JP2023049469A - リチウム硫黄二次電池用正極、リチウム硫黄二次電池及びリチウム硫黄二次電池用正極の製造方法 - Google Patents

リチウム硫黄二次電池用正極、リチウム硫黄二次電池及びリチウム硫黄二次電池用正極の製造方法 Download PDF

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昌明 久保田
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Abstract

【課題】 高容量かつ高サイクル特性を有する硫黄カーボン複合正極を提供する。【解決手段】 正極集電体と、正極集電体の一方又は両方の面に形成された正極合材層とを備える硫黄カーボン複合正極である。正極合材層は、複数の細孔を有するカーボン粒子、硫黄及び結着材を含む。カーボン粒子は、結着材により結合され、隣接する前記カーボン粒子が互いに接触する。硫黄は、正極合材層の表面及び内部に位置するカーボン粒子の複数の細孔内に存在する第1の硫黄、並びに正極合材層の表面及び内部に位置し、カーボン粒子同士の接触部を除くカーボン粒子の表面に存在する第2の硫黄である。【選択図】図2

Description

本発明は、リチウム硫黄二次電池用正極、リチウム硫黄二次電池及びリチウム硫黄二次電池用正極の製造方法に関するものである。
近年、リチウムイオン二次電池の用途は携帯機器、電動工具及び自動車等の産業へ大きく拡大している。それに伴い、リチウムイオン二次電池の更なる高エネルギー密度化が要求されている。しかし、リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化は頭打ちになりつつあり、電池の材料及びシステムの検討が必要とされている。
硫黄を正極活物質に用いたリチウム硫黄二次電池は、高いエネルギー密度が期待できることから次世代電池の1つとして注目されている。典型的なリチウム硫黄二次電池は、硫黄正極、リチウム金属負極及び有機系電解液を含むセパレータから構成される。
リチウム硫黄二次電池の課題の一つは、正極活物質である硫黄の電気導電性が低いことが挙げられる。このため、硫黄に導電助材(例えば、カーボン粒子)を混合した複合材を含み、カーボン粒子による導電ネットワークが形成された正極合材層を備えた正極が開発されている。
特許文献1には、硫黄活物質、導電材(例えば、カーボン粒子)及び固体電解質をメカニカルミリング処理して硫黄カーボン複合正極材料を作製する工程と、当該硫黄カーボン複合正極材料にバインダー及び溶媒を加えて混合してスラリーを調製する工程と、スラリー形成工程により得られたスラリーを正極集電体上に塗工する塗工工程と、塗工工程により塗工したスラリーを乾燥させる乾燥工程と、を備える硫黄カーボン複合正極の製造方法が開示されている。メカニカルミリング処理によって硫黄活物質、導電助材及び固体電解質を粉砕しつつ密に混合するメカニカルミリング工程を備える正極の製造方法が開示されている。
非特許文献1には、カーボン粒子の細孔内に溶融硫黄を毛細管力によって吸収させる溶融含浸法により硫黄カーボン複合材を作製し、当該正極材料及び結着材のスラリーを集電体表面にキャストして正極合材層を形成して正極を製造する方法が開示されている。
特開2019-145206号公報
Xiulei Ji et al. "Nature Materials"、volume 8、June2009、p500-p506
しかしながら、特許文献1で開示されているメカニカルミリング処理は、物理的に固体-固体粒子である硫黄粒子と導電助材(例えば、カーボン粒子)を混合する方法であるため、硫黄粒子はカーボン粒子の複数の細孔内に充填(存在)されず、カーボン粒子の表面に単に付着するに留まる。その結果、カーボン粒子の表面に対する硫黄粒子の接触面積が小さいため、導電ネットワークを形成するカーボン粒子と硫黄粒子の間の導電パスが有効に働かず、正極合材層中の硫黄粒子の利用率が低下し、高容量の正極を得ることが困難になる。
また、特許文献1に記載の正極を組み込んだリチウム硫黄二次電池において、充放電時に正極合材層に含まれる硫黄は反応中間体であるリチウムポリスルフィドを生成する。リチウムポリスルフィドは、非水電解液に溶解し易い性質を有する。特許文献1に記載の正極は、その正極合材層に含まれる硫黄カーボン複合材の硫黄粒子が前述したようにカーボン粒子の表面に単に付着されているため、充放電時に当該硫黄粒子がリチウムポリスルフィドを生成すると、非水電解液との接触により容易に溶解して脱離する。その結果、充放電の繰り返しにより正極合材層中の硫黄粒子が減少し、リチウム硫黄二次電池の容量維持率が低下する。すなわち、リチウム硫黄二次電池の寿命低下を引き起こす。
また、非特許文献1に記載の溶融含浸法は溶融状態の硫黄とカーボン粒子を物理的に混合する方法であり、かつ溶融状態の硫黄が高い粘性を有するため、硫黄はカーボン粒子の複数の細孔内に僅かしか充填(存在)されず、大部分がカーボン粒子の表面に存在する。その結果、非特許文献1に記載の正極を組み込んだリチウム硫黄二次電池において、硫黄がカーボン粒子の表面に大部分存在するため、充放電時に硫黄が反応中間体であるリチウムポリスルフィドを生成すると、非水電解液との接触により容易に溶解して脱離する。その結果、充放電の繰り返しにより正極合材層中の硫黄粒子が減少し、リチウム硫黄二次電池の容量維持率が低下する。すなわち、リチウム硫黄二次電池の寿命低下を引き起こす。
本発明は、リチウム硫黄二次電池に組込んだときに高容量かつ高いサイクル特性を実現し得る硫黄カーボン複合正極を提供する。
本発明は、正極集電体と、正極集電体の一方又は両方の面に形成された正極合材層とを備えた硫黄カーボン複合正極である。正極合材層は、複数の細孔を有するカーボン粒子、硫黄及び結着材を含む。カーボン粒子は、結着材により結合され、隣接するカーボン粒子が互いに接触している。硫黄は、正極合材層の表面及び内部に位置するカーボン粒子の複数の細孔内に存在する第1の硫黄、並びに正極合材層の表面及び内部に位置し、カーボン粒子同士の接触部を除くカーボン粒子の表面に存在する第2の硫黄である。
本発明によれば、リチウム硫黄二次電池に組込んだときに高容量かつ高いサイクル特性を実現することが可能な硫黄カーボン複合正極を提供できる。
図1は、第1の実施形態に係る硫黄カーボン複合正極の製造の際に使用する電解析出用セルの一例を示す図である。 図2は、第2の実施形態に係るリチウム硫黄二次電池の構成の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。また、実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
<第1の実施形態>
第1の実施形態に係る硫黄カーボン複合正極は、正極集電体と、正極集電体の一方又は両方の面に形成された正極合材層とを備える。正極合材層は、複数の細孔を有するカーボン粒子、硫黄及び結着材を含む。
正極集電体を構成する材料は、特に制限はなく、例えばアルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス鋼、カーボン加工金属等の金属を、箔、メッシュ、エキスパンドグリッド、パンチドメタル等に加工したもの等が挙げられる。
正極合材層中のカーボン粒子は、結着材で結合され、隣接するカーボン粒子が互いに接触している。このような構成により、正極合材層に正極集電体と接続するカーボン粒子の導電ネットワークが形成される。
正極合材層中のカーボン粒子は、平均細孔径が0.1nm以上20nm以下であることが好ましく、1nm以上15nm以下であることがより好ましく、3nm以上10nm以下であることがさらに好ましく、4nm以上8nm以下であることが最も好ましい。平均細孔径が0.1nm未満の場合、硫黄をカーボン粒子の細孔内に侵入させることが困難となる虞がある。一方、平均細孔径が20nmを超える場合、カーボン粒子と後述するカーボン粒子の複数の細孔内に存在する第1の硫黄との接触が不十分となり、カーボン粒子と硫黄との間に良好な導電パスが有効に働かず、硫黄の利用率が低下する虞がある。また、正極合材層中のカーボン粒子は、その比表面積が200m・g-1以上2500m・g-1以下であることが好ましく、1000m・g-1以上2200m・g-1以下であることがさらに好ましい。さらに、正極合材層中のカーボン粒子は、その細孔容積が0.5cm・g-1以上であることが好ましい。細孔容積の上限値は特に限定されないが、現実的には5.0cm・g-1以下である。正極合材層中のカーボン粒子の比表面積及び細孔容積がこの範囲にある硫黄カーボン複合正極は、レート特性及びサイクル特性が優れ、更に分極が小さくなる。カーボン粒子の平均細孔径及び比表面積は窒素吸脱着法で、細孔容積は水銀ポロシメータ法で測定することができる。
カーボン粒子は、公知のものを使用することができ、具体的には、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、アセチレンブラック、多孔質カーボン(例えば、CNovel(登録商標)(東洋炭素(株)))等の群から選ばれる1つ又は2つ以上の混合物を用いることができる。混合物を用いる場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
正極合材層に含まれる硫黄は、正極合材層の表面及び内部に位置するカーボン粒子の複数の細孔内に存在する第1の硫黄、並びに正極合材層の表面及び内部に位置し、カーボン粒子同士の接触部を除くカーボン粒子の表面に存在する第2の硫黄である。すなわち、第1、第2の硫黄はカーボン粒子による導電ネットワークを損なうことなく、正極合材層に存在する。
一般に、リチウム硫黄二次電池の充放電は、硫黄とリチウムの酸化還元反応によって行われる。電気導電性の低い硫黄が酸化還元反応に寄与するためには、カーボン粒子に硫黄が接触して分散されることが望まれる。
第1の硫黄は、導電助材の役割を果たすカーボン粒子の複数の細孔内に存在し、カーボン粒子との間で良好な導電パスを取得することが可能になる。また、第2の硫黄はカーボン粒子の表面(カーボン粒子同士の接触部を除く)に例えば薄い膜状態で存在する。その結果、第1及び第2の硫黄とカーボン粒子との接触面積を増大できるため、正極合材層に存在する硫黄の酸化還元反応の寄与率を向上することができる。すなわち、正極合材層中の硫黄の利用率を従来の硫黄カーボン複合正極と比べて顕著に増大でき、高容量化を達成できる。
第1の硫黄及び第2の硫黄の存在比率は、体積比で第1の硫黄及び第2の硫黄を60:40~95:5にすることが好ましく、80:20~90:10にすることがより好ましい。
正極合材層に含まれる結着材は、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができ、具体的にはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン-6フッ化プロピレン共重合体(PVDF-HFP)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸リチウム(PAALi)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)等の群から選ばれる1つ又は2つ以上の混合物を用いることができる。混合物を用いる場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
以上説明した第1の実施形態に係る硫黄カーボン正極は、正極集電体と、正極集電体の一方又は両方の面に形成された正極合材層とを備え、正極合材層は、複数の細孔を有するカーボン粒子、硫黄及び結着材を含み、カーボン粒子は、結着材により結合され、隣接するカーボン粒子が互いに接触し、硫黄は正極合材層の表面及び内部に位置するカーボン粒子の複数の細孔内に存在する第1の硫黄、並びに正極合材層表面及び内部に位置し、カーボン粒子同士の接触部を除くカーボン粒子の表面に存在する第2の硫黄であるため、リチウム硫黄二次電池に組込んだときに高容量かつ高いサイクル特性を実現できる。
すなわち、正極合材層において隣接するカーボン粒子は互いに接触して導電ネットワークを形成し、さらにカーボン粒子の導電ネットワークは正極合材層を保持する正極集電体に接触する。第1の硫黄は、正極合材層の表面及び内部に位置するカーボン粒子の複数の細孔内に存在する。つまり、第1の硫黄は導電ネットワークを形成するカーボン粒子の複数の細孔内全体に封じ込まれ、結果としてカーボン粒子に密に接触されている。第2の硫黄は、正極合材層表面及び内部に位置し、カーボン粒子同士の接触部を除くカーボン粒子の表面に存在する。つまり、第2の硫黄も導電ネットワークを形成するカーボン粒子の表面に例えば覆うように密に接触している。
その結果、第1、第2の硫黄はいずれも導電ネットワークを形成するカーボン粒子に対して孤立することなく、良好な導電パスを取得できるため、正極合材層に存在する殆どの硫黄が酸化還元反応に寄与し、利用率を向上できる。従って、高容量の硫黄カーボン正極を実現できる。
また、第1の実施形態に係る硫黄カーボン正極を組み込んだリチウム硫黄二次電池において、充放電時に正極合材層に含まれる硫黄は前述したように反応中間体であるリチウムポリスルフィドを生成する。リチウムポリスルフィドは、非水電解液に溶解し易い性質を有する。正極合材層に含まれる第2の硫黄は、当該正極層の表面及び内部に位置するカーボン粒子の表面に存在するため、充放電時にリチウムポリスルフィドに変換されると、非水電解液との接触により溶解する可能性がある。他方、第1の硫黄は正極合材層の表面及び内部に位置するカーボン粒子の複数の細孔内に存在する、つまり、カーボン粒子の複数の細孔内全体に封じ込まれているため、当該第1の硫黄が充放電時にリチウムポリスルフィドに変換されても、カーボン粒子の複数の細孔内に留まり、非水電解液に接触による脱離を抑制できる。その結果、充放電の繰り返しにより正極合材層中の硫黄の減少を抑制できるため、リチウム硫黄二次電池の容量維持率の低下を抑制できる。すなわち、背景技術で説明した特許文献1、非特許文献1に比較してリチウム硫黄二次電池の寿命を向上でき、高いサイクル特性を実現できる。
次に、第1の実施形態に係る硫黄カーボン複合正極の製造方法を説明する。
(1)複数の細孔を有するカーボン粒子及び結着材を含むカーボン粒子含有層を、正極集電体の少なくとも一方の面に形成してカーボン極を作製する。
(2)硫黄化合物及び溶媒を含む電解析出溶液を用意する。
(3)カーボン極のカーボン含有層に電解析出溶液を含浸する。
(4)図1に示すように、前記カーボン極2とリチウムイオン伝導体4とリチウム金属極3とをこの順序で、かつカーボン粒子含有層22がリチウムイオン伝導体4と対向するように積層して電解析出用セル1を組立てる。
(5)カーボン極を正極、リチウム金属極を負極とし、これらの極間に直流電圧を印加して、カーボン粒子含有層におけるカーボン粒子の複数の細孔とカーボン粒子含有層表面及び空隙とに存在する電解析出溶液から硫黄を電解析出する。この工程において、電解析出溶液中の硫黄化合物(例えばLi)はマイナスの硫化物イオンとプラスのリチウムイオンにイオン化し、マイナスの硫化物イオンは正極であるカーボン極に引き付けられて硫黄の電解析出がなされ、プラスのリチウムイオンはリチウムイオン伝導体を通過して負極のリチウム金属極に引き付けられてリチウムを電解析出する。
(6)電解析出用セルを解体し、硫黄を析出させたカーボン極を取り出し、洗浄した後、乾燥して硫黄カーボン複合正極を製造する。
前記(1)工程において、カーボン含有層はカーボン粒子及び結着材を溶媒で溶解分散させてスラリーを調製し、当該スラリーを正極集電体の少なくとも一方の面に塗工した後、乾燥することにより形成することができる。
カーボン含有層に含まれる結着材は、カーボン含有層の形状を保持し得る範囲で少なくすることが好ましい。例えば、カーボン粒子を65重量%以上95重量%以下、結着材を5重量%以上35重量%以下とすることが好ましく、カーボン粒子を70重量%以上90重量%以下、結着材を10重量%以上30重量%以下とすることがより好ましく、カーボン粒子を70重量%以上85重量%以下、結着材を15重量%以上30重量%以下とすることがさらに好ましい。結着材の配合割合を5重量%以上35重量%以下にすることにより、カーボン含有層の形状を保持しつつ、カーボン粒子の細孔が結着材で塞がれるのを低減し、電解析出用溶液をより多くのカーボン粒子の細孔に侵入させることが可能になる。
前記(2)工程に用いる硫黄化合物は、例えばLi、Li、Li、Li及びLiSからなる群から選ばれる1つ又は2つ以上の混合物を挙げることができる。
前記(2)工程に用いる溶媒は、電解析出で分解しにくい化合物を使用することが好ましく、例えばスルホラン等のスルホン系化合物、アセトニトリル等のニトリル系化合物等を挙げることができる。
前記(2)工程に用いる電解析出溶液は、硫黄化合物の濃度が0.1重量%以上50重量%以下であることが好ましく、1.0重量%以上40重量%以下であることがより好ましく、2.0重量%以上30重量%以下であることがさらに好ましい。電解析出溶液の濃度が50重量%を超えると、電解析出溶液の粘度が高くなり、電解析出溶液がカーボン粒子の細孔内へ侵入することが困難になる虞がある。また、析出する硫黄の粒子径が大きくなるため、カーボン粒子と硫黄との間の接触が不十分となり、導電パスが有効に働かず、硫黄の利用率が低下する虞がある。一方、電解析出溶液の濃度が0.1重量%未満の場合、硫黄の電析効率が低下し、適切な硫黄の電解析出量を確保できなくなる虞がある。
前記(4)工程で用いるリチウム金属極は、例えば銅製の集電体にリチウム金属箔を貼り合わせた構造を有する。
前記(4)工程で用いるリチウムイオン伝導体は、特に限定されるものではなく、リチウムイオンのみを伝導させる材料であればよい。具体的には、LiLaZr12、Li0.35La0.55TiO、Li1+x+yAl(Ti,Ge)2-xSi3-y12(0≦x≦2, 0≦y≦3)、Li2.9PO3.30.46等の酸化物系固体電解質、及び陽イオン交換膜が挙げられる。
前記(5)工程の電解析出時において、粒径の小さい硫黄をカーボン粒子に析出させる観点から、カーボン極とリチウム金属極の間に印加する直流電流の電流密度は0.01mA・cm-2以上1.0mA・cm-2以下が好ましく、0.01mA・cm-2以上0.5mA・cm-2以下がより好ましい。また、セル電圧(到達電圧)は、この電流密度条件下において2.6V以上3.5V以下が好ましい。
以上説明した第1の実施形態に係る製造方法によれば、カーボン含有層に硫黄化合物及び溶媒を含む電解析出溶液を含浸させ、カーボン含有層に含浸された電解析出溶液の硫黄化合物のイオン化により硫黄を当該カーボン含有層の表面及び内部に位置するカーボン粒子に電解析出することができる。その結果、電解析出用セルから取り出したカーボン極のカーボン含有層は、硫黄が電解析出されているため、正極合材層として機能した硫黄カーボン正極を得ることができる。正極合材層のカーボン粒子は、カーボン含有層の形態が維持されているため、結着材により結合され、隣接するカーボン粒子が互いに接触して導電ネットワークを形成できる。また、電解析出された硫黄は正極合材層の表面及び内部に位置するカーボン粒子の複数の細孔内に存在する第1の硫黄、並びに正極合材層表面及び内部に位置し、カーボン粒子同士の接触部を除くカーボン粒子の表面に存在する第2の硫黄である。
従って、得られた硫黄カーボン電極は前述したのと同様な挙動により高容量で高いサイクル特性を実現できる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係るリチウム硫黄二次電池を説明する。
第2の実施形態に係るリチウム硫黄二次電池は、前述した硫黄カーボン複合正極と、負極と、正極及び負極の間に介在されたセパレータと、非水電解液とを備える。
負極は、負極集電体と、負極集電体の一方又は両方の面に形成された負極活物質を含む負極層とを備える。
負極集電体は、例えば銅から作られる。
負極活物質は、金属リチウム又はリチウム合金を用いることができる。リチウム合金は、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。また、負極活物質は、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン及びハードカーボン等の炭素材料の群から選ばれる1つ又は2つ以上を用いることができる。2つ以上の炭素材料を用いる場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
負極活物質が金属リチウム又はリチウム合金である場合は、箔の形態で負極集電体の一方の面又は両面に貼り付けることにより負極層を形成して負極を作製することができる。
一方、負極活物質が炭素材料である場合、当該負極活物質を結着材、必要に応じて導電助剤と共に、溶媒に分散させて負極スラリーを調製する。負極スラリーは、負極集電体の一方の面又は両面に塗布、乾燥し、必要に応じてローラなどで加圧して負極活物質及び結着材を含む負極層を形成し、負極を作製することができる。
非水電解液は、リチウム塩を溶解した非水溶媒を含む。リチウム塩は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができ、具体的には、6フッ化リン酸リチウム(LiPF)、臭化リチウム(LiBr)、過塩素酸リチウム(LiClO)、リチウムビスオキサレートボラート(LiB(C))、ホウフッ化リチウム(LiBF)、硝酸リチウム(LiNO)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)等の群から選ばれる1つ又は2つ以上の混合物が挙げられる。混合物を用いる場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
非水溶媒は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができ、具体的には、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、スルホラン、オキソラン、テトラグライム、トリグライム、フルオロエチレンカーボネート、及びイオン液体等が挙げられる。イオン液体としては、例えば、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,2,3-トリメチルイミダゾリウムメチルスルファート、メチルイミダゾリウムクロリド、メチルイミダゾリウムハイドロジェンスルファート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムハイドロジェンスルファート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムハイドロジェンスルファート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムアセタート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムアセタート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムエチルスルファート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムメチルスルファート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムチオシアナート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムチオシアナート、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムエチルスルファート、1-ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ブチル-1-メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラブチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリブチルドデシルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリブチルアンモニウムメチルサルフェート、ブチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルへキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。非水溶媒は、上記の群から選ばれる1つ又は2つ以上の混合物を用いることができ、混合物を用いる場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
セパレータは、正極、負極及び非水電解液等と反応しない、有機高分子系セパレータ及び無機系セパレータ等を用いることができる。有機高分子系セパレータを構成する高分子は、例えばポリプロピレン、ポリオレフィン、ニトロセルロース、ポリイミド等が挙げられる。無機系セパレータは、例えばシリカガラスの不織布等が挙げられる。セパレータは、セラミックスコーティングや構造制御等の群から選ばれる1つ又は2つ以上の処理を行ってもよい。2つ以上の処理を行う場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
正極、負極、セパレータ及び非水電解液は、外装体内に収納される。外装体は、特に限定されないが、例えばラミネートフィルムを有する袋状外装体、コイン型金属缶、円筒型金属缶、角形金属缶を挙げることができる。
以下、実施形態に係るリチウム硫黄二次電池の構造を、図面を参照して説明する。図2は、リチウム硫黄二次電池の一例を示す断面図である。
リチウム硫黄二次電池100は、硫黄カーボン複合正極110と、負極120と、それら正極110及び負極120の間に配置されたセパレータ130とを備える。これら正極110、負極120及びセパレータ130は、図示しない外装体に収納されている。
硫黄カーボン複合正極110は、正極集電体111と、当該正極集電体111のセパレータ130と対向する面に設けられたカーボン粒子、硫黄及び結着材を含む正極合材層112とから構成されている。負極120は、負極集電体121と、当該負極集電体121のセパレータ130と対向する面に設けられた、負極層122とから構成されている。セパレータ130は、非水電解質が含浸されている。
以上説明したように第2の実施形態によれば、前述した第1の実施形態に係る硫黄カーボン複合正極を備えることによって、高容量かつ高いサイクル特性を実現したリチウム硫二次黄電池を提供できる。
以下、実施例を例示して本発明をさらに詳細に説明するが、これらの例に限定されるものではない。
(実施例1)
カーボン粒子材料であるケッチェンブラック(以下KBと略す)と結着材であるカルボキシメチルセルロース(以下CMCと略す)を、重量比(KB:CMC)が70:30となるように超純水中で混練し、スラリーを調製した。ケッチェンブラックの平均細孔径及び比表面積を窒素吸脱着法で、細孔容積を水銀ポロシメータ法で測定したところ、平均細孔径は4.730nmであり、比表面積は1323m・g-1であり、細孔容積は1.565cm・g-1であった。得られたスラリーを正極集電体であるアルミニウム箔表面に厚さ50μmとなるよう塗布した後、80℃で一晩真空乾燥し、正極集電体にカーボン含有層を形成してカーボン極を作製した。硫黄と硫化リチウム(LiS)を、モル比率(硫黄:LiS)が7:8になるようにスルホランに溶解し、60℃で一晩攪拌して、Liを含みLiの濃度が0.1重量%の電解析出溶液を調製した。調製した電解析出溶液をカーボン極に含浸させた。
次いで、リチウム金属極と、リチウムイオン伝導体であるLiLaZr12と、電解析出溶液を含侵させたカーボン極とをこの順序で、かつカーボン粒子含有層がリチウムイオン伝導体と対向するように積層して電解析出用セルを組立てた。カーボン極を正極、リチウム金属極を負極とし、これらの極に電流密度0.1mAcm-2の直流電圧をセル電圧が2.8Vとなるまで印加し、カーボン極のカーボン含有層に硫黄を電解析出させた。その後、セルを解体し、硫黄を析出させたカーボン極を取り出し、ジメチルエーテル(DME)にて十分に洗浄後、乾燥し、硫黄が電解析出されたカーボン含有層(正極合材層)を有する硫黄カーボン複合正極を製造した。正極の単位面積当たりの硫黄含有量は1.5mg・cm-2とした。
(実施例2)
電解析出溶液の硫黄化合物の濃度を5重量%とした以外、実施例1と同様な方法により硫黄カーボン複合正極を作製した。
(実施例3)
電解析出溶液の硫黄化合物の濃度を10重量%とした以外、実施例1と同様な方法により硫黄カーボン複合正極を作製した。
(実施例4)
電解析出溶液の硫黄化合物の濃度を50重量%とした以外、実施例1と同様な方法により硫黄カーボン複合正極を作製した。
(実施例5)
電解析出溶液の溶媒としてアセトニトリルを用いた以外、実施例1と同様な方法により硫黄カーボン複合正極を作製した。
(実施例6)
電解析出溶液の溶媒としてアセトニトリルを用い、硫黄化合物の濃度を5重量%とした以外、実施例1と同様な方法により硫黄カーボン複合正極を作製した。
(実施例7)
電解析出溶液の溶媒としてアセトニトリルを用い、硫黄化合物の濃度を10重量%とした以外、実施例1と同様な方法により硫黄カーボン複合正極を作製した。
(実施例8)
電解析出溶液の溶媒としてアセトニトリルを用い、硫黄化合物の濃度を50重量%とした以外、実施例1と同様な方法により硫黄カーボン複合正極を作製した。
(実施例9)
電解析出溶液の硫黄化合物としてLiとLiとの重量比(Li:Li)が80:20の混合物を用い、硫黄化合物の濃度を50重量%とした以外、実施例1と同様な方法により硫黄カーボン複合正極を作製した。
(実施例10)
電解析出溶液の硫黄化合物としてLiとLiとの重量比(Li:Li)が50:50の混合物を用い、硫黄化合物の濃度を50重量%とした以外、実施例1と同様な方法により硫黄カーボン複合正極を作製した。
(実施例11)
電解析出溶液の硫黄化合物としてLiとLiとの重量比(Li:Li)が20:80の混合物を用い、硫黄化合物の濃度を50重量%とした以外、実施例1と同様な方法により硫黄カーボン複合正極を作製した。
(比較例1)
硫黄とKBを重量比(硫黄:KB)が75:25の割合となるよう乳鉢と乳棒を用いて乾式混合し、これを不活性ガス中にて155℃で12時間加熱して溶融硫黄をKBに吸収させる、溶融含浸法により硫黄カーボン複合体を得た。
次いで、前記硫黄カーボン複合体、KB及びCMCを、これらの重量比(硫黄カーボン複合体:KB:CMC)が80:10:10となるよう超純水中で混練し、スラリーを調製した。得られたスラリーを正極集電体であるアルミニウム箔表面に厚さ50μmとなるよう塗布し、80℃で一晩真空乾燥して正極合材層を形成し、硫黄カーボン複合正極を製造した。正極の単位面積当たりの硫黄含有量は1.5mg・cm-2とした。
(比較例2)
硫黄とKBを重量比(硫黄:KB)が75:25となるよう乳鉢と乳棒を用いて乾式混合する、メカニカルミリング法により硫黄カーボン複合体を作製した。得られた硫黄カーボン複合体、KB及びCMCを、これらの重量比(硫黄カーボン複合体:KB:CMC)が80:10:10となるよう超純水中で混練し、スラリーを調製した。このスラリーを正極集電体であるアルミニウム箔表面に厚さ50μmとなるよう塗布し、80℃で一晩真空乾燥して正極合材層を形成し、硫黄カーボン複合正極を製造した。正極の単位面積当たりの硫黄含有量は1.5mg・cm-2とした。
電気化学特性の評価は、以下に説明する構造を有する評価セルを用いて評価した。評価セルは、実施例1~11及び比較例1、2の硫黄カーボン複合正極をそれぞれ用いて作製した。すなわち、硫黄カーボン複合正極とリチウム金属極との間にポリイミド製のセパレータを介在し、当該セパレータに非水電解液を満たして二極式セルを組立てた。非水電解液は、リチウム塩であるリチウムビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)を1mol・dm-3になるようスルホランに溶解させることで調製した。
<放電容量の測定>
実施例1~11及び比較例1、2の評価セルについて、放電試験を実施した。試験温度を80℃とし、電流密度1.0mAcm-2で電圧が1.5Vに達するまで放電させ、硫黄カーボン複合正極の正極合材層に含まれる硫黄量で規格化した放電容量を測定した。その結果を下記表1に示す。
<充放電サイクル特性の評価試験>
実施例1~11及び比較例1、2の評価セルについて、充放電サイクル特性の評価試験を実施した。試験温度を80℃とし、電流密度1.0mA・cm-2で電圧が1.5Vに達するまで放電させ、次いで、放電電流と同等の電流密度で2.8Vまで充電した。この充放電を1サイクルとして、充放電を100サイクル繰り返し行い、評価セルの放電容量を測定した。測定した評価セルの1サイクル目の放電容量及び100サイクル目の放電容量に基づいて、次式により放電容量維持率を算出した。
放電容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
Figure 2023049469000002
表1から明らかなように、電解析出法によって作製した硫黄カーボン複合正極を用いた評価セル(実施例1~11)は、いずれも硫黄量を規格化した放電容量が1300mAh・g-1以上と、大きい放電容量、及び61%以上の高い放電容量維持率を示した。これは、電解析出法によって作製した硫黄カーボン複合正極において、正極合材層の隣接するカーボン粒子が互いに接触して導電ネットワークを形成し、硫黄が正極合材層の表面及び内部に位置するカーボン粒子の複数の細孔内に存在する第1の硫黄と、正極合材層の表面及び内部に位置するカーボン粒子の表面に存在する第2の硫黄とであることに起因する。
溶融含浸法によって作製した比較例1、及びメカニカルミリング法によって作製した比較例2の硫黄カーボン複合正極を備える評価セルは、いずれも硫黄量を規格化した放電容量が1100mAh・g-1以下と、小さい放電容量、及び35%以下の低い放電容量維持率を示し、硫黄量を規格化した放電容量及びサイクル特性が劣ることが認められた。
1…電解析出用セル、2…正極、21…正極集電体、22…カーボン粒子含有層、3…負極、31…負極集電体、32…リチウム金属箔、4…リチウムイオン伝導体、100…リチウム硫黄二次電池、110…硫黄カーボン複合正極、111…正極集電体、112…正極合材層、120…負極、121…負極集電体、122…負極層、130…セパレータ

Claims (8)

  1. 正極集電体と、前記正極集電体の一方又は両方の面に形成された正極合材層とを備える硫黄カーボン複合正極であって、
    前記正極合材層は、複数の細孔を有するカーボン粒子、硫黄及び結着材を含み、
    前記カーボン粒子は、前記結着材により結合され、隣接する前記カーボン粒子が互いに接触し、
    前記硫黄は、前記正極合材層の表面及び内部に位置する前記カーボン粒子の複数の細孔内に存在する第1の硫黄、並びに前記正極合材層表面及び内部に位置し、カーボン粒子同士の接触部を除くカーボン粒子の表面に存在する第2の硫黄であることを特徴とする硫黄カーボン複合正極。
  2. 前記カーボン粒子は、前記細孔の平均細孔径が0.1nm以上20nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の硫黄カーボン複合正極。
  3. 前記カーボン粒子は、ケッチェンブラックであることを特徴とする請求項1又は2に記載の硫黄カーボン複合正極。
  4. 請求項1~3いずれか一項に記載の硫黄カーボン複合正極、負極、セパレータ及び非水電解液を備えることを特徴とするリチウム硫黄二次電池。
  5. 正極集電体の少なくとも一方の面に複数の細孔を有するカーボン粒子及び結着材を含むカーボン粒子含有層を形成してカーボン極を作製すること、
    硫黄化合物及び溶媒を含む電解析出溶液を用意すること、
    前記カーボン極の前記カーボン粒子含有層に前記電解析出溶液を含浸すること、
    リチウム金属極とリチウムイオン伝導体と前記カーボン極とをこの順序で、かつ前記カーボン粒子含有層が前記リチウムイオン伝導体と対向するように積層して電解析出用セルを組立てること、
    前記カーボン極を正極、前記リチウム金属極を負極とし、これらの極に直流電圧を印加して、前記カーボン粒子含有層における前記カーボン粒子の前記複数の細孔と前記カーボン粒子含有層の表面及び空隙とに存在する前記電解析出溶液から硫黄を電解析出すること、を含むことを特徴とする硫黄カーボン複合正極の製造方法。
  6. 前記硫黄化合物は、Li、Li、Li、Li及びLiSからなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項5に記載の硫黄カーボン複合正極の製造方法。
  7. 前記溶媒は、ニトリル系又はスルホン系の有機溶媒であることを特徴とする請求項5又は6に記載の硫黄カーボン複合正極の製造方法。
  8. 前記電解析出溶液に含まれる前記硫黄化合物の濃度が50重量%以下であることを特徴とする請求項5~7いずれか一項に記載の硫黄カーボン複合正極の製造方法。
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