JP2017152416A - キャパシタ用正極およびキャパシタの製造方法 - Google Patents

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正利 真嶋
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Mitsuyasu Ogawa
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Kenji Takahashi
賢治 高橋
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Mitsuyasu Ueda
光保 上田
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Abstract

【課題】水分量が低減され、抵抗の増加が抑制されたキャパシタ用正極を提供する。
【解決手段】キャパシタ用正極は、正極集電体と、前記正極集電体に担持された正極合剤とを含み、前記正極集電体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む三次元網目状の骨格を有し、前記正極合剤は、正極活物質およびバインダを少なくとも含み、前記正極活物質は、活性炭を含み、前記バインダは、融点およびJIS K7191に準拠した荷重たわみ温度の少なくとも一方が250℃以上であり、かつ結着性を有する高分子を含み、前記正極の水分量は500ppm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、活性炭を含む正極活物質を用いたキャパシタ用正極およびキャパシタの製造方法に関する。
環境問題がクローズアップされる中、太陽光または風力などのクリーンエネルギーを電力に変換し、電気エネルギーとして蓄電するシステムの開発が盛んに行われている。このような蓄電デバイスとしては、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ(EDLC:electric double−layer capacitor)、リチウムイオンキャパシタなどが知られている。最近では、瞬時の充放電特性に優れるとともに、高い出力特性が得られ、取り扱い性に優れるといった観点から、EDLC、リチウムイオンキャパシタなどのキャパシタが注目されている。
一般に、キャパシタは、正極活物質として活性炭を含む正極と、負極と、正極および負極間に介在するセパレータと、電解質とを含む。EDLCでは、負極活物質として活性炭を含む負極が用いられ、リチウムイオンキャパシタでは、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵および放出する材料を含む負極が用いられている。
非水溶媒を含む電解質(いわゆる非水電解質)を用いるキャパシタでは、水分の混入がキャパシタ特性に影響する場合がある。そのため、キャパシタ内の水分量を低減することが検討されている。例えば、特許文献1では、電極活物質および結着剤を含む電極材料を乾燥することが提案されている。
特開2008−251776号公報
特許文献1では、電極の水分を低減するため、電極材料の段階で乾燥処理を行っている。しかし、得られる活物質層の水分量は、2900ppm〜5800ppmと多く、十分に水分量を低減することは難しい。
キャパシタ内の水分量を低減するには、キャパシタの構成要素をできるだけ乾燥する必要がある。セパレータおよび非水電解質の乾燥は比較的容易である。リチウムイオンキャパシタで使用される黒鉛および/またはハードカーボンを負極活物質として含む負極でも、これらの負極活物質は親水性が低いため、比較的乾燥し易い。しかし、正極活物質に使用される活性炭は比表面積が大きく、親水性が高いため、正極における水分量を低減することは難しい。
正極では、アルミニウムを含む集電体が使用されている。正極集電体として、アルミニウムを含む三次元網目状の骨格を有する金属多孔体を用いた場合、アルミニウム箔を用いる場合と比べて、正極の厚みが大きくなるため、正極の水分量を低減することはさらに困難となる。また、金属多孔体は、表面積が非常に大きいため、正極の水分量が多いと、水が関与する副反応で生成した副生物が金属多孔体の表面に堆積し、正極の抵抗が高くなる。このような正極抵抗の増加は、アルミニウムを含む金属多孔体に特有の課題であり、表面積が小さなアルミニウム箔を用いる場合にはほとんど問題とならない。
そこで、本発明の目的は、抵抗の増加が抑制されたキャパシタを得るのに有用なキャパシタ用正極およびキャパシタの製造方法を提供することである。
本発明の一局面は、正極集電体と、前記正極集電体に担持された正極合剤とを含むキャパシタ用正極であって、
前記正極集電体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む三次元網目状の骨格を有し、
前記正極合剤は、正極活物質およびバインダを少なくとも含み、
前記正極活物質は、活性炭を含み、
前記バインダは、融点およびJIS K7191に準拠した荷重たわみ温度の少なくとも一方が250℃以上である高分子を含み、
前記正極の水分量は500ppm以下であるキャパシタ用正極に関する。
本発明の他の一局面は、
正極を準備する工程(a)、
前記正極と、負極と、正極および負極の間に介在するセパレータとで電極群を形成する工程(b)、ならびに
前記電極群および非水電解質をセルケース内に収容する工程(c)を含み、
前記工程(a)は、
活性炭を含む正極活物質と、融点およびJIS K7191に準拠した荷重たわみ温度の少なくとも一方が250℃以上である高分子を含むバインダとを、少なくとも含む正極合剤を調製する工程(a1)、
前記正極合剤を、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む三次元網目状の骨格を有する正極集電体に充填する工程(a2)、
前記工程(a2)で得られた充填物を厚み方向に圧縮する工程(a3)、ならびに
前記工程(a3)で得られた圧縮物を、前記電極群が前記非水電解質と接触する前の状態において、前記正極の水分量が500ppm以下となるように、200℃以上で、かつ前記高分子の前記融点および/または前記荷重たわみ温度よりも低い温度で乾燥する工程(a4)、を含む、キャパシタの製造方法に関する。
本発明によれば、アルミニウムを含む三次元網目状の骨格を有する正極集電体を用い、かつ活性炭を含む正極活物質を用いた正極において、正極集電体の表面に副生成物が堆積するのを抑制することができる。その結果、正極の抵抗の増加が抑制されたキャパシタを得ることができる。
本発明の一実施形態に係る製造方法により得られるキャパシタの外観を概略的に示す斜視図である。 図1のキャパシタを正面から見たときの内部構造を概略的に示す一部断面図である。 図2のIII−III線による矢視断面図である。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明の一実施形態に係るキャパシタ用正極は、(1)正極集電体と、正極集電体に担持された正極合剤とを含む。正極集電体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む三次元網目状の骨格を有する。正極合剤は、正極活物質およびバインダを少なくとも含み、正極活物質は、活性炭を含み、バインダは、融点およびJIS K7191に準拠した荷重たわみ温度の少なくとも一方が250℃以上である高分子を含む。正極の水分量は500ppm以下である。
キャパシタの正極には、活性炭を含む正極活物質が使用されている。活性炭は、比表面積が大きく、親水性が高いため、多くの水分を吸着し易い。そのため、活性炭を含む正極では、正極の水分量(または水分残存量)が多くなり易い。一方、リチウムイオンキャパシタなどのアルカリ金属イオンキャパシタおよびEDLCなどのキャパシタでは、電解質として、非水溶媒を含む非水電解質が用いられている。
非水電解質を用いるキャパシタでは、キャパシタ内の水分量を低減できれば、ある程度、キャパシタ特性の低下を抑制できると考えられる。セパレータおよび非水電解質の水分量を低減するのは比較的容易である。また、黒鉛および/またはハードカーボンなどの活物質を用いる負極でも、活物質の疎水性が高いため、水分量の低減は容易である。しかし、活性炭は、親水性が非常に高いため、正極の水分量を低減することは難しい。特に、三次元網目状の骨格を有する金属多孔体を集電体として用いる場合、正極の厚みが大きくなり易いため、金属箔を集電体として用いる場合に比べて、水分を除去し難い。
正極中の水分量が多いと、水が関与する副反応が起こり易い。正極集電体として、アルミニウムを含む三次元網目状の骨格を有する金属多孔体を用いた場合、正極集電体の表面積が非常に大きい。そのため、電解質と、水との副反応により生成する副生物が、正極集電体の表面に堆積し、正極の抵抗が増加する。正極の抵抗が大きくなると、レート特性が低下する。
非水電解質を用いるキャパシタ内に多くの水分が残存すると、水の電気分解により水素ガスが発生し、キャパシタの内圧が上昇して、微小短絡が発生する場合がある。また、電解質と水との副反応により酸が発生し、アルミニウムを含む正極集電体を腐食して、容量の低下を招く場合がある。
本発明の実施形態によれば、正極の水分量を大きく低減するため、アルミニウムを含む三次元網目状の骨格を有する正極集電体の表面に副生物が堆積することを抑制できる。よって、正極における抵抗の増加を抑制できる。正極において高い導電性を維持できることにより、レート特性の低下を抑制できる。また、水分量が低減された正極を用いることで、副反応が低減されるため、キャパシタ容量の低下を抑制することもできる。
なお、本明細書中、正極の水分量(または水分残存量)とは、正極を用いて電極群を組み立てた後、非水電解質と接触させる前の正極の水分量(水分残存量)を意味する。より具体的には、セルケース内に電極群を収容した後、非水電解質をセルケースに収容する前の段階における正極の水分量(または水分残存量)であってもよい。正極の水分量は、正極集電体および正極集電体に担持された正極合剤における水分量の合計である。なお、非水電解質をセルケースに収容してキャパシタを組み立て、慣らし充放電後にガス抜きした後には、正極における水分量はさらに小さくなる。
バインダに含まれる高分子が、融点および荷重たわみ温度のいずれか一方を有する場合、これらのいずれか一方が、250℃以上である。高分子が融点および荷重たわみ温度の双方を有する場合、融点および荷重たわみ温度のうち少なくとも一方が250℃以上であることが好ましく、双方が250℃以上であってもよい。なお、融点および荷重たわみ温度は、高分子の耐熱性の指標である。融点および/または荷重たわみ温度が250℃以上であることで、正極および/またはキャパシタの作製工程において、高分子の劣化が抑制され、バインダとしての機能を損なうことが抑制される。荷重たわみ温度は、JIS K7191(もしくは、ISO75またはASTM D648)のA法に準拠して測定できる。測定時の荷重は、例えば、1.80MPa〜1.82MPaである。
(2)正極において、投影単位面積当たりの電荷移動抵抗は2Ω/cm2以下であることが好ましい。このような正極では、レート特性の向上効果がさらに高い。
正極は、通常、シート状の形態を有する。正極の投影面積とは、正極を面方向に垂直な方向に投影した場合に形成される影の面積である。例えば、矩形のシート状の正極では、正極の縦のサイズ(cm)と横のサイズ(cm)とを乗じて得られる面積とほぼ同じ意味で使用する。活物質が正極の一部の領域にしか担持されていない場合には、活物質が担持されている領域の投影面積を、正極の投影面積とすることができる。
(3)高分子は、カルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース塩、およびポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。(4)高分子は、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、ポリイミド、およびポリアミドイミドからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。このような高分子を含むバインダを用いると、正極における水分量を低減し易いことに加え、バインダの劣化が抑制されるため、充放電を繰り返しても高い容量が得られ易い。
(5)正極の水分量は300ppm以下であることが好ましい。正極の水分量を大きく低減できることで、正極における抵抗の増加を抑制する効果をさらに高めることができる。本発明の実施形態によれば、上記のようなバインダを用いるとともに、三次元網目状の骨格を有する正極集電体を用いることで、正極活物質および正極合剤の脱落を抑制することができ、充放電を繰り返しても高い容量を維持することができる。
(6)正極は、500μm〜2000μmの厚みを有することが好ましい。上記のようなバインダを用いることで、正極の厚みがこのような範囲でも、正極の水分量を低減することができる。
(7)バインダに占める前記高分子の量は、90質量%〜100質量%であり、バインダの量は、正極活物質100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましい。バインダの量がこのように少なくても、三次元網目状の骨格を有する正極集電体を用いることで、正極活物質および正極合剤の脱落を抑制することができ、充放電を繰り返しても高い容量を維持することができる。
(8)本発明の他の実施形態に係るキャパシタの製造方法は、正極を準備する工程(a)、正極と、負極と、正極および負極の間に介在するセパレータとで電極群を形成する工程(b)、ならびに、電極群および非水電解質をセルケース内に収容する工程(c)を含む。工程(a)は、活性炭を含む正極活物質と、融点およびJIS K7191に準拠した荷重たわみ温度の少なくとも一方が250℃以上である高分子を含むバインダとを、少なくとも含む正極合剤を調製する工程(a1)、正極合剤を、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む三次元網目状の骨格を有する正極集電体に充填する工程(a2)、工程(a2)で得られた充填物を厚み方向に圧縮する工程(a3)、前記工程(a3)で得られた圧縮物を、電極群が非水電解質と接触する前の状態において、正極の水分量が500ppm以下となるように、200℃以上で、かつ高分子の融点および/または荷重たわみ温度よりも低い温度で乾燥する工程(a4)を含む。
このような製造方法によれば、正極における水分量を大幅に低減できるため、正極の抵抗の増加を抑制できる。従って、レート特性の低下が抑制されたキャパシタを得ることができる。
(9)工程(a4)では、減圧下および/または遠赤外線下で乾燥することが好ましい。このような乾燥方法により、正極を乾燥すると、正極の表面だけでなく、内部まで比較的均一に乾燥し易い。よって、正極の抵抗の増加をより効果的に抑制できる。
(10)好ましい実施形態において、非水電解質は、アルカリ金属イオン伝導性を有し、負極は、負極集電体と、前記負極集電体に担持され、かつ負極活物質を含む負極合剤とを含む。負極集電体は、三次元網目状の金属の骨格を有し、負極活物質は、アルカリ金属イオンを可逆的に担持する材料を含むことが好ましい。このような実施形態に係る製造方法で得られるキャパシタは、アルカリ金属イオンキャパシタと称される。使用される負極活物質は、疎水性が高く、負極の水分量を低減し易い。よって、キャパシタ内の水分量をさらに低減することができ、副反応を抑制する効果がさらに高まる。
[発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るキャパシタ用正極およびこの正極を用いたキャパシタ、ならびにキャパシタの製造方法の具体例を、適宜図面を参照しつつ以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
(キャパシタ用正極)
正極は、正極集電体と、正極集電体に担持された正極合剤とを含み、正極合剤は、正極活物質およびバインダを少なくとも含む。
(正極集電体)
正極集電体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む。正極集電体中のアルミニウムの含有量は、例えば、80質量%以上、好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上または98質量%以上である。正極集電体中のアルミニウムの含有量は、100質量%以下であり、99.9質量%以下であってもよい。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。正極集電体中のアルミニウムの含有量は、例えば、80質量%〜100質量%、または95質量%〜100質量%であってもよい。正極集電体には、不可避的に混入する不純物が含まれていてもよい。
正極集電体に含まれるアルミニウム合金としては、例えば、アルミニウム−鉄合金、アルミニウム−銅合金、アルミニウム−マンガン合金、アルミニウム−ケイ素合金、アルミニウム−マグネシウム合金、アルミニウム−マグネシウム−ケイ素合金、アルミニウム−亜鉛合金、アルミニウム−ニッケル合金などが挙げられる。
正極集電体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む三次元網目状の骨格を有する。三次元網目状の骨格とは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成された繊維部(または棒状部)を有し、繊維部が三次元的に連結して網目状のネットワークを形成した骨格またはその構造であってもよい。つまり、正極集電体は、複数の繊維部(または棒状部)を含むことができ、これらの複数の繊維部は、三次元的に連結して三次元網目状の骨格を形成している。
三次元網目状の正極集電体は、連続空隙を有する樹脂製の多孔体(樹脂発泡体、樹脂製の不織布など)を、例えば、メッキ処理などにより、集電体を構成する金属(具体的には、アルミニウムおよび/またはアルミニウム合金)で被覆することにより形成できる。得られる正極集電体は、樹脂製発泡体の形状に対応して、1つ1つがセル状の空孔を多数有しており、これらのセル状の空孔が連通した連続空隙(つまり、連通孔)を有する。隣り合うセル状の空孔の間には、開口(または窓)が形成され、この開口により空孔が連通した状態となることが好ましい。
キャパシタを高容量化する観点から、正極集電体の気孔率は、例えば、30体積%〜99体積%、好ましくは50体積%〜98体積%、さらに好ましくは80体積%〜98体積%または90体積%〜98体積%である。三次元網目状の骨格における平均空孔径(連通するセル状の空孔の平均径)は、正極合剤の充填性および保持性の観点、ならびに水分を除去し易い観点から、例えば、50μm〜1000μm、好ましくは100μm〜900μm、さらに好ましくは350μm〜900μmである。なお、平均空孔径は、正極集電体(または正極)の厚みよりも小さいことが好ましい。
好ましい実施形態では、正極集電体の三次元網目状の骨格は、内部に空洞を有する(つまり、中空である)。骨格内の空洞は、樹脂製の多孔体の除去により形成される。正極集電体の骨格内の空洞は、連通孔状であってもよく、このような骨格は、トンネル状またはチューブ状になっている。中空の骨格を有する正極集電体は、嵩高い三次元構造を有しながらも、極めて軽量である。骨格内部の空洞の幅は、平均値で、例えば、0.5μm〜5μm、好ましくは1μm〜4μmまたは2μm〜3μmである。
(正極合剤)
正極集電体に担持される正極合剤は、正極活物質およびバインダを少なくとも含む。
正極活物質は、活性炭を含む。活性炭は、キャパシタの電解質に含まれるアニオンおよびカチオンのうち、少なくともアニオンを可逆的に担持することにより、正極活物質として機能する。正極の電位によって、活性炭は、キャパシタ内において、アニオンおよびカチオンの双方を可逆的に担持することができる。活性炭は、充放電時に非ファラデー反応により、少なくともアニオンを可逆的に担持することができる。具体的には、活性炭は、充放電時に、少なくともアニオンを吸着および脱離することができる。
活性炭としては、キャパシタに使用される公知のものを使用できる。活性炭の原料としては、例えば、木材;ヤシ殻;パルプ廃液;石炭またはその熱分解により得られる石炭系ピッチ;重質油またはその熱分解により得られる石油系ピッチ;フェノール樹脂などが挙げられる。活性炭は、賦活処理されていなくてもよいが、賦活処理されたものであることが好ましい。
活性炭の平均粒径は、特に限定されないが、20μm以下であることが好ましく、3μm〜15μmであることがより好ましい。
本明細書中、平均粒径とは、レーザー回折式の粒度分布測定で得られる粒度分布における体積基準のメディアン径を意味する。
活性炭の比表面積(BET比表面積)は、特に限定されないが、800m2/g〜3000m2/gが好ましく、1500m2/g〜3000m2/gがさらに好ましい。比表面積がこのような範囲である場合、キャパシタの静電容量を大きくする上で有利であるとともに、内部抵抗を小さくし易い。
活性炭は、一種を単独で用いてもよく、原料、平均粒径および/または比表面積が異なる二種以上を組み合わせて使用してもよい。
正極活物質は、活性炭以外の活物質(例えば、メソポーラスカーボン、カーボンナノチューブなど)を含んでもよい。正極活物質中の活性炭の含有量は、80質量%〜100質量%であることが好ましく、90質量%〜100質量%であることがさらに好ましい。また、正極活物質が、活性炭のみを含む場合も好ましい。
正極合剤に含まれるバインダは、融点およびJIS K7191に準拠した荷重たわみ温度の少なくとも一方が250℃以上であり、かつ結着性を有する高分子を含む。このような高分子は、耐熱性が高く、正極およびキャパシタの作製工程において、劣化し難いため、比較的高い温度で乾燥することができる。本発明の実施形態では、三次元網目状の正極集電体を用いるため、正極の水分を除去し難いが、このような高分子を含むバインダを用いることで、より高い温度での乾燥が可能となり、正極に含まれる水分量を大幅に低減できる。また、三次元網目状の正極集電体を用いることで、正極活物質および/または正極合剤の脱落が抑制され、充放電を繰り返しても高い容量を維持することができる。
高分子の融点および/または荷重たわみ温度は、250℃以上であればよく、270℃以上であることが好ましい。融点および/または荷重たわみ温度がこのような温度であることで、正極および/またはキャパシタの作製工程における乾燥をより高い温度で行うことが可能となるため、水分量を大幅に低減できる。高分子の融点および/または荷重たわみ温度は、例えば、500℃以下、好ましくは400℃以下である。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。高分子の融点および/または荷重たわみ温度は、250℃〜500℃、または270℃〜400℃であってもよい。
高分子は、正極活物質および/または正極合剤の脱落を抑制する観点から、ある程度の結着性を有する必要がある。本発明の実施形態では、三次元網目状の正極集電体を用いるため、高分子に求められる結着性はそれほど高くなくてもよく、キャパシタの電極において使用されるバインダに求められる結着性に限らず、正極合剤(具体的には、正極合剤スラリー)に粘性を付与できる程度の結着性であってもよい。
バインダに使用される上記の高分子としては、例えば、セルロースエーテル、ポリイミド樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミドなど)、ポリアミド樹脂(芳香族ポリアミドなど)などが挙げられる。セルロースエーテルとしては、カルボキシメチルセルロース(CMC:carboxymethyl cellulose)などのカルボキシアルキルセルロース;CMCのナトリウム塩などのカルボキシアルキルセルロース塩(ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;アンモニウム塩など);ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロースなどが例示できる。これらの高分子は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
耐熱性が高く、バインダとしての機能に優れる観点から、上記高分子のうち、カルボキシアルキルセルロースおよびその塩、ポリイミド樹脂が好ましい。中でも、CMCなどのカルボキシC1-3アルキルセルロースおよびその塩(CMCのアルカリ金属塩など)、ポリイミド、およびポリアミドイミドなどが好ましい。
正極における抵抗を低減することが比較的容易である観点から、CMCおよびCMC塩などのセルロースエーテル(カルボキシアルキルセルロースなど)が好ましい。
セルロースエーテルでは、セルロースの無水グルコース単位1個当たり3個のヒドロキシル基の一部または全てがエーテル結合に変換されている。セルロースエーテルのエーテル化度は、エーテル結合の導入量の平均値であり、0〜3の値を取り得る。
正極合剤における分散性、結着性および/または水分量の低減し易さなどの観点から、バインダに使用されるセルロースエーテルのエーテル化度は、0.6〜1.5であることが好ましく、0.6〜1.0であることがさらに好ましい。
耐熱性、正極合剤における分散性、および/または結着性などの観点から、セルロースエーテルは、ある程度の分子量または重合度を有することが望ましい。セルロースエーテルの分子量または重合度は、しばしば、セルロースエーテルを所定濃度(例えば、1質量%〜2質量%の濃度)で含む水溶液の粘度を指標として評価される。バインダに使用されるセルロースエーテルは、その1質量%濃度の水溶液の粘度が、25℃において、10mPa・s〜300mPa・sであるものが好ましく、10mPa・s〜50mPa・sであるものがさらに好ましい。このような粘度を示すセルロースエーテルを用いる場合、正極における抵抗の増加を抑制する効果をさらに高めることもできる。
バインダに占める上記の高分子の量は、例えば、80質量%〜100質量%であり、好ましくは90質量%〜100質量%である。バインダを、上記の高分子のみで構成してもよい。高分子の量がこのような範囲である場合、バインダの耐熱性を高め易いため、正極の水分量をより容易に低減することができる。
本発明の実施形態では、三次元網目状の骨格を有する正極集電体を用いることで、正極活物質および正極合剤の脱落を抑制することができる。そのため、バインダの量を少なくしても、充放電を安定して行うことができ、高い容量を維持することができる。バインダの量は、正極活物質100質量部に対して、例えば、10質量部以下(例えば、0.1質量部〜10質量部)であり、好ましくは0.5質量部〜5質量部であり、さらに好ましくは1質量部〜4質量部である。
正極合剤は、さらに導電助剤を含むことができる。導電助剤の種類は、特に制限されず、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック;黒鉛(鱗片状黒鉛、土状黒鉛などの天然黒鉛;人造黒鉛など);酸化ルテニウムなどの導電性化合物;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維などが挙げられる。導電助剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。導電助剤の量は、正極活物質100質量部に対して、例えば1質量部〜20質量部、または好ましくは5質量部〜15質量部である。
本発明の実施形態では、親水性が高い活性炭を含む正極活物質を用いるにも拘わらず、正極の水分量を大幅に低減できる。正極の水分量は、500ppm以下であり、好ましくは400ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下である。正極の水分量の下限は出来るだけ小さいことが望ましいが、0ppmにすることは難しく、例えば、10ppm以上であってもよい。正極の水分量が500ppmを超えると、キャパシタ内において、水が関与する副反応が顕著になり、正極の抵抗が大きく増加し、これにより、レート特性が損なわれる。また、ガス発生が顕著になり、容量が低下する。
正極の水分量は、カールフィッシャー法により測定することができる。カールフィッシャー法は、容量滴定法と電量滴定法とに分類されるが、ここでは、分析精度の高い電量滴定法を採用する。また、水分量測定機器には、市販のカールフィッシャー水分計(例えば、京都電子工業(株)製のMKC−610)を用いることができる。
本発明の実施形態に係る正極では、三次元網目状の骨格を有するアルミニウムを含む正極集電体を用いているにも拘わらず、正極集電体の表面に副生物が堆積することが抑制され、抵抗の増加が抑制される。正極の投影単位面積当たりの電荷移動抵抗は、2Ω/cm2以下(具体的には、0Ω/cm2〜2Ω/cm2)であることが好ましく、1.5Ω/cm2以下であることがさらに好ましい。正極の電荷移動抵抗は、セルが小さくなると大きくなる傾向があるため、例えば、容量が2Ah〜4Ahのセルにおいて、正極の投影単位面積当たりの電荷移動抵抗が上記のような範囲となることが好ましい。正極の電荷移動抵抗は、例えば、交流インピーダンス法により求めることができる。
正極の厚みは、例えば、100μm〜2000μmの範囲から選択でき、好ましくは300μm〜2000μm、さらに好ましくは500μm〜2000μmである。正極の厚みがこのような範囲である場合、高い容量が得られ易い。正極の厚みが大きい、例えば、300μm以上または500μm以上である場合であっても、本発明の実施形態によれば、特定のバインダを用いることにより、水分量を効果的に低減することができる。
一般に、正極は、正極合剤を調製し、正極集電体に、正極合剤を担持させ、担持物を圧縮(または圧延)することにより得られる。本発明の実施形態では、正極合剤を調製し、正極集電体に正極合剤を充填し、得られた充填物を厚み方向に圧縮し、圧縮物を、正極の水分量が500ppmとなるように、高温(例えば、200℃以上で、かつ、バインダに含まれる高分子の融点および/または荷重たわみ温度よりも低い温度)で乾燥することにより、正極を得ることができる。正極およびキャパシタの製造方法の詳細については、後述する。
正極集電体に充填する正極合剤は、通常、正極合剤の構成成分(正極活物質、バインダ、導電助剤など)を含むスラリーの形態で使用される。正極合剤スラリーは、正極合剤の構成成分を、分散媒に分散することにより得られる。分散媒としては、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン(NMP:N−methyl−2−pyrrolidone)などの有機溶媒、もしくは水と有機溶媒(エタノールなどの水溶性有機溶媒など)との混合溶媒などが用いられる。
分散媒の種類は、バインダの種類に応じて選択することができる。例えば、セルロースエーテルなどを含むバインダを用いる場合、分散媒としては、水または水と有機溶媒との混合溶媒が用いることが好ましい。ポリイミド樹脂を含むバインダを用いる場合、分散媒としては、有機溶媒が好適に使用される。分散媒は、正極の製造過程で(スラリーを集電体に充填した後、および/または圧延した後などに)、乾燥により除去される。水を含む分散媒を用いる場合、正極の水分量が高くなり易いが、本発明の実施形態によれば、水を含む分散媒を用いる場合にも、正極の水分量を大きく低減できる。
キャパシタは、正極に加え、負極、正極と負極との間に介在するセパレータ、および非水電解質を含む。以下、正極以外のキャパシタの構成要素についてより詳細に説明する。
(負極)
負極としては、キャパシタに使用される公知の負極が使用できる。具体的には、負極は、負極活物質を含む。
負極活物質は、カチオンを可逆的に担持する材料を含むことが好ましい。負極活物質は、キャパシタの種類に応じて適宜選択できる。
EDLCでは、負極活物質は、カチオンを可逆的に担持(具体的には、吸着および脱離)する材料、つまり、非ファラデー反応を起こす材料を含む。負極活物質としては、正極活物質について例示した活性炭、メソポーラスカーボンなどが使用できる。
EDLCでは、しばしば活性炭が負極活物質として用いられる。活性炭を含む負極活物質を用いる場合、負極の水分量を低減し難く、キャパシタ内の水分量を低減し難い。そのため、活性炭を含む負極活物質を用いる場合には、正極の場合に準じて、水分量を低減した負極を用いることが好ましい。
リチウムイオンキャパシタ、ナトリウムイオンキャパシタなどのアルカリ金属イオンキャパシタでは、負極活物質は、アルカリ金属イオンを可逆的に担持(もしくは、吸蔵および放出、または挿入および脱離)する材料を含む。このような材料は、充放電の際にファラデー反応を起こすものである。
このような材料としては、例えば、アルカリ金属イオンを吸蔵および放出(または挿入および脱離)する炭素材料(第1炭素材料とも言う)の他、アルカリ金属チタン酸化物[例えば、リチウムチタン酸化物(チタン酸リチウムなどのスピネル型リチウムチタン酸化物など)、ナトリウムチタン酸化物(チタン酸ナトリウムなど)]、ケイ素酸化物、ケイ素合金、錫酸化物、錫合金が挙げられる。第1炭素材料としては、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料など)などが例示できる。負極活物質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。負極活物質は、理論容量が300mAh/g以上であるものが好ましい。負極活物質のうち、第1炭素材料が好ましく、特に、黒鉛および/またはハードカーボンが好ましい。
アルカリ金属イオンキャパシタの負極活物質は、疎水性が高いため、負極の水分量を低減し易い。そのため、本発明の実施形態に係る正極は、特に、このような負極活物質を用いるアルカリ金属イオンキャパシタに適している。
負極は、上記のような負極活物質を含む限り特に制限されず、負極活物質と、任意成分として、バインダおよび/または導電助剤などとを含む負極合剤を含んでもよい。負極は、さらに負極集電体を含むことができ、このような負極において、負極集電体には、負極活物質、または負極合剤が担持されている。導電助剤としては、正極について例示したものから適宜選択できる。負極活物質100質量部に対する導電助剤の量は、正極活物質100質量部に対する導電助剤の量と同様の範囲から適宜選択できる。
バインダの種類は特に制限されず、例えば、正極について例示したものの他、ポリフッ化ビニリデン(PVDF:polyvinylidene fluoride)などのフッ素樹脂;ポリオレフィン樹脂;スチレンブタジエンゴムなどのゴム状重合体などを用いることができる。バインダは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。バインダの量は、特に制限されないが、高い結着性および容量を確保し易い観点から、負極活物質100質量部当たり、例えば、0.1質量部〜15質量部程度の範囲から選択でき、好ましくは0.5質量部〜10質量部である。
負極集電体は、金属箔でもよいが、キャパシタを高容量化する観点からは、金属多孔体であることが好ましい。金属多孔体としては、正極集電体と同様の三次元網目状の骨格(特に、中空の骨格)を有するものが好ましい。金属多孔体の気孔率、平均空孔径、骨格内部の空洞の幅、比表面積などは、正極集電体について例示した範囲から適宜選択できる。
負極集電体の材質としては、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼などが好ましい。負極集電体は、樹脂多孔体を金属被覆する際に、アルミニウムまたはアルミニウム合金に代えて、これらの材質を用い、正極集電体の場合に準じて作製することができる。
負極は、例えば、負極集電体に、少なくとも負極活物質を担持することにより形成できる。負極は、負極活物質を含む負極合剤を塗布または充填し、圧縮(または圧延)することにより形成することもできる。適当な段階(負極合剤を塗布または充填した後、および/または圧縮した後など)で乾燥処理を行ってもよい。負極としては、負極集電体の表面に、蒸着、スパッタリングなどの気相法で負極活物質の堆積膜を形成することにより得られるものを用いてもよい。負極合剤は、正極合剤の場合と同様に、通常、負極合剤の構成成分を含むスラリーの形態で使用される。スラリーは、負極合剤の構成成分を分散媒に分散することにより得られる。分散媒としては、正極について例示したものから適宜選択できる。
アルカリ金属イオンキャパシタに使用する負極において、負極活物質には、リチウムイオン、ナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンが担持(プレドープ)されていることが望ましい。アルカリ金属イオンを負極活物質にプレドープすることで、負極の電位を十分に低くすることができ、負極の容量を大きくすることができる。アルカリ金属イオンのプレドープは公知の方法で行うことができる。アルカリ金属イオンのプレドープは、キャパシタの組み立て前に行ってもよく、キャパシタ内で行ってもよい。
アルカリ金属イオンキャパシタに使用する負極では、活物質の疎水性が高いため、水分が混入し易い負極合剤を用いる場合でも、負極集電体に負極合剤を担持させた担持物を圧縮する前および/または圧縮した後に乾燥する段階で、負極の水分量を大きく低減することができる。また、EDLCおよびアルカリ金属イオンキャパシタのいずれにおいても、正極の場合と同様に、キャパシタを製造する際に、負極の水分量をさらに低減することができる。
キャパシタ内において、正極は酸化側であるため、充放電により活性炭に親水性の官能基が生成して、水分を吸着し易い状態となり、副反応が起こり易くなる。そのため、正極以外のキャパシタの構成要素(例えば、負極、セパレータ、および/または電解質)の水分もできるだけ低いことが好ましい。負極の水分量は、例えば、正極の水分量と同じ範囲から選択でき、300ppm以下または100ppm以下であってもよい。負極の水分量は、正極の水分量と同じく、非水電解質と接触させる前の負極の水分量であり、正極の水分量の場合に準じて、カールフィッシャー法により測定できる。
負極の厚みは、例えば、50μm〜2000μmの範囲から適宜選択できる。負極集電体として三次元網目状の金属多孔体を用いる場合、負極の厚みは、例えば、100μm〜2000μm、好ましくは400μm〜2000μmである。
(セパレータ)
キャパシタに含まれるセパレータは、キャパシタの種類に応じて適宜選択できる。
セパレータは、イオン透過性を有し、正極と負極との間に介在して、これらを物理的に離間させて短絡を防止する。セパレータは、多孔質構造を有し、細孔内に電解質を保持することで、イオンを透過させる。セパレータの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリアミド;ポリイミド;セルロース;ガラス繊維などを用いることができる。
セパレータの平均孔径は特に制限されず、例えば、0.01μm〜5μm程度である。セパレータの厚みは特に制限されず、例えば、10μm〜100μm程度である。
セパレータは、電極群を組み立てる際に、乾燥させて、水分量を低減させることが好ましい。セパレータの水分量は、電極群を形成する前の段階で、400ppm以下であることが好ましく、250ppm以下であることがさらに好ましい。このセパレータの水分量は、正極の場合と同じく非水電解質と接触させる前のセパレータの水分量であり、正極の場合に準じて、カールフィッシャー法により測定できる。
(非水電解質)
非水電解質は、キャパシタの種類に応じて選択できる。非水電解質は、カチオンおよびアニオンを含む。
非水電解質は、キャパシタに注液する前に、水分量を低減させておくことが好ましい。非水電解質の水分量は、原料となる媒体(具体的には、後述の有機溶媒およびイオン液体)、および/または溶質(アルカリ金属塩など)を脱水することにより低減できる。また、乾燥条件下で、非水電解質を調製することが好ましい。媒体および溶質の脱水は公知の方法で行うことができる。非水電解質についても、正極の場合と同様に、キャパシタを製造する際に、水分量をさらに低減することができる。
非水電解質の水分量は、例えば、200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下または50ppm以下であることがさらに好ましい。非水電解質の水分量は、セルケースに非水電解質を収容する前のものであり、正極の場合に準じて、カールフィッシャー法により測定できる。
(アルカリ金属イオンキャパシタ用非水電解質)
アルカリ金属イオンキャパシタでは、アルカリ金属イオン伝導性を有する非水電解質が使用される。このような非水電解質は、アルカリ金属イオンを含むカチオンとアニオンとを含む。非水電解質としては、例えば、非水溶媒(または有機溶媒)にアルカリ金属イオンとアニオンとの塩(アルカリ金属塩)を溶解させた電解質(有機電解質)の他、アルカリ金属イオンを含むカチオンとアニオンとを含むイオン液体などが用いられる。
有機電解質は、非水溶媒(有機溶媒)およびアルカリ金属塩に加え、イオン液体および/または添加剤などを含むことができる。ただし、電解質中の非水溶媒およびリチウム塩の含有量の合計は、例えば、60質量%〜100質量%、好ましくは75質量%〜100質量%、または85質量%〜100質量%である。電解質中の非水溶媒およびリチウム塩の含有量の合計は、例えば、95質量%以下であってもよい。
本明細書中、イオン液体は、溶融状態の塩(溶融塩)と同義であり、アニオンとカチオンとで構成される液状イオン性物質である。
電解質にイオン液体を用いる場合、電解質は、アルカリ金属イオンを含むカチオンとアニオンとを含むイオン液体に加え、非水溶媒および/または添加剤などを含むことができる。ただし、電解質中のイオン液体の含有量は、60質量%〜100質量%であることが好ましく、80質量%〜100質量%または90質量%〜100質量%であってもよい。
低温特性などの観点からは、有機溶媒を含む電解質を用いることが好ましい。電解質の分解をできるだけ抑制する観点からは、イオン液体を含む電解質を用いることが好ましく、イオン液体および有機溶媒を含む電解質を用いてもよい。
電解質におけるアルカリ金属塩またはアルカリ金属イオンの濃度は、例えば、0.3mol/L〜5mol/Lの範囲から適宜選択できる。
アルカリ金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、およびセシウムイオンからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。これらのうち、リチウムイオンおよびナトリウムイオンからなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。これらのアルカリ金属イオンを用いることで、アルカリ金属イオンを、充電時にはスムーズに負極活物質に吸蔵させることができるとともに、放電時には負極活物質から放出させることができる。
リチウムイオン伝導性を有する電解質を用いるアルカリ金属イオンキャパシタは、リチウムイオンキャパシタとも称される。また、ナトリウムイオン伝導性を有する電解質を用いるアルカリ金属イオンキャパシタは、ナトリウムイオンキャパシタとも称される。
アルカリ金属塩を構成するアニオン(第1アニオン)の種類は特に限定されず、例えば、フッ素含有酸のアニオン[ヘキサフルオロリン酸イオンなどのフッ素含有リン酸のアニオン;テトラフルオロホウ酸イオンなどのフッ素含有ホウ酸のアニオンなど]、塩素含有酸のアニオン[過塩素酸イオンなど]、オキサレート基を有する酸素酸のアニオン[ビス(オキサラト)ボレートイオン(B(C242 -)などのオキサラトボレートイオン;トリス(オキサラト)ホスフェートイオン(P(C243 -)などのオキサラトホスフェートイオンなど]、フルオロアルカンスルホン酸のアニオン[トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3 -)など]、ビススルホニルアミドアニオンなどが挙げられる。
アルカリ金属塩は、一種を単独で用いてもよく、第1アニオンの種類が異なるアルカリ金属塩を二種以上組み合わせて用いてもよい。
上記のビススルホニルアミドアニオンとしては、例えば、ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオン(FSA-:bis(fluorosulfonyl)amide anion))、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン(TFSA-:bis(trifluoromethylsulfonyl)amide anion)、(フルオロスルホニル)(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン[(FSO2)(CF3SO2)N-など]、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン[N(SO2CF32 -、N(SO2252 -など]などが挙げられる。これらの中では、FSA-が好ましい。
非水溶媒は、特に限定されず、リチウムイオンキャパシタに使用される公知の非水溶媒が使用できる。非水溶媒は、イオン伝導度の観点から、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトンなどの環状炭酸エステルなどを好ましく用いることができる。非水溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
イオン液体は、カチオンとアニオン(第2アニオン)との溶融塩を含む。イオン液体は、一種の溶融塩を含んでもよく、カチオンおよび/または第2アニオンの種類が異なる二種以上の溶融塩を含んでもよい。
第2アニオンとしては、ビススルホニルアミドアニオンを用いることが好ましい。ビススルホニルアミドアニオンとしては、第1アニオンについて例示したものと同様のものから選択できる。
イオン液体を構成するカチオンは、少なくともアルカリ金属イオンを含み、アルカリ金属イオン(第1カチオン)と第2カチオンとを含んでもよい。
第2カチオンとしては、アルカリ金属イオンとは異なる無機カチオン、有機カチオンなどが例示できる。無機カチオンとしては、例えば、アルカリ土類金属イオン(マグネシウムイオン、カルシウムイオンなど)、アンモニウムイオンなどが挙げられる。第2カチオンは、無機カチオンであってもよいが、有機カチオンであることが好ましい。イオン液体は、第2カチオンを、一種含んでもよく、二種以上組合せて含んでもよい。
有機カチオンとしては、脂肪族アミン、脂環族アミンまたは芳香族アミンに由来するカチオン(例えば、第4級アンモニウムカチオンなど)の他、窒素含有へテロ環を有するカチオン(つまり、環状アミンに由来するカチオン)などの窒素含有オニウムカチオン;イオウ含有オニウムカチオン;リン含有オニウムカチオンなどが例示できる。
窒素含有有機オニウムカチオンのうち、特に、第4級アンモニウムカチオンの他、窒素含有ヘテロ環骨格として、ピロリジン、ピリジン、またはイミダゾール骨格を有するものが好ましい。
窒素含有有機オニウムカチオンの具体例としては、テトラエチルアンモニウムカチオン(TEA+:tetraethylammonium cation)、メチルトリエチルアンモニウムカチオン(TEMA+:methyltriethylammonium cation)などのテトラアルキルアンモニウムカチオン;1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン(MPPY+:1−methyl−1−propylpyrrolidinium cation)、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムカチオン(MBPY+:1−butyl−1−methylpyrrolidinium cation);1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(EMI+: 1−ethyl−3−methylimidazolium cation)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(BMI+:1−buthyl−3−methylimidazolium cation)などが挙げられる。
(EDLC用非水電解質)
EDLCに使用される非水電解質としては、カチオン(第3カチオン)とアニオン(第3アニオン)との塩を非水溶媒(または有機溶媒)に溶解させた電解質の他、カチオン(第4カチオン)およびアニオン(第4アニオン)を含むイオン液体などの非水電解質が好ましく用いられる。
第3および第4カチオンとしては、それぞれ、アルカリ金属イオンキャパシタの非水電解質について例示した無機カチオン(アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンなど)および有機カチオンなどが例示できる。
電解質におけるカチオンの濃度は、例えば、0.3mol/L〜5mol/Lの範囲から適宜選択できる。
第3アニオンとしては、アルカリ金属イオンキャパシタの第1アニオンとして例示したものから適宜選択できる。非水溶媒としては、アルカリ金属イオンキャパシタについて例示したものから適宜選択できる。
イオン液体に含まれる第4アニオンとしては、アルカリ金属イオンキャパシタの第2アニオンとして例示したものから適宜選択できる。第4アニオンは、少なくともビススルホニルアミドアニオンを含むことが好ましい。第4アニオン中のビススルホニルアミドアニオンの含有量は、第2アニオンの場合と同様の範囲から選択できる。
電解質中のイオン液体の含有量は、アルカリ金属イオンキャパシタについて例示した範囲から適宜選択できる。アルカリ金属イオンキャパシタの場合と同様に、電解質の分解を抑制する観点からは、イオン液体を含む電解質を用いることが好ましく、イオン液体および有機溶媒を含む電解質を用いてもよい。
(キャパシタの製造方法)
本発明の実施形態に係るキャパシタは、(a)正極を準備する工程、(b)正極と、負極と、正極および負極の間に介在するセパレータとで電極群を形成する工程、ならびに(c)電極群および非水電解質をセルケース内に収容する工程を経ることにより製造できる。工程(c)の後、さらに活性化工程(d)を行ってもよい。活性化工程(d)を行うと、キャパシタ内の水分量をさらに低減することができる。
工程(a)は、具体的には、正極合剤を調製する工程(a1)、正極合剤を正極集電体に充填する工程(a2)、工程(a2)で得られた充填物を厚み方向に圧縮(または圧延)する工程(a3)、および工程(a3)で得られた圧縮物を乾燥する工程(a4)を含む。正極の水分量を低減する観点から、工程(a)、工程(a1)、(a2)および/または(a3)は、乾燥雰囲気下で行ってもよい。工程(a1)に使用される材料(正極合剤の構成成分)としては、乾燥したものを用いることが好ましい。
工程(a3)では、圧縮に先立って、工程(a2)で得られた充填物を、乾燥(予備乾燥)してもよい。予備乾燥は、大気雰囲気中で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。予備乾燥の温度は、特に制限されないが、例えば、60℃〜150℃または80℃〜120℃であってもよい。予備乾燥の乾燥時間は、特に制限されず、例えば、0.5時間〜6時間でまたは0.5時間〜3時間であってもよい。
工程(a3)の圧縮は、非水電解質と接触させる前に正極の水分量が増加しないように、乾燥雰囲気下で行ってもよい。圧縮は、例えば、露点温度が−50℃以下または−60℃以下の条件下で行ってもよい。
工程(a4)では、高温で乾燥させることにより、正極中の水分量を低減させる。工程(a4)における乾燥温度は、200℃以上であり、220℃以上であってもよい。このような温度で乾燥を行うことにより、電極群を組み立てた後、非水電解質と接触させる前の正極中の水分量を、上述の範囲に低減できる。結着性を確保し易く、抵抗の増加を抑制し易い観点から、乾燥温度は、バインダに含まれる高分子の融点および/または荷重たわみ温度よりも低い温度であることが望ましい。
工程(a4)の乾燥は、熱風乾燥、および/または遠赤外線乾燥などを利用して行うことができる。また、乾燥は、常圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。複数の乾燥法を適宜組み合わせることもでき、例えば、減圧下で、遠赤外線を利用して乾燥させてもよい。正極の表面だけでなく、内部までより均一に乾燥させる観点からは、工程(a4)の乾燥を、減圧下および/または遠赤外線下で行ってもよい。
工程(a4)の乾燥時間は、例えば、3時間〜48時間であり、6時間〜24時間または8時間〜16時間であってもよい。
工程(b)において、電極群は、正極と負極とをセパレータを介して積層させることにより形成してもよく、正極と負極とをセパレータを介して捲回することにより形成してもよい。電極群の形成には、公知の方法が採用できる。
非水電解質と接触させる前に正極の水分量が増加しないように、工程(b)を、乾燥雰囲気下で行うことが好ましい。工程(b)は、露点温度が−50℃以下または−60℃以下の条件下で行ってもよい。
また、キャパシタ内の水分量をできるだけ低減するため、工程(c)も乾燥雰囲気下で行うことが好ましい。
工程(c)で組み立てたキャパシタは、通常、活性化処理工程(d)に供される。活性化処理工程(d)では、キャパシタは、エージング処理(または加熱処理)され、安定した充放電を可能にするために慣らし充放電される。エージング処理および/または慣らし充放電を行うことにより、キャパシタ内には、ガスが発生するため、工程(d)において、ガス抜き処理を行われる。キャパシタ内において、負極活物質にアルカリ金属イオンをプレドープする場合、エージング処理は、プレドープ後に行われる。工程(d)は、プレドープ工程、エージング処理工程、慣らし充放電工程、およびガス抜き工程を含むことができる。
正極集電体への副生物の堆積は、エージング処理を行う際に特に顕著に起こる。そのため、副生物の堆積を抑制するには、工程(c)よりも前の段階で、正極の水分量を十分に低減しておくことが好ましい。本発明の実施形態によれば、キャパシタの組み立てに供する正極の水分量(すなわち、工程(a4)で)を上述の範囲に低減することで、エージング処理時の副生物の堆積を抑制することができる。
工程(d)において、エージング処理は、例えば、10℃〜60℃で行うことが好ましく、20℃〜40℃で行うことがさらに好ましい。
ガス抜き処理は、キャパシタ内に発生したガスを、キャパシタケースに設けた弁(ガス抜き弁、後述の安全弁など)からキャパシタ外に排出することにより行うことができる。
図1に、本発明の一実施形態に係る製造方法により得られるキャパシタ(リチウムイオンキャパシタ)の外観を斜視図により示す。図2は、図1のキャパシタを正面から見たときの内部構造を示す一部断面図である。図3は、図2のキャパシタの内部構造の一部を示す、図2のIII−III線による矢示断面図である。
キャパシタ(リチウムイオンキャパシタ)10は、電極群12および非水電解質(図示せず)と、これらを収容するセルケースとを備えている。セルケースは、ケース本体14と、ケース本体14の開口端部を封口する封口板16とを含む。図示例では、セルケースは角形である。
電極群12は、シート状の複数の正極18と、シート状の複数の負極20とを含んでいる。正極18と負極20とは、セパレータ21を間に挟んで、交互に積層されている。セパレータ21は、正極18を内部に収容するように袋状に形成されているが、セパレータの形状は特に限定されない。正極18は、正極集電体22と、正極活物質とを含む。負極20は、負極集電体24と、負極活物質とを含む。なお、図3では、電極と集電体とを区別して示すことが困難であるため、同一要素により電極と集電体とを示す。
封口板16は、複数の正極18と電気的に接続された正極外部端子40と、複数の負極20と電気的に接続された負極外部端子42とを有している。封口板16の中央部には、安全弁44が設けられている。また、封口板16には、安全弁44を中心にして、正極外部端子40寄りの位置に、注液孔を塞ぐ液栓48が取り付けられている。
電極群12において、正極集電体22は、タブ状の正極接続部26を有し、負極集電体24は、タブ状の負極接続部28を有している。図1に示すように、正極接続部26は、正極外部端子40寄りの位置に形成され、負極接続部28は、負極外部端子42寄りの位置に形成されている。各接続部は、集電体と同じ材質で、集電体と一体に形成することが好ましい。
隣接する正極接続部26の間には、第1導電性スペーサ30が配されている。同様に、隣接する負極接続部28の間にも、第2導電性スペーサが配される。第1導電性スペーサ30および第2導電性スペーサは、それぞれ、導体(例えば、金属、炭素材料)を含む板状の部材で形成できる。ただし、第1導電性スペーサ30は、正極接続部26との密着性を高めるために、金属多孔体で形成することが好ましく、特に、正極集電体22と同じ材料(例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む三次元網目状の骨格を有する金属多孔体)で形成することが好ましい。そして、第2導電性スペーサも、第1導電性スペーサ30の場合と同様に金属多孔体で形成することが好ましく、特に、負極集電体24と同じ材料(例えば、銅または銅合金を含む三次元網目状の骨格を有する金属多孔体)で形成することが好ましい。
図示例では、正極18の正極接続部26には、第1締結部材(リベット)34を挿通するための貫通孔36が設けられている。また、第1導電性スペーサ30にも、正極接続部26の貫通孔36と重なる位置に、第1締結部材34を挿通するための貫通孔37が設けられている。また、正極18の場合と同様に、負極20の負極接続部28にも、第2締結部材(リベット)を挿通するための貫通孔が設けられている。第2導電性スペーサにも、負極接続部28の貫通孔と重なる位置に、第2締結部材を挿通するための貫通孔が設けられている。各接続部および各導電性スペーサにおいて、貫通孔は2個ずつ設けられているが、貫通孔の個数は特に限定されない。
複数の正極18の正極接続部26は、電極群12の積層方向に沿って重なるように配されるため、それらの貫通孔36は一直線上に並んでいる。第1導電性スペーサ30も、貫通孔37が、対応する貫通孔36と一直線上に並ぶように配置される。一直線上に並んだ貫通孔36、37に第1締結部材34を挿通し、例えば、第1締結部材34の端部(頭部)を潰して拡径することにより、複数の正極接続部26が締結される。同様に、複数の負極接続部28および第2導電性スペーサにおいても、貫通孔は一直線上に並んでおり、これらの貫通孔に挿通される第2締結部材により、複数の負極接続部28が締結される。
第1締結部材34は、正極集電体22と同じ導電性材料で形成することが、高い耐食性が得られる点で好ましい。同様の理由で、第2締結部材も、第2集電体24と同じ導電性材料で形成することが好ましい。
正極18と、正極外部端子40とは、正極リード62を介して電気的に接続されている。同様に、負極20と、負極外部端子42とは、負極リードを介して電気的に接続されている。図示例の正極リード62は、横断面がL字形状の部材であり、互いに垂直な、板状の第1部分62aと、第2部分62bとを有している。正極リード62は、第1部分62aが封口板16と平行で、かつ第2部分62bが封口板16と垂直になるように配置される。正極リード62は、主として第2部分62bが正極接続部26と接触することで、正極18と電気的に接続される。第2部分62bは、第1締結部材34を挿通するための1つ以上の貫通孔を有している。この貫通孔に挿通された第1締結部材34により、第2部分62bが正極接続部26と接触した状態で固定され、これにより、正極リード62が複数の正極18の正極接続部26に固定される。負極リードも、正極リード62と同様の形状を有しており、正極リード62の場合と同様にして、負極接続部28に固体され、負極20と電気的に接続される。
キャパシタ10を組み立てる際には、まず、正極18と負極20とをこれらの間にセパレータ21を介在させた状態で積層することにより電極群12が構成され、構成された電極群12がセルケースに収容される。その後、セルケースに非水電解質を注液し、電極群12を構成するセパレータ21、正極18および負極20の空隙に電解質を含浸させる工程が行われる。なお、正極の水分量は、この非水電解質の注液工程の前に測定でき、セルケースに収容する前の電極群12について測定してもよい。
[付記]
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
正極集電体と、前記正極集電体に担持された正極合剤とを含むキャパシタ用正極であって、
前記正極集電体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む三次元網目状の骨格を有し、
前記正極合剤は、正極活物質およびバインダを少なくとも含み、
前記正極活物質は、活性炭を含み、
前記バインダは、融点およびJIS K7191に準拠した荷重たわみ温度の少なくとも一方が250℃以上であり、かつ結着性を有する高分子を含み、
前記正極の水分量は500ppm以下であるキャパシタ用正極。
キャパシタにおいて、このような正極を用いると、正極集電体の表面に副生物が堆積することが抑制されるため、正極の抵抗が増加することを抑制できる。その結果、レート特性の低下を抑制できる。
(付記2)
前記付記1の正極の厚みは、500μm〜2000μmであり、
投影単位面積当たりの電荷移動抵抗は1.5Ω/cm2以下であり、
前記高分子は、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、ポリイミド、およびポリアミドイミドからなる群より選択される少なくとも一種であり、
前記正極の水分量は300ppm以下であることが好ましい。このような正極では、レート特性の低下を抑制する効果をさらに高めることができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
下記の手順でリチウムイオンキャパシタを作製した。
(1)正極の作製
(a)正極集電体の作製
熱硬化性ポリウレタンの発泡体(気孔率:95体積%、表面1インチ(=2.54cm)長さ当たりの空孔(セル)数:約50個、縦100mm×横30mm×厚み1.1mm)を準備した。
発泡体を、黒鉛、カーボンブラック(平均粒径D50:0.5μm)、樹脂バインダ、浸透剤、および消泡剤を含む導電性懸濁液の中に浸漬した後、乾燥することにより、発泡体の表面に導電性層を形成した。なお、懸濁液中の黒鉛およびカーボンブラックの含有量は合計で25質量%であった。
表面に導電性層を形成した発泡体を、溶融塩アルミニウムメッキ浴中に浸漬して、電流密度3.6A/dm2の直流電流を90分間印加することにより、アルミニウム層を形成した。なお、発泡体の見掛け面積当たりのアルミニウム層の質量は、150g/m2であった。溶融塩アルミニウムメッキ浴は、33mol%の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドおよび67mol%の塩化アルミニウムを含み、温度は、40℃であった。
表面にアルミニウム層が形成された発泡体を、500℃の塩化リチウム−塩化カリウム共晶溶融塩中に浸漬し、−1Vの負電位を30分間印加することにより、発泡体を分解させた。得られたアルミニウム製の多孔体を、溶融塩から取り出して冷却し、水洗し、乾燥させることにより正極集電体を得た。得られた正極集電体は、発泡体の空孔形状を反映した、空孔が連通した三次元網目状の多孔構造を有し、気孔率は94体積%であり、平均空孔径は550μmであり、BET法による比表面積(BET比表面積)は、350cm2/gであり、厚みは1100μmであった。また、三次元網目状のアルミニウム製の骨格は、発泡体の除去により形成された連通孔状の空洞を内部に有していた。このようにして正極集電体を得た。
(b)正極の作製
正極活物質として活性炭粉末(比表面積2300m2/g、平均粒径約5μm)および導電助剤としてアセチレンブラック、バインダとしてCMCのNa塩、および分散媒としての水を、混合機にて混合、攪拌することにより、正極合剤スラリーを調製した。スラリー中の各成分の質量比は、活性炭:アセチレンブラック:CMCのNa塩=93:4:3であった。使用したCMCのNa塩のエーテル化度は、0.9であり、1質量%濃度の水溶液の粘度は、20mPa・sであった。
得られた正極合剤スラリーを、上記工程(a)で得られた集電体に充填し、充填物を、大気雰囲気中、100℃で60分間予備乾燥し、乾燥物を、乾燥雰囲気下(露点温度−65℃)で、一対のロールを用いて厚み方向に圧縮した。得られた圧縮物を、220℃にて12時間、減圧下(約0.1Pa)で乾燥することにより、厚み800μmの正極を作製した。
(2)負極の作製
(a)負極集電体の作製
正極集電体の作製で用いたものと同じ熱硬化性ポリウレタンの発泡体の表面に、スパッタリングにより目付量5g/cm2のCu被膜(導電性層)を形成した。
表面に導電性層を形成した発泡体をワークとして、硫酸銅メッキ浴中に浸漬して、陰極電流密度2A/dm2の直流電流を印加することにより、表面にCu層を形成した。硫酸銅メッキ浴は、250g/Lの硫酸銅、50g/Lの硫酸、および30g/Lの塩化銅を含み、温度は、30℃であった。
表面にCu層が形成された発泡体を、大気雰囲気下、700℃で熱処理することにより、発泡体を分解させ、次いで、水素雰囲気下で焼成することにより表面に形成された酸化被膜を還元することにより、銅製の多孔体(負極集電体)を得た。得られた負極集電体は、発泡体の空孔形状を反映した、空孔が連通した三次元網目状の多孔構造を有し、気孔率は92体積%であり、平均空孔径は550μmであり、BET比表面積は200cm2/gであった。また、三次元網目状の銅製の骨格は、発泡体の除去により形成された連通孔状の空洞を内部に有していた。
(b)負極の作製
負極活物質としての人造黒鉛粉末と、導電助剤としてのアセチレンブラックと、バインダとしてのPVDFと、分散媒としてのNMPとを混合することにより、負極合剤スラリーを調製した。黒鉛粉末と、アセチレンブラックと、PVDFとの質量比は、87:8:5であった。
得られた負極合剤スラリーを、上記工程(a)で得られた集電体に充填し、充填物を大気雰囲気中、100℃で60分予備乾燥させた。乾燥物を、乾燥雰囲気下で、一対のロールを用いて厚み方向に圧縮した。圧縮物を、120℃にて12時間、真空乾燥することにより、厚み240μmの負極を作製した。得られた負極の水分量は、60ppmであった。
なお、工程(1)および(2)では、プレドープ後の負極の充電可能な容量が、正極の容量の約2倍となるように、正極合剤および負極合剤の充填量を調節した。
(3)リチウム極の作製
集電体としてのパンチング銅箔(厚み:20μm、開口径:50μm、開口率50%、2cm×2cm)の一方の表面に、リチウム箔(厚み:50μm)を圧着することにより、リチウム極を作製した。リチウム極の集電体の他方の表面には、ニッケル製のリードを溶接した。リチウム極の作製は、乾燥雰囲気下(温度25℃、露点−50℃以下)で行った。
(4)リチウムイオンキャパシタの作製
上記(1)で得られた正極を所定サイズに切り出し、端部には、1cm×4cmのサイズの正極集電体露出部(タブ)を形成した。上記(2)で得られた負極を所定サイズに切り出し、端部には、1cm×4cmのサイズの負極集電体露出部(タブ)を形成した。正極のサイズは、タブを除いて8.5cm×10cmであり、負極のサイズは、タブを除いて、8.5cm×10.5cmとした。正極集電体露出部には、アルミニウム製のリードを、負極集電体露出部には、ニッケル製のリードを、それぞれ溶接した。
正極と負極との間に、乾燥させたセルロース製のセパレータ(厚み:60μm)を介在させて正極と負極とを積層することにより単セルの電極群を形成した。電極群の形成は、露点温度−65℃程度の条件で行った。さらに、電極群の負極側に、上記と同様のセパレータを介在させて、リチウム極を配置し、得られた積層物を、アルミニウムラミネートシートで作製されたセルケース内に収容した。セパレータの水分量をカールフィッシャー法により測定したところ、電極群を形成する前の段階で、200ppmであった。
次いで、非水電解質をセルケース内に注入して、正極、負極およびセパレータに含浸させた。非水電解質としては、エチレンカーボネートおよびジエチルカーボネートを体積比1:1で含む混合溶媒に、リチウム塩としてLiPF6を1.0mol/Lの濃度となるように溶解させた溶液を用いた。用いた非水電解質中の水分量は、50ppmであった。最後に真空シーラーにて減圧しながらセルケースを封止した。
負極のリード線とリチウム極のリード線とを、セルケース外部で電源に接続した。この状態のセルを、30℃の恒温槽内で、電解質の温度が恒温槽の温度と同じになるように所定時間静置した。次いで、負極とリチウム極との間で、0.2mA/cm2の電流で、金属リチウムに対して0Vの電位まで充電した後、0.2mA/cm2の電流で2.3mAh放電して、負極活物質にリチウムをプレドープした。プレドープ後、セルを30℃で12時間加熱することによりエージングした。
エージングしたセルを、0.5mA/cm2の電流で、上限電圧3.8Vまで充電し、0.5mA/cm2の電流で、電圧が2.2Vになるまで放電する充放電サイクルを10回繰り返すことにより慣らし充放電を行った。そして、セル内で発生したガスを、ラミネートを一度開封することにより、セル外に排出した。このようにして、リチウムイオンキャパシタ(A1)を作製した。リチウムイオンキャパシタA1の設計容量は、3.8V充電時で約1.0mAh/cm2であった。
リチウムイオンキャパシタを用いて、下記の評価を行った。
(a)正極の水分量
非水電解質の注液前の段階で、電極群を分解し、正極を取り出して、カールフィッシャー法により正極の水分量を測定した。具体的には、まず、取り出した正極を、幅2cm×長さ10cmのサイズに切り出し、試験片を作製した。試験片をドライルーム(温度25℃,露点−50℃以下)で1時間放置した。その後、ドライルーム内に設置した電量滴定式水分計を用い、水分気化法(気化温度150℃)により水分量を測定した。測定値に基づいて、正極に含まれる水分量を算出した。
(b)セル抵抗
5mA/cm2の電流で、上限電圧3.8Vまで充電し、5mA/cm2の電流で、電圧が2.2Vになるまで放電する充放電サイクルを5回繰り返した。各サイクルについて、充電終止電圧と放電初期電圧との差(ΔV)を、放電電流で除した値を求め、これらの平均値をセル抵抗とした。
(c)正極の電荷移動抵抗
正極の電荷移動抵抗を、交流インピーダンス法により、電圧振幅5mVおよび周波数範囲0.01Hz〜10kHzの条件で測定した。具体的には、交流インピーダンス測定で得られるナイキスト線図において、初期の円弧部分の直径を電荷移動抵抗とした。
(d)レート特性
2Cの電流で、3.8Vまで充電し、2Cまたは50Cの電流で、電圧が2.2Vになるまで放電した。このときの放電容量(mAh)を求めた。2Cの電流で放電したときの放電容量を「放電容量A」とし、50Cの電流で放電したときの放電容量を「放電容量B」とした。
放電容量Aに対する放電容量Bの比率(百分率)を指標として、リチウムイオンキャパシタのレート特性を評価した。
比較例1〜3
正極の水分量が表1の値となるように、実施例1の(1)(b)において、圧縮物を乾燥する際の時間を調整した以外は、実施例1と同様に正極を作製した。得られた正極を用いる以外は、実施例1と同様にリチウムイオンキャパシタB1〜B3を作製し、評価を行った。
比較例4
実施例1の(1)(b)において、CMCのNa塩に代えて、PVDFをバインダとして用い、圧縮物を乾燥する際の温度を120℃に変更した以外は、実施例1と同様に正極を作製した。得られた正極を用いる以外は、実施例1と同様にリチウムイオンキャパシタB4を作製し、評価を行った。
実施例および比較例の結果を表1に示す。
Figure 2017152416
表1に示されるように、水分量が500ppmより多い正極を用いた比較例のキャパシタでは、正極の抵抗およびセル抵抗が高く、レート特性が低くなった。それに対して、水分量が500ppm以下の正極を用いた実施例のキャパシタでは、正極の抵抗が低くなった。それに伴い、セル抵抗が顕著に低下し、レート特性が大きく向上した。これは、水分量が低減された正極を用いたことで、副反応が抑制され、正極集電体の表面への副生物の堆積が低減されたためと考えられる。
PVDFをバインダとして含む正極を用いたB4では、PVDFの融点が170℃であり、正極の乾燥温度を融点以上に上げることができなかったため、十分な乾燥を行うことができなかった。そのため、正極の水分量が多く、副生物が正極集電体の表面に堆積したことにより、正極の抵抗が増加したものと考えられる。
本発明の一実施形態に係るキャパシタ用正極およびキャパシタでは、正極の抵抗の増加が抑制されており、優れたレート特性が得られる。そのため、高レートが求められる様々な用途に適用することができる。
10:キャパシタ
12:電極群
14:ケース本体
16:封口板
18:正極
20:負極
21:セパレータ
22:正極集電体
24:負極集電体
26:正極接続部
28:負極接続部
30:第1導電性スペーサ
34:第1締結部材
36、37:貫通孔
40:正極外部端子
42:負極外部端子
44:安全弁
48:液栓
62:正極リード
62a:第1部分
62b:第2部分

Claims (10)

  1. 正極集電体と、前記正極集電体に担持された正極合剤とを含むキャパシタ用正極であって、
    前記正極集電体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む三次元網目状の骨格を有し、
    前記正極合剤は、正極活物質およびバインダを少なくとも含み、
    前記正極活物質は、活性炭を含み、
    前記バインダは、融点およびJIS K7191に準拠した荷重たわみ温度の少なくとも一方が250℃以上である高分子を含み、
    前記正極の水分量は500ppm以下であるキャパシタ用正極。
  2. 投影単位面積当たりの電荷移動抵抗は2Ω/cm2以下である請求項1に記載のキャパシタ用正極。
  3. 前記高分子は、カルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース塩、およびポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1または請求項2に記載のキャパシタ用正極。
  4. 前記高分子は、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、ポリイミド、およびポリアミドイミドからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のキャパシタ用正極。
  5. 前記正極の水分量は300ppm以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のキャパシタ用正極。
  6. 500μm〜2000μmの厚みを有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のキャパシタ用正極。
  7. 前記バインダに占める前記高分子の量は、90質量%〜100質量%であり、
    前記バインダの量は、前記正極活物質100質量部に対して、10質量部以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のキャパシタ用正極。
  8. 正極を準備する工程(a)、
    前記正極と、負極と、正極および負極の間に介在するセパレータとで電極群を形成する工程(b)、ならびに
    前記電極群および非水電解質をセルケース内に収容する工程(c)を含み、
    前記工程(a)は、
    活性炭を含む正極活物質と、融点およびJIS K7191に準拠した荷重たわみ温度の少なくとも一方が250℃以上である高分子を含むバインダとを、少なくとも含む正極合剤を調製する工程(a1)、
    前記正極合剤を、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む三次元網目状の骨格を有する正極集電体に充填する工程(a2)、
    前記工程(a2)で得られた充填物を厚み方向に圧縮する工程(a3)、ならびに
    前記工程(a3)で得られた圧縮物を、前記電極群が前記非水電解質と接触する前の状態において、前記正極の水分量が500ppm以下となるように、200℃以上で、かつ前記高分子の前記融点および/または前記荷重たわみ温度よりも低い温度で乾燥する工程(a4)、を含む、キャパシタの製造方法。
  9. 前記工程(a4)を、減圧下および/または遠赤外線下で乾燥する、請求項8に記載のキャパシタの製造方法。
  10. 前記非水電解質は、アルカリ金属イオン伝導性を有し、
    前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体に担持され、かつ負極活物質を含む負極合剤とを含み、
    前記負極集電体は、三次元網目状の金属の骨格を有し、
    前記負極活物質は、アルカリ金属イオンを可逆的に担持する材料を含む請求項8または請求項9に記載のキャパシタの製造方法。
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