JP2017152363A - リチウムイオン二次電池用正極活物質、これを用いたリチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極活物質、これを用いたリチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高放電容量かつ熱安定性に優れたリチウムイオン二次電池用正極活物質、これを含むリチウムイオン二次電池の正極、リチウムイオン二次電池の提供。【解決手段】組成式(1)で表される活物質材料から選ばれる第一の活物質材料と、組成式(2)で表される第二の活物質材料と、を含み、前記第一の活物質材料の平均粒子径aと前記第二の活物質材料の平均粒子径bの比率a/bが1≦a/b≦60であることを特徴とする、リチウムイオン二次電池用正極活物質。LiwNix(M1)y(M2)zO2・・(1)〔M1はCo、Mnから選ばれた1種以上の元素;M2はAl、Fe、Cr、Ba、Mn又はMgから選ばれた1種以上の元素;0.9<w<1.1;2.0<(x+y+z+w)≦2.1;0.3<x<0.95;0.01<y<0.4;0.001<z<0.2〕LiαVOPO4・・・(2)〔αは0<α≦1.2〕【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用正極活物質、これを用いたリチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池に関する。
近年、環境・エネルギー問題の解決へ向けて、種々の電気自動車の普及が期待されている。これら電気自動車の実用化の鍵を握るモータ駆動用電源などの車載電源として、リチウムイオン二次電池の開発が鋭意行われている。車載電源として電池を広く普及するためには、高い充放電容量であるとともに高い熱安定性を有することが非常に重要視される。
現在、リチウムイオン二次電池の正極材料として広く一般に使用されているコバルト酸リチウムに比べ、より高い充放電容量が得られる活物質としてニッケル酸リチウムが知られている。ニッケル酸リチウムは高い充放電容量が達成可能であるが、結晶構造中の酸素原子が結晶から放出されやすいために、特に高充電状態での熱安定性が十分でない。
これに対して、特許文献1では、酸素放出の可能性が小さく熱安定性に優れるオリビン化合物でニッケル酸リチウムの表面を被覆することにより、高温における放電容量と安定性の向上を両立させることが提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、高温における安定性が向上するが、オリビン化合物で被覆することにより放電容量が低下してしまい、放電容量の発現が不十分であった。
特開2004−087299号公報
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、高放電容量かつ熱安定性に優れたリチウムイオン二次電池用正極活物質、これを含むリチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質は、組成式(1)で表される活物質材料から選ばれる第一の活物質材料と、組成式(2)で表される第二の活物質材料と、を含み、前記第一の活物質材料の平均粒子径aと前記第二の活物質材料の平均粒子径bの比率a/bが1≦a/b≦60であることを特徴とする。
LiNi(M1)(M2) ・・・(1)
〔M1はCo、Mnから選ばれた少なくとも1種、M2はAl、Fe、Cr、Ba、MnおよびMgから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0.9<w<1.1、2.0<(x+y+z+w)≦2.1、0.3<x<0.95、0.01<y<0.4、0.001<z<0.2〕、
LiαVOPO ・・・(2)
〔ただしαは、0<α≦1.2である。〕
複数の活物質材料を含むとき、それぞれの活物質材料におけるLiの脱離、挿入の平均電位の差により、充放電に伴うLiイオンの脱挿入のタイミングに活物質材料間で違いが生じる。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質に用いられる、第一の活物質材料と第二の活物質材料の組み合わせでは、第二の活物質材料が第一の活物質材料よりもリチウムの脱離、挿入の平均電位が高いため、第二の活物質材料は充電末期にLiイオンが脱離しやすく、放電初期にLiイオンが挿入されやすい。すなわち第二の活物質材料はLiイオンが脱離している時間が短く、そのため第二の活物質材料のLiサイトは異種カチオンに置換されにくい。
第二の活物質材料はLiイオン移動パスが一次元であるため、異種カチオンによるLiサイトの置換を抑制することは、第二の活物質材料のLiイオンが有効に充放電に寄与することを可能にし、放電容量の改善ができる。
これとは反対に、第一の活物質材料が第二の活物質材料よりもリチウムの脱離、挿入の平均電位が高い組み合わせの場合(例えば第二の活物質材料がLiFePO)、第二の活物質材料のLiサイトが異種カチオンで置換されやすい。すると第二の活物質材料のLiイオン移動パスが遮断されてしまい、有効に充放電できないLiが発生し、大幅な放電容量の低下を引き起こしてしまう。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質に用いられる、第一の活物質材料と第二の活物質材料の組み合わせにおいて、第二の活物質材料のLiイオンの脱離時間が短いことは、Liイオンが異種カチオンサイトに置換してしまうことも抑制する。これにより第一の活物質材料の異種カチオンサイト(例えばNiサイト)へのLiイオンの置換による酸素拘束力の低下を防止し、熱安定性の改善もできる。
また、第一の活物質材料の平均粒子径aと第二の活物質材料の平均粒子径bの比率a/bが1≦a/b≦60であることにより、第一及び第二の活物質材料表面の接触面積の増大を抑え、高い放電容量と優れた熱安定性を得ることができる。
第一の活物質材料の質量cと前記第二の活物質材料の質量dの比率c/dが1.5≦c/d≦199の範囲内であることが好ましい。
第一の活物質材料の質量cと第二の活物質材料の質量dの比率c/dが1.5≦c/d≦199の範囲内である場合、第一の活物質材料が有する高い放電容量をより効率的に得ることができ、かつ第二の活物質材料が有する高い熱安定性をより効率的に得ることができる。
第一の活物質材料と、第二の活物質材料と、を含み、更に炭素材料を含有することが好ましい。
炭素材料を含有することで正極活物質内部における電子伝導ネットワークが形成されることにより出力性能が向上し、より高容量を発現することができる。
炭素材料は、第一の活物質と、第二の活物質とを合わせた質量eと、炭素材料の質量fとの比率e/fが4≦e/f≦99の範囲内であることが好ましい。
e/fが4≦e/f≦99の範囲内である場合、電子伝導性を維持しつつこれを用いたリチウムイオン二次電池用正極の高密度化が可能となるため、更に高容量を発現することができる。
本発明によれば、高放電容量かつ熱安定性に優れたリチウムイオン二次電池用正極活物質、これを含むリチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池を提供することができる。
リチウムイオン二次電池の模式断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
<リチウムイオン二次電池>
以下、リチウムイオン二次電池を例にとって各構成部材について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池を示す模式断面図である。図1に示すように、リチウムイオン二次電池100は、正極20と、正極20に対向する負極30と、正極20及び負極30の間に介在し、正極20の主面及び負極30の主面にそれぞれに接触するセパレータ10と、少なくともセパレータ内に含浸された電解質溶液(図示せず)を備えたリチウムイオン二次電池である。
リチウムイオン二次電池100は、主として、発電要素40、発電要素40を密閉した状態で収容する外装体50、及び発電要素40に接続された一対のリード60、62を備えている。
発電要素40は、一対の正極20、負極30が、電池用セパレータ10を挟んで対向配置されたものである。正極20は、板状(膜状)の正極集電体22上に正極活物質層24が設けられたものである。負極30は、板状(膜状)の負極集電体32上に負極活物質層34が設けられたものである。正極活物質層24の主面及び負極活物質層34の主面が、電池用セパレータ10の主面にそれぞれ接触している。正極集電体22及び負極集電体32の端部には、それぞれリード62、60が接続されており、リード60、62の端部は外装体50の外部にまで延びている。
発電要素40は、正極20と負極30との間にセパレータ10を介在させて渦巻き状に巻かれたものであっても、折り畳まれたものであっても、また重ね合わせたものであってもよい。
以下、正極20及び負極30を総称して、電極20、30といい、正極集電体22及び負極集電体32を総称して集電体22、32といい、正極活物質層24及び負極活物質層34を総称して活物質層24、34ということがある。
<正極>
正極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミ、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
正極活物質層24は、正極活物質、バインダー、及び、必要に応じた量の導電助剤から主に構成されるものである。
本実施形態における正極活物質は、組成式(1)で表される活物質材料から選ばれる第一の活物質材料と、組成式(2)で表される第二の活物質材料と、を含み、第一第一の活物質材料の平均粒子径aと前記第二第二の活物質材料の平均粒子径bの比率a/bは、1≦a/b≦60であることを特徴とする。
LiNi(M1)(M2) ・・・(1)
〔M1はCo、Mnから選ばれた少なくとも1種、M2はAl、Fe、Cr、Ba、MnおよびMgから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0.9<w<1.1、2.0<(x+y+z+w)≦2.1、0.3<x<0.95、0.01<y<0.4、0.001<z<0.2〕、
LiαVOPO ・・・(2)
〔ただしαは、0<α≦1.2である。〕
第一の活物質材料と、第二の活物質材料を含み、上述の比率を1≦a/b≦60とすることで、第一の活物質材料と第二の活物質材料の接触面積を制御し、第二の活物質材料が効率よく充放電することができる。また、第一の活物質材料と電解質溶液の接触面積が減り、酸素の放出が抑制されるため熱安定性を高めることができる。
更に、第一の活物質材料の平均粒子径aと前記第二の活物質材料の平均粒子径bの比率a/bは1.3≦a/b≦5であることがより好ましい。これにより、高い放電容量と優れた熱安定性の両立が特に実現できる。
本実施形態における第一の活物質材料としては、具体的には、Li1.0Ni0.8Co0.15Al0.05、Li1.0Ni0.83Co0.14Al0.03、Li1.0Ni0.8Co0.1Mn0.1、Li1.0Ni0.5Co0.2Mn0.3、Li1.0Ni0.6Co0.2Mn0.2、Li1.0Ni0.33Co0.33Mn0.33などが挙げられる。中でもLi1.0Ni0.8Co0.15Al0.05を用いることが好ましい。これにより高容量が得られる。
なお、前記第一の活物質材料を構成する元素の各組成比は、上記組成に限られるものではなく、例えば3%程度の異なる元素を含む場合や、各元素の組成比がある程度異なる場合においても同様に高容量が得られる。
本実施形態における第一の活物質材料の一次粒子径は、0.3〜5μmが好ましい。
第一の活物質材料は、二次粒子を形成していてもよく、二次粒子径は7μm以上30μm以下であることが好ましい。
第二の活物質材料としては、具体的には、LiVOPOが挙げられる。
第二の活物質材料であるLiαVOPOの結晶形態は特に問わず、一部非晶質状態となっていてもよいが、特に斜方晶系であるLiαVOPOが好ましい。
第二の活物質材料は、V元素の一部がTi、Ni、Co、Mn、Fe、Zr、Cu、Zn及びYbからなる群から選択される一以上の元素で置換されていてもよい。
第二の活物質材料の一次粒子径は0.05〜1μmが好ましい。
第二の活物質材料は、二次粒子を形成していてもよく、二次粒子径は1μm以上5μm以下であることが好ましい。
第一の活物質材料と第二の活物質材料は、正極活物質層内で均一に混合されていることが好ましい。
本実施形態における一次粒子径及び二次粒子径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)写真での定方向径で定義される粒子径であって、平均粒子径とは、SEM写真内の一次粒子、または二次粒子50〜200個の定方向径を計測し、その累積分布の平均値を求めたものである。
本実施形態における第一の活物質材料の平均粒子径a及び第二の活物質材料の平均粒子径bは、それぞれ一次粒子、二次粒子のいずれでもよいが、a/bの算出には第一の活物質材料及び第二の活物質材料共に一次粒子、または二次粒子のいずれか同じ粒子径を用いて算出すればよい。
本実施形態におけるa/bの算出には第一の活物質材料及び第二の活物質材料共に一次粒子の平均粒子径を用いて算出された値であることが好ましい。
第一の活物質材料の質量cと第二の活物質材料の質量dの比率c/dは1.5≦c/d≦199の範囲内であることが好ましい。これにより、第一の活物質材料が有する高い充放電容量をより効率的に得ることができ、かつ第二の活物質材料が有する高い熱安定性をより効率的に得ることができる。
本実施形態におけるリチウムイオン二次電池用正極材料は、第一の活物質材料と、第二の活物質材料と、を含み、更に炭素材料を含有していることが好ましい。
炭素材料を含有することで正極活物質内部における電子伝導ネットワークが形成されることにより出力性能が向上し、より高容量を発現することができる。
炭素材料としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維等を挙げることができる。これらの炭素材料を用いることにより、正極活物質層24の導電性を良好にすることができる。
本実施形態における炭素材料は、第一の活物質材料と、第二の活物質材料とを合わせた質量eと、炭素材料の質量fとの比率e/fが4≦e/f≦99の範囲内であることが好ましい。
e/fが4≦e/f≦99の範囲内である場合、電子伝導性を維持しつつこれを用いたリチウムイオン二次電池用正極の高密度化が可能となるため、更に高容量を発現することができる。
<導電助剤>
導電助剤としては正極活物質層24の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ等の炭素繊維、およびグラファイトなどの炭素材料が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
正極活物質層24中の導電助剤の含有量も特に限定されないが、添加する場合には通常、正極活物質、導電助剤及びバインダーの質量の和を基準にして、1〜10質量%であることが好ましい。
<バインダー>
バインダーは、活物質同士を結合すると共に、活物質と集電体22とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。
また、上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFPTFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
更に、上記の他に、バインダーとして、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等を用いてもよい。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子を用いてもよい。更に、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等を用いてもよい。
また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。
イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、リチウムイオン等のイオンの伝導性を有するものを使用することができ、例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリエーテル化合物の架橋体高分子、ポリエピクロルヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリル等)のモノマーと、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、LiBr、Li(CFSON、LiN(CSO等のリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。
正極活物質層24中のバインダーの含有量は特に限定されないが、活物質、導電助剤及びバインダーの質量の和を基準にして、1質量%〜15質量%であることが好ましく、3質量%〜10質量%であることがより好ましい。活物質とバインダーの含有量を上記範囲とすることにより、得られた電極活物質層24において、バインダーの量が少なすぎて強固な活物質層を形成できなくなる傾向を抑制できる。また、電気容量に寄与しないバインダーの量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向も抑制できる。
<負極>
負極集電体32は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミ、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
負極活物質層34は、負極活物質、バインダー、及び、必要に応じた量の導電助剤から主に構成されるものである。
負極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入、又は、リチウムイオンと、そのリチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、ClO )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることができれば特に限定されず、公知のリチウムイオン二次電池に用いられている負極活物質を使用することができる。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、メソカーボンファイバー(MCF)、コークス類、ガラス状炭素、有機化合物焼成体等の炭素材料、Al、Si、Sn等のリチウムと化合することができる金属、SiO、SnO等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)、等が挙げられる。
バインダー及び導電助剤には、上述した正極20に用いる材料と同様の材料を用いることができる。また、バインダーの含有量も、上述した正極20における含有量と同様の含有量を採用すればよい。
<セパレータ>
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
<電解質溶液>
電解質溶液は、正極活物質層24、負極活物質層34、及び、電池用セパレータ10の内部に含有させるものである。電解質溶液としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。電解質溶液としては、リチウム塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、LiBOB等の塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
<外装体>
外装体50は、その内部に発電要素40及び電解質溶液を密封するものである。外装体50は、電解質溶液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、外装体50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
<リード>
リード60、62は、アルミニウムやニッケル等の導電材料から形成されている。
リチウムイオン二次電池100は、公知の方法により、リード62、60を正極集電体22、負極集電体32にそれぞれ溶接し、正極20の正極活物質層24と負極30の負極活物質層34との間に電池用セパレータ10を挟んだ状態で、電解質溶液と共に外装体50内に挿入し、外装体50の入り口をシールすることにより製造することができる。
電極20、30は、通常用いられる方法により作製できる。例えば、活物質、バインダー、溶媒、及び、導電助剤を含む塗料を集電体上に塗布し、集電体上に塗布された塗料中の溶媒を除去することにより製造することができる。
溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
集電体22、32上に塗布された塗料中の溶媒を除去する方法は特に限定されず、塗料が塗布された集電体22、32を、例えば80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして活物質層24、34が形成された電極を、その後、必要に応じて例えば、ロールプレス装置等によりプレス処理すればよい。ロールプレスの線圧は例えば、100〜1500kgf/cmとすることができる。
以上の工程を経て、電極20、30を作製することができる。
次に、正極活物質の製造方法について説明する。
第一の活物質材料の製造方法は特に限定されないが、少なくとも原料調製工程及び焼成工程を備える。組成式(1)に示すモル比を満たすように所定のリチウム源及び金属源を配合して、粉砕・混合、熱的な分解混合、沈殿反応、または加水分解等の方法により、製造することができる。
第二の活物質材料の製造方法は特に限定されないが、少なくとも原料調製工程及び焼成工程を備える。原料調製工程では、リチウム源、バナジウム源、リン源及び水を攪拌、混合して、混合物(混合液)を調製する。原料調製工程により得た混合物を乾燥する乾燥工程を焼成工程前に実施してもよい。必要に応じて乾燥工程及び焼成工程前に水熱合成工程を実施してもよい。
リチウム源、バナジウム源及びリン源の配合比は、例えば混合物中のLi、V及びPのモル比を、LiVOPOの化学量論比(1:1:1)になるように調整し、混合物を乾燥及び焼成することにより第二の活物質材料を製造することができる。また得られたLiVOPOから、電気化学的にLiを脱離させることによりLiαVOPOのリチウム量を調整することができる。
または、リン源、バナジウム源及び蒸留水を攪拌してこれらの混合物を調整し、混合物を乾燥することによって、水和物であるVOPO・2HOを製造し、さらに熱処理することによりVOPOを製造してもよい。得られたVOPOとリチウム源とを混合、熱処理することにより第二の活物質材料を製造することができる。
なお、上述した金属源や、リチウム源、バナジウム源、リン源の化合物形態は、特に問わず、各原料の酸化物や塩など、プロセスに合わせ公知の材料が選択できる。
所望の粒子径を有する活物質材料の粉体を得るために、粉砕機や分級機を用いてもよい。例えば乳鉢、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には、水又はヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、ふるいや風力分級機などが、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
第一の活物質材料と第二の活物質材料を所定の割合で秤量し、必要に応じて混合する。これらの混合方法は特に限定されず、公知の装置を用いることができる。その具体例としては、乳鉢、V型混合機、S型混合機、らいかい機、ボールミル、遊星ボールミルといったような粉体混合機を乾式、あるいは湿式で混合することが可能である。
さらに、本実施形態では、上記混合方法により得たリチウムイオン二次電池用正極活物質を、アルゴン雰囲気中、空気雰囲気中、酸素雰囲気中、窒素雰囲気中またはそれらの混合雰囲気中で焼成してもよい。
焼成温度は、第一の活物質材料及び第二の活物質材料が変質、分解しない程度の温度であれば特に制限はなく、100〜650℃の温度範囲であればよい。
以上、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極活物質、これを用いたリチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)正極の作製
正極活物質には、前記の組成式(1)に示す第一の活物質材料として、リチウムニッケル複合酸化物(Li1.01Ni0.8Co0.15Al0.05)と、第二の活物質材料として、斜方晶系のLiVOPOとを80:20の質量比率で秤量し、乳鉢にて混合したものを正極活物質として用いた。実施例1における第一の活物質材料の平均粒子径aは5μm、第二の活物質材料の平均粒子径bは0.05μmの物をそれぞれ用いた。実施例1における平均粒子径aおよびbはそれぞれ平均一次粒子径の値を用いた。そして、上記正極活物質粉末90質量部と、アセチレンブラック5質量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)5質量部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させ、スラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ20μmのアルミ箔上に塗工し、温度140℃で30分間乾燥した後に、ロールプレス装置を用いて線圧1000kgf/cmでプレス処理することにより、正極を得た。
得られた正極の断面をSEMを用いて観察した結果、第一の活物質材料の平均粒子径a及び第二の活物質材料の平均粒子径bは混合時と同等であった。
(2)負極の作製
負極活物質として天然黒鉛粉末90質量部と、PVDF10質量部をNMP中に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ15μmの銅箔上に塗工し、温度140℃で30分間減圧乾燥した後に、ロールプレス装置を用いてプレス処理することにより、負極を得た。
(3)非水電解質溶液
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒に、LiPFを1.0mol/Lとなるように溶解させた非水電解質溶液を用意した。混合溶媒におけるECとDECとの体積比は、EC:DEC=30:70とした。
(4)セパレータ
膜厚20μmのポリエチレン微多孔膜(空孔率:40%、シャットダウン温度:134℃)を用意した。
(5)電池の作製
上記正極、負極、及びセパレータを積層させて発電要素を構成し、これと上記非水電解質溶液とを用いて、実施例1の電池セルを作製した。
(放電容量の測定)
次に、上記のようにして作製した実施例1の電池セルを用いて、0.1Cの定電流密度で充電終止電圧が4.2V(vs.Li/Li)になるまで充電を行い、さらに4.2V(vs.Li/Li)の定電圧で電流値が0.05Cの電流密度に低下するまで定電圧充電を行って、初回充電容量を測定した。なお、電流密度は1Cを190mAh/gとして測定を行った。
そして、10分間休止した後、0.1Cの定電流密度で放電終止電圧が2.8V(vs.Li/Li)になるまで放電させて、電池における初回放電容量を測定し、その結果を後述の表に示した。
(発熱ピークの測定)
発熱ピークに着目することで、リチウムイオン二次電池用正極活物質の熱安定性を評価することができる。発熱ピークの測定は下記の方法により行った。
0.1Cの定電流密度で充電終止電圧が4.2V(vs.Li/Li)になるまで充電を行い、さらに4.2V(vs.Li/Li)の定電圧で電流値が0.05Cの電流密度に低下するまで定電圧充電を行い、10分間休止した後、0.1Cの定電流密度で放電終止電圧が2.8V(vs.Li/Li)になるまで放電させる充放電サイクルを2回行った後、0.1Cの定電流密度で充電終止電圧が4.2V(vs.Li/Li)になるまで充電を行い、さらに4.2V(vs.Li/Li)の定電圧で電流値が0.05Cの電流密度に低下するまで定電圧充電を行い、満充電状態とした。
満充電となった状態で、ラミネートを開封して電極を取り出し、ジエチルカーボネート(DEC)で電極を洗浄し、その後15分間乾燥した。
乾燥後、電極から活物質層を剥がし、活物質層から得た粉末重量が5mgとなるように、セラミックピンセットを用いて熱量測定用の容器に入れた後、非水電解質溶液3μLをマイクロピペットにて注液した。
このようにして準備した容器を熱量計にセットし、昇温速度5.0℃/minにて、30℃から500℃まで昇温させて、メイン発熱ピークのピーク高さ(発熱ピーク強度)を調べた。
実施例1の電池セルの発熱ピーク強度を100とし、後述する実施例1以外の電池セルの発熱ピーク強度は、実施例1の電池セルの発熱ピーク強度を100としたときの指数で表し、後述の表に示した。
発熱ピーク強度が小さい場合、発熱反応が抑制されているため、熱安定性が高いということができる。そのため、実施例1の電池セルの発熱ピーク強度を100としたときの指数で表した場合においても、その値が小さいほど、熱安定性が高いことを意味している。
放電容量が180mAh/g以上であり、且つ発熱ピーク強度が125%以下である電池を「A」と評価し、また放電容量が180mAh/g未満である電池、又は発熱ピーク強度が125%より大きい電池を「F」と評価し、後述の表に示した。
(実施例2〜9、比較例1〜3)
実施例2〜9、比較例1〜3においては、第一の活物質材料の平均粒子径aと第二の活物質材料の平均粒子径bの比率を変更した以外は、実施例1と同様に電池セルを作製し、評価した。第一の活物質材料及び第二の活物質材料の平均粒子径の測定は、SEM写真からそれぞれ100個の粒子を無作為に抽出して粒子径を計測し、その平均値として算出した。結果は表1に示す。
Figure 2017152363
表1より、第一の活物質材料の平均粒子径aと第二の活物質材料の平均粒子径bの比率a/bが1≦a/b≦60の範囲であると、高放電容量が得られ、かつ、発熱ピーク強度も小さい。また、1≦a/b≦60の範囲外であると、放電容量が減少してしまい、かつ発熱ピーク強度も増大してしまうことがわかる。
(実施例10〜13、実施例30〜33、比較例9〜11)
実施例10〜13、実施例30〜33、比較例9〜11においては、第一の活物質材料の質量cと第二の活物質材料の質量dの比率を変更した以外は、実施例1と同様に電池セルを作製し、評価した。結果は表2に示す。
Figure 2017152363
表2より、第一の活物質材料の質量cと第二の活物質材料の質量dの比率c/dが1.5≦c/d≦199の範囲であると、高放電容量が得られ、かつ、発熱ピーク強度も小さい。
(比較例4〜6)
比較例4〜比較例6においては、正極活物質の第二の活物質材料を変更した以外は、実施例1と同様に電池セルを作製し、評価した。結果は表3に示す。
Figure 2017152363
表3より、第二の活物質材料としてLiFePO、LiCoPO、LiNiPOを用いた場合には、十分な放電容量が得られず、発熱ピーク強度が増大してしまうことがわかる。
(実施例14〜21)
実施例14〜実施例17においては、第一の活物質材料を変更した以外は、実施例1と同様に電池セルを作製し、評価した。また実施例18〜実施例21においては、第一の活物質材料を変更し、かつ第一の活物質材料の平均粒子径aと第二の活物質材料の平均粒子径bの比率や、第一の活物質材料の質量cと第二の活物質材料の質量dの比率を適宜変更した以外は、実施例1と同様に電池セルを作製し、評価した。結果は表4に示す。
Figure 2017152363
表4より、第一の活物質材料として組成の異なるLiNiCoAlOやLiNiCoMnOを用いた場合でも、高放電容量が得られ、かつ、発熱ピーク強度も小さいことがわかる。また、LiNiCoMnOを用いた場合でも、a/bが1≦a/b≦60の範囲であり、c/dが1.5≦c/d≦199の範囲であると、高放電容量が得られ、かつ、発熱ピーク強度も小さいことがわかる。
(実施例22、実施例34〜35、比較例7〜8)
実施例22、実施例34〜35、比較例7〜8においては、第二の活物質材料の組成を変更した以外は、実施例1と同様に電池セルを作製し、評価した。結果は表5に示す。
Figure 2017152363
表5より、第二の活物質材料が組成式(2)の範囲外である場合では、放電容量の減少が見られ、発熱ピーク強度が増大してしまうことがわかる。
LiαVOPO ・・・(2)
〔ただしαは、0<α≦1.2である。〕
(実施例23〜実施例29)
実施例23〜実施例29においては、第一の活物質材料と第二の活物質材料とを合わせた質量eと、炭素材料の質量fとの比率を変更した以外は、実施例1と同様に電池セルを作製し、評価した。結果は表6に示す。
Figure 2017152363
表6より、第一の活物質材料と第二の活物質材料と、を含み、更に炭素材料を含有した場合、高放電容量が得られ、かつ、発熱ピーク強度も小さいことがわかる。また、第一の活物質材料と第二の活物質材料とを合わせた質量eと、炭素材料の質量fの比率e/fが4≦e/f≦99の範囲であると、特に高放電容量が得られ、かつ、発熱ピーク強度も小さいことがわかる。
(実施例36〜39)
実施例36〜実施例39においては、第一の活物質材料を変更した以外は、実施例1と同様に電池セルを作製し、評価した。結果は表7に示す。
Figure 2017152363
表7より、第一の活物質材料として組成の異なるLiNiCoAlOやLiNiCoMnOを用いた場合でも、高放電容量が得られ、かつ、発熱ピーク強度も小さいことがわかる。
以上、これまで評価した結果から明らかな様に、実施例は、比較例と比較して高放電容量で、且つ発熱ピーク強度が小さいものが得られることが確認できる。
10・・・セパレータ、20・・・正極、22・・・正極集電体、24・・・正極活物質層、30・・・負極、32・・・負極集電体、34・・・負極活物質層、40・・・発電要素、50・・・外装体、52・・・金属箔、54・・・高分子膜、60、62・・・リード、100・・・リチウムイオン二次電池

Claims (7)

  1. 組成式(1)で表される活物質材料から選ばれる第一の活物質材料と、組成式(2)で表される第二の活物質材料と、を含み、前記第一の活物質材料の平均粒子径aと前記第二の活物質材料の平均粒子径bの比率a/bが1≦a/b≦60であることを特徴とする、リチウムイオン二次電池用正極活物質。
    LiNi(M1)(M2) ・・・(1)
    〔M1はCo、Mnから選ばれた少なくとも1種、M2はAl、Fe、Cr、Ba、MnおよびMgから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0.9<w<1.1、2.0<(x+y+z+w)≦2.1、0.3<x<0.95、0.01<y<0.4、0.001<z<0.2〕、
    LiαVOPO ・・・(2)
    〔ただしαは、0<α≦1.2である。〕
  2. 前記第一の活物質材料の平均粒子径aと前記第二の活物質材料の平均粒子径bの比率a/bが1.3≦a/b≦5であることを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  3. 前記第一の活物質材料の質量cと前記第二の活物質材料の質量dの比率c/dが1.5≦c/d≦199の範囲内であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  4. 前記リチウムイオン二次電池用正極活物質は、更に炭素材料を含有することを特徴とする、請求項1〜3に記載のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  5. 前記炭素材料は、前記第一の活物質材料と、前記第二の活物質材料とを合わせた質量eと、前記炭素材料の質量fとの比率e/fが4≦e/f≦99の範囲であることを特徴とする、請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質を含むリチウムイオン二次電池用正極。
  7. 請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用正極と負極とセパレータと電解質溶液とを有する、リチウムイオン二次電池。
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