JP2017149020A - 成形品の粘弾性構造解析装置、方法、プログラム、および媒体 - Google Patents

成形品の粘弾性構造解析装置、方法、プログラム、および媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】成形品の変形形状を高速に精度よく解析する解析装置の提供。【解決手段】プログラムされたコンピュータによって成形品の構造解析を実施する成形品の解析装置であって、該成形品をメッシュ分割する計算モデル作成手段またはメッシュ分割された該成形品の計算モデルを読み込む計算モデル読み込み手段のいずれか一方を備え、該成形品の粘弾性物性を定義する物性定義手段22または該成形品の粘弾性物性を読み込む物性読み込み手段のいずれか一方を備え、該メッシュを構成する複数の節点または複数の要素のいずれか一方に対してそれぞれ個別に、歪み又は応力のいずれか一方の経時変化を解析する粘弾性解析手段24により得られた歪み又は応力のいずれか一方を境界条件として該メッシュの全体マトリクスを解くことで、成形品の構造解析27を行い、前記構造解析の結果より該成形品の変位又は応力またはひずみのいずれか一つを解析する成形品の構造解析方法。【選択図】図3

Description

本発明は、成形品、特に射出成形、射出圧縮成形、またはトランスファー成形によって成形される成形品の粘弾性を考慮した解析装置、方法、プログラム、および媒体に関するものである。
成形の試作回数や金型の製作回数を削減して製品のコストや納期を短縮するため、また最適な成形条件を探索するために、事前に数値計算によるシミュレーションを実施することは非常に重要である。
しかし、単にシミュレーションを実施すればよいというわけではなく、成形における物理現象や成形対象となる材料の物性を正しく考慮して数値計算することが重要である。その有効な手法として、特許文献1から特許文献10では粘弾性を考慮した解析が有効としている。
例えば、特許文献1では、射出成形法や圧縮成形法または射出圧縮成形法によって製作される成形品に対し、その製作時間の履歴に沿った微小時間における金型および成形品の温度変化を温度変化算出手段によって算出し、この温度変化算出手段によって算出された温度変化に対応して金型および成形品に発生する熱ひずみ量を熱ひずみ量算出手段によって算出し、この熱ひずみ量算出手段によって算出された熱ひずみ量と、データ記憶部に記憶された時間−温度換算則に基づく応力緩和データとから成形品の内部応力を内部応力算出手段によって算出し、この内部応力算出結果に基づき、成形品の最終的な形状を最終形状予測手段によって予測する成形品の仕上がり形状予測方法を提案している。
特許文献1の方法は、成形材料のガラス転移点温度以下の固体相における粘弾性試験と、ガラス転移点温度以上の溶融相における粘弾性試験とを行い、その両者のデータを繋ぎ合わせて連続した緩和弾性係数のマスターカーブと、時間−温度換算則を導入した温度シフトファクターとがデータ記憶部に記憶されている。そして、微小時間における熱ひずみに対し、それにより発生する応力の時間経過による綬和現象を反映させ、全冷却時間に亙ってこれを履歴積分することにより、冷却中の温度や圧力の履歴を取り扱うようにしている。特許文献1の方法を用いることによって、冷却時間の長短や、冷却水温度の高低、あるいは成形圧力の大小に対応した形状の変化をほぼ正確に評価することができるので、実際に金型を使用して成形作業を行わなくても、その金型での最適成形条件を予測設定することができるようになり、実際に金型を製作する前に成形品の加工精度を予測したり、設備の能力を予測したりすることができるので、金型の修正作業や、作り直し、あるいは設備の補充などを回避することができ、経済的にも時間的にも多大な負荷を削減することができることが示されている。
しかし、一般に特許文献1から10に示される粘弾性解析を実行するためには、履歴を考慮した畳み込み積分が必要であるため、変位、ひずみ、応力等の機械的特性データを格納するメモリーを非常に大きくなる問題、非線形解析の計算時間が長くなりすぎる問題、効率的な並列化計算を行うことが困難であるという問題、計算が不安定になる問題などがあった。
さらには、成形品が複雑な形状の場合、計算メッシュの規模も大きくなるため、非線形解析のすべてのステップについて、全体マトリクスを用いて粘弾性解析を行うと莫大な計算時間になってしまう問題があった。
特開平11−138610号公報 特開2001−191336号公報 特開2001−293748号公報 特開2003−11199号公報 特開2003−326581号公報 特開2004−9570号公報 特開2004−160700号公報 特開2006−187941号公報 特開2006−313556号公報 特開2007−45118号公報
本発明は、粘弾性を考慮した成形品の解析について、変位、ひずみ、応力等の機械的特性データを格納するメモリー、および計算時間を削減することが可能な成形品の解析装置、方法、プログラム、および記憶媒体を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明に係る成形品の構造解析を実施する成形品の解析装置または方法は、プログラムされたコンピュータによって構造解析を実施する解析装置もしくは方法であって、少なくとも該成形品をメッシュ分割する計算モデル作成手段もしくはステップ、またはメッシュ分割された該成形品の計算モデルを読み込む計算モデル読み込み手段もしくはステップのいずれか一方を備え、少なくとも該成形品の粘弾性物性を定義する物性定義手段もしくはステップ、または該成形品の粘弾性物性を読み込む物性読み込み手段もしくはステップのいずれか一方を備え、該メッシュを構成する複数の節点または複数の要素の少なくともいずれか一方に対してそれぞれ個別に、少なくともひずみまたは応力のいずれか一方の経時変化を解析する粘弾性解析手段またはステップを備え、前記粘弾性解析手段もしくはステップにより得られた少なくともひずみまたは応力のいずれか一方を境界条件として該メッシュの全体マトリクスを解くことで、該成形品の構造解析を行う構造解析手段またはステップを備え、前記構造解析の結果より該成形品の変位または応力またはひずみの少なくともいずれか一つを解析することを特徴とする。
該メッシュを構成する複数の節点または複数の要素の少なくともいずれか一方に対してそれぞれ個別に、少なくともひずみまたは応力のいずれか一方の経時変化を解析する粘弾性解析手段またはステップを備えることにより、経時変化の解析は全体マトリクスを用いて解析を行わないため、省メモリー化、並列化計算の効率アップ、計算の安定性向上(計算が発散しない)を図ることができる。そして、前記粘弾性解析手段により得られた少なくともひずみまたは応力のいずれか一方を境界条件として該メッシュの全体マトリクスを解くことで、該成形品の構造解析を行う構造解析手段またはステップを備えることにより、各ステップ全体マトリクスを用いて計算した場合と同等の結果を得ることが可能である。
また、上述の課題を解決するために、本発明に係る構造解析を実施する解析装置または方法は、前記成形品が型により賦形して成形するものであって、前記粘弾性解析手段もしくはステップは、前記成形品が該型の中で賦形している時は全ひずみを、該型から取り出した後は弾性ひずみを時間tの関数値として、緩和を考慮した応力およびひずみを解くことを特徴とする。
例えば型が樹脂射出成形の金型のケースでは、成形品が金型内にある場合は、金型寸法を基準として、金型の開き量の時間変化が分かっていれば、任意の時間の全ひずみを関数化することができ、また金型から取り出された後であれば、成形品にかかっている力に応じて、任意の時間の弾性ひずみを関数化することができ、これらの値を境界条件に、該メッシュを構成する複数の節点または複数の要素の少なくともいずれか一方に対してそれぞれ個別に粘弾性計算を行うことができる。
また、上述の課題を解決するために、本発明に係る構造解析を実施する解析装置または方法は、成形品の材料が樹脂またはガラスまたはゴムであることを特徴とする。
粘弾性挙動は、特にガラス状態下で発生する特徴があるため、本発明を適用する成形品は、金属よりも、樹脂、ガラス、ゴムの成形品に適用することが特に好ましい。
また、上述の課題を解決するために、本発明に係る構造解析を実施する解析装置または方法は、成形品が射出成形、射出圧縮成形、トランスファー成形、圧縮成形、押出成形または鋳造によって成形された成形品であることを特徴とする。
本発明は、成形法に依存しないが、これらの成形方法の場合、該メッシュを構成する複数の節点または複数の要素の少なくともいずれか一方に対してそれぞれ個別に、ひずみまたは応力状態の境界条件を設定しやすいため、これらの成形方法に適用することが特に好ましい。
また、上述の課題を解決するために、本発明に係る構造解析を実施する解析装置または方法は、成形品の材料が少なくとも該成形品の材料の配向または該成形品の材料に含有する強化物の配向のいずれか一方によって、配向異方性を有することを特徴とする。
配向異方性を有する場合、成形後の変位または応力またはひずみなどの機械的特性が特に顕著になるため、実際の成形前に解析による評価を行うことが、配向異方性を有さない材料の場合と比較して特に重要となる。
また、上述の課題を解決するために、本発明に係る解析プログラムは、前記のいずれかの方法を用いて、成形品の解析をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、上述の課題を解決するために、本発明に係る記憶媒体は、前記のプログラムを記録していることを特徴とする。
本発明によれば、該メッシュを構成する複数の節点または複数の要素の少なくともいずれか一方に対してそれぞれ個別に、少なくともひずみまたは応力のいずれか一方の経時変化を解析する粘弾性解析手段またはステップを備え、前記粘弾性解析手段により得られた少なくともひずみまたは応力のいずれか一方を境界条件として該メッシュの全体マトリクスを解くことで、該成形品の構造解析を行う構造解析手段またはステップを備え、前記構造解析の結果より該成形品の変位または応力またはひずみの少なくともいずれか一つを解析することにより、短時間で安定な計算を行うことができるため、解析による成形品についての事前検討を効率的に実施できるようになる。
本発明の実施形態の構成の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態の記憶媒体の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態の構成の一例を示すフロー図である。 本発明の実施の形態の粘弾性構造解析を行うために要素分割された成形品の一例を示す斜視図である。 発明の実施の形態の動的粘弾性試験で測定された複素弾性率(貯蔵弾性率、損失弾性率)のグラフの一例である。 本発明の実施の形態の動的粘弾性試験で測定された複素弾性率(貯蔵弾性率、損失弾性率)をWLFの時間−温度換算則で換算した結果グラフの一例である。 本発明の実施の形態の動的粘弾性試験で測定された複素弾性率(貯蔵弾性率、損失弾性率)をWLFの時間−温度換算則で換算した結果に対して、プロニー級数によって級数フィッティングした結果グラフの一例である。 本発明の実施の形態のプロニー級数で粘弾性物性を定義した時における弾性率の時間緩和挙動のグラフの一例である。 本発明の実施例1の結果の一例を示すもので、図4の評価位置44における全ひずみの時間変化をグラフ表示した結果である。 本発明の実施例1の結果の一例を示すもので、図4の評価位置44における弾性ひずみの時間変化をグラフ表示した結果である。 本発明の実施例1の結果の一例を示すもので、図4の評価位置44におけるクリープひずみの時間変化をグラフ表示した結果である。 本発明の実施例1の結果の一例を示すもので、図4の評価位置44における熱ひずみの時間変化をグラフ表示した結果である。 本発明の実施例1の結果の一例を示すもので、長手方向変位を等高線表示した結果である。 本発明の比較例1の結果の一例を示すもので、長手方向変位を等高線表示した結果である。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、以下に用語を定義する。
本発明において、「成形品」とは、溶融状態にした成形品材料を流動させることで所望の形にし、その後固めて得られた製品のことをいうが、切削加工などの機械加工により得られた製品でも構わない。
本発明において、「メッシュ分割」とは、成形品をはじめとする構造物を仮想の境界線または面によって有限個の数値解析要素に分割することをいい、分割された要素は、その境界上にある有限個の節点によって、互いに連結される。
本発明において、「粘弾性構造解析」とは、時間領域に対して非定常な構造解析であり、かつ粘弾性物性を用い、任意の時間に発生したひずみに対して発生する応力について弾性緩和を考慮した材料非線形構造解析のことをいう。
本発明において、「粘弾性物性」とは、弾性と粘性を組み合わせた物性であり、その物性を取得できる手段であれば手段は問わないが、例えばJIS K7244に準拠する動的粘弾性試験(DMA)、またはJIS K7115に準拠するクリープ試験により取得し、その取得データを基に、一般化マクスウェルモデルまたはフォークトモデルでモデル化された物性データのことをいう。また、温度の影響についても考慮できれば手段は問わないが、例えばJIS K6394に準拠するWilliams−Landel−Ferry式(WLF式)やアレニウスの時間−温度換算則によりシフトファクターを定義することで、温度の影響も考慮された物性のことである。
本発明において、「全ひずみ」とは、変形後の寸法と元の寸法の差を基の寸法で割ることで得られる物理量である。
本発明において、「弾性ひずみ」とは、ある瞬間の応力をある瞬間の弾性率で割ることで得られる物理量のことである。
なお、弾性の物性であった場合、外力や、温度の時間変化がない場合は、「全ひずみ」、「弾性ひずみ」は時間経過しても変化しない。しかし、粘弾性物性の場合は、時間の経過とともに「クリープひずみ」、すなわち応力緩和により発生するひずみが発生するため、外力や、温度の時間変化がない場合でも、「全ひずみ」、「弾性ひずみ」は時間経過とともに変化する。
本発明において、「射出成形」とは、シリンダー内で加熱溶融させた材料を金型内に注入し、金型空洞部の形状に賦形固化させることにより、所望の形状の成形品を得る成形のことをいう。また、事前に別部品(インサート品)を金型空洞部に挿入し、その周りに成形品材料を注入して一体成形品を作成するインサート成形であっても構わない。
本発明において、「射出圧縮成形」とは、前記射出成形において、金型を完全に閉じて成形するのではなく、予め少し開いた状態から金型を閉じながら、加熱溶融させた材料を金型内に注入する成形のことをいう。
本発明において、「トランスファー成形」とは、前記射出成形において、シリンダーではなくポットで材料を加熱溶融させる成形のことをいう。
本発明において、「圧縮成形」とは、金型の空洞部に成形材料を入れ、圧縮成形機の定盤間で加圧して賦形する成形方法のことをいう。
本発明において、「押出成形」とは、棒、シート、ウェブ、板、パイプなどのようなエンドレス長尺物を連続成形する成形方法のことをいう。
本発明において、「鋳造」とは、材料を鋳型に流し込み鋳型空洞部の形状に賦形固化させることにより、所望の形状の成形品を得る成形のことをいう。材料は、例えば、金属、ガラス、セラミックなどを挙げることができる。
本発明において、「樹脂」とは、高分子化合物からなる物質のことをいい、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド(PI)、アクリルニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリルニトリルスチレン(AS)などを挙げることができる。
本発明において、「配向」とは、成形品材料を流動させることで流動方向に材料が揃うことをいう。
本発明において、「異方性」とは、向きによって機械的特性が異なることをいう。例えば、直方体の成形品をx−y平面上に置いたとき、x方向への引張弾性率とy方向への引張弾性率が異なる場合などをいう。
図1は本発明の実施形態に係る成形品の解析装置の一実施例を示す模式図である。本実施形態例において、粘弾性構造解析装置はパソコンやワークステーションなどのコンピュータ(計算機)1、キーボード2、マウス3などのデータ入力手段、ディスプレイ4などのデータ表示装置で構成される。コンピュータ(計算機)1は、CPU5、主記憶装置(メモリー)6、ハードディスク、フレキシブルディスク、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)メモリー、メモリーカード、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)、ブルーレイディスクなどの補助記憶装置7などにより構成され、それらの構成により、成形品をメッシュ分割する計算モデル作成手段、成形品の粘弾性物性を定義する物性定義手段、メッシュを構成する複数の節点に対してそれぞれ個別に、ひずみの経時変化を解析する粘弾性解析手段、粘弾性解析手段により得られたひずみを境界条件として該メッシュの全体マトリクスを解くことで、該成形品の構造解析を行う構造解析手段を備える。そして本装置は、これらの手段を用いて、得られた構造解析の結果より成形品の変位または応力またはひずみを解析することが可能である。
なお、成形品をメッシュ分割する計算モデル作成手段は、成形品をメッシュ分割したデータを読み込む計算モデル読み込み手段でも問題なく、作成手段、読み込み手段の両方を備えても問題ない。
また、成形品の粘弾性物性を定義する物性定義手段は、成形品の成形品の粘弾性物性を読み込む物性読み込み手段でも問題なく、物性定義手段、物性読み込み手段の両方を備えても問題ない。
また、メッシュを構成する複数の節点に対してそれぞれ個別に、ひずみの経時変化を解析する粘弾性解析手段は、複数の節点の代わりに複数の要素、もしくは複数の節点および複数の要素の両方を用いても問題なく、ひずみの経時変化の代わりに応力の経時変化、もしくはひずみおよび応力両方の経時変化を解析する手段でも問題ない。
また、粘弾性解析手段により得られたひずみを境界条件として該メッシュの全体マトリクスを解くことで、該成形品の構造解析を行う構造解析手段は、応力、もしくはひずみおよび応力の両方境界条件に用いる構造解析手段でも構わない。
図2は本発明の実施形態の補助記憶装置7の格納データの一例を示したものである。補助記憶装置7には、成形品をメッシュ分割するメッシュ分割プログラム11、粘弾性物性を定義する物性定義プログラム12、メッシュを構成する複数の節点に対してそれぞれ個別に、ひずみの経時変化を解析する粘弾性解析プログラム13、粘弾性解析手段により得られたひずみを境界条件として該メッシュの全体マトリクスを解くことで、該成形品の構造解析を行う構造解析プログラム14が格納されている。そして、構造解析の結果より該成形品の変位、応力、ひずみを解析する構造解析することができる。
なお、メッシュ分割プログラム11は、成形品のメッシュ分割データ、もしくはメッシュ分割プログラムおよびメッシュ分割データの両方でも構わない。
また、物性定義プログラム12は、成形品の粘弾性物性データ、もしくは物性定義プログラムおよび粘弾性物性データの両方でも構わない。
また、粘弾性解析プログラム13について、複数の節点の代わりに複数の要素、もしくは複数の節点および複数の要素の両方を用いても問題なく、ひずみの経時変化の代わりに応力の経時変化、もしくはひずみおよび応力両方の経時変化を解析しても問題ない。
また、構造解析プログラム14は、ひずみの代わりに応力、もしくはひずみおよび応力の両方を境界条件に用いても問題ない。
図3は本発明の実施形態の一例を示すフロー図である。パソコンやワークステーションなどのコンピュータ1は、キーボード2、マウス3などのデータ入力手段からの情報を基に、補助記憶装置7からメモリー6にプログラムやデータを読み込む。
読み込まれたデータにより、成形品をメッシュ分割するかメッシュ分割された成形品の計算モデルの読み込みを行う(ステップ21)。
さらに、粘弾性解析を実行するため成形品の粘弾性物性を定義するか粘弾性物性の読み込みを行う(ステップ22)。
なお、ステップ21、ステップ22はどちらを先に実施しても、両者を並行して実施しても問題ない。
ステップ22の粘弾性構造解析用の粘弾性物性は、物性を取得、定義できれば手段は問わないが、以下に取得する方法、定義する方法の一例を示す。取得方法については、例えば、成形品材料を用いたDMA(動的粘弾性試験)で、温度、周波数依存の複素弾性率を取得する方法が簡便であるため、最も都合がよい。定義方法については、Williams−Landel−Ferry式(WLF式)やアレニウス式の時間−温度換算則によって、温度、周波数の両者に依存する複素弾性率データを周波数のみに依存する形式に変換後、ラプラス変換やフーリエ変換により、一般化マクスウェルモデルのプロニー級数で定義することが最も一般的である。また、異方性を考慮する場合は、例えば成形品が射出成形で使用する樹脂である場合、JIS K7252−5に準拠する方法で試験片を取得し、異方性を考慮した物性を取得するようにする。
次に、コンピュータやワークステーションなどの計算機1は、ステップ21、ステップ22のデータを基に、ステップ23から25でメッシュを構成する複数の節点に対してそれぞれ個別に、ひずみの経時変化を解析する粘弾性解析を実施する。なお、これらのステップはメッシュを構成する複数の節点に対して、相互作用を考慮せずそれぞれ個別に行うため、効率的な並列化計算を行うことが可能である。
まず、初期状態として、時間を0、ステップ=0とする(ステップ23)。ステップをステップ=(N−1)からステップ=Nに進める間で、メッシュを構成する複数の節点に対してそれぞれ個別に、ひずみの経時変化を解析する粘弾性解析を実施する(ステップ24)。ステップ=(N−1)からステップ=Nに進むと、経過時間δtが経過し、時間tとなる(ステップ25)。
ステップ26は経時変化を解析する粘弾性解析の終了を判定するステップである。時間tが、時間領域について非定常な粘弾性構造解析終了時間tend以上になったとき、粘弾性解析を終了する。粘弾性解析終了時間については、時間tとtendが一致するように、最終ステップ経過時間δtを調整することが好ましい。
ここで、粘弾性物性の定式化の一例を式(1)に示す。弾性率Eは初期値(瞬間弾性率)をEとし、プロニー級数と呼ばれる弾性率の級数E、緩和時間の級数τと経過時間tに応じて緩和する。また、温度の効果はシフトファクターaにより反映され、温度が高いほど、緩和時間が短いものとして扱われる。
Figure 2017149020
式(2)は、時刻tにおける応力σ(t)の算出式である。式(1)に示される緩和を考慮した弾性率Eと任意の時間sで発生したひずみεの積を畳み込み積分し、時刻tにおける応力σ(t)を算出する。時間sは時刻0から時刻tまでの任意の時間で、積分計算を行う場合は、時刻0から時刻tまでの連続的な時間、ステップ計算を行う場合は、時刻0から時刻tの間の各ステップの時間である。
Figure 2017149020
式(1)、式(2)は、縦弾性率Eについて示しているが、せん断弾性率G、体積弾性率Kについても同様の扱いをする。
なお、粘弾性解析を行う上で、成形品の温度や圧力も重要なパラメータの一つであるため、伝熱計算手段および圧力計算手段、または伝熱計算結果読み込み手段および圧力計算結果読み込み手段も含むことが好ましい。
伝熱解析では、成形品または成形品の周囲(型や空気など)の熱物性(例えば、比熱、比重、熱伝導率)または成形品と成形品の周囲との熱伝達率のいずれかを用いて、時間領域に対して非線形な成形品温度を解析する。各熱物性について、時間、場所、温度に依存するデータを用いても、もちろん構わない。また、流動した場合、熱も流動とともに移動することを考慮しても構わない。なお、伝熱計算を行わず、別に実施された伝熱計算結果を読み込んでも問題ない。
温度の経時変化データは、時間−温度換算則によって、時間に換算するとよい。
時間−温度換算則について、Williams−Landel−Ferry式(WLF式)で定義した場合、換算式は式(3)で示される。
Figure 2017149020
はシフトファクター(換算係数)で、C、Cは定数で、Tは温度、Tは基準温度でガラス転移温度もしくガラス転移温度+50℃を用いることが一般的であるが、これらに限定されるものではない。
そして、シフトファクター(換算係数)aにより、緩和時間の級数τは式(4)により変換する。
Figure 2017149020
式(3)、式(4)により、基準温度Tよりも高温の場合は、緩和時間が短い、すなわち実際の経過時間よりも長時間経過したとみなし、低温の場合は、緩和時間が長い、すなわち、実際の経過時間よりも短時間しか経過していないとみなす換算が行われる。これは、高温下でクリープ試験を行うことにより時間経過を加速させる手法を解析の上で再現させているとみなすこともできる。
圧力は、粘性流体解析で得られたものが好ましく、粘弾性解析の初期応力として利用することが好適である。
なお、メッシュを構成する複数の節点に対してそれぞれ個別に、ひずみの経時変化を解析するためには、その時々の成形品のひずみもしくは応力状態が境界条件として必要になる。例えば、ある瞬間、ある外力を受けていると仮定した場合、外力と成形品の釣り合いを解くことで、ひずみもしくは応力分布を算出することができる。また、ある瞬間、ある寸法で固定されていると仮定した場合においても、その応力外力と成形品の釣り合いを解くことで、ひずみもしくは応力分布を算出することができる。そのようにして得られた、経時変化する応力の値を、メッシュを構成する複数の節点に割り当て、そこで粘弾性物性を考慮して粘弾性解析することで、応力緩和の影響を加味した複数の節点または複数の要素のひずみまたは応力の経時変化を解析することができる。
さらに典型的な例として、成形品が型により賦形して成形するものである場合は、前記粘弾性解析手段は、前記成形品が型の中で賦形している時は全ひずみを、該型から取り出した後は弾性ひずみを時間tの関数値として、緩和を考慮した応力およびひずみを解くことが好ましい。これは、成形品が型の中に存在するとき、成形品寸法は型寸法で規定されるため、全ひずみが型寸法の時間変化で規定することが可能であるからである。一方、成形品が型から取り出された後は、型の拘束が外れ変形が生じるため、全ひずみで規定するよりも弾性ひずみで規定することが好ましい。この時、弾性ひずみの値を0と規定して解析することが最も簡便であるが、弾性ひずみ分布を計算して境界条件として与えることが好ましい。
最後に、ステップ21からステップ26の粘弾性解析ステップにより得られたひずみを境界条件として該メッシュの全体マトリクスを解くことで、該成形品の構造解析を行う構造解析を実施する(ステップ27)。そして、その結果、該成形品の変位または応力またはひずみを解析する。
図3に示すフロー図に従って得られた結果を用いて、応力、ひずみ、変位が小さくなる成形条件、熱処理条件、型形状の探索を実施することができる。また、本発明の内容に対して、最適化プログラムを適用して、応力、ひずみ、変位が小さくなる成形条件、熱処理条件、型形状を自動探索することも可能である。
また、例えば成形品がレンズであった場合、応力解析結果から複屈折やリタデーションを評価することも可能である。
なお、粘弾性挙動は、特にガラス状態下で発生する特徴があるため、本発明を適用する成形品の材料は樹脂またはガラスまたはゴムであることが最も好適であるが、その他ガラス状態になる材料、例えば食品、薬品、建築資材などにも適用することも可能である。また、金属であってもアモルファス金属などにも適用することは可能である。
なお、本発明において、成形品は、射出成形、射出圧縮成形、トランスファー成形、圧縮成形、押出成形、または鋳造により成形されるものに適用することが好ましい。本発明は、成形法に依存しないが、これらの成形方法の場合、該メッシュを構成する複数の節点または複数の要素の少なくともいずれか一方に対してそれぞれ個別に、ひずみまたは応力状態の境界条件を設定しやすいため、これらの成形方法に適用することが特に好ましい。
なお、本発明において、成形品は配向異方性を有することが好ましい。配向異方性を有する場合、成形後の変位または応力またはひずみなどの機械的特性が特に顕著になるため、実際の成形前に解析による評価を行うことが、配向異方性を有さない材料の場合と比較して特に重要となる。
〔実施例1〕
図4は、射出成形による成形を想定した硯形状の成形品である。本形状に対して本発明を適用し、成形後の変形、ひずみ、応力を評価する。
成形品は、製品部41と成形機と製品部をつなぐスプルーランナー42で構成される。通常、製品部41のみを製品として利用し、スプルーランナー42は、通常、廃棄もしくはリサイクルされる。
本形状に対して本発明を実施するため、要素数15812、節点数21537でメッシュ分割した。想定使用樹脂はポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(東レ株式会社製、グレード名:5101−H01)で、汎用射出成形解析ソフトで必要な物性(粘度、P−V−T物性など)に加え、粘弾性物性をセイコーインスツル株式会社製動的粘弾性試験装置(DMS6100)で測定した。粘弾性物性測定では、加振周波数を0.1Hz、1Hz、10Hzの3水準設定し、温度を室温から200℃まで2℃/minの昇温速度で測定した。図5は測定結果をグラフ化したもので、横軸が温度、縦軸が貯蔵弾性率、損失弾性率である。時間−温度の依存性があるため、周波数によって、異なる弾性率になっている。これを、式(3)に示すWLF則に従い、C=30、C=180、T=100として、時間−温度換算則により換算した。
図6に換算結果を示す。グラフの横軸が周波数、縦軸が貯蔵弾性率、損失弾性率である。このグラフにフィッティングさせる形で、プロニー級数を決定する。表1は用いた級数、図7は表1の級数に対応する貯蔵弾性率、損失弾性率を図6のグラフ上に記載したものである。級数フィッティングした貯蔵弾性率、損失弾性率は、図6の貯蔵弾性率、損失弾性率とほぼ一致していることが分かる。
図8は表1の級数について、式(1)に代入することで得られる弾性率の時間緩和を示すグラフである。横軸がシフトファクター×時間、縦軸が縦弾性率を示している。
Figure 2017149020
想定成形条件は、金型温度80℃、充填時間0.5秒、保圧時間5秒、保持圧力50MPa、保圧後の冷却時間を20秒とした。
流動解析は東レエンジニアリング株式会社製汎用射出成形解析ソフト“3D TIMON(登録商標)”により実施した。粘弾性構造解析は、東レエンジニアリング株式会社製 “3D TIMON(登録商標)”の構造解析アルゴリズムに本発明の粘弾性構造解析を組み込んだものを用いて実施した。
メッシュを構成する複数の節点または複数の要素のいずれか一方に対してそれぞれ個別に、少なくともひずみまたは応力のいずれか一方の経時変化を計算する粘弾性解析ステップについて、本実施例では、メッシュを構成する複数の節点それぞれ個別にひずみの経時変化を計算した。
また、計算を簡便にするため、成形品が型内にあるときは、全ひずみの値を0、型から取り出した後は弾性ひずみを0と規定した。
図9、図10、図11、図12はひずみ評価位置44における型内、型から取り出した後の全ひずみ、弾性ひずみ、クリープひずみ、熱ひずみの時間変化を示したものである。
図9に示すように型内では全ひずみの値が0になっている。また、図10に示すように型から取り出した後は、弾性ひずみが0になっている。
図13はそれぞれの節点計算したひずみを境界条件として全体マトリクスを解くことで得られた成形品の変形解析結果である。コンター(等高線)は長手方向の変位量を示している。
式(5)は収縮率の算出式である。式(5)に基づいて、図4に示す長手方向43の寸法について、成形収縮率を評価した。
Figure 2017149020
変形解析の結果、長手方向成形収縮率は1.90%と、成形収縮率のカタログ値(1.8%)の1.05倍(誤差5%)となった。
また、計算に要した時間は24秒、並列化効率は92%と、高い並列化効率の下で、短時間に計算結果を得ることが可能であった。
〔比較例1〕
実施例1と同一のメッシュ、同一の物性データ、成形条件、熱処理条件の下、東レエンジニアリング株式会社製汎用射出成形解析ソフト“3D TIMON(登録商標)”の粘弾性オプションモジュール“StructVE(登録商標)”を用いて、解析を実施した。
粘弾性オプションモジュール“StructVE(登録商標)”では、型内、型から取り出した後の全ステップについて、その時々の境界条件に応じて、粘弾性を考慮しながら、全体マトリクスを用いて構造解析を実施し、成形品の変形を解析している。
図14は解析で得られた成形品の変形解析結果である。コンター(等高線)は長手方向の変位量を示している。得られた変形結果は実施例の変形解析結果(図13)とほぼ同一であった。また、長手方向成形収縮率も1.92%で、実施例の結果ほぼ同一になった。なお、計算に要した時間は492秒、並列化効率12%と、実施例よりも約20倍多くかかり、並列化効率も低かった。
〔まとめ〕
本発明を用いると、比較例1と同等の解析結果を短時間で得ることができる。実施例1、比較例1はいずれも500秒以下で計算ができるため、両者とも計算時間として大きな問題にはならない。しかし、実施例1、比較例1で用いたメッシュよりもメッシュ数の大きな解析モデル(例えば節点数が200万)では、従来の方法では、1日以上計算時間がかかる場合もあり、従来発明の方法よりも1/20の時間で計算ができる本発明は非常に有効となる。
1 コンピュータ(計算機)
2 キーボード
3 マウス
4 ディスプレイ
5 CPU
6 主記憶装置(メモリー)
7 補助記憶装置
11 メッシュ分割プログラム
12 粘弾性物性定義プログラム
13 粘弾性解析プログラム
14 構造解析プログラム
41 製品部
42 スプルーランナー
43 長手方向
44 ひずみ評価位置

Claims (12)

  1. プログラムされたコンピュータによって成形品の構造解析を実施する成形品の解析装置であって、少なくとも該成形品をメッシュ分割する計算モデル作成手段またはメッシュ分割された該成形品の計算モデルを読み込む計算モデル読み込み手段のいずれか一方を備え、少なくとも該成形品の粘弾性物性を定義する物性定義手段または該成形品の粘弾性物性を読み込む物性読み込み手段のいずれか一方を備え、該メッシュを構成する複数の節点または複数の要素の少なくともいずれか一方に対してそれぞれ個別に、少なくともひずみまたは応力のいずれか一方の経時変化を解析する粘弾性解析手段を備え、前記粘弾性解析手段により得られた少なくともひずみまたは応力のいずれか一方を境界条件として該メッシュの全体マトリクスを解くことで、該成形品の構造解析を行う構造解析手段を備え、前記構造解析の結果より該成形品の変位または応力またはひずみの少なくともいずれか一つを解析することを特徴とする成形品の解析装置。
  2. 前記成形品は型により賦形して成形するものであって、前記粘弾性解析手段は、前記成形品が該型の中で賦形している時は全ひずみを、該型から取り出した後は弾性ひずみを時間tの関数値として、緩和を考慮した応力およびひずみを解くことを特徴とする請求項1に記載の成形品の解析装置。
  3. 前記成形品の材料が樹脂またはガラスまたはゴムであることを特徴とする請求項1または2に記載の成形品の解析装置。
  4. 前記成形品が射出成形、射出圧縮成形、トランスファー成形、圧縮成形、押出成形または鋳造によって成形された成形品であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の成形品の解析装置。
  5. 前記成形品の材料が少なくとも該成形品の材料の配向または該成形品の材料に含有する強化物の配向のいずれか一方によって、配向異方性を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の成形品の解析装置。
  6. プログラムされたコンピュータによって成形品の構造解析を実施する成形品の解析方法であって、少なくとも該成形品をメッシュ分割する計算モデル作成ステップまたはメッシュ分割された該成形品の計算モデルを読み込む計算モデル読み込みステップのいずれか一方を備え、少なくとも該成形品の粘弾性物性を定義する物性定義ステップまたは該成形品の粘弾性物性を読み込む物性読み込みステップのいずれか一方を備え、該メッシュを構成する複数の節点または複数の要素の少なくともいずれか一方に対してそれぞれ個別に、少なくともひずみまたは応力のいずれか一方の経時変化を解析する粘弾性解析ステップを備え、前記粘弾性解析ステップにより得られた少なくともひずみまたは応力のいずれか一方を境界条件として該メッシュの全体マトリクスを解くことで、該成形品の構造解析を行う構造解析ステップを備え、前記構造解析の結果より該成形品の変位または応力またはひずみの少なくともいずれか一つを解析することを特徴とする成形品の解析方法。
  7. 前記成形品は型により賦形して成形するものであって、前記粘弾性解析ステップは、前記成形品が該型の中で賦形している時は全ひずみを、該型から取り出した後は弾性ひずみを時間tの関数値として、緩和を考慮した応力およびひずみを解くことを特徴とする請求項6に記載の成形品の解析方法。
  8. 前記成形品の材料が樹脂またはガラスまたはゴムであることを特徴とする請求項6または7に記載の成形品の解析方法。
  9. 前記成形品が射出成形、射出圧縮成形、トランスファー成形、圧縮成形、押出成形または鋳造によって成形された成形品であることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の成形品の解析方法。
  10. 前記成形品の材料が少なくとも該成形品の材料の配向または該成形品の材料に含有する強化物の配向のいずれか一方によって、配向異方性を有することを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の成形品の解析方法。
  11. 請求項6から10のいずれかに記載の方法を用いて、成形品の解析をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  12. 請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。
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