JP2017152068A - ベースユニット、スピンドルモータ、およびディスク駆動装置 - Google Patents

ベースユニット、スピンドルモータ、およびディスク駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な接着強度および封止領域を得られるベースユニット、スピンドルモータ、およびディスク駆動装置を提供する。
【解決手段】ディスク駆動装置1Aのベース部材21Aは、窓部70Aと第1溝71Aと連通溝73Aとを有する。窓部は、ベース部材の底板部を軸方向に貫通する。第1溝は、窓部の周囲において、底板部211Aの上面に設けられている。コネクタ62Aは、基板部621Aと、電極端子622Aとを有する。連通溝は、第1溝から延伸し、コネクタの外周部よりも外側まで延びている。底板部の上面と、基板部の下面との間には、接着剤層41Aが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベースユニット、スピンドルモータ、およびディスク駆動装置に関する。
ハードディスクドライブには、ディスクを回転させるためのスピンドルモータが、搭載されている。従来のハードディスクドライブおよびスピンドルモータについては、例えば、特開2006−040423号公報に記載されている。当該公報の段落0032には、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)のベースに、スピンドルモータ(SPM)を固定することが、記載されている。また、当該公報の段落0065には、ハード・ディスク・アセンブリ(HDA)内部の雰囲気を、空気より密度が小さいヘリウム等の低密度ガスとすることが、記載されている。
特開2006−040423号公報
ハードディスクドライブの内部には、ディスクに対して情報の読み書きを行うヘッドに駆動電流を供給するためのフレキシブルプリント基板が配置される。フレキシブルプリント基板は、ベースに設けられた貫通孔を介して、外部電源と接続される。しかしながら、ハードディスクドライブの筐体は、内部空間を清浄に保つために、気密に構成される必要がある。このため、上記の貫通孔を封止することが求められる。
従来のハードディスクドライブでは、貫通孔を含むベースの上面にフレキシブルプリント基板のコネクタを配置し、これにより、貫通孔を封止していた。しかしながら、特開2006−040423号公報のように、筐体の内部に、ごく僅かな隙間も通過しやすいヘリウム等の低密度ガスを充填する場合には、特に高い気密性が求められる。このため、貫通孔をコネクタで塞ぐだけでは、低密度ガスの漏れを防止することは難しい。
筐体からの低密度ガスの漏れを防止するためには、例えば、貫通孔の周縁部とコネクタとの間に、接着剤層を配置する構造が考えられる。その際、貫通孔の周縁部に溝を設け、当該溝に接着剤を保持させるようにすれば、貫通孔またはコネクタの外側への接着剤のはみ出しを抑制し、コネクタの電極端子や、コネクタの周囲に配置される種々の電気配線に、接着剤が接触することを防止できる。しかしながら、接着固定を行う際に接着剤内または溝部内に気泡が入ってしまう可能性があり、それにより十分な接着強度および封止領域を得られない場合がある。
本発明の目的は、コネクタとベースとを接着固定する際に、溝部内の気泡を排出できる構造を提供することである。
本願の例示的な第1発明は、ヘリウム、水素、もしくはヘリウムと水素との混合気体、またはこれらのいずれかと空気との混合気体が充填されているディスク駆動装置に用いられるベースユニットであって、モータを支持するベース部材と、前記モータの回転部に支持されたディスクに対し、情報の読み出しおよび書き込みの少なくとも一方を行うアクセス部が備えるヘッドと電気的に接続されるコネクタと、を有し、前記ベース部材は、 前記モータの中心軸に対して直交する方向に広がる底板部と、前記底板部を軸方向に貫通する窓部と、前記窓部の周囲において、前記底板部の上面または下面に設けられた第1溝と、を有し、前記コネクタは、前記底板部の上面または下面に配置され、前記窓部および前記第1溝の少なくとも一部分を覆う基板部と、前記基板部に設けられた電極端子と、を有し、前記電極端子は、前記窓部の上側もしくは下側に配置され、前記底板部と、前記基板部の前記底板部側の面との間に、接着剤層が配置され、前記接着剤層は、前記窓部の周囲において環状に繋がり、前記接着剤層の一部分が、前記第1溝の少なくとも一部分に保持されており、前記第1溝は、前記コネクタの外周部よりも外側まで延びる連通溝を有するベースユニットである。
本願の例示的な第1発明によれば、連通溝によって、第1溝内の気泡を外側の空間へ排出することができる。このため、十分な接着強度および封止領域を得られる。
図1は、第1実施形態に係るディスク駆動装置の縦断面図である。 図2は、第2実施形態に係るディスク駆動装置の縦断面図である。 図3は、第2実施形態に係るベースユニットの部分上面図である。 図4は、第2実施形態に係るコネクタの斜視図である。 図5は、第2実施形態に係るベースユニットの部分縦断面図である。 図6は、第2実施形態に係る接着時の様子を示した縦断面図である。 図7は、第2実施形態に係る接着時の様子を示した縦断面図である。 図8は、第2実施形態に係る連通溝を示した縦断面図である。 図9は、変形例に係るベースユニットの部分上面図である。 図10は、変形例に係るベースユニットの部分縦断面図である。 図11は、変形例に係るベースユニットの部分縦断面図である。 図12は、変形例に係るベースユニットの部分縦断面図である。 図13は、変形例に係るベースユニットの部分上面図である。 図14は、変形例に係るベースユニットの部分縦断面図である。 図15は、変形例に係るベースユニットの部分縦断面図である。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本願では、スピンドルモータの中心軸と平行な方向を「軸方向」、スピンドルモータの中心軸に直交する方向を「径方向」、スピンドルモータの中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。また、本願では、軸方向を上下方向とし、ベース部材の底板部に対してカバー側を上として、各部の形状や位置関係を説明する。ただし、これは、あくまで説明の便宜のために上下方向を定義したものであって、本発明に係るベースユニット、スピンドルモータおよびディスク駆動装置の使用時の向きを限定するものではない。
また、本願において「平行な方向」とは、略平行な方向も含む。また、本願において「直交する方向」とは、略直交する方向も含む。
<1.第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るディスク駆動装置1Aの縦断面図である。このディスク駆動装置1Aは、ベース部材21Aとカバー14Aとで構成される筐体を有する。筐体の内部には、ヘリウム、水素、もしくはヘリウムと水素との混合気体、またはこれらのいずれかと空気との混合気体が充填されている。図1に示すように、ディスク駆動装置1Aに用いられるベースユニット4Aは、ベース部材21Aと、コネクタ62Aとを有する。
ベース部材21Aは、モータ11Aを支持する。また、ベース部材21Aは、底板部211Aと、窓部70Aと、第1溝71Aとを有する。底板部211Aは、モータ11Aの中心軸9Aに対して直交する方向に広がっている。窓部70Aは、底板部211Aを軸方向に貫通している。第1溝71Aは、窓部70Aの周囲において、底板部211Aの上面に設けられている。
コネクタ62Aは、ディスク駆動装置1Aのアクセス部13Aが備えるヘッド131Aと電気的に接続されている。アクセス部13Aは、コネクタ62Aから供給される電流によって、モータ11Aに支持されたディスク12Aに対し、情報の読み出しおよび書き込みの少なくとも一方を行う。また、コネクタ62Aは、基板部621Aと、電極端子622Aとを有する。基板部621Aは、底板部211Aの上面に配置されている。また、基板部621Aは、窓部70Aおよび第1溝71Aを覆っている。電極端子622Aは、基板部621Aの下面に設けられている。
図1中に拡大して示したように、電極端子622Aは、窓部70Aの上側に配置されている。また、底板部211Aの上面と、基板部621Aの下面との間には、接着剤層41Aが設けられている。これにより、底板部211Aと基板部621Aとが、固定されている。また、接着剤層41Aは、窓部70Aの周囲において環状に繋がっている。これにより、窓部70Aを介した連通が遮断されている。すなわち、接着剤層41Aは、底板部211Aに基板部621Aを固定する役割と、窓部70Aを介した連通を遮断する役割と、の双方を果たしている。
また、ベース部材21Aにコネクタ62Aを接着する際に、硬化前の接着剤層41Aの一部分が、第1溝71Aに溜まる。その結果、接着剤層41Aの一部分が、第1溝71Aの少なくとも一部分に、保持される。これにより、接着剤層41Aの、窓部70A内またはコネクタ62Aの外側へのはみ出しが、抑制される。
さらに第1溝71Aは、第1溝71Aの一部から前記コネクタ62Aの外周部よりも外側まで延びる連通溝73Aを有する。すなわち連通溝73Aは、底板部211A上面の、コネクタ62Aに覆われる範囲の外側まで延びる溝である。前記連通溝73Aがコネクタ62Aの外周と連通することによって、接着時に接着剤内または第1溝71A内に存在していた気泡が、連通溝73Aを通って、基板部621Aよりも外側の空間へ排出される。
<2.第2実施形態>
<2−1.ディスク駆動装置の構成>
図2は、第2実施形態に係るディスク駆動装置1の縦断面図である。ディスク駆動装置1は、磁気ディスク12を回転させつつ、磁気ディスク12に対して情報の読み出しおよび書き込みを行う装置である。図2に示すように、ディスク駆動装置1は、スピンドルモータ11、3枚の磁気ディスク12、アクセス部13、およびカバー14を有する。
スピンドルモータ11は、3枚の磁気ディスク12を支持しつつ、これらの磁気ディスク12を、中心軸9を中心として回転させる。ディスク駆動装置1は、スピンドルモータ11を支持するベース部材21を有する。スピンドルモータ11の回転部3、3枚の磁気ディスク12、およびアクセス部13は、ベース部材21とカバー14とで構成される筐体の内部に、収容される。アクセス部13は、磁気ディスク12の記録面に沿ってヘッド131を移動させて、磁気ディスク12に対する情報の読み出しおよび書き込みを行う。
ベース部材21とカバー14との接合部は、エラストマー等のシール材で封止されている。また、ベース部材21とカバー14とで構成される筐体の内部には、ヘリウム、水素、もしくはヘリウムと水素との混合気体、またはこれらのいずれかと空気との混合気体が、充填されている。これらの気体は、筐体外部の空気より密度が低い。このため、磁気ディスク12およびアクセス部13に加わる粘性抵抗が小さい。したがって、駆動時における磁気ディスク12およびアクセス部13の風損が低減される。
なお、ディスク駆動装置1は、1〜2枚または4枚以上の磁気ディスク12を、有するものであってもよい。また、アクセス部13は、磁気ディスク12に対して、情報の読み出しおよび書き込みの一方のみを行うものであってもよい。
<2−2.スピンドルモータの構成>
続いて、上記のスピンドルモータ11の構成について説明する。図2に示すように、スピンドルモータ11は、静止部2と回転部3とを有する。静止部2は、ベース部材21およびカバー14に対して、相対的に静止している。回転部3は、静止部2に対して、回転可能に支持されている。
本実施形態の静止部2は、ベース部材21、電機子22、スリーブ24、およびキャップ25を有する。
ベース部材21は、電機子22およびスリーブ24を支持している。ベース部材21は、金属製の部材であり、例えば、アルミニウム合金の鋳造により得られる。図2に示すように、ベース部材21は、底板部211と、有底略円筒状のカップ部212とを有する。底板部211は、回転部3、磁気ディスク12、およびアクセス部13の下側において、中心軸9に対して直交する方向に広がっている。カップ部212は、中心軸9と略同軸に配置されている。
電機子22は、ステータコア51と、複数のコイル52とを有する。ステータコア51は、例えば、珪素鋼板等の電磁鋼板が軸方向に積層された積層鋼板により形成される。ステータコア51は、カップ部212の外周面に、固定されている。また、ステータコア51は、径方向外側へ向けて突出した複数本のティースを有する。コイル52は、各ティースの周囲に巻かれた導線により、構成されている。
電気配線部23は、底板部211の上面に配置され、ディスク駆動装置1のヘッド131およびその周辺部と電気的に接続されている。電気配線部23は、フレキシブルプリント基板61とコネクタ62とを有する。外部電源から供給される駆動電流は、コネクタ62およびフレキシブルプリント基板61を介して、ディスク駆動装置1のヘッド131およびその周辺部に供給される。なお、本実施形態では、ベース部材21と電気配線部23とで、ベースユニット4が構成されている。ベースユニット4のより詳細な構造については、後述する。
スリーブ24は、後述するシャフト31の周囲において、軸方向に略円筒状に延びている。スリーブ24の下部は、カップ部212内に収容されるとともに、例えば接着剤で、カップ部212に固定されている。スリーブ24の内周面は、シャフト31の外周面と、径方向に対向している。また、スリーブ24の下部の開口は、キャップ25によって塞がれている。
本実施形態の回転部3は、シャフト31、ハブ32、およびマグネット33を有する。
シャフト31は、スリーブ24の径方向内側において、軸方向に延びている。シャフト31の材料には、例えば、ステンレス等の金属が使用される。シャフト31の上端部は、スリーブ24の上面より上方へ突出している。また、スリーブ24およびキャップ25と、シャフト31との間には、潤滑流体が介在している。シャフト31は、スリーブ24およびキャップ25に対して、潤滑流体を介して、回転可能に支持されている。
すなわち、本実施形態では、静止部2側の部材であるスリーブ24およびキャップ25と、回転部3側の部材であるシャフト31と、これらの間に介在する潤滑流体とで、軸受機構15が構成されている。潤滑流体には、例えば、ポリオールエステル系オイルやジエステル系オイルが使用される。
ハブ32は、シャフト31の上端部の周縁部から、径方向外側および下側へ向けて、広がっている。ハブ32の内周部は、シャフト31の上端部に固定されている。3枚の磁気ディスク12は、ハブ32に支持される。また、マグネット33は、磁性体のバックヨーク331を介して、ハブ32に固定されている。マグネット33の径方向内側の面は、ステータコア51の複数のティースと、径方向に対向する。また、マグネット33の径方向内側の面には、N極とS極とが、周方向に交互に着磁されている。
このようなスピンドルモータ11において、コイル52に駆動電流を与えると、ステータコア51の複数のティースに、径方向の磁束が生じる。そして、ティースとマグネット33との間の磁束の作用により、周方向のトルクが発生する。その結果、静止部2に対して回転部3が、中心軸9を中心として回転する。ハブ32に支持された磁気ディスク12は、回転部3とともに、中心軸9を中心として回転する。
<2−3.ベースユニットについて>
続いて、ベースユニット4のより詳細な構造について、説明する。
図3は、ベース部材21の部分上面図である。図3には、電気配線部23が、二点鎖線で示されている。図3に示すように、ベース部材21は窓部70を有する。窓部70は、底板部211を軸方向に貫通する貫通孔である。また、ベース部材21は、窓部70の周囲に、第1溝71、第2溝72、4本の連通溝73、第1ベース上面81、および第2ベース上面82を有する。
第1溝71、第2溝72および4本の連通溝73は、底板部211の上面に設けられている。本実施形態の第1溝71および第2溝72は、いずれも環状の溝である。第1溝71は、窓部70を取り囲んでいる。また、第2溝72は、窓部70および第1溝71を取り囲んでいる。すなわち、第2溝72は、第1溝71より、窓部70に対する外側に、配置されている。
4本の連通溝73は、それぞれ、第1溝71の一部から延伸し、外側の第2溝72につながり、さらにコネクタ62の外周部よりも外側まで延びる溝である。すなわち図3に示すとおり、連通溝73は、底板部211上面の、コネクタ62に覆われる範囲(二点鎖線で示されている部分)の外側まで延伸している。
第1ベース上面81は、第1溝71と第2溝72との間において、環状に広がっている。すなわち、第1ベース上面81は、第1溝71の窓部70に対する外側の端縁部から、さらに外側へ向けて広がり、第2溝72の窓部70側の端縁部に達している。第2溝72は、第1ベース上面81より、窓部70に対する外側に、配置されている。また、第2ベース上面82は、窓部70と第1溝71との間において、環状に広がっている。すなわち、第2ベース上面82は、窓部70の端縁部から、窓部70に対する外側へ向けて広がり、第1溝71の窓部70側の端縁部に達している。
図4は、電気配線部23の部分斜視図である。図4に示すように、電気配線部23のコネクタ62は、基板部621と電極端子622とを有する。基板部621の軸方向の厚みおよび剛性は、フレキシブルプリント基板61の軸方向の厚みおよび剛性より、大きい。電極端子622は、電源装置から延びるリード線の端部が、接続される部分である。電極端子622は、基板部621の下面に設けられている。また、基板部621の下面には、複数の溝63が設けられている。複数の溝63は、電極端子622の端縁部から、基板部621の端縁部へ向けて、互いに平行に延びている。
図5は、ベースユニット4の部分縦断面図である。図5に示すように、コネクタ62の基板部621は、底板部211の上面に配置されている。窓部70、第1溝71、第2溝72、および連通溝73の一部は、基板部621に覆われている。また、図5に示すように、窓部70を構成する空間と、電極端子622とは、軸方向に重なる。つまり、電極端子622は、窓部70の上側に配置されている。このため、電極端子622は、ベース部材21の下面側の空間に向けて、露出している。これにより、ディスク駆動装置1の外部に配置された電源装置と、コネクタ62の電極端子622とを、リード線で電気的に接続することが、可能となっている。
また、図5に示すように、底板部211の上面と、基板部621の下面との間には、接着剤層41が設けられている。本実施形態では、第1溝71内、第2溝72内、連通溝73内、第1ベース上面81と基板部621の下面とに挟まれた第1間隙91、および第2ベース上面82と基板部621の下面とに挟まれた第2間隙92に、接着剤層41が保持されている。この接着剤層41により、底板部211と基板部621とが、固定されている。接着剤層41には、例えば、エポキシ樹脂系の接着剤が使用される。
また、接着剤層41は、窓部70の周囲において環状に繋がっている。このため、底板部211の上面側の空間と、底板部211の下面側の空間との、窓部70を介した連通が、接着剤層41により遮断されている。その結果、ベース部材21とカバー14とで構成される筐体の内部空間が、気密に保たれている。したがって、ヘリウム等の気体が、筐体の外部へ漏れ出すことが、防止されている。
すなわち、本実施形態の接着剤層41は、底板部211に対して基板部621を固定する役割と、窓部70を封止する役割と、の双方を果たしている。
図6および図7は、底板部211に基板部621を接着するときの様子を示した縦断面図である。底板部211に基板部621を接着するときには、まず、図6のように、第1ベース上面81に接着剤層41を環状に塗布する。ここで塗布される接着剤層41の体積は、製造後の第1間隙91の容積より大きい。次に、図6中の白抜き矢印42のように、底板部211の上面に、コネクタ62を接近させる。その結果、図7のように、底板部211と基板部621とが、接着剤層41を介して固定される。すなわち、底板部211と基板部621との間に、接着剤層41が設けられる。
このとき、コネクタ62の接近に伴い、底板部211の上面と、基板部621の下面との間において、接着剤層41が広がる。ただし、広がった接着剤層41の一部分は、第1溝71の少なくとも一部分に保持される。これにより、窓部70側への接着剤層41の広がりが、抑制される。その結果、窓部70内への接着剤のはみ出しが、抑制される。特に、本実施形態の第1溝71は、図3のように、窓部70の周囲において、環状に繋がっている。このため、窓部70内への接着剤のはみ出しは、全周に亘って抑制される。
また、接着剤層41の他の一部分は、第2溝72の少なくとも一部分に保持される。これにより、コネクタ62の端縁部側への接着剤の広がりが、抑制される。その結果、コネクタ62より外側への接着剤のはみ出しが、抑制される。特に、本実施形態の第2溝72は、図3のように、第1ベース上面81の周囲において、環状に繋がっている。このため、コネクタ62より外側への接着剤のはみ出しは、全周に亘って抑制される。
また、図7に示すように、本実施形態の接着剤層41は、第1間隙91、第1溝71内、および第2溝72内だけではなく、第2間隙92にも広がっている。これにより、ベース部材21と基板部621とが、さらに強固に固定されるとともに、窓部70を介した連通が、より抑制されている。特に、本実施形態では、第1溝71と窓部70との間において、第2間隙92の軸方向の間隔が、略一定である。このため、接着剤層41は、第2ベース上面82と基板部621の下面との双方に接触しやすい。したがって、ベース部材21と基板部621とが、より強固に固定されるとともに、窓部70を介した連通が、より確実に遮断される。
なお、図8に示すように、底板部211と基板部621とを接着するときには、底板部211と基板部621との間に介在する気体を、窓部70内またはコネクタ62より外側へ、排出することが好ましい。この点について、連通溝73は、第1溝71の一部から延伸し、外側の第2溝72の一部につながり、さらにコネクタ62の外周部よりも外側まで延びている。すなわち連通溝73は、底板部211上面のコネクタ62に覆われる範囲の外側まで延びる溝である。このため、接着時には、接着剤内、第1溝71内、または第2溝72内に存在する気体を、連通溝73に沿って、底板部211上面のコネクタ62に覆われる範囲より外側へ、排出することができる。
さらに、本実施形態の基板部621の下面には、図4に示す複数の溝63が、設けられている。複数の溝63は、第1溝71および第2溝72に直交する方向に延びている。このため、接着時には、底板部211と基板部621との間に介在する気体を、溝63に沿って、窓部70内またはコネクタ62より外側へ、排出することができる。その結果、底板部211および基板部621に対する接着剤層41の密着性を向上させることができる。
<3.変形例>
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
第1溝および第2溝は、図5〜図7のように、各溝に直交する断面において矩形状であってもよく、他の形状であってもよい。例えば、第1溝および第2溝は、各溝に直交する断面において、V字状、略円弧状、または矩形以外の多角状であってもよい。
また、窓部の上面視における形状は、図3のように略四角形であってもよく、略四角形以外の複数の角部を有する形状であってもよく、円形であってもよく、他の形状であってもよい。例えば、窓部が、上面視において円形や三角形であってもよい。また、第1溝および第2溝の上面視における形状は、図3のように4つの角部を有する略四角形であってもよく、略四角形以外の複数の角部を有する形状であってもよく、角の無い形状であってもよく、他の形状であってもよい。例えば、第1溝および第2溝の上面視における形状が、円形や三角形であってもよい。また、第1溝および第2溝は、必ずしも環状でなくてもよい。また、第1溝と第2溝の上面視における形状が、互いに異なっていてもよい。
また、上述した図3の例では、連通溝73は、第1溝71の4つの角部から延伸し、外側の第2溝72の4つの角部にそれぞれつながり、さらにコネクタ62の外周部よりも外側まで延びていた。しかしながら、連通溝73が延伸する箇所や連通溝73の個数は、これに限定されない。
また図9は、一変形例に係るベース部材21Bの部分上面図である。図9の例では、複数の第1溝71Bが、窓部70Bの周囲を囲むように、間隔をおいて配置される。すなわち、複数の第1溝71Bが、窓部70Bの周囲において、環状に繋がっていない。また、図9の例では、複数の第2溝72Bが、窓部70Bの周囲を囲むように、間隔をおいて配置される。すなわち、複数の第2溝72Bが、窓部70Bの周囲において、環状につながっていない。このようにすれば、底板部211Bの上面のうち、第1溝71Bおよび第2溝72B以外の面が広がる。したがって、ベース部材21Bとコネクタ62Bとが、より強固に固定される。
また図9の例では、複数の連通溝73Bが、それぞれ窓部70Bに近い位置から、コネクタ62Bの外周部よりも外側まで延びている。しかし、いずれの連通溝73Bも、第1溝71Bおよび第2溝72Bと繋がっていない。このような場合でも、連通溝73Bがコネクタ62Bの外周と連通することによって、接着剤内、第1溝71内、または第2溝72内に存在する気体を、連通溝73Bに沿って、コネクタ62Bより外側へ、排出することができる。
また上記の第2実施形態では、図5〜図7のように、第1溝71の幅と第2溝72の幅とが略同一であり、第1溝71の深さと第2溝72の深さとが、略同一であった。この場合、第2溝72より第1溝71の方が窓部70に近く、上面視における第1溝71の窓部70を囲う長さが第2溝72の窓部70を囲う長さより短いため、第1溝71の容積は、第2溝72の容積より、小さくなる。この容積の差を小さくするために、例えば、図10のベースユニット4Cのように、第1溝71Cの幅および深さを、第2溝72Cの幅および深さより、大きくしてもよい。このようにすれば、接着剤の窓部70C内へのはみ出しが、より抑制される。
図11は、他の変形例に係るベースユニット4Dの部分縦断面図である。図11の例では、ベース部材21Dが、第2ベース上面82Dの窓部70D側の端部付近に、傾斜面821Dを有する。傾斜面821Dは、窓部70Dに近づくにつれて、下降している。これにより、第2間隙92Dの窓部70D側の端部付近の軸方向の間隔が、窓部70Dに近づくにつれて拡大している。このようにすれば、仮に、窓部70D側へ接着剤層41Dが接近したとしても、第2間隙92Dの窓部70D側の端部付近に、表面張力で接着剤が保持される。これにより、窓部70D内への接着剤のはみ出しが、より抑制される。
なお、傾斜面821Dは、第2ベース上面82Dおよび基板部621Dの下面の、いずれか一方に設けられていればよい。当該傾斜面821Dによって、第2間隙92Dの窓部70D側の端部付近の軸方向の間隔が、窓部70Dに近づくにつれて拡大していればよい。ただし、コネクタ62Dの軸方向の厚みは、底板部211Dの軸方向の厚みより薄い。このため、コネクタ62D側より底板部211D側の方が、傾斜面821Dを容易に形成できる。また傾斜面821Dは、第2ベース上面82Dまたは基板部621Dの下面において、窓部70Dの周囲に全周に亘って設けられていてもよく、間隔をあけて複数設けられていてもよい。
図12は、他の変形例に係るベースユニット4Eの部分縦断面図である。図12の例では、ベース部材21Eが、第2ベース上面82Eの窓部70E側の端部付近に、下方へ凹む段部822Eを有する。これにより、第2間隙92Eの窓部70E側の端部付近の軸方向の間隔が、拡大されている。このようにすれば、仮に、窓部70E側へ接着剤層41Eが接近したとしても、段部822Eに接着剤が保持される。これにより、窓部70E内への接着剤のはみ出しが、より抑制される。
なお、段部822Eは、第2ベース上面82Eおよび基板部621Eの下面の、いずれか一方に設けられていればよい。当該段部822Eによって、第2間隙92Eの窓部70E側の端部付近の軸方向の間隔が、拡大されていればよい。ただし、コネクタ62Eの軸方向の厚みは、底板部211Eの軸方向の厚みより薄い。このため、コネクタ62E側より底板部211E側の方が、段部822Eを容易に形成できる。また、段部822Eは、第2ベース上面82Eまたは基板部621Eの下面において、窓部70Eの周囲に全周に亘って設けられていてもよく、間隔をあけて複数設けられていてもよい。
図13および図14は、他の変形例に係るベースユニット4Fの部分上面図および部分縦断面図である。図13および図14の例では、ベース部材21Fの表面に径方向内側から外側に延び、かつ緩やかな曲線形状を有する複数の第3溝74Fが、設けられている。複数の第3溝74Fは、第1溝71Fおよび第2溝72Fに交差しながら、窓部70Fに近い位置から遠ざかる方向に、コネクタ62Fよりも外側まで延びている。このため、接着時には、底板部211Fと基板部621Fとの間に介在する気体を、第3溝74Fに沿って、コネクタ62Fより外側へ、排出することができる。その結果、底板部211Fおよび基板部621Fに対する接着剤層41Fの密着性を向上させることができる。なお、第3溝74Fは、底板部211F上におけるコネクタ62Fの取り付け面を切削加工する際にできる加工痕として形成されるものであってもよい。
図15は、他の変形例に係るベースユニット4Gの部分縦断面図である。図15の例では、コネクタ62Gの基板部621Gは、底板部211Gの下面に配置されている。また、基板部621Gは、窓部70G、第1溝71G、第2溝72G、および連通溝73Gの一部を覆っている。電極端子622Gは、基板部621Gの上面に設けられている。すなわち、電極端子622Gは、窓部70Gの下側に配置されている。そして、底板部211Gと、基板部621Gの上面との間に、接着剤層41Gが配置されている。このように、底板部211Gの下面にコネクタ62Gを配置し、ディスク駆動装置1の駆動電流が外部電源からコネクタ62Gを介して内部に供給されていてもよい。なお、第1溝71G、第2溝72Gおよび連通溝73Gは底板部211Gの下面に設けられている。
その他、各部材の細部の形状については、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
本発明は、ベースユニット、スピンドルモータ、およびディスク駆動装置に利用できる。
1,1A ディスク駆動装置
2 静止部
3 回転部
4,4A,4C,4D,4E,4F,4G ベースユニット
9,9A 中心軸
11 スピンドルモータ
11A モータ
12 磁気ディスク
13 アクセス部
14,14A カバー
15 軸受機構
21,21A,21B,21D,21E,21F,21G ベース部材
22 電機子
23 電気配線部
24 スリーブ
25 キャップ
31 シャフト
32 ハブ
33 マグネット
41,41A,41B,41C,41D,41E,41F,41G 接着剤層
43 空気の移動方向
51 ステータコア
52 コイル
61 フレキシブルプリント基板
62,62A,62B,62D,62E,62F,62G コネクタ
63 基板上の溝
70,70A,70B,70C,70D,70E,70F,71G 窓部
71,71A,71B,71C,71D,71E,71F,71G 第1溝
72,72B,72C,72D,72E,72F,72G 第2溝
73,73A,73B,73C,73F,73G 連通溝
74F 第3溝
81 第1ベース上面
82,82D,82E,82G 第2ベース上面
91,91G 第1間隙
92,92D,92E 第2間隙
131,131A ヘッド
211,211A,211B,211D,211E,211F,211G 底板部
212 カップ部
621,621A,621D,621E,621F,621G 基板部
622,622A,622G 電極端子
821D 傾斜面
822E 段部

Claims (12)

  1. ヘリウム、水素、もしくはヘリウムと水素との混合気体、またはこれらのいずれかと空気との混合気体が充填されているディスク駆動装置に用いられるベースユニットであって、
    モータを支持するベース部材と、
    前記モータの回転部に支持されたディスクに対し、情報の読み出しおよび書き込みの少なくとも一方を行うアクセス部が備えるヘッドと電気的に接続されるコネクタと、
    を有し、
    前記ベース部材は、
    前記モータの中心軸に対して直交する方向に広がる底板部と、
    前記底板部を軸方向に貫通する窓部と、
    前記窓部の周囲において、前記底板部の上面または下面に設けられた第1溝と、
    を有し、
    前記コネクタは、
    前記底板部の上面または下面に配置され、前記窓部および前記第1溝の少なくとも一部分を覆う基板部と、
    前記基板部に設けられた電極端子と、
    を有し、
    前記電極端子は、前記窓部の上側もしくは下側に配置され、
    前記底板部と、前記基板部の前記底板部側の面との間に、接着剤層が配置され、
    前記接着剤層は、前記窓部の周囲において環状に繋がり、
    前記接着剤層の一部分が、前記第1溝の少なくとも一部分に保持されており、
    前記第1溝は、前記コネクタの外周部よりも外側まで延びる連通溝を有するベースユニット。
  2. 請求項1に記載のベースユニットにおいて、
    前記第1溝は、前記窓部の周囲において、環状に繋がっているベースユニット。
  3. 請求項2に記載のベースユニットにおいて、
    前記第1溝は、前記窓部の周囲において、複数の角部を有しており、
    前記連通溝は、前記複数の角部から前記コネクタの外周部よりも外側まで延びるベースユニット。
  4. 請求項1に記載のベースユニットにおいて、
    前記窓部の周囲において、複数の前記第1溝が、間隔をおいて配置されているベースユニット。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載のベースユニットにおいて、
    前記ベース部材は、
    前記第1溝の前記窓部に対する外側の端縁部から、さらに前記外側へ広がる第1ベース面
    をさらに有し、
    前記第1ベース面と、前記基板部における前記底板部側の面と、の間には、第1間隙が位置し、
    前記接着剤層は、前記第1間隙と、前記第1溝内との双方に亘って配置されているベースユニット。
  6. 請求項5に記載のベースユニットにおいて、
    前記ベース部材は、
    前記第1ベース面の前記外側に設けられた第2溝
    をさらに有し、
    前記第1溝内、前記第1間隙、および前記第2溝内に亘って、前記接着剤層が配置されているベースユニット。
  7. 請求項6に記載のベースユニットにおいて、
    前記第2溝は、前記第1ベース面の周囲において、環状に繋がっているベースユニット。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれかに記載のベースユニットにおいて、
    前記ベース部材は、
    前記第1溝と前記窓部との間に広がる第2ベース面
    をさらに有し、
    前記第2ベース面と、前記基板部における前記底板部側の面と、の間には、第2間隙が位置し、
    前記第2ベース面は、前記第2間隙の前記窓部側の端部付近において、前記第2間隙の軸方向の間隔を拡大する段部を有するベースユニット。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれかに記載のベースユニットにおいて、
    前記ベース部材は、
    前記第1溝に交差する方向に延びる複数の第3溝
    をさらに有し、
    前記第3溝の少なくとも一部分が、前記コネクタの外周部よりも外側まで延びるベースユニット。
  10. 請求項1から9までのいずれかに記載のベースユニットにおいて、
    前記コネクタは、
    前記底板部の下面に配置されているベースユニット。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれかに記載のベースユニットと、
    前記ベースユニットに固定された軸受機構と、
    前記軸受機構により回転可能に支持される回転部と、
    を有するスピンドルモータ。
  12. 請求項11に記載のスピンドルモータと、
    前記スピンドルモータの前記回転部に支持されたディスクに対し、情報の読み出しおよび書き込みの少なくとも一方を行うアクセス部と、
    カバーと、
    を有し、
    前記ベース部材と前記カバーとで構成される筐体の内部に、前記回転部および前記アクセス部が、収容され、
    前記筐体の内部に、ヘリウム、水素、もしくはヘリウムと水素との混合気体、またはこれらのいずれかと空気との混合気体が充填されているディスク駆動装置。
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