JP2017098365A - リチウムイオンキャパシタおよびリチウムイオンキャパシタが装着された電子機器 - Google Patents

リチウムイオンキャパシタおよびリチウムイオンキャパシタが装着された電子機器 Download PDF

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光保 上田
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Abstract

【課題】湾曲面を有する電子機器に装着し易く、電極活物質の脱落を抑制できるリチウムイオンキャパシタを提供する。【解決手段】リチウムイオンキャパシタは、正極3、負極4、および正極と負極との間に介在するセパレータを含む電極群と、リチウムイオン伝導性の電解質とを含む。正極、セパレータ、および負極は、それぞれ、アーチ部3c,4cを有する平面形状を有し、かつ積層方向DLに沿って積層されている。アーチ部は、内側の第1曲線部3a,4aと、外側の第2曲線部3b、4bとを有し、電極群は、正極および負極のそれぞれの第1曲線部が連なることにより形成された第1湾曲面と第2曲線部が連なることにより形成された第2湾曲面とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、平面アーチ形状の電極を積層した電極群を備えるリチウムイオンキャパシタおよびリチウムイオンキャパシタが装着された電子機器に関する。
環境問題がクローズアップされる中、太陽光または風力などのクリーンエネルギーを電力に変換し、電気エネルギーとして蓄電するシステムの開発が盛んに行われている。このような蓄電デバイスとしては、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタなどが知られている。最近では、瞬時の充放電特性に優れるとともに、高い出力特性が得られ、取り扱い性に優れるといった観点から、リチウムイオンキャパシタなどのキャパシタが注目されている。
リチウムイオンキャパシタは、正極、負極、およびこれらの間に介在するセパレータを含む電極群とリチウムイオン伝導性の電解質とを備える。電極は、集電体と、集電体上に形成され、かつ電極活物質を含む電極活物質層とを有する。例えば、特許文献1では、アルミニウム箔集電体上に電極活物質層を形成した電極がリチウムイオンキャパシタに使用されている。
特開2013−157603号公報
電子機器の小型化および高性能化に伴って、電力源であるリチウムイオンキャパシタにも高エネルギー密度が求められている。また、リチウムイオンキャパシタを装着した状態の電子機器のサイズが大きくなり過ぎないように、リチウムイオンキャパシタの形状を電子機器の形状に沿わせることが重要となってくる。
しかし、湾曲面を有する電子機器の形状に沿わせて電極を湾曲させると、電極活物質が脱落し、内部短絡の原因となる。電極活物質の脱落は、引用文献1のように金属箔集電体を用い、電極を湾曲させた場合には特に顕著となる。
本発明の目的は、湾曲面を有する電子機器に装着し易く、電極活物質の脱落を抑制できるリチウムイオンキャパシタおよびリチウムイオンキャパシタが装着された電子機器を提供することである。
本発明の一局面は、正極、負極、および前記正極と前記負極との間に介在するセパレータを含む電極群と、リチウムイオン伝導性の電解質とを含み、
前記正極、前記セパレータ、および前記負極は、それぞれ、アーチ部を有する平面形状を有し、かつ積層方向Dに沿って積層されており、
前記アーチ部は、内側の第1曲線部と、外側の第2曲線部とを有し、
前記電極群は、前記正極および前記負極のそれぞれの前記第1曲線部が連なることにより形成された第1湾曲面と前記第2曲線部が連なることにより形成された第2湾曲面とを有する、リチウムイオンキャパシタに関する。
本発明の他の一局面は、湾曲した周面を有する柱状の本体と、前記周面に前記第1湾曲面を沿わせて装着された上記のリチウムイオンキャパシタとを含む、電子機器に関する。
本発明の上記局面に係るリチウムイオンキャパシタは、湾曲面を有する電子機器に装着し易く、電極活物質の脱落を抑制できる。
本発明の一実施形態のリチウムイオンキャパシタに含まれる正極または負極を模式的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオンキャパシタを装着した自転車用発電機を模式的に示す斜視図である。 図2のIII−III線による矢視断面図の一部である。 金属多孔体の骨格の一部の構造の一例を示す模式図である。 図4における骨格の一部の断面を模式的に示す断面図である。
[発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明の一実施形態は、正極、負極、および正極と負極との間に介在するセパレータを含む電極群と、リチウムイオン伝導性の電解質とを含むリチウムイオンキャパシタに関する。正極、セパレータ、および負極は、それぞれ、アーチ部を有する平面形状を有し、かつ積層方向Dに沿って積層されている。アーチ部は、内側の第1曲線部と、外側の第2曲線部とを有する。電極群は、正極および負極のそれぞれの第1曲線部が連なることにより形成された第1湾曲面と第2曲線部が連なることにより形成された第2湾曲面とを有する。正極は、正極集電体と、正極集電体に担持された正極活物質とを含み、負極は、負極集電体と、負極集電体に担持された負極活物質とを含み、正極集電体および負極集電体は、それぞれ、三次元網目状の骨格を有する金属多孔体である。
本発明の他の一実施形態は、湾曲した周面を有する柱状の本体と、周面に第1湾曲面を沿わせて装着された上記のリチウムイオンキャパシタとを含む、電子機器に関する。
電極群が湾曲面(具体的には、第1湾曲面)を有することで、湾曲した周面などの湾曲面を有する電子機器に沿わせてリチウムイオンキャパシタを装着し易い。また、電極群において、電極自体は平面形状であるため、電極を厚み方向に湾曲させる場合と異なり、電極活物質が集電体から脱落することを抑制できる。また、正極および負極内では、金属多孔体の金属製の骨格が三次元網目状に張り巡らされているため、高い導電性を確保することができ、リチウムイオンキャパシタに求められる高出力を得ることができる。
積層方向Dとは、いずれも平面形状の正極と負極とを、セパレータを介して積層する際の方向であり、正極および負極の面方向と直行する方向である。積層方向Dは、電極群において、正極および負極の厚み方向と同じである。
電極のアーチ部は、所定の間隔wを開けて並んだ、円弧状の内側の第1曲線部と、円弧状の外側の第2曲線部とに挟まれた部分である。アーチ部の幅wは、円弧状の第1曲線部および第2曲線部の径方向における最小距離である。なお、円弧に類似した形状も円弧状と呼ぶものとする。
電極群は、n個の正極と、(n−1)個〜(n+1)個の負極とを含み、nは5以上の整数であることが好ましい。nは、5〜40の整数であってもよい。このような場合、高いエネルギー密度を確保し易い。
リチウムイオンキャパシタの厚みは、3mm〜20mmであることが好ましい。この場合、リチウムイオンキャパシタを装着した状態の電子機器のサイズが大きくなるのを防ぎ易い。
第1湾曲面は、積層方向Dと平行な中心軸(中心軸A)を有する柱状体の周面を形成することが好ましい。この場合、第1湾曲面を、電子機器の柱状の本体の周面に沿わせ易いため、このような本体を有する電子機器にリチウムイオンキャパシタを容易に装着することができる。
正極および負極のそれぞれにおいて、第1曲線部の曲率半径は、10mm〜40mmであることが好ましい。この場合、自転車用発電機など、湾曲面を有する小型の電子機器に装着し易く、リチウムイオンキャパシタの占めるスペースを低減し易い。
正極および負極の厚みは、それぞれ、50μm〜500μmであってもよい。このように電極が比較的大きな厚みを有する場合でも、本実施形態によれば電極活物質の脱落を抑制することができ、高いエネルギー密度を確保し易い。
[発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るリチウムイオンキャパシタおよび電子機器の具体例を、適宜図面を参照しつつ以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
[リチウムイオンキャパシタ]
(電極群)
リチウムイオンキャパシタに含まれる電極群は、正極と負極とこれらの間に介在するセパレータとを含む。リチウムイオンキャパシタは、少なくとも1つの電極群を含んでいればよく、2つ以上の電極群を含んでもよい。
(正極および負極)
正極、および負極は、それぞれ、アーチ部を有する平面形状を有しており、アーチ部は、内側の第1曲線部と、外側の第2曲線部とを有する。第1曲線部および第2曲線部はいずれも円弧状(または円弧状に類似の形状も含む)の曲線である。
図1は、正極または負極を模式的に示す平面図である。
正極3および負極4は、それぞれ、アーチ部3cおよびアーチ部4cを有する平面形状を有する。図示例では、正極3および負極4はいずれも、全体として平面アーチ状である。アーチ部3cにおいて、正極3は、内側の第1曲線部3aと外側の第2曲線部3bとを有している。第1曲線部3aおよび第2曲線部3bはそれぞれ中心角αの円弧状の曲線であり、アーチ部3cは、幅wを有している。正極3の場合と同様に、アーチ部4cにおいて、負極4は、内側の第1曲線部4aと外側の第2曲線部4bとを有している。第1曲線部3aおよび第2曲線部3bはそれぞれ中心角αの円弧状の曲線であり、アーチ部3cは、幅wを有している。
正極3と負極4とをセパレータを介して積層することで電極群が形成されるが、このとき、第1曲線部3aと第1曲線部4aとが連なり、第2曲線部3bと第2曲線部4bとが連なるように積層する。正極および負極の第1曲線部同士が連なることで第1湾曲面が形成され、第2曲線部同士が連なることで第2湾曲面が形成される。第1湾曲面および第2湾曲面は、それぞれ、中心軸Aを有する柱状体(例えば、円柱)の周面を形成する。中心軸Aは、正極3、セパレータ、および負極4の積層方向D、つまり、正極3および負極4の厚み方向と平行である。
リチウムイオンキャパシタ内において、電極群は立体的なアーチ形状となるが、正極および負極自体は、図1に示されるように、それぞれ、平面形状である。そのため、電極を湾曲させることにより湾曲した電極群を作製する場合とは異なり、電極活物質の脱落が抑制される。また、湾曲により電極に過度の応力が加わることを抑制することもできる。よって、電極活物質の脱落に伴う内部短絡の発生を抑制することができ、エネルギー密度の低下を抑制することもできる。
円弧状の第1曲線部および第2曲線部のそれぞれの中心角(上述の中心角α)は、例えば、45°〜135°である。中心角αは、特にこの範囲に限らず、リチウムイオンキャパシタを装着する機器の湾曲面の形状および/またはサイズなどに応じて適宜決定できる。第1曲線部と第2曲線部とで中心角αが異なる場合には、少なくとも第1曲線部の中心角αが上記のような範囲を充足する。
正極および負極のそれぞれにおいて、第1曲線部の曲率半径は、例えば、10mm〜40mmである。曲率半径は、特にこの範囲に限らず、リチウムイオンキャパシタを装着する電子機器の湾曲面の形状および/またはサイズなどに応じて適宜決定できる。
本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタは、特に自転車用発電機の側面など、柱状の電子機器の湾曲した周面などの湾曲面に装着するのに適している。柱状の電子機器は、円柱状(楕円柱状、円柱状または楕円柱に類似の形状も含む)であってもよく、円柱状の部分を有するものであってもよい。
正極および負極は、それぞれ、集電体と、集電体に担持された電極活物質(または電極合剤)とを含む。
(集電体)
正極集電体の材質としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金などが好ましい。アルミニウム合金としては、例えば、アルミニウム−鉄合金、アルミニウム−銅合金、アルミニウム−マンガン合金、アルミニウム−ケイ素合金、アルミニウム−マグネシウム合金、アルミニウム−マグネシウム−ケイ素合金、アルミニウム−亜鉛合金、アルミニウム−ニッケル合金などが挙げられる。
負極集電体の材質としては、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼などが好ましい。
集電体を構成する金属多孔体は、例えば、不織布状の構造や、スポンジ状の構造を有する。このような構造は、空孔および金属製の骨格を有する。例えば、スポンジ状の構造を有する金属多孔体は、空孔および金属製の骨格を有する複数のセルにより構成される。
図4は、圧縮前の段階における集電体の上記セルを模式的に示す。セルの1つは、図4に示すように、例えば、正十二面体として表わすことができる。空孔101は、繊維状または棒状の金属部分(繊維部102)により区画されており、複数が三次元的に連なっている。セルの骨格は、繊維部102が連結することにより形成される。セルには、繊維部102により囲まれた略五角形の開口(または窓)103が形成されている。隣接するセル同士は、1つの開口103を共有することにより、互いに連通している。すなわち、各金属多孔体の骨格は、連続する複数の空孔101を区画しながら、網目状のネットワークを形成する繊維部102により形成される。このような構造を有する骨格を、三次元網目状の骨格という。
金属多孔体は、連通孔を有する樹脂製の多孔体(樹脂発泡体、樹脂製の不織布など)を、集電体を構成する金属で被覆することにより形成できる。金属による被覆は、例えば、メッキ処理、気相法(蒸着、プラズマ化学気相蒸着、スパッタリングなど)、金属ペーストの塗布などにより行うことができる。金属による被覆処理により、三次元網目状の骨格が形成される。これらの被覆方法のうち、メッキ処理が好ましい。
正極および負極は、それぞれ、後述するように、電極活物質または電極合剤を集電体としての金属多孔体に担持させた後、圧縮することにより作製される。
金属多孔体の気孔率は、圧縮前の状態で、例えば、30体積%〜99体積%である。気孔率がこのような範囲である場合、電極活物質または電極合剤の充填率を高めやすく、高容量化の点で有利である。作製した正極および負極において、それぞれの集電体の気孔率は、例えば、10体積%〜50体積%である。
なお、集電体の気孔率は、集電体の質量および集電体を構成する金属の密度から集電体に占める金属の体積を求め、この体積が集電体の見かけの体積に占める割合(体積%)を算出することにより求めることができる。作製後の電極における集電体の見かけ体積は、電極の断面の走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)の画像から複数の箇所(例えば、10箇所)の電極の厚みを測定し、平均化することにより平均厚みを求め、この平均厚みと、電極の縦および横のサイズとから求めることができる。
三次元網目状の骨格における平均空孔径(連通するセル状の空孔の平均径)は、圧縮前の状態で、例えば、50μm〜1000μmであり、100μm〜900μmであってもよい。平均空孔径がこのような範囲である場合、活物質または電極合剤を充填し易く、高容量化の点で有利である。
集電体の平均空孔径は、集電体(または電極)の厚み方向と平行な断面のSEM画像の三次元網目状の骨格部分について、厚み方向と平行な方向(縦)および厚み方向と垂直な方向(横)との1インチ長さ当たりのセル数(空孔の数)をそれぞれ計測して平均値を算出し、平均値の逆数を平均空孔径として求めることができる。
各集電体の比表面積(BET比表面積)は、圧縮前の状態で、例えば、100cm/g〜700cm/gであり、好ましくは100cm/g〜600cm/gである。比表面積がこのような範囲である場合、電極活物質または電極合剤を充填し易く、高容量化の点で有利である。
集電体の三次元網目状の骨格は、内部に空洞を有してもよい(つまり、中空であってもよい)。より具体的には、図5に示すように、集電体の骨格を形成する繊維部102は、内部に空洞102aを有してもよい。空洞102aは幅Wを有する。図5は圧縮前の段階の骨格を模式的に示す。
集電体の骨格内の空洞は、連通孔状であってもよく、このような骨格は、トンネル状またはチューブ状になっている。中空の骨格を有する集電体は、嵩高い三次元構造を有しながらも、極めて軽量である。集電体が中空の骨格を有する場合、電極を湾曲させ易く、湾曲させる際に過度の応力が加わることも抑制し易い。また、電解質の移動が容易になるので、エネルギー密度を高める上でも有利である。骨格内の空洞は、樹脂製の多孔体を金属で被覆した後、加熱や分解などにより樹脂を除去することにより形成することができる。
骨格内部の空洞の幅Wは、圧縮前の段階において、平均値で、例えば、0.5μm〜5μmである。空洞の幅Wがこのような範囲である場合、圧縮後の電極においても空洞をある程度確保し易くなる。よって、湾曲部の形成がさらに容易となるとともに、高いエネルギー密度を確保し易くなる。空洞の幅の平均値は、集電体の厚み方向と平行な断面のSEM写真において、任意に選択した複数の箇所(例えば、10箇所)について空洞の幅を計測し、平均化することにより求めることができる。
(正極活物質および正極合剤)
正極では、正極活物質または正極合剤が、正極集電体に担持されている。正極合剤は、正極活物質に加え、導電助剤および/またはバインダを含んでもよい。
正極活物質は、少なくともアニオン(具体的には、電解質に含まれるアニオン)を可逆的に担持する材料を含むことが好ましい。このような材料は、電解質に含まれるアニオンおよびカチオン(リチウムイオンなど)を可逆的に担持する材料であってもよい。少なくともアニオンを可逆的に担持する材料には、少なくともアニオンを吸着および脱離する材料、少なくともアニオンを吸蔵および放出(もしくは挿入および脱離)する材料などが含まれる。前者は、充放電の際に非ファラデー反応を起こす材料であり、後者は、充放電の際にファラデー反応を起こす材料である。
少なくともアニオンを吸着および脱離する材料としては、多孔質炭素材料(第1炭素材料とも言う)が好ましく使用できる。第1炭素材料としては、活性炭が好ましい。
活性炭としては、リチウムイオンキャパシタに使用される公知のものを使用できる。活性炭の原料としては、例えば、木材;ヤシ殻;パルプ廃液;石炭またはその熱分解により得られる石炭系ピッチ;重質油またはその熱分解により得られる石油系ピッチ;フェノール樹脂などが挙げられる。活性炭は、賦活処理されたものであることが好ましい。
活性炭の平均粒径は、特に限定されないが、20μm以下であることが好ましく、3μm〜15μmであることがより好ましい。活性炭の平均粒径がこのような範囲である場合、集電体に充填し易いため、高密度にすることができ、高容量化の点で有利である。
なお、本明細書中、平均粒径とは、レーザー回折式の粒度分布測定で得られる粒度分布における体積基準のメディアン径(D50)を意味する。
活性炭の比表面積(BET比表面積)は、特に限定されないが、800m/g〜3000m/gが好ましく、1500m/g〜3000m/gがさらに好ましい。比表面積がこのような範囲である場合、リチウムイオンキャパシタの静電容量を大きくする上で有利であるとともに、内部抵抗を小さくし易い。また、より高出力が得られ易い。活性炭は、一種を単独で用いてもよく、二種以上(例えば、原料、平均粒径および/または比表面積が異なる二種以上)を組み合わせて使用してもよい。
少なくともアニオンを吸蔵および放出する材料としては、例えば、ナノポーラスカーボン、メソポーラスカーボン、マイクロポーラスカーボンなどの微細孔を有する多孔質炭素材料(第2炭素材料とも言う)が好ましく使用できる。第2炭素材料としては、微細孔のサイズが、例えば、0.1nm〜100nmであるナノポーラスカーボンが好ましい。
これらの材料のうち、少なくともアニオンを吸着および脱離する材料、特に活性炭が好ましい。
正極活物質中の活性炭の含有量は、80質量%〜100質量%であることが好ましく、90質量%〜100質量%であってもよい。正極活物質が、活性炭のみを含む場合も好ましい。
導電助剤としては、例えば、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラックなど)、酸化ルテニウムなどの導電性の金属化合物、炭素繊維、金属繊維などが挙げられる。導電助剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
導電助剤の量は、正極活物質100質量部に対して、例えば1質量部〜15質量部であり、好ましくは1質量部〜10質量部である。
バインダの種類は特に制限されず、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF:polyvinylidene fluoride)、およびポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂;ポリビニルクロリドなどの塩素含有ビニル樹脂;ポリオレフィン樹脂;スチレンブタジエンゴムなどのゴム状重合体;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリアミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ならびに、カルボキシメチルセルロースまたはその塩などを用いることができる。バインダは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
バインダの量は、正極活物質100質量部に対して、例えば、1質量部〜20質量部であり、好ましくは2質量部〜15質量部である。バインダの量がこのような範囲である場合、集電体からの活物質の脱落を抑制する効果をさらに高めることができる。
(負極活物質および負極合剤)
負極では、負極活物質または負極合剤が、負極集電体に担持されている。負極合剤は、負極活物質に加え、導電助剤および/またはバインダを含んでもよい。
負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に担持する材料が使用される。このような材料としては、充放電の際にファラデー反応を起こす材料、例えば、リチウムイオンを吸蔵および放出(または挿入および脱離)する炭素材料(第3炭素材料とも言う)の他、アルカリ金属チタン酸化物(例えば、スピネル型リチウムチタン酸化物、チタン酸ナトリウムなど)、ケイ素酸化物、ケイ素合金、錫酸化物、錫合金が挙げられる。第3炭素材料としては、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛など)などが例示できる。負極活物質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極活物質のうち、第3炭素材料が好ましく、特に、黒鉛および/またはハードカーボンが好ましい。負極における負極活物質の充填性が高い観点から、第3炭素材料の平均粒径は、1μm〜20μmであることが好ましい。
導電助剤は、特に制限されず、正極合剤について例示した導電助剤から適宜選択できる。導電助剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。負極活物質100質量部に対する導電助剤の量は、正極合剤について記載した正極活物質100質量部に対する導電助剤の量の範囲から適宜選択できる。
バインダとしては、正極合剤について例示したものから適宜選択できる。負極活物質100質量部に対するバインダの量は、正極合剤について記載した正極活物質100質量部に対するバインダの量の範囲から適宜選択できる。
各電極は、例えば、集電体に、電極活物質(または電極合剤)を担持させ、担持物を厚み方向に圧縮(または圧延)することにより得ることができる。電極活物質または電極合剤は、集電体に塗布または充填することにより担持される。担持物の段階および/または担持物を圧縮した段階などで、乾燥処理してもよい。また、負極としては、負極集電体の表面に、蒸着、スパッタリングなどの気相法で負極活物質の堆積膜を形成することにより得られるものを用いてもよい。
各電極合剤は、通常、電極合剤の構成成分(電極活物質、導電助剤、バインダなど)を含むスラリーの形態で使用される。電極合剤スラリーは、電極合剤の構成成分を、分散媒に分散することにより得られる。分散媒としては、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン(NMP:N−methyl−2−pyrrolidone)などの有機溶媒、もしくは水と有機溶媒との混合溶媒などが用いられる。
各電極(正極および負極のそれぞれ)の厚みは、例えば、50μm〜500μmである。各電極の厚みがこのような範囲である場合、高いエネルギー密度を確保し易い。
各電極群は、n個の正極と(n−1)個〜(n+1)個の負極とを含むことができる。ここで、nは1以上の整数である。ただし、nが1のとき、負極は、n個または(n+1)個である。エネルギー密度を高め易い観点からは、nは、5以上の整数であることが好ましく、5〜40の整数または5〜30の整数としてもよい。
第1湾曲部および第2湾曲部は、それぞれ正極および負極の第1曲線部および第2曲線部の連なりにより形成されるため、各電極の位置あわせが重要である。電極とセパレータとの積層により形成される電極群は、セルケース内で電極がずれないように公知の締結具で締結されるが、締結する際にも電極にずれが生じることがある。金属多孔体は、金属箔集電体に比べて弾性が高いため、集電体に金属多孔体を用いることで、電極のずれを抑制し易くなることに加え、電極の位置合わせが容易になる。
(セパレータ)
セパレータは、多孔質構造を有し、細孔内に電解質を保持することで、イオンを透過させる。
本実施形態では、正極と負極との間に介在するセパレータ(第1セパレータ)も、正極および負極の場合に準じて、アーチ部を有する平面形状を有しており、アーチ部は、内側の第1曲線部と外側の第2曲線部とを有する。正極および負極との接触により短絡が起こることを防ぐため、第1セパレータのサイズ(つまり、面積)は、通常、正極および負極よりも大きくなっている。
必要に応じて、さらに、電極群の側面の少なくとも一部を覆うようにセパレータ(第2セパレータ)を配置してもよい。例えば、第1湾曲面および第2湾曲面の双方を覆うような帯状の第2セパレータを配置してもよい。また、第1湾曲面および第2湾曲面を含めて電極群の側面全体を覆うように帯状の第2セパレータを配置してもよい。第1湾曲面は凹状に湾曲しているため、第1セパレータが第1湾曲面まで回り込みにくい。よって、少なくとも第1湾曲面を覆うように第2セパレータを配置してもよい。
セパレータの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、セルロース、ガラス繊維などを用いることができる。
セパレータの厚みは特に制限されず、例えば、10μm〜100μm程度である。
(電解質)
電解質は、リチウムイオン伝導性を示し、通常、リチウムイオンおよびアニオンを含んでいる。電解質としては、例えば、非水溶媒(または有機溶媒)にリチウムイオンとアニオンとの塩(アルカリ金属塩)を溶解させた有機電解質の他、リチウムイオンとアニオンとを含むイオン液体などが用いられる。電解質は、リチウムイオン(第1カチオン)以外のカチオン(後述する第2カチオン)をさらに含んでもよい。
本明細書中、イオン液体は、溶融状態の塩(溶融塩)と同義であり、アニオンとカチオン(リチウムイオンなど)とで構成される液状イオン性物質である。
電解質におけるリチウム塩またはリチウムイオンの濃度は、例えば、0.3mol/L〜5.0mol/Lの範囲から適宜選択できる。
有機電解質に含まれる第1アニオン(リチウム塩を構成するアニオン)の種類は特に限定されず、例えば、フッ素含有酸のアニオン(ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンなど)、過塩素酸イオン、オキサレート基を有する酸素酸のアニオン[ビス(オキサラト)ボレートイオン(B(C )、トリス(オキサラト)ホスフェートイオン(P(C )など]、フルオロアルカンスルホン酸のアニオン[トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CFSO )など]、ビススルホニルアミドアニオンなどが挙げられる。有機電解質は、一種の第1アニオンを含んでもよく、二種以上の第1アニオンを含んでもよい。
上記のビススルホニルアミドアニオンとしては、例えば、ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオン(FSA:bis(fluorosulfonyl)amide anion))、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン(TFSA:bis(trifluoromethylsulfonyl)amide anion)、(フルオロスルホニル)(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン[(FSO)(CFSO)Nなど]などが挙げられる。これらの中では、FSAが好ましい。
非水溶媒は、特に限定されず、リチウムイオンキャパシタに使用される公知の非水溶媒が使用できる。非水溶媒は、イオン伝導度の観点から、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトンなどの環状炭酸エステルなどを好ましく用いることができる。非水溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
イオン液体は、リチウムイオンとアニオン(第2アニオン)との塩を含む。イオン液体は、リチウムイオン以外の第2カチオン(または第2カチオンと第2アニオンとの溶融塩)をさらに含んでもよい。
第2アニオンとしては、ビススルホニルアミドアニオンを用いることが好ましい。ビススルホニルアミドアニオンとしては、第1アニオンについて例示したものと同様のものから選択できる。イオン液体は、一種の第2アニオンを含んでいてもよく、二種以上の第2アニオンを含んでもよい。
第2カチオンとしては、例えば、リチウムイオン以外の無機カチオン、有機カチオンが挙げられる。無機カチオンとしては、例えば、アルカリ金属イオン(ナトリウムイオン、カリウムイオンなど)、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンなどが挙げられる。イオン液体は、一種の第2カチオンを含んでいてもよく、二種以上の第2カチオンを含んでもよい。第2カチオンは、無機カチオンであってもよいが、有機カチオンであることが好ましい。
有機カチオンとしては、脂肪族アミン、脂環族アミンまたは芳香族アミンに由来するカチオン(例えば、第4級アンモニウムカチオンなど)の他、窒素含有へテロ環を有するカチオン(つまり、環状アミンに由来するカチオン)などの窒素含有オニウムカチオン、イオウ含有オニウムカチオン、リン含有オニウムカチオンなどが例示できる。
有機カチオンのうち、特に、第4級アンモニウムカチオンの他、窒素含有ヘテロ環骨格として、ピロリジン、ピリジン、またはイミダゾール骨格を有するカチオンが好ましい。
有機カチオンの具体例としては、テトラエチルアンモニウムカチオン、メチルトリエチルアンモニウムカチオンなどのテトラアルキルアンモニウムカチオン;1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン(MPPY:1−methyl−1−propylpyrrolidinium cation)、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムカチオン;1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンなどが挙げられる。
(その他)
リチウムイオンキャパシタの厚みTは、例えば、3mm〜20mmであり、5mm〜15mmとしてもよい。リチウムイオンキャパシタがこのような厚みを有する場合、高いエネルギー密度を確保し易い。また、リチウムイオンキャパシタを装着した状態の電子機器のサイズが大きくなるのを防ぎ易くなる点で有利である。
なお、リチウムイオンキャパシタの厚みTとは、中心軸Aに垂直な方向、つまり、正極または負極の幅w方向における厚みである。
円柱状などの湾曲した柱状の電子機器(または電子機器の本体)の周面にリチウムイオンキャパシタを装着する場合、上記の円筒や楕円筒の中心軸は、円柱状の電子機器(または電子機器の本体)の中心軸Aと同じと考えてよい。
リチウムイオンキャパシタの幅Wは、リチウムイオンキャパシタを装着する電子機器のサイズにもよるが、電子機器の幅よりも小さいことが好ましい。例えば、電子機器の湾曲面を有する柱状の本体の周面にリチウムイオンキャパシタを装着する場合、リチウムイオンキャパシタが本体の周面より外側に突出しないように、リチウムイオンキャパシタの幅Wを本体の幅(つまり、柱状の本体の高さ)の、例えば、95%以下とすることが好ましい。なお、リチウムイオンキャパシタの幅Wとは、中心軸Aに平行な方向のリチウムイオンキャパシタの長さとするものとする。
本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタは、例えば、電極群を形成する工程、電極群および電解質をセルケースに収容する工程を経ることにより製造できる。
セルケースの材質としては、ステンレス鋼、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属が挙げられる。金属製のセルケースは、必要に応じて、めっき処理されていてもよい。また、セルケースとして、樹脂フィルムやアルミニウム箔などの金属箔をラミネートした樹脂フィルムで形成されたものを用いてもよい。例えば、樹脂フィルム製や金属箔をラミネートした樹脂フィルム製の袋状のセルケースに、電極群および電解質を収容し、密封することによりリチウムイオンキャパシタを作製することができる。
リチウムイオンキャパシタは、正極外部端子および負極外部端子を備えている。正極外部端子は、電極群の正極と、リードを介して電気的に接続されている。負極外部端子は、電極群の負極とリードを介して電気的に接続されている。
(電子機器)
本発明の一実施形態に係る電子機器は、湾曲面を有する電子機器の本体と、本体の湾曲面に沿わせて装着された上記リチウムイオンキャパシタとを含む。電子機器は、例えば、湾曲した周面を有する柱状の本体と、本体の周面に湾曲部を沿わせて装着されたリチウムイオンキャパシタとを含んでもよい。
電子機器は、本体が湾曲面を有する限り特に制限されない。柱状の本体は、円柱状に限らず、楕円柱状、円柱または楕円柱に類似の形状などを有していてもよい。楕円柱状、円柱または楕円柱に類似の形状も含めて、「円柱状」と呼ぶ場合がある。
このような電子機器としては、例えば、自転車用発電機などが好ましい。自転車用発電機としては、ローラー発電機、ハブ発電機などが例示される。リチウムイオンキャパシタは、特に、外部からの電力供給が必要とされるハブ発電機の本体に装着するのに適している。
図2は、本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタを装着した自転車用発電機を模式的に示す斜視図である。図3は、図2のIII−III線による矢視断面図の一部である。
リチウムイオンキャパシタ1は、自転車用発電機の円柱状の本体10の曲面状の側面(周面)に沿って装着されている。リチウムイオンキャパシタ1は、電極群2と、図示しない電解質とを備えている。電極群2は、平面アーチ状の正極3と、平面アーチ状の負極4とが、これらの間に平面アーチ状のセパレータ5を介在させた状態で積層方向Dに沿って積層された構造を有している。
図1に示されるように、正極3は、内側の第1曲線部3aおよび外側の第2曲線部3bを有しており、負極4は、内側の第1曲線部4aおよび外側の第2曲線部4bを有している。そして、正極3および負極4のそれぞれの第1曲線部が連なって第1湾曲面2aが形成され、第2曲線部が連なって第2湾曲面2bが形成される。角αは、第1湾曲面2aを形成する円弧状の第1曲線部4aの中心角である。従って、電極群2は、図2に示されるように、第1湾曲面2aと第2湾曲面2bとを有する立体的なアーチ形状を有している。電極群2は、電解質とともに、樹脂フィルム製の袋状のセルケース6に収容されている。図示例では、セルケース6の底面と第1湾曲面2aとの間に、第1湾曲面2a全体を覆うように帯状のセパレータ7が配置されている。
第1湾曲面2aは、中心軸Aを有する円柱状の本体10の周面の一部と見なすことができる。中心軸Aは、積層方向Dと平行である。リチウムイオンキャパシタ1の幅Wは、中心軸Aまたは積層方向Dと平行な方向のリチウムイオンキャパシタ1の長さであり、リチウムイオンキャパシタ1の厚みTは、中心軸Aまたは積層方向Dと垂直な方向のリチウムイオンキャパシタ1の長さである。
なお、図3において、円柱状の本体10の内部構造は省略している。
図2および図3では、電極群全体がアーチ状である例を示したが、本実施形態はこのような場合に限定されない。例えば、電極群の一部がアーチ状である場合も本実施形態に含まれる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)正極の作製
(a)正極集電体の作製
熱硬化性ポリウレタンの発泡体(気孔率:95体積%、表面1インチ(=2.54cm)長さ当たりの空孔(セル)数:約50個、厚み1000μm)を準備した。
発泡体を、黒鉛、カーボンブラック(平均粒径D50:0.5μm)、樹脂バインダ、浸透剤、および消泡剤を含む導電性懸濁液の中に浸漬した後、乾燥することにより、発泡体の表面に導電性層を形成した。なお、懸濁液中の黒鉛およびカーボンブラックの含有量は合計で25質量%であった。
表面に導電性層を形成した発泡体を、溶融塩アルミニウムメッキ浴中に浸漬して、電流密度3.6A/dmの直流電流を90分間印加することにより、アルミニウム層を形成した。なお、発泡体の見掛け面積当たりのアルミニウム層の質量は、150g/mであった。溶融塩アルミニウムメッキ浴は、33mol%の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドおよび67mol%の塩化アルミニウムを含み、温度は40℃であった。
表面にアルミニウム層が形成された発泡体を、500℃の塩化リチウム−塩化カリウム共晶溶融塩中に浸漬し、−1Vの負電位を30分間印加することにより、発泡体を分解させた。得られたアルミニウム製の多孔体を、溶融塩から取り出して冷却し、水洗し、乾燥させることにより正極集電体を得た。得られた正極集電体は、発泡体の空孔形状を反映した、空孔が連通した三次元網目状の多孔構造を有し、気孔率は94体積%であり、平均空孔径は550μmであり、BET比表面積は、350cm/gであり、厚みは1000μmであった。また、三次元網目状のアルミニウム製の骨格は、発泡体の除去により形成された連通孔状の空洞を内部に有していた。このようにして集電体を得た。
(b)正極の作製
正極活物質として活性炭粉末(比表面積:2300m/g、平均粒径D50:約5μm)および導電助剤としてアセチレンブラック、バインダとしてPVDF(12質量%濃度でPVDFを含むNMP溶液)、および分散媒としてのNMPを、混合機にて混合、攪拌することにより、正極合剤スラリーを調製した。スラリー中の各成分の質量比は、活性炭:アセチレンブラック:PVDF=87:3:10であった。
得られた正極合剤スラリーを、上記工程(a)で得られた正極集電体にダイコーターを用いて充填し、充填物を、100℃で30分間乾燥した。次いで、乾燥物を、一対のロールを用いて厚み方向に圧縮することにより、厚み160μmの正極を作製した。作製した正極における集電体の気孔率を既述の方法により求めたところ、41体積%であった。
(2)負極の作製
(a)負極集電体の作製
正極集電体の作製で用いたものと同じ熱硬化性ポリウレタンの発泡体の表面に、1cm当たりのCu量が20mgとなるように、スパッタリングによりCu被膜(導電性層)を形成した。
表面に導電性層を形成した発泡体を、硫酸銅メッキ浴中に浸漬して、陰極電流密度2A/dmの直流電流を印加することにより、表面にCu層を形成した。硫酸銅メッキ浴は、250g/Lの硫酸銅、50g/Lの硫酸、および30g/Lの塩化銅を含み、温度は30℃であった。
表面にCu層が形成された発泡体を、大気雰囲気下、700℃で熱処理することにより、発泡体を分解させ、次いで、水素雰囲気下で焼成して表面に形成された酸化被膜を還元することにより、銅製の多孔体(負極集電体)を得た。得られた負極集電体は、発泡体の空孔形状を反映した、空孔が連通した三次元網目状の多孔構造を有しており、気孔率は92体積%であり、平均空孔径は550μmであり、BET比表面積は200cm/gであり、厚みは1000μmであった。また、三次元網目状の銅製の骨格は、発泡体の除去により形成された連通孔状の空洞を内部に有していた。
(b)負極の作製
負極活物質としての人造黒鉛粉末(平均粒径D50:5μm)と、導電助剤としてのアセチレンブラックと、バインダとしてのPVDFと、分散媒としてのNMPとを混合することにより、負極合剤スラリーを調製した。黒鉛粉末と、アセチレンブラックと、PVDFとの質量比は、100:26.3:5.3であった。
得られた負極合剤スラリーを、上記工程(a)で得られた負極集電体にダイコーターを用いて充填し、充填物を100℃で60分乾燥させた。乾燥物を、一対のロールを用いて厚み方向に圧縮することにより、厚み70μmの負極を作製した。作製した負極における集電体の気孔率を既述の方法により求めたところ、30体積%であった。
なお、工程(1)および(2)では、プレドープ後の負極の充電可能な容量が、正極の容量の約1.2倍となるように、正極合剤および負極合剤の充填量を調節した。
(3)リチウム極の作製
集電体としてのパンチング銅箔(厚み:20μm、開口径:50μm、開口率50%)の一方の表面に、リチウム箔(厚み:50μm)を圧着することにより、リチウム極を作製した。
(4)リチウムイオンキャパシタの作製
上記(1)〜(3)で得られた正極、負極およびリチウム極を、それぞれ、図3に示すようなアーチ形状に切り出した。正極、負極およびリチウム極の内側の第1曲線部の曲率半径は、それぞれ、24.5mm、23.75mm、および24.5mmであり、中心角αは、それぞれ、60°、60.5°および60°であり、アーチ部の幅wは、10mm、11.5mm、および10mmであった。各電極の一部に集電用のタブを形成した。正極を合計20枚、負極を合計22枚作製した。正極のタブには、アルミニウム製のリードを、負極のタブには、ニッケル製のリードを、それぞれ溶接した。リチウム極の集電体の他方の表面には、ニッケル製のリードを溶接した。
正極および負極と相似形状のセルロース製のセパレータ(厚み:30μm、中心角α:65.5°、アーチ部の幅:11.5mm)を間に介在させた状態で、11枚の負極と10枚の正極とを交互に積層することにより積層物を形成した。積層物の一方の端の負極側に、ガラス繊維製のセパレータを介在させて、さらにリチウム極を積層した。得られた積層物を積層方向に固定するように粘着テープを周囲に一周巻きつけて締結させることで、電極群を形成した。同様の電極群を合計2つ作製し、それぞれの第1湾曲面同士、第2湾曲面同士が連なるように2つ重ねて、アルミニウムラミネートシートで作製されたセルケース内に収容した。
次いで、非水電解質をセルケース内に注入して、正極、負極およびセパレータに含浸させた。最後に真空シーラーにて減圧しながらセルケースを封止した。非水電解質としては、エチレンカーボネートおよびジエチルカーボネートを体積比1:1で含む混合溶媒に、リチウム塩としてLiPFを1.0mol/Lの濃度となるように溶解させた溶液を用いた。
負極のリード線とリチウム極のリード線とを、セルケース外部で電源に接続し、0.2mA/cmの電流で金属リチウムに対して負極の電位が0Vになるまで充電することにより、リチウム極から電極群に含まれる負極にリチウムイオンをプレドープした。このようにしてリチウムイオンキャパシタA1を作製した。
そして、自転車用発電機を模した、直径45mm、高さ40mmの金属製の円柱の周面に、リチウムイオンキャパシタA1を図1に示すように配置し、粘着テープで固定した。
(5)評価
リチウムイオンキャパシタA1では、リチウムイオンをプレドープした後の電圧が、2.5V以上であり、内部短絡が発生しておらず、電極活物質の脱落が抑制されていることが確認された。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオンキャパシタによれば、湾曲面を有する電子機器に装着し易い。また、リチウムイオンキャパシタにおいて、電極は平面形状であるため、電極活物質の脱落を抑制することができる。よって、特に、自転車用発電機などの湾曲面を有する電子機器に装着させるのに有利である。
1:リチウムイオンキャパシタ
2:電極群
2a:第1湾曲面
2b:第2湾曲面
3:正極
4:負極
3a,4a:第1曲線部
3b,4b:第2曲線部
3c,4c:アーチ部
5,7:セパレータ
6:セルケース
10:自転車用発電機の本体
A:自転車用発電機の本体の中心軸
α:第1湾曲面の中心角
:正極、負極およびセパレータの積層方向
:リチウムイオンキャパシタの厚み
:アーチ部の幅
:リチウムイオンキャパシタの幅
101:空孔
102:繊維部
102a:空洞
:空洞102aの幅
103:開口

Claims (8)

  1. 正極、負極、および前記正極と前記負極との間に介在するセパレータを含む電極群と、リチウムイオン伝導性の電解質とを含み、
    前記正極、前記セパレータ、および前記負極は、それぞれ、アーチ部を有する平面形状を有し、かつ積層方向Dに沿って積層されており、
    前記アーチ部は、内側の第1曲線部と、外側の第2曲線部とを有し、
    前記電極群は、前記正極および前記負極のそれぞれの前記第1曲線部が連なることにより形成された第1湾曲面と前記第2曲線部が連なることにより形成された第2湾曲面とを有し
    前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体に担持された正極活物質とを含み、
    前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体に担持された負極活物質とを含み、
    前記正極集電体および前記負極集電体は、それぞれ、三次元網目状の骨格を有する金属多孔体である、リチウムイオンキャパシタ。
  2. 前記電極群は、n個の前記正極と、(n−1)個〜(n+1)個の前記負極とを含み、
    nは5以上の整数である、請求項1に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  3. nは5〜40の整数である、請求項1または請求項2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  4. 前記リチウムイオンキャパシタの厚みは、3mm〜20mmである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  5. 前記第1湾曲面は、前記積層方向Dと平行な中心軸を有する柱状体の周面を形成している、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  6. 前記正極および前記負極のそれぞれにおいて、前記第1曲線部の曲率半径は、10mm〜40mmである、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  7. 前記正極および前記負極の厚みは、それぞれ、50μm〜500μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  8. 湾曲した周面を有する柱状の本体と、前記周面に前記第1湾曲面を沿わせて装着された請求項1に記載のリチウムイオンキャパシタとを含む、電子機器。
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