JP2017154062A - 古紙処理装置、古紙処理方法、シート製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】解繊物から金属物を効率良く除去する方法の提供。【解決手段】古紙処理装置200古紙を粗砕して粗砕物にするための粗砕部12と、前記粗砕物を解繊して解繊物にするための解繊部20と、前記解繊物を第1搬送面31aに載せて搬送する第1搬送部30と、第1搬送部30の第1搬送面31aの裏面31b側に配置された磁場生成器32と、を有する。例えば、ステープラー針等の金属物が付いている古紙は、粗砕処理及び解繊処理が施され、解繊処理後の解繊物が、第1搬送部30の第1搬送面31aに載せて搬送され、この際、第1搬送面31aの裏面31b側では磁場が生成され、搬送される解繊物に含まれる金属物は第1搬送面31aに吸引され、一方、解繊物に含まれる繊維は、第1搬送面31aに吸引されることがなく、従って、解繊物に含まれる金属物が磁力により分離されるため、解繊物から金属物を容易に除去できる古紙処理装置200。【選択図】図1
Description
本発明は、古紙処理装置、古紙処理方法、シート製造装置に関する。
従来、フォーミングドラムを介して繊維を含む材料をメッシュベルト上に堆積し、堆積された材料を一対のヒーターローラーに通過させて再生紙を製造する紙再生装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、切断器と、当該切断器に向けて紙を通す送給器スロットと、送給器スロットに対して斜めの向きに設けられた縁とを備え、ステープル等の紙締結用装置を、一枚又は幾枚かの紙から分離させて紙を細断する紙細断機が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、被覆電線を含む主として廃プラスチックからなる廃棄物から、再利用可能なプラスチックを生産する再利用可能プラスチック生産方法において、粉砕された廃棄物に含まれる比重の大きい金属を比重選別する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、廃棄物を電磁石および該電磁石のN極とS極との中間に配置した中間極の近くを通過させて廃棄物中の弱磁性金属を磁力によりする方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。
また、切断器と、当該切断器に向けて紙を通す送給器スロットと、送給器スロットに対して斜めの向きに設けられた縁とを備え、ステープル等の紙締結用装置を、一枚又は幾枚かの紙から分離させて紙を細断する紙細断機が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、被覆電線を含む主として廃プラスチックからなる廃棄物から、再利用可能なプラスチックを生産する再利用可能プラスチック生産方法において、粉砕された廃棄物に含まれる比重の大きい金属を比重選別する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、廃棄物を電磁石および該電磁石のN極とS極との中間に配置した中間極の近くを通過させて廃棄物中の弱磁性金属を磁力によりする方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、古紙からシートを製造する場合において、上記装置等では、古紙に含まれているステープラー等の金属物を除去することが容易ではなく、純度の高い繊維を回収することが難しい、という課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる古紙処理装置は、古紙を粗砕して粗砕物にするための粗砕部と、前記粗砕物を解繊して解繊物にするための解繊部と、前記解繊物を第1搬送面に載せて搬送する第1搬送部と、前記第1搬送部の前記第1搬送面の裏面側に配置された磁場生成器と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、例えば、ステープラー針等の金属物が付いている古紙は、粗砕処理及び解繊処理が施され、解繊処理後の解繊物が、第1搬送部の第1搬送面に載せて搬送される。この際、第1搬送面の裏面側では磁場が生成される。これにより、搬送される解繊物に含まれる金属物は第1搬送面に吸引される。一方、解繊物に含まれる繊維は、第1搬送面に吸引されることはない。従って、解繊物に含まれる金属物が磁力により分離されるため、解繊物から金属物を容易に除去することができる。
[適用例2]本適用例にかかる古紙処理装置は、古紙を粗砕して粗砕物にするための粗砕部と、前記粗砕物を解繊して解繊物にするための解繊部と、前記解繊物を第1搬送面に載せて搬送する第1搬送部と、前記第1搬送部の前記第1搬送面に対向する第2搬送面を有する第2搬送部と、前記第1搬送面に対向するように、前記第2搬送部の前記第2搬送面の裏面側に配置された磁場生成器と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、例えば、ステープラー針等の金属物が付いている古紙は、粗砕処理及び解繊処理が施され、解繊処理後の解繊物が、第1搬送部の第1搬送面に載せて搬送される。そして、第1搬送面に対向して配置された第2搬送部の第2搬送面には磁場が生成される。これにより、解繊物に含まれる金属物は第2搬送面に吸引されながら搬送される。一方、解繊物に含まれる繊維は、第2搬送面に吸引されることはなく、第1搬送面に載って搬送される。従って、解繊物に含まれる金属物が磁力により分離されるため、解繊物から金属物を容易に除去することができる。
[適用例3]上記適用例にかかる古紙処理装置は、前記第1搬送部の前記第1搬送面はメッシュ状であり、前記第1搬送面よりも鉛直方向下方に設けられた吸引部と、前記吸引部により吸引され、前記第1搬送面のメッシュを通過した通過物を捕集する捕集部と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、解繊処理後の解繊物を、第1搬送部の第1搬送面に載せて搬送する際、解繊物は、第1搬送面のメッシュを介して吸引される。そして、メッシュを通過した通過物は捕集される。これにより、解繊物に含まれるトナー等の樹脂粉や、細かな異物等の通過物を除去することができる。
[適用例4]上記適用例にかかる古紙処理装置は、前記磁場生成器により吸引された吸引物を除去するための除去部を有することを特徴とする。
この構成によれば、磁場生成器によって吸引された金属物等の吸引物を第1搬送面または第2搬送面から効率良く取り除くことができる。
[適用例5]上記適用例にかかる古紙処理装置は、前記第1搬送部の前記第1搬送面に載せられた載置物に含まれる非金属物の少なくとも一部を、分離させるための気流を発生させる気流発生部を有することを特徴とする。
この構成によれば、解繊物に気流を当てることにより、載置物に含まれる比重の小さい非金属物(例えば、繊維)を容易に分離させることができる。
[適用例6]上記適用例にかかる古紙処理装置は、比重によって、前記粗砕物から金属物を選別する選別部を有し、前記解繊部は、前記選別部により少なくとも一部の金属物が取り除かれた粗砕物を解繊することを特徴とする。
この構成によれば、粗砕物に含まれる比重の大きい金属物と比重の小さい繊維で構成される細片とを選別可能となる。これにより、解繊処理前に予め比重の大きい金属物を取り除くことができ、解繊部の負荷を低減させることができる。
[適用例7]本適用例にかかる古紙処理方法は、古紙を粗砕して粗砕物を形成し、前記粗砕物を解繊して解繊物に形成し、前記解繊物を第1搬送面に載せて搬送し、前記第1搬送面の前記解繊物に対して磁場を生成することを特徴とする。
この構成によれば、例えば、ステープラー針等の金属物が付いている古紙は、粗砕処理及び解繊処理が施され、解繊処理後の解繊物が、第1搬送部の第1搬送面に載せて搬送される。そして、第1搬送面に対向して配置された第2搬送部の第2搬送面には磁場が生成される。これにより、解繊物に含まれる金属物は第2搬送面に吸引されながら搬送される。一方、解繊物に含まれる繊維は、第2搬送面に吸引されることはなく、第1搬送面に載って搬送される。従って、解繊物に含まれる金属物が磁力により分離されるため、解繊物から金属物を容易に除去することができる。
[適用例8]本適用例にかかるシート製造装置は、古紙を粗砕して粗砕物にするための粗砕部と、前記粗砕物を解繊して解繊物にするための解繊部と、前記解繊物を第1搬送面に載せて搬送する第1搬送部と、前記第1搬送部の前記第1搬送面の裏面側に配置された磁場生成器と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、例えば、ステープラー針等の金属物が付いている古紙は、粗砕処理及び解繊処理が施され、解繊処理後の解繊物が、第1搬送面に載せて搬送される。この際、第1搬送面の裏面側では磁場が生成される。これにより、搬送される解繊物に含まれる金属物は第1搬送面に吸引される。一方、解繊物に含まれる繊維は、第1搬送面に吸引されることはない。従って、解繊物に含まれる金属物が磁力により分離されるため、解繊物から金属物を容易に除去することができる。そして、分離された解繊物、すなわち、繊維の純度が高い解繊物を用いてシートが形成される。従って、金属物等が含まれない品質の高いシートを製造することができる。
以下、本発明の第1から第3実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
(第1実施形態)
まず、古紙処理装置の構成について説明する。図1は、本実施形態にかかる古紙処理装置の構成を示す概略図である。
まず、古紙処理装置の構成について説明する。図1は、本実施形態にかかる古紙処理装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、古紙処理装置200は、粗砕部12と、解繊部20と、第1搬送部30と、磁場生成器(第1張架ローラー32)と、を備えている。なお、本実施形態では、古紙処理装置200に対して古紙を供給する供給部10が配置されている。
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。供給部10は、例えば、粗砕部12に原料を連続的に投入するための自動投入部である。供給部10によって供給される原料は、例えば、古紙やパルプシートなどの繊維を含むものである。
粗砕部12は、古紙等の原料を粗砕して粗砕物を形成するためのものである。具体的には、供給部10によって供給された古紙を、空気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部12は、粗砕刃14を有し、粗砕刃14によって、投入された古紙を裁断することができる。粗砕部12としては、例えば、シュレッダーを用いる。粗砕部12によって形成された粗砕物は、ホッパー1で受けてから管2を介して、解繊部20に移送(搬送)される。
解繊部20は、粗砕部12によって形成された粗砕物を解繊して解繊物を形成するためのものである。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる被解繊物を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、古紙(原料)に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能をも有する。
解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナーなどの色剤や、にじみ防止材、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。
解繊部20は、乾式で解繊を行う。ここで、液体中ではなく、大気中(空気中)等の気中において、解繊等の処理を行うことを乾式と称する。解繊部20として、本実施形態ではインペラーミルを用いる。解繊部20は、粗砕物を吸引し、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有している。これにより、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口22から、粗砕物を気流と共に吸引し、解繊処理して、排出口24へと搬送することができる。解繊部20を通過した解繊物は、第1搬送部30に移送される。
第1搬送部30は、解繊物を第1搬送面31aに載せて搬送するものである。本実施形態の第1搬送部30は、メッシュベルト31と、第1張架ローラー32と、第2張架ローラー33と、を有している。第1搬送部30は、解繊部20の排出口24に対応する位置に配置されている。メッシュベルト31は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。メッシュベルト31は、メッシュ状の第1搬送面31aを有し、第1及び第2張架ローラー32,33によって張架され、第1張架ローラー32が自転することによって移動する。これにより、解繊部20の排出口24から排出された解繊物を第1搬送面31aに載せながら搬送可能となる。また、第1搬送部30は、解繊物を搬送する際の第1搬送面31aがほぼ水平となるように配置されている。そして、図1に示すように、第1張架ローラー32を時計回りに回転させると、メッシュベルト31が時計回りに回転移動し、第1搬送面31aに載せた解繊物が略水平に搬送される。なお、本実施形態の第1張架ローラー32は、解繊部20の排出口24から排出された解繊物が第1搬送面31aに載って搬送される方向(解繊物の搬送方向下流側)に配置されている。
また、本実施形態の第1張架ローラー32は、磁場を生成する磁場生成器である。具体的には、第1張架ローラー32は、磁力を有する磁石ローラーである。磁場生成器(第1張架ローラー32)は、第1搬送部30の第1搬送面31aの裏面31b側に配置されている。これにより、第1搬送面31a上には障害となるものが配置されないので解繊物を効率良く搬送させることができる。第1張架ローラー32が磁石ローラーなので、メッシュベルト31の第1搬送面31aに載って搬送された解繊物は、第1張架ローラー32による磁力(吸引力)により、解繊物に含まれる金属物を第1搬送面31a側に吸引(吸着)させることができる。磁石ローラーは、永磁式マグネットローラーでも、電磁式マグネットローラーでも良い。
ここで、解繊物に含まれる金属物とは、例えば、古紙処理装置200に供給される古紙に付いたステープラー針等である。ステープラー針等が、フェライト系ステンレスや鉄材等の材質のときは強磁性体であるため、第1張架ローラー32による磁力(吸引力)によって第1搬送面31a側に吸引(吸着)させることができる。なお、第1搬送面31aにおいて約6000ガウス以上の磁力を備える。一方、解繊物に含まれる繊維は、非金属物(非磁性体)であるため、第1搬送面31aに吸着せず、第1張架ローラー32を過ぎた時点でメッシュベルト31から自由落下する。これにより、解繊物から金属物を除去することができる。換言すれば、解繊物から金属物を分離し、繊維の純度の高い解繊物を確保することができる。
また、第1張架ローラー32(メッシュベルト31)の下方には、第1張架ローラー32の吸引力によって分離された繊維を収容する第1収容部34と、解繊物から分離された金属物を収容する第2収容部35と、が配置されている。具体的には、第1収容部34は、メッシュベルト31の第1張架ローラー32にかかる水平方向の先端部Paの下方であって、第1張架ローラー32から離れた位置に配置されている。第2収容部35は、第1張架ローラー32の下端部に対応する位置に配置されている。また、第1収容部34と第2収容部35との間には仕切部36が設けられ、仕切部36によりメッシュベルト31から落下する繊維と金属物とが仕切られる。これにより、金属物と繊維との混合を防止することができきる。
また、第1張架ローラー32により吸引された吸引物(本実施形態では、解繊物に含まれる金属物)を除去するための除去部37を有している。本実施形態の除去部37は、スクレーパーであり、第1張架ローラー32の下方であって、メッシュベルト31の搬送方向下流側に配置されている。除去部37の一部がメッシュベルト31に当接されており、例えば、メッシュベルト31に吸引、着磁、或いは引っ掛かった吸引物(金属物)を掻き落とすことができる。掻き落とされた吸引物(金属物)は、第2収容部35に収容される。
また、古紙処理装置200には、第1搬送部30の第1搬送面31aに載せられた載置物(本実施形態では、解繊物)に含まれる非金属物(繊維)の少なくとも一部を、分離するための気流を発生させる気流発生部38を有している。気流発生部38は、例えば、ブロアーであり、気流をノズル39の開口部39aから気流を噴射させることができる。ノズル39の開口部39aは、第1張架ローラー32に張架されたメッシュベルト31の先端部Pa方向に向けられており、ノズル39の開口部39aから噴射された気流を搬送される解繊物に当てることで解繊物に含まれる繊維を第1搬送面31aから容易に分離させることができる。なお、ノズル39の開口部39aから噴射される気流の風速は、風速2m/秒以上が好ましく、解繊物に当てた際に繊維が飛散しない程度の風速に適宜設定を行う。これにより、金属・異物と主成分であるセルロース繊維とを分別することができる。気流発生部は、ブロアーの代わりに、交流電源により駆動するプラズマアクチュエータを用いることもできる。プラズマアクチュエータは、誘電体を挟むように2つの電極を設けた構成をしている。電極に交流電源により発生させた交流電圧を供給すると気流を発生することができる。プラズマアクチュエータはフィルム状のデバイスを構成できるので、従来のファン式の気流発生装置のような大型の装置が不要になり、装置全体を小型にすることができる。
また、古紙処理装置200には、第1搬送面31aよりも鉛直方向下方に設けられた吸引部110と、吸引部110により吸引され、第1搬送面31aのメッシュを通過した通過物を捕集する捕集部111と、を備えている。吸引部110は、解繊部20の排出口24に対向する位置に配置されている。吸引部110は、下方に向く気流(解繊部20からメッシュベルト31に向く気流)を発生させることができる。吸引部110により、解繊物は第1搬送面(メッシュベルト31)を介して吸引される。このとき、解繊物に含まれるトナー等の樹脂粉や、細かな異物等の通過物を吸引して解繊物から除去することができる。吸引部110により吸引された通過物は捕集部111によって捕集される。
次に、古紙処理方法について説明する。なお、本実施形態にかかる古紙処理方法では、上記古紙処理装置200を用いた場合について説明する。図2は、古紙処理方法を示すフローチャートである。
図2に示すように、まず、ステップS11では、粗砕処理を行う。具体的には、粗砕部12により、供給された古紙を粗砕して粗砕物を形成する。
次いで、ステップS12では、解繊処理を行う。具体的には、解繊部20により、粗砕物を解繊して解繊物を形成する。
次いで、ステップS13では、分離処理を行う。具体的には、解繊物を第1搬送面31aに載せて搬送し、第1搬送面31a上の解繊物に対して磁力を生成し、解繊物から金属物を分離する。本実施形態では、第1張架ローラー32が磁石ローラーであり、第1搬送面31a上の解繊物は第1張架ローラー32による磁力を受ける。このとき、解繊物に含まれる金属物は、第1張架ローラー32の磁力によりメッシュベルト31の第1搬送面31aに吸引された状態でメッシュベルト31の下方側まで搬送される。そして、自由落下、或いは除去部37によって掻き取られ、第2収容部35に収容される。
一方、解繊物に含まれる繊維は、非磁性体であるため、第1張架ローラー32の磁力の影響を受けず、第1張架ローラー32にかかるメッシュベルト31の上方部から落下し、落下した繊維は第1収容部34に収容される。また、第1張架ローラー32にかかる部分では解繊物に気流発生部38からの気流が当てられる。これにより、金属物と繊維とが容易に分離される。
また、第1搬送面31aよりも鉛直方向下方に配置された吸引部110により、解繊物に含まれるトナー等の樹脂粉や、細かな異物等が吸引され、これらの通過物は捕集部111によって捕集される。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
解繊物に金属物が含まれる場合であっても、磁石ローラーである第1張架ローラー32の磁力により金属物がメッシュベルト31の第1搬送面31aに吸引されるため、解繊物を磁性体である金属物と非磁性体である繊維とを容易に分離させることができる。さらに、吸引部110により、解繊物に含まれる樹脂等を除去できる。これにより、純度の高い繊維を収容することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。図3は、本実施形態にかかる古紙処理装置の構成を示す概略図である。
次に、第2実施形態について説明する。図3は、本実施形態にかかる古紙処理装置の構成を示す概略図である。
図3に示すように、古紙処理装置200aは、粗砕部12と、解繊部20と、第1搬送部30aと、第2搬送部300と、を備えている。また、第1実施形態と同様にして供給部10が配置されている。なお、供給部10、粗砕部12及び解繊部20の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
第1搬送部30aは、解繊物を第1搬送面31aに載せて搬送するものであり、メッシュベルト31と、第1張架ローラー32と、第2張架ローラー33と、を有している。第1搬送部30aは、解繊部20の排出口24に対応する位置に配置されている。メッシュベルト31は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。メッシュベルト31は、メッシュ状の第1搬送面31aを有し、第1及び第2張架ローラー32,33によって張架され、第1張架ローラー32が自転することによって移動する。これにより、解繊部20の排出口24から排出された解繊物を第1搬送面31aに載せながら搬送可能となる。また、第1搬送部30aは、解繊物を搬送する際の第1搬送面31aがほぼ水平となるように配置されている。そして、図3に示すように、第1張架ローラー32を時計回りに回転させると、メッシュベルト31が時計回りに回転移動し、第1搬送面31aに載せた解繊物が略水平に搬送される。
また、第1搬送面31aよりも鉛直方向下方に吸引部110と、吸引部110により吸引され、第1搬送面31aのメッシュを通過した通過物を捕集する捕集部111と、を備えている。なお、吸引部110及び捕集部111の構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
第2搬送部300は、第1搬送部30aの第1搬送面31aに対向する第2搬送面310aを有している。具体的には、第2搬送部300は、ベルト310と、第3張架ローラー320と、第4張架ローラー330と、を有している。ベルト310は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。ベルト310は、第2搬送面310aを有し、第3及び第4張架ローラー320,330によって張架され、第3張架ローラー320が自転することによって移動する。また、第2搬送部300は、第1搬送面31aと対応する第2搬送面310aとがほぼ平行となるように配置されている。そして、図3に示すように、第3張架ローラー320を反時計回りに回転させると、ベルト310が反時計回りに回転する。
また、本実施形態では、第3張架ローラー320と第4張架ローラー330との距離は、第1搬送部30aの第1張架ローラー32と第2張架ローラー33との距離と同様に設定されている。そして、第2搬送部300は、第1搬送部30aに対して水平方向にずれて配置されている。具体的は、平面視において、第2搬送部300の第4張架ローラー330が第1搬送部30aの第1張架ローラー32と第2張架ローラー33との間に位置するように第2搬送部300が配置されている。従って、第2搬送部300の第2搬送面310aの一部が第1搬送部30aの第1搬送面31aと対向し、第2搬送面310aの他の部分は第1搬送面31aと対向しないように配置されている。
また、第2搬送部300の第2搬送面310aの裏面310b側には磁性生成器としての磁石360が配置されている。磁石360は、第1搬送部30aの第1搬送面31aに対向して配置されている。さらに詳細には、磁石360は、第2搬送部300の第2搬送面310aの一部が第1搬送部30aの第1搬送面31aと対向する領域から第2搬送面310aの他の部分が第1搬送面31aと対向しない領域にかけて配置されている。これにより、第1搬送面31aに対向する領域において磁石360よる磁力(吸引力)により、第1搬送面31aに載って搬送された解繊物に含まれる金属物をベルト310の第2搬送面310a側に吸引(吸着)させることができる。なお、第2搬送面310aにおいて約6000ガウス以上の磁力を備える。これにより、ステンレス鋼等の磁性が弱い金属材も吸引させることができる。一方、繊維(解繊物)は、非金属体(非磁性体)であるため、第2搬送面310a側に吸引されず、第1搬送面31aに載ったまま移動し、第1張架ローラー32を過ぎたところで下方に落下する。これにより、解繊物から金属物を除去することができる。換言すれば、解繊物から金属物を分離し、繊維の純度の高い解繊物を確保することができる。
また、第1張架ローラー32(メッシュベルト31)の下方には、金属物が除去された繊維を収容する第1収容部34が配置されている。具体的には、第1収容部34は、メッシュベルト31の第1張架ローラー32にかかる水平方向の先端部Paの下方に配置されている。また、磁石360の下方には、解繊物から除去された金属物を収容する第2収容部35が配置されている。具体的には、磁石360の下方であって、磁石360が第1搬送面31aと対向しない領域に配置されている。また、磁石360によりベルト310に吸引した吸引物(金属物)を除去するための除去部370が、磁石360の第3張架ローラー320側の端部に配置されている。本実施形態の除去部370は、スクレーパーである。そして、除去部370により、ベルト310に吸引された金属物を掻き落とすことができる。そして、掻き落とされた金属物は、第2収容部35に収容される。
次に、古紙処理方法について説明する。なお、本実施形態にかかる古紙処理方法では、上記古紙処理装置200aを用いた場合について説明する。また、図2を参照して、本実施形態の古紙処理方法を説明する。
まず、ステップS11では、粗砕処理を行う。具体的には、粗砕部12により、供給された古紙を粗砕して粗砕物を形成する。
次いで、ステップS12では、解繊処理を行う。具体的には、解繊部20により、粗砕物を解繊して解繊物を形成する。
次いで、ステップS13では、分離処理を行う。具体的には、解繊物を第1搬送面31aに載せて搬送し、第2搬送面310a側から解繊物に対して磁場を生成する。本実施形態では、第1搬送面31aと第2搬送面310aとが対向する領域において、第2搬送面310aの裏面310bに配置された磁石360により、解繊物に含まれる金属物は磁力を受ける。そして、解繊物に含まれる金属物は、磁石360の磁力によりベルト310の第2搬送面310aに吸引され、吸引された状態で搬送される。そして、ベルト310に吸引された金属物は除去部370によって掻き取られ落下し、第2収容部35に収容される。
一方、解繊物に含まれる繊維は、非磁性体であるため、磁石360の磁力の影響を受けず、メッシュベルト31に載って搬送され、第1張架ローラー32を過ぎたところで落下する。落下した繊維は第1収容部34に収容される。
また、第1搬送面31aよりも鉛直方向下方に配置された吸引部110により、解繊物に含まれるトナー等の樹脂粉や、細かな異物が吸引され、捕集部111によって捕集される。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
解繊物に金属物が含まれる場合であっても、第2搬送面310aの裏面310bに配置された磁石360の磁力により解繊物に含まれる金属物が第2搬送面310aに吸引(吸着)されるため、解繊物を磁性体である金属物と非磁性体である繊維とに容易に分離させることができる。これにより、純度の高い繊維を収容することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。図4は、本実施形態にかかる古紙処理装置の構成を示す概略図である。
次に、第3実施形態について説明する。図4は、本実施形態にかかる古紙処理装置の構成を示す概略図である。
図4に示すように、古紙処理装置200bは、粗砕部12と、選別部400と、解繊部20と、第1搬送部30と、磁場生成器(第1張架ローラー)32と、を備えている。また、第1実施形態と同様にして供給部10、除去部37、吸引部110や気流発生部38等が配置されている。本実施形態の古紙処理装置200bでは、粗砕部12によって形成された粗砕物が選別部400に搬送され、選別部400を通過した粗砕物が解繊部20に搬送される。なお、粗砕部12、解繊部20、第1搬送部30、磁場生成器(第1張架ローラー)32、供給部10、除去部37、吸引部110及び気流発生部38等の構成は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
選別部400は、比重によって粗砕物から金属物を選別するものである。本実施形態の選別部400は、乾式比重分離装置であり、筒部401と、筒部401に粗砕物を投入する開口部402と、筒部401の内部の中空部分に気流を発生させる気流発生部420と、を備えている。また、粗砕部12で形成された粗砕物を開口部402へ搬送するベルトコンベヤー430が配置されている。
気流発生部420は、ブロアーである。そして、気流が排出される排出口420aが上方を向いた状態で、筒部401の内部の下方に配置されている。そして、気流発生部420から発生した気流は排出口420aから筒部401の内部の下方から上方に向けて排出される。このとき、筒部401内部の気流の風速は約20m/sである。これにより、開口部402から供給された粗砕物に含まれる比較的重い金属物が下方に落下し、比較的軽い繊維等は上方に搬送される。すなわち、比重によって粗砕物から比較的重い金属物を選別することができる。なお、下方に落下した金属物は、筒部401において下方に配置された排出口403から排出される。そして、排出された金属物は、排出口403に対応して配置された収容部440に収容される。一方、上方に搬送された粗砕物は、筒部401において上方に配置された排出口404から排出される。なお、選別部400によって選別される金属物は、比較的比重の大きい金属物であり、粗砕物に含まれる微細な金属物を含む全ての金属物を選別される訳ではない。そして、排出された粗砕物は、ホッパー1で受けてから管2を介して、解繊部20に移送(搬送)される。そして、解繊部20は、選別部400により少なくとも一部の金属物が取り除かれた粗砕物を解繊して解繊物を形成する。乾式比重分離装置は、上記のような方法に限らず、エアテーブルと呼ばれる傾斜した盤面(デッキ)を左右に振動させると同時に、デッキ底面から上昇気流を発生させることにより比重選別を行う方法でも良い。
解繊部20を通過した解繊物は、第1搬送部30に移送される。解繊物は、第1搬送部30のメッシュベルト31の第1搬送面31aに載って搬送される。そして、第1張架ローラー32が磁石ローラーなので、搬送された解繊物は、第1張架ローラー32による磁力(吸引力)により、解繊物に含まれる金属物をメッシュベルト31の第1搬送面31a側に吸引(吸着)される。一方、繊維(解繊物)は、非金属(非磁性体)であるため、第1張架ローラー32に吸着せず、下方に落下する。これにより、解繊物から金属物を除去することができる。換言すれば、金属物を繊維から分離することができる。そして、分離された繊維は第1収容部34に収容され、金属物は第2収容部35に収容される。
次に、古紙処理方法について説明する。なお、本実施形態にかかる古紙処理方法では、上記古紙処理装置200bを用いた場合について説明する。図5は、古紙処理方法を示すフローチャートである。
図5に示すように、まず、ステップS21では、粗砕処理を行う。具体的には、粗砕部12により、供給された古紙を粗砕して粗砕物を形成する。
次いで、ステップS22では、選別処理を行う。具体的には、選別部400で粗砕部12に形成された粗砕物から金属物を選別する。本実施形態では、粗砕物を選別部400に投入すると、選別部400の筒部401内部に発生する気流によって、粗砕物に含まれる比較的重い金属物が下方に落下し、収容部440に収容される。一方、粗砕物に含まれる比較的軽い繊維を含む細片は上方に搬送される。これにより、粗砕物から比較的比重の大きい金属物が除去(選別)される。
次いで、ステップS23では、解繊処理を行う。具体的には、選別部400によって選別された粗砕物を解繊部20により解繊して解繊物を形成する。
次いで、ステップS24では、分離処理を行う。具体的には、解繊物を第1搬送面31aに載せて搬送し、第1搬送面31a上の解繊物に吸引力を作用させる。本実施形態では、第1張架ローラー32が磁石ローラーであり、第1搬送面31a上の解繊物は第1張架ローラー32による磁力を受ける。このとき、解繊物に含まれる金属物は、第1張架ローラー32の磁力によりメッシュベルト31の第1搬送面31aに吸引された状態でメッシュベルト31の下方側まで搬送される。そして、自由落下、或いは除去部37によって掻き取られ、第2収容部35に収容される。
一方、解繊物に含まれる繊維は、非磁性体であるため、第1張架ローラー32の磁力の影響を受けず、第1張架ローラー32にかかるメッシュベルト31の上方部から落下し、落下した繊維は第1収容部34に収容される。また、第1張架ローラー32にかかる部分では解繊物に気流発生部38からの気流が当てられる。これにより、第1搬送面31a上の吸引される金属物と繊維とを容易に分離させることができる。
また、第1搬送面31aよりも鉛直方向下方に配置された吸引部110により、解繊物に含まれるトナー等の樹脂粉や、細かな異物が吸引され、捕集部111によって捕集される。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
粗砕物に含まれる比重の大きい金属物と比重の小さい細片とが選別される。これにより、解繊処理前に予め比較的大きな金属物を取り除くことができ、解繊部20の負荷を低減させることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。図6は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。
次に、第4実施形態について説明する。図6は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。
図6に示すように、シート製造装置100は、供給部10と、製造部102と、制御部104と、を備える。製造部102は、シートを製造する。製造部102は、古紙処理装置200と、選別部40と、第1ウェブ形成部45と、回転体49と、混合部50と、堆積部60と、第2ウェブ形成部70と、シート形成部80と、切断部90と、を有している。
供給部10は、粗砕部12に古紙を供給する。なお、供給部10の構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
古紙処理装置200は、粗砕部12と、解繊部20と、第1搬送部30と、磁場生成器(第1張架ローラー)32と、を備え、解繊物に含まれる金属物を除去するものである。なお、古紙処理装置200の構成は、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
また、古紙処理装置200によって金属物が除去された解繊物が収容される第1収容部34には排出口34aが設けられ、当該排出口34aには管3が接続されている。また、管3にはブロアー500が接続されており、ブロアー500から気流を発生させ、第1収容部34に収容された解繊物を選別部40に移送する。
選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物を導入口42から導入し、繊維の長さによって選別する。選別部40としては、例えば、篩(ふるい)を用いる。選別部40は、網(フィルター、スクリーン)を有し、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの、第1選別物)と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマ(網を通過しないもの、第2選別物)と、を分けることができる。例えば、第1選別物は、管7を介して、混合部50に移送される。第2選別物は、排出口44から管8を介して、解繊部20に戻される。具体的には、選別部40は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。選別部40の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
第1ウェブ形成部45は、選別部40を通過した第1選別物を、混合部50に搬送する。第1ウェブ形成部45は、メッシュベルト46と、張架ローラー47と、吸引部(サクション機構)48と、を含む。
吸引部48は、選別部40の開口(網の開口)を通過して空気中に分散された第1選別物をメッシュベルト46上に吸引することができる。第1選別物は、移動するメッシュベルト46上に堆積し、ウェブVを形成する。メッシュベルト46、張架ローラー47および吸引部48の基本的な構成は、後述する第2ウェブ形成部70のメッシュベルト72、張架ローラー74およびサクション機構76と同様である。
ウェブVは、選別部40および第1ウェブ形成部45を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態に形成される。メッシュベルト46に堆積されたウェブVは、管7へ投入され、混合部50へと搬送される。
回転体49は、ウェブVが混合部50に搬送される前に、ウェブVを切断することができる。図示の例では、回転体49は、基部49aと、基部49aから突出している突部49bを有している。突部49bは、例えば、板状の形状を有している。図示の例では、突部49bは4つ設けられ、4つの突部49bが等間隔に設けられている。基部49aが方向Rに回転することにより、突部49bは、基部49aを軸として回転することができる。回転体49によってウェブVを切断することにより、例えば、堆積部60に供給される単位時間当たりの解繊物の量の変動を小さくすることができる。
回転体49は、第1ウェブ形成部45の近傍に設けられている。図示の例では、回転体49は、ウェブVの経路において下流側に位置する張架ローラー47aの近傍に(張架ローラー47aの横に)設けられている。回転体49は、突部49bがウェブVと接触可能な位置であって、ウェブVが堆積されるメッシュベルト46と接触しない位置に設けられている。これにより、メッシュベルト46が突部49bによって磨耗する(破損する)ことを抑制することができる。突部49bとメッシュベルト46との間の最短距離は、例えば、0.05mm以上0.5mm以下である。
混合部50は、選別部40を通過した第1選別物(第1ウェブ形成部45により搬送された第1選別物)と、樹脂を含む添加物と、を混合する。混合部50は、添加物を供給する添加物供給部52と、第1選別物と添加物とを搬送する管54と、ブロアー56と、を有している。図示の例では、添加物は、添加物供給部52からホッパー9を介して管54に供給される。管54は、管7と連続している。
混合部50では、ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、第1選別物と添加物とを混合させながら、搬送することができる。なお、第1選別物と添加物とを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよい。
添加物供給部52としては、図1に示すようなスクリューフィーダーや、図示せぬディスクフィーダーなどを用いる。添加物供給部52から供給される添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む。樹脂が供給された時点では、複数の繊維は結着されていない。樹脂は、シート形成部80を通過する際に溶融して、複数の繊維を結着させる。
添加物供給部52から供給される樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などである。これらの樹脂は、単独または適宜混合して用いてもよい。添加物供給部52から供給される添加物は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
なお、添加物供給部52から供給される添加物には、繊維を結着させる樹脂の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集を防止するための凝集防止剤、繊維等が燃えにくくするための難燃剤が含まれていてもよい。混合部50を通過した混合物(第1選別物と添加物との混合物)は、管54を介して、堆積部60に移送される。
堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合った解繊物(繊維)をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。さらに、堆積部60は、添加物供給部52から供給される添加物の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。これにより、堆積部60は、第2ウェブ形成部70に、混合物を均一性よく堆積させることができる。
堆積部60としては、回転する円筒の篩を用いる。堆積部60は、網を有し、混合部50を通過した混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの)を降らせる。堆積部60の構成は、例えば、選別部40の構成と同じである。
なお、堆積部60の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、堆積部60として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、堆積部60は、堆積部60に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
第2ウェブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、ウェブWを形成する。第2ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、サクション機構76と、を有している。
メッシュベルト72は、移動しながら、堆積部60の開口(網の開口)を通過した通過物を堆積する。メッシュベルト72は、張架ローラー74によって張架され、通過物を通しにくく空気を通す構成となっている。メッシュベルト72は、張架ローラー74が自転することによって移動する。メッシュベルト72が連続的に移動しながら、堆積部60を通過した通過物が連続的に降り積もることにより、メッシュベルト72上にウェブWが形成される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方(堆積部60側とは反対側)に設けられている。サクション機構76は、下方に向く気流(堆積部60からメッシュベルト72に向く気流)を発生させることができる。サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引することができる。これにより、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加物が絡み合うことを防ぐことができる。
以上のように、堆積部60および第2ウェブ形成部70(ウェブ形成工程)を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。メッシュベルト72に堆積されたウェブWは、シート形成部80へと搬送される。
なお、図示の例では、ウェブWを調湿する調湿部78が設けられている。調湿部78は、ウェブWに対して水や水蒸気を添加して、ウェブWと水との量比を調節することができる。
シート形成部80は、メッシュベルト72に堆積したウェブWを加圧加熱してシートSを成形する。シート形成部80では、ウェブWにおいて混ぜ合された解繊物および添加物の混合物に、熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を、互いに添加物(樹脂)を介して結着することができる。
シート形成部80は、ウェブWを加圧する加圧部82と、加圧部82により加圧されたウェブWを加熱する加熱部84と、を備えている。加圧部82は、一対のカレンダーローラー85で構成され、ウェブWに対して圧力を加える。ウェブWは、加圧されることによりその厚さが小さくなり、ウェブWの密度が高められる。加熱部84としては、例えば、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器を用いる。図示の例では、加熱部84は、一対の加熱ローラー86を備えている。加熱部84を加熱ローラー86として構成することにより、加熱部84を板状のプレス装置(平板プレス装置)として構成する場合に比べて、ウェブWを連続的に搬送しながらシートSを成形することができる。ここで、カレンダーローラー85(加圧部82)は、加熱ローラー86(加熱部84)によってウェブWに印加される圧力よりも高い圧力をウェブWに印加することができる。なお、カレンダーローラー85や加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
切断部90は、シート形成部80によって成形されたシートSを切断する。図示の例では、切断部90は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過したシートSを切断する。
以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートS
は、排出部96へと排出される。
は、排出部96へと排出される。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
シート製造装置100に供給される古紙にステープラー針等の金属物が付いている場合であっても、古紙処理装置200によって解繊物から金属物が除去され、繊維の純度が高い解繊物によってシートSが形成される。従って、品質の高いシートSを製造することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。変形例を組み合わせてもよい。
(変形例1)第4実施形態において、シート製造装置100に古紙処理装置200を適用したが、この構成に限定されない。例えば、古紙処理装置200a,200b(第2及び第3実施形態)を適用してもよい。このようにしても上記同様の効果を得ることができる。
10…供給部、12…粗砕部、20…解繊部、30,30a…第1搬送部、31…メッシュベルト、31a…第1搬送面、31b…第1搬送面31aの裏面、32…第1張架ローラー(磁場生成器)、33…第2張架ローラー、34…第1収容部、35…第2収容部、36…仕切部、37…除去部、38…気流発生部、100…シート製造装置、102…製造部、104…制御部、110…吸引部、111…捕集部、200…古紙処理装置、200a…古紙処理装置、200b…古紙処理装置、300…第2搬送部、310…ベルト、310a…第2搬送面、310b…第2搬送面310aの裏面、320…第3張架ローラー、330…第4張架ローラー、360…磁場生成器としての磁石、370…除去部、400…選別部。
Claims (8)
- 古紙を粗砕して粗砕物にするための粗砕部と、
前記粗砕物を解繊して解繊物にするための解繊部と、
前記解繊物を第1搬送面に載せて搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部の前記第1搬送面の裏面側に配置された磁場生成器と、を有することを特徴とする古紙処理装置。 - 古紙を粗砕して粗砕物にするための粗砕部と、
前記粗砕物を解繊して解繊物にするための解繊部と、
前記解繊物を第1搬送面に載せて搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部の前記第1搬送面に対向する第2搬送面を有する第2搬送部と、
前記第1搬送面に対向するように、前記第2搬送部の前記第2搬送面の裏面側に配置された磁場生成器と、を有することを特徴とする古紙処理装置。 - 請求項1または請求項2に記載の古紙処理装置において、
前記第1搬送部の前記第1搬送面はメッシュ状であり、
前記第1搬送面よりも鉛直方向下方に設けられた吸引部と、
前記吸引部により吸引され、前記第1搬送面のメッシュを通過した通過物を捕集する捕集部と、を有することを特徴とする古紙処理装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の古紙処理装置において、
前記磁場生成器により吸引された吸引物を除去するための除去部を有することを特徴とする古紙処理装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の古紙処理装置において、
前記第1搬送部の前記第1搬送面に載せられた載置物に含まれる非金属物の少なくとも一部を、分離させるための気流を発生させる気流発生部を有することを特徴とする古紙処理装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の古紙処理装置において、
比重によって、前記粗砕物から金属物を選別する選別部を有し、
前記解繊部は、前記選別部により少なくとも一部の金属物が取り除かれた粗砕物を解繊することを特徴とする古紙処理装置。 - 古紙を粗砕して粗砕物を形成し、
前記粗砕物を解繊して解繊物に形成し、
前記解繊物を第1搬送面に載せて搬送し、
前記第1搬送面の前記解繊物に対して磁場を生成することを特徴とする古紙処理方法。 - 古紙を粗砕して粗砕物にするための粗砕部と、
前記粗砕物を解繊して解繊物にするための解繊部と、
前記解繊物を第1搬送面に載せて搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部の前記第1搬送面の裏面側に配置された磁場生成器と、を有することを特徴とするシート製造装置。
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WO2018043066A1 (ja) * | 2016-08-31 | 2018-03-08 | セイコーエプソン株式会社 | シート製造装置 |
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