る二酸化炭素分離システムは、前述の冷却手段を備えることにより、より下流に配置された二酸化炭素分離膜のガス供給側に供給されたガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜のガス供給側に供給されたガスの温度よりも低くなるように調節される。そのため、ガス中の水蒸気を調節する圧力調整手段や加湿等の水分供給手段を設けることなく、より下流に配置された二酸化炭素分離膜のガス供給側に供給されたガスの相対湿度を高めることができる。したがって、本形態に係る二酸化炭素分離システムでは、簡易な構成で二酸化炭素分離膜の二酸化炭素透過性を向上させることができる。
<3> 前記ガス透過側にスイープガスを供給するスイープガス供給経路をさらに備える<1>又は<2>に記載の二酸化炭素分離システム。
本形態に係る二酸化炭素分離システムでは、ガス透過側にスイープガスが供給されるため、二酸化炭素分離膜による二酸化炭素透過性がさらに向上する。
<4> 前記ガス流通経路を流通する前記ガスと、前記スイープガス供給経路を流通する前記スイープガスとが並行流である<3>に記載の二酸化炭素分離システム。
ガス流通経路を流通するガスと、スイープガス供給経路を流通するスイープガスとが並行流である場合、対向流の場合と比較してガス透過側への水蒸気の透過を抑制できる。よって、ガス供給側における相対湿度の低下を抑制できる。
<5> 前記スイープガス供給経路が複数設けられ、前記二酸化炭素分離膜毎に1つの前記スイープガス供給経路が前記ガス透過側に配置されている<3>又は<4>に記載の二酸化炭素分離システム。
1つのスイープガス供給経路から複数の二酸化炭素分離膜のガス透過側に順番にスイープガスを供給する場合、スイープガス中の水蒸気濃度が上昇し、水凝縮が生じやすくなる。そこで、二酸化炭素分離膜毎に1つのスイープガス供給経路からガス透過側にスイープガスを供給することで水凝縮の発生を抑制し、水凝縮による二酸化炭素分離膜の劣化を抑制できる。
<6> 前記スイープガス供給経路は、複数の前記二酸化炭素分離膜の前記ガス透過側に配置されており、より上流に配置された前記二酸化炭素分離膜の前記ガス透過側からより下流に配置された前記二酸化炭素分離膜の前記ガス透過側に前記スイープガスを供給する<3>又は<4>に記載の二酸化炭素分離システム。
本形態に係る二酸化炭素分離システムは、より上流に配置された二酸化炭素分離膜のガス透過側からより下流に配置された二酸化炭素分離膜のガス透過側にスイープガスを供給する。そのため、より上流のガス透過側から透過した水蒸気を含むスイープガスが、より下流のガス透過側に供給される。したがって、より下流に配置された二酸化炭素分離膜のガス透過側に水蒸気濃度が高いスイープガスが供給されるため、ガス供給側からの水蒸気の透過が抑制されてガス供給側の相対湿度の低下を抑制できるとともに、スイープガスによる二酸化炭素分離膜の加湿によりガス供給側からの二酸化炭素の透過を促進することができる。
<7> 前記ガス流通経路における前記ガスの流通方向を切り替える切り替え手段をさらに備え、前記切り替え手段を切り替えることにより、複数の前記二酸化炭素分離膜への前記ガスの供給順序を調節する<1>〜<6>のいずれか1つに記載の二酸化炭素分離システム。
二酸化炭素分離システムにおいて、最も上流に配置された二酸化炭素分離膜は、高温にさらされることで劣化が早く進むおそれがある。本形態に係る二酸化炭素分離システムでは、ガス流通経路におけるガスの流通方向を切り替えて複数の二酸化炭素分離膜へのガスの供給順序を調節することができるため、二酸化炭素分離膜の上流及び下流を入れ替えることができ、二酸化炭素分離膜の劣化を抑制できる。
<8> 原料ガスを改質して生成された改質ガスを用いて発電を行なう第1燃料電池と、前記第1燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガスを流通するオフガス流通経路と、ガス供給側に供給された前記オフガス中の二酸化炭素をガス透過側に透過させて二酸化炭素を分離し、前記ガスの相対湿度を高めることで二酸化炭素透過性が向上する二酸化炭素分離膜であって、前記オフガス流通経路に複数配置された二酸化炭素分離膜と、前記オフガスの流通方向における前記二酸化炭素分離膜の下流に配置され、二酸化炭素が分離された前記オフガスを用いて発電を行なう第2燃料電池と、を備え、隣り合う前記二酸化炭素分離膜の内、より下流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給されたガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給されたガスの温度よりも低くなるように調節する燃料電池システム。
<9> 原料ガスを改質して生成された改質ガスを用いて発電を行なう燃料電池と、前記燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガスを流通するオフガス流通経路と、ガス供給側に供給された前記オフガス中の二酸化炭素をガス透過側に透過させて二酸化炭素を分離し、前記オフガスの相対湿度を高めることで二酸化炭素透過性が向上する二酸化炭素分離膜であって、前記オフガス流通経路に複数配置された二酸化炭素分離膜と、最も下流に配置された前記二酸化炭素分離膜のガス供給側の下流に設けられ、二酸化炭素が分離された前記オフガスを前記燃料電池に供給するオフガス循環経路と、を備え、隣り合う前記二酸化炭素分離膜の内、より下流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給されたガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給されたガスの温度よりも低くなるように調節する燃料電池システム。
<10> 前記原料ガスを改質して前記改質ガスを生成する改質器をさらに備える<8>又は<9>に記載の燃料電池。
<11> 隣り合う前記二酸化炭素分離膜の間の前記オフガス流通経路、及び隣り合う前記二酸化炭素分離膜の内、より下流に配置された前記二酸化炭素分離膜、の少なくとも一方を冷却する冷却手段をさらに備える<8>〜<10>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
<12> 前記ガス透過側にスイープガスを供給するスイープガス供給経路をさらに備える<8>〜<11>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。

<13> 前記オフガス流通経路を流通する前記オフガスと、前記原料ガス供給経路を流通する前記原料ガスとが並行流である<12>に記載の燃料電池システム。
<14> 前記原料ガス供給経路が複数設けられ、前記二酸化炭素分離膜毎に1つの前記原料ガス供給経路が前記ガス透過側に配置されている<12>又は<13>に記載の燃料電池システム。
<15> 前記原料ガス供給経路は、複数の前記二酸化炭素分離膜の前記ガス透過側に配置されており、より上流に配置された前記二酸化炭素分離膜の前記ガス透過側からより下流に配置された前記二酸化炭素分離膜の前記ガス透過側に前記原料ガスを供給する<12>又は<13>に記載の燃料電池システム。
<16> 前記オフガス流通経路における前記オフガスの流通方向を切り替える切り替え手段をさらに備え、前記切り替え手段を切り替えることにより、複数の前記二酸化炭素分離膜への前記ガスの供給順序を調節する<8>〜<15>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
これらの形態に係る燃料電池システムは、前述の二酸化炭素分離システムと同様に、簡易な構成で二酸化炭素分離膜の二酸化炭素透過性を向上させることができる。さらに、多段式の燃料電池システムにおける第2燃料電池及び循環式の燃料電池システムにおける燃料電池では、二酸化炭素が分離されたオフガスを用いて発電が行なわれる。そのため、第2燃料電池及び燃料電池では、電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧が向上するとともに、オフガス中の二酸化炭素に起因する濃度過電圧が低減され、特に高電流密度時に高い性能を発揮することができる。よって、多段式の燃料電池システム及び循環式の燃料電池システムは、ともに高い発電効率を発揮する。
本発明によれば、簡易な構成で二酸化炭素透過性を向上させた二酸化炭素分離システム、及び高い発電効率を有する燃料電池システムを提供することができる。
第1実施形態に係る二酸化炭素分離システムを示す概略構成図である。 第2実施形態に係る二酸化炭素分離システムを示す概略構成図である。 第3実施形態に係る二酸化炭素分離システムを示す概略構成図である。 第3実施形態に係る二酸化炭素分離システムを示し、ガス流通経路におけるガスの流通方向を切り替えたことを示す概略構成図である。 第4実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 第5実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 第6実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 第7実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 第8実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 第9実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
〔二酸化炭素分離システム〕
以下、本発明の二酸化炭素分離システムの一実施形態について図1を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る二酸化炭素分離システムを示す概略構成図である。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る二酸化炭素分離システム10は、二酸化炭素及び水蒸気を含むガスを流通するガス流通経路4と、ガス供給側1A、2Aに供給されたガス中の二酸化炭素をガス透過側1B、2Bに透過させて二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離膜1C、2Cを備え、ガス流通経路4に配置された二酸化炭素分離膜モジュール1、2と、ガス透過側1B、2Bにスイープガスを供給するスイープガス供給経路6、7と、を備える。さらに、二酸化炭素分離システム10は、より下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aに供給されたガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール1のガス供給側1Aに供給されたガスの温度よりも低くなるように調節する手段として冷却手段3を備えている。
ガスの相対湿度を高めることで二酸化炭素透過性が向上する二酸化炭素分離膜が設けられた二酸化炭素分離システムでは、二酸化炭素及び水蒸気を含むガスを二酸化炭素分離膜モジュールのガス供給側に供給することで、ガス中の二酸化炭素をガス透過側に透過させることができる。しかし、二酸化炭素とともに水蒸気がガス透過側に透過してしまうことにより、ガスの水蒸気濃度(ガスの相対湿度)が二酸化炭素分離膜の下流になるほど低下してしまう。そのため、二酸化炭素分離膜の下流側では二酸化炭素の透過性が低下してしまうという問題がある。
一方、本実施形態に係る二酸化炭素分離システム10は、二酸化炭素分離膜1C、2Cを備える二酸化炭素分離膜モジュール1、2を備え、かつ、より下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aに供給されたガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール1のガス供給側1Aに供給されたガスの温度よりも低くなるように冷却手段3により調節している。そのため、より下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aに供給されたガスの相対湿度が、温度調節をしない場合と比較して高くなっている。これにより、二酸化炭素分離膜モジュール2では、二酸化炭素の透過性が向上しており、システム全体における二酸化炭素の透過性を向上させることができる。
したがって、本実施形態に係る二酸化炭素分離システム10では、システムを複雑化させることなく、簡易な構成で二酸化炭素透過性を向上させることができる。
本実施形態に係る二酸化炭素分離システム10は、二酸化炭素及び水蒸気を含むガスから二酸化炭素を分離するために用いられ、例えば、水素製造プラントにて発生する改質ガス、天然ガスプラントでの採掘ガス;IGCC(石炭ガス化複合発電)の燃焼前ガス;火力発電システム、燃料電池システムなどにて発生する燃焼排ガス;燃料電池システムから発生するオフガス等から二酸化炭素を分離するために用いられる。
(ガス流通経路)
本実施形態に係る二酸化炭素分離システム10は、二酸化炭素及び水蒸気を含むガスを流通するガス流通経路4を備えている。また、ガス流通経路4には、2つの二酸化炭素分離膜モジュール1、2が配置されており、より詳細には、二酸化炭素分離膜モジュール1のガス供給側1A及び二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aに、ガスが供給されるように2つの二酸化炭素分離膜モジュール1、2が配置されている。
ガス流通経路4に供給されるガスとしては、二酸化炭素及び水蒸気を含むガスであれば特に限定されず、例えば、前述の改質ガス、採掘ガス、燃焼前ガス、燃焼排ガス、オフガスなどであってもよい。
ガス流通経路4を流通するガスは、二酸化炭素分離膜モジュール1のガス供給側1Aに供給される。
(二酸化炭素分離膜モジュール)
本実施形態に係る二酸化炭素分離システム10は、ガス供給側1A、2Aに供給されたガス中の二酸化炭素をガス透過側1B、2Bに透過させて二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離膜1C、2Cを備える二酸化炭素分離膜モジュール1、2を備える。二酸化炭素分離システム10では、より上流側に二酸化炭素分離膜モジュール1が配置され、より下流側に二酸化炭素分離膜モジュール2が配置されている。
二酸化炭素分離膜モジュール1、2は、ガス供給側1A、2Aに供給されたガス中の二酸化炭素をガス透過側1B、2Bに透過させて二酸化炭素を分離し(矢印A)、かつガスの相対湿度を高めることで二酸化炭素透過性が向上する二酸化炭素分離膜1C、2Cを備えている。そのため、二酸化炭素分離膜モジュール1、2のガス供給側1A、2Aに供給されたガス中の二酸化炭素は、二酸化炭素分離膜1C、2Cを透過してガス透過側1B、2Bに供給される。
二酸化炭素分離膜モジュール1にて二酸化炭素をガス透過側1Bへ透過させる際、二酸化炭素とともにガス中の水蒸気がガス透過側1Bに透過することにより、ガスの水蒸気濃度(ガスの相対湿度)が二酸化炭素分離膜1Cの下流(すなわち、ガス供給側1Aの下流)になるほど低下する。そのため、二酸化炭素分離膜1Cの下流側では二酸化炭素の透過性が低下し、また、水蒸気濃度が低下したガスをより下流の二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aにそのまま供給した場合、十分な二酸化炭素透過性を確保することができないおそれがある。
しかしながら、本実施形態に係る二酸化炭素分離システム10では、後述する冷却手段3が配置されていることにより、より下流の二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aに供給されたガスの相対湿度が上昇しており、二酸化炭素分離膜モジュール2にて十分な二酸化炭素透過性を確保できる。
本発明で用いる二酸化炭素分離膜としては、ガスの相対湿度を高めることで二酸化炭素透過性が向上する分離膜であれば特に限定されず、従来公知の分離膜を用いてもよいが、例えば、以下に示すような二酸化炭素分離膜を用いてもよい。
二酸化炭素分離膜としては、例えば、有機高分子膜、無機材料膜、有機高分子−無機材料複合膜、液体膜などが挙げられる。また、二酸化炭素分離膜は、ゴム状高分子膜、イオン交換樹脂膜、アミン水溶液膜又はイオン液体膜であることがより好ましい。
有機高分子膜の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリスチレン、酢酸セルロース、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリピロール、ポリフェニレンオキシド、ポリアニリン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、等の各種有機材料が挙げられる。また、有機高分子膜は、1種の有機材料から構成される膜であってもよく、2種以上の有機材料から構成される膜であってもよい。
また二酸化炭素分離膜としては、より好ましくは、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩共重合体、ポリエチレングリコールなどの吸水性を有する有機高分子と、二酸化炭素と親和性を有し、かつ水溶性を示す二酸化炭素キャリアとを含む有機高分子膜であってもよい。
二酸化炭素キャリアとしては、無機材料及び有機材料が用いられ、例えば、無機材料としては、アルカリ金属塩(好ましくはアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩)、アンモニア、アンモニウム塩などが挙げられ、有機材料としては、例えば、アミン、アミン塩、ポリアミン、アミノ酸などが挙げられる。なお、二酸化炭素キャリアは、無機材料膜、有機高分子−無機材料複合膜、液体膜等に含まれていてもよい。
二酸化炭素分離膜の厚さは、特に限定されないが、機械的強度の観点からは、通常、10μm〜3000μmの範囲が好ましく、より好ましくは10μm〜500μmの範囲であり、さらに好ましくは15μm〜150μmの範囲である。
なお、二酸化炭素分離膜は、多孔質性の支持体に支持されていてもよい。支持体の材質としては、紙、セルロース、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、金属、ガラス、セラミックなどが挙げられる。なお、支持体を設けた場合、二酸化炭素分離膜の厚さは、二酸化炭素透過性を好適に確保する点から、100nm〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは100nm〜50μmの範囲である。
また、二酸化炭素分離膜として、例えば、特許第5329207号に記載の高分子膜、特許第4965928号に記載のCO促進輸送膜、特許第5743639号に記載の分離膜、特許第5738704号に記載の透過膜などを用いてもよい。
(冷却手段)
本実施形態に係る燃料電池システム100は、より下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aに供給されたガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール1のガス供給側1Aに供給されたガスの温度よりも低くなるように調節する冷却手段3を備えている。冷却手段3は、二酸化炭素分離膜モジュール1、2間(ガス供給側1A、2A間)に配置されている。
前述のように、ガス供給側1Aの下流になるほどガスの水蒸気濃度が低下するため、より下流のガス供給側2Aに供給されたガスの温度が、より上流のガス供給側1Aに供給されたガスの温度と同一である場合、ガス供給側1Aに供給されたガスの相対湿度よりもガス供給側2Aに供給されたガスの相対湿度が低くなり、より下流の二酸化炭素分離膜モジュール2にて十分な二酸化炭素透過性を確保することができないおそれがある。
しかし、冷却手段3を二酸化炭素分離膜モジュール1、2間(ガス供給側1A、2A間)に配置することで、ガス供給側2Aに供給されたガスの温度をガス供給側1Aに供給されたガスの温度よりも低くなるように調節しているため、ガス供給側2Aに供給されたガスの相対湿度は、ガス供給側1Aに供給されたガスの温度とガス供給側2Aに供給されたガスの温度とが同一の場合と比べて高くなっている。
したがって、二酸化炭素分離膜モジュール2にて十分な二酸化炭素透過性を確保でき、1つの二酸化炭素分離膜モジュールを設けたシステムと比較して、本実施形態に係る二酸化炭素分離システムは、高い二酸化炭素透過性を確保することができる。
冷却手段3は、二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aにてガス中の水蒸気が凝縮しない程度まで、ガス供給側2Aに供給されたガスの温度をガス供給側1Aに供給されたガスの温度よりも低く調節することが好ましく、さらに、ガス供給側2Aに供給されたガスの相対湿度が、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上となるように、ガス供給側2Aに供給されたガスの温度を調節する。
冷却手段3の具体的構成としては、特に限定されないが、例えば、スパイラル管、金属配管、ラジエータ、脱炭酸塔のように大気との接触面積を増やす構造、換気ファンに近接させた構造、筐体と接触させた構造、液水との熱交換(例えば、コージョネレーションシステムにおける貯湯循環水との熱交換)などであってもよい。
冷却手段3としては、隣り合う二酸化炭素分離膜モジュール1、2の間のガス流通経路4に配置されている構成に限定されず、より下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aに配置されていてもよい。
本実施形態では、ガス供給側2Aに供給されたガスの温度をガス供給側1Aに供給されたガスの温度よりも低くなるように調節する手段として冷却手段3を設けているが、本発明はこれに限定されない。例えば、冷却手段3を設ける代わり、あるいは、冷却手段3とともに、ガス供給側1A、2Aに供給されたガスの温度を調節する温度調節手段を設けてもよい。例えば、二酸化炭素分離膜モジュール1、2に温度調節手段として、少なくともガス供給側1A、2Aを加熱する加熱手段をそれぞれ配置し、ガス供給側2Aに供給されたガスの温度(例えば、90℃)がガス供給側1Aに供給されたガスの温度(例えば、100℃)よりも低くなるようにそれぞれの加熱手段を調節してもよい。
また、加熱手段によりガス供給側1Aに供給されたガスの温度を調節する場合、ガス供給側1Aにてガス中の水蒸気が凝縮しない温度以上に調節することが好ましく、さらに、ガス供給側1Aに供給されたガスの相対湿度が、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上となるように、ガス供給側1Aに供給されたガスの温度を調節する。
また、二酸化炭素分離膜の温度及び供給ガスの圧力が下がると、二酸化炭素透過性が低下する傾向があることが、Journal of Membrane Science 323 (2008) 225-234(例えば、図12)に示されている。そのため、二酸化炭素分離膜モジュール1、2にて十分な二酸化炭素透過性を確保する点から、ガス供給側1A、2Aに供給されたガスの温度と、ガス供給側1A、2Aに供給されたガスの相対湿度や圧力と、のバランスをとることが好ましい。
したがって、ガス供給側1A及びガス供給側2Aに供給されたガスの温度としては、二酸化炭素分離膜1C、2Cの種類、ガス供給側1A、2Aに供給されたガスの相対湿度、ガス圧力などに応じて十分な二酸化炭素透過性を確保できる範囲であることが好ましい。一例として、ガス供給側1Aに供給されたガスの温度は、90℃〜120℃が好ましく、100℃〜120℃がより好ましい。また、ガス供給側2Aに供給されたガスの温度は、70℃〜100℃が好ましく、80℃〜100℃がより好ましい。
(スイープガス供給経路)
本実施形態に係る二酸化炭素分離システム10は、ガス透過側1B、2Bにスイープガスを供給するスイープガス供給経路6、7を備えている。本実施形態では、スイープガス供給経路が2つ設けられ、二酸化炭素分離膜モジュール毎に1つのスイープガス供給経路がガス透過側に配置されている。
ここで、1つのスイープガス供給経路から複数の二酸化炭素分離膜モジュールのガス透過側に順番にスイープガスを供給する場合、スイープガス中の水蒸気濃度が上昇し、水凝縮が生じやすくなる。一方、本実施形態では、二酸化炭素分離膜モジュール毎に1つのスイープガス供給経路6、7からガス透過側1B、2Bにスイープガスを供給することで水凝縮の発生を抑制している。そのため、水凝縮による二酸化炭素分離膜1C、2Cの劣化を抑制できる。
さらに、本実施形態に係る二酸化炭素分離システム10では、ガス流通経路4を流通するガスと、スイープガス供給経路6、7を流通するスイープガスとが並行流となるように、ガス流通経路4及びスイープガス供給経路6が配置されている。
ガス流通経路4を流通するガスと、スイープガス供給経路6、7を流通するスイープガスとが並行流である場合、対向流の場合と比較してガス透過側1B、2B(特に、ガス透過側1B)への水蒸気の透過を抑制できる。よって、ガス供給側1A、2A(特に、ガス供給側1A)における相対湿度の低下を抑制できる。
スイープガス供給経路6、7を流通するスイープガスとしては特に限定されないが、二酸化炭素分離膜モジュール1、2における二酸化炭素透過性を高める点から、二酸化炭素濃度が低いガスであることが好ましい。また、システム構成の簡略のため、二酸化炭素分離システム10を備えるシステムから排出される排ガスを流通させる排ガス経路をスイープガス供給経路としてもよく、特に二酸化炭素を反応に用いる場合、原料ガスを流通させる原料ガス供給経路をスイープガスガス供給経路としてもよい。
また、スイープガスは、ガス供給側1A、2Aからガス透過側1B、2Bへの水蒸気の透過を抑制し、かつ二酸化炭素分離膜1C、2Cの加湿による二酸化炭素透過性を向上させる点から、水蒸気濃度が高いガスであってもよい。
本実施形態では、2つの二酸化炭素分離膜モジュール1、2を備える二酸化炭素分離システムについて説明したが、本発明はこれに限定されず、3つ以上の二酸化炭素分離膜モジュールを備える構成であってもよい。このような構成であっても、隣り合う二酸化炭素分離膜モジュールの内、より下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュールのガス供給側に供給されたガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜モジュールのガス供給側に供給されたガスの温度よりも低くなるように調節すればよい。これにより、最上流に配置された二酸化炭素分離膜以外の二酸化炭素分離膜においても二酸化炭素透過性を向上させることができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る二酸化炭素分離システム20について図2を用いて説明する。図2は、第2実施形態に係る二酸化炭素分離システムを示す概略構成図である。第2実施形態に係る二酸化炭素分離システム20は、1つのスイープガス供給経路5を備える点で、第1実施形態に係る二酸化炭素分離システム10と相違する。本実施形態に係る二酸化炭素分離システム20では、スイープガス供給経路5は、二酸化炭素分離膜モジュール1、2のガス透過側1B、2Bに配置されており、より上流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール1のガス透過側1Bからより下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール2のガス透過側2Bにスイープガスを供給する。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付しており、その詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る二酸化炭素分離システム20は、より上流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール1のガス透過側1Bからより下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール2のガス透過側2Bにスイープガスを供給する。そのため、ガス透過側1Bから透過した水蒸気を含むスイープガスが、ガス透過側2Bに供給される。したがって、ガス透過側2Bに水蒸気濃度が高いスイープガスが供給されるため、ガス供給側2Aからの水蒸気の透過が抑制されてガス供給側2Aの相対湿度の低下を抑制できるとともに、スイープガスによる二酸化炭素分離膜の加湿によりガス供給側2Aからの二酸化炭素の透過を促進することができる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態に係る二酸化炭素分離システム30について図3、4を用いて説明する。図3は、第3実施形態に係る二酸化炭素分離システムを示す概略構成図であり、図4は、第3実施形態に係る二酸化炭素分離システムを示し、ガス流通経路におけるガスの流通方向を切り替えたことを示す概略構成図である。第3実施形態に係る二酸化炭素分離システム30は、ガス流通経路4におけるガスの流通方向を切り替える切り替え手段として開閉弁A1〜A4を備え、かつ開閉弁A1〜A4が配置された分岐したガス流通経路4を備える点で、第1実施形態に係る二酸化炭素分離システム10と相違する。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付しており、その詳細な説明を省略する。
二酸化炭素分離システムにおいて、最も上流に配置された二酸化炭素分離膜モジュールの二酸化炭素分離膜は、高温にさらされることで劣化が早く進むおそれがある。一方、本実施形態に係る二酸化炭素分離システム30では、ガス流通経路4におけるガスの流通方向を開閉弁A1〜A4により切り替えて二酸化炭素分離膜モジュール1、2へのガスの供給順序を調節することができるため、二酸化炭素分離膜モジュール1、2の上流及び下流を入れ替えることができ、二酸化炭素分離膜1C、2Cの劣化を抑制できる。
まず、図3に示す二酸化炭素分離システム30にて、開閉弁A1、A4を開き、開閉弁A2、A3を閉じることにより、二酸化炭素分離膜モジュール1が上流側、二酸化炭素分離膜モジュール2が下流側となるように、ガス流通経路4からガスを二酸化炭素分離膜モジュール1、2に供給する。このとき、より上流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール1のガス供給側1Aに供給されたガスの温度は、より下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール2に供給されたガスのガス供給側2Aの温度よりも高く調節されるため、二酸化炭素分離膜1Cは、高温にさらされることで劣化が二酸化炭素分離膜2Cよりも早く進むおそれがある。
そのため、図4に示すように、開閉弁A1、A4を閉じ、開閉弁A2、A3を開くことにより、二酸化炭素分離膜モジュール1、2の上流及び下流を入れ替えることができる。つまり、図4に示すように、開閉弁A1、A4を閉じ、開閉弁A2、A3を開くことにより、二酸化炭素分離膜モジュール1を下流側、二酸化炭素分離膜モジュール2を上流側とし、ガス流通経路4からガスを二酸化炭素分離膜モジュール1、2に供給する。これにより、ガスの流通方向から見てより上流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aに供給されたガスの温度は、より下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール1のガス供給側1Aに供給されたガスの温度よりも高く調節されるため、二酸化炭素分離膜1Cの劣化を抑制できる。
また、図3、4に示すように、ガス流通経路4におけるガスの流通方向を切り替えた場合、スイープガス供給経路6、7におけるスイープガスの流通方向を切り替えることが好ましい。これにより、ガスの流通方向の切り替えの前後において、ガス流通経路4を流通するガスと、スイープガス供給経路6、7を流通するスイープガスとが並行流となる。
開閉弁A1〜A4の開閉は、自動制御で行っても、手動で行ってもよく、自動制御で行う場合、開閉時間に応じて開閉を制御してもよく、ガス流通経路4の所定の位置におけるガスの総流量に応じて開閉を制御してもよい。
なお、第3実施形態の変形例として、スイープガス供給経路6、7を設ける代わりに、第2実施形態のように1つのスイープガス供給経路5を設けてもよい。
〔燃料電池システム〕
以下、本発明に係る二酸化炭素分離システムが組み込まれた本発明に係る燃料電池システムの一実施形態について図5を用いて説明する。図5は、第4実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。
[第4実施形態]
第4実施形態に係る燃料電池システム100は、原料ガスを二酸化炭素改質して改質ガスを生成する改質器14と、改質ガスを用いて発電を行なう第1燃料電池11と、未反応の改質ガスを含むオフガスを流通するオフガス流通経路52と、二酸化炭素分離膜1C、2Cを備える二酸化炭素分離膜モジュール1、2と、二酸化炭素分離膜1C、2Cにより分離された二酸化炭素、及び原料ガスを改質器14に供給する原料ガス供給経路24と、を備える。さらに、本実施形態に係る燃料電池システム100は、より下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aに供給されたガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール1のガス供給側1Aに供給されたガスの温度よりも低くなるように調節する手段として冷却手段3を備えている。なお、本実施形態では、第1、2実施形態と同様の構成については、同一の符号を付しており、その詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る燃料電池システム100は、第2実施形態に係る二酸化炭素分離システム20が組み込まれた燃料電池システムである。より詳細には、二酸化炭素分離システム20におけるガス流通経路4として、オフガス流通経路52(二酸化炭素分離膜モジュール2の上流側)、及びオフガス流通経路54(二酸化炭素分離膜モジュール2の下流側)が設けられており、かつ、二酸化炭素分離システム20におけるスイープガス供給経路5として、原料ガス供給経路24が設けられている。
本実施形態に係る燃料電池システム100は、二酸化炭素分離膜1C、2Cを備える二酸化炭素分離膜モジュール1、2を備え、かつ、より下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aに供給されたガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール1のガス供給側1Aに供給されたガスの温度よりも低くなるように調節している。そのため、より下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aに供給されたガスの相対湿度が、温度調節をしない場合と比較して高くなっている。これにより、より下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール2では、二酸化炭素の透過性が向上しており、システム全体における二酸化炭素の透過性を向上させることができる。
したがって、本実施形態に係る燃料電池システム100では、システムを複雑化させることなく、簡易な構成で二酸化炭素透過性を向上させることができる。以下、本実施形態に係る燃料電池システム100の各構成について説明する。
(原料ガス供給経路)
本実施形態に係る燃料電池システム100は、二酸化炭素分離膜モジュール1、2のガス透過側1B、2Bに配置され、二酸化炭素分離膜1C、2Cにより分離された二酸化炭素、及び原料ガスを改質器14に供給する原料ガス供給経路24を備えている。また、原料ガス供給経路24には、二酸化炭素分離膜1C、2Cにより分離された二酸化炭素、及び原料ガスを改質器14へ送るためのブロワ25が設置されている。
原料ガス供給経路24を流通する原料ガスとしては、二酸化炭素改質が可能なガスであれば特に限定されず、炭化水素燃料が挙げられる。炭化水素燃料としては、天然ガス、LPガス(液化石油ガス)、石炭改質ガス、低級炭化水素ガスなどが例示される。低級炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン等の炭素数4以下の低級炭化水素が挙げられ、特にメタンが好ましい。なお、炭化水素燃料としては、上述した低級炭化水素ガスを混合したものであってもよく、上述した低級炭化水素ガスを含む天然ガス、都市ガス、LPガス等のガスであってもよい。
(改質器)
本実施形態に係る燃料電池システム100は、原料ガスを二酸化炭素改質して改質ガスを生成する改質器14を備えている。改質器14は、例えば、バーナ又は燃焼触媒を配置した燃焼部18と、改質用触媒を備える改質部19とにより構成される。
改質部19は、上流側にて原料ガス供給経路24と接続しており、下流側にて改質ガス流通経路42と接続している。そのため、原料ガス供給経路24を通じてメタン(CH)などの原料ガスが改質部19に供給され、改質部19にて原料ガスを二酸化炭素改質した後に、生成された改質ガスが改質ガス流通経路42を通じて第1燃料電池11に供給される。
燃焼部18は、上流側にて空気供給経路44及びオフガス流通経路46と接続しており、下流側にて排気経路48と接続している。燃焼部18は、空気供給経路44を通じて供給された酸素を含むガスと、オフガス流通経路46を通じて供給されたオフガスとの混合ガスを燃焼させ、改質部19内の改質用触媒を加熱する。燃焼部18からの排ガス(燃焼排ガス)は、排気経路48を通じて排出される。
排気経路48及び空気供給経路44には熱交換器22が設置されており、熱交換器22により、排気経路48を流通する排ガスと、空気供給経路44を流通する酸素を含むガス(空気)と、の間で熱交換を行なう。これにより、排気経路48を流通する排ガスは冷却された後に排出され、空気供給経路44を流通する酸素を含むガスは、第1燃料電池11の作動温度に適した温度に加熱された後に第1燃料電池11のカソードに供給される。
改質部19で起こる二酸化炭素改質は大きな吸熱を伴うので、反応の進行のためには外部から熱の供給が必要であり、そのため、燃焼部18で発生する燃焼熱により改質部19を加熱することが好ましい。あるいは、燃焼部18を設置せずに各燃料電池から放出される熱を用いて改質部19を加熱してもよい。
原料ガスの一例であるメタンを二酸化炭素改質させた場合、改質部19にて、以下の式(a)の反応により一酸化炭素及び水素が生成される。
CH+CO→2CO+2H・・・・(a)
改質部19内に設置される改質用触媒としては、二酸化炭素改質反応の触媒となるものであれば特に限定されないが、Ni、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、Re、Co、Fe及びMoの少なくとも一つを触媒金属として含む二酸化炭素改質用触媒が好ましい。
改質部19に供給される原料ガス(好ましくはメタン)の炭素原子数(A)と二酸化炭素の分子数(B)との比(A:B)は、二酸化炭素改質を効率よく行なう観点から、1:1.5〜3.0が好ましく、1:2.0〜2.5がより好ましい。また、A:Bが上記数値範囲を満たすように、例えば、冷却手段3により、ガス供給側2Aに供給されたガスの温度を調節したり、冷却手段3とともに、あるいは冷却手段3の代わりに設けた温度調節手段により、ガス供給側1A、2Aに供給されたガスの温度を調節したりして、二酸化炭素分離膜1C、2Cを透過する二酸化炭素の量を調節してもよい。
また、燃焼部18は、二酸化炭素改質を効率よく行なう観点から、改質部19を、600℃〜800℃に加熱することが好ましく、600℃〜700℃に加熱することがより好ましい。
本発明に係る燃料電池システム(特に、高温型の燃料電池を備える燃料電池システム)では、改質器が第1燃料電池の外部に取り付けられている必要はなく、第1燃料電池に原料ガス及び二酸化炭素を直接供給し、第1燃料電池の内部で二酸化炭素改質(内部改質)を行ない、生成された改質ガスを第1燃料電池での発電に用いる構成であってもよい。特に第1燃料電池が高温型の燃料電池である場合、内部での反応温度は600℃〜800℃と高温であるため、第1燃料電池内で二酸化炭素改質を行なうことが可能である。
(第1燃料電池)
本実施形態に係る燃料電池システム100は、改質ガス流通経路42を通じて改質器14から供給された改質ガスを用いて発電を行なう第1燃料電池11を備えている。第1燃料電池11としては、例えば、空気極(カソード)、電解質及び燃料極(アノード)を備える燃料電池セルであってもよく、燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックであってもよい。また、第1燃料電池としては、600℃〜800℃程度で作動する高温型の燃料電池、例えば、700℃〜800℃程度で作動する固体酸化物形燃料電池、600℃〜700℃程度で作動する溶融炭酸塩形燃料電池が挙げられる。
第1燃料電池11が固体酸化物形燃料電池の場合、第1燃料電池11のカソード(図示せず)には、空気供給経路44を通じて酸素を含むガス(空気)が供給される。酸素を含むガスがカソードに供給されることにより、以下の式(b)に示す反応が起こり、その際、酸素イオンが固体酸化物電解質(図示せず)の内部を移動する。
+4e→2O2−・・・・(b)
第1燃料電池11が固体酸化物形燃料電池の場合、第1燃料電池11のアノード(図示せず)には、改質ガス流通経路42を通じて水素を含む改質ガスが供給される。固体酸化物電解質の内部を移動する酸素イオンからアノードと固体酸化物電解質との界面にて水素が電子を受け取ることにより、以下の式(c)に示す反応が起こる。
+O2−→HO+2e・・・・(c)
第1燃料電池11が溶融炭酸塩形燃料電池の場合、第1燃料電池11のカソード(図示せず)には、空気供給経路44を通じて酸素及び二酸化炭素を含むガス(空気と二酸化炭素との混合ガスであってもよい)が供給される。酸素及び二酸化炭素を含むガスがカソードに供給されることにより、以下の式(d)に示す反応が起こり、その際、炭酸イオンが電解質(図示せず)の内部を移動する。
+2CO+4e→2CO 2−・・・・(d)
第1燃料電池11が溶融炭酸塩形燃料電池の場合、第1燃料電池11のアノード(図示せず)には、改質ガス流通経路42を通じて水素を含む改質ガスが供給される。電解質の内部を移動する炭酸イオンからアノードと電解質との界面にて水素が電子を受け取ることにより、以下の式(e)に示す反応が起こる。
+CO 2−→HO+CO+2e・・・・(e)
上記式(c)及び式(e)に示すように、第1燃料電池11での改質ガスの電気化学的な反応により、固体酸化物形燃料電池では主に水蒸気が生成され、溶融炭酸塩形燃料電池では主に水蒸気及び二酸化炭素が生成される。また、アノードで生成された電子は、外部回路を通じてカソードに移動する。このようにして電子がアノードからカソードに移動することにより、第1燃料電池11にて発電が行なわれる。なお、固体酸化物形燃料電池であっても、一部の一酸化炭素が発電に用いられることで、二酸化炭素が生成される。
カソードから排出された未反応の酸素を含むガスは、下流側の空気供給経路44を通じて、第2燃料電池12のカソード(図示せず)に供給される。
一方、アノードから排出された未反応の改質ガスを含むオフガスは、オフガス流通経路52を通じて二酸化炭素分離膜モジュール1、2のガス供給側1A、2Aへ供給される。ここで、未反応の改質ガスを含むオフガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気などを含む混合ガスである。
オフガス流通経路52及びオフガス流通経路54には熱交換器21が設置されており、熱交換器21により、オフガス流通経路52を流通するオフガスと、オフガス流通経路54を流通する二酸化炭素分離後のオフガスと、の間で熱交換を行なう。これにより、オフガス流通経路52を流通するオフガスは、冷却されることにより相対湿度が上昇して二酸化炭素分離膜1Cにおける二酸化炭素分離に適した温度まで冷却され、オフガス流通経路54を流通する二酸化炭素分離後のオフガスは、第2燃料電池12の作動温度に適した温度に加熱される。そのため、システム全体において、二酸化炭素透過性、発電効率及び熱効率がより向上する。
(二酸化炭素分離膜)
本実施形態に係る燃料電池システム100は、第1燃料電池11から排出された未反応の改質ガスを含むオフガスから、二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離膜1C、2Cを備える二酸化炭素分離膜モジュール1、2を備えている。オフガス流通経路52を流通するオフガスは、二酸化炭素分離膜モジュール1のガス供給側1Aに供給され、オフガス中の二酸化炭素は、ガス供給側1Aからガス透過側1Bへ矢印A方向に二酸化炭素分離膜1Cを透過する。二酸化炭素を分離した後のオフガスは、ガス供給側1Aからオフガス流通経路52を流通し、冷却手段3にて冷却された後、二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aへ供給される。そして、ガス供給側2Aに供給されたオフガス中の二酸化炭素は、ガス供給側2Aからガス透過側2Bへ矢印A方向に二酸化炭素分離膜2Cを透過する。なお、燃料電池システム100に設けられた二酸化炭素分離膜モジュール1、2及び冷却手段3は、前述の二酸化炭素分離システム10と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
二酸化炭素分離膜モジュール2にて二酸化炭素を分離した後のオフガスは、ガス供給側2Aからオフガス流通経路54を流通し、第2燃料電池12へ供給され、分離された二酸化炭素は、ガス透過側1B、2Bを流れる原料ガスと混合され、ガス透過側1B、2Bから原料ガス供給経路24を流通し、改質器14の改質部19へ供給される。
ここで、燃料電池システム100では、分離された二酸化炭素は、原料ガスとともに改質器14に供給される。したがって、二酸化炭素を改質器14に供給するための供給経路及びブロワを別途設ける必要は無く、システムが簡略化されている。
さらに、燃料電池システム100では、オフガス流通経路52を流通するオフガスと、原料ガス供給経路24を流通する原料ガスとが並行流である。よって、対向流の場合と比較してガス透過側1B、2B(特に、ガス透過側1B)への水蒸気の透過を抑制できる。よって、ガス供給側1A、2A(特に、ガス供給側1A)における相対湿度の低下を抑制できる。
また、燃料電池システム100では、原料ガス供給経路24は、二酸化炭素分離膜モジュール1、2のガス透過側1B、2Bに配置されており、ガス透過側1Bからガス透過側2Bに原料ガスを供給する。したがって、より下流に配置された二酸化炭素分離膜モジュール1のガス透過側2Bに水蒸気濃度が高いスイープガスが供給されるため、ガス供給側2Aからの水蒸気の透過が抑制されてガス供給側2Aの相対湿度の低下を抑制できるとともに、スイープガスによる二酸化炭素分離膜2Cの加湿によりガス供給側2Aからの二酸化炭素の透過を促進することができる。さらに、原料ガス供給経路及びブロワを複数設ける必要がないため、システムを簡略化することができる。
二酸化炭素を分離した後のオフガスは、ガス供給側2Aからオフガス流通経路54を流通し、第2燃料電池12へ供給される。このとき、前述のように、オフガス流通経路52及びオフガス流通経路54に設置された熱交換器21により、オフガス流通経路54を流通する二酸化炭素分離後のオフガスは、第2燃料電池12の作動温度に適した温度に加熱される。
(第2燃料電池)
本実施形態に係る燃料電池システム100は、二酸化炭素分離膜モジュール2の下流に配置され、二酸化炭素が分離されたオフガスを用いて発電を行なう第2燃料電池12を備えている。第2燃料電池12としては、例えば、空気極(カソード)、電解質及び燃料極(アノード)を備える燃料電池セルであってもよく、燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックであってもよい。なお、第2燃料電池12は、上述の第1燃料電池11と同様の構成であるため、共通する事項に関する説明は省略する。
燃料電池システム100では、第2燃料電池12は、二酸化炭素が分離されたオフガスを用いて発電を行なう。そのため、第2燃料電池12では、電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧が向上するとともに、オフガス中の二酸化炭素に起因する濃度過電圧が低減され、特に高電流密度時に高い性能を発揮することができる。よって、燃料電池システム100は、後段の燃料電池にて二酸化炭素が分離されていないオフガスを用いて発電を行なう通常の多段式の燃料電池システムと比較して、高い発電効率を得ることができる。さらに、燃料電池システム100では、複数の二酸化炭素分離膜モジュール1、2が配置されているため、二酸化炭素分離膜モジュールが1つ配置された多段式の燃料電池システムと比較して、二酸化炭素透過性が向上している。よって、燃料電池システム100は、二酸化炭素分離膜モジュールが1つ配置された多段式の燃料電池システムよりも高い発電効率を得ることができる。
第2燃料電池12のカソードから排出された未反応の酸素を含むガスは、下流側の空気供給経路44を通じて改質器14の燃焼部18へ供給される。一方、第2燃料電池12のアノードから排出されたオフガスは、オフガス流通経路46を通じて改質器14の燃焼部18へ供給される。
本実施形態では、2つの燃料電池(第1燃料電池11及び第2燃料電池12)を備える燃料電池システムについて説明したが、本発明はこれに限定されず、3つ以上の燃料電池を備える燃料電池システムであってもよく、例えば、第2燃料電池12の下流に第3燃料電池を備える構成であってもよい。
また、本実施形態に係る燃料電池システム100は、二酸化炭素分離膜モジュール2のガス供給側2Aの下流かつ熱交換器21の上流に、オフガス流通経路54を流通するオフガスから水蒸気を除去する水蒸気除去部をさらに備えていてもよい。これにより、オフガスから水蒸気が除去された後、オフガスが第2燃料電池12に供給されて発電に用いられる。そのため、第2燃料電池12の電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧がより向上するとともに、オフガス中の水蒸気に起因する濃度過電圧が低減される。よって、燃料電池システム100の発電効率をより高めることができる。
また、本実施形態に係る燃料電池システム100は、原料ガス供給経路24を流通するガスから水蒸気を除去する水蒸気除去部をさらに備えていてもよい。これにより、第1燃料電池11及び第2燃料電池12に供給される水蒸気の量が低減され、燃料電池システム100の発電効率をより高めることができる。
水蒸気除去部は、オフガス流通経路54を流通するオフガス又は原料ガス供給経路24を流通するガスから水蒸気を除去するためのものであり、例えば、水蒸気を分離する分離膜、水蒸気を吸着する吸着剤、水蒸気を凝縮する凝縮器などであればよい。
なお、二酸化炭素分離膜1C、2Cは、改質器14の上流に水蒸気除去部を設けない構成としてもよい。このとき、改質器14の改質部19に二酸化炭素分離膜1C、2Cにより分離された水蒸気が供給されるため、改質部19の内部にて炭素析出が抑制され、燃料電池システム100の信頼性を高めることができる。
さらに、本実施形態に係る燃料電池システム100では、改質器14は、原料ガスの二酸化炭素改質及び水蒸気改質の少なくとも一方を行なう構成であればよく、例えば、原料ガスの二酸化炭素改質及び水蒸気改質の両方を行なう構成であってもよい。改質器14の改質部19に二酸化炭素分離膜1C、2Cにより分離された二酸化炭素及び水蒸気が供給されるため、原料ガスの一例であるメタンを二酸化炭素改質及び水蒸気改質させた場合、改質部19にて、上述の式(a)の反応とともに以下の式(f)の反応により一酸化炭素及び水素が生成される。
CH+HO→CO+3H・・・・(f)
また、本発明に係る燃料電池システム(特に、高温型の燃料電池を備える燃料電池システム)では、改質器が第1燃料電池の外部に取り付けられている必要はなく、第1燃料電池に原料ガス、二酸化炭素及び水蒸気を直接供給し、第1燃料電池の内部で二酸化炭素改質及び水蒸気改質を行ない、生成された改質ガスを第1燃料電池での発電に用いる構成であってもよい。
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態に係る燃料電池システム200について図6を用いて説明する。図6は、第5実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。第5実施形態に係る燃料電池システム200は、ガス透過側1B、2Bに原料ガスを供給する原料ガス供給経路24’、24’’及び原料ガス供給経路24’、24’’には、二酸化炭素分離膜1C、2Cにより分離された二酸化炭素、及び原料ガスを改質器14へ送るためのブロワ25’、25’’を備える点で、第4実施形態に係る燃料電池システム100と相違する。なお、本実施形態では、第4実施形態と同様の構成については、同一の符号を付しており、その詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る燃料電池システム200では、原料ガス供給経路24’は、二酸化炭素分離膜モジュール1のガス透過側1Bに配置され、原料ガス供給経路24’’は、二酸化炭素分離膜モジュール2のガス透過側2Bに配置されている。さらに、原料ガス供給経路24’及び原料ガス供給経路24’’は、ガス透過側1B、2Bの下流にて接続しており、ガス透過側1B、2Bを透過した二酸化炭素及び原料ガスは、原料ガス供給経路24を流通して改質器14の改質部19に供給される。
本実施形態では、二酸化炭素分離膜モジュール毎に1つの原料ガス供給経路24’、24’’からガス透過側1B、2Bに原料ガスを供給することで水凝縮の発生を抑制している。そのため、水凝縮による二酸化炭素分離膜1C、2Cの劣化を抑制できる。
[第6実施形態]
以下、本発明の第6実施形態に係る燃料電池システム300について図7を用いて説明する。図7は、第6実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。第6実施形態に係る燃料電池システム300は、二酸化炭素が分離されたオフガスを燃料電池31に再度供給するオフガス循環経路56、57を備える循環式燃料電池システムである。上述の第4実施形態に係る燃料電池システム100と共通する構成については、その説明を省略する。また、燃料電池31は前述の第1燃料電池11と同様の構成であるため、その説明を省略する。
燃料電池システム300では、二酸化炭素分離膜1C、2Cは、燃料電池31から排出された未反応の改質ガスを含むオフガスから二酸化炭素を分離し、二酸化炭素が分離されたオフガスを用いて燃料電池31で発電を行なう。そのため、燃料電池31では、電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧が向上するとともに、オフガス中の二酸化炭素に起因する濃度過電圧が低減される。よって、燃料電池システム300は、二酸化炭素を分離せずにオフガスを再利用する循環式の燃料電池システムよりも高い発電効率を得ることができる。さらに、燃料電池システム300では、複数の二酸化炭素分離膜モジュール1、2が配置されているため、二酸化炭素分離膜モジュールが1つ配置された循環式の燃料電池システムと比較して、二酸化炭素透過性が向上している。よって、燃料電池システム300は、二酸化炭素分離膜モジュールが1つ配置された循環式の燃料電池システムよりも高い発電効率を得ることができる。
オフガス循環経路57には、オフガスを流通させるためのリサイクルブロワ28が配置されている。なお、リサイクルブロワの配置は、特に限定されず、二酸化炭素分離膜1Cの上流であってもよく、二酸化炭素分離膜2Cの下流であってもよいが、上流に設ける場合には、熱交換器21と二酸化炭素分離膜1Cとの間に配置することが好ましく、下流に設ける場合には、二酸化炭素分離膜2Cと熱交換器21との間に配置することが好ましい。
本実施形態に係る燃料電池システム300では、燃料電池31のカソードから排出された未反応の酸素を含むガスは、下流側の空気供給経路44を通じて改質器14の燃焼部18へ供給される。一方、燃料電池31のアノードから排出されたオフガスについては、一部はオフガス流通経路46を通じて改質器14の燃焼部18へ供給され、それ以外はオフガス循環経路56を通じて二酸化炭素分離膜モジュール1のガス供給側1Aへ供給される。
前述の第4実施形態〜第6実施形態に係る燃料電池システム100、200、300では、原料ガス供給経路24をスイープガス供給経路とし、かつ原料ガス供給経路24を流通する原料ガスをスイープガスとしていたが、本発明はこの構成に限定されず、原料ガス以外のガスを流通する経路をスイープガス供給経路とし、かつ原料ガス以外のガスをスイープガスとしてもよく、二酸化炭素分離膜のガス透過側にスイープガスを供給しない構成としてもよい。以下、第7実施形態〜第9実施形態にて、原料ガス以外のガスを流通する経路をスイープガス供給経路とし、かつ原料ガス以外のガスをスイープガスとする構成について具体的に説明する。なお、第7実施形態〜第9実施形態では、第4実施形態と同様の構成については、同一の符号を付しており、その詳細な説明を省略する。
[第7実施形態]
以下、本発明の第7実施形態に係る燃料電池システム400について図8を用いて説明する。図8は、第7実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。第7実施形態に係る燃料電池システム400は、排気経路48をスイープガス供給経路とし、かつ排気経路48を流通する排ガス(燃焼排ガス)をスイープガスとする点、及び改質器14の改質部19に水蒸気を供給する水蒸気供給経路26を備え、かつ改質部19にて原料ガスの水蒸気改質を行なう点で、第4実施形態に係る燃料電池システム100と相違する。
[第8実施形態]
以下、本発明の第8実施形態に係る燃料電池システム500について図9を用いて説明する。図9は、第8実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。第8実施形態に係る燃料電池システム500は、空気供給経路44をスイープガス供給経路とし、第2燃料電池12のカソードから排出され、かつ空気供給経路44を流通する未反応の酸素を含むガス(カソードオフガス)をスイープガスとする点、及び改質器14の改質部19に水蒸気を供給する水蒸気供給経路26を備え、かつ改質部19にて原料ガスの水蒸気改質を行なう点で、第4実施形態に係る燃料電池システム100と相違する。
[第9実施形態]
以下、本発明の第9実施形態に係る燃料電池システム600について図10を用いて説明する。図10は、第9実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。第9実施形態に係る燃料電池システム600は、空気供給経路44をスイープガス供給経路とし、空気供給経路44を流通し、かつ第1燃料電池11のカソードに供給される空気をスイープガスとする点、及び改質器14の改質部19に水蒸気を供給する水蒸気供給経路26を備え、かつ改質部19にて原料ガスの水蒸気改質を行なう点で、第4実施形態に係る燃料電池システム100と相違する。
第7実施形態〜第9実施形態に係る燃料電池システム400、500、600では、スイープガスを流通するスイープガス供給経路を別途設ける必要がない。そのため、燃料電池システム400、500、600では、システムを複雑化させることなく、簡易な構成で二酸化炭素透過性を向上させることができる。
さらに、第8実施形態、第9実施形態に係る燃料電池システム500、600では、空気供給経路44を流通するガスは最終的に改質器14の燃焼部18に供給されるため、二酸化炭素分離膜1C、2Cを透過したガスも空気供給経路44を通じて改質器14の燃焼部18に供給される。したがって、オフガス流通経路52を流通するオフガス中に含まれる水素や一酸化炭素が二酸化炭素分離膜1C、2Cを透過してしまう場合、あるいは、二酸化炭素分離膜1C、2Cが破損して水素や一酸化炭素がガス透過側1B、2Bにリークしてしまう場合であっても、透過又はリークした水素や一酸化炭素が改質器14の燃焼部18にて燃焼される。そのため、二酸化炭素分離膜1C、2Cを透過した水素や一酸化炭素は、システム外にそのまま放出されず、燃焼された後に排出され、安全性に優れる。
なお、二酸化炭素分離膜1C、2Cのガス透過側1B、2Bにスイープガスを供給しない構成とする場合、二酸化炭素分離膜を透過したガスが、改質器14の燃焼部18に供給されるよう経路を配置することが好ましい。これにより、前述のように、二酸化炭素分離膜1C、2Cを透過した水素や一酸化炭素は、燃料電池システム外にそのまま放出されず、燃焼された後に排出され、安全性に優れる。
第7実施形態〜第9実施形態に係る燃料電池システム400、500、600において、水蒸気供給経路26は、改質器14の改質部19と接続しており、改質部19に水蒸気を供給するための経路である。原料ガス供給経路24を通じて原料ガスが改質部19に供給され、水蒸気供給経路26を通じて水蒸気が改質部に供給される。そして、改質部19にて原料ガスを水蒸気改質した後に、生成された改質ガスが改質ガス流通経路42を通じて第1燃料電池11に供給される。
なお、本実施形態に係る燃料電池システム400では、気化器によって水が気化されて生じた水蒸気が、水蒸気供給経路26を通じて供給される構成であってもよく、あるいは、水蒸気供給経路26の代わりに水供給経路を配置し、水供給経路を通じて水蒸気改質用の水が改質部19に供給される構成であってもよい。
なお、第7実施形態〜第9実施形態に係る燃料電池システム400、500、600の変形例として、原料ガス供給経路24又は二酸化炭素供給経路を通じて改質部19に二酸化炭素を供給し、二酸化炭素改質を単独で行なう構成(水蒸気供給経路26を設けない構成)であってもよく、あるいは、二酸化炭素改質を水蒸気改質と組み合わせて行なう構成であってもよい。
本発明は、前述の第1実施形態〜第9実施形態に限定されず、本発明の技術的思想内で、当業者によって、前述の各実施形態を組み合わせて実施される。
10、20、30…二酸化炭素分離システム、1、2…二酸化炭素分離膜モジュール、1A、2A…ガス供給側、1B、2B…ガス透過側、1C、2C…二酸化炭素分離膜、3…冷却手段、4…ガス流通経路、5、6、7…スイープガス供給経路、A1、A2、A3、A4…開閉弁、11…第1燃料電池、12…第2燃料電池、14…改質器、18…燃焼部、19…改質部、21、22…熱交換器、24、24’、24”…原料ガス供給経路(スイープガス供給経路)、25、25’、25”…ブロワ、26…水蒸気供給経路、31…燃料電池、42…改質ガス流通経路、44…空気供給経路(スイープガス供給経路)、46、52、54…オフガス流通経路、48…排気経路(スイープガス供給経路)、56、57…オフガス循環経路、100、200、300、400、500、600…燃料電池システム

Claims (16)

  1. 二酸化炭素及び水蒸気を含むガスを流通するガス流通経路と、
    ガス供給側に供給された前記ガス中の二酸化炭素をガス透過側に透過させて二酸化炭素を分離し、前記ガスの相対湿度を高めることで二酸化炭素透過性が向上する二酸化炭素分離膜であって、前記ガス流通経路に複数配置された二酸化炭素分離膜と、
    を備え、
    隣り合う前記二酸化炭素分離膜の内、より下流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給された前記ガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給された前記ガスの温度よりも低くなるように調節する二酸化炭素分離システム。
  2. 隣り合う前記二酸化炭素分離膜の間の前記ガス流通経路、及び隣り合う前記二酸化炭素分離膜の内、より下流に配置された前記二酸化炭素分離膜、の少なくとも一方を冷却する冷却手段をさらに備える請求項1に記載の二酸化炭素分離システム。
  3. 前記ガス透過側にスイープガスを供給するスイープガス供給経路をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の二酸化炭素分離システム。
  4. 前記ガス流通経路を流通する前記ガスと、前記スイープガス供給経路を流通する前記スイープガスとが並行流である請求項3に記載の二酸化炭素分離システム。
  5. 前記スイープガス供給経路が複数設けられ、前記二酸化炭素分離膜毎に1つの前記スイープガス供給経路が前記ガス透過側に配置されている請求項3又は請求項4に記載の二酸化炭素分離システム。
  6. 前記スイープガス供給経路は、複数の前記二酸化炭素分離膜の前記ガス透過側に配置されており、より上流に配置された前記二酸化炭素分離膜の前記ガス透過側からより下流に配置された前記二酸化炭素分離膜の前記ガス透過側に前記スイープガスを供給する請求項3又は請求項4に記載の二酸化炭素分離システム。
  7. 前記ガス流通経路における前記ガスの流通方向を切り替える切り替え手段をさらに備え、前記切り替え手段を切り替えることにより、複数の前記二酸化炭素分離膜への前記ガスの供給順序を調節する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の二酸化炭素分離システム。
  8. 原料ガスを改質して生成された改質ガスを用いて発電を行なう第1燃料電池と、
    前記第1燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガスを流通するオフガス流通経路と、
    ガス供給側に供給された前記オフガス中の二酸化炭素をガス透過側に透過させて二酸化炭素を分離し、前記オフガスの相対湿度を高めることで二酸化炭素透過性が向上する二酸化炭素分離膜であって、前記オフガス流通経路に複数配置された二酸化炭素分離膜と、
    前記オフガスの流通方向における前記二酸化炭素分離膜の下流に配置され、二酸化炭素が分離された前記オフガスを用いて発電を行なう第2燃料電池と、
    を備え、
    隣り合う前記二酸化炭素分離膜の内、より下流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給されたガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給されたガスの温度よりも低くなるように調節する燃料電池システム。
  9. 原料ガスを改質して生成された改質ガスを用いて発電を行なう燃料電池と、
    前記燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガスを流通するオフガス流通経路と、
    ガス供給側に供給された前記オフガス中の二酸化炭素をガス透過側に透過させて二酸化炭素を分離し、前記オフガスの相対湿度を高めることで二酸化炭素透過性が向上する二酸化炭素分離膜であって、前記オフガス流通経路に複数配置された二酸化炭素分離膜と、
    最も下流に配置された前記二酸化炭素分離膜のガス供給側の下流に設けられ、二酸化炭素が分離された前記オフガスを前記燃料電池に供給するオフガス循環経路と、
    を備え、
    隣り合う前記二酸化炭素分離膜の内、より下流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給されたガスの温度が、より上流に配置された二酸化炭素分離膜の前記ガス供給側に供給されたガスの温度よりも低くなるように調節する燃料電池システム。
  10. 前記原料ガスを改質して前記改質ガスを生成する改質器をさらに備える請求項8又は請求項9に記載の燃料電池システム。
  11. 隣り合う前記二酸化炭素分離膜の間の前記オフガス流通経路、及び隣り合う前記二酸化炭素分離膜の内、より下流に配置された前記二酸化炭素分離膜、の少なくとも一方を冷却する冷却手段をさらに備える請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  12. 前記ガス透過側にスイープガスを供給するスイープガス供給経路をさらに備える請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  13. 前記オフガス流通経路を流通する前記オフガスと、前記スイープガス供給経路を流通する前記スイープガスとが並行流である請求項12に記載の燃料電池システム。
  14. 前記スイープガス供給経路が複数設けられ、前記二酸化炭素分離膜毎に1つの前記スイープガス供給経路が前記ガス透過側に配置されている請求項12又は請求項13に記載の燃料電池システム。
  15. 前記スイープガス供給経路は、複数の前記二酸化炭素分離膜の前記ガス透過側に配置されており、より上流に配置された前記二酸化炭素分離膜の前記ガス透過側からより下流に配置された前記二酸化炭素分離膜の前記ガス透過側に前記スイープガスを供給する請求項12又は請求項13に記載の燃料電池システム。
  16. 前記オフガス流通経路における前記オフガスの流通方向を切り替える切り替え手段をさらに備え、前記切り替え手段を切り替えることにより、複数の前記二酸化炭素分離膜への前記ガスの供給順序を調節する請求項8〜請求項15のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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