JP2017151023A - 車載レーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車載レーダ装置において捕捉している物標が他の物体にすり替わる現象(乗り移り)が発生したことを的確に判断できるようにする。【解決手段】車載レーダ装置において、受信したレーダ波の反射波に基づいて検出された受信強度と物標の速度とを複数回分にわたって記憶する。そして、今回の受信強度と前回の受信強度とを比較し、今回の受信強度が前回の受信強度から閾値を越えて低下しているか否かを判定する(S100)。また、今回の速度と前回の速度とを比較し、今回の速度が前回の速度より低下しているか否かを判定する(S102)。判定の結果、今回の受信強度が前回の受信強度から閾値を越えて低下し、かつ今回の速度が前回の速度より低下している場合、現在検出されている物標において乗り移りか発生したことを表す「乗り移りフラグ」をオンにする指令を出力する(S104)。【選択図】図2

Description

本発明は、車両の前方に電磁波(すなわち、電波又は光)を放射し、その反射波を受信することで車両前方に存在する物標を検出する車載レーダ装置に関する。
この種の車載レーダ装置においては、前方に存在する物標として捕捉していた先行車両が急な上り坂を登り始めたときに、捕捉していた物標が先行車両から上り坂の路面にすり替わる現象が起きることが知られている。
つまり、図7Aに例示されるように、車載レーダ装置が搭載された車両aの前方における平坦路に先行車両bがいるときに、車両aに搭載された車載レーダ装置から放射される電磁波によって先行車両bを継続的に捕捉しているものとする。同じ物標を継続的に捕捉している状態を「追跡」という。この状況から、図7Bに例示されるように、先行車両bが先に上り坂に移行した場合、先行車両bに当てられていた電磁波が先行車両bから外れて上り坂の路面に照射される。
このとき、本来であれば、先行車両bに対する検出が消失して追跡が途切れたものと判断されるべきであるが、上り坂の路面に当たって反射した電磁波を車載レーダ装置が受信することによって追跡が継続してしまうことがある。これは、車載レーダ装置によって追跡されていた物標が他の物体にすり替わる現象である。以下、このような現象のことを「乗り移り」と称する。車載レーダ装置による検出結果を、例えば先行車両を認識して車両制御を行うシステム等に利用している場合、乗り移りが発生することによって坂道の路面を先行車両bが停止したものと誤認識するおそれがある。
このような問題に対して、特許文献1には、車載レーダ装置によって検出された物標の幅が車両に相当する幅から路面の相当する幅に拡大したことを条件に、乗り移りが発生したと判定する技術が開示されている。
特開2009−115628号公報
特許文献1に記載の先行技術は、検出の対象となる車両の幅と路面の幅とを区別できる程度に、水平方向に広い範囲を走査可能であることを前提としている。しかしながら、車両に搭載される全てのレーダ装置がそのような広い検出範囲を備えているとは限らない。
本発明はこうした問題を解決するためになされたものである。本発明は、車載レーダ装置において、必ずしも水平方向に広い検出範囲を備えなくても、検出された物標について乗り移りが発生したことを的確に判断するための技術を提供することを目的とする。
本開示の一形態に係る車載レーダ装置は、送信手段(10)、受信手段(11)、検出手段(13)、第1の記憶手段(15)、第1の比較手段(16)、速度算出手段(14)、第2の記憶手段(15)、第2の比較手段(16)、及び判定手段(17)を備える。なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
送信手段は、車載レーダ装置が搭載される車両である自車両の前方の予め定められた範囲に電磁波を送信するように構成されている。受信手段は、送信手段により送信された電磁波が物標に反射されて戻ってくる反射波を受信するように構成されている。検出手段は、受信手段により受信された反射波に基づいて物標までの距離と反射波の受信強度とを検出するように構成されている。第1の記憶手段は、検出手段により検出された複数回分の受信強度を記憶するように構成されている。第1の比較手段は、第1の記憶手段に記憶された受信強度について、過去の受信強度と今回の受信強度とを比較するように構成されている。
速度算出手段は、検出手段により検出された物標までの距離の時間的推移に基づいて、物標の速度を算出するように構成されている。第2の記憶手段は、速度算出手段により算出された複数回分の速度を記憶するように構成されている。第2の比較手段は、第2の記憶手段に記憶された速度について、過去の速度と今回の速度とを比較するように構成されている。
判定手段は、前記第1及び第2の比較手段による比較結果が異検出判定条件に該当する場合、今回検出されている物標が過去から継続的に検出されていた物標とは異なる異検出であると判定するように構成されている。異検出判定条件は、今回検出されている物標が過去から継続的に検出されていた物標とは異なる異検出であると判定するための条件である。この異検出判定条件は、第1の比較手段による比較結果において、今回の受信強度が過去の受信強度から予め定められた強度閾値を越えて低下し、かつ、第2の比較手段による比較結果において、今回の速度が過去の速度から低下している条件を含む。
したがって、本開示の車載レーダ装置によれば、反射波の受信強度の低下と、反射波に基づいて検出された物標の速度の低下とに基づいて、検出された物標について乗り移りが発生したことを的確に判断することができる。つまり、電磁波によって先行車両を捕捉しているときには、車体の反射効率の高い部位による反射波を受信しているが、捕捉対象が坂道等の路面にすり替わった場合、反射効率の低い路面による反射を受信することになる。これにより、反射波の受信強度の低下が観測される。さらに、捕捉対象が自車両の前を走行している先行車両から静止している路面にすり替わることにより、物標の速度の低下が観測される。
このようにすることで、必ずしも車両の幅と路面の幅とを区別できる程度の広い検知範囲を備えていなくても、捕捉している物標において乗り移りが発生したことを的確に検知できる。
車載レーダ装置の構成を表すブロック図。 第1実施形態における判定処理の手順を表すフローチャート。 乗り移り判定時の状況を模式的に表す説明図。 第2実施形態における物標の探査範囲を表す説明図。 第2実施形態における判定処理の手順を表すフローチャート。 解除判定処理の手順を表すフローチャート。 追跡している物標がすり替わる状況を模式的に表す説明図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[車載レーダ装置の構成の説明]
実施形態の車載レーダ装置1の構成について、図1を参照しながら説明する。車載レーダ装置1は、車両の前端に設置され、レーザ光からなる電磁波をレーダ波として車両前方(すなわち、進行方向)に照射し、その反射波を受信することにより物標を検出すると共に、その物標までの距離や方位等の情報を算出するものである。以下、車載レーダ装置1が搭載される車両を自車両という。
図1に例示されるとおり、車載レーダ装置1は、送信部10、受信部11、及び制御装置12を備える。送信部10は、パルス状のレーザ光からなるレーダ波を自車両前方の探査範囲に照射するように構成されている。この送信部10は、レーザ光を発生する発光素子と制御装置12から入力される制御信号に従って発光素子を発光させる駆動回路を備える。
受信部11は、送信部10から送信されたレーダ波が物標に当たって反射された反射波を、水平方向及び垂直方向における所定の角度範囲において受信し、その受信強度に応じた受信信号を制御装置12に出力するように構成されている。この受信部11は、自車両前方の探査範囲から到来する反射波を集光する集光レンズや、集光レンズを介して入射した反射波の受信強度(すなわち、反射強度)に応じた電圧値の受信信号を発生する受光回路を備える。
なお、後述の第1実施形態では、受信部11は、自車両の前方から到来する反射波を、方向を区別せず受信して受信信号を一括出力するように構成されているものとする。これに対し、後述の第2実施形態では、受信部11は、自車両の前方の探査範囲を水平面上で所定角度ごとに分割した複数の分割領域ごとに反射波を受信するために、自車両の車幅方向に間隔をあけて配置された複数の受光素子を備えているものとする。この第2実施形態の場合、受信部11は、複数の分割領域ごとに受信した反射波の受信信号を出力する。
制御装置12は、図示しないCPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、入出力インタフェース等を中心に構成された情報処理装置である。制御装置12は、例えば、コンピュータシステムとしての機能が集約されたマイクロコントローラ等により具現化される。制御装置12の機能は、CPUがROMや半導体メモリ等の非遷移的実体的記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、制御装置12を構成するマイクロコントローラの数は1つでも複数でもよい。
この制御装置12は、送信部10及び受信部11によるレーダ波の送受信を制御することにより物標を検出し、その検出された物標に関する情報を、車載ネットワークを介して他の車載システムに送信する機能を担う。ここでいう他の車載システムとは、車載レーダ装置1によって検出された物標の情報を利用して運転支援(例えば、先行車両追従制御、自動停止制御等)を行うシステムである。また、制御装置12は、本発明に関わる主要な処理である判定処理も実行する。この判定処理の詳細な説明については後述する。
制御装置12は、本発明に関わる主要な構成要素として検出部13と、速度算出部14と、記憶部15と、比較部16と、判定部17とを備える。なお、制御装置12を構成するこれらの要素を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の要素を論理回路やアナログ回路等を組合せたハードウェアを用いて実現してもよい。
検出部13は、送信部10に対し、予め設定された検出周期ごとに発光制御信号を出力することで、送信部10からパルス状のレーザ光を出射させ、その後、受信部11から入力される受信信号に基づいて、車両前方に存在する物標を検出する。
具体的には、検出部13は、発光制御信号を出力してから、受信部11から受光信号が入力されるまでの時間を計測し、計測された時間に基づいて物標までの距離を算出する。検出部13は、検出周期ごとに物標までの距離を表す情報を速度算出部14に出力すると共に、受信部11から入力された受信信号に基づく受信強度を表す情報を記憶部15に出力する。
速度算出部14は、検出部13から供給される物標までの距離の情報に基づいて、物標の速度を算出し、算出された速度を表す情報を記憶部15に出力する。具体的には、速度算出部14は、最新の距離の情報と過去のある時点の距離の情報とに基づく距離の変化量と、2つの時点の時間差とに基づいて、自車両に対する物標の相対速度を算出する。そして、自車両に装備された車速センサによる検出値に基づく自車両の現在速度と物標の相対速度との差分に基づいて、物標の速度を算出する。
記憶部15は、検出部13から供給される受信強度の情報と、速度算出部14から供給される速度の情報とを、それぞれ複数回分記憶するように構成されている。具体的には、物標の検出が行われる検出周期ごとに、受信強度及び速度の情報が記憶部15に随時記録されることにより、過去のある時点から現在までの期間において検出された複数回分の受信強度及び物標の速度の情報が記憶部15によって保持される。以下、記憶部15に記憶される受信強度及び速度の情報について、最も新しく検出された受信強度及び速度を、それぞれ今回強度及び今回速度と称し、それより1つ前の過去に検出された受信強度及び速度を、それぞれ前回強度及び前回速度と称することにする。
比較部16は、記憶部15に記憶されている今回速度と前回速度とを比較し、その比較結果を判定部17に出力するように構成されている。また、比較部16は、今回強度と前回強度とを比較し、その比較結果を判定部17に出力するように構成されている。
判定部17は、比較部16における判定結果に基づいて、現在検出されている物標において乗り移りか発生したか否かを判定し、その判定結果を車載ネットワークを介して他の車載システムに送信する判定処理を実行する。以下、この判定部17が実行する判定処理について、異なる2つの実施形態である第1実施形態と第2実施形態とをそれぞれ説明する。
[第1実施形態]
制御装置12の判定部17が実行する判定処理の第1実施形態について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、検出部13において物標が検出されているときに、所定の制御周期ごとに繰り返し実行される。以下、この検出されている物標を対象物標と称する。
S100では、判定部17は、比較部16による受信強度の比較結果について、今回強度が前回強度から予め定められた受信強度の閾値を越えて低下しているか否かを判定する。すなわち、前回強度が閾値以上であり、今回強度が閾値未満となったか否かを判定する。なお、ここで用いる閾値は、例えば、送信部10から照射されたレーダ波が車両の後部の灯火装置に備えられたリフレクタ(すなわち、反射板)によって反射された状況を想定した受信強度の下限値とすることが考えられる。なお、この閾値は、物標として検出される受信強度の下限値より大きい値とする。
今回強度が前回強度から閾値を越えて低下していない場合(S100:NO)、判定部17は本処理を終了する。一方、今回強度が前回強度から閾値を越えて低下している場合(S100:YES)、判定部17はS102に進む。
S102では、判定部17は、比較部16による速度の比較結果について、今回速度が前回速度より低下しているか否かを判定する。今回速度が前回速度より低下していない場合(S102:NO)、判定部17は本処理を終了する。今回速度が前回速度より低下している(S102:YES)、判定部17はS104に進む。S104では、判定部17は、現在検出されている物標において乗り移りか発生したことを表す「乗り移りフラグ」をオンにする指令を、他のシステムに送信し、本処理を終了する。
上述の第1実施形態の判定処理において乗り移りが発生したと判定される状況について、図3を参照しながら説明する。図3Aに例示されるように、ある時刻t1において、車載レーダ装置1が搭載された自車両aの前方における平坦路に先行車両bがいるときに、車載レーダ装置1から放射されるレーダ波によって先行車両bが検出されているものとする。このとき、車載レーダ装置1は、先行車両bの後部に備えられた灯火装置のリフレクタによって反射された反射波を受信することにより、閾値(例えば、リフレクタによる反射強度)以上の受信強度を得ることになる。
つぎに、図3Bに例示されるように、時刻t1より後の時刻t2において、先行車両bが先に上り坂に移行した場合、先行車両bに当てられていたレーダ波が先行車両bから外れて坂道の路面cに反射され、その反射波が受信部11により受信される。これにより、坂道の路面cが物標として検出される。このとき、車載レーダ装置1は、リフレクタよりも反射性が劣る路面cによって反射された反射波を受信することにより、閾値未満の受信強度を得ることになる。
このように、図3Aの状況から図3Bの状況に移行するときには、車載レーダ装置1において受信強度が閾値を越えて低下する現象が観測される。加えて、検出されている物標が走行している車両bから静止している路面cにすり替わることで、車載レーダ装置1において物標の速度が低下する現象が観測される。よって、これら2つの現象が併せて観測されたことを条件に、乗り移りが発生したと判断ることができる。
[第2実施形態]
制御装置12の判定部17が実行する判定処理の第2実施形態について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、検出部13において物標が検出されているときに、所定の制御周期ごとに繰り返し実行される。以下、この検出されている物標を対象物標と称する。
なお、第2実施形態では、受信部11が複数の方位ごとに反射波を受信可能に構成されていることを前提とする。具体的には、受信部11は、図4に例示されるように、探査範囲SFを水平面上で所定角度ごとに分割したn(nは設計的な任意の数)個の分割領域A1〜Anごとに反射光を受信するように構成されている。また、送信部10は、図4に例示される探査範囲SFの全領域に一括してレーザ光を照射するように構成されている。
つまり、第2実施形態における車載レーダ装置1は、レーダ波の照射は探査範囲SFの全体に一括して行うが、その反射波の受信は分割領域A1〜Anごとに行うように構成されている。この場合、検出部13は、分割領域A1〜Anごとに受信された受信信号について、それぞれ物標との距離を算出して速度算出部14に出力すると共に、分割領域A1〜Anそれぞれの受信信号に基づく受信強度を表す情報を記憶部15に出力する。
速度算出部14は、分割領域A1〜Anごとに算出された物標との距離に基づいて、分割領域A1〜Anごとに物標の速度を算出し、算出された速度及び距離を表す情報を記憶部15に出力する。記憶部15は、分割領域A1〜Anごとに、受信強度、速度及び距離の情報を、それぞれ複数回分記憶するように構成されている。
図5のフローチャートの説明に移る。S200では、判定部17は、最も新しく検出された各分割領域の受信強度について、予め定められた受信強度の閾値以上であって、その受信強度が得られた距離が過去に記録された最短距離よりも短い場合、その距離を最短距離として記憶部15に記録する。なお、ここで用いる受信強度の閾値は、例えば、送信部10から照射されたレーダ波が車両の後部の灯火装置に備えられたリフレクタによって反射された状況を想定した受信強度の下限値とすることが考えられる。なお、この閾値は、物標として検出される受信強度の下限値より大きい値とする。
S202では、判定部17は、記憶部15に記憶されている受信強度について、対象物標が検出されている分割領域ごとに今回強度と前回強度とを比較部16において比較し、今回強度が前回強度から受信強度の閾値を越えて低下しているか否かを判定する。判定の結果、受信強度が閾値を越えて低下している分割領域について、最も外側の分割領域以外であり、かつ、その分割領域において受信強度の低下が観測された距離が、記憶部15に記憶されている最短距離以上である場合、判定部17はS204に進む。そうでない場合、今回の検出結果に関する判定処理を終了する。なお、ここでいう最も外側の分割領域とは、図4の事例においてA1又はAnの分割領域が該当する。
最も外側の分割領域については、自車両や物標として検知されている先行車両が左右方向に揺れることにより受信強度の低下が観測される可能性がある。そのため、第2実施形態では、最も外側の分割領域については、乗り移り判定における受信強度の判定条件から除外することにしている。
また、記憶部15にされている最短距離はレーダ波によって先行車両のリフレクタを補足できた距離の下限値を表すものであり、これより近い距離では、先行車両のリフレクタがレーダ波の死角に入って検出されなくなる可能性を否定できない。そのため、最短距離未満の位置で受信強度の低下が観測されたとしても、それが坂道による乗り移りであると断定できる保障がないため、乗り移り判定における受信強度の判定条件から除外することにしている。
S204では、判定部17は、対象物標が検出されている分割領域ごとに算出された距離の差分(以下、奥行という)が、予め定められた奥行の閾値以下であるか否かを判定する。対象物標の奥行が閾値以下である場合、判定部17はS206に進む。一方、対象物標の奥行が閾値を越えている場合、判定部17は、次の検出周期で取得される検出結果の情報を用いて、S204から処理をやり直す。
S206では、判定部17は、記憶部15に記憶されている速度について、対象物標が検出されている分割領域ごとに今回速度と前回速度とを比較部16において比較し、今回速度が前回速度より低下しているか否かを判定する。判定の結果、今回速度が前回速度より低下している場合、判定部17はS208に進む。一方、今回速度が前回速度より低下していない場合、判定部17は、次の検出周期で取得される検出結果の情報を用いて、S204から処理をやり直す。
S208では、判定部17は、対象物標に対して自車両からの距離を測定し、測定された距離が予め定められた距離範囲内に入っているか否かを判定する。対象物標との距離が前記距離範囲内に入っている場合、判定部17はS210に進む。一方、対象物標との距離が前記距離範囲内に入っていない場合、判定部17は判定処理を中止する。ここで適用される距離範囲は、例えば、レーダ波によって坂道を検出することができる距離の上限値から下限値までとすることが考えられる。例えば、自車両から距離が近すぎる場合、坂道の路面はレーダ波の死角に入って検出することはできない。また、自車両から距離が遠すぎる場合、坂道の路面による反射波が微弱となり検出することができない。そのため、第2実施形態では、対象物標との距離が所定の距離範囲内に入っていない場合、乗り移り判定の対象外とすることにしている。
S210では、判定部17は、判定部17は、現在検出されている物標において乗り移りか発生したことを表す「乗り移りフラグ」をオンにする指令を、他のシステムに送信し、本処理を終了する。
[解除判定処理の説明]
制御装置12の判定部17が実行する解除判定処理について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。この解除判定処理は、上述の第1実施形態及び第2実施形態の判定処理において、乗り移りフラグがオンにされている条件下で所定の制御周期ごとに繰り返し実行される。
S300では、判定部17は、検出部13において、予め定められた閾値を超える受信強度を示す物標が検出されたか否かを判定する。なお、ここで使用する閾値は、例えば、送信部10から照射されたレーダ波が車両の後部の灯火装置に備えられたリフレクタによって反射された状況を想定した受信強度の下限値とすることが考えられる。なお、この閾値は、物標として検出される受信強度の下限値より大きい値とする。
閾値を超える受信強度を示す物標が検出されていない場合(S300:NO)、判定部17は本処理を終了する。この場合、乗り移りフラグのオン状態が維持される。一方、閾値を超える受信強度を示す物標が検出された場合(S300:YES)、判定部17はS302に進む。S302では、判定部17は、乗り移りフラグをオフにする指令を、他のシステムに送信し、本処理を終了する。
[効果]
実施形態の車載レーダ装置1によれば、以下の効果を奏する。
反射波の受信強度の低下と、反射波に基づいて検出された物標の速度の低下とに基づいて、検出された物標について乗り移りが発生したことを判断できる。よって、第1実施形態の判定処理が適用される事例のように、車両の幅と路面の幅とを区別できる程度の広い検知範囲を備えていなくても、捕捉している物標において乗り移りが発生したことを的確に検知できる。
また、第2実施形態の判定処理においては、複数の方位ごとに検出された受信強度や物標との距離を利用して、乗り移りが発生したと判定するのに不適切な状況を除外できる。これにより、乗り移りを高精度に検出することができる。
[特許請求の範囲に記載の構成との対応]
実施形態の各構成と、特許請求の範囲に記載の構成との対応は次のとおりである。
送信部10が送信手段に相当する。受信部11が受信手段に相当する。検出部13が検出手段に相当する。速度算出部14が速度算出手段に相当する。記憶部15が、第1の記憶手段、第2の記憶手段、及び第3の記憶手段に相当する。比較部16が、第1の比較手段及び第2の比較手段に相当する。判定部17が、判定手段及び解除手段に相当する。
[変形例]
上述の実施形態においては、物標を検知するためのレーダ波として、レーザ光を用いる事例について説明した。これに限らず、例えば、ミリ波等の他の電磁波(すなわち、光又は電波)を使用してもよい。なお、ミリ波をレーダ波として使用する場合には、ミリ波をパルス状に送信して(換言すれば、周期的に送信して)、その反射波を受信することにより物標を検出する、パルス方式のミリ波レーダ装置に本発明を適用すればよい。
この場合、例えば、送信部10を自車両前方にミリ波を送信する送信部とし、受信部11を自車両前方から到来するミリ波を受信する受信部として構成すれば、検出部13において反射及の受信強度及び距離を検出できるようになる。よって、このようにすれば、上記実施形態と同様の機能を有するミリ波レーダ装置を実現することができる。
また、上記第2実施形態では、探査範囲SFに対してレーダ波を一括照射し、反射波の受信を複数の分割領域A1〜Anごとに行う事例について説明した。これに限らず、レーダ波の照射を複数の分割領域ごとに行い、反射波の受信を一括して行うように構成してもよい。あるいは、レーダ波の照射及び反射波の受信の何れも複数の分割領域ごとに行うように構成してもよい。
上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
1…車載レーダ装置、10…送信部、11…受信部、12…制御装置、13…検出部、14…速度算出部、15…記憶部、16…比較部、17…判定部。

Claims (6)

  1. 自車両の前方の予め定められた範囲に電磁波を送信するように構成された送信手段(10)と、
    前記送信手段により送信された電磁波が物標に反射されて戻ってくる反射波を受信する受信手段(11)と、
    前記受信手段により受信された反射波に基づいて前記物標までの距離と前記反射波の受信強度とを検出するように構成された検出手段(13)と、
    前記検出手段により検出された複数回分の受信強度を記憶するように構成された第1の記憶手段(15)と、
    前記第1の記憶手段に記憶された受信強度について、過去の受信強度と今回の受信強度とを比較するように構成された第1の比較手段(16)と、
    前記検出手段により検出された前記物標までの距離の時間的推移に基づいて、前記物標の速度を算出するように構成された速度算出手段(14)と、
    前記速度算出手段により算出された複数回分の速度を記憶するように構成された第2の記憶手段(15)と、
    前記第2の記憶手段に記憶された速度について、過去の速度と今回の速度とを比較するように構成された第2の比較手段(16)と、
    今回検出されている物標が過去から継続的に検出されていた物標とは異なる異検出であると判定するための条件である異検出判定条件として、前記第1の比較手段による比較結果において、今回の受信強度が過去の受信強度から予め定められた強度閾値を越えて低下し、かつ、前記第2の比較手段による比較結果において、今回の速度が過去の速度から低下していることを条件に、今回検出されている物標が過去から継続的に検出されていた物標とは異なる異検出であると判定するように構成された判定手段(17)と、
    を備える車載レーダ装置。
  2. 請求項1に記載の車載レーダ装置において、
    前記受信手段は、自車両前方の領域を所定の角度で分割した複数の方位ごとに前記反射波を受信可能に構成されており、
    前記検出手段は、前記複数の方位ごとに受信された反射波に基づいて、前記複数の方位ごとに前記物標までの距離を検出するように構成されており、
    前記複数の方位に係る前記物標までの距離のずれが予め定められた閾値以下となっていることを条件に、前記第2の比較手段が過去の速度と今回の速度とを比較するように構成された、車載レーダ装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車載レーダ装置において、
    前記受信手段は、自車両前方の領域を所定の角度で分割した複数の方位ごとに前記反射波を受信可能に構成されており、
    前記検出手段は、前記複数の方位ごとに受信された反射波に基づいて、前記複数の方位ごとに各反射波の受信強度を検出するように構成されており、
    前記判定手段は、更に、前記複数の方位のうち最も外側の方位を除く何れかの方位において、今回の受信強度が過去の受信強度から前記強度閾値を越えて低下していることを前記異検出判定条件に含んで前記異検出を判定するように構成された、車載レーダ装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の車載レーダ装置において、
    前記検出手段において前記強度閾値以上の受信強度が観測されたときの前記物標との距離の最小値を記憶するように構成された第3の記憶手段(15)を更に備え、
    前記判定手段は、更に、今回の受信強度が過去の受信強度から前記強度閾値を越えて低下した現象が、前記第3の記憶手段に記憶されている距離の最小値よりも遠い位置で発生していることを前記異検出判定条件に含んで前記異検出を判定するように構成された、車載レーダ装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の車載レーダ装置において、
    前記判定手段は、更に、前記検出手段により検出された前記物標が予め定められた距離範囲内に存在することを前記異検出判定条件に含んで前記異検出を判定するように構成された、車載レーダ装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の車載レーダ装置において、
    前記判定手段により異検出と判定された後に、再度、前記検出手段において前記強度閾値以上の受信強度が観測されたことを条件に、前記異検出の判定を解除する解除手段(17)を更に備える、車載レーダ装置。
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