JP2016152402A - 充電器 - Google Patents

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Masatoshi Mashima
正利 真嶋
奥野 一樹
Kazuki Okuno
一樹 奥野
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Abstract

【課題】極めて短時間で満充電可能であって、高容量で、携帯性に優れる充電器を提供する。【解決手段】外部電源からの電力が入力される入力部と、外部の二次電池に電力を供給する出力部と、アルカリ金属イオンキャパシタと、前記キャパシタの充電電流Iinを制御する充電制御部と、前記キャパシタの放電電流Ioutを制御する放電制御部と、を備える充電器であって、前記キャパシタは、正極活物質および前記正極活物質を保持する正極集電体を有する正極、負極活物質および前記負極活物質を保持する負極集電体を有する負極、および、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータを具備する、電極群と、アルカリ金属イオン伝導性を有する非水電解質と、前記電極群および前記非水電解質を収容するセルケースと、を備え、前記正極集電体および前記負極集電体の少なくとも一方が、三次元網目状の構造を有する金属多孔体を含む、充電器。【選択図】図1A

Description

本発明は、電子機器に内蔵された二次電池を充電する充電器に関する。
近年、モバイルコンピュータやスマートフォンなどの携帯電子機器の進展が目覚ましい。特にスマートフォンは、大画面化や多機能化が進んでいる。そのため、携帯電子機器に内蔵された二次電池の消費が著しい。内蔵されている二次電池は、一般の家庭用電源や、パソコンからUSBケーブルを使用して充電されるため、充電できる場所が限られている。そこで、携帯電子機器の二次電池を充電するための、携帯型の充電器が上市されている。このような充電器としては、例えば、電源にリチウムイオン二次電池を使用したものが開発されている(特許文献1)。
特開2004−297974号公報
充電器本体を充電するには、例えば、家庭用電源と充電器本体とをACアダプタを介して接続する方法、パソコンと充電器本体とをUSBケーブルで接続する方法等がある。しかし、いずれの場合も、リチウムイオン二次電池を使用した充電器本体を満充電するには数時間から半日程度が必要であり、利便性に欠けるものであった。最近では、充電器本体の満充電が数十分で完了するような急速充電器も上市され始めているが、さらなる時間短縮が望まれている。
ところで、電気二重層キャパシタは、瞬間的に大電流を流すことができ、高い出力密度を有する。そのため、急速充電器に内蔵される蓄電デバイスとして適しているように考えられる。一方、電気二重層キャパシタは、リチウムイオン二次電池と比較してエネルギー密度が小さい。そこで、高い出力密度と高いエネルギー密度を兼ね備えたリチウムイオンキャパシタ等の開発が進んでいる。しかし、リチウムイオンキャパシタにおいても、エネルギー密度に関しては、まだ十分とは言えないのが現状である。そのため、例えば、スマートフォンを放電終止電圧から満充電できるだけの容量を備える充電器は、スマートフォンよりもかなり大きなリチウムイオンキャパシタを内蔵することが必要となり、携帯性の面で劣る。
本発明の一局面は、外部電源からの電力が入力される入力部と、外部の二次電池に電力を供給する出力部と、アルカリ金属イオンキャパシタと、前記キャパシタの充電電流Iinを制御する充電制御部と、前記キャパシタの放電電流Ioutを制御する放電制御部と、を備える充電器であって、前記キャパシタは、正極活物質および前記正極活物質を保持する正極集電体を有する正極、負極活物質および前記負極活物質を保持する負極集電体を有する負極、ならびに、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータを具備する、電極群と、アルカリ金属イオン伝導性を有する非水電解質と、前記電極群および前記非水電解質を収容するセルケースと、を備え、前記正極集電体および前記負極集電体の少なくとも一方が、三次元網目状の構造を有する金属多孔体を含む、充電器に関する。
本発明によれば、極めて短時間で満充電可能であって、かつ、高容量であり、携帯性に優れる充電器を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る充電器の構成を説明するブロック図である。 本発明の他の一実施形態に係る充電器の構成を説明するブロック図である。 充電器の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 金属多孔体の骨格の一部の構造の一例を示す模式図である。 金属多孔体に電極合剤を充填した状態を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係るキャパシタを概略的に示す縦断面図である。
[発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明の第一の局面に係る充電器は、(1)外部電源からの電力が入力される入力部と、外部の二次電池に電力を供給する出力部と、アルカリ金属イオンキャパシタと、前記キャパシタの充電電流Iinを制御する充電制御部と、前記キャパシタの放電電流Ioutを制御する放電制御部と、を備える充電器であって、前記キャパシタは、正極活物質および前記正極活物質を保持する正極集電体を有する正極、負極活物質および前記負極活物質を保持する負極集電体を有する負極、ならびに、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータを具備する、電極群と、アルカリ金属イオン伝導性を有する非水電解質と、前記電極群および前記非水電解質を収容するセルケースと、を備える。ここで、前記正極集電体および前記負極集電体の少なくとも一方は、三次元網目状の構造を有する金属多孔体を含む。これにより、高容量のキャパシタを短時間で満充電まで充電することが可能となる。
(2)三次元網目状の構造を有する金属多孔体を正極集電体および負極集電体の少なくとも一方に用いることにより、キャパシタの体積エネルギー密度を、20〜60Wh/Lにすることができる。これにより、充電器を小型化し易くなる。
(3)キャパシタの容量は、0.5〜20Whであることが好ましい。これにより、例えば、携帯電子機器の電源として用いられる外部の二次電池を、満充電まで充電することが容易となる。
(4)金属多孔体の気孔率は、80〜98体積%であることが好ましい。キャパシタの体積エネルギー密度を大きくし易いためである。
(5)少なくとも負極は、プレドープされたアルカリ金属を有することが好ましい。キャパシタを、より高電圧で充電することが可能となるためである。
(6)充電制御部は、最大充電レート20C以上でキャパシタを充電するように、充電電流Iinを制御することが好ましい。満充電までの所要時間を、さらに短くすることが容易となるためである。
[発明の実施形態の詳細]
本発明の一実施形態を具体的に以下に説明する。なお、本発明は、以下の内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施形態の充電器110は、例えば、図1Aおよび図1Bのブロック図に示されるように、外部電源106からの電力が入力される入力部102と、外部の二次電池または二次電池を内蔵する電子機器(以下、併せて外部二次電池108と称す)に電力を供給する出力部105と、アルカリ金属イオンキャパシタ(以下、単にキャパシタと称す)100と、キャパシタ100の充電電流Iinを制御する充電制御部103と、キャパシタ100の放電電流Ioutを制御する放電制御部104と、を備える。上記電子機器としては、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、モバイルコンピュータ等が例示できる。
入力部102は、商用電源等の外部電源106に接続するための入力端子52を有する(図2参照)。外部電源106が交流電源の場合には、ACアダプタ107を備えた入力部102を用いて、交流電源を直流電源に変換しても良い(図1A参照)。充電制御部103は、外部電源106から入力部102に供給された充電電流Iinを制御する。充電電流Iinにより、キャパシタ100は充電される。
充電制御部103は、例えば、最大の充電レート20C以上でキャパシタ100を充電するように充電電流Iinを制御することが好ましい。これにより、例えば、容量が0.5Wh〜20Whであるキャパシタであれば、数分間(例えば、1分〜5分、好ましくは1分〜3分)で満充電することができる。
充電器は、これを構成する要素のすべてを携帯しても良いし、一部の要素のみを携帯してもよい。例えば、充電制御部103を入力部102と一体化して、充電器から着脱可能な形態にし、外部二次電池を充電するために必要な要素(例えば、キャパシタ100、放電制御部104および出力部105)を携帯するようにしても良い(図1B参照)。
本実施形態によれば、キャパシタ100が放電終止電圧から満充電されるのに必要な時間は、極めて短い。例えば、外部電源106が電圧100Vの一般家庭用電源である場合、キャパシタ100が放電終止電圧から満充電されるまでに必要な時間は、上記のとおり、数分(例えば、1分〜5分、好ましくは1分〜3分)程度である。充電方法は、定電流充電であってもよいし、定電圧充電であってもよい。いずれの充電方法であっても、最大の充電レートが20C以上となるように充電電流Iinを制御することが好ましい。
キャパシタ100の容量は、本実施形態の充電器により充電することが意図される外部二次電池108の容量に応じて適宜設定すればよい。なかでも、携帯性を考慮すると、キャパシタ100の容量は、0.5Wh〜20Whであるのが適当である。
出力部105は、外部二次電池に接続するための出力端子53を有する(図2参照)。充電されたキャパシタ100の出力部105と外部二次電池108とが、出力端子53を介して電気的に接続されると、キャパシタ100は放電を開始し、同時に外部二次電池108の充電が開始される。このとき、放電電流Ioutは、放電制御部104により、外部二次電池108の特性に応じた電流値で放電するように制御される。放電電流Ioutは、例えば、放電レート0.1C〜5Cを満たすような範囲であっても良い。これにより、外部二次電池108を、これに適した電流で効率よく充電させることができる。
図2は、充電器110を模式的に示す斜視図である。充電器110は、キャパシタ100と、充電制御部103を構成する充電制御回路および放電制御部104を構成する放電制御回路等の電子部品が固定された回路基板51、入力部102と接続する入力端子52、出力部105と接続する出力端子53、および、これらを収容する本体ケース50とを備える。上記のとおり、充電制御回路、入力部102および入力端子52は、充電器110から着脱可能であってもよい。
キャパシタ100は、例えば、充電器110全体の体積(本体ケース50の内容積)の40〜90%を占める。また、図1Bに示すように、充電器110の一部の要素のみを携帯する場合、キャパシタ100は、キャパシタ100およびキャパシタ以外の携帯する要素(例えば、放電制御部104および出力部105)の体積の合計に対して、80%以上の体積を有していても良い。
充電器110は、キャパシタ100の充放電を主な機能として備えており、通話機能、通信機能、データ保存機能、タッチパネルディスプレイ等を備えることは要しない。充電器110は、キャパシタ100の充放電に関して、例えば、電力の残存量を示す表示部(図示せず)等を備えていても良い。図2では、回路基板51は、キャパシタ100に固定されて配置されているが、これに限定されず、本体ケース50内のいずれの場所に配置されていても良い。
[キャパシタ]
従来のアルカリ金属イオンキャパシタは、上記のとおり、電気二重層キャパシタと同様に出力密度が高い一方で、エネルギー密度はリチウムイオン二次電池に及ばない。そこで、本実施形態においては、正極集電体および負極集電体の少なくとも一方に、三次元網目状の構造を有する金属多孔体を含ませる。これにより、アルカリ金属イオンキャパシタのエネルギー密度は、大きく向上する。よって、充電器の小型化が可能となり、携帯性が向上する。
本実施形態に係るキャパシタは、正極活物質および正極活物質を保持する正極集電体を有する正極、負極活物質および負極活物質を保持する負極集電体を有する負極、ならびに、正極と負極との間に介在するセパレータを具備する電極群と、アルカリ金属イオン伝導性を有する非水電解質と、電極群および非水電解質を収容するセルケースと、を備える。アルカリ金属としては、特に制限されない。例えば、リチウム、ナトリウムなどが例示できる。
キャパシタのエネルギー密度、例えば、体積エネルギー密度は、20〜60Wh/Lであることが好ましく、40〜60Wh/L程度であることがより好ましい。重量エネルギー密度は、10〜30Wh/kgであることが好ましく、20〜30Wh/kgであることがより好ましい。キャパシタのエネルギー密度がこの範囲であれば、小さな体積あるいは重量で大きな容量を得やすいため、これを搭載する充電器の大きさを小さくすることが容易となる。充電器の大きさは、外部二次電池の容量等に応じて適宜設定可能であるが、スマートフォンないしモバイルコンピュータと同程度であると、携帯するのに適している。また、充電器あるいは充電器のうち携帯する部分の体積エネルギー密度は、5〜55Wh/Lであることが好ましく、10〜55Wh/Lであることがより好ましい。
[金属多孔体]
金属多孔体は、三次元網目状の構造を有する。三次元網目状とは、多孔体を構成する棒状や繊維状の金属が相互に三次元的に繋がり合い、ネットワークを形成している構造を指す。例えば、スポンジ状の構造、および、不織布状の構造が挙げられる。具体的な構造については、後述する。金属多孔体は、互いに連なった連通孔を有しているため、アルカリ金属イオンの移動が妨げられない。三次元網目状の骨格は、内部に空洞を有する(つまり、中空である)ことが好ましい。
金属多孔体の骨格の模式図を、図3に示す。具体的には、金属多孔体は、金属製骨格22に囲まれたセル状の空孔21を複数有し、互いに隣接する空孔21間には、略多角形の開口(または窓)23が形成されている。開口23により、隣接する空孔21間が連通し、連通孔が形成される。骨格の内部には、好ましくは、空洞22a(図4参照)が形成されている。
金属多孔体を含む集電体に、活物質を含む電極合剤(負極合剤あるいは正極合剤)を充填して、負極および/または正極が形成される。図4は、図3の金属多孔体の空隙に、電極合剤を充填した状態を示す断面模式図である。セル状の空孔21には、電極合剤24が充填され、金属製骨格22の表面に付着し、合剤層を形成する。
このように連通孔を構成する金属製骨格22の表面には、多くの活物質を付着させることができる。よって、高容量の電極を得ることができる。また、合剤層は、金属製骨格22の表面に付着するため、電極合剤24に含まれる活物質の多く(例えば80質量%以上)は、金属製骨格22までの距離が、空孔21の最大径の半分以下である。よって、電極の電気抵抗が低く、集電効率が高い。そのため、高出力の充電(充放電)に適している。
金属多孔体の比表面積(BET比表面積)は、例えば100〜700cm2/g、好ましくは150〜650cm2/g、さらに好ましくは200〜600cm2/gである。金属多孔体の気孔率は、50%以上であることが好ましく、80%以上98%以下であることがより好ましい。なお、エキスパンドメタル、スクリーンパンチ、パンチングメタル、ラス板などの実質的に二次元の構造体においては、強度等の点で気孔率(開口率)35%の状態までの加工が限界である。気孔率とは、{1−(多孔体の質量/多孔体の真比重)/(多孔体の見かけ体積)} の比を百分率(%)に換算して得られる数値である。
金属多孔体の気孔率は、高容量化の観点からは、80%以上98%以下が好ましいが、気孔率の下限と上限はこれに限定されるものではない。気孔率の下限は、例えば30%、40%または50%でもよい。また、気孔率の上限は80%でもよく、79%でもよい。例えば、気孔率が35%以上80%未満であっても、十分に高容量なキャパシタを得ることができる。
本実施形態においては、正極集電体および負極集電体の少なくとも一方が、上記金属多孔体を含んでいれば良い。正極集電体が上記金属多孔体を含む場合、負極集電体は特に限定されず、無孔の金属箔、エキスパンドメタル、スクリーンパンチ、パンチングメタル、ラス板などでもよい。また、負極集電体が上記金属多孔体を含む場合も同様に、正極集電体は特に限定されない。
正極集電体が上記金属多孔体を含む場合、正極の容量を飛躍的に向上させることができる。また、正極活物質の利用率が向上する。さらに、正極の集電性が向上するため、高出力の充電(充放電)に適している。負極集電体が上記金属多孔体を含む場合、負極の容量を向上させることができる。このように、正極集電体および負極集電体の少なくとも一方に上記金属多孔体を含ませることにより、キャパシタのエネルギー密度を大きく向上させることができる。
金属多孔体の材料である金属は、各電極電位においてアルカリ金属と合金化しないものであれば、特に限定されない。金属多孔体が負極集電体として使用される場合には、銅、銅合金、ニッケルまたはニッケル合金等を挙げることができる。銅合金は50質量%未満の銅以外の元素を含み、ニッケル合金は50質量%未満のニッケル以外の元素を含むことが好ましい。なお、市販されている金属多孔体としては、銅多孔体(銅または銅合金を含む多孔体)やニッケル多孔体(ニッケルまたはニッケル合金を含む多孔体)である住友電気工業株式会社製の銅またはニッケルの「セルメット」(登録商標)を用いることができる。また、金属多孔体が正極集電体として使用される場合には、アルミニウムまたはアルミニウム合金等を挙げることができる。アルミニウム合金を用いる場合、アルミニウム以外の金属成分(例えばFe、Si、Ni、Mnなど)は0.5質量%以下であることが好ましい。なお、市販のアルミニウム多孔体としては、住友電気工業株式会社製の「アルミセルメット」(登録商標)を用いることができる。
金属多孔体は、例えば、連続空隙を有する樹脂製の多孔体を、前記のような金属で被覆することにより形成できる。金属による被覆は、例えば、メッキ処理、気相法(蒸着、プラズマ化学気相蒸着、スパッタリングなど)、金属ペーストの塗布などにより行うことができる。金属による被覆処理により、三次元網目状の骨格が形成される。これらの被覆方法のうち、メッキ処理が好ましい。
メッキ処理としては、樹脂製多孔体の表面(連続空隙内の表面も含む)に、金属層を形成できればよく、公知のメッキ処理方法、例えば、電解メッキ法、溶融塩メッキ法などが採用できる。メッキ処理により、樹脂製多孔体の形状に応じた、三次元網目状の金属多孔体が形成される。なお、電解メッキ法によりメッキ処理を行う場合、電解メッキに先立って、導電性層を形成することが望ましい。導電性層は、樹脂製多孔体の表面に、無電解メッキ、蒸着、スパッタリングなどの他、導電剤の塗布などにより形成してもよく、導電剤を含む分散液に樹脂製多孔体を浸漬することにより形成してもよい。
樹脂製の多孔体としては、連続空隙を有する限り特に制限されず、樹脂発泡体、樹脂製の不織布などが使用できる。これらの多孔体を構成する樹脂としては、金属被覆処理後に、金属の三次元網目状骨格の形状を維持した状態で、分解または溶解などにより骨格の内部を中空にすることができるものが好ましい。骨格内の樹脂は、加熱処理などにより、分解または溶解され、除去されることが望ましい。金属被覆処理の後、内部の樹脂が除去されると、金属多孔体の骨格の内部に空洞が形成されて、中空となる。
[負極]
負極は、負極集電体および負極活物質を含む。その他、任意成分として導電助剤、結着剤等を含んでもよい。
キャパシタにおいて、負極活物質は、アルカリ金属イオンとの間で電子の授受を行う(ファラデー反応)。そのため、負極活物質は、アルカリ金属イオンを吸蔵および放出(もしくは、挿入および脱離)する材料を含む。このような材料としては、例えば、炭素材料の他、リチウムチタン酸化物(チタン酸リチウムなどのスピネル型リチウムチタン酸化物など)、合金系活物質およびナトリウム含有チタン化合物(チタン酸ナトリウムなどのスピネル型ナトリウムチタン酸化物など)などが挙げられる。炭素材料としては、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、黒鉛などが例示できる。合金系活物質とは、アルカリ金属と合金化する元素を含む活物質である。例えば、ケイ素酸化物、ケイ素合金、錫酸化物および錫合金などが挙げられる。負極活物質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。負極活物質のうち、炭素材料が好ましく、特に、黒鉛および/またはハードカーボンが好ましい。
黒鉛としては、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛、黒鉛化メソカーボン小球体などが例示できる。黒鉛は、炭素の平面形6員環が二次元的に連なった層状であり、六方晶系の結晶構造を有している。アルカリ金属イオンは、黒鉛の層間を容易に移動することができ、黒鉛内に可逆的に挿入および脱離する。
ハードカーボンとは、不活性雰囲気中で加熱しても黒鉛構造が発達しない炭素材料であり、微小な黒鉛の結晶がランダムな方向に配置され、結晶層と結晶層との間にナノオーダーの空隙を有する材料をいう。ハードカーボンの平均粒径は、例えば3〜20μmであればよく、5〜15μmであることが、負極における負極活物質の充填性を高め、かつ電解質(溶融塩)との副反応を抑制する観点から望ましい。
負極に含ませる導電助剤としては、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維などが挙げられる。なかでも、少量使用で十分な導電経路を形成しやすいことから、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの例としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、サーマルブラック等を挙げることができる。導電助剤の量は、負極活物質100質量部あたり、2〜15質量部が好ましく、3〜8質量部がより好ましい。
結着剤は、負極活物質同士を結合させるとともに、負極活物質を負極集電体に固定する役割を果たす。結着剤としては、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等を用いることができる。フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等を用いることができる。結着剤の量は、負極活物質100質量部あたり、1〜10質量部が好ましく、3〜5質量部がより好ましい。
負極集電体としては、有孔(エキスパンドメタル、スクリーンパンチ、パンチングメタルおよびラス板等)あるいは無孔の金属箔、金属繊維製の不織布、金属多孔体シートなどが用いられる。前記金属としては、金属多孔体の材料として例示したものと同じ金属を使用することができる。負極集電体となる金属箔の厚さは、例えば10〜50μmであり、金属繊維の不織布や金属多孔体シートの厚さは、例えば100〜1000μmである。ただし、負極集電体および正極集電体の少なくとも一方は、金属多孔体を含む。
負極は、例えば、負極集電体に、負極活物質を含む負極合剤スラリーを塗布または充填し、その後、負極合剤スラリーに含まれる分散媒を除去し、さらに必要に応じて、負極活物質を保持した集電体を圧縮(または圧延)することにより得られる。また、負極としては、負極集電体の表面に、蒸着、スパッタリングなどの気相法で負極活物質の堆積膜を形成することにより得られるものを用いてもよい。
負極活物質には、負極電位を低下させるために、予めアルカリ金属をドープしておくことが好ましい。これにより、キャパシタの電圧が高くなり、高容量化にさらに有利となる。なお、アルカリ金属の析出を抑制するため、負極容量を正極容量よりも大きくすることが望ましい。例えば、負極容量Cnと正極容量Cpとの比:Cn/Cpは、1.2〜10であることが好ましく、4〜10であることがより好ましい。
ただし、負極の可逆容量が正極容量より小さくなると、アルカリ金属のデンドライトが成長することがあり、内部短絡が発生する可能性がある。よって、負極容量Cnと正極容量Cpとの差:Cn−Cpの90%以下、好ましくはCn−Cpの80%以上かつ90%以下に相当するアルカリ金属を、負極活物質にプレドープすることが好ましい。ここで、正極容量Cpとは、正極に含まれる正極活物質量から計算される蓄電可能な電荷量の理論値である。また、負極容量Cnとは、負極に含まれる負極活物質量から計算される蓄電可能な電荷量の理論値である。これらの理論値は不可逆容量も含んでいる。
プレドープ後、放電状態の負極の電位は、ドープされたアルカリ金属の酸化還元電位に対して0〜1Vであることが好ましい。換言すれば、負極の電位が、ドープされたアルカリ金属の酸化還元電位に対して0〜1Vになるまで、プレドープを行うことが好ましい。放電状態の負極の電位をこの範囲とすることにより、キャパシタの電圧を高めることができる。
アルカリ金属の負極活物質へのドープは、公知の方法により行うことができる。アルカリ金属のドープは、キャパシタの組み立て時に行ってもよい。例えば、アルカリ金属供給源を、正極、負極および非水電解質とともにセルケース内に収容し、組み立て後のキャパシタを60℃前後の恒温室中で保温することにより、アルカリ金属供給源からアルカリ金属イオンを非水電解質中に溶出させ、負極にドープさせることができる。
なお、プレドープとは、蓄電デバイスを動作させる前に、アルカリ金属を負極および/または正極中に予め吸蔵させておくことをいう。アルカリ金属は、正極および負極のどちらにプレドープしてもよいが、負極活物質が予めアルカリ金属を含まない材料である場合には、少なくとも負極にプレドープすることが望ましい。負極にアルカリ金属をプレドープすることで、負極電位が低下する。そのため、キャパシタの電圧が高くなり、高容量化が期待できる。
[正極]
正極は、正極集電体および正極集電体に保持された正極活物質を含む。
キャパシタにおいて、正極活物質は、アルカリ金属イオンとの電子の授受は行わず、物理的にアルカリ金属イオンを吸着・脱離している(非ファラデー反応)。そのため、正極活物質としては、電気化学的にアニオンまたはアルカリ金属イオンを吸着および脱離する材料であれば、特に限定されない。なかでも、炭素材料であることが好ましい。炭素材料としては、活性炭、メソポーラスカーボン、マイクロポーラスカーボン、カーボンナノチューブなどが例示できる。炭素材料は、賦活処理されたものであってもよく、賦活処理されていなくてもよい。これらの炭素材料は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。炭素材料のうち、活性炭、マイクロポーラスカーボンなどが好ましい。
マイクロポーラスカーボンとしては、塩素ガスを含む雰囲気中で、炭化珪素、炭化チタンなどの金属炭化物を加熱することにより得られるマイクロポーラスカーボンが例示される。
活性炭としては、例えば、リチウムイオンキャパシタに使用される公知のものが使用できる。活性炭の原料としては、例えば、木材;ヤシ殻;パルプ廃液;石炭またはその熱分解により得られる石炭系ピッチ;重質油またはその熱分解により得られる石油系ピッチ;フェノール樹脂などが挙げられる。炭化された材料は、その後、賦活するのが一般的である。賦活法としては、ガス賦活法および薬品賦活法が例示できる。
活性炭の平均粒径(体積粒度分布の累積体積50%における粒径D50、以下同じ。)は、特に限定されないが、20μm以下であることが好ましく、3〜10μmであることがより好ましい。比表面積も特に限定されないが、800〜3000m2/g程度が好ましい。比表面積がこのような範囲である場合、キャパシタの静電容量を大きくする上で有利であるとともに、内部抵抗を小さくすることができる。
正極集電体としては、有孔(エキスパンドメタル、スクリーンパンチ、パンチングメタルおよびラス板等)あるいは無孔の金属箔、金属繊維製の不織布、金属多孔体シートなど、多孔質な材料が用いられる。有孔の金属箔の厚さは、例えば10〜50μmであり、金属繊維の不織布や金属多孔体シートの厚さは、例えば100〜1000μmである。前記金属としては、金属多孔体の材料として例示したものと同じ金属を使用することができる。
正極は、例えば、正極集電体に、正極活物質を含む正極合剤スラリーを塗布または充填し、その後、正極合剤スラリーに含まれる分散媒を除去し、さらに必要に応じて、正極活物質を保持した集電体を圧縮(または圧延)することにより得られる。正極合剤スラリーは、正極活物質の他に、結着剤、導電助剤などを含んでもよい。結着剤や導電助剤としては、負極合剤について例示したものから適宜選択できる。
図5に、本発明の一実施形態であるキャパシタのセルの構成を、概略的に示す。
キャパシタ100は、セパレータ1、正極2および負極3を含む積層型の電極群、非水電解質(図示せず)およびこれらを収容する角型のアルミニウム製のセルケース10を具備する。セルケース10は、上部が開口した有底の容器本体11と、上部開口を塞ぐ蓋部12とで構成されている。電極群は、正極と負極とを、これらの間にセパレータを介在させて捲回することにより形成されていてもよい。
キャパシタ100を組み立てる際には、まず、電極群が構成され、セルケース10の容器本体11に挿入される。その後、容器本体11に非水電解質を注液し、電極群を構成するセパレータ1、正極2および負極3の空隙に非水電解質を含浸させる。あるいは、非水電解質に電極群を含浸させ、その後、非水電解質を含んだ状態の電極群を容器本体11に収容してもよい。
蓋部12の一方側寄りには、蓋部12を貫通する外部正極端子(図示せず)が設けられ、蓋部12の他方側寄りの位置には、蓋部12を貫通する外部負極端子15が設けられている。各端子は、セルケースと絶縁することが好ましい。蓋部12の中央には、セルケース10の内圧が上昇したときに、内部で発生したガスを放出するための安全弁16が設けられている。
積層型の電極群は、いずれも矩形のシート状である複数の正極2と複数の負極3およびこれらの間に介在する複数のセパレータ1により構成されている。図5では、セパレータ1は、正極2を包囲するように袋状に形成されているが、セパレータの形態は特に限定されない。複数の正極2と複数の負極3は、電極群内で積層方向に交互に配置される。
各正極2の一端部には、正極リード片2cを形成してもよい。複数の正極2の正極リード片2cを束ねるとともに、セルケース10の蓋部12に設けられた外部正極端子に接続することにより、複数の正極2が並列に接続される。同様に、各負極3の一端部には、負極リード片3cを形成してもよい。複数の負極3の負極リード片3cを束ねるとともに、セルケース10の蓋部12に設けられた外部負極端子15に接続することにより、複数の負極3が並列に接続される。正極リード片2cの束と負極リード片3cの束は、互いの接触を避けるように、電極群の一端面の左右に、間隔を空けて配置することが望ましい。
外部正極端子および外部負極端子15は、いずれも柱状であり、少なくとも外部に露出する部分が螺子溝を有する。各端子の螺子溝にはナット13が嵌められ、ナット13を回転することにより蓋部12に対してナット13が固定される。各端子の電池セルケース内部に収容される部分には、鍔部14が設けられており、ナット13の回転により、鍔部14が、蓋部12の内面に、ワッシャ17を介して固定される。
[セパレータ]
セパレータは、イオン透過性を有し、正極と負極との間に介在して、これらを物理的に離間させて短絡を防止する。セパレータは、多孔質材構造を有し、細孔内に非水電解質を保持することで、イオンを透過させる。セパレータの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリエチレンレテフタレートなどのポリエステル;ポリアミド;ポリイミド;セルロース;ガラス繊維などを用いることができる。セパレータの平均孔径は特に制限されず、例えば、0.01〜5μm程度である。セパレータの気孔率は20〜85%であることが好ましい。気孔率がこの範囲であると、アルカリ金属イオンの移動がよりスムーズに行われる。セパレータの厚さは、10μm〜500μm、更には20〜50μmであることが好ましい。厚さがこの範囲であれば、内部短絡を有効に防止できる。
[非水電解質]
非水電解質は、アルカリ金属イオン伝導性を有する。非水電解質としては、例えば、非水溶媒(または有機溶媒)にアルカリ金属イオンとアニオンとの塩(アルカリ金属塩)を溶解させた電解質(有機電解質)の他、アルカリ金属イオンおよびアニオンを含むイオン液体などが用いられる。非水電解質におけるアルカリ金属塩の濃度は、例えば0.3〜3mol/リットルであればよい。
アルカリ金属塩を構成するアニオンの種類は特に限定されず、例えば、フッ素含有酸のアニオン[ヘキサフルオロリン酸イオン(PF6 -)などのフッ素含有リン酸のアニオン;テトラフルオロホウ酸イオン(BF4 -)などのフッ素含有ホウ酸のアニオンなど]、塩素含有酸のアニオン[過塩素酸イオン(ClO4 -)など]、オキサレート基を有する酸素酸のアニオン[リチウムビス(オキサラト)ボレートイオン(B(C242 -)などのオキサラトボレートイオン;リチウムトリス(オキサラト)ホスフェートイオン(P(C243 -)などのオキサラトホスフェートイオンなど]、フルオロアルカンスルホン酸のアニオン[トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3 -)など]、ビス(スルホニル)アミドアニオンなどが挙げられる。アルカリ金属塩は、一種を単独で用いてもよく、第1アニオンの種類が異なるアルカリ金属塩を二種以上組み合わせて用いてもよい。
ビス(スルホニル)アミドアニオンとしては、具体的には、ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオン(FSA-:bis(fluorosulfonyl)amide anion));ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン(TFSA-:bis(trifluoromethylsulfonyl)amide anion)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)アミドアニオン、(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオンなどが例示できる。
なお、本明細書中、「イオン液体」とは、溶融状態の塩(溶融塩)であり、イオン伝導性を有する液体を意味するものとして使用する。非水電解質にイオン液体を用いる場合、非水電解質中のイオン液体の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。さらに、非水電解質は、イオン液体に加え、非水溶媒や添加剤などを含むことができる。一方、非水電解質に有機電解質を用いる場合、非水電解質中における非水溶媒とアルカリ金属塩との合計量は、非水電解質の80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。さらに、非水電解質は、有機電解質に加え、イオン液体や添加剤などを含むことができる。
非水溶媒は、特に限定されず、アルカリ金属イオンキャパシタに使用される公知の非水溶媒が使用できる。非水溶媒は、イオン伝導度の観点から、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトンなどの環状炭酸エステルなどを好ましく用いることができる。非水溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ金属イオンを含むイオン液体は、アルカリ金属イオン(第1カチオン)に加え、さらに第2カチオンを含んでいてもよい。このような第2カチオンとしては、アルカリ金属以外の無機カチオン、例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムカチオンなどを使用してもよいが、有機カチオンが好ましい。第2カチオンは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
第2カチオンとして使用される有機カチオンとしては、脂肪族アミン、脂環族アミンや芳香族アミンに由来するカチオン(例えば、第4級アンモニウムカチオンなど)の他、窒素含有へテロ環を有するカチオン(つまり、環状アミンに由来するカチオン)などの窒素含有オニウムカチオン;イオウ含有オニウムカチオン;リン含有オニウムカチオンなどが例示できる。
以下、実施例に基づき、本実施形態をより具体的に説明するが、以下の実施例は本実施形態を限定するものではない。
《実施例1》
下記の手順でリチウムイオンキャパシタを作製した。
(1)正極の作製
(a)正極集電体の作製
熱硬化性ポリウレタンの発泡体(気孔率:95体積%、表面1インチ(=2.54cm)長さ当たりの空孔(セル)数:約50個、縦100mm×横30mm×厚み1.1mm)を準備した。
上記発泡体を、黒鉛、カーボンブラック(平均粒径D50:0.5μm)、樹脂結着剤、浸透剤、および消泡剤を含む導電性懸濁液の中に浸漬した後、乾燥することにより、発泡体の表面に導電性層を形成した。なお、懸濁液中の黒鉛およびカーボンブラックの含有量は合計で25質量%であった。
表面に導電性層を形成した発泡体を、溶融塩アルミニウムメッキ浴中に浸漬して、電流密度3.6A/dm2の直流電流を90分間印加することにより、アルミニウム層を形成した。なお、発泡体の見掛け面積当たりのアルミニウム層の質量は、150g/m2であった。溶融塩アルミニウムメッキ浴は、33mol%の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドおよび67mol%の塩化アルミニウムを含み、温度は、40℃であった。
表面にアルミニウム層が形成された発泡体を、500℃の塩化リチウム−塩化カリウム共晶溶融塩中に浸漬し、−1Vの負電位を30分間印加することにより、発泡体を分解させた。得られたアルミニウム製の多孔体を、溶融塩から取り出して冷却し、水洗し、乾燥させることにより正極集電体を得た。得られた正極集電体は、発泡体の空孔形状を反映した、空孔が互いに連通した三次元網目状の多孔質構造を有し、気孔率は94体積%であり、平均空孔径は550μmであり、BET法による比表面積(BET比表面積)は、350cm2/gであり、厚みは900μmであった。また、三次元網目状のアルミニウム製の骨格は、発泡体の除去により形成された空洞を内部に有していた。このようにして正極集電体を得た。
(b)正極の作製
正極活物質として活性炭粉末(比表面積:2300m2/g、平均粒径:約5μm)および導電助剤としてアセチレンブラック、結着剤としてPVDF(濃度12質量%でPVDFを含むN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液)、および分散媒としてNMPを、混合機にて混合、攪拌することにより、正極合剤スラリーを調製した。スラリー中の各成分の質量比は、活性炭:アセチレンブラック:PVDF=87:3:10であった。
得られた正極合剤スラリーを、上記工程(a)で得られた正極集電体に充填し、100℃にて30分乾燥した。乾燥物を、一対のロールを用いて圧延し、厚み250μm、気孔率35%の正極を作製した。
(2)負極の作製
(a)負極集電体の作製
正極と同様の手法により、表面に導電性層を形成した発泡体をワークとして、硫酸銅メッキ浴中に浸漬して、陰極電流密度2A/dm2の直流電流を印加することにより、表面にCu層を形成した。なお、発泡体の見掛け面積当たりの銅層の質量は、300g/m2であった。硫酸銅メッキ浴は、250g/Lの硫酸銅、50g/Lの硫酸、および30g/Lの塩化銅を含み、温度は、30℃であった。
表面にCu層が形成された発泡体を、大気雰囲気下、700℃で熱処理することにより、発泡体を分解させ、次いで、水素雰囲気下で焼成することにより表面に形成された酸化被膜を除去することにより、銅製の多孔体(負極集電体)を得た。得られた負極集電体は、発泡体の空孔形状を反映した、空孔が互いに連通した三次元網目状の多孔構造を有し、気孔率は92体積%であり、平均空孔径は550μmであり、BET比表面積は200cm2/gであり、厚みは900μmであった。また、三次元網目状の銅製の骨格は、発泡体の除去により形成された空洞を内部に有していた。
(b)負極の作製
負極活物質としての人造黒鉛粉末と、導電助剤としてのアセチレンブラックと、結着剤としてのPVDFと、分散媒としてのNMPとを混合することにより、負極合剤スラリーを調製した。黒鉛粉末と、アセチレンブラックと、PVDFとの質量比は、90:5:5であった。
得られた負極合剤スラリーを、上記工程(a)で得られた負極集電体に充填し、100℃にて30分乾燥した。乾燥物を、一対のロールを用いて圧延し、厚み150μm、気孔率25%の負極を作製した。
(3)セパレータの準備
厚さ30μmのポリオレフィン製のセパレータ(平均空孔径:0.1μm、気孔率:70%)を、140mm×80mm)に裁断し、セパレータとして準備した。
(4)リチウム極(アルカリ金属供給源)の作製
パンチング銅箔(厚み:20μm、開口径:50μm、開口率:50%、135mm×75mm)の一方の表面に、リチウム箔(厚み:90μm、135mm×75mm)を圧着し、他方の表面に、ニッケル製のリードを溶接した。次いで、上記(3)のセパレータと同じセパレータで、周囲を包囲した。
(5)非水電解質
ECとDECとの体積比1:1の混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lの濃度で溶解させた溶液を準備した。
(6)リチウムイオンキャパシタの作製
上記(1)で得られた正極を、サイズ130×70mmの矩形に裁断し、5枚の正極を準備した。ただし、正極の一辺の一方側端部には、集電用のリード片を形成した。また、上記(2)で得られた負極を、サイズ135×75mmの矩形に裁断し、6枚の負極を準備した。ただし、負極の一辺の一方側端部には、集電用のリード片を形成した。
次いで、正極、負極およびセパレータを、0.3Paの減圧下で、90℃以上で加熱して十分に乾燥させた。その後、正極と負極との間に、セパレータを介在させて、正極リード片同士および負極リード片同士が重なり、かつ正極リード片の束と負極リード片の束とが左右対象な位置に配置されるように積層した。さらに、負極のリード片にリチウム極のリード片を接続した。正極リード片の束および負極リード片の束を、各々一つにまとめてタブリードに溶接し、電極群を作製した。得られた電極群をアルミニウム製のラミネートシートで作製したセルケースに収容した。
非水電解質をセルケース内に注入して、正極、負極およびセパレータに含浸させた後、真空シーラーにて減圧しながらセルケースを封止した。外部端子を除いたセルケースのサイズは、150mm×90mm×2.7mmであった。
作製されたセルを45℃の恒温槽内で所定時間静置して、プレドープを完了し、リチウムイオンキャパシタA1を作製した。リチウムイオンキャパシタA1の設計容量は約0.75Wh、体積エネルギー密度は22Wh/Lであった。また、容量比Cn/Cpは、9.0であった。
このようにして得られたリチウムイオンキャパシタを用いて、下記の評価を行った。
《比較例1》
エネルギー密度を向上させるため、金属箔である集電体に活物質を多く保持させ、電極を厚くした。具体的には、正極集電体として、穴あきアルミニウム箔(厚み:50μm、開口率:35%、130mm×70mm)を使用し、その両面に上記正極スラリーを塗布して、厚み250μmの正極を作製した。負極集電体として、パンチング銅箔(厚み:20μm、開口径:50μm、開口率:30%、135mm×75mm)を使用し、その両面に上記負極スラリーを塗布して、厚み150μmの負極を作製した。
このようにして得られた正極を6枚、負極を5枚使用したこと以外、実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタB1を作製した。リチウムイオンキャパシタB1の設計容量は約0.68Wh、体積エネルギー密度は20Wh/Lであり、外部端子を除いたセルケースのサイズは、150mm×90mm×2.7mmであった。
《比較例2》
活物質の利用率を向上させるため、比較例1よりも電極を薄くし、電極の積層数を増やした。具体的には、正極集電体として、比較例1と同じ穴あきアルミニウム箔を使用し、その両面に上記正極スラリーを塗布して、厚み130μmの正極を作製した。負極集電体として、比較例1と同じパンチング銅箔を使用し、その両面に上記負極スラリーを塗布して、厚み80μmの負極を作製した。
このようにして得られた正極を14枚、負極を15枚使用したこと以外、実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタB2を作製した。リチウムイオンキャパシタB2の設計容量は約0.65Wh、体積エネルギー密度は17Wh/Lであり、外部端子を除いたセルケースのサイズは、150mm×90mm×3.6mmであった。
[評価方法]
得られた正極および負極、ならびにリチウムイオンキャパシタを用いて、下記の評価を行った。
(1)リチウムイオンキャパシタの容量
リチウムイオンキャパシタを30℃の温度にて、充電レート0.4Cで電圧が3.8Vになるまで充電し、放電レート0.4Cで電圧が2.2Vになるまで放電した。このときの充電容量(mAh)および放電容量(mAh)を求めた。
(2)満充電までの時間
100Vの交流電源を使用して、充電レート20Cで電圧が3.8Vになるまで充電し、放電レート20Cで電圧が2.2Vになるまで放電した。このときの、電圧が3.8Vになるまでの充電の時間および放電容量(mAh)を求めた。
Figure 2016152402
キャパシタA1は、20Cでの充放電でも0.4Cでの充放電と同等の放電容量を示した。また、エネルギー密度が高く、小さいサイズで高容量である。そのため、高速充電可能で携帯性に優れる充電器に用いるキャパシタとして適している。
キャパシタB1では、20Cでの満充電までの所要時間は短いものの、20Cでの放電容量は、0.4Cでの放電容量の半分以下であった。正極および負極が厚く、抵抗が高いためであると考えられる。よって、キャパシタB1は、高速充電させる充電器に用いるには適さない。
キャパシタB2では、20Cでの放電容量は、0.4Cでの放電容量と同程度であった。しかし、エネルギー密度が小さいため、キャパシタA1と同程度の放電容量を確保するためには、セルを大きくしなければならず、携帯性に劣る。
本発明の充電器は、極めて短時間で満充電可能であるとともに、高容量であり、かつ、携帯性に優れることから、様々な電子機器の充電器に適用することができる。
1:セパレータ、2:正極、2c:正極リード片、3:負極、3c:負極リード片、10:電池ケース、11:容器本体、12:蓋部、13:ナット、14:鍔部、15:外部負極端子、16:安全弁、17:ワッシャ、21:空孔、22:金属製骨格、22a:空洞、23:開口、24:電極合剤、50:本体ケース、51:回路基板、52:入力端子、53:出力端子、100:アルカリ金属イオンキャパシタ、102:充電制御部、103:入力部、104:出力部、105:放電制御部、106:外部電源、107:ACアダプタ、108:外部二次電池、110:充電器

Claims (6)

  1. 外部電源からの電力が入力される入力部と、
    外部の二次電池に電力を供給する出力部と、
    アルカリ金属イオンキャパシタと、
    前記キャパシタの充電電流Iinを制御する充電制御部と、
    前記キャパシタの放電電流Ioutを制御する放電制御部と、を備える充電器であって、
    前記キャパシタは、
    正極活物質および前記正極活物質を保持する正極集電体を有する正極、
    負極活物質および前記負極活物質を保持する負極集電体を有する負極、ならびに、
    前記正極と前記負極との間に介在するセパレータを具備する、電極群と、
    アルカリ金属イオン伝導性を有する非水電解質と、
    前記電極群および前記非水電解質を収容するセルケースと、を備え、
    前記正極集電体および前記負極集電体の少なくとも一方が、三次元網目状の構造を有する金属多孔体を含む、充電器。
  2. 前記キャパシタの体積エネルギー密度が、20〜60Wh/Lである、請求項1に記載の充電器。
  3. 前記キャパシタの容量が、0.5〜20Whである、請求項1または2に記載の充電器。
  4. 前記金属多孔体の気孔率が、80〜98体積%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電器。
  5. 少なくとも前記負極が、プレドープされたアルカリ金属を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の充電器。
  6. 前記充電制御部が、最大充電レート20C以上で前記キャパシタを充電するように、前記充電電流Iinを制御する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の充電器。
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