JP2017149862A - Mn付活フッ化物蛍光体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような蛍光体としては、例えば、特許文献1にはフルオロジャーマネイト蛍光体などのMn付活フッ化物蛍光体が開示されている。
蛍光体の耐久性に関しては、蛍光体に表面処理を施すかまたは発光装置の構造を工夫すること等の検討がなされているが、発光装置の性能が十分でない場合があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、耐久性に優れたMn付活フッ化物蛍光体の製造方法を提供する。
即ち、本発明は、Mn付活フッ化物を設置した処理室内にフッ素含有ガスを導入するフッ素含有ガス導入工程と、前記処理室内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入工程と、150℃以上に加熱する加熱工程と、150℃以上で10分以上保持する高温処理工程とを含むことを特徴とするMn付活フッ化物蛍光体の製造方法に存する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、本明細書中の蛍光体の組成式において、各組成式の区切りは読点(、)で区切って表わす。また、カンマ(,)で区切って複数の元素を列記する場合には、列記された元素のうち一種又は二種以上を任意の組み合わせおよび組成で含有していてもよいことを示している。例えば、「(Ca,Sr,Ba)Al2O4:Eu」という組成式は、「CaAl2O4:Eu」と、「SrAl2O4:Eu」と、「BaAl2O4:Eu」と、「Ca1−xSrxAl2O4:Eu」と、「Sr1−xBaxAl2O4:Eu」と、「Ca1−xBaxAl2O4:Eu」と、「Ca1−x−ySrxBayAl2O4:Eu」(但し、式中、0<x<1、0<y<1、0<x+y<1である。)とを全て包括的に示しているものとする。
本発明のMn付活フッ化物蛍光体の製造方法は、Mn付活フッ化物を設置した処理室内にフッ素含有ガスを導入するフッ素含有ガス導入工程と、不活性ガスを導入する不活性ガス導入工程と、150℃以上に加熱する加熱工程と、150℃以上で10分以上保持する高温処理工程とを含むことを特徴とする。
先ず、Mn付活フッ化物蛍光体について以下詳説する。
本発明におけるMn付活フッ化物蛍光体とは、マンガン(Mn)とフッ素(F)とを少なくとも含む。具体的には、本発明におけるMn付活フッ化物蛍光体は、Mn、M元素、A元素、Fを含むことが好ましい。
但し、M元素は、アルカリ金属元素から選ばれる1種以上の元素およびその組合せであり、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)などが挙げられる。
本発明におけるMn付活フッ化物蛍光体は、下記式[1]で表される結晶相を含む蛍光体であることが、本発明の効果が得られやすい点で好ましい。
(上記式[1]中、m、a、b、cは、各々独立に、下記式を満たす値である。
0<m≦0.2
1.6≦a≦2.4
m+b=1
4.8≦c≦7.2)
式[1]中、Fは、フッ素を表す。Fは、その他のハロゲン元素、例えば、Cl(塩素)、Br(臭素)、I(ヨウ素)、および酸素などで一部置換されていてもよい。
上記範囲内であると、濃度消光が起きにくく、更に本発明に係る蛍光体以外の化学組成を示す異相が生じにくい為、発光特性が良好である点で好ましい。
aは、Kの含有量を表し、その範囲は、通常1.6≦a≦2.4であり、下限値は、好ましくは1.8、より好ましくは1.85、また上限値は、好ましくは2.2、より好ましくは2.15である。
m及びb相互の関係は通常、
m+b=1
を満足する。
cは、フッ素の含有量を表し、その範囲は、通常4.8≦c≦7.2であり、下限値は、好ましくは5.2、より好ましくは5.6、また上限値は、好ましくは6.8、より好ましくは6.4である。
本発明のMn付活フッ化物蛍光体の製造方法は、Mn付活フッ化物を設置した処理室内にフッ素含有ガスを導入するフッ素含有ガス導入工程と、不活性ガスを導入する不活性ガス導入工程(以下、併せて「ガス導入工程」と称する場合がある)と、150℃以上に加熱する加熱工程と、150℃以上で10分以上保持する高温処理工程とを含む(以下、加熱工程と高温処理工程を併せて、「加熱処理工程」と称する場合がある)。
前記加熱処理工程前のMn付活フッ化物の製造方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、例えば、国際公開第2009/099211号、特開2015−028148号、特表2009−528429号などの各公報に記載の方法が挙げられる。
ここで、フッ素含有ガスとしては、特に限定されるものではないが、例えば、F2、HF、NF3、SiF4、SF6、NH4HF2、NH4F、SbF5、ClF3、BrF3、XeF2、XeF4、CF4、C2F6、CHF3、CH3Fのうちから少なくとも1種類以上が選択されることが好ましい。
前記ガス導入工程において、2種類以上混合して導入する場合、特に限定されるものではないが、混合手法として例えば、混合ガスを容器に充填したものを処理室内に導入する方法、処理室の上流側で2種類以上のガスを予混合し処理室内に導入する方法、各ガス種を個別に導入し処理室内で混合する方法の中から少なくとも1種類以上選択されるのが好ましい。
加熱工程における昇温速度は、通常20℃/min以下、好ましくは10℃/min以下、また通常1℃/min以上、好ましくは3℃/min以上の範囲内で制御する。
前記高温処理工程は、Mn付活フッ化物を設置した処理室内をフッ素含有ガスを含む雰囲気として、150℃以上で10分以上保持する。
高温処理工程における保持時間は、通常10分以上、好ましくは30分以上、また通常50時間以下、好ましくは20時間以下である。
上記範囲内とすることで、フッ素含有ガスによりMn付活フッ化物内に含有されている酸素などの不純物元素が除去されて蛍光体の発光特性が向上する点傾向であり、更に粉体としてのハンドリングが著しく困難になるほど蛍光体が大きく成長しない傾向であるため好ましい。
また、前記高温処理工程中の処理室内の圧力は、通常500kPa以下、好ましくは250kPa以下、より好ましくは150kPa以下、また好ましくは10kPa以上、より好ましくは30kPa以上である。
加熱処理工程において、Mn付活フッ化物は、フッ素含有ガスとの接触面積が大きい方が本発明の効果が良好に得られる点で好ましい。
本発明のMn付活フッ化物蛍光体の製造方法では、上記加熱処理工程の後、必要に応じて粉砕工程、洗浄工程、分級工程、乾燥工程などを行なってもよい。
・粉砕工程
粉砕工程には、例えば、ハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル、リボンブレンダー、V型ブレンダー若しくはヘンシェルミキサー等の粉砕機、または乳鉢と乳棒を用いる粉砕などが使用できる。
洗浄工程は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、例えば、脱イオン水等の水、エタノール等の有機溶剤またはアンモニア水等のアルカリ性水溶液などで蛍光体表面を行うことができる。
使用されたフラックスを除去する等、蛍光体の表面に付着した不純物相を除去し発光特性を改善するなどの目的のために、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、王水およびフッ化水素酸と硫酸との混合物などの無機酸;酢酸などの有機酸などを含有する酸性水溶液を使用することもできる。
分級工程は、例えば、水篩を行う、または、各種の気流分級機または振動篩など各種の分級機を用いることにより行うことができる。中でも、ナイロンメッシュによる乾式分級を用いると、体積平均径10μm程度の分散性に優れた蛍光体を得ることができる。また、ナイロンメッシュによる乾式分級と、水簸処理とを組み合わせて用いると、体積メジアン径20μm程度の分散性の良い蛍光体を得ることができる。
前記洗浄を終了した蛍光体を、100℃〜200℃程度で乾燥させる。必要に応じて乾燥凝集を防ぐ程度の分散処理(例えばメッシュパスなど)を行ってもよい。
[発光スペクトル]
本発明の製造方法によって得られたMn付活フッ化物蛍光体(以下、単に「本発明に係る蛍光体」と称する場合がある)は、ピーク波長350nm以上、460nmの光で励起して発光スペクトルを測定した場合に、以下の特徴を有することが好ましい。
上述の発光スペクトルにおけるピーク波長λp(nm)が、通常590nm以上、より好ましくは600nm以上、更に好ましくは610nm以上、また通常650nm以下である。
上記範囲内であると、好適な赤色の発光を有する点で好ましい。
また本発明に係る蛍光体は、上述の発光スペクトルにおける発光ピークの半値幅が、通常80nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは40nm以下、更に好ましくは20nm以下、特に好ましくは10nm以下、また通常1nm以上の範囲である。
なお上記の蛍光体をピーク波長の光で励起するには、例えば、キセノン光源を用いることができる。また本実施態様の蛍光体の発光スペクトルの測定は、例えば、蛍光分光光度計F−4500(日立製作所製)等を用いて行うことができる。発光ピーク波長および発光ピークの半値幅は、得られる発光スペクトルから算出することができる。
本発明に係る蛍光体は、通常300nm以上、好ましくは350nm以上、より好ましくは400nm以上、また、通常530nm以下、好ましくは500nm以下、より好ましくは460nm以下の波長範囲に励起ピークを有する。即ち、近紫外から緑色領域の光で励起される。
本発明に係る蛍光体は、上記の通り、近紫外から緑色領域の光で励起され、好適な赤色を発光する。そのためLED用などに好適に用いることができる。以下、本発明に係る蛍光体をLED用途に用いた場合の態様として、本発明に係る蛍光体を含む蛍光体含有組成物、発光装置、照明装置及び画像表示装置について詳説する。
本発明に係る蛍光体は、液体媒体と混合して用いることもできる。特に、本発明に係る蛍光体を発光装置等の用途に使用する場合には、これを液体媒体中に分散させた形態で用いることが好ましい。本発明に係る蛍光体を液体媒体中に分散させたものを、適宜「本発明に係る蛍光体含有組成物」などと呼ぶものとする。
本発明に係る蛍光体含有組成物に含有させる本発明に係る蛍光体の種類に制限は無く、上述したものから任意に選択することができる。また、本発明に係る蛍光体含有組成物に含有させる本発明に係る蛍光体は、1種のみであってもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。更に、本発明に係る蛍光体含有組成物には、本実施態様の効果を著しく損なわない限り、本発明に係る蛍光体以外の蛍光体を含有させてもよい。
本発明に係る蛍光体含有組成物に使用される液体媒体としては、該蛍光体の性能を目的の範囲で損なわない限りにおいて特に限定されない。例えば、所望の使用条件下において液状の性質を示し、本発明に係る蛍光体を好適に分散させるとともに、好ましくない反応を生じないものであれば、任意の無機系材料及び/又は有機系材料が使用でき、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドシリコーン樹脂などが挙げられる。
本発明に係る蛍光体含有組成物中の蛍光体及び液体媒体の含有率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、液体媒体については、本実施態様の蛍光体含有組成物全体に対して、通常50重量%以上、好ましくは75重量%以上であり、通常99重量%以下、好ましくは95重量%以下である。
なお、本発明に係る蛍光体含有組成物には、本実施態様の効果を著しく損なわない限り、蛍光体及び液体媒体以外に、その他の成分を含有させてもよい。また、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の発光装置は、第1の発光体(励起光源)と、当該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを有する発光装置であって、該第2の発光体として本発明に係る蛍光体を含有するものである。ここで、本発明に係る蛍光体は、何れか1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
以下、本発明に係る蛍光体が、600nm以上650nm以下の波長範囲に発光ピークを有し、且つ第一の発光体が350nm以上500nm以下の波長範囲に発光ピークを有するものを用いる場合の、発光装置の態様について記載するが、本実施態様はこれらに限定されるものではない。
(A)第1の発光体として、350nm以上500nm以下の波長範囲に発光ピークを有するものを用い、第2の発光体の第2の蛍光体として、560nm以上600nm未満の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種の蛍光体(黄色蛍光体)、及び本発明の係る蛍光体を用いる態様。
(B)第1の発光体として、350nm以上500nm以下の波長範囲に発光ピークを有するものを用い、第2の発光体の第2の蛍光体として、500nm以上560nm未満の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種の蛍光体(緑色蛍光体)、及び本発明に係る蛍光体を用いる態様。
上記(A)の態様における黄色蛍光体としては、例えば、下記の蛍光体が好適に用いられる。
ガーネット系蛍光体としては、例えば、(Y,Gd,Lu,Tb,La)3(Al,Ga)5O12:(Ce,Eu,Nd)、
オルソシリケートとしては、例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:(Eu,Ce)、
(酸)窒化物蛍光体としては、例えば、(Ba,Ca,Mg)Si2O2N2:Eu(SION系蛍光体)、(Li,Ca)2(Si,Al)12(O,N)16:(Ce,Eu)(α−サイアロン蛍光体)、(Ca,Sr)AlSi4(O,N)7:(Ce,Eu)(1147蛍光体)、(La,Ca,Y)3(Al,Si)6N11:Ce(LSN蛍光体)
などが挙げられる。
尚、上記蛍光体においては、ガーネット系蛍光体が好ましく、中でも、Y3Al5O12:Ceで表されるYAG系蛍光体が最も好ましい。
上記(B)の態様における緑色蛍光体としては、例えば、下記の蛍光体が好適に用いられる。
ガーネット系蛍光体としては、例えば、(Y,Gd,Lu,Tb,La)3(Al,Ga)5O12:(Ce,Eu,Nd)、Ca3(Sc,Mg)2Si3O12:(Ce,Eu)(CSMS)、
シリケート系蛍光体としては、例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)3SiO10:(Eu,Ce)、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:(Ce,Eu)(BSS蛍光体)、
酸化物蛍光体としては、例えば、(Ca,Sr,Ba,Mg)(Sc,Zn)2O4:(Ce,Eu)(CASO蛍光体)、
(酸)窒化物蛍光体としては、例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)Si2O2N2:(Eu,Ce)、Si6−zAlzOzN8−z:(Eu,Ce)(β−サイアロン蛍光体)(0<z≦1)、(Ba,Sr,Ca,Mg,La)3(Si,Al)6O12N2:(Eu,Ce)(BSON蛍光体)
アルミネート蛍光体としては、例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)2Al10O17:(Eu,Mn)(GBAM系蛍光体)
などが挙げられる。
本発明の発光装置においては、本発明に係る蛍光体の他に、その他の赤色蛍光体を併用してもよい。その他の赤色蛍光体としては、例えば、下記の蛍光体が好適に用いられる。
硫化物蛍光体としては、例えば、(Sr,Ca)S:Eu(CAS蛍光体)、La2O2S:Eu(LOS蛍光体)、
ガーネット系蛍光体としては、例えば、(Y,Lu,Gd,Tb)3Mg2AlSi2O12:Ce、
ナノ粒子としては、例えば、CdSe、
窒化物または酸窒化物蛍光体としては、例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu(S/CASN蛍光体)、(CaAlSiN3)1−x・(SiO2N2)x:Eu(CASON蛍光体)、(La,Ca)3(Al,Si)6N11:Eu(LSN蛍光体)、(Ca,Sr,Ba)2Si5(N,O)8:Eu(258蛍光体)、(Sr,Ca)Al1+xSi4−xOxN7−x:Eu(1147蛍光体)、Mx(Si,Al)12(O,N)16:Eu(Mは、Ca、Srなど)(αサイアロン蛍光体)、Li(Sr,Ba)Al3N4:Eu(上記のxは、いずれも0<x<1)などが挙げられる。
本実施態様の発光装置は、第1の発光体(励起光源)を有し、且つ、第2の発光体として少なくとも本発明の第一の実施態様に係る蛍光体を使用している他は、その構成は制限されず、公知の装置構成を任意にとることが可能である。
装置構成及び発光装置の実施形態としては、例えば、特開2007−291352号公報に記載のものが挙げられる。
その他、発光装置の形態としては、砲弾型、カップ型、チップオンボード、リモートフォスファー等が挙げられる。
本発明の発光装置の用途は特に制限されず、通常の発光装置が用いられる各種の分野に使用することが可能であるが、色再現範囲が広く、且つ、演色性も高いことから、中でも照明装置や画像表示装置の光源として、とりわけ好適に用いられる。
本発明の照明装置は、本発明の発光装置を光源として含むことを特徴とする。
本発明の発光装置を照明装置に適用する場合には、前述のような発光装置を公知の照明装置に適宜組み込んで用いればよい。例えば、保持ケースの底面に多数の発光装置を並べた面発光照明装置等を挙げることができる。
本発明の画像表示装置は、本発明の発光装置を光源として含むことを特徴とする。
本発明の発光装置を画像表示装置の光源として用いる場合には、その画像表示装置の具体的構成に制限は無いが、カラーフィルターとともに用いることが好ましい。例えば、画像表示装置として、カラー液晶表示素子を利用したカラー画像表示装置とする場合は、上記発光装置をバックライトとし、液晶を利用した光シャッターと赤、緑、青の画素を有するカラーフィルターとを組み合わせることにより画像表示装置を形成することができる。
{蛍光体の合成}
(比較例1)
K:Si:Mnのモル比率が2:0.90:0.10となるように秤量したKHF2、H2SiF6,K2MnF6をフッ化水素酸中で混合し、合成された蛍光体をろ過した。次いで、エタノールで洗浄した後、100℃で15時間乾燥させて比較例1の蛍光体を得た。
比較例1の蛍光体を用いて、下記の工程を行って実施例1の蛍光体を得た。
・工程
(ガス導入工程)
処理室内にMn付活フッ化物を設置した状態で、Mn付活フッ化物を100℃に加熱した。次いで、Ar/F2 10%を供給し、処理室内をフッ素含有化合物雰囲気下にした。
(加熱工程)
この後、60分間ほどかけて、Mn付活フッ化物を450℃まで加熱した。
(高温処理工程)
上記加熱工程に続き、Mn付活フッ化物を450℃に保持した状態で、Ar/F2 10%を10sccm処理室内を流通させ、240分間加熱処理した。なお、加熱処理中、処理室内の圧力は80kPaに保持した。
(後処理工程)
加熱処理後、炉を冷却した。
青色で発光する半導体発光素子と、シリコーン樹脂と緑色蛍光体であるBG−601/E(三菱化学社製)と、比較例1の蛍光体または実施例1の蛍光体とを混合して蛍光体含有組成物を製造し、蛍光体含有組成物を硬化させることによって発光装置を製造した。
発光装置が示す発光スペクトルの色度がCIEx=0.276±0.002、CIEy=0.263±0.002となるように蛍光体含有組成物を調製した。得られた発光装置について以下に記載の方法で点灯試験を行うことにより、発光装置における耐久性の評価を行った。
発光装置の点灯開始前(この時点を以下「0時間」という)に、発光スペクトルを測定した。比較例1の蛍光体を使った発光装置の輝度を100とし、実施例1の蛍光体を使った際の発光装置の輝度を表1に示す。
次いで、85℃の条件下、半導体発光装置を駆動電流150mAで連続通電し、通電開始から200時間 経過後に、前記0時間の場合と同様にして発光スペクトルを測定した。
20時間後に得られた発光スペクトルより色度座標CIExを算出し、0時間に得られた色度座標CIExからのずれ(ΔCx)を評価した。
比較例1または実施例1の蛍光体を用いた発光装置の耐久性試験の結果を表1に示した。
Claims (6)
- Mn付活フッ化物を設置した処理室内にフッ素含有ガスを導入するフッ素含有ガス導入工程と、前記処理室内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入工程と、
150℃以上に加熱する加熱工程と、
150℃以上で10分以上保持する高温処理工程とを含むことを特徴とする、Mn付活フッ化物蛍光体の製造方法。 - 前記高温処理工程において、処理室内の圧力を一定に保持した状態で、フッ素含有ガスを流通させることを特徴とする、請求項1に記載のMn付活フッ化物蛍光体の製造方法。
- 前記高温処理工程において、700℃以下とすることを特徴とする、請求項1又は2に記載のMnフッ化物蛍光体の製造方法。
- 前記加熱工程において、20℃/min以下の昇温速度で加熱することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のMnフッ化物蛍光体の製造方法。
- 前記高温処理工程において、処理室内の圧力を500kPa以下に制御することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のMnフッ化物蛍光体の製造方法。
- 前記Mn付活フッ化物蛍光体が、下記式[1]で表される結晶相を含む蛍光体であることを特徴とする、請求項1乃至5に記載のMnフッ化物蛍光体の製造方法。
MnmKaSibFc [1]
(上記式[1]中、m、a、b、cは、各々独立に、下記式を満たす値である。
0<m≦0.2
1.6≦a≦2.4
m+b=1
4.8≦c≦7.2)
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