JP2017150054A - 回路基板の製造方法、保護膜付き回路基板及び電気装置 - Google Patents

回路基板の製造方法、保護膜付き回路基板及び電気装置 Download PDF

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亮由 鈴木
Akiyoshi Suzuki
亮由 鈴木
木村 勲
Isao Kimura
勲 木村
森川 泰宏
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泰宏 森川
昌司 久保
Masashi Kubo
昌司 久保
神保 武人
Taketo Jinbo
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Abstract

【課題】電気装置の回路基板の回路構成部分に対してダメージを与えることなく、しかも高い防水性を有する回路基板用の保護膜を形成した回路基板の製造方法の提供。【解決手段】電気回路を構成する電気部品2a〜2c、4a,4b及び配線部3a,3b、5a〜5cを有する回路基板10に、ジアミンモノマー、酸成分モノマーをを原料とした蒸着重合法によるポリ尿素膜13を回路基板10の両面を全面的に覆うように保護膜13を形成する回路基板10の製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば電気部品を搭載した回路基板の防水用の保護膜に関し、特に蒸着重合法によるポリ尿素膜によって防水用の保護膜を形成する技術に関する。
例えばスマートフォン等の携帯型の電気装置は、誤って水の中に落としてしまうことがあり、その対策として防水処理を施したものが知られている。
従来、このような防水処理技術としては、例えば弾性を有するパッキンを用いて装置本体の隙間をなくすことにより機械的に防水処理を行うものの他、装置本体内に設けられた回路基板を保護膜で覆うことにより防水処理を行うものが提案されている。
このような防水用の保護膜としては、プラズマCVD法によって保護膜の成膜を行うものが知られているが、このような従来技術では、保護膜を形成する際に、真空槽内に存在するプラズマや高温の雰囲気によって回路基板の回路構成部分(配線部分等)に対してダメージを与えるという課題がある。
特開2004−140032号公報 特開平4−219901号公報
本発明は、このような従来の技術の課題を考慮してなされたもので、その目的とするところは、電気装置の回路基板の回路構成部分に対してダメージを与えることなく、しかも高い防水性を有する回路基板用の保護膜を形成する技術を提供することにある。
上記目的を達成するためになされた本発明は、電気回路を構成する電気部品及び配線部を有する回路基板を用意し、蒸着重合法によるポリ尿素膜を前記回路基板の両面を全面的に覆うように形成することにより、前記回路基板を保護する保護膜を作成する工程を有する回路基板の製造方法である。
本発明では、前記保護膜の原料モノマーとして、ジアミンモノマーと、酸成分モノマーとを用い、前記ジアミンモノマーとして、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテルのうち少なくとも一つを用いることもできる。
本発明では、前記保護膜の原料モノマーとして、ジアミンモノマーと、酸成分モノマーとを用い、前記酸成分モノマーとして、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナートのうち少なくとも一つを用いることもできる。
本発明では、前記保護膜の原料モノマーとして、ジアミンモノマー、酸成分モノマーのうち少なくとも一方の原料モノマーにフッ素を含有するものを用いることもできる。
本発明では、前記ジアミンモノマーとして、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジアニリン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンのうち少なくとも一つを用いることもできる。
本発明では、前記酸成分モノマーとして、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(イソシアナートベンゼン)を用いることもできる。
本発明では、前記蒸着重合法によるポリ尿素膜を前記回路基板の両面を全面的に覆うように形成する際に、成膜を望まない部分について前記原料モノマーの堆積を回避するためのマスクを設けることもできる。
一方、本発明は、電気回路と当該電気回路に接続された電気部品を有する回路基板と、蒸着重合法によるポリ尿素膜が前記回路基板の両面を全面的に覆うように形成され、前記回路基板を保護する保護膜とを有する保護膜付き回路基板である。
また、本発明は、装置本体と、前記装置本体内に収容された上述の保護膜付き回路基板と、前記装置本体に設けられ、前記保護膜付き回路基板を動作させるための操作部とを有する電気装置である。
本発明に用いる蒸着重合法は、ポリ尿素の原料モノマーの蒸気が回路基板の周囲から回り込んで回路基板の表面において重合反応が進行するため、電気部品等を有し表面が凹凸形状の回路基板の両面に対して優れた段差被覆性で保護膜を形成することができ、これにより防水性の高い保護膜付き回路基板を得ることができ、ひいては本発明の保護膜付き回路基板を使用する電気装置の防水性を飛躍的に向上させることができる。
また、蒸着重合法は、成膜の際にプラズマを使用しないことから、電気装置の回路基板の回路構成部分に対してダメージを与えることなく保護膜を形成することができる。
しかも、保護膜の原料であるポリ尿素は、蒸着重合の際に副生成物、特に水素が生成されないことから、回路基板の回路構成部分において水素イオンによる還元劣化に起因するダメージが生ずることがない。
さらに、蒸着重合法によってポリ尿素膜を形成する際の温度が、ポリイミド等と比較して非常に低いことから、耐熱性の低い回路基板に対しても保護膜を形成することができる。
さらにまた、蒸着重合法によるポリ尿素膜は、パーティクルなどの異物に対しても付き回り良く形成され、欠陥のない(ピンホールフリー)膜が形成可能であることから、電気絶縁性の高い保護膜によって回路基板を保護することができる。
本発明においては、上述した保護膜の原料モノマーとして、ジアミンモノマー、酸成分モノマーのうち少なくとも一方の原料モノマーにフッ素を含有するものを用いることにより、当該保護膜に撥水性を付与して水分の浸透を一層低減することができる。
本発明に用いる蒸着重合装置の概略構成例を示す図 (a):本発明によって保護膜が形成される回路基板の構成例を模式的に示す図、(b):本発明によって保護膜が形成された保護膜付き回路基板の構成例を模式的に示す図 実施例における吸水性の評価結果を示すグラフ
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に用いる蒸着重合装置の概略構成例を示す図である。
また、図2(a)は、本発明によって保護膜が形成される回路基板の構成例を模式的に示す図、図2(b)は、本発明によって保護膜が形成された保護膜付き回路基板の構成例を模式的に示す図である。
本発明は、以下に説明する蒸着重合法によって保護膜を作成するものである。
本発明に用いる蒸着重合法は、複数の低分子の原料モノマーを、基板表面で重合させて高分子薄膜を形成するもので、反応性の高い複数種類の低分子有機材料の原料モノマーを共蒸着し、これら複数の原料モノマーを基板表面で重合させて高分子薄膜を形成する方法である。
図1に示すように、本例の蒸着重合装置20は、真空排気装置21に接続された真空槽22を有している。
この真空槽22内には、複数枚の回路基板10を収容可能なカセット23が配置されるようになっている。
本例では、カセット23に収容された複数の回路基板10に対し、それぞれの両面(表側面、裏側面)に成膜を行うことができるように構成されている。
なお、図1においては、複数の回路基板10を立てた状態でカセット23が配置されているが、各回路基板10に対して確実に両面に成膜ができる限り、カセット23の配置についてはこれに限られるものではない。
図2(a)に示すように、本発明によって保護膜が形成される回路基板10は、例えば基板本体1の両面に回路構成部分が設けられているものである。
本例では、基板本体1の表側面11に、電気部品2a,2b,2cと、配線部3a,3bが設けられている。
また、基板本体1の裏側面12に、電気部品4a,4bと、配線部5a,5b,5cが設けられている。
なお、本発明によって保護膜を形成する回路基板10の基板本体1は、材料、形状、寸法は特に限定されるものではなく、また、リジッド基板、フレキシブル基板のいずれも対象となるものである。
一方、真空槽22の上方には、2種類の原料モノマーを蒸発させるための一対の蒸発源25、26が設けられ、これら一対の蒸発源25、26は、バルブ27a、28aを有する導入管27、28を介してそれぞれ真空槽22の上部に接続されている。
また、真空槽22の内部には、導入された原料モノマーの蒸気を加熱冷却して温度を制御する温度制御手段24が設けられている。
蒸着重合装置20の各蒸発源25、26内には、それぞれ図示しない蒸発用容器が設けられ、各蒸発用容器の内部には、後述する保護膜13(図2(b)参照)を形成するための原料モノマーが加熱可能な状態でそれぞれ注入されるようになっている。
本発明の場合、蒸着重合法によって保護膜13を形成する材料として、ポリ尿素を用いる。
この理由は、ポリ尿素は、成膜温度が200℃程度のポリイミド等と比較して成膜温度が非常に低く(30℃〜50℃)、かつ、重合反応の際に副生成物、特に水素が生じないからである。
このようなポリ尿素を用いることによって、反応時における回路基板10上の回路構成部分(配線等)への高温による影響を抑制し、かつ、水素イオンによる回路構成部分に対する還元劣化を防止することができる。
蒸着重合法によってポリ尿素膜を形成するには、原料モノマーとして、ジアミンモノマーと酸成分モノマーを使用する。
本発明の場合、ジアミンモノマーとしては、例えば、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(H12MDA)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン(MDA)、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)等の芳香族、脂環族、脂肪族系等のものを好適に用いることができる。
一方、酸成分モノマーとしては、例えば、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)等の芳香族、脂環族、脂肪族系ジイソシアナート等のものを好適に用いることができる。
本発明の場合、特に限定されることはないが、蒸着重合法による保護膜13に撥水性を付与して水分の浸透を一層低減する観点からは、保護膜13を形成するための原料モノマーとして、ジアミンモノマー、酸成分モノマーのうち少なくとも一方の原料モノマーにフッ素を含有するものを用いることが好ましい。
この場合、フッ素を含有するジアミンモノマーとしては、例えば、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジアニリン(6FMDA)、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFDB)、2,2′−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン(BDFA)等を好適に用いることができる。
一方、フッ素を含有する酸成分モノマーとしては、例えば、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(イソシアナートベンゼン)(6FMDI)等を好適に用いることができる。
上述した蒸着重合装置20において、回路基板10上に、ポリ尿素からなる保護膜13を形成する際には、各バルブ27a、28aを閉じた状態で真空槽22内部の圧力を3×10-3Pa程度の高真空に設定し、各蒸発源25、26内の原料モノマーをそれぞれ所定の温度に加熱する。
そして、各原料モノマーが所定の温度に達して所要の蒸発量が得られた後に、各バルブ27a、28aを開いて各原料モノマーの蒸気を真空槽22内に導入し、温度制御手段24によって各原料モノマーの蒸気を例えば30℃〜50℃に制御しつつ、各原料モノマーを上方から回路基板10の両面に導いて堆積させる。
この場合、例えば充電用のコネクタ部等の成膜を望まない部分については、原料モノマーの堆積を回避するためのマスクを設けるとよい。
そして、上記工程により、回路基板10の基板本体1の表側面11及び裏側面12上において重合反応が起こり、ポリ尿素からなる保護膜13が基板本体1の表側面11及び裏側面12の両方に全面的に形成される。
その結果、図2(b)に示すように、この保護膜13により回路基板10の両面の回路構成部分(電気部品2a〜2c、配線部3a,3b、電気部品4a,4b、配線部5a〜5c)が覆われ、目的とする保護膜付き回路基板15を得る。
本発明の場合、ポリ尿素による保護膜13の厚さは特に限定されることはないが、保護膜付き回路基板15の電気的及び機械的な信頼性を確保する一方で、生産効率を向上させる観点からは、0.5μm以上10μm以下とすることが好ましい。
以上述べた本実施の形態に用いる蒸着重合法は、ポリ尿素の原料モノマーの蒸気が回路基板10の周囲から回り込んで回路基板10の表面において重合反応が進行するため、電気部品2a〜2c、4a,4b等を有し表面が凹凸形状の回路基板10の両面に対して優れた段差被覆性で保護膜13を形成することができ、これにより防水性の高い保護膜付き回路基板15を得ることができ、ひいてはこの保護膜付き回路基板15を使用する電気装置の防水性を飛躍的に向上させることができる。
また、蒸着重合法は、成膜の際にプラズマを使用しないことから、回路基板10の回路構成部分に対してダメージを与えることなく保護膜13を形成することができる。
しかも、保護膜13の原料であるポリ尿素は、蒸着重合の際に副生成物、特に水素が生成されないことから、回路基板10の回路構成部分において水素イオンによる還元劣化に起因するダメージが生ずることがない。
さらに、蒸着重合法によってポリ尿素膜を形成する際の温度が、ポリイミド等と比較して非常に低いことから、耐熱性の低い回路基板10に対しても保護膜13を形成することができる。
さらにまた、蒸着重合法によるポリ尿素膜は、パーティクルなどの異物に対しても付き回り良く形成され、欠陥のない(ピンホールフリー)膜が形成可能であることから、電気絶縁性の高い保護膜13によって回路基板10を保護することができる。
以下、本発明の実施例を比較例とともに説明する。
(実験例)
各種電気部品を搭載して電気回路が構成されたスマートフォン用の回路基板を用意し、この回路基板を上述した蒸着重合装置20と同一の構成を有する蒸着重合装置内に配置した。
そして、この回路基板に対し、ジアミンモノマーとして、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(H12MDA)と、酸成分モノマーとして、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)とを用い、この回路基板の表側面と裏側面にポリ尿素からなる保護膜を全面的に形成した。
この場合、成膜温度(雰囲気温度)は30〜50℃に設定し、厚さ8μmの保護膜を形成した。
なお、充電用のコネクタ部等の成膜を望まない部分については、原料モノマーの堆積を回避するためのマスクを設けた。
そして、この成膜後の回路基板上に常温の水を滴下し、さらに、この回路基板を常温の水中に配置し、10分間放置した。
この回路基板を動作させたところ、動作に問題がないことを確認した。
〔実施例1〕
大きさが5インチのシリコンウェハを用意し、このシリコンウェハを上述した蒸着重合装置20と同一の構成を有する蒸着重合装置内に配置した。
そして、このシリコンウェハに対し、ジアミンモノマーとして、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(H12MDA)と、酸成分モノマーとして、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)とを用い、このシリコンウェハの表側面と裏側面にポリ尿素からなる保護膜を全面的に形成して実施例1のサンプルを作成した。
この場合、成膜温度(雰囲気温度)は30〜50℃に設定し、厚さ8μmの保護膜を形成した。
〔実施例2〕
大きさが5インチのシリコンウェハを用意し、このシリコンウェハを上述した蒸着重合装置20と同一の構成を有する蒸着重合装置内に配置した。
そして、このシリコンウェハに対し、ジアミンモノマーとして、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジアニリン(6FMDA)と、酸成分モノマーとして、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)とを用い、このシリコンウェハの表側面と裏側面にフッ素含有ポリ尿素からなる保護膜を全面的に形成して実施例2のサンプルを作成した。
この場合、成膜温度(雰囲気温度)、膜厚は実施例1と同等とした。
この実施例2は、原料モノマーとして、フッ素を含有するジアミンモノマーを用いるものである。
〔実施例3〕
大きさが5インチのシリコンウェハを用意し、このシリコンウェハを上述した蒸着重合装置20と同一の構成を有する蒸着重合装置内に配置した。
そして、このシリコンウェハに対し、ジアミンモノマーとして、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジアニリン(6FMDA)と、酸成分モノマーとして、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(イソシアナートベンゼン)(6FMDI)とを用い、このシリコンウェハの表側面と裏側面にフッ素含有ポリ尿素からなる保護膜を全面的に形成して実施例3のサンプルを作成した。
この場合、成膜温度(雰囲気温度)、膜厚は実施例1と同等とした。
この実施例3は、原料モノマーとして、ジアミンモノマーと酸成分モノマーの両方にフッ素を含有するモノマーを用いるもので、形成されたポリ尿素膜のフッ素含有率が実施例2より高いものである。
〔比較例〕
実施例に対する比較例として、上述した5インチのシリコンウェハに対し、ポリ尿素と同様に副生成物が形成されないポリウレタンからなる膜を成膜した。
この場合、ジオールモノマーとして、ヒドロキノンと、酸成分モノマーとして、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナートとを用い、上記シリコンウェハの表側面と裏側面にポリウレタンからなる保護膜の全面的な形成を試みたが、ウレタン結合の反応性が低いためか、実施例の成膜温度(30〜50℃)では原料モノマーの凝集が見られた。その結果、比較例によって形成されたポリウレタン膜は、実施例1〜3のポリ尿素膜と比較して、電気的、機械的な信頼性を確保することが困難な膜であった。
<保護膜の吸水性の評価>
実施例1,2,3のサンプルを常温の純水に24時間浸し、重量変化率により保護膜の吸水率を確認した。
この場合、水中から取り出した実施例サンプルに対してエアブローによって水分を除去し、その後、電子天秤を用いて重量を測定した。その結果を図3に示す。
<評価結果>
図3から理解されるように、実施例1のサンプルの保護膜は、純水に浸してから24時間経過後において0.1%の吸水率を示したが、実施例2、3のサンプルの保護膜は実施例1より低い値である、それぞれ0.045%及び0.025%の吸水率を示した。
以上より、上述した蒸着重合法によるポリ尿素膜は純水に浸してから24時間経過後において0.1%以下の吸水率を示し、回路基板用の保護膜として高い防水性を有すること、さらに、原料モノマーとして、ジアミンモノマー、酸成分モノマーのうち少なくとも一方の原料モノマーにフッ素を含有するものを用いることで0.05%以下の吸水率を示し、より良好な防水性を有することが確認され、本発明の効果を実証することができた。
1…基板本体
2a,2b,2c…電気部品
3a,3b…配線部
4a,4b…電気部品
5a,5b,5c…配線部
10…回路基板
11…表側面
12…裏側面
13…保護膜
15…保護膜付き回路基板

Claims (9)

  1. 電気回路を構成する電気部品及び配線部を有する回路基板を用意し、
    蒸着重合法によるポリ尿素膜を前記回路基板の両面を全面的に覆うように形成することにより、前記回路基板を保護する保護膜を作成する工程を有する回路基板の製造方法。
  2. 前記保護膜の原料モノマーとして、ジアミンモノマーと、酸成分モノマーとを用い、
    前記ジアミンモノマーとして、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテルのうち少なくとも一つを用いる請求項1記載の回路基板の製造方法。
  3. 前記保護膜の原料モノマーとして、ジアミンモノマーと、酸成分モノマーとを用い、
    前記酸成分モノマーとして、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナートのうち少なくとも1つを用いる請求項1又は2のいずれか1項記載の回路基板の製造方法。
  4. 前記保護膜の原料モノマーとして、ジアミンモノマー、酸成分モノマーのうち少なくとも一方の原料モノマーにフッ素を含有するものを用いる請求項1記載の回路基板の製造方法。
  5. 前記ジアミンモノマーとして、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジアニリン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンのうち少なくとも1つを用いる請求項4記載の回路基板の製造方法。
  6. 前記酸成分モノマーとして、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(イソシアナートベンゼン)を用いる請求項4又は5のいずれか1項記載の回路基板の製造方法。
  7. 前記蒸着重合法によるポリ尿素膜を前記回路基板の両面を全面的に覆うように形成する際に、成膜を望まない部分について前記原料モノマーの堆積を回避するためのマスクを設ける請求項1乃至6のいずれか1項記載の回路基板の製造方法。
  8. 電気回路と当該電気回路に接続された電気部品を有する回路基板と、
    蒸着重合法によるポリ尿素膜が前記回路基板の両面を全面的に覆うように形成され、前記回路基板を保護する保護膜とを有する保護膜付き回路基板。
  9. 装置本体と、
    前記装置本体内に収容された請求項8記載の保護膜付き回路基板と、
    前記装置本体に設けられ、前記保護膜付き回路基板を動作させるための操作部とを有する電気装置。
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