JP2017149835A - 超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法 - Google Patents

超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 分子量50万以上700万以下の超高分子量ポリエチレン粒子から押出成形や圧縮成形により直接成形する際に、溶融時の流動性改良や金型からの離形性、金型の腐食防止を、金属石けんを添加するための新たな設備や多大なエネルギーを消費することなく行うことを可能とする超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】 金属マグネシウム、アルコール、チタンテトラアルコレート及び金属石けんを加熱・熟成した成分にハロゲン化アルミニウム化合物を反応させて得られる固体触媒成分(A)と、有機アルミニウム触媒成分(B)とからなる触媒系の存在下に、エチレンまたはエチレンとα−オレフィンとのスラリー重合を行う、分子量50万以上700万以下の超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、超高分子量ポリエチレンの粉体粒子中に均一に金属石けん成分を分散させることにより、押出成形などにおいて成形加工性に優れたポリエチレン成形体を与えることができる超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法に関する。さらに詳しくは、金属石けん由来成分を分散・含有した固体触媒成分(A)と有機アルミニウム触媒成分(B)とからなる触媒系の存在下に、エチレンまたはエチレンとα−オレフィンとのスラリー重合を行うことにより、生成する超高分子量ポリエチレンの粉体粒子中に均一に金属石けん成分が分散されることで、粉体粒子から直接成形加工する際に優れた成形加工性を有する超高分子量ポリエチレン粒子を製造する方法に関する。
エチレンを重合して得られるポリエチレンには、通常およそ2万〜30万の分子量で汎用樹脂として利用される一般的なポリエチレンと、分子量をおよそ50万〜700万まで高めたスーパーエンジニアリングプラスチックの一つとみなされる超高分子量ポリエチレンがある。一般的なポリエチレンは、成形加工やハンドリングを行いやすくするために、重合により生成したポリエチレン粉末粒子を一旦溶融した後にペレットと呼ばれる3〜5mm程度の球形または円柱形に固めた造粒物として利用される。ペレットを製造する工程において、必要に応じて安定剤、着色剤、充填剤、帯電防止剤、難燃剤などの各種配合剤を数ppm〜数千ppm溶融混練して配合することができる。
一方、超高分子量ポリエチレンは、低温から高温までの幅広い温度領域において非常に高い耐衝撃性を持つことや、耐摩耗性、自己潤滑性、耐薬品性に優れること、比重0.92〜0.94と他のエンジニアリングプラスチックと比較して軽量であること、吸水率が低く寸法安定性に優れること、など多くの優れた特徴を持ち、一般的なポリエチレンとは異なった用途で利用される。しかしながら、超高分子量ポリエチレンは、溶融時の流動性が極めて低いかあるいはほとんど無く、前述のペレットを製造することは事実上不可能で、粉体粒子の形で市販され、粉体粒子から直接成形加工が為されている。
超高分子量ポリエチレンの代表的な成形加工方法として、押出成形や圧縮成形と呼ばれる方法がある。例えば、押出成形によって中性子遮蔽板と呼ばれる厚さ10〜160mm、幅50〜1300mm、長さ50〜2400mm程度の板状成形物が製造され、使用されている。超高分子量ポリエチレンの特徴を活かし、鉛、タングステンなどに比べ非常に軽量で、木工加工機での穴開け加工が出来るなど利用価値が非常に高い。しかしながら、この板状成形物を押出加工で成形する際には、超高分子量ポリエチレンの流動性が著しく低いため、長さ方向には時間当たり数mm程度しか押し出すことが出来ない。
このため、押出成形では、溶融時の流動性を改善するために金属石けんが有用であることは以前から知られており利用されている。また、圧縮成形では金型からの樹脂の離形性や金型の腐食を防止するために金属石けんが有用であることは以前から知られている。しかしながら、前述のように超高分子量ポリエチレンはペレット化が事実上不可能なため、金属石けんの添加はペレット化以外の方法を用いなければならなかった。
金属石けんの添加方法として、例えば、超高分子量ポリエチレンの粉体粒子と金属石けんをV型ブレンダーやヘンシェルミキサーと呼ばれる混合用機器を用いて数十ppm〜数千ppm配合する方法が用いられてきた。しかしながら、この方法では粉体同士の混合であるため、金属石けんの偏在が生じてしまうことや、大掛かりな設備が必要であり混合に多大なエネルギーを要するなどの欠点を有していた。
また、超高分子量ポリエチレンの製造プロセスにおいて添加剤を超高分子量ポリエチレン粉末に添加する工程を持つプロセスが提案されている(例えば特許文献1参照。)。
他方、ポリエチレン樹脂の安定化方法として、マグネシウム、チタン、ハロゲンを必須とする固体触媒成分と有機アルミニウムからなる触媒を用いて重合して得た粉末状のポリエチレン樹脂を水蒸気処理した後に酸化防止剤を有機溶媒に溶解した状態で配合する方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
特公表2013−512973号公報 特開2003−231711号公報
しかしながら、特許文献1に提案の方法においては、粉体同士の混合であること、大掛かりな設備が必要であり多大なエネルギーを要するなどの課題を有するものであった。また、特許文献2に提案の方法においても大掛かりな設備と溶解に要するエネルギーが必要であり、課題が残されているものであった。
そこで、本発明は、分子量50万以上700万以下の超高分子量ポリエチレン粒子から押出成形や圧縮成形により直接成形する際に、溶融時の流動性改良や金型からの離形性、金型の腐食防止を、金属石けんを添加するための新たな設備や多大なエネルギーを消費することなく行うことを可能とする超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討を行った結果、金属石けんを含む触媒の存在下にエチレン又はエチレンとα−オレフィンを未溶融状態で重合することにより成形加工性に優れる超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、金属マグネシウム、アルコール、チタンテトラアルコレート、金属石けんを加熱・熟成した成分にハロゲン化アルミニウム化合物を反応させて得られる固体触媒成分(A)と、有機アルミニウム触媒成分(B)とからなる触媒系の存在下に、エチレンまたはエチレンとα−オレフィンとのスラリー重合を行い、分子量50万以上700万以下の超高分子量ポリエチレンを製造することを特徴とする超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法に関する。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法においては、製造時に使用する触媒系の固体触媒成分(A)の調製時、金属石けんをチタンテトラアルコレートの存在下に加熱・熟成、特に金属マグネシウム、アルコール、チタンテトラアルコレートの存在下に加熱・熟成することが有効であることと、その適正な利用方法・条件を見出したものである。すなわち、金属石けんは、通常の樹脂の溶融流動性改良や成形時の金型腐食防止に効果があることは以前より知られていた。しかしながら、金属石けんは水、アルコール、アセトン、酢酸エチルなどの主だった溶媒には不溶であり、トルエン、ジクロロベンゼンなどにも微量溶解する程度で、触媒成分中に均質な状態で含有させることは困難であった。本発明者らは、鋭意検討を行った結果、金属石けんをチタンテトラアルコレートの存在下に加熱・熟成することにより、固体触媒成分中に均質な状態で金属石けん由来成分を分散させることが可能となることを見出したものである。
本発明により、分子量50万以上700万以下の超高分子量ポリエチレン粒子から押出成形や圧縮成形により直接成形する際に、溶融時の流動性改良や金型の腐食防止を新たな設備や多大なエネルギーを消費することなく行うことができる超高分子量ポリエチレン粒子を提供することが可能となる。
本発明の製造方法に用いる触媒系は、固体触媒成分(A)と有機アルミニウム成分(B)とからなるものである。
該固体触媒成分(A)は、金属マグネシウム、アルコール、チタンテトラアルコレート、金属石けんを加熱・熟成してなる成分に、ハロゲン化アルミニウムを反応してなるものであり、その際、少なくとも金属石けんとチタンテトラアルコレートとを加熱・熟成して調製してなるものである。そして、金属マグネシウム、アルコール、チタンテトラアルコレート、金属石けんとしては、以下のものがあげられる。
金属マグネシウムとしては、一般に金属マグネシウムと称せられるものでよく、その各種の形状、すなわち粉末、粒子、箔またはリボンなどのいずれの形状のものも使用できる。アルコールとしては、例えば1〜18個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖脂肪族アルコール、脂環式アルコールまたは芳香族アルコールを挙げることができる。該アルコ−ルの具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、i−オクタノール、n−ステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールなどがあげられる。これらのアルコールは、単独または2種類以上の混合物として使用される。
さらに、金属マグネシウムを使用して該固体触媒成分(A)を調製する際には、反応を促進する目的から、金属マグネシウムと反応したり、付加化合物を生成したりするような物質、例えばヨウ素、ハロゲン化アルキル、有機酸エステル、有機酸などのような極性物質を、単独または2種類以上添加することが好ましい。
また、チタンテトラアルコレートの具体例としては、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシドなどがあげられる。またいくつかの異なる炭化水素基を有するアルコレートを使用してもよく、更にこれらのチタンテトラアルコレートは単独または2種類以上の混合物として使用される。
金属石けんとしては、例えば長鎖脂肪酸とナトリウム・カリウム以外の金属塩を挙げることができ、具体的には、ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、オクチル酸、パルミチン酸などの脂肪酸と、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛などの金属塩を用いることができる。更に詳しくは、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、パルミチン酸カルシウムなどがあげられる。
該固体触媒成分(A)の調製、すなわち、金属マグネシウムとアルコール、チタンテトラアルコレート、金属石けんとの加熱・熟成による調製は、例えば金属マグネシウムの粉末、箔、リボンとアルコールとチタンテトラアルコレートとを、金属マグネシウムとアルコールのモル比が1:2〜1:4、好ましくは1:2〜1:2.5の割合で、また金属マグネシウムとチタンテトラアルコレートとのモル比が1:0.1〜1:4.0、好ましくは1:0.25〜1:2.0の割合で反応を行う。この範囲内で加熱・熟成を行うことにより、特に均質な固体触媒成分となり触媒活性の高い触媒系とするこができると共に、紛体性状・粒径の整った触媒系となり、良好な超高分子量ポリエチレン粒子を得ることが可能となる。
金属石けんの使用量としては、得られる超高分子量ポリエチレン粒子が、紛体特性、溶融流動性改良や成形時の金型腐食防止に優れ、チタンテトラアルコレートに対して重量比で1:0.01〜1:1程度が好ましく、特に重量比で1:0.1〜1:0.5程度を用いることが好ましい。
そして、金属マグネシウム、アルコール、チタンテトラアルコレート、金属石けんを加熱・熟成する際の反応は、還流下あるいは加圧下50〜150℃の温度で、1〜10時間、好ましくは2〜6時間行い、金属マグネシウムを溶解させ液状物質とする。この反応を促進する物質として、例えばヨウ素を用いる場合、金属マグネシウムに対してヨウ素を重量比で1:0.01〜0.1程度用いると良い。
次いで、加熱・熟成した液状物質にヘキサン、トルエン等の不活性有機溶媒を添加することで、次のハロゲン化アルミニウム化合物との反応による固体触媒成分(A)の生成をスムーズに行うことができる。ハロゲン化アルミニウムとの反応は、撹拌下に行うことで沈殿成分を析出させ、チタン・マグネシウム・金属石けんを含有する固体触媒成分(A)を得ることができる。その際の撹拌条件として、好ましくは撹拌レイノルズ数50000以上の撹拌下に反応させることにより、平均粒径50μm以上200μm以下、粒径の標準偏差が0.2以下の良好な粉体特性を持つ超高分子量ポリエチレン粒子を得ることが可能となる触媒系を効率よく調製できる。
本発明において用いられるハロゲン化アルミニウムとしては、一般式RnAlX3−nで示すことができる。その際のRとしては、例えば1〜20個、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは0<n<3の数、好ましくは0<n≦2の数を挙げることができる。そして、Rは、直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、アリール基およびアルキルアリール基から選ばれることが好ましい。
該ハロゲン化アルミニウム化合物の具体例としては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジプロピルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、i−ブチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、i−ブチルアルミニウムセスキクロリド、トリエチルアルミニウムと三塩化アルミニウムの混合物などがあげられる。
該ハロゲン化アルミニウムの使用量としては、形状が安定であり、紛体性状、触媒活性に優れる触媒系を提供することが可能な固体触媒成分(A)となることから、マグネシウムとアルミニウムのモル比が1:2〜1:20、特に1:3〜1:10の割合で反応させることが好ましい。そして、該固体触媒成分(A)を調製する際の反応温度は100℃以下が好ましく、特に40〜70℃の範囲が好ましい。また、反応時間としては、1〜6時間程度を挙げることができる。
かくして得た固体触媒成分(A)は、濾過や傾斜法により未反応成分、不純物等を除去してから重合反応に用いることができる。また、該固体触媒成分(A)は、そのまま懸濁状態で重合に供することができるが、場合によっては、溶媒から分離してもよく、さらには常圧あるいは減圧下で加熱して溶媒を除去し乾燥した状態で使用することもできる。
該固体触媒成分(A)を調製するにあたり、金属マグネシウム、アルコール、チタンテトラアルコレート、金属石けん、ハロゲン化アルミニウムの各成分は全て必須である。例えば、金属マグネシウムを用いずに触媒系を調製すると触媒活性が低く、かつ粉体性状が悪く綿状のフカフカで嵩密度の低いポリエチレンしか得られない。綿状で嵩密度の低い粉体では、ペレット化せずに直接押出成形や圧縮成形に利用することが出来ない。アルコールを用いずに固体触媒を調製すると金属マグネシウムが未反応となり、金属マグネシウムを用いない場合と同様に触媒活性が低く、かつ粉体性状が悪いポリエチレンしか得られず、直接押出成形や圧縮成形に利用することが出来ない。チタンテトラアルコレートを用いずに触媒系を調製しても重合活性が発現せず、ポリエチレンが得られない。金属石けんを用いずに触媒系を調製すると、触媒活性は高いものの金属石けん由来成分の効果である成形加工性での利点が失われる。ハロゲン化アルミニウムを用いないと固体として触媒成分を得ることが出来ず、ポリエチレンが得られずにエチレンが二量化した1−ブテンなどが得られ、本願発明の目的から外れたものとなる。
触媒系の触媒成分である有機アルミニウム触媒成分(B)としては、有機アルミニウム化合物と称されるものでよく、例えば直鎖または分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基を持つアルミニウム化合物が挙げられ、具体的には、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウムなどがあげられる。該有機アルミニウム触媒成分(B)としては、このほか炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル金属水素化物を使用することができる。このような化合物としては、具体的にはジイソブチルアルミニウム水素化物などをあげることができる。
本発明の超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法においては、いわゆるチーグラー法の一般的なスラリー重合反応方法、反応設備を用いて行うことができる。すなわち、連続式またはバッチ式で生成ポリマーの融点以下、好ましくは20〜90℃の温度で重合を行う。重合圧としては特に限定はなく、中でも、加圧下、特に0.1〜5MPaの使用が適している。また、重合反応時に使用する不活性溶媒として通常使用されるいかなるものも使用しうる。特に4〜20個の炭素原子を有するアルカンまたはシクロアルカン、例えばイソブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどが適している。重合工程において使用する反応器としては、撹拌槽型撹拌器など当該技術分野で通常用いられるものであれば適宜使用することができる。撹拌槽型撹拌器を用いる場合、撹拌機としては、イカリ型撹拌機、スクリュー型撹拌機、リボン型撹拌機など種々の型の撹拌機を用いることができる。
本発明の超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法におけるチタン・マグネシウムを含有する固体触媒成分(A)の使用量としては、溶媒1リットル当たりまたは反応器1リットル当たり、通常チタン原子0.001〜2.5ミリモルに相当する量で使用することが好ましく、条件により一層高い濃度で使用することもできる。また、有機アルミニウム触媒成分(B)は、溶媒1リットル当たり、または反応器1リットル当たり、0.02〜50ミリモルが好ましく、特に0.2〜5ミリモルの濃度であることが好ましい。
また、本発明の超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法においては、水素を適当量反応系内に存在させる方法によりその分子量を調節することができる。そして、粘度平均分子量50万以上700万以下を有する超高分子量ポリエチレン粒子を効率よく製造することが可能となることから、水素濃度をエチレンに対して0〜10%とすることが好ましい。
以下に、本発明を実施例により示すが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
なお、実施例、比較例における評価は以下の方法により行った。
〜触媒活性〜
触媒活性は、チタン・マグネシウムを含有する固体触媒成分(A)1g当たりの重合体生成量(g)で表わす。
〜極限粘度、粘度平均分子量〜
溶媒デカリン、ウベロードを用い135℃で測定した溶液の極限粘度を測定し、次に示す粘度式により粘度平均分子量Mvを求めた。
極限溶液粘度=係数K×粘度平均分子量Mv×係数α
(係数K;6.20×10−4、係数α;0.70)
〜平均粒子径及び標準偏差〜
得られた超高分子量ポリエチレン粒子をJIS Z−8801の篩(目開き1000〜75μm)によって分級し、分級結果を確率対数紙の横軸に粒子径を縦軸に重量積算値をプロットし最小二乗法によって近似直線を算出し求めた。具体的には、重量積算値50%に対する粒径が平均粒径であり、重量積算値84%に対する粒径と平均粒径の比の対数値を標準偏差とした。また、粗大粒子の割合としては、粒径400μmより大きい重合体粒子の割合(重量%)で示した。
〜衝撃強度〜
得られた超高分子量ポリエチレン粒子を用いて圧縮成形により衝撃強度測定試験片を作成し、シャルピー衝撃試験機を用いてその衝撃強度を測定した。測定条件はJIS K6936−2に準じた。
〜超高分子量ポリエチレン粒子の流動性〜
得られた超高分子量ポリエチレン粒子の溶融時の流動性は、内径9.55mmのシリンダーを持つ宝工業(株)製のメルトインデクサーを用いて190℃にて評価した。温度を190℃に調整した金属製炉内にあるシリンダーの最下部に口径3.0mmのキャピラリーダイを取り付け、5.0gの粉体粒子状の樹脂を挿入し、十分にエアー抜きをした状態で190℃にて6分間保持した。その後シリンダー上部に211.82Nの荷重をかけて4分間樹脂を溶融押出した後、6分間に押出された溶融樹脂量を測定し、10分間の押出量に換算した値を溶融流動性(g/10分)とした。
〜金属成分の分析〜
固体触媒成分(A)中のチタン含有量は、固体触媒成分(A)を酸性下で溶液とした後、誘導結合プラズマ発光分光分析装置を用いて測定した。また、超高分子量ポリエチレン粒子中のチタン残量は、圧縮成形によりポリエチレンプレートを作成した後、蛍光X線分析装置を用いて測定した。
実施例1
(固体触媒成分(A1)の調製)
撹拌装置を備えた1リットルのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末8.0g(0.33モル)、ステアリン酸マグネシウム粉末90g(0.15モル)、およびチタンテトラブトキシド224g(0.66モル)を入れ、ヨウ素0.4gを溶解したn−ブタノール52g(0.70モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で140℃にて3時間撹拌し金属マグネシウムを反応させた。次いで、ヘキサン560mlを加えて、加熱・熟成した成分940mlを得た。
この成分150ml(金属マグネシウム成分として0.053モル含む)を別途用意した撹拌装置を備えた500mlガラスフラスコに移し、45℃でエチルアルミニウムジクロライド0.27モルを含むヘキサン溶液80mlを加え、さらに60℃で1時間撹拌し粒子を生成させた。次いで、ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反応物および副生成物を除去し、固体触媒成分(A1)を得た。組成を分析したところチタン含有量は7.8wt%であった。
(超高分子量ポリエチレン粒子の製造)
内容積2リットルのステンレススチール製電磁撹拌式オートクレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2リットルを仕込み、内温を65℃に調節した。その後、触媒成分(B1)としてトリ−i−ブチルアルミニウム0.23g(1.2ミリモル)および前記で得た固体触媒成分(A1)42.3mgを含有するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を0.08MPaGに調節した後、オートクレーブ内圧が0.8MPaGになるように、連続的にエチレンを加えながら2時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反応ガスを追い出して超高分子量ポリエチレンを取り出し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
その結果、嵩密度は0.30g/cmの超高分子量ポリエチレン粒子182gが得られた。活性は4300g/gに相当し、超高分子量ポリエチレン粒子中のチタン残量は18.1ppmであり、固体触媒成分(A1)に由来する成分を230ppm含有していた。得られた超高分子量ポリエチレン粒子の粘度平均分子量Mvは180万であった。溶融流動性は0.14g/10分で、シャルピー衝撃強度は85KJ/mであった。
比較例1
ステアリン酸マグネシウムを用いることなく固体触媒成分を調整した以外は、実施例1と同様の方法により、固体触媒成分、触媒系を調製し、エチレンの重合を実施した。すなわち、撹拌装置を備えた1リットルのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末8.0g(0.33モル)、およびチタンテトラブトキシド224g(0.66モル)を入れ、ヨウ素0.4gを溶解したn−ブタノール52g(0.70モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で140℃にて2時間撹拌し金属マグネシウムを反応させた。次いで、ヘキサン560mlを加えて、加熱・熟成した成分860mlを得た。
この成分150ml(金属マグネシウム成分として0.058モル含む)を別途用意した撹拌装置を備えた500mlガラスフラスコに移し、45℃でエチルアルミニウムジクロライド0.29モルを含むヘキサン溶液86mlを加え、さらに60℃で1時間撹拌し粒子を生成させた。次いで、ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反応物および副生成物を除去し、固体触媒成分を得た。組成を分析したところチタン含有量は14.2wt%であった。
この固体触媒成分12.6mgを用いて、実施例1のエチレンの重合と同様の操作を行い、超高分子量ポリエチレンを得た。その結果、嵩密度は0.38g/cmの超高分子量ポリエチレン粒子230gが得られた。活性は18300g/gに相当し、超高分子量ポリエチレン中のチタン残量は7.7ppmであり、固体触媒成分に由来する成分を54ppm含有していた。得られた超高分子量ポリエチレン粒子の粘度平均分子量Mvは190万であった。溶融流動性は0.03g/10分で、実施例1に比較し流動性が30%しかない非常に低いものであった。なお、シャルピー衝撃強度は90KJ/mであった。
比較例2
金属マグネシウムを用いなかった以外は、実施例1と同様の方法により固体触媒成分、触媒系を調製し、エチレンの重合を実施した。すなわち、撹拌装置を備えた1000mlのガラスフラスコに、ステアリン酸マグネシウム粉末90g(0.15モル)、およびチタンテトラブトキシド224g(0.66モル)を入れ、ヨウ素0.4gを溶解したn−ブタノール52g(0.70モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに窒素シール下で140℃にて2時間撹拌した。次いで、ヘキサン560mlを加えて、加熱・熟成した成分850mlを得た。
この成分150mlを別途用意した撹拌装置を備えた500mlガラスフラスコに移し、45℃でエチルアルミニウムジクロライド0.29モルを含むヘキサン溶液86mlを加え、さらに60℃で1時間撹拌し粒子を生成させた。次いで、ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反応物および副生成物を除去し、固体触媒成分を得た。組成を分析したところチタン含有量は11.7wt%であった。
この固体触媒成分66mgを用いて、実施例1のエチレンの重合と同様の操作を行い、超高分子量ポリエチレンを得た。その結果、綿状のポリエチレン185gが得られ、嵩密度は0.16g/cmであった。活性は2800g/gに相当し、ポリエチレン中のチタン残量は41.8ppmであり、固体触媒成分に由来する成分を360ppm含有していた。得られた線状のポリエチレンの粘度平均分子量Mvは85万であった。溶融流動性の測定は、形状が綿状でメルトインデクサーのシリンダーに導入することが困難なため、測定できなかった。このことにより、該綿状体を直接押出成形や圧縮成形にて成形することは不可能なポリエチレンであると判断した。
比較例3
固体触媒成分を調整するにあたり、金属マグネシウムの代わりに塩化マグネシウムを、チタンテトラアルコレートの代わりに四塩化チタンを用いた以外、実施例1と同様の方法により固体触媒成分、触媒系の調製、エチレンの重合を行った。すなわち、直径4mmのステンレス製ボールが1.2kg入った内容積420mlのステンレス製ポットに無水塩化マグネシウム10.4g、ステアリン酸マグネシウム5.6g、四塩化チタン2.2gを窒素雰囲気下で封入し、振動ミルで12時間共粉砕した。粉砕後、得られた固体粉末をヘプタンで洗浄を繰り返し、組成を分析したところチタン含有量は2.4wt%であった。
この固体触媒成分を用いて、実施例1のエチレンの重合と同様の操作を行い、超高分子量ポリエチレンを得た。
その結果、嵩密度は0.17g/cmの綿状のポリエチレン123gが得られた。活性は3200g/gに相当し、ポリエチレン中のチタン残量は7.5ppmであり、固体触媒成分に由来する成分を310ppm含有していた。得られた超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量Mvは210万であった。溶融流動性の測定は、形状が綿状のようでメルトインデクサーのシリンダーに導入することが困難なため、測定できなかった。このことは、該綿状体を直接押出成形や圧縮成形にて成形することは不可能なポリエチレンであると判断した。また、チタンテトラアルコレートの有用性を確認した。
実施例2
(固体触媒成分(A2)の調製)
撹拌装置を備えた1リットルのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末8.0g(0.33モル)、ステアリン酸カルシウム粉末18g(0.03モル)、およびチタンテトラブトキシド45g(0.13モル)を入れ、ヨウ素0.4gを溶解したn−ブタノール52g(0.70モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で140℃にて3時間撹拌し金属マグネシウムを溶解させた。次いで、ヘキサン560mlを加えて、加熱・熟成した成分720mlを得た。
この溶液150ml(金属マグネシウム成分として0.068モル含む)を別途用意した撹拌装置を備えた500mlガラスフラスコに移し、45℃でi−ブチルアルミニウムジクロライド0.40モルを含むヘキサン溶液148mlを加え、さらに60℃で1時間撹拌し粒子を生成させた。次いで、ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反応物および副生成物を除去し、固体触媒成分(A2)を得た。組成を分析したところチタン含有量は5.1wt%であった。
(超高分子量ポリエチレン粒子の製造)
該固体触媒成分(A2)40.6mgを用いて、実施例1のエチレンの重合と同様の操作を行い、超高分子量ポリエチレンを得た。その結果、嵩密度は0.26g/cmの超高分子量ポリエチレン粒子225gが得られた。活性は5500g/gに相当し、超高分子量ポリエチレン粒子中のチタン残量は9.3ppmであり、固体触媒成分に由来する成分を180ppm含有していた。得られた超高分子量ポリエチレン粒子の粘度平均分子量Mvは102万であった。溶融流動性は0.29g/10分で良好な流動性であった。また、シャルピー衝撃強度は70KJ/mであった。
実施例3
(固体触媒成分(A3)の調製)
撹拌装置を備えた1リットルのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末8.0g(0.33モル)、ステアリン酸カルシウム粉末9g(0.015モル)、およびチタンテトラブトキシド45g(0.13モル)を入れ、ヨウ素0.4gを溶解したn−ブタノール52g(0.7モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で140℃にて3時間撹拌し金属マグネシウムを溶解させた。次いで、ヘキサン560mlを加えて、加熱・熟成した成分720mlを得た。
この溶液150ml(金属マグネシウム成分として0.068モル含む)を別途用意した撹拌装置を備えた500mlガラスフラスコに移し、45℃でi−ブチルアルミニウムジクロライド0.27モルを含むヘキサン溶液100mlを加え、さらに60℃で1時間撹拌し粒子を生成させた。次いで、ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反応物および副生成物を除去し、固体触媒成分(A3)を得た。組成を分析したところチタン含有量は6.8wt%であった。
(超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法)
この固体触媒成分(A3)28.5mgを用いて、実施例1のエチレンの重合と同様の操作を行い、超高分子量ポリエチレン粒子を得た。その結果、嵩密度は0.31g/cmの超高分子量ポリエチレン粒子202gを得た。活性は7100g/gに相当し、超高分子量ポリエチレン粒子中のチタン残量は9.5ppmであり、固体触媒成分に由来する成分を140ppm含有していた。得られた超高分子量ポリエチレン粒子の粘度平均分子量Mvは140万であった。溶融流動性は0.21g/10分で良好な流動性であった。また、シャルピー衝撃強度は80KJ/mであった。
実施例4
(固体触媒成分(A4)の調製)
撹拌装置を備えた1リットルのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末8.0g(0.33モル)、ステアリン酸亜鉛粉末9g(0.014モル)、およびチタンテトラブトキシド45g(0.13モル)を入れ、ヨウ素0.4gを溶解したn−ヘキサノール72g(0.7モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で140℃にて3時間撹拌し金属マグネシウムを溶解させた。次いで、ヘキサン560mlを加えて、加熱・熟成した成分730mlを得た。
この溶液150ml(金属マグネシウム成分として0.068モル含む)を別途用意した撹拌装置を備えた500mlガラスフラスコに移し、45℃でi−ブチルアルミニウムジクロライド0.27モルを含むヘキサン溶液100mlを加え、さらに60℃で1時間撹拌し粒子を生成させた。次いで、ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反応物および副生成物を除去し、固体触媒成分(A4)を得た。組成を分析したところチタン含有量は7.1wt%であった。
(超高分子量ポリエチレン粒子の製造)
この固体触媒成分(A4)38.0mgを用いて、実施例1のエチレンの重合と同様の操作を行い、超高分子量ポリエチレン粒子を得た。その結果、嵩密度は0.26g/cmの超高分子量ポリエチレン粒子198gが得られた。活性は5200g/gに相当し、超高分子量ポリエチレン粒子中のチタン残量は13.6ppmであり、固体触媒成分に由来する成分を190ppm含有していた。得られた超高分子量ポリエチレン粒子の粘度平均分子量Mvは115万であった。溶融流動性は0.26g/10分で良好な流動性であった。また、シャルピー衝撃強度は75KJ/mであった。
実施例5
実施例3で調製した固体触媒成分(A3)を用いて、重合温度を下げて分子量の異なる超高分子量ポリエチレン粒子を製造した。すなわち、内容積2リットルのステンレススチ−ル製電磁撹拌式オートクレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2リットルを仕込み、内温を55℃に調節した。その後、触媒成分(B)としてトリ−i−ブチルアルミニウム0.23g(1.2ミリモル)および実施例3で得た固体触媒成分(A3)28.0mgを含有するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を0.08MPaGに調節した後、オートクレーブ内圧が0.9MPaGになるように、連続的にエチレンを加えながら2時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反応ガスを追い出して超高分子量ポリエチレンを取り出し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
その結果、嵩密度は0.33g/cmの超高分子量ポリエチレン粒子177gを得た。活性は6300g/gに相当し、超高分子量ポリエチレン粒子中のチタン残量は18.1ppmであり、固体触媒成分(A)に由来する成分を160ppm含有していた。得られた超高分子量ポリエチレン粒子の粘度平均分子量Mvは200万であった。溶融流動性は0.12g/10分で、シャルピー衝撃強度は95KJ/mであった。
実施例6
実施例3で調製した固体触媒成分(A3)を用いて、分子量調節剤として水素を用いて分子量の異なる超高分子量ポリエチレン粒子を製造した。すなわち、内容積2リットルのステンレススチール製電磁撹拌式オートクレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2リットルを仕込み、内温を70℃に調節した。その後、触媒成分(B1)としてトリ−i−ブチルアルミニウム0.23g(1.2ミリモル)および実施例3で得た固体触媒成分(A3)31.1mgを含有するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を0.08MPaGに調節した後、水素を0.04MPa加え、オートクレーブ内圧が0.9MPaGになるように、連続的にエチレンを加えながら2時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反応ガスを追い出して超高分子量ポリエチレン粒子を取り出し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
その結果、嵩密度は0.32g/cmの超高分子量ポリエチレン粒子211gを得た。活性は6800g/gに相当し、超高分子量ポリエチレン粒子中のチタン残量は7.2ppmであり、固体触媒成分(A)に由来する成分を150ppm含有していた。得られた超高分子量ポリエチレン粒子の粘度平均分子量Mvは60万であった。溶融流動性は0.82g/10分で、シャルピー衝撃強度は50KJ/mであった。
本発明により得られる超高分子量ポリエチレン粒子は、粒子生成段階から金属石けん由来成分を分散・含有しており、押出成形、圧縮成形において金属石けんを追加添加することなく成形加工性、金型離形性、金型耐腐食性に優れる成形が可能となる。このため、該超高分子量ポリエチレン粒子を各種成形品として用いることが可能であり、その利用可能性は極めて高いものである。

Claims (2)

  1. 金属マグネシウム、アルコール、チタンテトラアルコレート及び金属石けんを加熱・熟成した成分にハロゲン化アルミニウム化合物を反応させて得られる固体触媒成分(A)と、有機アルミニウム触媒成分(B)とからなる触媒系の存在下に、エチレンまたはエチレンとα−オレフィンとのスラリー重合を行い、分子量50万以上700万以下の超高分子量ポリエチレンを製造することを特徴とする超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法。
  2. 固体触媒成分(A)が、金属石けんをチタンテトラアルコレートの存在下に加熱・熟成し、金属マグネシウム、アルコールの存在下で再度加熱・熟成した成分にハロゲン化アルミニウム化合物を反応させて得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法。
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