JP2017153552A - 便座昇降装置 - Google Patents

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央樹 根岸
Hisaki Negishi
央樹 根岸
赤間 有祐
Yusuke Akama
有祐 赤間
滋 岩瀬
Shigeru Iwase
滋 岩瀬
後藤 大
Masaru Goto
大 後藤
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Abstract

【課題】便座ユニットを円滑に昇降させることができる便座昇降装置を提供すること。【解決手段】本発明の一態様である便座昇降装置は、洋式便器の便座ユニットを支持した状態で可動する支持部と、洋式便器の便器本体に固定されるフレームと、支持部の可動方向を洋式便器に対する昇降方向に規制するガイド軸と、支持部をガイド軸に沿って昇降させる駆動機構とを備える。フレームは、互いに対向する底板部および天板部を有する。ガイド軸の両端部は、フレームの底板部および天板部に対して固定されている。【選択図】図3

Description

本発明は、洋式便器の便座昇降装置に関する。
従来、洋式便器の分野においては、便座および便蓋等を含み便器本体の上面に設けられる便座ユニットを、この便器本体に対して昇降可能にする便座昇降装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。一般に、便座ユニットのうち便座および便蓋よりも後の部分は、通常、便器本体の後部上面に載置された状態にある。このような便器本体の後部上面と便座ユニットの後部との隙間は極めて狭く、この隙間の部分を清掃しようにも手が入らない。便座昇降装置は、ユーザの操作に応じて、便器本体から便座ユニットを上昇させ、これにより、便器本体の上面略全域を清掃し易い状態にすることができる。
特開2009−106428号公報
近年、洋式便器の多機能化の進行に伴い、便座ユニットの重量が増加する傾向にある。上述した便座昇降装置において、便座ユニットは、モータ駆動力で昇降する可動部材によって支持され、便座ユニットを支持した状態の可動部材は、ガイド軸によって昇降方向に案内される。便座昇降装置が便座ユニットを昇降させる際、この可動部材には、支持した便座ユニットの重量によるモーメントが作用し、このモーメントは、便座ユニットの重量増加に伴い増加する。このようなモーメントの作用により、可動部材が便座ユニットとともに傾いて、ガイド軸に可動部材から偏った力が加わる。この結果、ガイド軸が、可動部材を案内すべき本来の昇降方向から傾いて(倒れて)しまい、便座ユニットを安定して昇降させることが困難になる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、便座ユニットを安定して昇降させることができる便座昇降装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る便座昇降装置は、洋式便器の便座ユニットを昇降させる便座昇降装置において、前記便座ユニットを支持した状態で可動する支持部と、互いに対向する底板部および天板部を有し、前記洋式便器の便器本体に固定されるフレームと、所定の間隔をあけて互いに対向して前記底板部および前記天板部の間に架設され、前記支持部の可動方向を前記洋式便器に対する昇降方向に規制するガイド軸と、前記支持部を前記ガイド軸に沿って昇降させる駆動機構と、を備え、前記ガイド軸の両端部は、前記フレームの前記底板部および前記天板部に対して固定されている。
なお、「便器本体に固定される」フレームとは、フレームが便器本体に直接的に固定される構成と、フレームが便器本体に間接的に固定される構成(例えば、部材を介して固定される場合)と、その双方を包含する。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記ガイド軸は主ガイド軸と副ガイド軸とからなり、前記主ガイド軸および前記副ガイド軸の少なくとも一方の両端部は、前記フレームの前記底板部および前記天板部に対して固定されている。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記主ガイド軸および前記副ガイド軸の少なくとも一方の両端部は、前記フレームの前記底板部および前記天板部に対して螺子によって固定されている。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記駆動機構は、モータと、前記モータの駆動力を伝達する複数の減速歯車と、前記複数の減速歯車によって伝達された前記モータの駆動力を前記支持部に伝達する出力歯車とを有する。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記支持部による被支持状態の前記便座ユニットの重心位置は、前記主ガイド軸と前記副ガイド軸との対向方向における当該便座昇降装置の中心位置よりも前記主ガイド軸側に寄っている。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、被支持状態の前記便座ユニットの重心位置は、前記主ガイド軸と前記副ガイド軸との対向方向における当該便座昇降装置の中心位置と前記主ガイド軸の中心位置との間に位置する。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、被支持状態の前記便座ユニットの重心位置は、前記主ガイド軸と前記副ガイド軸との対向方向における前記主ガイド軸の中心位置と前記出力歯車のピニオン中心位置との間に位置する。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記支持部は、前記副ガイド軸を挿通する挿通部と、前記挿通部の挿通孔と前記副ガイド軸との間に介在して前記挿通部に固定され、前記副ガイド軸に対する摩擦を低減するとともに前記副ガイド軸を摺動可能に挿通する摩擦低減部材と、を備え、前記摩擦低減部材の挿通孔の内周面と前記副ガイド軸の外周面との間には間隙が形成される。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記フレームは、前記便器本体の後ベースを介して前記便器本体に固定され、前記フレームの前記天板部には、前記便器本体の後ベースと前記天板部とを固定する取付フランジが形成される。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記駆動機構は、前記駆動機構のハウジングに前記モータを固定するとともに、前記モータの駆動力を出力するモータ歯車の回転中心と、前記複数の減速歯車のうち前記モータ歯車と噛合する第1歯車の回転中心と、前記複数の減速歯車のうち前記第1歯車と噛合する第2歯車の回転中心との相対的な位置関係を決定するブラケットを備える。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記モータ歯車に対する前記第1歯車の減速比は、前記第1歯車に対する前記第2歯車の減速比に比して大きい。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記駆動機構は、互いに組み付け合うことによって前記駆動機構のハウジングを構成する第1カバーおよび第2カバーを備え、前記第1カバーには、前記第1カバーと前記第2カバーとの対向方向に延在するボス部が形成され、前記第2カバーには、前記第1カバーと前記第2カバーとの対向方向に延在し、前記ボス部と係合する突起部が形成され、前記ボス部および前記突起部は、互いに係合することによって、前記出力歯車および前記複数の減速歯車のうち少なくとも一つの歯車の回転中心としての軸を形成する。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記支持部の可動方向に延在するラックを有し、前記支持部と一体に可動するラック部材をさらに備え、前記ラック部材は、前記主ガイド軸に沿って昇降する際の前記主ガイド軸に対する摩擦を低減する摩擦低減部材を備える。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記ラック部材は、前記ラックと一体に形成され、前記主ガイド軸を挿通した状態で前記主ガイド軸に沿って摺動する摺動部を備え、前記摺動部は、前記ラックの長手方向の中央部に位置する。
また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記駆動機構は、前記便器本体から前記便座ユニットを上昇させる際、前記モータを所定方向に回転駆動させ、これによって発生した前記モータの駆動力を、前記複数の減速歯車を介して前記出力歯車から、前記支持部に伝達し、この伝達した前記モータの駆動力により、前記支持部を前記ガイド軸に沿って上昇させ、前記便座ユニットを支持した状態の前記支持部を最下降位置から最上昇位置まで上昇させて停止し、前記便器本体に向けて前記便座ユニットを下降させる際、前記モータを前記所定方向とは逆方向に回転駆動させ、これによって発生した前記モータの駆動力を、前記複数の減速歯車を介して前記支持部に伝達し、この伝達した前記モータの駆動力により、前記支持部を前記ガイド軸に沿って下降させ、前記便座ユニットを支持した状態の前記支持部を前記最上昇位置から前記最下降位置まで下降させ、前記モータを前記所定方向に回転駆動させて停止する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置を適用した洋式便器の一構成例を示す図である。 図2は、図1に示す洋式便器の便座ユニットを便座昇降装置によって便器本体から上昇させた状態の一例を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置の一構成例を示す斜視図である。 図4は、本発明の実施の形態1における可動プレートの挿通部に設けられたブッシュの挿通孔の一構成例を示す図である。 図5は、図3に示す便座昇降装置をY軸方向負側から見た正面図である。 図6は、図3に示す便座昇降装置のガイド軸構成およびフレーム構成の一例を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置のメインフレームに形成された引き出し孔の部分の一構成例を示す図である。 図8は、メインフレームに対する主ガイド軸の螺子止め固定の一構造例を示す断面模式図である。 図9は、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置のラック部材の一構成例を示す図である。 図10は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置の駆動機構の一内部構成例を示す図である。 図11は、本発明の実施の形態1における駆動機構の出力歯車の軸構成を例示する断面模式図である。 図12は、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置によって昇降され得る状態の便座ユニットの重心位置を説明する図である。 図13は、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置による便座昇降動作を説明する図である。 図14は、本発明の実施の形態1における便座昇降動作時のラックとピニオンとの噛合状態を説明する図である。 図15は、本発明の実施の形態2に係る便座昇降装置の一構成例を示す図である。
本発明に係る便座昇降装置の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。以下の各図面においては、各部材の寸法や、各部材の比率を実際とは異ならせて示す場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置を適用した洋式便器の一構成例を示す図である。図1に例示されるように、洋式便器1は、便器本体2と、便器本体2の後ベース3と、便座ユニット4と、便座昇降装置10とを備える。以降の説明では、便器本体2の上面に平行な面としてX−Y平面を設定し、このX−Y平面における便器本体2の幅方向をX軸方向と表記し、X軸方向に垂直な方向をY軸方向(奥行方向)と表記し、このX−Y平面に垂直な方向をZ軸方向(鉛直方向)と表記する。
なお、図1,2中の互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸の各方向のうち、X軸方向は、洋式便器1の横方向(幅方向)であり、X軸方向正側が右側になり、X軸方向負側が左側になる。Y軸方向は、洋式便器1の前後方向(奥行方向)であり、Y軸方向正側が後側(奥側)になり、Y軸方向負側が前側(手前側)になる。Z軸方向は、洋式便器1の上下方向(鉛直方向)であり、Z軸方向正側が上側になり、Z軸方向負側が下側になる。これらのX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向は、洋式便器1に適用される便座昇降装置10およびその各構成要素についても同様である。
便器本体2は、便鉢等を有する洋式の水洗大便器であり、陶器等の部材によって構成される。便器本体2のZ軸方向正側の端部には、上面2cが形成される。以降の説明では、上面2cのうち、Y軸方向負側(前側)の面を前部上面2aと表記し、Y軸方向正側(後側)の面を後部上面2bと表記する。前部上面2aは、便座5のうちZ軸方向負側の下面に対向する。後部上面2bは、便鉢のY軸方向正側の縁部から、上面2cのY軸方向正側の端部にわたる部分である。後部上面2bは、便座ユニット4のうちY軸方向正側の部分(便座5および便蓋6よりも後側の部分)に覆われている。
後ベース3は、便座ユニット4を昇降させるための便座昇降装置10が取り付けられるベース部材である。後ベース3のZ軸方向負側の底面は、後部上面2bに固定される。図1では図示を省略しているが、後ベース3には、便座昇降装置10に加えて、便器本体2の便鉢内を水洗するための機能部品等(例えばバルブユニット等)が取り付けられている。
便座ユニット4は、便座5と便蓋6と前ベース7とカバー部材8とを含んで構成され、図1に例示されるように、便器本体2の上面2cに配置される。便座5および便蓋6は、各々、便座ユニット4の後部(例えばカバー部材8)に回動自在に支持される。便座5および便蓋6は、各々個別に開閉することも、同時に開閉することも可能である。
なお、便座5には、自身の座面を温めるヒータ装置等の機能部品が内蔵されてもよい。また、便座ユニット4には、便座5および便蓋6が各々自重で閉じる際の回動速度を低速化するダンパー等の機能部品が設けられてもよい。
前ベース7は、洗浄ノズル等の機能部品や便座5に内蔵されたヒータ装置を制御する機能部品等が取り付けられるベース部材である。図1に例示されるように、前ベース7は、後部上面2b上に、後ベース3に対してY軸方向負側に配置され、後ベース3に取り付けられた便座昇降装置10によって昇降可能に支持される。
カバー部材8は、後ベース3と前ベース7と便座昇降装置10とを覆う部材であり、前ベース7に対して固定され、便座5および便蓋6を各々回動自在に支持する。
便座昇降装置10は、便器本体2に対して便座ユニット4を昇降させる装置である。便座昇降装置10は、便器本体2の後ベース3に取り付けられ、便座ユニット4の前ベース7の後部を支持する。図2は、図1に示す洋式便器の便座ユニットを便座昇降装置によって便器本体から上昇させた状態の一例を示す図である。便座昇降装置10は、ユーザからの操作を契機として、便座ユニット4、すなわち、前ベース7と便座5と便蓋6とカバー部材8とを、便器本体2に対してZ軸方向の正側および負側に昇降させる。具体的には、図2に例示される通り、便座昇降装置10は、便座ユニット4を便器本体2に対してZ軸方向正側に上昇させる一方、便座ユニット4を便器本体2に対してZ軸方向負側に下降させる。
便座昇降装置10が、便器本体2に対して便座ユニット4を上昇させた状態にあっては、図2に例示される通り、上面2cと前ベース7(カバー部材8)のZ軸方向負側の底面との間の距離dが大きくなる。これにより、便器本体2と便座ユニット4との間にユーザが手を入れて、前部上面2aから後部上面2bに亘る上面2c略全域を清掃することが容易になる。なお、図2では、便座昇降装置10は、便座5および便蓋6が起立姿勢にある際に便座ユニット4を昇降させている。
他方、便座昇降装置10は、ユーザからの操作を契機として、便座ユニット4が上昇した状態から、便座ユニット4を下降させる。便器本体2に対して便座ユニット4が下降した状態にあっては、図1に例示される通り、上面2cと前ベース7(カバー部材8)のZ軸方向負側の底面との間の距離dは、便座ユニット4が上昇した状態と比較して小さくなる。
(便座昇降装置の構成)
つぎに、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置10の構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置の一構成例を示す斜視図である。図3に例示されるように、便座昇降装置10は、メインフレーム11と、便座ユニット4を昇降させる昇降機構12と、昇降機構12に昇降の駆動力を与える駆動機構20とを含んで構成される。メインフレーム11は、天板部11bと背板部11cと底板部11aとを含んで構成される。天板部11bには、開口部111bと取付フランジ112bと引き出し孔113bとが形成される。昇降機構12は、便座ユニット4を支持する可動プレート13と、駆動機構20からの駆動力によって可動プレート13とともに可動するラック部材14と、可動プレート13およびラック部材14をZ軸方向の正側および負側に案内する主ガイド軸15および副ガイド軸16とを備える。
可動プレート13は、洋式便器1の便座ユニット4を支持し且つ便座ユニット4を支持した状態で可動する支持部として機能する。図3に例示されるように、可動プレート13は、互いにZ軸方向に対向する下支持部13aおよび上支持部13bと、これら下支持部13aおよび上支持部13bのY軸方向正側の各端部に連続する背板部13cと、副ガイド軸16を挿通する挿通部13dとを備える。可動プレート13は、例えば、これらの下支持部13aと上支持部13bと背板部13cと挿通部13dとを一体に有するように、金属材のプレス加工等によって形成される。可動プレート13は、図3に例示されるように、背板部13cから延在する下支持部13aおよび上支持部13bをY軸方向負側に向けるよう配置される。
下支持部13aは、便座ユニット4の前ベース7(図1,2参照)を下方から支持するプレート部分である。上支持部13bは、この前ベース7を上方から支持するプレート部分である。背板部13cは、これら下支持部13aおよび上支持部13bのY軸方向正側の各端部に連続して、Z軸方向に延在するプレート部分である。図3に例示されるように、下支持部13aは、背板部13cのZ軸方向負側の端部全域からY軸方向負側に延在する。この下支持部13aの面積は、便座ユニット4の前ベース7を下支えするに十分な面積に設定される。上支持部13bは、背板部13cのZ軸方向正側の端部における所定領域(例えば過半領域)からY軸方向負側に延在する。この上支持部13bの面積は、図3に例示されるように、下支持部13aに比して極めて狭いが、下支持部13aによる前ベース7の下支えを上方から支援するに十分な面積に設定される。
可動プレート13に便座ユニット4の前ベース7を取り付ける際、背板部13cには前ベース7のY軸方向正側の端面が押し当てられ、この状態において、下支持部13aと前ベース7のZ軸方向負側の端部とが螺子止め等によって固定され、且つ、上支持部13bと前ベース7のZ軸方向正側の端部とが螺子止め等によって固定される。この結果、可動プレート13は、取り付けられた前ベース7のY軸方向正側の端部を把持するように支持し、これにより、前ベース7を介して便座ユニット4を昇降可能に支持する。
また、図3に例示されるように、下支持部13aには、メインフレーム11の底板部11aの固定孔112a,113aとZ軸方向に対向する各部分に、固定孔112aに通じる貫通孔131aと、固定孔113aに通じる貫通孔132aとが形成される。上支持部13bには、下支持部13aの貫通孔131aとZ軸方向に対向する部分に、貫通孔131bが形成される。上支持部13bの貫通孔131bは、下支持部13aの貫通孔131aを介して上述の固定孔112aに通じる。
このような構成を有する可動プレート13は、上支持部13bの貫通孔131bと下支持部13aの貫通孔131aとを介し、底板部11aの固定孔112aの螺子にドライバ等の工具を届かせて、この螺子締めを容易に実現可能にする。且つ、可動プレート13は、下支持部13aの貫通孔132aを介し、底板部11aの固定孔113aの螺子にドライバ等の工具を容易に届かせて、この螺子締めを容易に実現可能にする。これにより、たとえ底板部11aの上方に可動プレート13が存在する状態であっても、可動プレート13の上方から貫通孔131b,131aを介して、固定孔112aの螺子による底板部11aと便器本体2の後ベース3との螺子止めを容易に行うことができる。且つ、可動プレート13の上方から貫通孔132aを介して、固定孔113aの螺子による底板部11aと便器本体2の後ベース3との螺子止めを容易に行うことができる。この結果、可動プレート13の上方からメインフレーム11の底板部11aと便器本体2の後ベース3とを螺子止めによって容易に固定できることから、便座昇降装置10の後ベース3に対する取付手順の自由度および便座昇降装置10の組立手順の自由度を向上することができる。また、可動プレート13が下方に存在するとき、貫通孔131a,132aは、固定孔112a,113aの螺子の頭と下支持部13aとの接触を回避する逃げ孔にもなる。
一方、図3に例示されるように、可動プレート13には、背板部13cの左側端部近傍の後面部に、主ガイド軸15に沿ってZ軸方向の正側および負側に可動なラック部材14が固定される。可動プレート13は、ブッシュ13eとともに挿通部13dを副ガイド軸16に沿ってZ軸方向の正側および負側に移動させながら、主ガイド軸15に沿ってラック部材14とともにZ軸方向の正側および負側に昇降する。
他方、挿通部13dは、可動プレート13のうち副ガイド軸16を挿通する部分である。図3に例示されるように、挿通部13dは、可動プレート13の背板部13cの右側上端部からY軸方向正側へ延在する形状に形成される。挿通部13dには、副ガイド軸16に比して大きい寸法の挿通孔(貫通孔)が形成され、この挿通孔に副ガイド軸16が挿通される。
本実施の形態1において、可動プレート13は、挿通部13dの挿通孔にブッシュ13eを備える。ブッシュ13eは、副ガイド軸16に対する摩擦を低減するとともに副ガイド軸16を摺動可能に挿通する摩擦低減部材として機能する。図3に例示されるように、ブッシュ13eは、副ガイド軸16を挿通した状態で副ガイド軸16に配置される。挿通部13dは、ブッシュ13eを介して副ガイド軸16を挿通した状態で副ガイド軸16に取り付けられる。すなわち、ブッシュ13eは、挿通部13dの挿通孔と副ガイド軸16との間に介在して、スナップ止め等により、挿通部13dに固定される。これにより、ブッシュ13eは、挿通部13dと一体化した状態になる。このような状態の挿通部13dは、ブッシュ13eを介し副ガイド軸16に沿って摺動する。この際、ブッシュ13eは、副ガイド軸16の外周面に対する摩擦を低減しながら、挿通部13dとともに副ガイド軸16の外周面上をZ軸方向の正側および負側に摺動する。
図4は、本発明の実施の形態1における可動プレートの挿通部に設けられたブッシュの挿通孔の一構成例を示す図である。図4に例示されるように、ブッシュ13eは、副ガイド軸16を摺動可能に挿通する挿通孔13fを有し、可動プレート13の挿通部13dの挿通孔内周面と副ガイド軸16の外周面との間に介在している。ブッシュ13eの挿通孔13fの開口寸法は、Y軸方向について副ガイド軸16の外径と同程度(例えばブッシュ13eが副ガイド軸16の外周面を摺動可能に拘束する程度)であり、X軸方向について副ガイド軸16の外径に比して大きい。このようなブッシュ13eの挿通孔13fの内周面と副ガイド軸16の外周面との間には、図4に例示されるように、X軸方向について間隙131f,132fが形成される。
間隙131f,132fは、X軸方向、すなわち、図3に示した主ガイド軸15と副ガイド軸16との対向方向におけるブッシュ13eと副ガイド軸16との接触を回避するためのものである。図4に例示されるように、一方の間隙131fは、ブッシュ13eのX軸方向負側の内周面と副ガイド軸16のX軸方向負側の外周面との間における距離L1の間隙である。他方の間隙132fは、ブッシュ13eのX軸方向正側の内周面と副ガイド軸16のX軸方向正側の外周面との間における距離L2の間隙である。
図5は、図3に示す便座昇降装置をY軸方向負側から見た正面図である。図5中の破線矢印に例示されるように、可動プレート13がX軸方向(水平方向)に対して傾いた際、ブッシュ13eの挿通孔13f(図4参照)におけるX軸方向の正負両側の内周面は、この可動プレート13の傾動に伴い、副ガイド軸16の外周面へ接近するように変位する。図4に示す両側の間隙131f,132fの各距離L1,L2は、この可動プレート13の傾動に伴うブッシュ13eの変位距離に比して大きい。このため、ブッシュ13eは、たとえ可動プレート13がX軸方向に対して傾いたとしても、X軸方向について副ガイド軸16と接触しない。すなわち、これら両側の間隔131f,132fは、主ガイド軸15と副ガイド軸16との対向方向におけるブッシュ13eの内周面と副ガイド軸16の外周面との接触を回避する。この結果、可動プレート13がX軸方向に対して傾くことに起因するブッシュ13eと副ガイド軸16とのコジリが防止される。
図6は、図3に示す便座昇降装置のガイド軸構成およびフレーム構成の一例を示す図である。主ガイド軸15および副ガイド軸16は、可動プレート13の可動方向を洋式便器1に対する昇降方向に直接的または間接的に規制するガイド軸である。例えば、本実施の形態1において、主ガイド軸15および副ガイド軸16は、可動プレート13と一体に可動するラック部材14の可動方向を洋式便器1に対する昇降方向に協働して規制するガイド軸を構成する。図6に例示されるように、主ガイド軸15および副ガイド軸16は、各々、メインフレーム11の底板部11aおよび天板部11bの間に架設される。この際、主ガイド軸15および副ガイド軸16は、各々Z軸方向に起立し、且つ、所定の間隔をあけて互いにX軸方向、すなわち、洋式便器1に対する昇降方向に垂直な方向に対向する(外周面を対向させる)よう設けられる。
また、主ガイド軸15および副ガイド軸16は、図6に例示されるように、各々、メインフレーム11の底板部11aおよび天板部11bに対して螺子止め固定される。この際、主ガイド軸15のZ軸方向負側の端部は、固定螺子17aによって底板部11aにZ軸方向負側から螺子止めされ、主ガイド軸15のZ軸方向正側の端部は、固定螺子17bによって天板部11bにZ軸方向正側から螺子止めされる。同様に、副ガイド軸16のZ軸方向負側の端部は、固定螺子17cによって底板部11aにZ軸方向負側から螺子止めされ、副ガイド軸16のZ軸方向正側の端部は、固定螺子17dによって天板部11bにZ軸方向正側から螺子止めされる。
主ガイド軸15は、駆動機構20からの駆動力によって可動するラック部材14をZ軸方向の正側および負側に案内するとともに、ラック部材14のX軸方向の正負両側への移動と、ラック部材14のY軸方向の正負両側への移動とを抑制する。副ガイド軸16は、ラック部材14と一体に可動する可動プレート13の挿通部13dおよびブッシュ13eをZ軸方向の正側および負側に案内するとともに、可動プレート13の主ガイド軸15回りの回転を抑制する。この可動プレート13の回転抑制を通して、副ガイド軸16は、ラック部材14の主ガイド軸15回りの回転を抑制する。このような主ガイド軸15および副ガイド軸16は、互いに協働して、可動プレート13およびラック部材14の可動方向を、洋式便器1に対する昇降方向、例えば、Z軸方向の正側および負側に規制する。
メインフレーム11は、便座昇降装置10を構成する各種部品が取り付けられるフレームであり、例えば、金属材のプレス加工等によって一体的に形成される。図6に例示されるように、メインフレーム11は、天板部11bと背板部11cと底板部11aとが相互に連結されたコの字状の部材である。背板部11cは、主ガイド軸15および副ガイド軸16よりもY軸方向正側に配置され、Z軸方向に延在する。天板部11bは、背板部11cのうちZ軸方向正側の周縁からY軸方向負側に延在する。底板部11aは、背板部11cのうちZ軸方向負側の周縁からY軸方向負側に延在する。天板部11bおよび底板部11aは、互いにZ軸方向に対向する。
図6に例示されるように、底板部11aには、開口部111aと、固定孔112a,113aとが形成されている。開口部111aは、図3に示すラック部材14のラック下端部(後述するラック14aの下端部)を挿入可能な貫通孔であり、Z軸方向にラック部材14のラック下端部と対向する。図6に例示されるように、開口部111aは、底板部11aのX軸方向負側の端部近傍に、ラック部材14のラック形状に対応する形状(本実施の形態1では矩形状)をなすよう形成される。この開口部111aには、Z軸方向の正側および負側に昇降可能なラック部材14が最下降位置にある際にラック部材14のラック下端部が入る。
一方、固定孔112a,113aは、便座昇降装置10を洋式便器1の後ベース3に取り付ける際にメインフレーム11の底板部11aと後ベース3とを螺子止めによって固定するための貫通孔である。図6に例示されるように、固定孔112a,113aは、底板部11aのY軸方向負側の端部近傍に、X軸方向に並ぶよう形成される。固定孔112a,113aには、各々、螺子が挿通され、これらの螺子止めにより、底板部11aと後ベース3とが固定される。この結果、メインフレーム11が後ベース3に固定される。
背板部11cは、互いにZ軸方向に対向する底板部11aおよび天板部11bのY軸方向正側の各端部に連続して、Z軸方向に延在するフレーム部分である。図6に例示されるように、背板部11cの内側表面(すなわち背板部11cのY軸方向負側の表面)には、駆動機構20が螺子止め等によって取り付けられ、固定される。
天板部11bには、図6に例示されるように、開口部111bと、取付フランジ112bと、引き出し孔113bとが形成されている。開口部111bは、図3に示すラック部材14のラック上部を挿通可能なものである。図6に例示されるように、開口部111bは、天板部11bのうち上述した底板部11aの開口部111aとZ軸方向に対向する部分に、ラック部材14のラック形状に対応する形状をなすよう形成される。本実施の形態1では、開口部111bは、天板部11bの左側前端部に、矩形状をなすよう形成される。この開口部111bには、ラック部材14がZ軸方向の正側および負側に昇降している際にラック部材14の上部(後述する上側ラック141a)が出入りする。
取付フランジ112bは、洋式便器1の後ベース3とメインフレーム11の天板部11bとを固定するためのものである。具体的には、図6に例示されるように、取付フランジ112bは、天板部11bのY軸方向正側の端部からY軸方向正側へ延在する形状に形成される。取付フランジ112bは、便座昇降装置10を洋式便器1の後ベース3に取り付けるためにメインフレーム11が後ベース3に配置された際、後ベース3の所定部分に当接し、螺子止め等により、後ベース3に固定される。これら取付フランジ112bと後ベース3との固定により、天板部11bと後ベース3とが直に固定される。この結果、メインフレーム11と後ベース3との取付強度、すなわち、便座昇降装置10の後ベース3への取付強度が強化される。
引き出し孔113bは、駆動機構20の配線20aを引き出す貫通孔である。図7は、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置のメインフレームに形成された引き出し孔の部分の一構成例を示す図である。図7に例示されるように、引き出し孔113bは、天板部11bと背板部11cとの連続する周縁部分に形成される。引き出し孔113bからは、メインフレーム11に取り付けられた状態の駆動機構20の配線20aが引き出される。なお、この引き出し孔113bの形成位置は、配線20aの引き出し位置に合わせて設定されればよく、本発明において特に問われない。
また、図7に例示されるように、引き出し孔113bの板金切断面と引き出し孔113bから引き出される配線20aとの間には、リブ22aが設けられる。リブ22aは、駆動機構20の第2カバー22からY軸方向正側に延在して引き出し孔113bの板金切断面の所定部分を覆うように、第2カバー22に形成される。リブ22aは、引き出し孔113bの板金切断面と配線20aとの間を遮り、これにより、引き出し孔113bの板金切断面と配線20aとの接触を防止する。この結果、リブ22aは、引き出し孔113bの板金切断面との接触に起因する配線20aの破損を防止する。
一方、上述したメインフレーム11に主ガイド軸15および副ガイド軸16を螺子止め固定する締結部材としての固定螺子17a〜17dは、通常のビス等の螺子部材であってもよいが、メインフレーム11に対する主ガイド軸15および副ガイド軸16の固定位置の精度を高めるという観点から、皿ビスまたは段付き螺子であることが望ましい。図8は、メインフレームに対する主ガイド軸の螺子止め固定の一構造例を示す断面模式図である。図8では、固定螺子17a〜17dを用いたメインフレーム11の底板部11aおよび天板部11bと主ガイド軸15および副ガイド軸16との螺子止め固定を代表して、固定螺子17bによる天板部11bと主ガイド軸15の上端部(Z軸方向正側の端部)との螺子止め固定構造を例示する。
図8に例示されるように、固定螺子17bは、螺子頭171bに比してZ軸方向負側の部分(螺子頭171bと螺子山との間の部分)に段差部172bを有する段付き螺子である。段差部172bは、螺子頭171b側からZ軸方向負側(螺子山側)に向かって外径が小さくなる同心円状の段差を形成する部分である。
一方、メインフレーム11の天板部11bには、図8に例示されるように、固定螺子17bを位置精度よく挿通するための係合孔115bと凹部116bとが形成されている。図8に例示されるように、係合孔115bは、主ガイド軸15の上端側(Z軸方向正側)の螺子穴15bに連通する貫通孔である。凹部116bは、天板部11bの上端面(Z軸方向正側の表面)に対してZ軸方向負側に凹んだ部分であり、例えば係合孔115bと同心円状に形成される。
図8に例示されるように、固定螺子17bが天板部11bの係合孔115bを通って主ガイド軸15の螺子穴15bに締結される際、固定螺子17bの段差部172bは、係合孔115bと係合する。これにより、固定螺子17bは、その長手方向の螺子中心軸(Z軸方向の中心軸)と係合孔115bの中心軸とが一致するように位置決めされる。このような固定螺子17bを螺子穴15bに締結することにより、主ガイド軸15は、その長手方向のガイド軸中心(Z軸方向の中心軸)と係合孔115bの中心軸とが一致するように位置決めされるとともに、固定螺子17bによって天板部11bに螺子止め固定される。この結果、天板部11bに対する主ガイド軸15の取付位置が高精度に決定される。
また、主ガイド軸15および副ガイド軸16には、便座ユニット4の荷重が常にY軸方向負側に作用しているが、この荷重を螺子穴15b部分と、さらに段差部172bと係合孔115bとが面直に接して受け止める構造となるため、主ガイド軸15および副ガイド軸16双方の両端部が螺子止め固定されたメインフレーム11の構造の強度・耐久性の向上も期待できる。
また、図8に例示されるように、固定螺子17bの螺子頭171bは、天板部11bを介した固定螺子17bと主ガイド軸15(螺子穴15b)との締結完了とともに、凹部116b内に収まる。これにより、天板部11bから外部(Z軸方向正側)への螺子頭171bの出っ張りが抑制される。この結果、メインフレーム11の高さを抑制することができ、このことから、便座昇降装置10の小型化を促進することができる。
上述した図8に例示される螺子止め固定の構造および作用効果は、残りの固定螺子17aによる主ガイド軸15のZ軸方向負側の端部と底板部11aとの螺子止め固定、固定螺子17cによる副ガイド軸16のZ軸方向負側の端部と底板部11aとの螺子止め固定、並びに固定螺子17dによる副ガイド軸16のZ軸方向正側の端部と天板部11bとの螺子止め固定においても同様である。また、固定螺子17a〜17dとして段付き螺子を用いることによる上述の作用効果は、固定螺子17a〜17dとして皿ビスを用いた場合も同様に享受することができる。
本実施の形態1では、主ガイド軸15および副ガイド軸16を、各々、メインフレーム11の底板部11aおよび天板部11bに対して螺子止め固定している。その結果、メインフレーム11と主ガイド軸15および副ガイド軸16によるボックス構造化により構造強度の向上を実現することができ、主ガイド軸15および副ガイド軸16の倒れを防止することができる。これにより、被支持状態の便座ユニット4の安定した昇降を実現することが可能となる。
さらに、本実施の形態1では、固定螺子17a〜17dとして皿ビスまたは段付き螺子を用いることにより、メインフレーム11に対する主ガイド軸15および副ガイド軸16の各取付位置の精度が向上する。すなわち、主ガイド軸15および副ガイド軸16は、メインフレーム11における各目標位置に精度よく位置決めされた状態で螺子止め固定される。この結果、メインフレーム11と主ガイド軸15および副ガイド軸16とが精度よくボックス構造化し、これにより、メインフレーム11の高い構造強度および高耐久性を確保できるとともに、メインフレーム11に対する主ガイド軸15および副ガイド軸16のガタつきを抑制することができる。
なお、ボックス構造化は主ガイド軸15と副ガイド軸16とのいずれかを固定することで実現でき、主ガイド軸15と副ガイド軸16との両者を固定すると、さらなる効果を得ることが可能となる。また、皿ビスまたは段付き螺子は、少なくともラック部材14に近い主ガイド軸15の固定に利用することで、位置決め精度の効果が得られる。
さらには、上述したように副ガイド軸16を挿通部13dに挿通する可動プレート13と主ガイド軸15を摺動部14bに挿通するラック部材14との相対的な位置関係が狙い通りになるとともに、可動プレート13と一体の状態にあるラック部材14と駆動機構20の最終歯車との相対的な位置関係が狙い通りになる。故に、これらのラック部材14の歯部(後述するラック14aの歯部)と最終歯車の歯部(後述する出力歯車28のピニオン28bの歯部)とが狙い通りに噛合し得る状態になる。このようにラック部材14と駆動機構20の最終歯車との噛合精度を確保することにより、可動プレート13とともにラック部材14を昇降させる駆動機構20の駆動力を最終歯車からラック部材14へ安定して出力することができる。
また、固定螺子17a〜17dとして皿ビスまたは段付き螺子を用いてメインフレーム11に対する主ガイド軸15および副ガイド軸16の各取付位置の精度を高めることにより、可動プレート13に支持された状態の便座ユニット4の高い位置精度を確保することができる。これにより、この可動プレート13のY軸回りの傾動を抑制して、前ベース7と後ベース3との接触を防止し、さらには、この便座ユニット4を、便器本体2に対して上下方向(Z軸方向の正側および負側)にズレ無く(すなわち高品位に)昇降させることができる。また、便座ユニット4の荷重を段差部172bおよび係合孔115bでも受け止めることができるため、メインフレーム11の構造の更なる強度・耐久性の向上も期待できる。
一方、ラック部材14は、昇降対象の便座ユニット4を支持した状態で可動する支持部としての機能を有する可動プレート13と一体に可動する部材である。図9は、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置のラック部材の一構成例を示す図である。図9に例示されるように、ラック部材14は、可動プレート13の可動方向(本実施の形態1ではZ軸方向)に延在するラック14aと、主ガイド軸15に沿って摺動する摺動部14bとを有する。
ラック14aは、駆動機構20の最終歯車(後述する出力歯車28のピニオン28b)と噛合する歯部を有する棒状部材である。この歯部は、ラック14aにおける摺動部14bとは反対側の部分に、ラック14aの長手方向(図9ではZ軸方向)に複数の歯が並ぶように形成される。ラック14aは、自身の歯部(複数の歯)と駆動機構20の最終歯車とを噛合させることにより、駆動機構20からの駆動力を受ける。また、本実施の形態1において、ラック14aは、図9に例示されるように、上側ラック141aおよび下側ラック141bを有する。上側ラック141aは、ラック14aのうち摺動部14bよりもZ軸方向正側に延在する部分である。下側ラック141bは、ラック14aのうち摺動部14bよりもZ軸方向負側に延在する部分である。
摺動部14bは、上述した主ガイド軸15の外周面上を摺動する部材である。図9に例示されるように、摺動部14bは、ラック14aの歯部とは反対側の部分に一体形成される。摺動部14bには、主ガイド軸15(図5参照)を挿通する挿通孔14cが形成される。挿通孔14cは、ラック14aの長手方向に平行な貫通孔である。摺動部14bは、挿通孔14cに主ガイド軸15を挿通した状態で、主ガイド軸15に沿ってラック14aと一体に摺動する。
また、本実施の形態1において、ラック部材14は、図9に例示されるように、摺動部14bの挿通孔14cにブッシュ14dを備える。ブッシュ14dは、ラック部材14が主ガイド軸15に沿って昇降する際の主ガイド軸15に対する摩擦を低減する摩擦低減部材として機能する。摺動部14bは、ブッシュ14dを挿通孔14cの内周面と主ガイド軸15の外周面との間に介在させた状態で主ガイド軸15に沿って摺動する。この際、ブッシュ14dは、主ガイド軸15の外周面に対する摩擦を低減しながら、摺動部14bとともに主ガイド軸15の外周面上をZ軸方向の正側および負側に摺動する。なお、ブッシュ14dは、図9に例示されるように摺動部14bの挿通孔14cにおけるZ軸方向の正負両側に設けられてもよいし、この挿通孔14cにおけるZ軸方向の正側または負側のいずれかに設けられてもよい。あるいは、ブッシュ14dは、この挿通孔14cの全域に亘って設けられてもよい。
このようなラック部材14は、摺動部14bの挿通孔14cに主ガイド軸15を挿通した状態で主ガイド軸15に取り付けられる。この際、ラック部材14は、図9に例示されるように、X軸方向正側にラック14aが配置され且つX軸方向負側に摺動部14bが配置された状態になる。この状態において、ラック部材14は、後述する図10に例示されるように、自身に対してX軸方向正側に配置される駆動機構20の最終歯車とラック14aの歯部とを噛合させる。
また、ラック部材14は、上述した可動プレート13のY軸方向正側の端面部に固定され、この可動プレート13と一体に可動する。詳細には、ラック部材14は、ラック14aと駆動機構20の最終歯車との噛合によって駆動機構20から付与された駆動力により、ブッシュ14dとともに摺動部14bを主ガイド軸15に沿って摺動させながら、可動プレート13とともにZ軸方向の正側および負側に昇降する。ラック部材14は、主ガイド軸15に沿って可動プレート13とともに昇降している際、必要に応じて上側ラック141aを、上述した天板部11bの開口部111bから出し入れする。一方、ラック部材14は、主ガイド軸15に沿って可動プレート13とともに最下降位置まで降下した際、上述した底板部11aの開口部111aに下側ラック141bを挿入する。すなわち、下側ラック141bの下端面(Z軸方向負側の端面)は、ラック部材14が最下降位置にある際、底板部11aの開口部111aに入り、この底板部11aの内側表面(Z軸方向正側の底板表面)よりも下方に位置する。
一方、駆動機構20は、昇降対象の便座ユニット4を支持した状態で可動する支持部としての機能を有する可動プレート13と一体に可動するラック部材14に対し、昇降の駆動力を付与する機構である。駆動機構20は、図3に例示した第1カバー21および第2カバー22を備える。第1カバー21は、駆動機構20の歯車回転軸方向の上側(Y軸方向負側)のカバー部材である。第2カバー22は、駆動機構20の歯車回転軸方向の下側(Y軸方向正側)のカバー部材である。第1カバー21および第2カバー22は、互いに組み付け合うことによって、駆動機構20のハウジングを構成する。図10は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置の駆動機構の一内部構成例を示す図である。駆動機構20は、このハウジング内に、図10に例示されるような内部部品を備える。
具体的には、図10に例示されるように、駆動機構20は、ハウジング内に、モータ23と、モータ23等を取り付けるためのブラケット24と、複数の減速歯車としての第1歯車25、第2歯車26、および第3歯車27と、最終歯車としての出力歯車28とを備える。
モータ23は、ステッピングモータ等の正負双方向に回転可能な電子部品である。図10に例示されるように、モータ23は、正負双方向に回転可能な駆動軸としての出力軸23aと、小径のモータ歯車23bとを有する。モータ23は、出力軸23aに取り付けられた状態のモータ歯車23bをY軸方向負側へ向けるように、第2カバー22の所定部位に配置される。モータ23は、配線20aを介して電力を供給され、これにより、モータ歯車23bとともに出力軸23aを回転させて駆動力を発生させる。図10に例示されるように、モータ歯車23bは、第1歯車25と噛合した状態にあり、出力軸23aと一体に回転してモータ23の駆動力を第1歯車25に伝達する。
ブラケット24は、モータ23の取り付け等を行うための部材である。図10に例示されるように、ブラケット24は、モータ歯車23bをY軸方向負側(第2カバー22とは反対側)へ向けた態様のモータ23を第2カバー22に押し付け、この状態で螺子止め等によって第2カバー22に取り付けられる。また、図10に例示されるように、ブラケット24には第1歯車25が取り付けられ、ブラケット24のZ軸方向負側の端部が第2歯車26の回転中心としての軸29bに取り付けられる。このようなブラケット24は、駆動機構20のハウジングにモータ23を固定するとともに、モータ23の駆動力を出力するモータ歯車23bの回転中心と、複数の減速歯車のうちモータ歯車23bと噛合する第1歯車25の回転中心と、複数の減速歯車のうち第1歯車25と噛合する第2歯車26の回転中心と、の相対的な位置関係を決定する。
第1歯車25、第2歯車26、および第3歯車27は、モータ23の駆動力を減速してトルクを高めながら伝達する複数の減速歯車の一例である。本実施の形態1において、これらの第1歯車25、第2歯車26、および第3歯車27は、図10に例示されるように、モータ23および出力歯車28(最終歯車)に比してZ軸方向負側に配置される。
詳細には、図10に例示されるように、第1歯車25は、モータ歯車23bに比して大径の減速歯車であり、モータ歯車23bの左下側に配置される。本実施の形態1において、第1歯車25は、ブラケット24に形成された軸29aによって回転自在に支持される。この結果、第1歯車25の回転中心とモータ歯車23bの回転中心(すなわち出力軸23a)との相対的な位置関係が、ブラケット24によって高精度に決められる。このような第1歯車25は、図10に例示されるように、モータ歯車23bおよび後述の第2歯車26の双方と噛合した状態にある。第1歯車25は、モータ歯車23bから伝達されたモータ23の駆動力を、減速してトルクを高めながら第2歯車26に伝達する。
第2歯車26は、第1歯車25に比して大径に形成される大径歯車と当該大径歯車に比して小径に形成される小径歯車とを有する減速歯車である。図10に例示されるように、第2歯車26は、第1歯車25の左下側に配置される。本実施の形態1において、第2歯車26は、第2カバー22に形成された軸29bによって回転自在に支持される。この軸29bには、図10に例示されるように、ブラケット24のZ軸方向負側の端部が取り付けられている。この結果、第2歯車26の回転中心と第1歯車25の回転中心とモータ歯車23bの回転中心との相対的な位置関係が、ブラケット24によって高精度に決められる。このような第2歯車26は、図10に例示されるように、第1歯車25および後述の第3歯車27の双方と噛合した状態にある。すなわち、第2歯車26の大径歯車は第1歯車25と噛合した状態にあり、第2歯車26の小径歯車は第3歯車27と噛合した状態にある。第2歯車26は、第1歯車25から伝達されたモータ23の駆動力を、更に減速してトルクを高めながら第3歯車27に伝達する。
本実施の形態1において、上述したモータ歯車23b、第1歯車25、および第2歯車26の各歯車間における減速比は、所定の大小関係を満足するよう設定される。詳細には、モータ歯車23bに対する第1歯車25の減速比は、第1歯車25に対する第2歯車26の減速比に比して大きい値に設定される。これにより、モータ23の駆動力をモータ歯車23bから直に受ける減速歯車である第1歯車25の回転数が、可能な限り低減される。この結果、第1歯車25の後段においてモータ23の駆動力を伝達する第2歯車26、第3歯車27、および出力歯車28の各回転数が適度に低減されるので、これら複数の歯車の噛み合う歯同士の衝突音(ギアたたき音)が可能な限り低減される。
第3歯車27は、図10に例示されるように、第2歯車26の小径歯車(図示せず)に比して大径に形成される大径歯車27aと、この大径歯車27aに比して小径に形成される小径歯車27bとを有する減速歯車である。第3歯車27は、第2歯車26と後述の出力歯車28との間、具体的には、第2歯車26の左上側であり且つ出力歯車28の右下側である部位に配置される。本実施の形態1において、第3歯車27は、第2カバー22に形成された軸29cによって回転自在に支持される。このような第3歯車27は、図10に例示されるように、第2歯車26および出力歯車28の双方と噛合した状態にある。すなわち、第3歯車27の大径歯車27aは第2歯車26の小径歯車と噛合した状態にあり、第3歯車27の小径歯車27bは出力歯車28と噛合した状態にある。第3歯車27は、第2歯車26から伝達されたモータ23の駆動力を、更に減速してトルクを高めながら出力歯車28に伝達する。
出力歯車28は、複数の減速歯車によって伝達されたモータ23の駆動力をラック部材14のラック14aに伝達する最終歯車である。図10に例示されるように、出力歯車28は、第3歯車27の小径歯車27bに比して大径に形成される大径歯車28aと、この大径歯車28aに比して小径に形成される小径歯車であるピニオン28bとを有する。出力歯車28は、第3歯車27の左上側であり且つラック14aの近傍の部位に配置され、軸29dによって回転自在に支持される。また、出力歯車28は、モータ23とX軸方向に並んで配置されている。この際、出力歯車28は、モータ23と同じ高さ位置に配置されてもよい。すなわち、出力歯車28の軸29dは、モータ23の出力軸23aと同じ高さ位置に配置されてもよい。このような出力歯車28は、図10に例示されるように、第3歯車27およびラック14aの双方と噛合した状態にある。すなわち、出力歯車28の大径歯車28aは第3歯車27の小径歯車27bと噛合した状態にあり、出力歯車28のピニオン28bはラック14aと噛合した状態にある。出力歯車28は、第3歯車27から大径歯車28aに伝達されたモータ23の駆動力を、更に減速してトルクを高めながら、ピニオン28bからラック14aに伝達する。
上述したような構成を有する駆動機構20は、図10に例示されるように、メインフレーム11の背板部11cの内側表面に取り付けられて主ガイド軸15と副ガイド軸16との間に位置する。この駆動機構20において、出力歯車28のピニオン28bは、主ガイド軸15に摺動可能に取り付けられたラック部材14のラック14aと噛合した状態になる。駆動機構20は、このようなピニオン28bからラック14aに伝達されるモータ23の駆動力により、上述した可動プレート13とともにラック部材14を主ガイド軸15に沿ってZ軸方向の正側および負側に昇降させる。
一方、駆動機構20は、上述した各構成部の他に、出力歯車28の回転数および回転角度等を検出するセンサ等の検出機構を備える。駆動機構20のハウジング内には、上述の検出機構のセンサやモータ23等の電子部品と電気的に接続される導通線が複数配設されている。これら複数の導通線を束ねた状態の配線20aは、図10に例示されるように、メインフレーム11に形成された引き出し孔113bを介して、駆動機構20のハウジング内側(第2カバー22側)からメインフレーム11の外側へ引き出される。
また、特に図示しないが、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置10は、便座ユニット4を支持する可動プレート13と一体に昇降するラック部材14が最高位置まで上昇した状態を解除可能に保持(ロック)するロック機構を備える。一方、便座昇降装置10の昇降動作を制御する制御装置(図示せず)は、例えば便座ユニット4の前ベース7(図1,2参照)に搭載される。駆動機構20の配線20aは、この制御装置に対して電気的にコネクタ接続される。便座昇降装置10の昇降動作を操作する操作スイッチ等の操作装置(図示せず)は、例えば便座ユニット4のカバー部材8や別体の無線通信装置等に設けられる。
他方、図10に例示する出力歯車28の回転中心となる軸29dは、駆動機構20のハウジングを構成する第1カバー21(図3参照)と第2カバー22との組み付けによって形成される。図11は、本発明の実施の形態1における駆動機構の出力歯車の軸構成を例示する断面模式図である。図11に例示されるように、駆動機構20のハウジングを構成する第1カバー21および第2カバー22のうち、第1カバー21には、第1カバー21の内壁面から第1カバー21と第2カバー22との対向方向に延在するボス部291dが形成されている。第2カバー22には、第2カバー22の内壁面から第1カバー21と第2カバー22との対向方向に延在する突起部292dが形成されている。本実施の形態1において、第1カバー21と第2カバー22との対向方向は、組み付け合う第1カバー21と第2カバー22とが互いに対向する方向である。駆動機構20がメインフレーム11に取り付けられた状態において、第1カバー21と第2カバー22との対向方向は、Y軸方向に平行な方向となる。
ボス部291dは、出力歯車28のピニオン28bの中心孔に挿入可能な円筒形状に形成される。図11に例示されるように、ボス部291dの先端部には凹部が形成される。突起部292dは、出力歯車28の中心孔に挿入可能な円筒形状に形成される。図11に例示されるように、突起部292dの先端部には、ボス部291dの凹部と嵌合可能な凸部が形成される。この突起部292dを挿入する出力歯車28の中心孔は、図11に例示されるように、出力歯車28のうち大径歯車28aに対してピニオン28bとは反対側に形成される回転中心の孔であり、ピニオン28bの中心孔に連通する。
第1カバー21と第2カバー22とを組み付けて駆動機構20のハウジングを構成する際、図11に例示されるように、出力歯車28の中心孔に挿入した状態の突起部292dは、自身先端の凸部を、ピニオン28bの中心孔に挿入した状態のボス部291dの凹部に嵌め入れる。このようにして、上記状態の突起部292dは、上記状態のボス部291dと係合する。これらのボス部291dおよび突起部292dは、図11に例示されるように、互いに係合することによって、出力歯車28の回転中心としての軸29dを形成する。これとともに、ボス部291dおよび突起部292dは、第1カバー21と第2カバー22との組み付け時の相対的な位置関係を決定する。これらの結果、第1カバー21および第2カバー22における軸29d以外の他の部位(部品)の寸法精度の影響を受けず、軸29dの同軸度を確保することができる。
(便座ユニットの重心位置)
つぎに、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置10によって昇降され得る状態にある便座ユニット4の重心位置について説明する。図12は、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置によって昇降され得る状態の便座ユニットの重心位置を説明する図である。図12には、上方から見た便座昇降装置10が模式的に図示されている。また、便座昇降装置10に支持された状態の便座ユニット4は、ブロック化して図示されている。
便座昇降装置10は、可動プレート13に便座ユニット4(具体的には前ベース7の後部)が取り付けられることにより、便座ユニット4を可動プレート13によって昇降可能に支持する。この際、便器本体2の後ベース3(図1,2参照)に対する便座昇降装置10の組み付け位置の制約に起因して、便座ユニット4は、自身の重心が便座昇降装置10の中心に対して偏った状態で可動プレート13に取り付けられる。
本実施の形態1では、図12に例示されるように、便座ユニット4は、例えば便座昇降装置10に対してX軸方向負側に偏った状態で、可動プレート13に支持されている。このように可動プレート13によって支持された状態にある便座ユニット4(以下、この状態の便座ユニット4を「被支持状態の便座ユニット4」と適宜いう)は、自身の重心を、可動プレート13のX軸方向の中心に対し一致させておらず、X軸方向負側へ偏らせている。このような被支持状態の便座ユニット4の重心位置P10は、図12に例示されるように、便座昇降装置10の中心位置P11よりも主ガイド軸15側に寄っている。
ここで、被支持状態の便座ユニット4の重心位置P10は、X軸方向における便座ユニット4の重心の位置である。便座昇降装置10の中心位置P11は、X軸方向における便座昇降装置10の中心の位置であり、例えば、主ガイド軸15の中心位置P12と副ガイド軸16の中心位置P13との間の中心位置として定義される。主ガイド軸15の中心位置P12は、X軸方向における主ガイド軸15の中心の位置である。副ガイド軸16の中心位置P13は、X軸方向における副ガイド軸16の中心の位置である。また、主ガイド軸15および副ガイド軸16は、各々の外周面をX軸方向に対向させた状態にして、互いにX軸方向に対向している。これら主ガイド軸15と副ガイド軸16との対向方向は、X軸方向とみなせる。すなわち、被支持状態の便座ユニット4の重心位置P10は、主ガイド軸15と副ガイド軸16との対向方向における便座昇降装置10の中心位置P11よりも主ガイド軸15側に寄っている。
上述したように便座昇降装置10および主ガイド軸15の各中心位置P11,P12と被支持状態の便座ユニット4の重心位置P10との相対関係を設定することにより、X軸方向について被支持状態の便座ユニット4および可動プレート13の荷重(以下、「昇降体荷重」と適宜いう)の釣り合いをとることが可能となる。これにより、被支持状態の便座ユニット4および可動プレート13がX軸方向(水平方向)に対してY軸回りに傾く現象(以下、「昇降体傾動」と適宜いう)が抑制される。この結果、便座昇降装置10は、ピニオン28bに対するラック14aの傾きと主ガイド軸15に対する摺動部14bの傾きとを抑制しながらラック部材14を主ガイド軸15に沿って円滑に昇降させるとともに、可動プレート13の挿通部13dおよびブッシュ13eを副ガイド軸16に沿って円滑に昇降させることが可能となる。すなわち、便座昇降装置10は、被支持状態の便座ユニット4をZ軸方向の正側および負側へ円滑に昇降させることが可能となる。
また、上述した昇降体傾動の抑制効果を高めるという観点から、図12に例示されるように、被支持状態の便座ユニット4の重心位置P10は、主ガイド軸15と副ガイド軸16との対向方向における便座昇降装置10の中心位置P11と主ガイド軸15の中心位置P12との間に位置することが好ましい。さらには、被支持状態の便座ユニット4の重心位置P10は、主ガイド軸15と副ガイド軸16との対向方向における主ガイド軸15の中心位置P12と出力歯車28の中心位置P14との間に位置することが、より好ましい。なお、出力歯車28の中心位置P14は、X軸方向における出力歯車28のピニオン中心位置、すなわち、ピニオン28bの回転中心の位置である。
ところで、近年、洋式便器の多機能化の進行に伴い、洋式便器への便座昇降装置の組み付け位置は制限される傾向にある。このため、便座ユニットを昇降させるべく支持する便座昇降装置の可動部材の中心位置に便座ユニットの重心位置を合わせて、便座ユニットを可動部材に取り付けることが困難になっている。便座ユニットの重心位置の偏りに起因して可動部材にモーメントが作用し、このモーメントの作用により、便座昇降装置は、便座ユニットを昇降させる際、便座ユニットとともに可動部材を水平方向に対して傾かせてしまう。この結果、可動部材を昇降方向に案内するガイド軸に偏った力が加わることから、可動部材がガイド軸の外周面に引っかかりながら昇降する現象(この現象を「コジリ」という)が生じ、故に、便座ユニットを円滑に昇降させることが困難になる。このような問題に対し、本発明の実施の形態1では、上述したように、便座昇降装置10および主ガイド軸15の各中心位置P11,P12と被支持状態の便座ユニット4の重心位置P10との相対関係を設定するので、上記の問題を解消することができる。
(便座昇降動作)
つぎに、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置10が便座ユニット4を昇降させる動作、すなわち、便座昇降装置10による便座昇降動作について説明する。図13は、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置による便座昇降動作を説明する図である。
便座昇降装置10は、初期状態として、例えば図1に示したように便座ユニット4を便器本体2の上面2cに載置している。この際、便座昇降装置10は、図13に例示される最下降状態になっている。便座昇降装置10が最下降状態である際、図13に例示されるように、便座ユニット4の前ベース7の後部を支持した状態の可動プレート13(以下、「便座支持状態の可動プレート13」と適宜いう)およびラック部材14は、双方とも、自身の昇降範囲のうち最も下降した位置、すなわち、最下降位置にある。
ユーザは、便器本体2の上面2cを清掃する等のために便器本体2の後部上面2bから便座ユニット4を上昇(浮上)させる必要がある際、操作装置を用いて、便座ユニット4の上昇を便座昇降装置10に指示する操作(上昇操作)を行う。なお、ユーザは、便座ユニット4の上昇前等の所望のタイミングに、便座5および便蓋6を起立姿勢にする。
便座昇降装置10は、上述したユーザによる上昇操作に応じ、駆動機構20の駆動力によって、便座支持状態の可動プレート13およびラック部材14を一体にZ軸方向上側へ上昇させる。
駆動機構20は、便器本体2から便座ユニット4を上昇させる際、モータ23を所定方向に回転駆動させ、これにより、モータ23の駆動力を発生させる。ついで、駆動機構20は、この発生したモータ23の駆動力を、複数の減速歯車(図10に例示した第1歯車25、第2歯車26、および第3歯車27)を介して出力歯車28のピニオン28bから、ピニオン28bと噛合した状態のラック14aに伝達する。そして、駆動機構20は、この伝達したモータ23の駆動力により、ラック14aをピニオン28bで下支えしながらラック部材14を主ガイド軸15に沿って上昇させる。この結果、駆動機構20は、図13に例示されるように、便座支持状態の可動プレート13を、ラック部材14とともに最下降位置から最上昇位置まで上昇させて、停止する。図13に例示されるように、ラック部材14は、最下降位置から所定の高さ位置まで上昇して以降、ラック14aの上部(図9に例示した上側ラック141a)を、メインフレーム11の開口部111bからZ軸方向正側の外部へ突出させる。なお、駆動機構20は、便座支持状態の可動プレート13およびラック部材14を、最上昇位置へ上昇させるまでの途中の高さ位置(図13に例示される高さ位置P1と高さ位置P2との間の高さ位置)で停止させることも可能である。
便座支持状態の可動プレート13およびラック部材14は、最上昇位置まで上昇した結果、双方とも同時に、最上昇位置にある状態、すなわち、最上昇状態になる。この最上昇状態において、便座ユニット4は、例えば図2に示したように、便器本体2の後部上面2bから浮上した状態になり、この結果、便器本体2と便座ユニット4との間には、ユーザが手を入れ易くなるに十分な距離dの間隔が生じる。
ここで、上述した可動プレート13およびラック部材14の上昇量は、便座昇降装置10による便座昇降動作の昇降量、すなわち、便器本体2に対する便座ユニット4の昇降量ΔHに相当する。本実施の形態1において、便座ユニット4の昇降量ΔHに相当する便座昇降動作の昇降量は、図13に例示されるように、最下降状態のラック部材14の高さ位置P1と最上昇状態のラック部材14の高さ位置P2との距離として定義される。高さ位置P1は、最下降状態のラック部材14の摺動部14bにおけるZ軸方向の中心位置である。高さ位置P2は、最上昇状態のラック部材14の摺動部14bにおけるZ軸方向の中心位置である。
一方、ユーザは、洋式便器1の清掃完了等の理由で便器本体2の後部上面2bに便座ユニット4を戻す必要がある際、操作装置を用いて、便座ユニット4の下降を便座昇降装置10に指示する操作(下降操作)を行う。なお、ユーザは、便座ユニット4の下降後等の所望のタイミングに、便座5および便蓋6を倒伏姿勢にする。
便座昇降装置10は、上述したユーザによる下降操作に応じ、駆動機構20の駆動力によって、便座支持状態の可動プレート13およびラック部材14を一体にZ軸方向負側へ下降させる。
駆動機構20は、便器本体2に向けて便座ユニット4を下降させる際、モータ23を上昇時の所定方向とは逆方向に回転駆動させ、これにより、モータ23の駆動力を発生させる。ついで、駆動機構20は、この発生したモータ23の駆動力を、複数の減速歯車(図10に例示した第1歯車25、第2歯車26、および第3歯車27)を介してピニオン28bからラック14aに伝達する。そして、駆動機構20は、この伝達したモータ23の駆動力により、ラック14aをピニオン28bで下支えしながらラック部材14を主ガイド軸15に沿って下降させる。この結果、駆動機構20は、図13に例示されるように、便座支持状態の可動プレート13を、ラック部材14とともに最上昇位置から最下降位置まで下降させる。
便座支持状態の可動プレート13およびラック部材14は、最下降位置まで下降した結果、双方とも同時に、最下降位置にある状態、すなわち、最下降状態になる。この最下降状態において、便座ユニット4は、例えば図1に示したように、便器本体2の上面2cに載置された状態になり、この結果、洋式便器1は、ユーザの用便等の通常使用が可能な状態に戻る。上述した可動プレート13およびラック部材14の下降量は、便座昇降装置10による便座昇降動作の昇降量、すなわち、便器本体2に対する便座ユニット4の昇降量ΔHに相当する。
一方、駆動機構20は、図13に例示したように便座支持状態の可動プレート13とラック部材14とをともに最下降状態にした後、ラック14aとピニオン28bとのバックラッシュを詰めるべく、モータ23を上昇時と同じ所定方向に回転駆動させて停止する。これにより、駆動機構20は、ラック14aとピニオン28bとのZ軸方向正側のバックラッシュを詰めるとともに、モータ歯車23bと第1歯車25との所定方向側のバックラッシュ、第1歯車25と第2歯車26との所定方向側のバックラッシュ、第2歯車26と第3歯車27との所定方向側のバックラッシュ、および第3歯車27と出力歯車28との所定方向側のバックラッシュを詰める。
図14は、本発明の実施の形態1における便座昇降動作時のラックとピニオンとの噛合状態を説明する図である。駆動機構20が便座支持状態の可動プレート13とともにラック部材14を上昇させる際、図14に例示されるように、ピニオン28bは、ラック14aと噛合しながら、上述したモータ23の所定方向に対応する正方向F11に回転する(噛合状態A1)。この噛合状態A1において、ピニオン28bの歯部(例えば歯28g)は、ラック14aの歯部(例えば歯141g)を下支えしながら、ラック14aを順次上昇させる。このラック14aの上昇方向F21は、上述したZ軸方向正側(+Z軸方向)である。また、図14に例示されるように、ラック14aの歯141gを下支えした状態にあるピニオン28bの歯28gと、ラック14aの歯141gに対し下側(Z軸方向負側)に並ぶ隣りの歯142gとの間には、バックラッシュ143が生じる。このような噛合状態A1は、上述した便座昇降動作によって便座支持状態の可動プレート13およびラック部材14が最上昇位置に至るまで継続する。
一方、駆動機構20が便座支持状態の可動プレート13とともにラック部材14を下降させる際、図14に例示されるように、ピニオン28bは、ラック14aと噛合しながら、正方向F11とは逆方向の負方向F12に回転する(噛合状態A2)。負方向F12は、上述したモータ23の所定方向(上昇時に回転駆動する方向)とは逆方向に対応する。この噛合状態A2において、ピニオン28bの歯部(例えば歯28g)は、ラック14aの歯部(例えば歯141g)を下支えしながら、ラック14aを順次下降させる。このラック14aの下降方向F22は、上述したZ軸方向負側(−Z軸方向)である。このような噛合状態A2は、上述した便座昇降動作によって便座支持状態の可動プレート13およびラック部材14が最下降位置に至るまで継続する。
便座支持状態の可動プレート13およびラック部材14が最下降位置に到達した際、図14に例示されるように、ラック14aは停止した状態になる。一方、ピニオン28bは、上述したモータ23の停止直前の回転駆動に追従して、負方向F12に回転し、その後停止した状態になる(噛合状態A3)。この噛合状態A3において、ピニオン28bの歯部は、ラック14aの歯部を下支えした状態を解除する。この際、図14に例示されるように、ピニオン28bの歯28gは、ラック14aの歯141gの下支えを解除して隣りの歯142gと接触(噛合)する。この結果、ラック14aの歯141gとピニオン28bの歯28gとの間に、バックラッシュ143が生じる。
ここで、噛合状態A3におけるバックラッシュ143は、駆動機構20が便座支持状態の可動プレート13とともにラック部材14を再び上昇させる際、ラック14aとピニオン28bとの歯同士の衝突音(ギアたたき音)を発生させる原因となる。上述した噛合状態A3の現象は、ラック14aとピニオン28bとの歯同士のみならず、モータ歯車23bと第1歯車25との歯同士、第1歯車25と第2歯車26との歯同士、第2歯車26と第3歯車27との歯同士、および第3歯車27と出力歯車28との歯同士においても同様に生じる。
上述した噛合状態A3における歯間のバックラッシュ(例えばピニオン28bとラック14aとのバックラッシュ143)を詰めるべく、駆動機構20は、上述したように、便座支持状態の可動プレート13とラック部材14とをともに最下降状態にした後、モータ23を上昇時と同じ所定方向に回転駆動させて停止する。このモータ23の回転駆動に追従して、ピニオン28bは、図14に例示されるように、ラック14aを停止した状態に維持しながら正方向F11に回転し、この停止状態のラック14aを再び下支えした状態になって停止する(噛合状態A4)。
この噛合状態A4において、ピニオン28bの歯28gは、再びラック14aの歯141gと接触して、この歯141gを下支えする。この結果、上述した噛合状態A3におけるラック14aとピニオン28bとの間における上昇方向F21側のバックラッシュ143(ギアたたき音の原因となるバックラッシュ)は、詰められて、便座ユニット4の次回の上昇前に予め無くなる。すなわち、図14に例示されるように、ラック14aの歯141gとピニオン28bの歯28gとの間には、上述した噛合状態A1と同様のバックラッシュ143が再び生じる。これに伴い、モータ歯車23bと第1歯車25との所定方向側のバックラッシュと、第1歯車25と第2歯車26との所定方向側のバックラッシュと、第2歯車26と第3歯車27との所定方向側のバックラッシュと、第3歯車27と出力歯車28との所定方向側のバックラッシュとが、同様に詰められて、便座ユニット4の次回の上昇前に予め無くなる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置では、洋式便器の便座ユニットを支持した状態で可動な支持部と一体に可動するラック部材の可動方向を、洋式便器の後ベースに固定されるフレームの底板部および天板部の間に架設され所定の間隔をあけて互いに対向する主ガイド軸および副ガイド軸によってZ軸方向の正側および負側に規制し、このフレームに設けられた駆動機構の駆動力により、これらの支持部およびラック部材を主ガイド軸および副ガイド軸に沿って一体に昇降させるようにし、且つ、主ガイド軸および副ガイド軸の双方の両端部を、このフレームの底板部および天板部に対して固定している。
このため、フレームが主ガイド軸および副ガイド軸の双方の両端部と固定されてボックス構造化することから、フレームに対しガイド軸上端部を固定せずガイド軸下端部のみを固定した従来の構造に比べ、フレームの構造強度が増大する。これにより、主ガイド軸および副ガイド軸とフレームとのガタつきが従来の構造に比べて減少し、たとえ被支持状態の便座ユニットの重量によるモーメントが支持部およびラック部材を介して主ガイド軸および副ガイド軸に作用しても、主ガイド軸および副ガイド軸の倒れ(すなわち支持部およびラック部材本来の昇降方向からの傾き)を防止することができる。この結果、被支持状態の便座ユニットの昇降時における前倒れを防止できるとともに、ラックとピニオンとの噛み合いのズレを防止することができることから、被支持状態の便座ユニットを安定して昇降させることができる。
また、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置では、主ガイド軸および副ガイド軸の双方の両端部を、フレームの底板部および天板部に対して螺子によって固定(螺子止め固定)している。このため、フレームと主ガイド軸および副ガイド軸と固定によるフレームのボックス構造化を精度よく実現することができる。これにより、フレームの高い構造強度および高耐久性を確保できるとともに、主ガイド軸および副ガイド軸とフレームとのガタつきを可能な限り抑制することができる。この結果、主ガイド軸および副ガイド軸の倒れをより確実に防止できることから、被支持状態の便座ユニットの昇降時における前倒れと、ラックとピニオンとの噛み合いのズレとを共に防止して、被支持状態の便座ユニットのより安定した昇降を実現することができる。
また、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置では、支持部による被支持状態の便座ユニットの重心位置が、主ガイド軸と副ガイド軸との対向方向における便座昇降装置の中心位置よりも主ガイド軸側に寄って位置するようにしている。
このため、水平方向について昇降体荷重の釣り合いをとりながら、便座ユニットを支持した便座支持状態の支持部とともにラック部材を主ガイド軸に沿って一体に昇降させることができる。これにより、便座ユニットの昇降の際、水平方向に対する昇降体傾動を抑制して、ラック部材が主ガイド軸に対し傾くことを抑制することができる。この結果、ラック部材のラックに加わる昇降体荷重のモーメントを可能な限り低減できることから、ラック部材と主ガイド軸とのコジリを防止でき、故に、主ガイド軸に沿ったラック部材の摺動(昇降)を円滑にして、ラック部材と一体的な支持部に支持された状態の便座ユニットを円滑に昇降させることができる。
また、主ガイド軸に対するラック部材の傾動を抑制することにより、ラック部材のラックと出力歯車のピニオンとの噛合状態を好適なものに安定化することができ、これにより、便座ユニットを昇降させる駆動機構の駆動力をピニオンからラックへ安定して出力することができる。さらには、ラック部材から主ガイド軸に対し過度に偏った力が加わることと、便座支持状態の支持部から副ガイド軸に対し過度に偏った力が加わることとを共に防止することができ、この結果、主ガイド軸および副ガイド軸の故障、並びに、これら両ガイド軸が取り付けられたフレームの故障等、便座昇降装置の故障を防止して、便座昇降装置の耐久性および構造強度を向上することができる。
また、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置では、被支持状態の便座ユニットの重心位置が、主ガイド軸と副ガイド軸との対向方向における便座昇降装置の中心位置と主ガイド軸の中心位置との間に位置するようにしている。このため、水平方向について昇降体荷重の釣り合いをとり易くなり、これにより、便座ユニットの昇降の際、水平方向に対する昇降体傾動を容易に抑制して、主ガイド軸に対するラック部材の傾動を一層抑制することができる。この結果、ラックに加わる昇降体荷重のモーメントの低減を促進できることから、ラック部材と主ガイド軸とのコジリを確実に防止して、便座ユニットを一層円滑に昇降させることができる。これに加え、駆動機構の駆動力をピニオンからラックへ一層安定して出力できるとともに、便座昇降装置の耐久性および構造強度を一層向上することができる。
また、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置では、被支持状態の便座ユニットの重心位置が、主ガイド軸と副ガイド軸との対向方向における主ガイド軸の中心位置と出力歯車のピニオン中心位置との間に位置するようにしている。このため、水平方向について昇降体荷重の釣り合いを一層とり易くなり、これにより、便座ユニットの昇降の際、水平方向に対する昇降体傾動を一層容易に抑制して、主ガイド軸に対するラック部材の傾動をより一層抑制することができる。この結果、ラックに加わる昇降体荷重のモーメントの低減を一層促進できることから、ラック部材と主ガイド軸とのコジリをより確実に防止して、便座ユニットをより一層円滑に昇降させることができる。これに加え、駆動機構の駆動力をピニオンからラックへより一層安定して出力できるとともに、便座昇降装置の耐久性および構造強度をより一層向上することができる。
また、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置では、副ガイド軸を挿通する支持部の挿通部に、挿通孔と副ガイド軸との間に介在して副ガイド軸に対する摩擦を低減するとともに副ガイド軸を摺動可能に挿通する摩擦低減部材を設け、この摩擦低減部材の挿通孔の内周面と副ガイド軸の外周面との間に、主ガイド軸と副ガイド軸との対向方向における摩擦低減部材と副ガイド軸との接触を回避する間隙を形成している。これにより、水平方向に対して便座支持状態の支持部が傾くことに起因する支持部(具体的には挿通部および摩擦低減部材)と副ガイド軸とのコジリを防止することができ、この結果、副ガイド軸に沿った支持部の円滑な摺動を実現して、支持部に支持された状態の便座ユニットの円滑な昇降を支援することができる。
また、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置では、フレームの天板部に、洋式便器の後ベースと天板部とを固定する取付フランジを設けている。このため、取付フランジを介してフレームの天板部と洋式便器の後ベースとを強固に固定することができる。これにより、被支持状態の便座ユニットの昇降時における前倒れを防止できるとともに便座昇降装置のフレームとしての剛性をさらに向上することができ、この結果、便座昇降装置の耐久性および構造強度を高めることができる。また、被支持状態の便座ユニット等の重量(荷重)を受けて撓み量が大きくなるフレームの天板部で後ベースと固定することによって、より前倒れを防止する効果が期待できる。
また、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置では、駆動機構のハウジングにモータを固定するブラケットにより、モータ歯車の回転中心と、複数の減速歯車のうちモータ歯車と噛合する第1歯車の回転中心と、複数の減速歯車のうち第1歯車と噛合する第2歯車の回転中心との相対的な位置関係を決定している。このため、駆動機構におけるモータ歯車の回転中心としての出力軸と、第1歯車の回転中心としての軸と、第2歯車の回転中心としての軸との相対的な位置寸法を容易に設定することができる。これにより、相互に噛合するモータ歯車と第1歯車と第2歯車とを、駆動機構のハウジングへ位置精度よく容易に組み付けることができる。また、第1歯車および第2歯車の各軸を両端支持することができ、この結果、これら各軸の強度を高く確保することができる。
また、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置では、モータ歯車に対する第1歯車の減速比を、第1歯車に対する第2歯車の減速比に比して大きい値に設定している。このため、モータの駆動力をモータ歯車から直に受ける第1歯車の回転数を可能な限り低減することができる。これにより、第1歯車の後段においてモータの駆動力を伝達する残りの減速歯車および出力歯車の各回転数を適度に低減することができ、この結果、これら複数の歯車同士のギアたたき音を可能な限り低減することができる。
また、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置では、互いに組み付け合うことによって駆動機構のハウジングを構成する第1カバーおよび第2カバーのうち、第1カバーに、第1カバーと第2カバーとの対向方向に延在するボス部を形成し、第2カバーに、第1カバーと第2カバーとの対向方向に延在しボス部と係合する突起部を形成し、ボス部および突起部を互いに係合することによって、出力歯車の回転中心としての軸を形成している。このため、たとえ第1カバーおよび第2カバーのいずれか一方にまとめて各歯車の軸を形成することができない場合であっても、他方のカバーに設けたボス部を用いて出力歯車等の必要な歯車の軸を形成することができる。この結果、駆動機構のハウジングを構成する際の第1カバーと第2カバーとの組み付けにより、各歯車の軸を高密度に形成できることから、各歯車の高密度な組み付けを実現して、装置構成の小型化を促進することができる。
また、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置では、ラック部材に、主ガイド軸に沿って昇降する際の主ガイド軸に対する摩擦を低減する摩擦低減部材を設けている。このため、主ガイド軸の外周面(ラック部材の摺動面)の面精度を厳しく設定しなくても、標準的な面精度の外周面をもつ主ガイド軸に沿ってラック部材を円滑に摺動させることができる。この結果、便座ユニットの昇降の円滑さを低下させることなく、主ガイド軸を容易に準備することができ、故に、便座昇降装置の部品調達を容易にして組立コストを低減することができる。
また、本発明の実施の形態1に係る便座昇降装置では、洋式便器の便器本体に向けて便座ユニットを下降させる際、モータを上昇時の所定方向とは逆方向に回転駆動させて発生した駆動力により、ラックをピニオンで下支えしながらラック部材を主ガイド軸に沿って下降させて、便座支持状態の支持部をラック部材とともに最上昇位置から最下降位置まで下降させ、その後、ラックとピニオンとのバックラッシュを詰めるべく、モータを上昇時と同じ所定方向に再び回転駆動させてから停止させている。このため、便器本体に便座ユニットを下降し終えた際に駆動機構の各歯車間およびラックとピニオンとの間に生じるバックラッシュ、すなわち、便座ユニットを上昇させる際にギアたたき音の原因となるバックラッシュを、便座ユニットの次回の上昇前に予め詰めて無くすことができる。これにより、便座ユニットの上昇動作を開始する際における駆動機構のギアたたき音を可能な限り低減することができ、この結果、便座ユニットを上昇させる際の駆動機構の静音化を図ることができる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。図15は、本発明の実施の形態2に係る便座昇降装置の一構成例を示す図である。図15に例示されるように、本実施の形態2に係る便座昇降装置10aは、実施の形態1におけるラック部材14の代わりに、T字形状のラック部材140を備える。また、メインフレーム11の底板部11aに形成された開口部111aは、便器本体2(図1,2参照)の後ベース3に形成された開口部3aと通じている。この開口部3aには、ラック部材140の下側ラック141bが、底板部11aの開口部111aを介して出入り可能である。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。なお、図15では、本実施の形態2に係る便座昇降装置10aの特徴部分を説明し易くするために、上述したブッシュ13eを含む可動プレート13(図3等参照)の図示は省略されている。
図15に例示されるように、ラック部材140は、ラック14aと摺動部14bとを備え、外形がT字形状となるよう構成される。ラック14aは、上側ラック141aと下側ラック141bとを有する。上側ラック141aのZ軸方向正側の延在長さは、下側ラック141bのZ軸方向負側の延在長さと略同等(望ましくは同等)である。
摺動部14bは、ラック14aと一体に形成され、主ガイド軸15を挿通した状態で主ガイド軸15に沿って摺動する。T字形状のラック部材140において、摺動部14bは、ラック14aの長手方向(図15ではZ軸方向)の中央部に位置する。この際、摺動部14bのZ軸方向の中心位置は、ラック14aのZ軸方向の中心位置に対してズレ量が所定値以下となる位置にある。なお、図15では図示を省略しているが、主ガイド軸15を挿通する摺動部14bの挿通孔には、実施の形態1と同様にブッシュ14d(図9参照)が設けられてもよい。
ここで、ラック部材140の外形は、上側ラック141aのZ軸方向正側の延在長さと下側ラック141bのZ軸方向負側の延在長さとの差が所定値以下(望ましくは零値)であり、摺動部14bがラック14aの長手方向の中央部に位置する場合、T字形状と定義される。このT字形状のラック部材140において、ラック14aのZ軸方向の長さは、上述した実施の形態1と同じ長さに設定される。すなわち、ラック14aにおいて、上側ラック141aのZ軸方向正側の延在長さは、下側ラック141bのZ軸方向負側の延在長さが実施の形態1に比して長くなった分、実施の形態1に比して短くなっている。これにより、ラック14aが出力歯車28のピニオン28bと噛合しながら昇降する際、ピニオン28bから上側ラック141aに作用するモーメントMは、実施の形態1に比して小さくなる。また、ピニオン28bから下側ラック141bに作用するモーメントは、この上側ラック141aにおけるモーメントMと同程度に抑えられる。
一方、便器本体2の後ベース3には、便座昇降装置10aを取り付ける凹形状の係合部が形成されている。このことは、上述した実施の形態1も同様である。この後ベース3の係合部における底部(Z軸方向負側の底面部分)には、図15に例示されるように、下側ラック141bを挿入可能な開口部3aが形成されている。
さらに、便器本体2のうち開口部3aに対向する箇所に、ラック14aの下端部を挿入可能な凹部が設けられてもよい。
図15に例示されるように、便座昇降装置10aは、後ベース3の係合部に嵌め込む形で後ベース3に取り付けられる。この際、便座昇降装置10aのメインフレーム11の底板部11aは、この係合部の底部に螺子止め等によって固定される。図15には図示を省略するが、メインフレーム11の天板部11bは、実施の形態1と同様に、取付フランジ112b(図3参照)と後ベース3の上部との螺子止め等によって、後ベース3に固定される。
メインフレーム11において、底板部11aの開口部111aは、図15に例示されるように、底板部11aが後ベース3(詳細には係合部の底部)に固定された際、後ベース3の開口部3aに通じる。後ベース3の開口部3aは、下側ラック141bを挿入可能な開口形状、開口寸法、および開口深さ(Z軸方向の長さ)を有する。後ベース3の開口部3aは、底板部11aの開口部111aと通じることによって、この開口部111aの深さを拡張する。
図15に例示されるように、ラック部材14は、最下降位置にある際、上側ラック141aの上端部(Z軸方向正側のラック端部)とピニオン28bとを噛合させる。この際、下側ラック141bは、底板部11aの開口部111aから後ベース3の開口部3a内へ進入する。下側ラック141bの下端面(Z軸方向負側のラック端面)は、底板部11aの内側表面116aおよび外側表面117aの双方よりも下方に向けて突出するように、後ベース3の開口部3a内に位置する。一方、摺動部14bのZ軸方向負側の端面は、図15に例示されるように、下側ラック141bに阻害されることなく、底板部11aの内側表面116aと接触した状態になる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態2に係る便座昇降装置では、ラック部材の摺動部がラックの長手方向の中央部に位置するようラック部材をT字形状に形成し、その他の構成を実施の形態1と同様にしている。このため、上述した実施の形態1と同様の作用効果を享受するとともに、ラック部材のラック長さを短縮することなく、ピニオンから上側ラックに作用するモーメントの腕の長さを短くすることができる。これにより、上側ラックのモーメントを低減するとともに、下側ラックのモーメントを上側ラックと同程度に抑制することができる。この結果、主ガイド軸に対するラック部材の傾動を一層抑制できることから、ラック部材と主ガイド軸とのコジリの防止効果を高めて、主ガイド軸に沿ったラック部材の摺動(昇降)を一層円滑にすることができ、延いては、被支持状態の便座ユニットを一層円滑に昇降させることができる。これに加え、駆動機構からラックに対する駆動力の出力の更なる安定化を図るとともに、便座昇降装置の耐久性および構造強度の向上を促進することができる。
なお、上述した実施の形態1,2では、可動プレート13の可動方向を洋式便器1に対する昇降方向に規制するガイド軸として、主ガイド軸15および副ガイド軸16の両者を備えていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明では、上記ガイド軸として、主ガイド軸15のみが設けられてもよいし、副ガイド軸16のみが設けられてもよい。
また、上述した実施の形態1,2では、便座ユニット4の重心位置P10が、便座昇降装置10,10a,10bの中心位置P11と主ガイド軸15の中心位置P12との間にあり、さらには、主ガイド軸15の中心位置P12とピニオン28bの中心位置P14との間にあるようにしていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、便座ユニット4の重心位置P10は、便座昇降装置10,10a,10bの中心位置P11よりも主ガイド軸15側に寄っていればよく、この場合、主ガイド軸15の中心位置P12よりもX軸方向負側に便座ユニット4の重心位置P10が位置してもよい。
また、上述した実施の形態1,2では、第1カバー21に形成したボス部291dと第2カバー22に形成した突起部292dとを係合することにより、出力歯車28の軸29dを形成していたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、第1カバー21に形成したボス部と第2カバー22に形成した突起部とを係合することにより、第3歯車27の軸29cを形成してもよいし、第3歯車27の軸29cと出力歯車28の軸29dの両方を各々形成してもよい。すなわち、本発明において、上述したボス部および突起部は、互いに係合することによって、駆動機構における出力歯車および複数の減速歯車のうち少なくとも一つの歯車の回転中心としての軸を形成してもよい。
さらに、上述した実施の形態1では、上側ラック141aのZ軸方向正側の延在長さが下側ラック141bのZ軸方向負側の延在長さに比して長くなるようラック14aが構成されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。上側ラック141aのZ軸方向正側の延在長さは、下側ラック141bのZ軸方向負側の延在長さに比して短くてもよい。あるいは、上側ラック141aのZ軸方向正側の延在長さは、下側ラック141bのZ軸方向負側の延在長さと同じであってもよい。すなわち、本発明は、上述した実施の形態1と実施の形態2とを適宜組み合わせたものであってもよい。
また、上述した実施の形態1では、上側ラック141aおよび下側ラック141bを有するラック14aを例示していたが、本発明は、これに限定されるものではない。ラック14aは、上側ラック141aを有していなくてもよいし、下側ラック141bを有していなくてもよい。
さらに、上述した実施の形態1,2では、メインフレーム11において、X軸方向負側に主ガイド軸15を立設し、X軸方向正側に副ガイド軸16を立設していたが、本発明は、これに限定されるものではない。主ガイド軸15および副ガイド軸16は、メインフレーム11に対し、上述した実施の形態1,2の場合とはX軸方向の正負逆(左右逆)に立設されてもよい。この場合、ラック部材14は、X軸方向正側の主ガイド軸15に摺動可能に設けられてもよいし、可動プレート13の挿通部13dおよびブッシュ13eは、X軸方向負側の副ガイド軸16に摺動可能に設けられてもよい。また、駆動機構20のモータ23および出力歯車28等の内部部品は、このラック部材14の配置に対応してレイアウト(例えば左右逆に配置)されてもよい。
また、上述した実施の形態1,2では、駆動機構20の出力歯車28およびモータ23を互いに同じ高さ位置に配置していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、出力歯車28は、モータ23と異なる高さ位置に配置されてもよい。この場合、出力歯車28は、例えば、モータ23の左上側、左下側、右上側、右下側、上側、および下側のいずれの位置に配置されてもよい。
さらに、上述した実施の形態1,2では、本発明に係る便座昇降装置が適用される洋式便器として、別体の貯水タンクがないタンクレス型の洋式便器を例示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、別体の貯水タンクが設けられるタンク有り型の洋式便器に本発明に係る便座昇降装置が適用されてもよい。すなわち、本発明において、洋式便器のタイプは特に問われない。
また、上述した実施の形態1,2では、主ガイド軸および副ガイド軸双方の両端部をフレームの底板部および天板部に対して各々螺子止め固定していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、フレームの底板部および天板部に対しては、主ガイド軸および副ガイド軸の少なくとも一方の両端部が固定されていればよく、これにより、上述した主ガイド軸および副ガイド軸双方の両端部とフレームとの固定の場合と同様の作用効果を享受する。また、主ガイド軸および副ガイド軸の少なくとも一方の両端部は、フレームの底板部および天板部に対して、螺子により固定されてもよいし、螺子止め以外の固定手法、例えば、カシメ、圧入、リベット、溶接等によって固定されてもよい。
さらに、上述した実施の形態1,2では、便座昇降装置のメインフレーム11を洋式便器1の後ベース3に固定していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、メインフレーム11に例示される便座昇降装置のフレームは、洋式便器1に固定される際、洋式便器1の後ベース3を介して間接的に便器本体2に固定されてもよいし、後ベース3を介さず直接的に便器本体2に固定されてもよい。
また、上述した実施の形態1,2では、便器本体2に対して便座ユニット4を垂直上下方向(Z軸方向の正側および負側)に昇降させる便座昇降装置を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明に係る便座昇降装置は、便器本体2に対して便座ユニット4を斜め上方向および斜め下方向に昇降させるものであってもよい。
また、上述した実施の形態1,2では、ラック部材および駆動機構にモータと減速歯車を用いた電動式の便座昇降装置としていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明に係る便座昇降装置は、手動式のものであってもよい。手動式の場合、例えば、ラック部材の代わりに、ガイド軸に沿って摺動するスライダを用い、モータと減速歯車の代わりに、上方に付勢する付勢手段(バネなど)を用いてもよい。
また、上述した実施の形態1,2により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施の形態1,2に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 洋式便器
2 便器本体
3 後ベース
4 便座ユニット
10,10a 便座昇降装置
11 メインフレーム
11a 底板部
11b 天板部
112b 取付フランジ
13 可動プレート(支持部の一例)
13d 挿通部
13e ブッシュ
13f 挿通孔
131f,132f 間隙
14,140 ラック部材
14a ラック
14b 摺動部
14d ブッシュ
15 主ガイド軸
16 副ガイド軸
17a,17b,17c,17d 固定螺子
20 駆動機構
21 第1カバー
22 第2カバー
23 モータ
23b モータ歯車
24 ブラケット
25 第1歯車
26 第2歯車
27 第3歯車
28 出力歯車
29a,29b,29c,29d 軸
291d ボス部
292d 突起部
P10 重心位置
P11,P12,P13,P14 中心位置

Claims (15)

  1. 洋式便器の便座ユニットを昇降させる便座昇降装置において、
    前記便座ユニットを支持した状態で可動する支持部と、
    互いに対向する底板部および天板部を有し、前記洋式便器の便器本体に固定されるフレームと、
    所定の間隔をあけて互いに対向して前記底板部および前記天板部の間に架設され、前記支持部の可動方向を前記洋式便器に対する昇降方向に規制するガイド軸と、
    前記支持部を前記ガイド軸に沿って昇降させる駆動機構と、
    を備え、
    前記ガイド軸の両端部は、前記フレームの前記底板部および前記天板部に対して固定されていることを特徴とする便座昇降装置。
  2. 前記ガイド軸は主ガイド軸と副ガイド軸とからなり、前記主ガイド軸および前記副ガイド軸の少なくとも一方の両端部は、前記フレームの前記底板部および前記天板部に対して固定されていることを特徴とする請求項1に記載の便座昇降装置。
  3. 前記主ガイド軸および前記副ガイド軸の少なくとも一方の両端部は、前記フレームの前記底板部および前記天板部に対して螺子によって固定されていることを特徴とする請求項2に記載の便座昇降装置。
  4. 前記駆動機構は、モータと、前記モータの駆動力を伝達する複数の減速歯車と、前記複数の減速歯車によって伝達された前記モータの駆動力を前記支持部に伝達する出力歯車とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の便座昇降装置。
  5. 前記支持部による被支持状態の前記便座ユニットの重心位置は、前記主ガイド軸と前記副ガイド軸との対向方向における当該便座昇降装置の中心位置よりも前記主ガイド軸側に寄っていることを特徴とする請求項2または3、或いは請求項2を引用する請求項4のいずれか一つに記載の便座昇降装置。
  6. 被支持状態の前記便座ユニットの重心位置は、前記主ガイド軸と前記副ガイド軸との対向方向における当該便座昇降装置の中心位置と前記主ガイド軸の中心位置との間に位置することを特徴とする請求項5に記載の便座昇降装置。
  7. 被支持状態の前記便座ユニットの重心位置は、前記主ガイド軸と前記副ガイド軸との対向方向における前記主ガイド軸の中心位置と前記出力歯車のピニオン中心位置との間に位置することを特徴とする請求項6に記載の便座昇降装置。
  8. 前記支持部は、
    前記副ガイド軸を挿通する挿通部と、
    前記挿通部の挿通孔と前記副ガイド軸との間に介在して前記挿通部に固定され、前記副ガイド軸に対する摩擦を低減するとともに前記副ガイド軸を摺動可能に挿通する摩擦低減部材と、
    を備え、前記摩擦低減部材の挿通孔の内周面と前記副ガイド軸の外周面との間には間隙が形成されることを特徴とする請求項2または3、或いは請求項2を引用する請求項4または5のいずれか一つに記載の便座昇降装置。
  9. 前記フレームは、前記便器本体の後ベースを介して前記便器本体に固定され、
    前記フレームの前記天板部には、前記便器本体の後ベースと前記天板部とを固定する取付フランジが形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の便座昇降装置。
  10. 前記駆動機構は、前記駆動機構のハウジングに前記モータを固定するとともに、前記モータの駆動力を出力するモータ歯車の回転中心と、前記複数の減速歯車のうち前記モータ歯車と噛合する第1歯車の回転中心と、前記複数の減速歯車のうち前記第1歯車と噛合する第2歯車の回転中心との相対的な位置関係を決定するブラケットを備えたことを特徴とする請求項4または請求項4を引用する請求項5〜9のいずれか一つに記載の便座昇降装置。
  11. 前記モータ歯車に対する前記第1歯車の減速比は、前記第1歯車に対する前記第2歯車の減速比に比して大きいことを特徴とする請求項10に記載の便座昇降装置。
  12. 前記駆動機構は、互いに組み付け合うことによって前記駆動機構のハウジングを構成する第1カバーおよび第2カバーを備え、
    前記第1カバーには、前記第1カバーと前記第2カバーとの対向方向に延在するボス部が形成され、
    前記第2カバーには、前記第1カバーと前記第2カバーとの対向方向に延在し、前記ボス部と係合する突起部が形成され、
    前記ボス部および前記突起部は、互いに係合することによって、前記出力歯車および前記複数の減速歯車のうち少なくとも一つの歯車の回転中心としての軸を形成することを特徴とする請求項4または請求項4を引用する請求項5〜11のいずれか一つに記載の便座昇降装置。
  13. 前記支持部の可動方向に延在するラックを有し、前記支持部と一体に可動するラック部材をさらに備え、前記ラック部材は、前記主ガイド軸に沿って昇降する際の前記主ガイド軸に対する摩擦を低減する摩擦低減部材を備えたことを特徴とする請求項2または3、或いは請求項2を引用する請求項4〜12のいずれか一つに記載の便座昇降装置。
  14. 前記ラック部材は、前記ラックと一体に形成され、前記主ガイド軸を挿通した状態で前記主ガイド軸に沿って摺動する摺動部を備え、
    前記摺動部は、前記ラックの長手方向の中央部に位置することを特徴とする請求項13に記載の便座昇降装置。
  15. 前記駆動機構は、
    前記便器本体から前記便座ユニットを上昇させる際、前記モータを所定方向に回転駆動させ、これによって発生した前記モータの駆動力を、前記複数の減速歯車を介して前記出力歯車から、前記支持部に伝達し、この伝達した前記モータの駆動力により、前記支持部を前記ガイド軸に沿って上昇させ、前記便座ユニットを支持した状態の前記支持部を最下降位置から最上昇位置まで上昇させて停止し、
    前記便器本体に向けて前記便座ユニットを下降させる際、前記モータを前記所定方向とは逆方向に回転駆動させ、これによって発生した前記モータの駆動力を、前記複数の減速歯車を介して前記支持部に伝達し、この伝達した前記モータの駆動力により、前記支持部を前記ガイド軸に沿って下降させ、前記便座ユニットを支持した状態の前記支持部を前記最上昇位置から前記最下降位置まで下降させ、前記モータを前記所定方向に回転駆動させて停止する、
    ことを特徴とする請求項4または請求項4を引用する請求項5〜12のいずれか一つに記載の便座昇降装置。
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